JP6131838B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バンパレインフォースメントとバンパフェイシャとの間に、歩行者等の被衝突体保護用の緩衝部材を備えた車両の前部構造に関するものである。
被衝突体の保護、特に歩行者を保護することを目的として、バンパレインフォースメントとバンパフェイシャとの間に緩衝部材を設けることが行われている。例えば特許文献1には、緩衝部材の断面形状を、車両後方に向かって開くコ字形とすることにより、衝突荷重に対して緩衝部材を水平方向により真っ直ぐに圧縮変形させるようにしたものが記載されている。また、特許文献2には、バンパレインフォースメントの前面に凹部を形成し、この凹部から前方に突出するように緩衝部材を当該凹部内に設置することより、緩衝部材が早期に底付くこと(つまり、緩衝部材の変形が復元性を維持できる最大変形量を超えること)を抑制するようにしたものが記載されている。
特許第4723986号公報 特許第4354209号公報
バンパレインフォースメントは、その左右を車体のフレーム部材に支持されるので、壁のような障害物と衝突して緩衝部材が底付くと、バンパレインフォースメントに対し、その曲げ剛性を超える荷重が緩衝部材を介して伝達され、底付いた緩衝部材の厚みだけ、フレーム部材に支持された部位よりも中央側の車幅方向中央部分が後方に深く押し込まれることになり、その後方のラジエータ等の補機に衝突する懸念がある。
特に、バンパレインフォースメントが車幅方向中央部が両端部よりも前方に突出するように平面視で湾曲していると、中央部位が最初に障害物に衝突して荷重が集中することで、より深く後方に押し込まれる懸念がある。
特許文献2に記載される構造によれば、衝突時の速い段階でバンパレインフォースメント(特に、車幅方向中央部分)が後方に深く押し込まれることが抑制されるため、軽衝突時などにバンパレインフォースメントが変形してその後方のラジエータ等の補機が損傷を受けることが有効に防止される。しかし、この場合には、バンパレインフォースメントに上記凹部を形成する必要があるため、バンパレインフォースメントの製作に手間がかかりコスト高となる。また、近年では、強度向上のために、バンパレインフォースメントを高張力鋼板や炭素繊維強化樹脂などで構成することが行われており、これらの材料は比較的成型性が悪く、上記のような凹部を設けることが難しい。
本発明は、上記のような事情に鑑みて成されたものであり、軽衝突時に緩衝部材が早期に底付いてバンパレインフォースメントが変形することを、バンパレインフォースメントに特殊な形状を設けることなく解決することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の車両の前部構造は、車幅方向に延び、両端部が各々フレーム部材により車両後方から支持されるバンパレインフォースメントと、発泡樹脂製の弾性体からなる中実構造を成し、前記バンパレインフォースメントの前面に固定されて前記バンパレインフォースメントに沿って車幅方向に延びる緩衝部材と、前記バンパレインフォースメントの車両後方側に配置される補機とを備え、前記緩衝部材は、バンパレインフォースメント前面に沿って前記幅方向及び上下方向に延びる基台部と、この基台部の下端部から車両前方に向かって延びる板状を成しかつ前記基台部に対して上下方向に変形可能な突出部とを備えた断面略L字型の形状であり、前記突出部がバンパレインフォースメントの下端部に位置するように、当該バンパレインフォースメントの前面の下側領域にのみ配置されて、車幅方向中央部よりも外側の位置でのみ前記バンパレインフォースメントに固定され、前記突出部は、車両前方から見たときに車幅方向中央部が下向きに撓んだ形状を有している、ことを特徴とするものである。
この構造によれば、衝突時には、緩衝部材、特に突出部が変形することにより、衝突荷重が吸収されて被衝突体が受ける衝撃が緩和される。この場合、歩行者に対する軽衝突時の歩行者保護の観点から前記突出部の前後方向長さが比較的長く設定されている場合でも、衝突時には、当該突出部がバンパレインフォースメント前面から上下方向外側に傾倒するように変形することで、衝突時の早い段階で緩衝部材が底付く(被衝突物とバンパレインフォースメントとの間で、緩衝部材の変形が復元性を維持できる最大変形量を超えた状態となる)ことが抑制される。そのため、衝突時の比較的早い段階でバンパレインフォースメントが変形することを、当該バンパレインフォースメントに特殊な形状、すなわち、従来(特許文献2)のような凹部を設けることなく抑制することが可能となる。
