JP6132277B1 - 壁貫通孔用スリーブ - Google Patents

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Abstract

【課題】建造物の壁に貫通孔をあけ、スリーブを設置する際に、多大な労力、時間を必要とせず、貫通孔とスリーブの隙間を充分に埋めることができる技術を提案する。【解決手段】本発明に係る壁貫通孔用スリーブは、壁の貫通孔に挿入する管体であって、管体の軸方向に切断部を持つ円筒部と、少なくとも円筒部の両端部の外周を覆う隙間埋め部と、から成り、円筒部は、切断部付近を所定量重ねることができ、隙間埋め部は弾性体であるという構成を採用した。【選択図】図1

Description

本発明は、建造物の壁等に貫通孔を設け、貫通孔にスリーブを配置する作業に関し、詳しくは、スリーブを配置する際の作業効率の改善と施工後のスリーブと貫通孔間の隙間を無くし気密性を向上させる技術に関する。
建造物にエアコン等を取りつける際、室内機と室外機をケーブル、パイプ等でつなぐために、室内と外部とを相通させる貫通孔を開ける。
手順として、壁に所定大きさの貫通孔をあけ、壁の厚さに合ったスリーブを貫通孔に挿入し固定する。スリーブは、通常、円筒状の樹脂物であり、孔とスリーブの外周は密着することが望ましい。スリーブの中にケーブル、パイプ等を通し、外壁側と内壁側を蓋やパテ等で固定し、施工完了となる。
スリーブと貫通孔との間に隙間ができると、壁の内側の気密性が下がる。近年の建造物は外壁、中壁、内壁型構造体の気密住宅等が多い。貫通孔とスリーブの間に隙間ができてしまうことで、雨水や外気、湿気、小動物の侵入が発生し、気密性が大幅に低下してしまう恐れがある。
気密性を維持するには、外壁、中壁、内壁すべての隙間を埋める必要があるが、多大な労力、時間を伴ってしまう。そのため、屋外側をパテで塞ぐのみで対応する場合も多かった。
次に、貫通孔とスリーブの隙間の量について考える。貫通孔の内径とスリーブの外径が同じであれば、隙間は生じない。しかし、設計誤差や製造ばらつき、貫通孔表面のバリ等を考慮し、貫通孔の内径よりもスリーブの外径を小さくする必要がある。そのため、貫通孔とスリーブ間の隙間は、必然的に発生してしまう。
これらの問題を解消するために、多大な労力、時間を必要とせず、貫通孔とスリーブの隙間を十分埋めることができる技術が求められていた。
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、壁の貫通孔に挿入する管材であって、壁内の気密性を保持可能な壁連通管材(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、全体を柔軟性と弾力性を有する合成樹脂で筒状に一体形成した壁連通管材であり、壁内部に配置される部分をジャバラ形状としたものである。
本先行技術は、貫通孔を設けた壁内の気密性を保持する構造である点は、本発明と同じである。しかしながら、本先行技術では、ジャバラ構造であることから貫通孔よりも大径であるため入れ難く、貫通孔にスリーブを挿入する際の作業性を向上させることについて考慮されていないため、前記問題の解決には至っていない。
また、壁の中に貫通孔を設けてそこにスリーブを取り付けても、高気密高断熱性が損なわれない技術(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、スリーブと貫通孔の隙間に硬化性の液体状の断熱材からなる気密材を充填して気密材が硬化することにより、壁内の通気層に接している気密シートの貫通孔による隙間を完全に閉塞するものである。
本先行技術は、貫通孔を設けた壁内の気密性を保持する構造である点は、本発明と同じである。また、管材と隙間埋め材からなる点が本発明と同じである。しかしながら、本先行技術は、スリーブ挿入後、気密材の充填、硬化を行わなければならない。そのため、貫通孔にスリーブを挿入する際の作業性の向上については考慮されておらず、前記問題の解決には至っていない。
