JP6128545B2 - 容器 - Google Patents

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本発明は、ポリオレフィン又はポリスチレンからなる基材層を有し、耐油性を有する容器に関する。
例えば、開口部を有する容器本体と該開口部を開閉する蓋体とを有し、手や指の洗浄用の洗浄剤やメイク落とし用の洗浄剤を含浸したシート等を複数枚積層した状態で収容するシート収用容器が知られている。このようなシート収用容器は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の柔軟性を有するプラスチック材料を用いて形成されるのが一般的である。
しかし、PPやPEは、親油性の樹脂であって油成分との相溶性が大きく、耐油性に乏しいため、シートに含浸した洗浄剤が油成分を含有するものであると、数日間の使用によって樹脂が膨潤して容器が変形するおそれがある。特に、洗浄剤がメイク落しに好適な低分子量の油剤や揮発性の油剤、例えばイソドデカン(マルカゾールR)を含むものであると、PPやPE製の容器が膨潤して変形することが確認されている。
このような油成分による容器の変形を防止するためには、容器を、耐油性に優れ、射出成形が容易なポリエチレンテレフタレート(PET)から形成することが考えられる。
また、油成分による容器の変形を防止しつつ必要な部位に柔軟性を確保する観点から、容器の蓋体を、共重合成分としてソフトセグメントを含むポリブチレンテレフタレート(PBT)の射出成形により形成する技術が提案されている(特許文献1)。
しかし、PETやソフトセグメントを含むPBTは、PPやPEに比して溶融状態での流動性に劣るため、容器を構成する基材として、それらを用いることは、生産性の観点からは好ましくない。
また、特許文献2には、容器の胴部及び底部を形作る基材層の内側に、被覆層を、胴部及び底部の全面に亘って連続的に形成した積層容器が記載されている。また、特許文献2には、前記基材層をPET又はPPで構成し、前記被覆層をPEで構成することが記載されている。しかし、基材層をPETで構成した場合には、比較的硬い樹脂であるから容器に破損が生じやすくなり、基材層をPP、被覆層をPEで構成した場合には、油成分による容器の変形の問題が生じる。
また、特許文献3には、ガスバリヤ性を有するラベルを底面用ラベルと側壁面用ラベルとで構成し、インモールドラベリングにより、底面用ラベルを容器の底部の内面又は外面、側壁面用ラベルを容器の側壁及び糸底の外周面にそれぞれ一体化してなる容器が記載されている。しかし、特許文献3の容器においては、容器の側壁の内面にはラベルが殆ど配されないため、射出成形用金型内に射出注入する成形用樹脂にPETを用いた場合には、PPやPEに比して流動性に劣ることによる生産性の問題があり、成形用樹脂にPPやPEを用いた場合には、前述した油成分による容器の変形の問題が生じる。
また、特許文献4には、容器の外面側から内面側に向かって、基材層、混合樹脂層及び表面層をこの順に有し、基材層がポリオレフィン樹脂を主成分とし、表面層が非晶性共重合ポリエチレンテレフタレートを主成分とするものが記載されている。しかし、特許文献4の容器は、インモールド成形により製造した場合には、成形後に、基材層と表面層の熱収縮率の差により開口部付近に変形が生じて、開口部のシール性の低下の問題を生じる。
特開2007−204131号公報 特開2011−116373号公報 特開平9−174595号公報 特開2004−034302号公報
従って、本発明の課題は、ポリオレフィン又はポリスチレンを主体として構成されているにも拘わらず、油成分による変形や成形後の収縮による変形が生じにくい容器を提供することにある。
本発明は、開口部、周壁部及び底部を有する合成樹脂製の容器であって、ポリオレフィン又はポリスチレンからなる基材層と、前記周壁部及び前記底部における該基材層より内面側に形成された耐油性のバリア層と、少なくとも前記周壁部における前記基材層より外面側に、前記バリア層との間に該基材層を挟むように形成された収縮バランス層とを有しており、前記収縮バランス層は、前記バリア層と同一素材の合成樹脂が使用された容器を提供するものである。
また、本発明は、前記容器の製造方法であって、前記バリア層を形成する層を含むシート成形体、及び前記収縮バランス層を形成する層を含むシート又は該シートの成形体を、射出成形用の金型内に配置した後、該金型内に、前記基材層を形成する溶融したポリオレフィン又はポリスチレンを射出してインサート成形する、容器の製造方法を提供するものである。
