JP6128404B2 - 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法 - Google Patents

多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6128404B2
JP6128404B2 JP2015548894A JP2015548894A JP6128404B2 JP 6128404 B2 JP6128404 B2 JP 6128404B2 JP 2015548894 A JP2015548894 A JP 2015548894A JP 2015548894 A JP2015548894 A JP 2015548894A JP 6128404 B2 JP6128404 B2 JP 6128404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
acid
etching
etching solution
hydrogen peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015548894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015075765A1 (ja
Inventor
真 着能
真 着能
善秀 小佐野
善秀 小佐野
真一郎 淵上
真一郎 淵上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2015075765A1 publication Critical patent/JPWO2015075765A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6128404B2 publication Critical patent/JP6128404B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/10Etching compositions
    • C23F1/14Aqueous compositions
    • C23F1/16Acidic compositions
    • C23F1/18Acidic compositions for etching copper or alloys thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Weting (AREA)

Description

本発明は、液晶、有機EL等のフラットパネルディスプレイの配線用に用いられる銅層およびモリブデン層の多層膜をエッチングする際に用いる、多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法に関する。
液晶や有機EL(Electro−Luminescence)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)のTFT(Thin film transistor)は、配線材料としてアルミニウムが使用されてきた。近年、大画面で高精細度のFPDが普及し、使用される配線材料には、アルミニウムよりも低抵抗のものが求められた。そこで、近年アルミニウムより低抵抗である銅を配線材料として用いられるようになった。
銅を配線材料として用いると、基板との間の接着力と、半導体基材への拡散という2つの問題が生じる。つまり、ゲート配線で用いる場合は、比較的基材への衝突エネルギーが大きいとされるスパッタリング法を用いても、ガラスなどの基板の間で接着力が十分でない場合がある。また、ソース・ドレイン配線で用いる場合は、付着した銅が下地となるシリコンへ拡散し、半導体の電気的設計値を変えてしまうという問題が生じる。
この問題を解決するため、現在では、基板や半導体基材上にモリブデン層を最初に形成しておき、その上に銅層を形成する多層構造が採用されている。
FPDの配線は、スパッタリング法で形成された多層膜をウエットエッチングによって形成される。大面積を一気に形成できるので、工程の短縮化が可能だからである。ここで、配線のウエットエッチングには、以下の点が重要とされている。
(1)加工精度が高く一様であること。
(2)加工後の配線断面が所定の角度の順テーパーであること。
(3)エッチング液中に銅イオンが含まれることでエッチング性能が劣化しにくい(バスライフが長い)こと。
(4)析出物の発生が少ないこと。
第1の項目である、加工精度が高く一様であることは、ウエットエッチングだけでなく、微小領域の加工を行う場合は、必須に求められる項目である。第2の項目である配線断面の形状は、大面積のFPDの配線を一括形成する際に、確実な配線形成を行うために必要な形状である。これは、銅層とモリブデン層の多層膜のエッチングされたエッジの部分が、基板から30〜60度の順テーパーで形成できていれば、仮にエッチング不良が発生し、銅およびモリブデンのエッチングレートのバランスが異なってしまっても、製品品質を確保できるマージンを確保することができるからである。
第3の項目は、エッチング液自体のライフの問題である。大面積の基板をエッチングするためには、大量のエッチング液が必要である。これらのエッチング液は、コストの観点からも、循環使用される。そのエッチング性能を維持できる期間(ライフ)ができるだけ長い方がコストは安くなる。
また第4の項目は、エッチング装置の維持のための問題だけでなく、製品の品質問題にも係る問題である。エッチングによって、析出物が発生すると、エッチング装置の配管詰まりを生じさせたり、エッチング液を散布するシャワーノズルの孔を詰まらせたりする。これらの現象は、エッチング装置の運転を停止する原因となり、コストの上昇につながる。また、析出物が、エッチング液を介して製品上に付着すると、ショートや断線の原因となり、製品の品質に直接係る問題となる。
銅層とモリブデン層の多層膜のエッチング液に関しては、中性塩と有機酸の中から選択された少なくとも1つと過酸化水素を含むエッチング液の報告がある(特許文献1:特開2002−302780号公報(特許4282927号))。
また、過酸化水素と、有機酸と、リン酸塩と、第1添加剤として水溶性サイクリックアミン化合物と、第2添加剤としてアミノ基及びカルボキシル基のうちの一つを含む水溶性化合物と、フッ素化合物と、脱イオン水をそれぞれ所定量含む銅モリブデン膜のエッチング溶液が報告されている(特許文献2:特開2004−193620号公報(特許4448322号))。
また、過酸化水素と、有機酸と、トリアゾール系化合物と、フッ素化合物と、超純水を含むモリブデン/銅/窒化モリブデン多重膜配線用エッチング液の報告がある(特許文献3:特開2007−005790号公報(特許5111790号))。
さらに、(A)過酸化水素、(B)フッ素原子を含有しない無機酸、(C)コハク酸、グリコール酸、乳酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも一種である有機酸、(D)炭素数2〜10であり、かつアミノ基と水酸基とをその合計基数が二以上となるように有するアミン化合物、(E)5−アミノ−1H−テトラゾール、及び(F)過酸化水素安定剤を含み、pHが2.5〜5である銅層及びモリブデン層を含む多層薄膜用エッチング液が報告されている(特許文献4:特許5051323号)。
特開2002−302780号公報(特許4282927号) 特開2004−193620号公報(特許4448322号) 特開2007−005790号公報(特許5111790号) 特許5051323号
特許文献1は、過酸化水素と有機酸の混合液の場合に、過酸化水素の比率を調節すれば、銅とモリブデンを同時にエッチングできるという内容が開示されているだけで、具体的なエッチング液の組成については全く開示されていない。
特許文献2、3は組成中にフッ素化合物が使用されている。したがって、ガラス基板やシリコン基板をも、エッチングされてしまうという問題があるだけでなく、エッチング液の廃棄の際に環境負荷が大きくなるという問題も発生する。
特許文献4は、銅層とモリブデン層の多層膜のエッチングを細部まで検討している。しかし、特許文献4のエッチング液の組成は、エッチング液中に析出物が大量に発生するという問題が発生する。