特許3848968号 特開2002−147654
本発明は、上記問題点に鑑み、多大な労力や時間を必要とせず、貫通孔とスリーブの隙間を確実に埋めることで、建造物の気密性を維持することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る壁貫通孔用スリーブは、壁の貫通孔に挿入する管体であって、該管体の軸方向に切断部を持つ円筒部と、少なくとも該円筒部の両端部の外周を覆う隙間埋め部と、から成り、該円筒部は、切断部付近を所定量重ねることができ、該隙間埋め部は弾性体である構成となっている。
また、本発明は、前記隙間埋め部が、前記切断部付近を重ねない状態で前記円筒部の外周で密着し、前記切断部付近を所定量重ねた状態で前記円筒部と接着可能な領域である接着部で接着されている構成となっている。
さらに、本発明は、前記接着部が、前記切断部に近く、前記管体の軸方向に沿った帯状である構成を採ることもできる。
またさらに、本発明は、前記隙間埋め部が、スポンジ、ゴム、ウレタン、ジェルである構成とすることもできる。
そしてまた、本発明は、前記隙間埋め部が、円筒状若しくはシート状である構成を採用することもできる。
本発明に係る壁貫通孔用スリーブによれば、スリーブを孔に挿入しやすく、後工程無しで隙間を埋めることができるので、作業効率の向上に資することができる。
また、本発明に係る壁貫通孔用スリーブによれば、建造物との隙間を埋めることができるので、雨水や小動物等の侵入防止、気密性の確保をより確実に行うことができ、さらには、建造物の開口損失を少なくすることができるので、建造物の劣化を遅らせることが可能となる。
本発明に係る壁貫通孔用スリーブの実施形態を示す全体斜視図である。 本発明に係る壁貫通孔用スリーブの製造手順を示す断面図である。 本発明に係る壁貫通孔用スリーブの孔への挿入時の形状を示す断面図である。 本発明に係る壁貫通孔用スリーブの取りつけ工程を示す断面図である。 本発明に係る壁貫通孔用スリーブの円筒部と隙間埋め部の接着の例を示す断面図である。 本発明に係る壁貫通孔用スリーブの他の実施形態を示す斜視図と取りつけ工程を示す断面図である。
本発明に係る壁貫通孔用スリーブは、孔に挿入しやすく、後工程無しで隙間を埋めることができることを最大の特徴とする。以下、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの構成態様は、下記に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1から図4に従って、本発明を説明する。
図1は、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの実施形態を示す全体斜視図であり、(a)は円筒部100の一部を重ねていない状態のスリーブ1、(b)は円筒部100の一部を重ねた状態のスリーブ1である。
図2は、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの実施例の製造手順を示す断面図である。
図3は、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの孔への挿入時の形状を示す断面図であり、(a)は挿入前、(b)は挿入時に径を縮めた状態を示す。
図4は、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの取りつけ工程を示す断面図であり、壁材と円筒部100、隙間埋め部200の関係を説明する図である。(a)から(c)が貫通孔部440にスリーブ1を設置する手順を示し、(d)は貫通孔部440が斜めに開けられ、スリーブ1の端部をそれに応じて斜めにカットした場合の設置図である。