本発明の容器は、ポリオレフィン又はポリスチレンを主体として構成されているにも拘わらず、油成分による変形や成形後の収縮による変形が生じにくい。
本発明の容器の製造方法によれば、樹脂が冷える際の収縮に起因する容器の変形を効果的に防止することができ、ポリオレフィン又はポリスチレンを主体として構成されているにも拘わらず、油成分による変形も生じにくい容器を効率的に製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である容器を示す斜視図である。 図2は、図1の容器における容器本体及び蓋体の図1のII−II線に沿う断面を示す断面図である。 図3は、図1のII−II線断面の一部を示す拡大断面図である。 図4は、図1の容器における容器本体の好ましい製造方法を示す説明図である。 図5は、本発明の他の実施形態の容器を示す断面図である。 図6は、本発明の更に他の実施形態の容器を示す断面図である。
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明の一実施形態である射出成形で製造される容器1は、図1及び図2に示すように、開口部21、周壁部22及び底部23を有する容器本体2と、容器本体2の開口部21に脱着自在に嵌合する蓋体3とを備えている。
蓋体3は、ヒンジ部4を介して容器本体2に回動可能に連結されており、蓋体3に設けた係止片5の裏面に形成された突起(図示せず)が、容器本体2の開口部21の周縁部に係合することにより、蓋体3による閉蓋状態が安定に維持される。他方、係止片5は、指で手前に引きつつ上方に持ち上げることで、開口部21の周縁部に対する係合状態が解除され、開口部21が開口する。なお、図2には、ヒンジ部4による連結を解除し、容器本体2と蓋体3とを上下方向に分離した状態が示されている。
本実施形態の容器1は、油成分を含む被収容物を収容する収容容器である。油成分を含む被収容物として、例えば、油成分を含有する洗浄剤を含浸したシートが挙げられる。より具体的には、例えばメイク落し用の洗浄剤を含浸したシートを、複数枚積層した状態で内部に収容することができる。油成分を含む洗浄剤を含浸したシートは、容器内にむき出しのまま収容しても良いが、ラミネートフィルム等からなる収容袋であって、その袋に形成されたシート引き出し用の開口部を、粘着シートの脱着によって開閉可能なもの等に収容した状態で収容しても良い。
メイク落し用の洗浄剤は、例えば、ファンデーションや口紅の他、ウォータープルーフマスカラ等を落とせる油成分を、洗浄基剤として含有している。
このような油成分としては、沸点150〜250℃の低沸点軽質流動イソパラフィンを2〜50%程度含んでいることが好ましい。低沸点軽質流動イソパラフィンは、その高い揮発性によって使用後のべたつきを低減することで、使用感を向上させるなどの効果がある。さらに低分子量であるため油性皮膜を効果的に溶解し高い洗浄力が発現する。低沸点軽質流動イソパラフィンの製品としては、IPソルベント(出光化学社製)やアイソパー(シェル社製)、アイソゾール(新日本石油化学社製)、マルカゾール(丸善石油化学社製)などが挙げられる。中でも匂いや使用感の点から、マルカゾールR(丸善石油化学社製)や2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンなどのイソドデカンを使用することが好ましい。低沸点軽質流動イソパラフィンは他の油剤と組み合わせることも可能である。組み合わせる油剤は特に限定されるものではないが、高い洗浄力と油性感のない使用感を実現するために、揮発性のシリコーンや粘度15mPa・s程度の低粘度の油剤と組み合わせることが好ましい。
本実施形態の容器1は、油成分を含有する洗浄剤を含浸したシートを収容した状態で長期間放置したり、そのようなシートを適宜詰め替えながら長期間に亘って使用した場合でも、容器が膨潤して変形することがないようにしてある。容器の膨潤による変形が抑制されることにより、例えば、蓋体3を着脱して開口部21を繰り返し開閉しても、蓋体3による開口部21の密閉性や容器の耐久性が損なわれず、容器をその機能を保持しつつ長期間に亘って使用することができる。
本実施形態の容器1における容器本体2は、図2に示すように、筒状の周壁部22と、周壁部22の下端を閉鎖する底部23とを有している。周壁部22は、その上端に開口部21を有している。また、図3に示すように、開口部21の周縁部には、周壁部22から外方に向かって張り出すフランジ部24が形成され、フランジ24の先端には環状の垂下部24aが形成されている。底部23における、周縁部よりやや内側に離間した位置には、下方に向けて凸に突出した高台部23aが形成されている。
