JP6128086B2 - 頁画像補正装置、頁画像補正方法及びプログラム - Google Patents
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Description
そこで本発明の課題は、画像を判読しやすくなるように補正することである。
(1)本発明に係る頁画像補正装置は、本の頁画像を取得する頁画像取得手段と、前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得する基準線取得手段と、前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得する基準点取得手段と、前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正する歪み補正手段と、前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割する分割手段と、前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正手段と、前記第1補正手段で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正手段と、前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得する合成頁画像取得手段と、を備える。
なお、実施形態の説明では、全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
図1は、本発明に係る第1実施形態の頁画像補正装置としての書画カメラシステムの概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、書画カメラシステム1は、本Bの頁P1を撮像する撮像手段としての書画カメラ2と、本Bが載置される載置台3と、書画カメラ2に通信自在に接続されたパソコン4と、本Bの頁P1を自動でめくる自動頁めくり装置5と、を備えている。
なお、本発明に係る本Bとしては一般的な書籍の他、綴じられた書類等も含むものとする。
スタンド部21は、本Bとカメラ22との相対的な位置関係を調整できるように、前後方向、左右方向に傾倒自在であるとともに、上下方向の伸縮自在になっている。
そして、カメラ22は、載置台3上で開かれた本Bの右側の頁PRの画像を1回の撮影で取得できる位置に配置されている。
頁めくり部5bは、アーム5aに対して回動可能に取付けられているとともに、表面が粘着性を有するようになっている。
その後、アーム5aが右側の頁PRをめくるように左側の頁PL側にモータ駆動されると、頁めくり部5bに粘着した右側の頁PRが頁めくり部5bとともに左側の頁PL側に移動する。
図2は書画カメラシステム1の主制御構成を示すブロック図である。
パソコン4は、記憶部(HDD)41と、演算部42と、通信部43と、を備えている。
演算部42には、自動頁めくり装置5およびカメラ22を制御して自動で頁画像を撮像するためのプログラム(以下、自動撮影用のプログラムともいう)や撮像した頁画像を補正するプログラム(以下、画像処理プログラムともいう)等の各種プログラムが記録されたROM(図示せず)と、ROM中のプログラムの実行時に当該プログラムが展開されるRAM(図示せず)と、ROM中のプログラムをRAMに展開し実行するCPU(図示せす)とが備えられている。
なお、図2には、図示していないが、パソコン4は、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作手段や液晶モニタ等の表示手段なども備えている。
通信部51は、パソコン4の通信部43との間での同期を取った通信を行なう。
モータ53は、モータ制御部52の指令に従って本Bの頁P1をめくる動作を実現するためにアーム5aを回動させる。
まず、ユーザは、本Bの最初の頁P1を開いた状態で本Bを載置台3の上にセットする。
本Bのセットが終ったら、パソコン4の操作手段を操作して自動撮影用のプログラムをパソコン4に実行させる。
最初の撮像が終ると、演算部42は、通信部43を介して自動頁めくり装置5に頁をめくる指令を出す。
頁めくり動作が済むと自動頁めくり装置5は頁めくり動作が完了した動作完了信号をパソコン4に通信部51を介して送信する。
パソコン4は動作完了信号を受け取ると、再び、カメラ22に撮像指令を出し、2頁目の右側の頁PRの撮像が実行される。