また、リン化合物やフッ素化合物をエッチング液の成分として用いると、エッチング液としての性能は求めやすくなる一方、廃棄の際に環境への負担が大きくなる。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、[背景技術]で述べた配線のウエットエッチングに重要とされる点を満足する銅層とモリブデン層を含む多層膜のエッチング液組成物を提供するものである。特に、エッチング液中に析出物が発生せず、また廃棄の際に環境への負荷も大きくならないエッチング液とその濃縮液およびエッチング方法を提供する。
より具体的に本発明に係る銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング液は、
過酸化水素と、
無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と
酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と
中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と
アミン化合物として1アミノ2プロパノールと
過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールを含み、
前記過酸化水素はエッチング液全量の3.50質量%〜5.80質量%であり、
前記無機酸はエッチング液全量に対して、0.01質量%から0.50質量%であり、
前記酸性有機酸はエッチング液全量に対して1質量%から7質量%であり、
前記中性有機酸はエッチング液全量に対して、0.10質量%から3.00質量%であり、
前記アミン化合物はエッチング液全量に対して、0.50質量%から2.00質量%であり、
前記過酸化水素分解抑制剤はエッチング液全量に対して、0.05質量%から0.20質量%であり、
エッチング液としてのpHが2〜5であり、
アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないことを特徴とする。
また、本発明に係るエッチング液は、保存の際若しくは移送の際に嵩張らないように、濃縮液の状態で構成することができる。より具体的に本発明に係る銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング濃縮液は、
無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と、
酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と、
中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と、
アミン化合物として1アミノ2プロパノールと、
過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールと水を含み、
3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素および水を混合した際のエッチング液全量に対して、
前記無機酸は0.01質量%から0.50質量%であり、
前記酸性有機酸は1質量%から7質量%であり、
前記中性有機酸は0.10質量%から3.00質量%であり、
前記アミン化合物は0.50質量%から2.00質量%であり、
前記過酸化水素分解抑制剤は0.05質量%から0.20質量%であり、
アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないことを特徴とする。
また、本発明に係る銅層モリブデン層を含む多層膜用エッチング方法は、
無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と、
酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と、
中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と、
アミン化合物として1アミノ2プロパノールと、
過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールと水を含み、
3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素および水を混合した際のエッチング液全量に対して、
前記無機酸は0.01質量%から0.50質量%であり、
前記酸性有機酸は1質量%から7質量%であり、
前記中性有機酸は0.10質量%から3.00質量%であり、
前記アミン化合物は0.50質量%から2.00質量%であり、
前記過酸化水素分解抑制剤は0.05質量%から0.20質量%であり、
アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないエッチング濃縮液に、エッチング液全量に対して3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素と水を調合し多層膜用エッチング液を調合する工程と、
前記多層膜用エッチング液を被処理基板に接触させる工程を含み、
前記多層膜用エッチング液を被処理基板に接触させる工程では、
前記多層膜用エッチング液のpHが2から5の範囲であり、液温が18℃から35℃の条件で行なわれることを特徴とする。
本発明に係るエッチング液は、エッチングされた配線の断面形状が順テーパーとなり、またオーバーエッチングをしても、その形状は維持される。また、過酸化水素と共に用いると析出物を生成するアゾール化合物を含まない構成であるので、エッチング液中に析出物の発生はなく、配管詰まりやシャワーノズルの孔つまりといった不具合が発生しない。したがって、エッチング装置の運転を析出物の発生を原因として停止させる必要がなく、安定した生産が可能となる。
また、本発明に係るエッチング濃縮液は、上記のエッチング液から過酸化水素と所定量の水を含まないので、嵩張らずまた継時変化もほとんど起こさずに、保存若しくは移送することができる。また、エッチング濃縮液と過酸化水素を分けて取り扱えるので、使用によって成分濃度が変化したエッチング液の濃度調整を容易にできる。
また、本発明に係るエッチング方法は、上記のエッチング濃縮液と過酸化水素水を調合してエッチング液を調合し、被処理基板に接触させるので、安定した組成のエッチング液をいつでも調製することができ、形成された配線の断面は、順テーパーを有し、オーバーエッチングしてもテーパー角は好適な角度の範囲を維持したエッチングを行うことができる。
また、本発明に係るエッチング液は、リン化合物、塩素化合物、フッ素化合物、といった物質が含まれていないため、廃棄する際に環境への負荷が軽いという利点がある。
エッチングで形成された配線の断面を表す概念図である。
以下本発明に係るエッチング液について説明する。なお、以下の説明は本発明に係るエッチング液の一実施形態を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態および実施例は改変されてもよい。本発明に係るエッチング液は、エッチング液中に析出物が生じない点に特徴がある。後述する実施例でも示されるように、析出物の原因はアゾール化合物と過酸化水素の反応物であることが強く示唆された。そこで、本発明に係るエッチング液は、アゾール化合物を含まない。
また、環境負荷を軽減するため、リン化合物、フッ素化合物、塩素化合物も含まない。ただし、エッチング性能、製品品質に影響を及ぼさない若しくは、廃棄の際の環境負荷が各国で定められた基準以下になるような場合は、含んでいても良い。また、そのような量であれば、含んでいないと解釈してよい。
<過酸化水素>
銅のエッチングは、銅が酸化され、酸化銅(CuO)となり、無機酸により溶解される。また、モリブデンのエッチングは、酸化され酸化モリブデン(MoO3)になり、水に溶解する。過酸化水素は、銅とモリブデンを酸化する酸化剤として用いられる。過酸化水素は、エッチング液全量の3.50質量%〜5.80質量%が好ましい。なお、過酸化水素は「過水」とも言う。
<無機酸>