他方、本実施形態の容器1における蓋体3は、上方に向けて凸の曲面状に形成された中央隆起部31と、その周囲に形成された環状の平坦部32と、その更に周囲に形成され、周壁部22における開口部21近傍の内面形状に合致する形状の環状シール部33とを有している。環状シール部33は、下端が平坦部32に連設されており、上端には、容器1の外方に向かって張り出すフランジ部34が連設されている。フランジ部34の先端には環状の垂下部34aが形成され、閉蓋時には、垂下部34aの下端が、容器本体2のフランジ部24の上面に当接する。
なお、前述したヒンジ部4は、容器本体2の垂下部24aから突出する一対の軸受部41,41間に、蓋体3の周縁部に延設された張り出し部42を配置し、該張り出し部42の両端に設けられた軸突起(図示せず)を軸受部41,41に設けられた穴に挿入することにより、容器本体2と蓋体3とを連結している。
本実施形態の容器1における容器本体2は、図3に示すように、ポリオレフィン又はポリスチレンからなる基材層25と、周壁部22及び底部23における基材層25より内面側に形成された耐油性のバリア層26と、該周壁部22における基材層25より外面側に、バリア層26との間に基材層25を挟むように形成された収縮バランス層27とを有している。
本実施形態の容器1における容器本体2は射出成形品であり、基材層25は、主として射出成形用金型内に射出注入した成形用樹脂からなる。
本実施形態の容器1における基材層25は、周壁部22及び底部23の全域に亘って存在し、更に、前述したフランジ24、垂下部24a及び一対の軸受部41にも延在している。
基材層25は、ポリオレフィン又はポリスチレンで形成されている。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等挙げられる。ポリオレフィンは、モノマーの単独重合体であっても良いし共重合体であっても良い。
ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のいずれをも用いることができる。
また、ポリオレフィンは、上記の2種以上のポリオレフィンの共重合体や混合物であっても良い。また、ポリオレフィンは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
耐油性のバリア層26は、容器内に収容する被収容物に含まれる油成分が、ポリオレフィン又はポリスチレンからなる基材層25に接触することを阻止して、該基材層25の膨潤及び該膨潤による容器の変形を防止するものであり、少なくとも、基材層25に用いたポリオレフィン又はポリスチレンに比べて、油成分に対して膨潤を生じにくいものである。バリア層26の構成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル又はナイロン等のポリアミドであることが好ましく、ポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。ナイロンは、単量体がアミド結合により結合した高分子であり、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6等がある。
耐油性のバリア層26は、容器内に収容する被収容物に含まれる油成分によって、基材層25が膨潤して容器が変形することを防止する観点から、周壁部22及び底部23における、被収容物の収容空間Pに面する内面の全域に亘って形成されていることが好ましい。また、底部23の内面全域、及び周壁部22の内面における容器本体2の深さ方向の全域にバリア層26が連続して形成されていることがより好ましい。
収縮バランス層27は、周壁部22に、バリア層26と収縮バランス層27とで前記基材層25を挟むように形成されている。「挟むように形成」という表現には、バリア層26と基材層25との間に、バリア層26と基材層25との接着性を高めるために使用した接着層28が存在する場合や、収縮バランス層27と基材層25との間に、収縮バランス層27と基材層25との接着性を高めるために使用した接着層29が存在する場合も含まれる。基材層25がポリオレフィンからなる場合、接着層28及び接着層29も、ポリオレフィンからなることが好ましい。その場合、基材層25を構成するポリオレフィンと、接着層28,29を構成するポリオレフィンとでは種類が同じでも異なっていても良い。後述する蓋体3の基材層30と接着層38も同様であり、基材層30がポリオレフィンからなる場合、接着層38も、ポリオレフィンからなることが好ましい。