上記のような車両の前部構造においては、前記バンパレインフォースメントおよび前記緩衝部材は、車幅方向中央部が両端部よりも車両前方に突出するように湾曲した形状を有し、前記バンパレインフォースメントは、車両前方からの衝突荷重の入力により当該バンパレインフォースメントが車両後方に変形して前記補機と干渉する前に、当該バンパレインフォースメントから前記フレーム部材への前記衝突荷重の伝達が開始されるように形成されているのが好適である。
この構造によれば、衝突時、緩衝部材の突出部が完全に傾倒して底付き状態となり、これによりバンパレインフォースメントが変形し始めても、当該バンパレインフォースメントが補機に干渉する前に、当該バンパレインフォースメントからフレーム部材への衝突荷重の伝達が開始されるため、軽衝突時などに、バンパレインフォースメントが直ちに補機を損傷するような変形状態となることが抑制される。
また、上記のような車両の前部構造において、前記基台部は、車幅方向中央部を含む所定範囲における上下幅が、当該所定範囲よりも車幅方向外側における上下幅よりも小さく形成されているのが好適である。
この構造によれば、被衝突体とバンパレインフォースメントとの間における緩衝部材の潰れ残り量が低減されると共に緩衝部材が倒れやすくなるため、緩衝部材が衝突時の早い段階で底付くことを抑制する上で有利となる。
なお、上記のような車両の前部構造においては、前記緩衝部材の前方に配置され、かつ車幅方向中央部に外気導入口を有する外装部材と、前記外装部材の後側に車幅方向に所定間隔を隔てて配置され、前記外気導入口から導入される外気が車幅方向外側に流動することを抑制する一対の仕切部材と、を備え、前記緩衝部材は、車幅方向の長さが前記一対の仕切部材の間隔よりも長くかつ前記突出部が前記一対の仕切部材の外側まで延設されているものであってもよい。
この構造によれば、外気導入口から導入された外気が車幅方向外側に逃げることを抑制してラジエータ等の冷却風として有効に活用できる一方で、仕切部材に形成される隙間などから漏れた外気が上下方向に乱れて流れて走行抵抗となることを、緩衝部材の突出部を利用して抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明の車両の前部構造によれば、軽衝突時に緩衝部材が早期に底付いてバンパレインフォースメントが変形することを、バンパレインフォースメントに特殊な形状を設けることなく解決することができる。
本発明に係る車両の前部構造が適用された車両の前部を示す斜視図(バンパフェイシャを分離した状態)である。 車両の前部構造を示す断面図である。 車両の前部の具体的構成を示す平面略図である。 緩衝部材を示す正面図である。 軽衝突時の緩衝部材の変形状態を説明するための車両の要部断面図である。 軽衝突時の緩衝部材の変形状態を説明するための車両の要部断面図である。 車両の前部構造の変形例を示す車両の要部断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1に示すように、車両(自動車)1は、その前部の主たる構造体として、前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2と、左右のフロントサイドフレーム2の前端部に各々連結される一対のクラッシュカン4と、これらクラッシュカン4を介して左右のフロントサイドフレーム2の前端部に固定され、フロントバンパの骨格を構成するフロントバンパレインフォースメント6(以下、バンパレイン6と略す)とを有する。また、図2に示すように、車両1は、その前部の外表面を構成する部材として、車両前部の上面を構成するボンネットフード8と、車両前端の外表面であってフロントバンパの外表面を構成するフロントバンパフェイシャ10(本発明の外装部材に相当する。/以下、バンパフェイシャ10と略す)と、車両の側部の外表面を構成する左右のフロントフェンダパネル(図示省略)とを有している。そして、ボンネットフード8等の外表面を構成する部材の内側がエンジンルーム14とされ、当該エンジンルーム14に図外のエンジン等が収容されると共に、このエンジンの前方に、エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータ16が配設されている。ラジエータ16は、コンデンサ17a、ラジエータ本体17bおよびラジエータファン17c等を含み、ラジエータシュラウド18を介して車体に固定されている。