無機酸は、酸化された銅を溶解するために用いられる。ガラスやシリコンといった基板材料に影響を与えないため、またエッチング液の廃棄の際に環境負荷を軽減するために、リン化合物およびフッ素化合物は用いない。また、塩酸も用いない。硝酸、硫酸が好適に利用できる。無機酸は、エッチング液全量に対して、0.01質量%から0.50質量%、好ましくは0.02質量%から0.20質量%の範囲で含ませる。
<有機酸>
有機酸成分は、主としてエッチングされた配線の断面のテーパー角度を調整する役目を負う。また、過酸化水素の分解を抑制する機能もある程度有すると考えられる。有機酸成分には酸性有機酸と中性有機酸との組み合わせを用いる。また、酸性有機酸および中性有機酸の両方を組み合わせてもよい。
使用できる有機酸としては、炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸、炭素数6〜10の芳香族カルボン酸のほか、炭素数1〜10のアミノ酸などが好ましく挙げられる。
炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、ジグリコール酸、ピルビン酸、マロン酸、酪酸、ヒドロキシ酪酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、吉草酸、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、カプロン酸、アジピン酸、クエン酸、プロパントリカルボン酸、trans−アコニット酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが好ましく挙げられる。
炭素数6〜10の芳香族カルボン酸としては、安息香酸、サリチル酸、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが好ましく挙げられる。
また、炭素数1〜10のアミノ酸としては、カルバミン酸、アラニン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、サルコシン、セリン、グルタミン、グルタミン酸、4−アミノ酪酸、イミノジ酪酸、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、ニトリロ三酢酸などが好ましく挙げられる。
上記有機酸のなかでも、酸性有機酸としてグリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸が好適に利用できる。特にグリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸は、三種を同時に併用することで、好適な特性を得ることができる。なお、酸性有機酸は、エッチング液全量に対して1質量%から7質量%含有させるのが好ましい。
また、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸を同時に用いる場合は、グリコール酸は、エッチング液全量に対して1質量%から5質量%が好ましく、より好ましくは1.50質量%から2.50質量%含有させるのがよい。また、アスパラギン酸は、エッチング液全量に対して、0.10質量%から1.00質量%が好ましく、より好ましくは0.20質量%から0.50質量%含有させるのがよい。また、グルタミン酸は、エッチング液全量に対して0.1質量%から1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.60質量%から0.90質量%含有させるのがよい。
また、中性有機酸として、グリシン、アラニン若しくはβアラニンが好適に利用できる。また、中性有機酸はエッチング液全量に対して、0.10質量%から3.00質量%含有させるのが好ましい。
また、上記以外でグリコール酸と他の酸性有機酸の1種若しくは中性有機酸の1種を組み合わせてもよい。その場合は、グリコール酸は、エッチング液全量に対して1質量%から5質量%が好ましく、より好ましくは1.50質量%から2.30質量%含有させるのがよい。これに対して酸性有機酸若しくは中性有機酸はエッチング液全量に対して0.10質量%から1.00質量%含有させるのが好ましく、より好ましくは0.3質量%から0.7質量%がよい。
<アミン化合物>
アミン化合物は主としてエッチング液のpH調整を担う。アミン化合物としては、炭素数2〜10のものが好適に利用できる。より具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、トリメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、トリエチルエチレンジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、ヒドラジン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラ(アミノメチル)メタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ノナエチレンデカミン、ジアザビシクロウンデセンなどのポリアミン;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N−プロピルイソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、N−メチル−2−アミノ−プロパン−1−オール、N−エチル−2−アミノ−プロパン−1−オール、1−アミノプロパン−3−オール、N−メチル−1−アミノプロパン−3−オール、N−エチル−1−アミノプロパン−3−オール、1−アミノブタン−2−オール、N−メチル−1−アミノブタン−2−オール、N−エチル−1−アミノブタン−2オール、2−アミノブタン−1−オール、N−メチル−2−アミノブタン−1−オール、N−エチル−2−アミノブタン−1−オール、3−アミノブタン−1−オール、N−メチル−3−アミノブタン−1−オール、N−エチル−3−アミノブタン−1−オール、1−アミノブタン−4−オール、N−メチル1−アミノブタン−4−オール、N−エチル−1−アミノブタン−4−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノペンタン−4−オール、2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール、2−アミノヘキサン−1−オール、3−アミノヘプタン−4−オール、1−アミノオクタン−2−オール、5−アミノオクタン−4−オール、1−アミノプパン−2,3−ジオール、2−アミノプロパン−1,3−ジオール、トリス(オキシメチル)アミノメタン、1,2−ジアミノプロパン−3−オール、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ジグリコールアミンなどのアルカノールアミンが好ましく挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、1−アミノ−2−プロパノールが特に好ましい。また、アミン化合物はエッチング液全量に対して、0.50質量%から2.00質量%含有させるのが好ましく、より好ましくは1.00質量%から1.90質量%含有させるのがよい。
<過酸化水素分解抑制剤>
本発明に係るエッチング液では、酸化剤として過酸化水素を利用している。過酸化水素は、自己分解するため、その分解を抑制する分解抑制剤を添加する。エッチング液のライフを長くするためである。主たる過酸化水素分解抑制剤としては、フェニル尿素、アリル尿素、1,3−ジメチル尿素、チオ尿素などの尿素系過酸化水素安定剤のほか、フェニル酢酸アミド、フェニルエチレングリコールや、1−プロパノール、2−プロパノール等の低級アルコール等が好ましく挙げられる。
特になかでもフェニル尿素が好ましく、より好ましくはフェニル尿素と1−プロパノールを併用するのが好ましい。過酸化水素分解抑制剤は、フェニル尿素であればエッチング液全量に対して、0.05質量%から0.20質量%含有させるのが好ましく、より好ましくは0.07質量%から0.12質量%がよい。また、低級アルコールであれば、好ましくは0.10質量%から2.00質量%含有させ、より好ましくは0.80質量%から1.20質量%含ませるのがよい。
これらの物質は、過酸化水素に作用し、ラジカルの発生を抑制することで過酸化水素の分解を抑制すると考えられる。なお、フェニル尿素はエッチング液全量に対して0.20質量%を超えて含有させると、フェニル基と過酸化水素が反応し、アゾール化合物と過酸化水素の反応物とは異なる析出物を生じる。
