JP6128890B2 - 中栓と蓋本体とから構成された容器蓋 - Google Patents

中栓と蓋本体とから構成された容器蓋 Download PDF

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Description

本発明は、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓とこの中栓に装着される合成樹脂製蓋本体とから構成された容器蓋に関する。
下記特許文献1には、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓とこの中栓に装着される合成樹脂製蓋本体とから構成された容器蓋が開示されている。中栓は円形閉塞壁及びこの閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する。蓋本体は円形覆壁及びこの覆壁の外周面に接続された嵌合壁を含み、嵌合壁の内周面に形成されている雌螺条を中栓の装着壁の外周面に形成されている雄螺条に螺合せしめることによって中栓に装着され、覆壁は中栓の閉塞壁の上方に位置する。中栓の閉塞壁には勾玉状の除去領域を規定する破断可能薄肉ラインが形成されていると共に、除去領域から上方に延出する鍵状被係止片が形成されている。蓋本体の覆壁の下面には中栓の被係止片に係止せしめられる鍵状係止片が形成されている。中栓に蓋本体が所用とおりに装着されている状態において、中栓に対して蓋本体を上方から見て反時計方向(中栓から蓋本体を離脱する方向)に回転せしめると、蓋本体の係止片及び中栓の被係止片を介して中栓の除去領域に力が加えられ、破断可能薄肉ラインが破断されて除去領域が閉塞壁から除去され、これによって閉塞壁に通過開口が生成される。
特開2005−59933号公報
上記特許文献1に開示されている上記のとおりの容器蓋は、中栓の閉塞壁に指を当接せしめて衛生上の問題を発生せしめることなく、単に中栓に対して蓋本体を回転せしめることによって中栓の閉塞壁に形成されている破断可能薄肉ラインを破断して除去領域を閉塞壁から除去して通過開口を生成することができる。しかしながら、未だ充分に満足し得るものではなく、除去領域が閉塞壁から分離されて所謂屑片となり、かかる屑片が容器内に入り込んでしまう、或いは屑片を取り出して破棄するという煩雑な処理を遂行することが必要である。また、係止片と被係止片との係止が必ずしも充分ではないことに起因して、破断可能薄肉ラインを所要とおりに破断することができない虞もある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、所謂屑片を生成せしめることなく中栓の閉塞壁に通過開口を生成することができることに加えて、破断可能薄肉ラインを充分確実に所要とおりに破断することができる、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
本発明者は鋭意研究及び実験の結果、中栓の閉塞壁に形成する破断可能ラインを独特な形態にすることに加えて、被係止手段を所定方向に見て変形領域の上流端部から上方に延出し次いで半径方向内方に延びる被係止片から構成すると共に係止手段を覆壁の下面から下方に延び次いで所定方向に延びる係止片から構成することによって上記技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成することができる容器蓋として、容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓と該中栓に装着される合成樹脂製蓋本体とから構成され、
該中栓は円形閉塞壁及び該閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、該装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞し、
該蓋本体は円形覆壁及び該覆壁の外周縁に接続された筒形嵌合壁を含み、該嵌合壁を該中栓の該装着壁の外周面に嵌合することによって該中栓に回転自在に装着され、該覆壁が該中栓の該閉塞壁の上方に位置し、
該中栓の該閉塞壁には少なくとも1個の破断可能薄肉ラインが形成されており、該破断可能薄肉ラインは破断開始端部から延びる外側弧状部と該破断開始端部から延びる内側弧状部とを有し、該外側弧状部と該内側弧状部との間には所定方向に弧状に延びる変形領域が規定されており、
該変形領域には被係止手段が付設されており、該被係止手段は該所定方向に見て該変形領域の上流端部から上方に延出し次いで半径方向内方に延びる被係止片から構成され、