スリーブ1は、円筒部100と、隙間埋め部200と、テープ部300から構成されている。スリーブ1は、エアコン等を設置する際に壁部400に貫通孔部440を開けた際、壁部400の内部に、外気や雨水等が侵入することを防ぐために、壁部400の厚さと貫通孔部440の径に合わせて設置される管状のものである。壁部400に開けられる貫通孔部440の形状は、通常円形であるが、その他にも多角形など種々の形状を採る場合も考え得る。スリーブ1の外径は、貫通孔部440の径によって決定されるもので、特に限定はないが、貫通孔部440の径よりも若干大きい。また、スリーブ1の内径は、貫通孔部440の用途によってエアコン等の配線、パイプが通るのに十分な大きさを持つ。スリーブ1の長さは、概ね設置する壁の厚さ程度である。
円筒部100は、円筒状であり、外圧に対して内部のケーブル、パイプを保護できる程度の硬度を持つ。また、内部のケーブル、パイプのゆがみ等で変形しない程度の硬度を持つ。さらに、防水性、長期間の耐久性をもつ材質が望ましい。たとえば、樹脂、塩化ビニール等が好適である。
また、後述するように、設置の途中に変形させることから、弾力性、復元性を持つと好適である。
円筒部100は、長手方向、円筒の軸方向に切断部110を有する。切断部110は、円筒部100の一方の端部から他方の端部まで設けられている。切断部110は、概ね円筒部100の中心軸方向に切断されており、切断部110同士が当接した場合、互いにズレが発生しにくい形状である。切断部110は、設置の際、接着剤で切断部110を塞ぐように固定する場合もあるので、切断面は滑らかであると好適である。
切断部110は、スリーブ1を貫通孔部440に挿入後、円筒部100の内側から加圧する等して、切断部110の切断面同士が密着する状態で安定させる。さらに、切断部110の切断面の一部又は全部に接着部120を設け、切断部110の切断面同士が密着した状態で、接着剤によって、強固に固定しても良い。
隙間埋め部200は、スリーブ1が貫通孔部440に設置された際、該スリーブ1と壁部400の隙間を埋める役割を果たすものである。円筒部100の周囲に配置され、弾性体の素材からなる。隙間埋め部200の形状については、円筒部100の周囲において円筒状の形態を採り得るものであれば特に限定はなく、始めから円筒状の形状であってもいいし、シート状でもよい。円筒状の場合は、円筒部100を覆った際、円筒部100と隙間埋め部200の間に隙間ができない程度の大きさが好適である。シート状の場合は、円筒部100を海苔巻のように包んで、接着剤等で円筒部100に固定する。
素材としては、弾力があり隙間を埋めやすい材質として、スポンジやウレタン、ゴム、ジェルなどが考えられる。スポンジやウレタンは、細かな凹凸に柔軟に変形可能であり、隙間を埋めることができる。ゴムは、比較的強い弾性力で、スリーブ1を壁部400に付勢することができ、高い圧力で隙間を埋めることができる。ジェルは、スリーブ1と壁部400との隙間にて全体として均一な圧力をかけるができ、隙間を漏れなく埋めることができる。
テープ部300は、円筒部100の切断部110付近に設置されるものである。切断部110が無用に開くことを防ぐと共に、貫通孔部440にスリーブ1を挿入する際の円筒部100の径を縮める量を規定している。テープ部300は、一方に接着面を持つテープである。円筒部100の切断部110の隙間を合わせる状態で、テープ部300を円筒部100の切断部110に沿って貼り付けることによって、切断部110による隙間が無用に大きくなることを防ぐものである。また、テープ部300の幅方向の中央付近に非粘着部310を持つ。非粘着部310は、接着面に対して、粘着性を下げる加工を施した部分である。テープ部300を円筒部100の切断部110付近に貼り付ける際に、非粘着部310の幅方向の一方の端辺を切断部110に合わせるようにする(図1(a))。このようにすることで、切断部110の非粘着部310に対向する側である一方の面を切断部110の他方の面の内側に潜らせ、円筒部100の一部を重ねることができる(図1(b))。
また、テープ部300の一部を両面テープとして、テープ部300によって、円筒部100と隙間埋め部200を固定できるようにしても良い。