この操作が全ての右側の頁PRの撮像が終了するまで繰り返される。
つまり、先ほど右側の頁PRがあった側に本Bの左側の頁PLが位置するように本Bを載置台3の上にセットし、最初の頁を開く。
なお、左側の頁PRは逆向きにセットされるので頁番号からすると最後の頁を開くようにセットすることになる。
このようにして、左右全ての頁の撮像が終ると、次にユーザは、パソコン4の操作手段を操作して画像処理プログラムを実行させる。
パソコン4の演算部42(以下、演算部42と記載する)は、先に撮像された左側の頁画像群の中から、初めの頁画像PLSと最後の頁画像PLEを選択し(ステップ1)、選択した頁画像PLSおよび頁画像PLEに処理Aを実行し(ステップ2)、画像補正のための基準となる基礎データを取得する。
以下、図4に示す処理Aのフローチャートを参照しながら、処理Aの説明を行う。
まず、演算部42は、頁画像PLSと頁画像PLEのそれぞれから上側基準線と下側基準線を取得する(ステップA1)。
上側基準線および下側基準線とは、実際の本Bの頁を平らにしたときに、真直ぐな直線となる頁幅方向に延びる線である。
つまり、この画像処理を終えたときに、真直ぐな直線となるべき線である。
上側基準線は、頁画像の上側に位置する基準曲線のことであり、下側基準線は、頁画像の下側に位置する基準曲線のことである。
また、頁画像PLSおよび頁画像PLEの下側基準線も上側基準線と同様に実際の本Bの頁において同じ上下方向の位置にある線を取得する。
図5には、本Bの上側に位置する上側基準線とする曲線と下側に位置する下側基準線とする曲線を示している。
この線は、本Bの頁を平らにしたときに真直ぐな直線となる線であり、このような線が初めから本Bに設けられている場合には、この線を上側基準線および下側基準線とすればよい。
なお、上側基準線と下側基準線を自動で取得するようにしてもよいし、どこを基準線とするのかの判別が行い難いような頁画像の場合は、パソコン4の操作手段(マウス等)を用いてユーザが指定するようにしてもよい。
このため、例えば、上側基準線および下側基準線としようとする基準曲線の幅が厚く点座標として取得できない場合には、点座標として取得するための処理を施す。
なお、基準曲線の具体的な取得方法については、後ほど、この画像処理の説明を終えてから説明する。
なお、図7および図8では、左側の端だけについて示しているが右側の端についても同様にして必要な分だけ延長する。
このとき、演算部42は、基準線取得手段を構成している。
図4に戻って、説明を続ける。
次に、演算部42は、頁画像PLSおよび頁画像PLEの中の4つの基準点を上側基準線および下側基準線に基づき取得する(ステップA2)。
具体的には、頁画像PLSの上側基準線SBULの両端の点を2つの基準点とし、頁画像PLSの下側基準線SBDLの両端の点を2つの基準点として、合計4つの基準点を取得する。
このとき、演算部42は、基準点取得手段を構成している。
引き続き、演算部42は、4つの基準点に基づき、頁画像PLSおよび頁画像PLEの歪み補正を行う(ステップA3)。
この処理について頁画像PLSを代表して説明すると、ステップA2で求めた頁画像PLSの4つの基準点は、頁画像PLSの上側基準線SBULおよび下側基準線SBDLの端に位置する4点である。
したがって、頁画像PLSの上側基準線SBULおよび下側基準線SBDLの端に位置する4点は、実際の本Bの頁を平らにした状態では、きれいな四角形(例えば、正方形や長方形等の矩形状)の隅の4点である。
つまり、演算部42は、頁画像PLSの4つの基準点と、歪み補正後に位置すべき、きれいな四角形(矩形状)の四隅の点に当たる所定の4つの目標点とから4つの基準点を4つの目標点に射影する射影行列SAを演算し、その射影行列SAで頁画像PLS全体の歪み補正を行う。
頁画像PLEについても同様に歪み補正後の上側基準線EBUL’および歪み補正後の下側基準線EBDL’を補正後上側基準線EBUL’および補正後下側基準線EBDL’と記載する。
このとき、演算部42は、歪み補正手段を構成する。
なお、ステップA3において演算部42が求めた頁画像PLSの補正後頁画像PLS’、射影行列SA、補正後上側基準線SBUL’および補正後下側基準線SBDL’は、パソコン4の記憶部(HDD)41若しくは演算部42のRAMに記憶される。
そして、ステップA3が終ると再び図3のフローに戻る。