該蓋本体の該覆壁には少なくとも1個の排出開口が形成されており、該覆壁の下面には該被係止手段と協働する係止手段が配設されており、該係止手段は該覆壁の下面から下方に延び次いで該所定方向に延びる係止片から構成され、
該中栓に該蓋本体を装着した状態において該係止手段は所定方向に見て該被係止手段の上流側に位置し、該中栓に対して該蓋本体を該所定方向に回転せしめると該係止手段が該被係止手段に係止せしめられ、該中栓に対して該蓋本体を該所定方向に更に回転せしめると該係止手段及び該被係止手段を介して該変形領域に力が加えられ、該中栓の該破断可能薄肉ラインが破断されると共に該変形領域が変形され、これによって該中栓の該閉塞壁に通過開口が生成される、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。
好ましくは、該被係止片の各々は該変形領域の上流端部から上方に鉛直に延出する支柱部及び該支柱部の上端部から半径方向内方に水平に延びる張出梁部から構成されている。該中栓の該閉塞壁には上面中心から上方に延出する共通支柱が配設されており、該被係止片の各々の該張出梁部の半径方向内側端は該共通支柱を介して相互に接続されているのが好適である。該係止片の各々は該覆壁の下面から下方に延びる垂下柱部及び該垂下柱部の下端部から該所定方向に弧状に延びる突出部から構成されているのが好ましい。好適形態においては、該蓋本体の該覆壁には該変形領域に対応して2個又は3個の排出開口が形成されており、平面図において該突出部の各々は全体が該排出開口内に位置する。該中栓の該装着壁の外周面と該蓋本体の該嵌合壁の内周面との一方には、少なくとも1個の位置決め溝が形成され、他方には少なくとも1個の位置決め突起が形成されており、該位置決め溝内に該位置決め突起を進入せしめて該中栓に該蓋本体を装着することによって、該中栓に対する該蓋本体の相対的角度位置が規制されるのが好都合である。好ましくは、該中栓の該閉塞壁に形成されている該破断可能薄肉ラインの該外側弧状部及び該内側弧状部は上方から見て反時計方向に該破断開始端部から延在し、該所定方向は上方から見て反時計方向である。該中栓と該蓋本体とには、相互に協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する回転阻止手段が配設されているのが好適である。中栓に対して該蓋本体が該所定方向に50乃至60度である角度α回転せしめられると、該係止手段が該被係止手段に係止せしめられ、該中栓と該蓋本体とには、該中栓に対して該蓋本体が該角度αより0乃至20度小さい角度β(0度≦α−β≦20度)回転せしめられると、協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する戻り回転阻止手段が配設されているのが望ましい。該中栓と該蓋本体とには、協働して該中栓に対する該蓋本体の該所定方向への回転を300乃至320度である角度γに制限する回転制限手段が配設されているのが好適である。更に、該中栓と該蓋本体とには、該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に該角度γ回転せしめられると、協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する逆転阻止手段が配設されているのが好ましい。
本発明の容器蓋においては、中栓の閉塞壁に指を当接せしめて衛生上の問題を生成せしめることなく、単に中栓に対して蓋本体を所定方向に回転せしめることによって中栓の閉塞壁に通過開口を生成することができることに加えて、中栓の通過開口は変形領域を(閉塞壁から分離することなく)変形せしめることによって生成され、従って所謂屑片が発生することはない。被係止手段は所定方向に見て変形領域の上流端部から上方に延出し次いで半径方向内方に延びる被係止片から構成されており、係止手段は覆壁の下面から下方に延び次いで所定方向に延びる係止片から構成されている故に、被係止片と係止片との相互係止は充分に強固であり、相互係止が毀損されてしまう虞は実質上皆無であり、破断可能ラインは充分確実に破断される。