<キレート剤>
CuやMoがエッチングされエッチング液中に溶解することで、過酸化水素の分解が促進される。キレート剤は、CuやMoのような金属イオンに配位し、金属イオンが過酸化水素に接触するのを妨げることで、過酸化水素の分解を抑制すると考えられる。したがって、本明細書においてキレート剤とは、過酸化水素分解抑制剤と考えてもよい。
キレート剤としてはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)といったアルミノカルボン酸系キレート剤が好適に用いられる。キレート剤はエッチング液全量に対して0.50質量%から1.00質量%含有させるのが好ましく、より好適には0.60質量%から0.90質量%含有させるのがよい。
<ポリエーテル>
ポリエーテルは、Cuのエッチングレートの抑制剤になり得る。ポリエーテルを使用すると、エッチング断面テーパー角が小さくなるため、テーパー角の調整に好適に利用できる。特に無機酸として硫酸がある場合は、効果が大きい。ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール(PEG)が好適に利用させることができる。ポリエチレングリコールは、エッチング液全量に対して、0.10質量%から0.50質量%含有させるのが好ましく、より好ましくは0.20質量%から0.40質量%含有させるのがよい。
<銅イオン>
本発明に係るエッチング液は、エッチングが進みCuイオンやMoイオンが含まれるようになると、Cuイオン濃度の増加に応じてエッチングレートは変化することが確認された。エッチング装置の運転は、エッチングレートの変化が一定の許容範囲に収まるようにエッチング濃縮液や過酸化水素水を添加して制御されるので、新液の状態でもこの許容範囲に収まるようにするのが好ましい。そこで、エッチング液には、所定の範囲のCuイオンを含有させてもよい。具体的には、エッチング液全量に対してCuイオンを500ppmから7000mmp、好ましくは、2000ppmから4000ppm含ませれば、エッチングレートの変化を想定しやすく好ましい。
<その他>
本発明のエッチング液には、これらの成分の他、水とエッチング性能を阻害しない範囲で、通常用いられる各種添加剤が添加されてもよい。水は、精密加工を目的とするため、異物が存在しない物が望ましい。純水若しくは超純水であれば好ましい。
<pH、温度>
本発明に係るエッチング液は、pH2〜5、より好ましくはpH3〜4.5の範囲で使用されるのが好ましい。本発明に係るエッチング液は、18℃から40℃の間で使用することができる。より好ましくは18℃から35℃であり、最も好ましくは20℃から32℃がよい。
<保存>
本発明に係るエッチング液には、過酸化水素が用いられる。過酸化水素は自己分解する。そのためエッチング液には、過酸化水素分解抑制剤が含まれている。しかし、保存の際には、過酸化水素水とその他の液体を分けて保存しても良い。また、過酸化水素と銅イオンを除いた原料(「エッチング液原料」と呼ぶ。)と水を混ぜ合わせ、エッチング液原料の溶液を調合しておいてもよい。この溶液は、後述する実施例で示すエッチング液の水の割合より少ない割合の水であってもよい。
エッチング液原料と水を調合したエッチング液原料の溶液を「エッチング濃縮液」と呼ぶ。エッチング濃縮液は、エッチング液と比べると過酸化水素が無い分だけ体積が少ないので、保存や移送の際には便利である。また、更に保存や移送の際の体積を減らすために、「エッチング濃縮液」の水を減らした「エッチング高濃縮液」としてもよい。エッチング高濃縮液は水を20%から70%含むものをいう。エッチング濃縮液は、水を70%より多く含む。したがって、本発明のエッチング液は、エッチング濃縮液と過酸化水素水を合わせて完成してもよいし、エッチング高濃縮液と水と過酸化水素水を合わせて完成させてもよい。
<エッチング方法>
本発明に係るエッチング液を用いる対象は、モリブデンが下層で、銅が上層となった銅層/モリブデン層の多層膜である。下層のモリブデン層の厚みは、上層の銅の厚みより薄い。下層の厚みをt0とし上層の厚みをt1とすると、t0/t1の範囲が0.01から0.2までの範囲の構成である。t0/t1の範囲がこの範囲を外れて、Mo層が厚すぎると、Mo層の残渣が生じやすく、逆に薄すぎるとCu層の下地層としての役割を果たさなくなる。
また、モリブデン層および銅層が形成される基板および下地層は、特に限定されず、ガラス、シリコン、アモルファスシリコンを始め、IGZO(インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxide)から構成されるアモルファス半導体)等の金属酸化物であってもよい。
本発明に係るエッチング液は、保存の際に、過酸化水素水とエッチング高濃縮液および水(過酸化水素水とエッチング濃縮液でもよい。)を分けて保存しておくことで保存が可能になる。そこで、実際に使用する際には、これらを調合してエッチング液を完成させる。調合の方法は、最終的に過酸化水素の濃度が所定の濃度になれば、限定されるものではない。
一例を示すと、一定量の水にエッチング液原料を混ぜたエッチング濃縮液を調合しておく。過酸化水素は通常本発明に係るエッチング液の過酸化水素濃度より高い濃度の過酸化水素水として供給される。そこで、過酸化水素水とエッチング濃縮液を所定量ずつ調合する。この工程は多層膜用エッチング液を調合する工程と呼んでもよい。また、エッチング濃縮液より濃度の高いエッチング高濃縮液と水と過酸化水素水を調合してエッチング液を調製してもよい。
銅イオンは、エッチング液原料と水でエッチング濃縮液(若しくはエッチング高濃縮液)を調合する際、若しくはエッチング濃縮液と過酸化水素水でエッチング液を調合する際のいずれの段階でも混入させることができる。もちろん、エッチング液を調合してから添加しても良い。なお、すでに使用されているエッチング液に、追加でエッチング濃縮液と過酸化水素水を注ぎ足す場合には、銅イオンを入れなくてもよい。すでに、エッチング液中に銅イオンが存在するからである。
エッチングを行う際は、上記の通り、pH2〜5で、18℃から40℃の条件でエッチング液を使用する。したがって、エッチングの被対象物も、この温度に余熱されるのが望ましい。被対処理基板をエッチング液に接触させる方法は、特に限定されない。シャワー式のように上方からエッチング液を被処理基板に対して散布してもよいし、エッチング液のプールに被処理基板をディップさせる方法でもよい。この工程は多層膜用エッチング液を被処理基板に接触させる工程と呼んでも良い。
なお、被処理基板とは、ガラス等の基材の上にモリブデン層(Mo層)と銅層(Cu層)が積層され、この積層膜にパターン形成のためのレジスト層のパターンが形成されている状態の基板である。
<各種評価方法の説明>
本発明に係るエッチング液に対しては、銅およびモリブデンのエッチングレート(nm/min)、エッチングされた配線の断面のテーパー角(°)、モリブデン層のアンダーカット、基板上に残ったモリブデン層(「Mo残渣」と呼ぶ。)、オーバーエッチング耐性、析出物の有無、過酸化水素分解速度(質量%/日)の項目で評価を行った。
エッチングレートは、以下のようにして測定した。まず、熱酸化膜100nmが形成されたシリコンウエハー上にスパッタ法により、銅は300nm、モリブデンは150nmの厚みでそれぞれ単層膜を形成した。この銅膜およびモリブデン膜を30℃(比較例によっては35℃の場合もある。)のエッチング液に20から60秒間接触させた。
エッチング前後の膜の抵抗値を、定電流印加方式の4端子4探針法抵抗率計(三菱化学アナリテック製:MCP−T610型)用いて測定した。この抵抗値の変化より膜厚変化を算出し、エッチングレートを算出した。
テーパー角は以下のようにして測定した。まず、ガラス基板上にスパッタ法でモリブデン層を20nmの厚みで成膜し、その上に続けて銅層を300nmの厚みで成膜し、Cu/Moの多層膜サンプルを作製した。この銅層の上に配線形状にパターンニングしたレジストを形成し、テーパー角評価用の基材とした。つまり、テーパー角評価用基材は、基板とモリブデン層とその上の銅層と、銅層上のパターンニングされたレジスト層からなる。このテーパー角評価用基材をジャストエッチングする時間の間エッチング液に浸漬させ、エッチングを行った。エッチング後のサンプルを洗浄し、乾燥させた後、配線部分を切断し、切断面を観察した。