なお、図9では、頁画像PLSの上側基準線SBULと下側基準線SBDLの間の部分だけを模式的に示している。
図9に示すように、頁画像PLSの上側基準線SBULの両端の点r2、r3と下側基準線SBDLの両端の点r1、r4を真直ぐな直線で結んだときの形状は台形状をしている。
なお、図10では、図が見やすいように、4つの目標点r1’、r2’、r3’およびr4’を真直ぐな直線で結んで出来る四角形を正面向きに図示している。
但し、図10を見るとわかるように、補正後頁画像PLS’全体は、まだ、きれいな四角形の状態になっているわけではなく、完全に歪みが除去されているわけではない。
当然、全ての頁の歪みを取り除くためには、その間にある左側の頁画像についても同様の処理を施す必要がある。
しかしながら、上記手順の全てを左側の頁について行うようにすると演算回数が多くなるので処理が遅くなる。
そこで、これまでに得られたデータで間にある左側の頁の補正に必要なデータ(射影行列、補正後上側基準線および補正後下側基準線)を求める処理を行う。
このときに、本Bなどを動かすことは行っていないので、各頁の連続的な変化は、頁がめくられることにより、順次左側の頁の頁数が減少することに伴う線形的な変化が主である。
なお、補正後上側基準線および補正後下側基準線についても同様に、最初の左側の頁画像PLSの補正後頁画像PLS’の補正後上側基準線SBUL’および補正後下側基準線SBDL’が一定の摂動量で変化していった結果、最後の左側の頁画像PLEの補正後上側基準線EBUL’および補正後下側基準線EBDL’の状態に至ると考えられる。
したがって、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像については、この線形性に着目して必要なデータ(射影行列、補正後上側基準線および補正後下側基準線)の算出を行う。
そのために、図3のフローのステップ3では、先ず、頁画像PLSの補正後上側基準線SBUL’および補正後下側基準線SBDL’と、頁画像PLEの補正後上側基準線EBUL’および補正後下側基準線EBDL’とから、補正後上側基準線の1頁当たりの摂動量ΔBUL’および補正後下側基準線の1頁当たりの摂動量ΔBDL’を求める。
TUL’=EBUL’の座標 − SBUL’の座標・・・(2)
ΔBUL’=TUL’/(X+1)・・・(3)
TDL’=EBDL’の座標 − SBDL’の座標・・・(4)
ΔBDL’=TDL’/(X+1)・・・(5)
次に、頁画像PLSの射影行列SAと、頁画像PLEの射影行列EAとから、射影行列の1頁当たりの摂動量ΔAを求める(ステップ4)。
具体的には、演算部42は、頁数の大きい頁画像PLEの射影行列EAから頁数の小さい頁画像PLSの射影行列SAの差を取り、トータルの変化量TAを求める(式(6)参照)。
TA = EA − SA・・・(6)
ΔA = TA×[1/(X+1)]・・・(7)
次に、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの補正後上側基準線MBUL’および補正後下側基準線MBDL’を求める(ステップ5)。
なお、補正後上側基準線MBUL’を算出するのと補正後下側基準線MBDL’を算出するのとは、使用するデータが異なるだけであり、処理自体は同じであるので補正後上側基準線MBUL’を求める処理を代表して説明する。
MBUL’=SBUL’+ΔBUL’×Y・・・(8)
MBDL’=SBDL’+ΔBDL’×Y・・・(9)
次に、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの射影行列MAを求める(ステップ6)。
頁数の小さい頁画像PLSを基準頁とし、射影行列MAを求めようとする頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの基準頁からの頁数をYとする。
このことから、演算部42は、以下の式(10)に従って、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの射影行列MAを求める。
MA = SA + ΔA×Y・・・(10)
ステップ6で頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの射影行列MAが求まったので、演算部42は、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMについて、求めた射影行列MAで頁画像PLM全体を射影し、頁画像PLSおよび頁画像PLEの間にある頁画像PLMの補正後頁画像PLM’を求める。