本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態における中栓の正面図。 図1に示す中栓の平面図。 図1に示す中栓の、図2に示す線A−Aに沿った断面図。 図1に示す中栓の斜面図。 本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態における蓋本体の平面図。 図5に示す蓋本体の底面図。 図5に示す蓋本体の、図5に示す線B−Bに沿った断面図。 図5に示す蓋本体の一部を示す斜面図。 図1乃至図4に図示する中栓に図5乃至図8に図示する蓋本体を所要とおりに装着した状態を示す断面図。 図9に図示する状態から、中栓に対して蓋本体を上方から見て反時計方向に所定角度回転せしめて、中栓の破断可能薄肉ラインを破断し変形領域を変形せしめて通過開口を生成した状態を示す断面図。
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋は、図1乃至図4に示す中栓2と図5乃至図8に示す蓋本体4とから構成されている。中栓2はポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができ、同様に蓋本体4もポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができる。
図1乃至図3を参照して説明すると、中栓2は円形閉塞壁6及びこの閉塞壁6の外周縁に接続された略円筒形状である装着壁8を含んでいる。図示の実施形態における閉塞壁6は、実質上水平に延在する中央主部10、この中央主部10の外周縁から略鉛直に上方に隆起する環状隆起部12、及び環状隆起部12の上端から半径方向外方に実質上水平に延出する環状外周縁部14を有する。環状外周縁部14の下面には、下方に垂下する環状シール片16が付設されている。
上記閉塞壁6の中央主部10には、少なくとも1個、好ましくは周方向に等間隔をおいて2個又は3個、の破断可能薄肉ラインが形成されていて、少なくとも1個、好ましくは2個又は3個、の変形領域が規定されていることが重要である。図示の実施形態においては、閉塞壁6の中心点に関して点対称に2個の破断可能薄肉ライン18が形成されていて、2個の変形領域20が規定されている。破断可能薄肉ライン18の各々は略半円形状である破断開始端部18aと共に、破断開始端部18aの半径方向外側端に続いて延在する外側弧状部18b及び破断開始端部18aの半径方向内側端に続いて延在する内側弧状部18cを有する。外側弧状部18bは中央主部10の外周縁部を略円弧状に延びている。内側弧状部18cは破断開始端部18aの半径方向内側端部から直線状に延び、次いで中央主部10の中央部を略円弧状に延び、全体として弧状をなしている。外側弧状部18cの下流端と内側弧状部18cの下流端とは相互に略半径方向に離隔されている。破断可能薄肉ライン18によって規定される変形領域20は、図2において(従って上方から見て)反時計方向に弧状に延在せしめられている。
上記変形領域20の各々には被係止手段22が配設されており、被係止手段22の各々は、所定方向に見て変形領域20の上流端部から上方に延出し次いで半径方向内方に延びる被係止片から構成されていることが重要である。図示の実施形態においては、被係止手段22の各々は、変形領域20の上流端部上面から実質上鉛直に上方に延出する支柱部22aとこの支柱部22aの上端部から半径方向内方に実質上水平に延びる張出梁部22bとを有する被係止片から構成されている。閉塞壁6の上面中心には実質上鉛直に上方に延出する共通支柱24が配設されており、被係止手段22の各々の張出梁部22bの半径方向内側端は共通支柱24に接続されており、従って被係止手段22の各々の張出梁部22bの半径方向内側端は共通支柱24を介して相互に接続されている。所望ならば、共通支柱24を省略して2個の支柱部22aから延出する張出梁部22bを接的に相互連結することもできる。しかしながら、開封の際の力の確実な伝達等の見地から共通支柱24を配設するのが好ましい。
上記装着壁8の外周面上端部には半径方向外方に張り出した環状係止突条26が形成されている。環状係止突条26の周方向所定部位には、図1及び図2に図示する如く、位置決め溝28が形成されている。装着壁8の内周面上部には上方を向いた環状肩面30が形成されている。そして、装着壁8の内周面における環状肩面30よりも下方で且つ上記閉塞壁6の環状外周縁部14の上面よりも上方の領域には、図2と共に図4を参照することによって明確に理解される如く、略直方体形状の1個の突起32と、この突起32から夫々周方向両側に所要距離だけ離隔して配置されたラチェット爪34及び36が形成されている。ラチェット爪34及び36の各々は、図2において反時計方向に向かって漸次半径方向内方に傾斜して延びる緩やかな傾斜面34a及び36aと反時計方向下流端に位置する切り立った係止面34b及び36bとを有する。係止面34b及び36bには時計方向に延びる切欠34c及び36cが形成されている。
