JP7278925B2 - インサート成形品及びそれを備えたキャップ並びにインサート成形品の製造方法 - Google Patents
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しかし、特許文献1に記載の発明では、蓋体を射出成形した後、別工程において不織布を蓋体の内面に接着固定する必要があることから、製造工程の簡素化を図る上で支障をきたすものとなっていた。
そこで、例えば特許文献2に記載される発明のように、不織布を所定の金型内に配置した状態でインサート成形法によって蓋体(インサート成形体)を一体的に成形することが提案されている。
例えば、不織布自体はそのままでは不安定であることから、ベースとなる部材に不織布を接着剤で固定したインサート部材を形成し、このインサート部材を所定の金型にセットした状態において、成形材料(PETG)を約260℃の成形温度に設定した溶融樹脂を金型内に射出することによりインサート成形体(蓋体)を得ていた。
不織布体をインサート部材とするインサート成形品であって、
成形品本体は透明性を有するグリコール変性ポリエステル樹脂を母材とし、上面の中央に上方に突設されて厚肉状に形成された透視窓部を有して形成され
前記不織布体は、積層方向の中央に設けられたベースフィルムの上下両面に積層された接着層により一対の不織布が夫々固定される積層構造を有して薄リング状に形成されると共に、一方の前記不織布を介して前記透視窓部を除く前記成形品本体に融着固定されていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の第1の主たる手段では、固型化粧料から離漿した液体に含まれる油性成分の不織布体での吸収を達成し得る。
また薄板リング状の不織布体を透明なグリコール変性ポリエステル樹脂から成る成形品本体に配置した状態において、リングの内側を透視窓部とすることを達成し得る。
貫通孔が形成された頂壁と、該頂壁の外周端に垂下設された側壁を有すると共に、前記貫通孔内にインサート成形品の透視窓部が嵌入され、前記透視窓部の表面と前記頂壁とが同一面で形成されていることを特徴とする、と云うものである。
上記第1の主たる手段のインサート成形品の製造方法であって、
ベースフィルムの上下両面に接着剤を介して一対の不織布を夫々固定してインサート部材となるリング状の不織布体を形成する工程と、
所定の金型内に前記不織布体をセットした後、前記金型内にグリコール変性ポリエステル樹脂から成る溶融樹脂を射出して成形品本体を成形すると共に、リング状に形成された一方の前記不織布を前記成形品本体に融着固定させる工程と、を有することを特徴とする、と云うものである。
本発明の第2の主たる手段では、簡単な構成で良好な外観上の商品価値を備える不織布をインサート部材としたインサート成形品を得ることができる。
上記手段では、成形時におけるグリコール変性ポリエステル樹脂の流れを確保することができるため、成形性に優れたインサート成形品を得ることができる。
上記手段では、成形品本体が薄い厚み形状である場合にであっても高い成形性を維持することができ、また不織布体を構成する接着層の成形中における流動を防止することができる。
簡単な構成で、良好な外観上の商品価値を備える不織布をインサート部材としたインサート成形品を成形することができる。
図1に示すように、本発明のインサート成形品1は、略円盤形状から成る成形品本体2と、この成形品本体2の下面に固定される薄リング状から成る不織布体10とを有して構成されている。
成形品本体2は、透明性の高いグリコール変性ポリエステル樹脂を母材として形成されている。本実例では、グリコール変性ポリエステル樹脂として、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(グリコール変性PET)を用いている。尚、実施例としてのグリコール変性ポリエチレンテレフタレートは、ネオペンチルグリコールによって、ポリエチレンテレフタレートが変性された共重合体であり、ネオペンチルグリコールによって、変性されたとは、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールの一部が、ネオペンチルグリコールに置き換えられたということである。