次に、補正後上側基準線と補正後下側基準線のシフトが必要か判断する(ステップ8)。
これは、例えば、図6に示したように、頁画像の一番上の行を上側基準線とし、一番下の行を下側基準線とした場合、補正を行うべき画像部分の一部が上側基準線と下側基準線との間に収まっていない場合がある。
そして、シフトの必要がなければステップ8(NO)としてステップ10へ進み、シフトが必要であればステップ8(YES)としてステップ9に進む。
ステップ8でシフトの必要があると判断された場合(ステップ8:YES)、補正後上側基準線を、余白を超えない範囲で上側に平行移動(シフト)させるとともに、補正後下側基準線を、余白を超えない範囲で下側に平行移動(シフト)させる。
ステップ9までの処理によって、全ての左側の頁PLについて、補正後頁画像PL’、つまり、頁画像PLSの補正後頁画像PLS’、頁画像PLEの補正後頁画像PLE’および頁画像PLSと頁画像PLEとの間にある頁画像PLMの補正後頁画像PLM’が得られた。
先ず、演算部42は、初めに処理する補正後頁画像を選択する(ステップB1)。
ここでは、例えば、頁数が一番小さい補正後頁画像PLS’を選択するものとする。
図12に、この選択した補正後頁画像PLS’の状態を模式的に示した図を示している。
つまり、補正後頁画像PLS’の幅方向の略中央付近の補正後上側基準線SBUL’から補正後下側基準線SBDL’まで綴じ目方向に沿って延在する領域Uは、矩形輪郭R2よりも綴じ目方向に大きい(長い)。
なお、以下では、図12の補正後頁画像PLS’の補正後上側基準線SBUL’および補正後下側基準線SBDL’と、補正後上側基準線SBUL’および補正後下側基準線SBDL’の両端を真直ぐな直線で結んだ輪郭を補正後頁画像PLS’の輪郭R1と呼ぶ。
ΔA’FB’∝ΔAFB
∴FP:FP’=h:H
ΔAFP∝ΔA’FP’
∴AP:A’P’=h:H
∴AP=h/H・A’P’
ここで、A点のY座標値をyaとし、P点のY座標値をypとし、A’点のY座標値をya’とし、P’点のY座標値をyp’とすると、
A’P’=ya’-yp’
AP= ya -yp
となる。
∴yp=h/H・(yp’ -ya’)+ya・・・(11)
この式(11)によって任意の点P’の変換後のPのY座標値を求めることができる。
実際には、矩形輪郭R2内のメッシュ内の各点の階調に、対応する輪郭R1の点における階調を当てはめていく補正を行う。
次に、上記で説明した補正後頁画像の縦方向補正(縦方向補正処理)の流れについて図14に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、演算部42は矩形輪郭R2の綴じ目方向の長さhを取得する(ステップS61)。
具体的には、補正後頁画像PLS’の輪郭R1の右側若しくは左側の上下の角部の間隔、つまり、図12のr1’とr2’との間の間隔若しくは図12のr4’とr3’との間の間隔を長さhとする。
次に、演算部42は補正後頁画像PLS’の輪郭R1を幅方向にn分割し、各分割領域U1の横座標x(i)を設定する(ステップS62)。つまり、演算部42が本発明に係る分割手段である。
さらに、演算部42は補正後頁画像PLS’の輪郭R1を基にx(i)での縦方向の長さHを取得する(ステップS64)。
そして、演算部42は分割領域U1間の境目のP’点に対応するY座標値(yp’)を、式(11)を用いて算出し、当該P’点の画像を変換する(ステップS65)。
このように、演算部42は、分割領域U1毎に綴じ目方向の長さを補正する本発明に係る第1補正手段を構成している。
図15は縦方向補正を終えた後の補正後頁画像PLS’とその輪郭R1と、矩形輪郭R2とを模式的に示した図である。
なお、以下では、特に断りがない限り、縦方向補正を終えた後の補正後頁画像PLS’のことを、単に、補正後頁画像PLS’と記載する。
図16は幅方向補正処理の流れを示すフローチャートである。
演算部42は、矩形輪郭R2の綴じ目方向の長さhを取得する(ステップS71)。
次に、演算部42は補正後頁画像PLS’の輪郭R1を幅方向にn分割し、各分割領域U1の横座標x(i)を設定する(ステップS72)。
そして、演算部42はx(i)での撓み量dz(i)を推定する(ステップS74)。つまり、演算部42が本発明に係る推定手段である。