装着壁8の内周面下端部には半径方向内方に突出する複数個の係止突条38が配設されている。かかる係止突条38は周方向に若干の間隔をおいて周方向に延在せしめられている。所望ならば、複数個の係止突条38を形成することに代えて、周方向に連続して延びる環状突条を形成することもできる。装着壁8の下半部の外径は上半部の外径よりも大きく、下半部の肉厚は上半部の肉厚よりも増大せしめられている。そして、装着壁8には、その下端から上方に肉厚増大部の上端近傍までの深さを有し且つ周方向に延びる環状空隙40が形成されている。かかる環状空隙40に関連せしめて装着壁8の下半部には環状空隙40から装着壁8の外周面まで延びる1個又は数個の切欠(図示していない)も形成されている。環状空隙40及びこの環状空隙40に関連して形成される切欠は、後述するとおりにして容器の口頸部に装着された中栓2を、容器の内容物を消費した後に所謂分別収集のために容器の口頸部から中栓2を充分容易に離脱せしめることを可能にするための周知の構成である(その詳細については、例えば特開平10−59400号公報及び特開2004−83092号公報を参照されたい)。
図5乃至図を参照して説明を続けると、図示の実施形態における蓋本体4は、本体部42と共に外蓋43を備えている。本体部42は実質上水平に延在する円形覆壁44及びこの覆壁44の外周縁に接続された筒形嵌合壁46を含んでいる。覆壁44の中央部には、少なくとも1個、好ましくは上記中栓2に配設されている変形領域20に対応して2個又は3個、の排出開口48が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、中栓2に配設されている2個の変形領域20に対応して2個の排出開口48が形成されている。覆壁44の中心点に関して点対称に位置する2個の排出開口48は変形領域20の形状に略合致した形状であり、図5において反時計方向に弧状に延在せしめられている。
覆壁44の上面には、上記排出開口48の半径方向外側にて上方に延出する略円筒形状の排出案内壁50が形成されている。この排出案内壁50の図5及び図7において右側に位置する部位は上方に向かって幾分右側に傾斜せしめられている。排出案内壁50の上端部は、上方に向かって半径方向外方に図7において略半円形状に延出せしめられている。覆壁44の上面には、更に、その外周縁部から上方に向かって半径方向外側に幾分傾斜して延びる環状係止突条52も形成されている。覆壁44の下面外周縁部には、下方に延出する円筒形状のシール片54が形成されている。このシール片54の内周面における周方向所定位置には、下方及び半径方向内方に突出する直方体形状である係止突起56が形成されている。後に更に言及する如く、この係止突起56は中栓2に配設されている上記突起32並びにラチェット爪34及び36と協働する。
覆壁44の下面には係止手段58が形成されており、係止手段58は、覆壁44の下面から下方に延び次いで所定方向に延びる係止片から構成されていることが重要である。図示の実施形態においては、上記中栓2に形成されている2個の被係止手段22に対応して、覆壁44の下面には2個の係止手段58が形成されている。図8を参照することによって明確に理解されるとおり、係止手段58の各々は、上記排出開口48の間から下方に垂下する垂下柱部58aとかかる垂下柱部58aの下端から図5において反時計方向に弧状に延出する突出部58bとを有する係止片から構成されている。直径方向に対向して位置する2個の垂下柱部58aの各々の横断面形状は略台形である。平面図である図5において、突出部58bの各々の実質上全体は上記排出開口48内に位置するのが金型成形の面からみて、好都合である。
実質上円筒形状でよい嵌合壁46は、覆壁44の外周縁から垂下せしめられている。嵌合壁46の内周面には周方向に間隔をおいて周方向に延在する複数個の係合突条62が形成されている。更に、嵌合壁46の内周面下端部における周方向所定位置には、略直方体形状である位置決め突起64が形成されている。後に更に言及する如く、この位置決め突起64は中栓2に形成されている上記位置決め溝28と協働する。所望ならば、上記中栓2の適宜の部位に位置決め突起を形成し、この位置決め突起と協働する位置決め溝を蓋本体4の適宜の部位に形成することもできる。嵌合壁46の外周面上部における特定角度位置には、円弧状に延在する没入部60が形成されている。