成形品本体2の上面3の中央には平面視円形状を有して上方に突出する透視窓部4が突設され、下面5には平面視円環状を有して下方に突出する台座部6が突設されている。尚、平面視的には、透視窓部4は台座部6の径方向内側に位置している。また台座部6の径方向外側の外周部にはフランジ部7が形成されている。
図3に示すように、インサート成形品1を使用した化粧料容器Aは、化粧料が収容される容器本体20と、この容器本体20の上部開口端に設けられた口筒部21を閉塞するキャップ30とを有して構成されている。
まず、例えば透明性が高く、耐熱性及び耐油性に優れたCCP樹脂(無軸延伸ポリプロピレン樹脂))から成るベースフィルム11の上下両面に、接着層12を形成するホットメルト系接着剤、例えば接着性及び流動性に優れたEVA(エチレン酢酸ビニル)系の接着剤を塗布し、その上に不織布13を夫々接着固定することにより5層構造(図2参照)からなる不織布体10を形成する。
接着層12を乾燥させた後、インサート部材としての不織布体10を図示しない所定の金型内にセットして金型を閉じる。そして、溶融化したグリコール変性PET樹脂を金型内にゲート(図示せず)を介して射出してインサート成形を行う。所定時間経過後、金型を開いて離型することにより、インサート部材としての不織布体10が成形品本体2にインサートされたインサート成形品1が出来上がる。
インサート成形においては、溶融化したグリコール変性PET樹脂が、成形品本体2側の台座部6と対向する位置に配置された一方の不織布13内に浸潤した状態で硬化することから、不織布体10を台座部6の下面に強力に融着固定することができる。
更に本発明におけるより好ましい成形温度は190~195℃の範囲である。これはインサート成形品1を構成する成形品本体2が薄い厚みを有する形状であることを鑑みた場合における樹脂材料の流動性を考慮すると好ましい成形温度の下限が190℃であること、及びインサート部材としての不織布体10を構成する接着層12の成形中における溶融始まりを避ける上での好ましい成形温度の上限が195℃であることに基づく。
2 : 成形品本体
3 : 上面
4 : 透視窓部
5 : 下面
6 : 台座部
7 : フランジ部
10 : 不織布体
10a: 開口部
11 : ベースフィルム
12 : 接着層
13 : 不織布
20 : 容器本体
21 : 口筒部
22 : 雄ネジ
23 : 胴部
24 : 底部
30 : キャップ
31 : 頂壁
32 : 側壁
33 : 貫通孔
34 : 雌ネジ
35 : 係止片
40 : パッキン
A : 化粧料容器
Claims (5)
- 不織布体(10)をインサート部材とするインサート成形品(1)であって、
成形品本体(2)は透明性を有するグリコール変性ポリエステル樹脂を母材とし、上面(3)の中央に上方に突設されて厚肉状に形成された透視窓部(4)を有して形成され
前記不織布体(10)は、積層方向の中央に設けられたベースフィルム(11)の上下両面に積層された接着層(12)により一対の不織布(13)が夫々固定される積層構造を有して薄リング状に形成されると共に、一方の前記不織布(13)を介して前記透視窓部(4)を除く前記成形品本体(2)に融着固定されていることを特徴とするインサート成形品。 - 請求項1に記載のインサート成形品(1)を備えた化粧料容器のキャップであって、
貫通孔(31)が形成された頂壁(31)と、該頂壁(31)の外周端に垂下設された側壁(32)を有すると共に、前記貫通孔(31)内にインサート成形品(1)の透視窓部(4)が嵌入され、前記透視窓部(4)の表面と前記頂壁(31)とが同一面で形成されていることを特徴とするキャップ。 - 請求項1に記載のインサート成形品(1)の製造方法であって、
ベースフィルム(11)の上下両面に接着剤を介して一対の不織布(13)を夫々固定してインサート部材となるリング状の不織布体(10)を形成する工程と、
所定の金型内に前記不織布体(10)をセットした後、前記金型内にグリコール変性ポリエステルから成る溶融樹脂を射出して成形品本体(2)を成形すると共に、リング状に形成された一方の前記不織布(13)を前記成形品本体(2)に融着固定させる工程と、を有することを特徴とするインサート成形品の製造方法。 - 溶融樹脂の成形温度を185~200℃とする請求項3記載のインサート成形品の製造方法。
- 溶融樹脂の成形温度を190~195℃とする請求項3記載のインサート成形品の製造方法。
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