収縮バランス層27は、基材層25を形成する成形用樹脂が冷えて収縮する際に、周壁部22の内面側と外面側とに収縮の程度の差が生じることを抑制するものである。例えば、図4に示す容器本体2の好ましい製造方法において、バリア層26を形成するシート成形体26Aのみを射出成形用金型6内に配置して、バリア層26を有する容器本体2をインサート成形した場合、その成形体が冷却される過程で、容器本体2の周壁部22の内面側はバリア層26によって収縮が抑制される一方、周壁部22の外面側はバリア層26によって収縮を抑制されないため、該周壁部22の内面側と外面側とで収縮の程度に差が生じ、その収縮の程度の差によって、周壁部22の上端の開口部21の形状やフランジ部24の形状に悪影響を与える。収縮バランス層27は、基材層25を挟んでバリア層26と対峙するように設けることで、周壁部22を形成する樹脂が冷えて収縮する際に、周壁部22の内面側と外面側とで収縮が同程度に生じるように収縮のバランスを図る。
収縮バランス層27は、周壁部22の内面側と外面側とで樹脂の収縮が同程度に生じるようにして、容器本体2の開口部21等にいびつな変形が生じることを抑制したり、あるいは容器本体2の形状や寸法の精度を向上させる観点から、バリア層26と同等の熱収縮率を有することが好ましい。
収縮バランス層27とバリア層26と同等の熱収縮率を有する構成とするために、両層は同一素材の合成樹脂を使用することが好ましい。すなわち両層ともに耐油性樹脂であるポリエステルを使用すること又は、ポリアミドを使用することが好ましい。
同一素材の合成樹脂を使用する場合の具体例としては、バリア層及び収縮バランス層の構成樹脂が共にポリエステルである場合、バリア層及び収縮バランス層の構成樹脂が共にポリアミドである場合、バリア層及び収縮バランス層の何れか一方の構成樹脂がポリエステルで他方の構成樹脂がリアミドである場合等が挙げられる。また、バリア層及び収縮バランス層の構成樹脂が共にポリエステルであるという表現には、両者の構成樹脂が共にポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートである場合の他、何れか一方がポリエチレンテレフタレートで、他方がポリブチレンテレフタレートである場合、何れか一方がポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートで、他方がそれら以外の他のポリエステルである場合等も含まれる。
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのように、テレフタル酸とジオールを主成分とするポリエステルであることが好ましい。
収縮バランス層27は、周壁部22の周方向の全周に亘って形成されている場合を100%としたときに、該周方向の80%以上の長さに亘って形成されていることが好ましく、より好ましくは95%以上であり、更に好ましくは100%である。
また、周壁部22の高さ方向において、バリア層26と収縮バランス層27とが基材層25を挟んで対向している領域の高さR(図3参照)は、周壁部22の高さT(容器本体2の周壁部22の外面の下面からフランジ部24の下面までの高さ、図3参照)の50%以上、即ち半分以上であることが好ましく、該高さTの90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。上限は100%である〔図5(b)参照〕。
底部23の基材層25を形成する成形用樹脂が冷えて収縮する際、底部23の厚みを厚くすることで、ある程度の変形を抑制することができる。しかし、周壁部22では、その下部分が底部23により変形が拘束される一方、その上部分が容器本体2の開口部21(すなわち拘束されない自由端)となるため、基材層25の厚みを厚くしても、底部23よりも変形し易くなる。
従って、収縮バランス層27は少なくとも周壁部22の外面側に形成される必要があり、場合によっては、底部23の外面側(載置面側)には必ずしも形成される必要は無い。
なお、周壁部22の基材層25の変形を効果的に防ぐ観点から、収縮バランス層27は、周壁部22の上側寄りに形成されることが好ましい。従って、前記高さRが100%未満の状態では、周壁部22のフランジ部24側全域に形成され、底部23側には、収縮バランス層27が形成されていないことが好ましい。また好ましくは、前記高さRが50%とは、周壁部22の高さTの上半分側全てに形成されていることを指す。換言すると、少なくとも収縮バランス層27は、周壁部22の高さTの中間位置よりも上側に形成されることが好ましい。