切断面の観測は、SEM(Scanning Electron Microscope)(日立製:SU8020型)を用い、加速電圧1kV、30、000〜50、000倍の条件で行った。なお、ジャストエッチングは、エッチング開始から膜が光を透過するまでの時間である。膜が光を透過した時点は目視で確認した。
切断面形状を図1に示す。図1(a)に示すように、基板1とエッチングされた傾斜面6のなす角度5をテーパー角(°)とする。テーパー角は30〜60°であればマル(○)と判断した。この角度の範囲外であれば、バツ(×)と判断した。なお、「マル」は成功若しくは合格を意味し、「バツ」は失敗若しくは不合格を意味する。以下の評価でも同じである。なお、図1(a)では、Mo層は符号3、Cu層は符号2、レジスト層は符号4で表した。
モリブデン層のアンダーカットは、図1(b)の符号10で示すように、モリブデン層3と基板1の間が銅層より早くエッチングされた状態(逆テーパー)を言う。評価は、テーパー角の評価の際に同時にできる。モリブデン層のアンダーカットは、SEMの30,000倍から50,000倍の観測で発見されなかったらマル(○)と判断し、発見されたらバツ(×)と判断した。
Mo残渣は、光学顕微鏡とSEMによる観察で、残渣が確認されたらバツ(×)、確認されなければマル(○)と判定した。なお、光学顕微鏡は100倍程度の倍率で、明視野観察と暗視野観察で観察した。またSEMでは3万倍から5万倍で観察した。
オーバーエッチング耐性(「O.E.耐性」とも呼ぶ。)とは、ジャストエッチングにかかる時間の2倍の時間エッチングした時のテーパー角、モリブデン層のアンダーカット、Mo残渣を観測し、全て「マル」評価ならマル(○)と判断した。どれか1つでも「バツ」判断があればバツ(×)とした。
析出物の有無は、エッチング液を調合後、ボトルにて所定時間(数日)室温放置しておき、ボトル内に析出物が生じるかどうかを目視で判断した。析出物が発生した場合は、ろ紙でエッチング液をろ過し、ろ紙上に残った異物を純水洗浄、室温乾燥させて、得られた結晶物や粉体をFT−IR(島津製作所製IR affinity)やSEM−EDX(堀場製作所製)で分析した。析出物が目視観測されなければ、マル(○)と判断し、目視確認された場合はバツ(×)と判断した。
エッチング液は、析出物が発生しない点と、配線の断面形状が適切であることが重要であるが、バスライフを長くするためには、過酸化水素の分解速度も重要な項目となる。ここでは参考として過酸化水素分解速度も評価項目として調べた。
過酸化水素分解速度は、エッチング液調合直後及び所定時間経過後(約24h)の過酸化水素濃度を、滴定試薬を過マンガン酸カリウムとし、自動滴定装置(三菱化学アナリテック製GP−200)を用いて測定した。そして、過酸化水素濃度の変化量から分解速度を算出した。
24時間(日)後の過酸化水素濃度の減少量が、1.0質量%未満であればマル(○)評価とし、1.0質量%以上あればバツ(×)評価とした。なお、過酸化水素分解速度がバツであったとしても、他の項目がマルであれば、本発明に係るエッチング液といってよい。なお、全ての評価に関して、マル評価の条件を満たさないものの、境界値に極めて近い値の場合は、三角(△)と評価した。
(実施例1)
硫酸を0.06質量%、
グリコール酸を2.50質量%、
アスパラギン酸を0.44質量%、
グルタミン酸を0.87質量%、
βアラニンを0.66質量%、
1アミノ2プロパノールを1.61質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
エチレンジアミン四酢酸(以後「EDTA」ともいう。)を0.88質量%
からなるエッチング液原料を水92.87質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例2)
硫酸を0.07質量%、
グリコール酸を2.50質量%、
アスパラギン酸を0.45質量%、
グルタミン酸を0.88質量%、
βアラニンを0.66質量%、
1アミノ2プロパノールを1.61質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
エチレンジアミン四酢酸を0.88質量%
ポリエチレングリコール(以後「PEG」ともいう。)を0.33質量%
からなるエッチング液原料を水92.51質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例3)
硝酸を0.19質量%、
グリコール酸を2.05質量%、
アスパラギン酸を0.44質量%、
グルタミン酸を0.90質量%、
βアラニンを0.66質量%、
1アミノ2プロパノールを1.94質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
エチレンジアミン四酢酸を0.87質量%
からなるエッチング液原料を水92.84質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例4)
硝酸を0.18質量%、
グリコール酸を2.55質量%、
アスパラギン酸を0.45質量%、
グルタミン酸を0.91質量%、
βアラニンを0.69質量%、
1アミノ2プロパノールを1.66質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
1−プロパノールを1.20質量%
からなるエッチング液原料を水92・25質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例5)
硫酸を0.05質量%、
グリコール酸を2.47質量%、
アスパラギン酸を0.44質量%、
グルタミン酸を0.87質量%、
グリシンを1.17質量%、
1アミノ2プロパノールを1.61質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
エチレンジアミン四酢酸を0.87質量%
からなるエッチング液原料を水92.41質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例6)
硫酸を0.07質量%、
グリコール酸を2.46質量%、
アスパラギン酸を0.44質量%、
グルタミン酸を0.87質量%、
βアラニンを1.74質量%、
1アミノ2プロパノールを1.58質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水92.73質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例7)
硫酸を0.07質量%、
グリコール酸を2.50質量%、
クエン酸を0.61質量%、
1アミノ2プロパノールを1.58質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水95.13質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
(実施例8)
硫酸を0.07質量%、
グリコール酸を2.27質量%、
βアラニンを0.66質量%、
1アミノ2プロパノールを1.94質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
エチレンジアミン四酢酸を0.87質量%
ポリエーテルを0.34質量%
からなるエッチング液原料を水93.74質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は30℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表1に示す。
<アゾール化合物使用の比較例>
(比較例1)
グリコール酸を5.62質量%、
グリシンを5.20質量%、
1アミノ2プロパノールを1.31質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.13質量%
からなるエッチング液原料を水87.63質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
(比較例2)
硝酸を3.91質量%、
グリシンを4.33質量%、