ラジエータシュラウド18は、図1に示すように、ラジエータ16の左右外側に位置する一対の縦辺部19aと、縦辺部19aの上端部同士を繋ぐ上辺部19bと、縦辺部19aの下端部同士を繋ぐ下辺部19cとを有した正面視で略四角形の枠状とされている。そして、車両1の正面から見た状態で、ラジエータ16がラジエータシュラウド18の内側に配置され、上記縦辺部19a等に直接、又はブラケット等を介して間接的に固定されている。なお、ラジエータシュラウド18は、上辺部19bの左右両端から外方後方に延びてエプロンレインに固定される図外の固定アーム部をさらに有しており、左右一対のヘッドランプユニット20がこれら固定アーム部に固定されている。
図1に示すように、ラジエータシュラウド18の各縦辺部19a及び下辺部19cの前面には、歩行者に対する足払い部材であるロアスティフナ30が固定されている。ロアスティフナ30の先端部は、後記緩衝部材22やその前方に位置する後記バンパカバー11よりも車両前方に突出しており(図2参照)、歩行者に対する軽衝突時には、このロアスティフナ30が歩行者の足払いを行うことで当該歩行者をボンネットフード8上で受け止め、これにより、歩行者が車両1の底部に巻き込まれることを防止するようになっている。なお、図示を省略するが、ボンネットフード8については、受け止めた歩行者に対する衝撃を緩和するために、例えばボンネットフード8とエンジン等との間に十分なクラッシュストロークを確保する、若しくはエアバック機構を設けるなど、歩行者に対する衝撃緩和手段が備えられている。ロアスティフナ30は、同図に示すように、略水平に延びる前側部31aとその後端から斜め上向きに延びる後側部31bとを有しており、走行時には、バンパフェイシャ10の後記下側開口部10cから導入される走行風を後側部31bに沿ってラジエータ16に案内する案内部材としても機能する。
なお、各縦辺部19aの下端部には、車両前部の一定領域を車両下側から覆うことにより上記ラジエータ16等を保護するアンダカバー32が固定されている。
上記バンパレイン6には、衝撃吸収用の緩衝部材22が固定されている。この車両1では、この緩衝部材22、バンパレイン6および上記バンパフェイシャ10(後記バンパカバー11含む)等によりフロントバンパが構成されている。
図2及び図3に示すように、バンパレイン6は、略長方形状をなす板状の前側部材7aと、上下両側のフランジ部71を介して前側部材7aの後面に接合される断面ハット型の後側部材7bとにより形成された車幅方向に延びる細長い閉断面体である。前側部材7aおよび後側部材7bは、軽量高剛性の材料から構成されており、当例では、高張力鋼板又は炭素繊維強化樹脂により構成されている。バンパレイン6は、安全基準等において定められた前突時の衝撃に耐え得る強度を達成可能なように上下方向に所定の幅を有している。また、バンパレイン6は、その前面(前側部材7aの前面)の車幅方向中央部が両端部よりも前方に突出するように平面視で湾曲した形状を有しており、前記両端部が上記クラッシュカン4を介してフロントサイドフレーム2の前端部に固定されている。また、図4に示すように、バンパレイン6は、車幅方向中央領域では、デザイン性または冷却風や吸気導入開口を広げるために、上縁部が略V字状にやや下向きに凹んだ形状とされている。
緩衝部材22は、衝突時に、衝突荷重を吸収して被衝突体が受ける衝撃を緩和するためのものであり、バンパフェイシャ10の内面とバンパレイン6との間に配されて、当該バンパレイン6の前側部材7aの前面に固定されている。