図5乃至図を参照して説明を続けると、上記外蓋43は円形天面壁66とこの天面壁66の周縁から垂下する円筒形スカート壁68とから構成されている。かような外蓋43は、スカート壁68の下端における周方向特定部位を上記本体部42の嵌合壁の周方向特定部位にヒンジ手段70を介して連結することによって、上記本体部42に旋回自在に連結されている。本体部42と外蓋43とから構成されている蓋本体は図5乃至図7に実線で図示する状態で成形され、本体部42に対して外蓋43は図5乃至図7に実線で図示する開位置と図7に二点鎖線で示す閉位置との間を旋回動自在である。それ自体は周知の形態でよいヒンジ手段70は、本体部42の嵌合壁46に形成されている上記没入部60の直径方向反対側に位置している。天面壁66の内面には円筒形状のシール片72が形成されている。天面壁66の内面には、更に、図5及び図7にて右半部においてシール片72の半径方向外側を半円形状に延びる2条の凸状74も形成されている。スカート壁68の内周面下部には環状係止溝76が形成されている。また、スカート壁68の内周面には、図7にて右半部において軸線方向中間部を半円弧状に延びる2条の凸状78も形成されている。スカート壁68の外周面には、上記ヒンジ手段70に対して直径方向反対側に位置する弧状鍔80が形成されている。更に、スカート壁68の先端面即ち下端面には2個の比較的長い弧状突条82と2個の比較的短い弧状突条84が形成されている。外蓋43が図7に二点鎖線で示す閉位置にせしめられると、シール片72の外周面が本体部42における排出案内壁50の内周面に密接せしめられる。そしてまた、環状係止溝76が本体部42の環状係止突条52に係止せしめられ、かくして外蓋43が閉位置に解除自在に係止せしめられる。弧状突条82及び84は本体部42の覆壁44の上面周縁部に密接せしめられる。
上述したとおりの中栓2と蓋本体4は、図9に図示するとおりに組み合わされる。詳述すると、外蓋43が閉位置にせしめられている蓋本体4における本体部42を、中栓2に対して強制的に下降せしめて、本体部42の嵌合壁46を中栓2の装着壁8の外周面に嵌合せしめる。この際には、嵌合壁46の内周面下端部に形成されている位置決め突起64(図6)の周方向位置を装着壁8の外周面上端部に形成されている位置決め溝28(図1)の周方向位置に合致せしめて位置決め突起64を位置決め溝28内に進入せしめ、これによって中栓2に対する蓋本体4の相対的角度位置を規制する。図9に図示する状態まで中栓2に対して蓋本体4を下降せしめると、嵌合壁46の内周面に形成されている係合突条62が装着壁8の外周面に形成されている係止突条26に係止せしめられ、かくして中栓2に対して蓋本体4が回転自在に装着される。蓋本体4のシール片54は中栓2の装着壁8の内周面上端部に密接せしめられる。図2に二点鎖線で示す如く、中栓2に対して蓋本体4を所要とおりに装着した状態において、蓋本体4のシール片54に形成されている係止突起56は、中栓2の装着壁8の内周面に形成されている突起32に対して、図2において反時計方向下流側に隣接して位置する。突起32と係止突起56とは協働して戻り回転阻止手段を構成し、中栓2に対して蓋本体4が図2において時計方向(図9において上方から見て時計方向)に回転するのを阻止する。蓋本体4における係止手段58の各々の突出部58bは、中栓2における被係止手段22の各々の張出梁部22bの下方で且つ図2において反時計方向上流側に幾分離間して位置する(図示の実施形態においては、成形型等の都合上、一対の張出梁部22bは完全に点対称ではなく若干ずらして配置され、これに対応して一対の突出部58bも完全に点対称ではなく若干ずらして配置されている)。
図9には、本発明に従って構成された容器蓋が適用される容器の口頸部86も二点鎖線で図示されている。適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器の口頸部86は全体として円筒形状であり、その外周面には環状係止溝88が形成されている。図9に明確に図示する如く、容器の口頸部86を中栓2の装着壁8の内周面下半部とシール片16の外周面との間に受け入れることによって、容器の口頸部86に容器蓋が装着される。中栓2の装着壁8の内周面下端部に形成されている係止突条38は口頸部86の係止溝88に係止せしめられ、中栓2のシール片16は口頸部86の内周面に密接せしめられる。