次に、本実施形態の容器1における容器本体2の好ましい製造方法について図4を参照して説明する。
先ず、図4(a)に示すように、バリア層26を形成する層26’及び接着層28を有する積層フィルム26A’を、必要によりヒーター等で加熱した後、真空成形、圧空成形又はプレス成形等により所定形状に成形してシート成形体26Aを得る。また、シート成形体26Aに不要な部分があればトリミングする。
次いで、図4(b)に示すように、シート成形体26Aを、射出成形用の金型6における雄型61の凸部にセットする一方、射出成形用の金型6における雌型62に、収縮バランス層27を形成する層27’及び接着層29を有する積層フィルムからなる短冊状のシート27Aを環状にしてセットする。そして、図4(c)に示すように、金型6を型閉し、該金型6内に形成されるキャビティ63内に、基材層25を形成させる成形用樹脂である溶融したポリオレフィン又はポリスチレン25Aを射出してインサート成形する。そして、金型6の冷却等により成形用樹脂を硬化させた後に型開することにより、図4(d)に示すような、周壁部22の内外にバリア層26及び収縮バランス層27が一体化した容器本体2が得られる。
上述した容器1の容器本体2は、基材層25を挟んでバリア層26と対向するように収縮バランス層27を有することで、上記の好ましい製造方法で製造する場合においても、成形用樹脂の硬化時等に、周壁面22の内外面が同程度に収縮して、容器本体2の開口部21等にいびつな変形が生じず、また、寸法精度の高い容器本体2が得られる。
本実施形態の容器1の蓋体3は、図3に示すように、ポリオレフィン又はポリスチレンの射出成形品からなる基材層30に、バリア層37及び接着層38を有するシート成形体37Aを接合してなる。より具体的には、蓋体3におけるフランジ部34の中間位置より内側の部分の下面の凹凸形状に合致する形状のシート成形体37Aを、真空成形、圧空成形又はプレス成形により製造した後、そのシート成形体37Aを、接着剤又は融着等の公知の方法で、凹凸形状を有する基材層30に接合させてなる。蓋体3における基材層30及びバリア層37の形成材料(好ましい形成材料も含む)は、容器本体2の基材層25及びバリア層26と同様であり、容器本体2の基材層25及びバリア層26について上述した説明が適用される。蓋体3は、容器本体2の開口部21に脱着自在に嵌合するが、本実施形態における容器本体2は、開口部21やフランジ部24に、周壁部22の内外面の収縮の程度の差に起因する変形が生じにくいため、前述した環状シール部33を開口部21の内面に隙間無く密着させることができ、優れた密閉性が得られる。また、蓋体3の開閉を繰り返しても、その密閉機能が損なわれにくい。
本実施形態の容器1においては、図2及び図3に示すように、蓋体3における、被収容物の収容空間Pに面する下面全域にバリア層37を有しているため、収容空間Pに油成分を含む被収容物を収容しても、基材層30の膨潤に起因する蓋体3の変形も生じにくい。なお、容器1における軸受部41は、容器本体2の射出成形時に一体成形しても良いし、容器本体2の成形後に融着等により結合させても良い。容器1における張り出し部42及び係止片5のそれぞれも、蓋体3の射出成形時に一体成形しても良いし、蓋体3の成形後に融着等により結合させても良い。
本発明は、上記の実施形態に制限されず、種々の変形が可能である。
例えば、本発明の容器は、上述した実施形態の容器1における容器本体2のみからなるものでも良い。その場合の容器本体2は、一対の軸受部41をなくすことが好ましい。また、上述した実施形態の容器1における蓋体3も、射出成形用金型内にシート成形体37Aを配してインサート成形したものであっても良い。
また、容器本体2における収縮バランス層は、底部23の一部又は全域に連続して形成されていてもよい。そのような容器本体2は、例えば、真空成形、圧空成形又はプレス成形等により、収縮バランス層を形成する層を含むカップ状のシート成形体(但し、ゲート部分には孔を設ける)を製造し、バリア層形成用のシート成形体と共に、射出成形用の金型内に配置してインサート成形することで得られる。
本発明の容器は、図5(a)及び図5(b)に示すように、蓋体を有さず、開口部21が常時開放された容器であっても良く、図5(b)に示すように、蓋体及び開口部周縁のフランジ部を有しないものであっても良い。また、図5(a)及び図5(b)に示すような容器と、該容器の開口部に脱着自在に嵌合する別体の蓋体とを有するものであっても良い。