図2に沿って、スリーブ1の作成工程を説明する。塩化ビニールパイプ等の円筒素材を、壁部400の厚さに合わせて切断し、円筒の軸方向に背割れを入れる(図2(a))。背割れを入れることで形成された切断部110は、円筒部100の周方向に垂直な面である。そのため、切断部110同士が接触し、互いに付勢してもズレることは無い。また、切断部110の一部又は全部に対して、接着剤を塗布して、貫通孔部440内に設置、施工完了後、切断部110の面同士が離れることを防止してもよい。そうすることで、施工完了後、何らかの原因で、切断部110の面同士がズレて、円筒部100の一部が重なることを防ぐことができる。接着剤は、設置、施工の作業時間の短縮のため、瞬間接着剤が好適である。
次に、円筒部100に対して、テープ部300を貼り付ける(図2(b))。テープ部300の一部は、非粘着部310である。円筒部100にテープ部300を貼り付ける際、円筒部100の切断部110の面同士を接触させ、非粘着部310の一方の端辺が、切断部110の位置に沿うように、テープ部300を貼り付ける(図2(c))。こうすることで、切断部110の一方の面は、テープ部300に接着され、切断部110の他方の面は、非粘着部310によって、テープ部300に接着されない状態となる。そうすると、円筒部100の切断部110の非粘着部310側は、周囲から力を加えることで、内側に変形させることができ、周囲から力を加えることをやめた場合、円筒部100の弾力性によって、自然に切断部110の面が密着した状態に復帰されることができる。
次に、円筒部100、テープ部300に対して、隙間埋め部200を覆うように取りつける。隙間埋め部200は弾性体であり、隙間埋め部200の内径を円筒部100の外径とほぼ同じとすることで、隙間埋め部200は、円筒部100の周囲に隙間なく取りつけることができる(図2(d))。
図3に沿って、スリーブ1を貫通孔部440に挿入する際の変形について説明する。図3(a)はスリーブ1の断面図であり、円筒部100が通常の円筒形を保っている状態である。矢印Aの方向に力を加える。すると、円筒部100の切断部110の非粘着部310側は、テープ部300と円筒部100が接着されていないために、容易に内側に変形する。さらに、力を加えることで、円筒部100は切断部110付近で重なり、円筒部100の直径が小さくなる(図3(b))。その際、テープ部300、隙間埋め部200の一部も円筒部100の変形に応じて、変形し、全体としての直径が小さくなる。
直径の変形量は、非粘着部310の周方向の長さに依存する。スリーブ1を貫通孔部440に挿入する際、5%から20%程度、直径を小さくすると考えると、非粘着部310の周方向の長さも円筒部100の周方向の長さの5%から20%程度が好適である。例えば、円筒部100の直径を60mmとすると、円筒部100の円周は、約188mm。10%程度、直径を小さくするのであれば、非粘着部310の周方向の長さは18mm程度とすると良い。そうすることで、円筒部100は、18mm程度周方向に重なり、直径を10%程度小さくすることができる。そして、直径が小さくなった状態で、貫通孔部440に対して、容易に挿入することができる。
図4に沿って、壁部400へのスリーブ1の施工工程を説明する。図はすべて、壁部400の貫通孔部440における断面図である。壁部400は、外壁部410、中壁部420、内壁部430からなり、外壁部410は外気に接し、内壁部430は、部屋内に接している。外壁部410と中壁部420の間は、通気部450である。中壁部420と内壁部430の間は、断熱部460である。貫通孔部440は、外壁部410、中壁部420、内壁部430を貫通した孔であり、断熱部460のグラスウール等も貫通している。
壁部400に対して、直径を小さくしたスリーブ1を挿入する(図4(a))。この際のスリーブ1の断面は、図3(b)のようになっている。スリーブ1の直径が小さくなっているので、貫通孔部440に対して、容易に挿入できる。直径が小さい状態を維持するためにスリーブ1の両端に一時的にリングをつけても良い。スリーブ1の長さは、概ね、壁部400の厚さと同じである。壁部400よりも極端に長いと施工後に出っ張りとして目立ち美観を損ねる。また、壁部400の厚さよりも極端に短いと外壁部410又は内壁部430のいずれかと接触できず、気密性というスリーブ1の本来の機能を果たせないからである。