1アミノ2プロパノールを3.86質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.11質量%
からなるエッチング液原料を水87.68質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
(比較例3)
グリコール酸を2.42質量%、
グリシンを1.25質量%、
1アミノ2プロパノールを0.67質量%、
フェニル尿素を0.12質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.09質量%
からなるエッチング液原料を水95.45質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
(比較例4)
グリコール酸を2.65質量%、
グリシンを1.00質量%、
βアラニンを0.82質量%、
1アミノ2プロパノールを0.39質量%、
フェニル尿素を0.12質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.12質量%
からなるエッチング液原料を水94.90質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
(比較例5)
硝酸を0.12質量%、
グエン酸を2.45質量%、
1アミノ2プロパノールを2.62質量%、
フェニル尿素を0.08質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.29質量%
からなるエッチング液原料を水94.44質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
(比較例6)
硝酸を0.08質量%、
グリコール酸を2.20質量%、
マロン酸を3.98質量%、
乳酸を1.01質量%、
1アミノ2プロパノールを2.64質量%、
フェニル尿素を0.12質量%、
5アミノ1Hテトラゾールを0.14質量%
からなるエッチング液原料を水89.83質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表2に示す。
<アゾール化合物不使用の比較例>
(比較例7)
グリコール酸を2.65質量%、
乳酸を1.00質量%、
1アミノ2プロパノールを2.52質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水93.72質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表3に示す。
(比較例8)
マロン酸を3.54質量%、
グリシンを1.40質量%、
1アミノ2プロパノールを1.64質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水93.31質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表3に示す。
(比較例9)
クエン酸を3.61質量%、
グリシンを1.43質量%、
1アミノ2プロパノールを1.64質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水93.21質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表3に示す。
(比較例10)
乳酸を4.73質量%、
グリシンを1.39質量%、
1アミノ2プロパノールを1.72質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水92.05質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表3に示す。
(比較例11)
グリコール酸を2.80質量%、
グリシンを1.41質量%、
1アミノ2プロパノールを1.25質量%、
フェニル尿素を0.11質量%、
からなるエッチング液原料を水94.43質量%と調合し、エッチング濃縮液を調製した。
35%過酸化水素とエッチング濃縮液を混合し、過酸化水素濃度が5.30質量%のエッチング液を調製した。さらに、硫酸銅を加えて銅イオン濃度が2000ppmになるように調製した。また、液温は35℃で用いた。エッチング液全体に占める各成分濃度と、各評価事項の結果を表3に示す。
Figure 0006128404
Figure 0006128404
Figure 0006128404
<結果>
実施例1から実施例8は、本発明に係るエッチング液である。アゾール化合物を含んでいないため、過酸化水素との間で反応物を生じず、析出部はない。酸性有機酸にグリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸の3種を同時に使用した。これらの中でも、さらにEDTA若しくは1プロパノールを用いたもの(実施例1から5)では、析出物が無いうえに、テーパー角、Moアンダーカット、Mo残渣、O.E.耐性のいずれの項目もマル評価であった。さらに、過酸化水素分解速度も0.1質量%/日未満であり、望ましい結果を得ることができた。
また、オーバーエッチング耐性が良好であったので、ジャストエッチングに費やす時間から2倍の時間までは良好なテーパー角を維持してエッチングすることができた。また、これらの実施例のエッチング液は、MoとCuの膜厚比(t0/t1)が実施例の場合(20/300)と異なっても、膜厚比が0.01から0.2までの間にあれば、30°から60°のテーパー角度を実現することができた。
実施例6は、実施例5と比べて中性有機酸をグリシンからβアラニンに置き換え、EDTAを添加しなかったものである。EDTAを抜いてしまうと、過酸化水素の分解速度(質量%/日)は、1.0質量%/日を超えてしまった。しかし、エッチングされた配線の断面形状は良好であった。
実施例7および8は、グリコール酸とクエン酸若しくはグリコール酸とβアラニンを用いて、CuとMoのエッチングレートを調整し、テーパー角を好適な範囲で形成することができた例である。ただし、過酸化水素分解速度は、1.0質量%/日を若干超えてしまった。これらのことより、本発明に係るエッチング液は、有機酸として少なくともグリコール酸を含み、過酸化水素と、無機酸と、アミン化合物と、過酸化水素安定剤を有すると言ってもよい。また、キレート剤が含まれてもよい。
比較例1から比較例6は、アゾール化合物が含まれている例である。アゾール化合物としては、5アミノ1Hテトラゾールを用いた。アゾール化合物を使用する効果としては、Cuのエッチングレートを抑えつつ、Moのエッチングレートを高めることができることである。したがって、無機酸とのバランスをとることで、テーパー角の制御が可能になる。
比較例1から5は、Moのエッチングレートが大きく、テーパー角が大きくなった。比較例6はよく調整された組成で、銅のエッチングレートだけを高めるため、グリコール酸、マロン酸、乳酸の混合を用いた。比較例6では、テーパー角は、好適な結果を得た。しかし、Moのエッチングレートがまだ速く、オーバーエッチングを行うと、わずかにMo層のアンダーカットが生じた。
比較例1から6はこのようにテーパー角の調整が可能な組成であったが、アゾール化合物と過酸化水素が反応して析出物を発生した。
比較例7から11は、アゾール化合物が含まれていない例である。比較例1から6に示したように、無機酸とアゾール化合物の組み合わせで、CuとMoのエッチングレートを調整することができた。比較例7から11は、アゾール化合物を使用しない場合として、有機酸とアミンを調整することによってCuとMoのエッチングレートを調整しようとしたものである。アミンは1アミノ2プロパノールを用いた。
比較例7では、有機酸としてグリコール酸と乳酸を使用したが、テーパー角が小さかった。比較例8では、マロン酸とグリシンを使用したが、Cuのエッチングレートが高すぎて、膜が残らなかった。比較例9から11も中性有機酸と酸性有機酸の種類を変えたが、Cuのエッチングレートが高く、テーパー角は、良好な形状を得ることはできなかった。しかし、アゾール化合物が含まれていないので、析出物は発生しなかった。
実施例は、比較例7から11で実証されたように、アゾール化合物を使用していないので、析出物が発生しない。また、比較例7から11と比較して、グリコール酸とアスパラギン酸とグルタミン酸を同時に用い、EDTA若しくは低級アルコールの1−プロパノールの何れかを用いることで、CuとMoのエッチングレートの比を調節することでエッチング部の好適な断面形状と析出物がなくバスライフも長いエッチング液を実現することができた。