図17は分割領域U1における撓み量d(z)を示す説明図であり、(a)は実際の頁P1の断面図、(b)は補正後頁画像PLS’を示す正面図である。
図17(a)に示すように、実際の頁P1の法線方向(Z方向)の撓み量dz(i)は、厳密に言うとi番目の分割領域U1と、i−1番目の分割領域U1とのZ方向の差分によって求まる。しかしながら、この算出にはカメラ22から紙面までの距離や、角度が必要であり、それらの測定が手間となる。ここで、分割領域U1の幅が微小であれば、i番目の分割領域U1の綴じ目方向の長さH(i)と、i−1番目の分割領域U1の長さH(i−1)との差分が撓み量dz(i)と近似的に等しくなる。この関係性を用いて、分割領域U1の撓み量dz(i)を推定する。
具体的には、式(1)により撓み量dz(i)を推定する。
dz(i)=k・{H(i)−H(i−1)}・・・(1)
なお、ここでkは任意の係数である。この係数kを用いることで、幅方向補正処理後の画像を幅方向で調整することができる。ここで暫定的にk=1で計算していく。
dx(i)は補正後頁画像PLS’におけるi番目の分割領域U1の幅である。
dx(i)=x(i)−x(i−1)={x(n)−x(0)}/n
実際の幅dx’(i)は、x(i)の高さz(i)によって修正を受けている。z(i)が高い場合、Hが大きくなると同様に幅も大きくなっている。つまり、実際の幅dx’(i)は小さい。この関係は以下の式にまとめられる。
dx’(i)=h/H(i)・dx(i)
ds(i)は、i番目の分割領域U1における実際の頁P1の微小長さである。
図18は、ds(i)、dz(i)及びdx’(i)の関係を示す説明図である。
図18に示すように、ds(i)は、ステップS74で求めたZ方向の長さdz(i)とステップS75で求めたX方向の長さdx’(i)とを基にした三平方の定理によって算出される。
ds(i)={dz(i)2+dx’(i)2}1/2
ステップS78では、演算部42は、i=i+1としてステップS74に移行する。これによってn個ある分割領域U1の全てに対してdz(i)、dx’(i)及びds(i)が求められる。
そして、演算部42は、iを再び1に設定する(ステップS80)。
図19は、幅方向補正処理前のx’(i)と、幅方向補正処理後のx(i)との関係を示す説明図である。図19に示すように、頁P1の実際のSとS(i)との比は、x(0)からx(n)までの長さとx(0)からx(i)までの長さの比と同値であるから、以下の式のような関係となる。
S:S(i)=x(n)−x(0):x(i)−x(0)
この関係性を基に、x’(i)をx(i)に変換することにより、任意の点Pの画像を変換する。なお、変換式はx(i)=f(x’(i))であるが、この式については明確なものはなく、S(i)に対応するx’(i)を逐次的に見つけ出してx(i)と対応させている。
ステップS85では、演算部42は、i=i+1としてステップS81に移行する。これによってn個ある分割領域U1の全てに対して幅方向補正が実行される。
そして、ステップS84(YES)として図11のフローに戻ると、次に、演算部42は、縦方向補正処理及び幅方向補正処理が施されたn個の分割領域U1を合成し、全体の画像を作成する(ステップB4)。つまり、演算部42が本発明に係る合成手段である。
引き続き、演算部42は、全ての左側の頁PLについて処理を行ったかを判断し(ステップB5)、処理を終えていない頁がある場合(ステップB5:NO)は頁数が1つ大きい処理前の補正後頁画像PL’を選択し(ステップB6)、再び、ステップB2に戻り、先ほどと同様の手順で、この新たな処理前の補正後頁画像PL’に対して縦方向補正、横方向補正および分割領域の合成を行う。
この処理を行うに当たり、補正後頁画像およびその補正号頁画像に対応した補正後上側基準線および補正後下側基準線を用いる。
この処理Bで各頁画像を選択する毎に、その頁画像についての射影行列を線形性に基づいて求め、その求めた射影行列で補正後頁画像を得るとともに、その補正後頁画像に対応した補正後上側基準線および補正後下側基準線を線形性に基づいて求めた後、ステップB2〜B5の処理を行うようにしてもよい。
上記処理により、各分割領域U1の幅方向の均一化が図られるものの、幅全体の長さの正確性に問題が生じる。
したがって、ステップB4で求められた画像をこの比に対応して幅方向に拡縮することにより、所望のアスペクト比で歪みのない画像を求めることができる。
具体的には、余白部分を含めた補正後の画像が所定のサイズ(例えば規定の紙サイズ)になるように幅方向に拡縮することが好ましい。