また、本発明の容器は、図5(c)に示すように、樹脂の成形品である蓋体に代えて、シート状の蓋体3’によって開口部21が閉鎖されているものであっても良い。図5(c)に示す容器においては、容器本体2の内部に被収容物(図示せず)を収容した後、開口部21の周囲のフランジ部24に、例えばポリエチレンテレフタレート又はナイロン製のフィルムからなるシート状の蓋体3’をヒートシールにより融着させてある。また、蓋体3は、容器本体2に対して、図6に示すような態様で嵌合するものであっても良い。
また、上述した実施形態の容器1における蓋体3も、射出成形用金型内にシート成形体37Aを配してインサート成形したものであっても良い。
また、バリア層や収縮バランス層を形成するシートやシートの成形体は、接着層を有しないものであっても良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンからなる単層のフィルムやその成形体であっても良い。バリア層や収縮バランス層を形成するシートやその成形体としては、加飾フィルムや加飾フィルムを含む積層シート等を用いることも好ましい。
また、容器内に収容する油成分を含む被収容物は、油成分を含む洗浄剤を含浸したシートに限られず、シートに含浸させない各種の洗浄剤や食品、整髪剤等であっても良い。
また、被収容物は、液状物であっても良いし、クリーム状ないしペースト状であっても良いし、固体であっても良い。また、これらの2種以上を非混合状態で収容しても良いし、混合状態で収容しても良い。
1 容器
2 容器本体
21 開口部
22 周壁部
23 底部
24 フランジ部
24a 垂下部
25 基材層
26 バリア層
27 収縮バランス層
3 蓋体
30 基材層
33 環状シール部
34 フランジ部
37 バリア層
4 ヒンジ部
41 軸受部
42 張り出し部
5 係止片
6 射出成形用金型
61 雄型
62 雌型

Claims (9)

  1. 開口部、周壁部及び底部を有する合成樹脂製の容器であって、
    ポリオレフィン又はポリスチレンからなる基材層と、前記周壁部及び前記底部における該基材層より内面側に形成された耐油性のバリア層と、少なくとも前記周壁部における前記基材層より外面側に、前記バリア層との間に該基材層を挟むように形成された収縮バランス層とを有しており、
    前記収縮バランス層は、前記バリア層と同一素材の合成樹脂が使用されており、
    前記開口部の周縁部に、前記周壁部から外方に張り出したフランジ部が形成されており、
    前記周壁部に形成された前記バリア層は、前記周壁部の内面の上端の位置を超えて、前記フランジ部の先端に向かって延出する延出部分を有しており、且つ該延出部分は、前記フランジ部の上面の先端には達しておらず、
    前記収縮バランス層は、前記フランジ部には形成されていない、容器。
  2. 前記バリア層及び前記収縮バランス層が、インサート成形により前記基材層と一体化されている請求項1記載の容器。
  3. 前記バリア層及び前記収縮バランス層に使用される同一素材の合成樹脂が、ポリエステル又はポリアミドである、請求項1又は2記載の容器。
  4. 前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートであり、前記ポリアミドがナイロンである、請求項3記載の容器。
  5. 前記バリア層が、前記周壁部及び前記底部における、被収容物の収容空間に面する内面の全域に亘って形成されている、請求項1〜4の何れか1項記載の容器。
  6. 前記周壁部の高さ方向において、前記バリア層と前記収縮バランス層とが前記基材層を挟んで対向している領域の高さ(R)が、該周壁部の高さ(T)の半分以上である、請求項1〜5の何れか1項記載の容器。
  7. 少なくとも前記収縮バランス層は、前記周壁部の高さTの中間位置よりも上側に形成されている、請求項1〜6の何れか1項記載の容器。
  8. 前記収縮バランス層が、前記底部の外面側には形成されていない請求項1〜7の何れか1項記載の容器。
  9. 請求項1記載の容器の製造方法であって、
    前記バリア層を形成する層を含むシート成形体、及び前記収縮バランス層を形成する層を含むシート又は該シートの成形体を、射出成形用の金型内に配置した後、該金型内に、前記基材層を形成する溶融したポリオレフィン又はポリスチレンを射出してインサート成形する、容器の製造方法。
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