本発明のエッチング液は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELなどFPDといった製品を問わず、ガラス基板、シリコン基板、アモルファスシリコン基板、金属酸化物基板等の基板上若しくは、これらの材質からなる下地層上に形成されたモリブデン層と銅層が積層された配線を用いる局面において、広く利用することができる。
1 基板
2 銅層
3 モリブデン層
4 レジスト(層)
5 テーパー角
6 傾斜面
10 アンダーカット部分

Claims (6)

  1. 過酸化水素と、
    無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と、
    酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少
    なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と、
    中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と、
    アミン化合物として1アミノ2プロパノールと、
    過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールを含み、
    前記過酸化水素はエッチング液全量の3.50質量%〜5.80質量%であり、
    前記無機酸はエッチング液全量に対して、0.01質量%から0.50質量%であり、
    前記酸性有機酸はエッチング液全量に対して1質量%から7質量%であり、
    前記中性有機酸はエッチング液全量に対して、0.10質量%から3.00質量%であり、
    前記アミン化合物はエッチング液全量に対して、0.50質量%から2.00質量%であり、
    前記過酸化水素分解抑制剤はエッチング液全量に対して、0.05質量%から0.20質量%であり、
    エッチング液としてのpHが2〜5であり、
    アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないことを特徴とする銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング液。
  2. さらにアミノカルボン酸系キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸のいずれかをエッチング液全量に対して0.50質量%から1.00質量%含むことを特徴とする請求項1に記載された銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング液。
  3. さらに、ポリエチレングリコールをエッチング液全量に対して、0.10質量%から0.50質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載された銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング液。
  4. さらに銅イオンを500〜7000ppm含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載された銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング液。
  5. 無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と、
    酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と、
    中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と、
    アミン化合物として1アミノ2プロパノールと、
    過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールと水を含み、
    3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素および水を混合した際のエッチング液全量に対して、
    前記無機酸は0.01質量%から0.50質量%であり、
    前記酸性有機酸は1質量%から7質量%であり、
    前記中性有機酸は0.10質量%から3.00質量%であり、
    前記アミン化合物は0.50質量%から2.00質量%であり、
    前記過酸化水素分解抑制剤は0.05質量%から0.20質量%であり、
    アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないことを特徴とする銅層とモリブデン層を含む多層膜用エッチング濃縮液。
  6. 無機酸として硫酸若しくは硝酸の少なくともいずれ一方と、
    酸性有機酸としては、グリコール酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、クエン酸から少なくともグリコール酸を含む1種若しくは複数種と、
    中性有機酸としてグリシンとβアラニンの何れか一方と、
    アミン化合物として1アミノ2プロパノールと、
    過酸化水素分解抑制剤としてフェニル尿素または低級アルコールと水を含み、
    3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素および水を混合した際のエッチング液全量に対して、
    前記無機酸は0.01質量%から0.50質量%であり、
    前記酸性有機酸は1質量%から7質量%であり、
    前記中性有機酸は0.10質量%から3.00質量%であり、
    前記アミン化合物は0.50質量%から2.00質量%であり、
    前記過酸化水素分解抑制剤は0.05質量%から0.20質量%であり、
    アゾール化合物と、リン化合物と、フッ素化合物を含まないエッチング濃縮液に、エッチング液全量に対して3.50質量%〜5.80質量%になるように過酸化水素と水を調合し多層膜用エッチング液を調合する工程と、
    前記多層膜用エッチング液を被処理基板に接触させる工程を含み、
    前記多層膜用エッチング液を被処理基板に接触させる工程では、
    前記多層膜用エッチング液のpHが2から5の範囲であり、液温が18℃から35℃の条件で行なわれることを特徴とする銅層とモリブデン層を含む多層膜のエッチング方法。
JP2015548894A 2013-11-25 2013-11-25 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法 Active JP6128404B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/006915 WO2015075765A1 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015075765A1 JPWO2015075765A1 (ja) 2017-03-16
JP6128404B2 true JP6128404B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=53179075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015548894A Active JP6128404B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6128404B2 (ja)
CN (1) CN105765107B (ja)
TW (1) TWI624565B (ja)
WO (1) WO2015075765A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020015078A1 (zh) * 2018-07-19 2020-01-23 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 铜/钼蚀刻液组合物及其应用