緩衝部材22は、図2〜図4に示すように、バンパレイン6(前側部材7a)の前面に沿って車幅方向に延びる基台部24と、この基台部24の前面下端から前方に突出しかつ車幅方向に延びる板状の突出部25とを備えた断面略L字形の形状を有している。緩衝部材22は、車幅方向中央部が両端部よりも前方に突出するように、平面視で全体が湾曲した形状を有しており、バンパレイン6の前面(前側部材7a)に沿うように配置された上で当該バンパレイン6に固定されている。具体的には、緩衝部材22の後面であってかつ車幅方向中央部よりも外側の位置に一対の固定用ボス部26が設けられており、これら固定用ボス部26がバンパレイン6(前側部材7a)に形成された図外の取付孔に挿着されることで、緩衝部材22がバンパレイン6に固定されている。
緩衝部材22は、発泡樹脂材製の弾性体などで全体が構成されており、これにより、突出部25が基台部24に対して上下方向に弾性的に撓み変形可能となっている。特に、緩衝部材22は、上記の通り基台部24の下端部から車両前方に向かって突出部25が延びる断面L字型を成しており、また、図4に示すように、車両1の正面から見た状態で、突出部25の車幅方向中央部が下向きに若干撓んだ形状を有していることで、軽衝突時には下向きに撓み易くなっている。しかも、緩衝部材22は、突出部25がバンパレイン6の下端部に位置するように設けられており、詳しくは、前側部材7aのうち、後側部材7bの下側のフランジ部71の前方に位置するように設けられることで、当該バンパレイン6の前面から下方外側に傾倒することが可能となっている(図5参照)。また、このようにバンパレイン6の前面のうち下端近傍に突出部25が設けられることにより、歩行者に対する軽衝突時には、歩行者の膝部よりも下方位置が突出部25で支持されることとなり、これにより脚部(特に膝部)への負担が軽減されるようになっている。
図4に示すように、緩衝部材22の基台部24は、その上下幅が車幅方向両端部ではバンパレイン6の上下幅と略同等に形成される一方で、当該両端部よりも車幅方向内側の領域(車幅方向中央部を含む所定範囲)ではバンパレイン6の上下幅よりも狭く形成されている。これにより、基台部24は、車両正面から見て車幅方向中央領域が下向きに凹んだ形状とされている。
なお、前記突出部25は、緩衝部材22の車幅方向全域ではなく、車両1の正面から見たときに左右のクラッシュカン4の略内側の領域に設けられている。また、緩衝部材22のうち、車幅方向の両端部、詳しくは、クラッシュカン4の前方に位置する部分を含む緩衝部材両端の一定の領域(図4中の領域Ta)は、それよりも車幅方向内側の領域よりも硬質に形成されている。当例では、領域Taにおける発泡樹脂材の発泡倍率が、それよりも車幅方向内側の領域における発泡樹脂材の発泡倍率よりも低く設定されることで、緩衝部材22の両端部(領域Ta)が硬質に構成されている。つまり、軽衝突時には、突出部25を弾性変形させて衝突荷重を吸収することで被衝突体が受ける衝撃を緩和し、軽衝突時より大きな衝突荷重に対しては、当該衝突荷重を速やかにクラッシュカン4へ伝達させ、当該クラッシュカン4を塑性変形させることで当該衝突荷重を吸収するようになっている。そして、緩衝部材22の両端部については、基台部24の上下幅が大きく形成され、かつ湾曲している(車両後方に傾斜している)ことで、歩行者に対する軽衝突時に歩行者等が受ける衝撃を緩和し得るようになっている。
なお、バンパレイン6は、上記の通り、車幅方向中央部が両端部よりも前方に突出するように平面視で湾曲した形状を有しているが、詳しくは、車両前方からの衝突荷重の入力により当該バンパレイン6が車両後方に変形してラジエータ16等の補機に干渉する前に、当該ラジエータ16からクラッシュカン4等(本発明のフレーム部材に相当する)への衝突荷重の伝達が開始されるように形成されている。
バンパフェイシャ10は、車両1の前端部外表面の比較的広い範囲を構成している。図1に示すように、バンパフェイシャ10の車幅方向中央部には、エンジンルーム14に走行風(外気)を導入するための横長の開口部(本発明の外気導入口に相当する)が形成されている。詳しくは、バンパフェイシャ10には、その上下略中央部分に、上記バンパレイン6の前方に位置して車幅方向に延びる帯状のバンパカバー11が一体的に設けられており、このバンパカバー11を挟んで上側に位置する上側開口部10aと下側に位置する中央開口部10bとが設けられるとともに、この中央開口部10bの下側に、さらに前記開口部10a、10bよりも車幅方向に長い下側開口部10cが設けられている。これにより、車両1の走行中は、上側開口部10aから走行風が導入されながらバンパレイン6の上方を通ってラジエータ16に至るとともに、中央開口部10b及び下側開口部10cから走行風が導入されながらバンパレイン6の下方を通ってラジエータ16に至るようになっている。このように、開口部10a〜10cから走行風が導入されることでラジエータ16の冷却が促進される。