容器内に収容されている調味液の如き内容物を消費する際には、中栓2に対して蓋本体4を図9において上方から見て反時計方向(図2において反時計方向)に回転せしめる。中栓2に対して蓋本体4が所定角度α(図2)回転せしめられると、蓋本体4に配設されている2個の係止手段58の各々が、中栓2に配設されている2個の被係止手段22の各々に係止せしめられる。更に詳しくは、係止手段58の突出部58bが被係止手段22の張出梁部22bの下方に進入し、係止手段58の垂下柱部58aが被係止手段22の張出梁部22bに当接せしめられる。所定角度αは50乃至60度程度であるのが好都合である。中栓2に対して蓋本体4が所定角度αを超えて更に回転せしめられると、被係止手段22を介して破断可能薄肉ライン18の各々に応力が加えられ、破断可能薄肉ライン18がその破断開始端部18aから破断され始める。
図示の実施形態においては、図2に二点鎖線で示す如く、中栓2に対して蓋本体4が上記所定角度αよりも0乃至20度程度小さい角度β(0度≦α−β≦20度)だけ回転せしめられると、蓋本体4に配設されている係止突起56が中栓2に配設されているラチェット爪34を弾性的に乗り越え、中栓2に対して蓋本体4が図9において上方から見て時計方向(図2において時計方向)に回転することは係止突起56とラチェット爪34の切り立った係止面34bとの協働によって阻止される。従って、係止突起56とラチェット爪34とは協働して戻り回転阻止手段を構成する。
上記所定角度αを超える蓋本体4の回転が進行するに従って、破断可能薄肉ライン18の破断が破断開始端部18aから外側弧状部18b及び内側弧状部18cに進行する。そして、中栓2に対する蓋本体4の回転が角度γ(図2)まで進行すると、図2に二点鎖線で示す如く、蓋本体4に配設されている係止突起56が中栓2に配設されている突起32に当接し、中栓2に対して蓋本体4が更に反時計方向に回転することが阻止される。従って、係止突起56と突起32は協働して蓋本体4の回転を角度γに制限する回転制限手段を構成する。上記角度γは300乃至320度程度であるのが好都合である。中栓2に対して蓋本体4が上記角度γ回転せしめられると、図10に図示する如く、破断可能薄肉ライン18の各々は、夫々の外側弧状部18a及び内側弧状部18bの実質上下流端まで破断され、中栓2の閉塞壁6に配設されている変形領域20は破断可能薄肉ライン18の破断の進行に応じて上方及び半時計方向下流に向けて変形されてロール状に変形され、閉塞壁6には2個の通過開口90(図10)が生成される。破断可能薄肉ライン18の外側弧状部18aの下流端と内側弧状部18bの下流端とは離隔されており、両者間が破断されることはなく、変形領域20が閉塞壁6から離脱されることはない。
図示の実施形態においては、中栓2に対して蓋本体4が上記角度γまで回転せしめられる際には、蓋本体4に配設されている係止突起56が中栓2に配設されているラチェット爪36を弾性的に乗り越える。それ故に、中栓2に対する蓋本体4の時計方向への回転は、係止突起56とラチェット爪36の切り立った係止面36bとの協働によって阻止される。従って、係止突起56とラチェット爪36とは協働して逆転阻止手段を構成する。
上述したとおりにして中栓2の閉塞壁6に通過開口90が生成された後においては、蓋本体4の外蓋43を図10に二点鎖線で示す位置まで旋回せしめ、次いで容器を傾動せしめると、中栓2の閉塞壁6に生成された通過開口90及び蓋本体4に配設されている排出開口48を通して容器の内容物が流出され、蓋本体4の排出案内壁50に案内されて排出される。
2:中栓
4:蓋本体
6:閉塞壁
8:装着壁
18:破断可能薄肉ライン
18a:破断可能薄肉ラインの破断開始端部
18b:破断可能薄肉ラインの外側弧状部
18c:破断可能薄肉ラインの内側弧状部
20:変形領域
22:被係止手段
22a:被係止手段の支柱部
22b:被係止手段の張出梁部
32:係止突起
34:ラチェット爪
36:ラチェット爪
42:蓋本体の本体部
43:蓋本体の外蓋
44:覆壁
46:嵌合壁
48:排出開口
56:係止突起
58:係止手段
58a:垂下柱部
58b:突出部
86:容器の口頸部
90:通過開口

Claims (12)

  1. 容器の口頸部に装着される合成樹脂製中栓と該中栓に装着される合成樹脂製蓋本体とから構成され、
    該中栓は円形閉塞壁及び該閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、該装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞し、
    該蓋本体は円形覆壁及び該覆壁の外周縁に接続された筒形嵌合壁を含み、該嵌合壁を該中栓の該装着壁の外周面に嵌合することによって該中栓に回転自在に装着され、該覆壁が該中栓の該閉塞壁の上方に位置し、