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6516214B2 (ja) * 2015-03-20 2019-05-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
JP6167444B1 (ja) * 2016-09-09 2017-07-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
CN108018556A (zh) * 2016-10-31 2018-05-11 易案爱富科技有限公司 蚀刻组合物
KR102404226B1 (ko) * 2016-10-31 2022-06-02 주식회사 이엔에프테크놀로지 식각 조성물
CN108130535B (zh) * 2016-12-01 2020-04-14 添鸿科技股份有限公司 钛钨合金的蚀刻液
CN107012465B (zh) * 2017-03-28 2019-09-03 江苏和达电子科技有限公司 一种铜蚀刻液及其应用
CN109280919B (zh) * 2017-07-20 2020-11-24 添鸿科技股份有限公司 含铜金属用的蚀刻剂组成物
CN108570678B (zh) * 2018-04-13 2021-01-26 惠州达诚微电子材料有限公司 一种应用于铜钼膜层的金属蚀刻液
CN108505042A (zh) * 2018-05-23 2018-09-07 深圳市百诣良科技发展有限公司 一种pcb用高速减薄铜液及制备方法
CN108893741A (zh) * 2018-06-12 2018-11-27 江苏理工学院 一种应用于薄膜晶体管线路的无氟铜钼蚀刻液
CN108950557A (zh) * 2018-07-19 2018-12-07 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 一种铜/钼蚀刻液组合物及其应用
CN113015823B (zh) * 2018-11-20 2023-05-30 三菱瓦斯化学株式会社 用于对铜和铜合金选择性地进行蚀刻的蚀刻液和使用其的半导体基板的制造方法
CN111117626B (zh) * 2019-12-28 2021-06-22 苏州天承化工有限公司 一种闪蚀药水及其制备方法和应用
TWI789741B (zh) * 2020-04-14 2023-01-11 美商恩特葛瑞斯股份有限公司 蝕刻鉬之方法及組合物
US11756797B2 (en) * 2020-04-15 2023-09-12 Tcl China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd. Etching method of copper-molybdenum film and array substrate
CN111850561B (zh) * 2020-07-29 2022-07-15 珠海市板明科技有限公司 一种硫酸双氧水体系的蚀铜加速剂及蚀刻药水
CN112351593B (zh) * 2020-11-16 2022-07-12 珠海联鼎化工设备有限公司 一种印制电路板osp微蚀前处理液及微蚀方法
CN113026018B (zh) * 2021-03-01 2022-11-22 四川江化微电子材料有限公司 一种铜钼合金的蚀刻液组合物及蚀刻方法
CN115948745A (zh) * 2022-12-28 2023-04-11 武汉迪赛环保新材料股份有限公司 一种用于tft-lcd面板的蚀刻液及其在蚀刻多层含合金层的铜制程面板中的应用

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100379824B1 (ko) * 2000-12-20 2003-04-11 엘지.필립스 엘시디 주식회사 식각용액 및 식각용액으로 패턴된 구리배선을 가지는전자기기용 어레이기판
KR100505328B1 (ko) * 2002-12-12 2005-07-29 엘지.필립스 엘시디 주식회사 구리 몰리브덴막에서 몰리브덴 잔사를 제거할 수 있는식각용액 및 그 식각 방법
KR101495683B1 (ko) * 2008-09-26 2015-02-26 솔브레인 주식회사 액정표시장치의 구리 및 구리/몰리브데늄 또는 구리/몰리브데늄합금 전극용 식각조성물
WO2011099624A1 (ja) * 2010-02-15 2011-08-18 三菱瓦斯化学株式会社 銅層及びモリブデン層を含む多層薄膜用エッチング液
CN101771072A (zh) * 2010-02-23 2010-07-07 友达光电股份有限公司 主动元件阵列基板及其制作方法
WO2013015322A1 (ja) * 2011-07-26 2013-01-31 三菱瓦斯化学株式会社 銅/モリブデン系多層薄膜用エッチング液
JP2013060634A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Tosoh Corp エッチング液

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020015078A1 (zh) * 2018-07-19 2020-01-23 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 铜/钼蚀刻液组合物及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015075765A1 (ja) 2015-05-28
TW201533272A (zh) 2015-09-01
CN105765107A (zh) 2016-07-13
JPWO2015075765A1 (ja) 2017-03-16
TWI624565B (zh) 2018-05-21
CN105765107B (zh) 2017-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6128404B2 (ja) 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
JP5866566B2 (ja) モリブデンと銅を含む多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
WO2016152091A1 (ja) 多層膜用エッチング液とエッチング濃縮液およびエッチング方法
WO2019180915A1 (ja) 銅厚膜用エッチング液
JP6036691B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6494254B2 (ja) 銅、モリブデン金属積層膜エッチング液組成物、該組成物を用いたエッチング方法および該組成物の寿命を延ばす方法
US20120319033A1 (en) Etching solution for multilayer thin film having copper layer and molybdenum layer contained therein
TWI631988B (zh) Multilayer film etching solution and etching concentrate and etching method
CN111094627B (zh) 多层膜用蚀刻液和蚀刻浓缩液以及蚀刻方法
JP2010242124A (ja) エッチング用組成物及びエッチング方法
JP6862817B2 (ja) 銅およびモリブデンを含む多層薄膜をエッチングする液体組成物、およびこれを用いたエッチング方法、並びに表示デバイスの製造方法
JP2022052909A (ja) エッチング液

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170329

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6128404

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151