前記バンパカバー11は、図2に示すように、その上下幅が前側部材7aの上下幅とほぼ等しく形成されており、緩衝部材22を挟んでバンパレイン6の前側部材7aに対向する状態で、当該前側部材7aと略平行に設けられている。これにより、緩衝部材22の突出部25が、バンパカバー11の内面のうち、その下端部近傍の位置に対向する状態で近接して配置されている。なお、バンパフェイシャ10のうち、前記バンパカバー11よりも上側の部分、すなわち、上側開口部10aが形成されるグリル部12は、バンパカバー11よりも車両前方に突出している。
また、図1に示すように、バンパフェイシャ10のうち、その車幅方向両端には、図外のフォグランプユニットを設置するための左右一対のランプ用開口部10dが形成されている。
詳しく図示していないが、バンパフェイシャ10は、バンパレイン6及び緩衝部材22に沿った形状、すなわち、平面視で、車幅方向中央部が同両端部よりも前方に突出するように、全体が湾曲した形状を有している。
バンパフェイシャ10の内面とバンパレイン6との間には、左右一対の仕切部材34が設けられている。これら左右一対の仕切部材34は、上記開口部10a〜10cから導入される走行風がラジエータ16の周囲、特に、緩衝部材22に沿って車幅方向に逃げるのを防止するものである。これにより、上記開口部10a〜10cから導入される走行風がラジエータ16の冷却に有効に活用される。
なお、詳しく図示していないが、緩衝部材22の突出部25の両端近傍には、上下方向に延びる溝部25aが形成されており、上記仕切部材34は、これら溝部25a内に介在する状態で設けられている。つまり、緩衝部材22は、車幅方向の長さが前記一対の仕切部材34の間隔よりも長くかつ突出部25が両仕切部材34の外側まで延設されている。この構成により、上記開口部10a〜10cから導入される走行風を両仕切部材34によりラジエータ16等に案内する一方で、仕切部材34自体に形成される隙間や、当該仕切部材34と緩衝部材22との間に形成される隙間から車幅方向外側に漏れた走行風(漏洩風)を、前記突出部25(前記一対の仕切部材34よりも外側の部分)に沿って車幅方向外側に案内することで、当該漏洩風が仕切部材34の外側で上下方向に乱れて流れて走行抵抗となることを抑制するようになっている。
次に、上記のような車両1の前部構造による作用効果について説明する。
上記のような車両1の前部構造によると、軽衝突時には、緩衝部材22、特に突出部25が変形することにより、衝突荷重が吸収されて被衝突体が受ける衝撃が緩和される。この場合、緩衝部材22は、上記の通り上下方向に延びる基台部24とその下端部から車両前方に延びる突出部25とを備えた断面略L字形であり、また、車両1の正面から見た状態で、突出部25の車幅方向中央部が下向きに若干撓んだ形状を有していることで、軽衝突時には下向きに撓み易くなっている。しかも、突出部25がバンパレイン6の下端部に位置するように緩衝部材22が設けられていることで、突出部25はバンパレイン6の前面から下方外側に傾倒することが可能となっている。そのため、被衝突体保護の観点から前記突出部25の前後方向長さが比較的長く設定される場合でも、衝突時には、図5に示すように、当該突出部25がバンパレイン6前面から下方外側に傾倒するように変形することで、衝突時の早い段階で緩衝部材22が底付く、つまり、被衝突物とバンパレイン6との間で緩衝部材22(突出部25)の変形が復元性を維持できる最大変形量を超えた状態となることが効果的に抑制される。しかも、この車両1の前部構造では、上記の通り、緩衝部材22はバンパレイン6(前側部材7a)の平坦な前面に固定されるようになっており、従来(特許文献2)のような凹部をバンパレイン6に設ける必要がない。従って、この車両1の前部構造によると、軽衝突時の比較的早い段階で緩衝部材22が底付くことによりバンパレイン6が変形してラジエータ16等を損傷するという不都合を、当該バンパレイン6に特殊な形状を設けることなく、すなわち、従来(特許文献2)のような凹部を設けることなく抑制することができるという利点がある。