スリーブ1を貫通孔部440に挿入完了後、スリーブ1の両端のリングを外す等することで、スリーブ1の直径が元に戻る方向に形状が変形する。その際、隙間埋め部200の一部が、外壁部410、中壁部420、内壁部430等に接触する。隙間埋め部200は弾力があり、接触した壁に応じて変形する(図4(b))。隙間埋め部200の素材は、例えば、スポンジやウレタン、ゴム、ジェルである。スポンジやウレタンであれば、比較的小さな力でも壁の形状に合って変形し、スリーブ1と壁の隙間を埋めることができる。ゴムであれば、スリーブ1と壁を密着させる力は比較的強くする必要があるが、スリーブ1と壁の隙間を高圧で埋めることができるので気密性を高く保つことができる。ジェルであれば、スリーブ1と壁との圧力をすべての接触面で均一にすることができるので、効率よく隙間を埋めることができる。
隙間埋め部200の厚さが比較的厚いと、円筒部100の復元が十分でなく、円筒部100の重なりが解消しない場合もある。その場合は、冶具等で円筒部100の内側から外方向に付勢し、円筒部100を本来の円筒形になるように補助してもよい(図3(c))。円筒部100の内側からの付勢によって、切断部110の面が対向する位置までくれば、切断部110の両面は密着し、ズレなくなり、円筒部100は安定した円筒形となる。また、切断部110の一部又は全部を接着部120とすることによって、切断部110の両面は接着され、より強固となる。
また、他の施工例として、貫通孔部440が斜めに開けられた場合のスリーブ1の施工例を示す(図3(d))。雨水の流入防止等で、貫通孔部440を斜めに開けることも多い。その際は、スリーブ1の端部もそれに応じて斜めにカットし、両端が外壁部410、内壁部430に合うようにする。そうすることで、外壁部410、内壁部430に対して、隙間埋め部200を密着させることができ、気密性を保つことができる。
このように、本発明のスリーブ1を用いて施工することによって、貫通孔部440へスリーブ1を挿入等の簡単な作業のみで施工が完了するので、パテの充填等の追加作業が無く、作業効率を改善できる。
また、外壁部410、内壁部430のみでなく、中壁部420に対しても気密性の向上を図ることができるので、建造物の開口損失を少なくし、建造物の劣化を遅らせることができる。
他の実施例について、図5を用いて説明する。尚、実施例1と同様の部分は説明を省略する。
図5は、本発明に係る壁貫通孔用スリーブの円筒部と隙間埋め部の接着の例を示す断面図であり、(a)は2か所で円筒部100と隙間埋め部200を接着した例、(b)はほぼ全面で円筒部100と隙間埋め部200を接着した例を示している。
実施例1では、円筒部100と隙間埋め部200を隙間埋め部200の弾力性で密着する例を説明したが、円筒部100と隙間埋め部200の隙間をより少なくするために円筒部100と隙間埋め部200を接着しても良い。図5(a)では、円筒部100の切断部110の一方に両面テープ部320を配置し、切断部110の他方から円筒部100の重なり範囲部分だけ離した位置にもう一つの両面テープ部320を配置している。両面テープ部320は円筒部100の軸方向に帯状となる形状であると、円筒部100と隙間埋め部200をスリーブ1の長手方向すべてについて密着できるので好適である。このような形状をとることによって、少ない接着面積で円筒部100と隙間埋め部200を固定することができる。
また、図5(b)のように、両面テープ部320を円筒部100のほぼ全周に配置しても良い。両面テープ部320は円筒部100に対して、実施例1の非粘着部310に相当する部分を除く、すべての領域に配置する。こうすることで、より円筒部100と隙間埋め部200を密着することができる。また、この構造とすることによって、隙間埋め部200の形状を円筒状ではなく、シート状とすることが容易となる。図5(b)において、隙間埋め部200は、シート状であり、図面上、円筒部100の下部分で切れ目がある構造である。隙間埋め部200をシート状とすることで、円筒部100に対して隙間埋め部200の固定作業をより容易にすることができる。