    該中栓の該閉塞壁には少なくとも1個の破断可能薄肉ラインが形成されており、該破断可能薄肉ラインは破断開始端部から延びる外側弧状部と該破断開始端部から延びる内側弧状部とを有し、該外側弧状部と該内側弧状部との間には所定方向に弧状に延びる変形領域が規定されており、
    該変形領域には被係止手段が付設されており、該被係止手段は該所定方向に見て該変形領域の上流端部から上方に延出し次いで半径方向内方に延びる被係止片から構成され、
    該蓋本体の該覆壁には少なくとも1個の排出開口が形成されており、該覆壁の下面には該被係止手段と協働する係止手段が配設されており、該係止手段は該覆壁の下面から下方に延び次いで該所定方向に延びる係止片から構成され、
    該中栓に該蓋本体を装着した状態において該係止手段は所定方向に見て該被係止手段の上流側に位置し、該中栓に対して該蓋本体を該所定方向に回転せしめると該係止手段が該被係止手段に係止せしめられ、該中栓に対して該蓋本体を該所定方向に更に回転せしめると該係止手段及び該被係止手段を介して該変形領域に力が加えられ、該中栓の該破断可能薄肉ラインが破断されると共に該変形領域が変形され、これによって該中栓の該閉塞壁に通過開口が生成される、
    ことを特徴とする容器蓋。
  2. 該中栓の該閉塞壁には該破断可能薄肉ラインが周方向に等間隔をおいて2個又は3個形成されていて、該変形領域が周方向に等間隔をおいて2個又は3個規定されている、請求項1記載の容器蓋。
  3. 該被係止片の各々は該変形領域の該所定方向に見て上流端部から上方に鉛直に延出する支柱部及び該支柱部の上端部から半径方向内方に水平に延びる張出梁部から構成されており、該張出梁部の半径方向内側端は相互に接続されている、請求項2記載の容器蓋。
  4. 該中栓の該閉塞壁には上面中心から上方に延出する共通支柱が配設されており、該被係止片の各々の該張出梁部の半径方向内側端は該共通支柱を介して相互に接続させている、請求項3記載の容器蓋。
  5. 該係止片の各々は該覆壁の下面から下方に延びる垂下柱部及び該垂下柱部の下端部から該所定方向に弧状に延びる突出部から構成されている、請求項2から4までのいずれかに記載の容器蓋。
  6. 該蓋本体の該覆壁には該変形領域に対応して2個又は3個の排出開口が形成されており、平面図において該突出部の各々は全体が該排出開口内に位置する、請求項5記載の容器蓋。
  7. 該中栓の該装着壁の外周面と該蓋本体の該嵌合壁の内周面との一方には、少なくとも1個の位置決め溝が形成され、他方には少なくとも1個の位置決め突起が形成されており、該位置決め溝内に該位置決め突起を進入せしめて該中栓に該蓋本体を装着することによって、該中栓に対する該蓋本体の相対的角度位置が規制される、請求項1から6までのいずれかに記載の容器蓋。
  8. 該中栓の該閉塞壁に形成されている該破断可能薄肉ラインの該外側弧状部及び該内側弧状部は上方から見て反時計方向に該破断開始端部から延在し、該所定方向は上方から見て反時計方向である、請求項1から7までのいずれかに記載の容器蓋。
  9. 該中栓と該蓋本体とには、相互に協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する回転阻止手段が配設されている、請求項1から8までのいずれかに記載の容器蓋。
  10. 該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に50乃至60度である角度α回転せしめられると、該係止手段が該被係止手段に係止せしめられ、
    該中栓と該蓋本体とには、該中栓に対して該蓋本体が該角度αより0乃至20度小さい角度β(0度≦α−β≦20度)回転せしめられると、協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する戻り回転阻止手段が配設されている、請求項1から9までのいずれかに記載の容器蓋。
  11. 該中栓と該蓋本体とには、協働して該中栓に対する該蓋本体の該所定方向への回転を300乃至320度である角度γに制限する回転制限手段が配設されている、請求項1から10までのいずれかに記載の容器蓋。
  12. 該中栓と該蓋本体とには、該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に該角度γ回転せしめられると、協働して該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に対して反対方向に回転するのを阻止する逆転阻止手段が配設されている、請求項11記載の容器蓋。
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