特に、バンパレイン6は、車幅方向中央部が両端部よりも前方に突出するように平面視で湾曲した形状を有しており、詳しくは、上記の通り、車両前方からの衝突荷重の入力により当該バンパレイン6が車両後方に変形してラジエータ16等に干渉する前に、当該バンパレイン6から前記フレーム部材への衝突荷重の伝達が開始されるように形成されているので、軽衝突時などに、バンパレイン6が直ちに変形してラジエータ16等を損傷するという不都合を効果的に抑制することができる。
また、上記車両1の前部構造では、緩衝部材22の基台部24のうち、車両正面から見て車幅方向中央領域が下向きに凹んだ形状とされているため、被衝突体とバンパレイン6との間における緩衝部材22の潰れ残り量が低減される。そのため、緩衝部材22が衝突時の早い段階で底付くことをより効果的に抑制することができるという利点もある。
また、上記車両1の前部構造では、バンパカバー11の内面のうち、その下端部近傍の位置に突出部25が対向するようにバンパカバー11の位置が設定されており、さらにこのバンパカバー11の上側に位置するグリル部12が当該バンパカバー11よりも車両前方に突出しているので、衝突時には、突出部25をより確実にバンパレイン6の下方外側に傾倒させることができるという利点がある。すなわち、衝突時には、まずグリル部12が被衝突体に当接して車両後方に変形し、これに伴いバンパカバー11が車両後方に傾倒するように変形する。そして、図5中に破線で示すように、このバンパカバー11の傾倒により突出部25が上側から抑え込まれる結果、当該突出部25がバンパレイン6の下方外側に傾倒することとなる。よって、衝突時には、突出部25をより確実にバンパレイン6の下方外側に傾倒させることができる。
また、上記車両1の前部構造によれば、バンパレイン6の前面(前側部材7a)のうち、後側部材7bの下側のフランジ部71の前方に突出部25が位置するように緩衝部材22が設けられるため、この点でも、突出部25をより確実にバンパレイン6の前面から下方外側に傾倒させることができる。すなわち、仮に、突出部25が底付き状態まで水平方向の圧縮荷重を受けたとすると、この場合には、図6に示すように、バンパレイン6のうち後側部材7bの部分が後方に屈曲し、結果的に、突出部25が下方へ傾倒することとなる。そのため、突出部25をより確実に傾倒させることが可能となる。
また、上記車両1の前部構造では、緩衝部材22は、車幅方向中央部よりも外側の位置に設けられた一対の固定用ボス部26によりバンパレイン6(前側部材7a)に固定されており、緩衝部材22は、車幅方向中央部ではバンパレイン6に対して非固定状態で当接している。そのため、車幅方向中央部では、衝突時、緩衝部材22が捩れを伴いながらスムーズにバンパレイン6の下方外側に傾倒することとなる。従って、この点でも突出部25をより確実に傾倒させることができるという利点がある。
また、上記車両1の前部構造によれば、歩行者に対する軽衝突時には、緩衝部材22の突出部25が上記のように下向きに傾倒する(撓む)ことにより、その弾発力が歩行者の脚部を跳ね上げる力として作用することとなる。つまり、歩行者に対する軽衝突時には、ロアスティフナ30による歩行者の足払いに加え、突出部25により脚部を跳ね上げる力が歩行者に作用することで、歩行者の上記足払いが促進される。そのため、歩行者に対する軽衝突時には、より確実かつ速やかに歩行者の足払いを行って、ボンネットフード上で歩行者を受け止めることができ、これにより、歩行者が車両1の底部へ巻き込まれることをより高度に防止することが可能によるという利点がある。