他の実施例について、図6を用いて説明する。尚、実施例1、実施例2と同様の部分は説明を省略する。
図6(a)は、スリーブ1の斜視図である。図6(b)及び(c)は、施工工程を説明する断面図である。
実施例1において、スリーブ1の隙間埋め部200が壁部400の外壁部410、中壁部420、内壁部430と密着する例を説明したが、建造物によっては、中壁部420の無い場合や、簡易的に外壁部410、内壁部430への密着のみでいい場合もある。その場合、隙間埋め部200の長手方向の中間部分の部材が不要と考えることもある。
本実施例は、外壁部410、内壁部430へのスリーブ1の密着を目的とする場合に、隙間埋め部200の使用量を減らし、コスト等を削減するものである。
円筒部100に切断部110が形成され、テープ部300を切断部110付近に貼付することは、実施例1と同じである。隙間埋め部200は、円筒部100の周囲において円筒状の形態を採り、円筒部100の両端部を覆うように配置される。隙間埋め部200の軸方向の長さは、概ね、外壁部410、内壁部430の厚さよりも若干長い(図6(a))。
実施例1と同様に、切断部110付近で円筒部100の一部を重ね、スリーブ1の直径を小さくして、貫通孔部440に挿入する(図6(b))。次に、円筒部100の重なりを解消することで、スリーブ1の直径が元に戻り、隙間埋め部200が外壁部410、内壁部430に対して付勢する形となり、隙間埋め部200の弾力性によって、隙間埋め部200が壁部400の形状に沿って変形し、隙間埋め部200と外壁部410、内壁部430が密着し、隙間が無くなる(図6(c))。
この構造によって、最も気密性が求められる外壁部410、内壁部430に対して、気密性を確保することができる。外壁部410、内壁部430の気密性向上に最適化しているので、隙間埋め部200の量を削減することができる。
本発明に係る壁貫通孔用スリーブは、壁とスリーブの隙間を無くすことについて、気密性、作業効率を向上させる技術として産業上の利用可能性は大きいものと思料する。
1 スリーブ
100 円筒部
110 切断部
120 接着部
200 隙間埋め部
210 壁当接部
300 テープ部
310 非粘着部
320 両面テープ部
400 壁部
410 外壁部
420 中壁部
430 内壁部
440 貫通孔部
450 通気部
460 断熱部

Claims (5)

  1. 少なくとも外壁部と内壁部を有する建造物の壁に設けられた貫通孔に挿入する管体であって、
    前記管体の軸方向に背割れを入れることで形成された切断部を持つ円筒部と、少なくとも該円筒部の両端部の外周を覆う隙間埋め部と、から成り、
    前記円筒部は、前記切断部付近を所定量重ねることができ、その状態で前記貫通孔に挿入され、挿入完了後に前記切断部の切断面同士が密着する状態に復元されることで前記貫通孔に配設され、また、前記隙間埋め部は弾性体であることを特徴とする壁貫通孔用スリーブ。
  2. 前記隙間埋め部は、前記切断部付近を重ねない状態で前記円筒部の外周で密着し、前記切断部付近を所定量重ねた状態で前記円筒部と接着可能な領域である接着部で接着されていることを特徴とする請求項1に記載の壁貫通孔用スリーブ。
  3. 前記接着部は、前記切断部に近く、前記管体の軸方向に沿った帯状であることを特徴とする請求項2に記載の壁貫通孔用スリーブ。
  4. 前記隙間埋め部は、スポンジ、ゴム、ウレタン、ジェルであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の壁貫通孔用スリーブ。
  5. 前記隙間埋め部は、円筒状若しくはシート状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の壁貫通孔用スリーブ。
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