なお、以上説明した車両1の前部構造は、本発明に係る車両の前部構造の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構造は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、緩衝部材22は、基台部24の前面下端から前方に向かって突出部25が突出する断面略L字形の形状とされ、バンパレイン6前面の下端部に突出部25が位置するように配置されているが、図7に示すように、基台部24の前面上端から前方に向かって突出部25が突出する断面略L字形の形状とし、同図に示すように、突出部25がバンパレイン6の上端部に位置するように設けられていてもよい。つまり、衝突時に、突出部25がバンパレイン6前面から上方外側に傾倒するようにしてもよい。このような構造においても、上述した実施形態と同等の作用効果(突出部25により脚部を跳ね上げる効果は除く)を享受することができる。
この場合には、図7に示すように、バンパフェイシャ10のバンパカバー11の内面のうち、その上端部近傍の位置に突出部25が対向するようにバンパカバー11の位置を設定した上で、さらにこのバンパカバー11の下側に、当該バンパカバー11よりも車両前方に突出するグリル部等の突出部13を設けるのが好ましい。この構成によれば、衝突時には、まず突出部13が被衝突体に当接して車両後方に変形し、これに伴いバンパカバー11が車両後方に傾倒するように変形する。そして、このバンパカバー11の傾倒により突出部25が下側から押し上げられる結果、当該突出部25がバンパレイン6の上方外側に傾倒することとなる。よって、衝突時に、突出部25をより確実にバンパレイン6の上方外側に傾倒させることができる。
1 車両
2 フロントサイドフレーム
3 クラッシュカン
6 バンパレインフォースメント
7a 前側部材
7b 後側部材
10 バンパフェイシャ
11 バンパカバー
22 緩衝部材
24 基台部
25 突出部

Claims (4)

  1. 車幅方向に延び、両端部が各々フレーム部材により車両後方から支持されるバンパレインフォースメントと、
    発泡樹脂製の弾性体からなる中実構造を成し、前記バンパレインフォースメントの前面に固定されて前記バンパレインフォースメントに沿って車幅方向に延びる緩衝部材と、
    前記バンパレインフォースメントの車両後方側に配置される補機とを備え、
    前記緩衝部材は、バンパレインフォースメント前面に沿って前記幅方向及び上下方向に延びる基台部と、この基台部の下端部から車両前方に向かって延びる板状を成しかつ前記基台部に対して上下方向に変形可能な突出部とを備えた断面略L字型の形状であり、前記突出部がバンパレインフォースメントの下端部に位置するように、当該バンパレインフォースメントの前面の下側領域にのみ配置されて、車幅方向中央部よりも外側の位置でのみ前記バンパレインフォースメントに固定され、
    前記突出部は、車両前方から見たときに車幅方向中央部が下向きに撓んだ形状を有している、ことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両の前部構造において、
    前記バンパレインフォースメントおよび前記緩衝部材は、車幅方向中央部が両端部よりも車両前方に突出するように湾曲した形状を有し、
    前記バンパレインフォースメントは、車両前方からの衝突荷重の入力により当該バンパレインフォースメントが車両後方に変形して前記補機と干渉する前に、当該バンパレインフォースメントから前記フレーム部材への前記衝突荷重の伝達が開始されるように形成されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の前部構造において、
    前記基台部は、車幅方向中央部を含む所定範囲における上下幅が、当該所定範囲よりも車幅方向外側における上下幅よりも小さく形成されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両の前部構造において、
    前記緩衝部材の前方に配置され、かつ車幅方向中央部に外気導入口を有する外装部材と、
    前記外装部材の後側に車幅方向に所定間隔を隔てて配置され、前記外気導入口から導入される外気が車幅方向外側に流動することを抑制する一対の仕切部材と、を備え、
    前記緩衝部材は、車幅方向の長さが前記一対の仕切部材の間隔よりも長くかつ前記突出部が前記一対の仕切部材の外側まで延設されている、ことを特徴とする車両の前部構造。
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