したがって、湾曲した紙面を撮像した場合であっても、切り取った画像が判読しやすくなるように適切に効率よく補正することができる。
さらに、幅方向補正処理によって補正された幅方向の長さを累積加算することにより、高さ方向補正処理後のn個の分割領域U1が合成されているので、幅方向の長さを画像全体として適切に補正することができる。
初めの方の頁と終わりの方の頁を選択し、その間にある頁の射影行列、補正後上側基準線および補正後下側基準線を線形性に基づき求めるようにしてもよいことは言うまでもない。
以上、画像処理の全体の説明を終えたので、先に、図4のステップA1の所で後ほど説明すると述べた基準曲線(上側基準線および下側基準線)の具体的な取得方法について引き続き説明を行う。
なお、上側基準線を取得する手順と下側基準線を取得する手順は、頁画像における位置が異なるだけであり、処理内容自体は同じであるので、以下では、これらを代表して基準曲線として説明する。
なお、図5の場合、ステップC1およびC2を頁画像の上側(上側基準線の抽出)と頁画像の下側(下側基準線の抽出)に分けて行えばよい。
この重心周りの2次モーメントは、細長い形状で大きな値を有するので、図5の上側および下側に見られる幅方向に細長く延びる曲線が抽出される。
図22の黒丸は、輪郭を構成する座標点の一部を示したものであり、この輪郭として抽出したものを1つの点列の曲線として取得する必要がある。
このようなバラツキを起こさないようにするためには、この輪郭の真ん中を通る曲線を取得することが考えられる。
つまり、図22において、白丸で示すような中点を求め、これら中点の集まり(点列)を基準曲線として取得すれば良いと考えられる。
つまり、輪郭の座標点を可能な限り小さい面積で、且つ、正三角形に近い組を3点1組とするように結んで輪郭を三角分割する。
なお、図23には、示していないが三角形を形成することができない2点については、図24に示すように無限遠に仮想的な点を設定し、三角形を形成させるようにしている。
例えば、三角形を形成する組が輪郭線の外側に描かれる組も含めn組あったものとする。
演算部42は、i=0として、この不適切な三角形の組を除去するための走査を開始する(ステップC4)。
なお、ステップC6で別の配列にi番目の組を記憶させて完全に削除しないのは、不要な三角形の組を求めるのに後ほど使用するからである。
全ての組の走査が終了している場合(ステップC8:YES)、演算部42は、i=0として新たに組の走査を開始する(ステップC9)。
演算部42は、先ほど別の配列に記憶させた削除すべき組のうちのいずれかの組の2点(削除した組の2点)と、i番目の組の2点が、一致するかを判断し(ステップC10)、i番目の組が一致する2点を有していない場合(ステップC10:NO)、i番目の組を削除して(ステップC16)、ステップC13に進む。
つまり、i番目の組が形成する三角形は、図25に点線で囲まれている位置にある三角形を形成している。
このため、ステップC11(YES)の場合は、演算部42は、i番目の組を削除し(ステップC12)、ステップC13に進む。
但し、全ての中点を取得した後に重複処理を行ってもよく、また、中点を取得する処理中に重複する中点が現れたときに、余計な中点のデータを除くようにしてもよい。
なお、上記では図5に示すような基準曲線とすべき曲線がある場合について説明したが、そのような適切な線がない場合には、図6で説明したように、1番上の行や1番下の行の部分に仮想的なマーカーを設け、それを認識させるようにすればよい。
図26は、第2実施形態の構成を示す図である。
以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、同様の部分についての説明については割愛する。
また、カメラ付タブレット6は、カメラ6bと反対側となる表面にタッチパネル式の表示部6aを備えている。
カメラ付タブレット6は、記憶部(STG:ストレージ)61と、演算部62と、通信部63と、カメラ6bとを備えている。
記憶部(STG)61には、撮像した頁画像並びに補正した補正後頁画像等や各種演算で求めた値(基準曲線、摂動量等)が記憶される。
なお、図27では、カメラ付タブレット6内に記憶部(STG)61を設けている場合を示しているが、クラウドなど保存データのみ外部のストレージを使うようにしてもよい。
なお、図27には、図示していないが、カメラ付タブレット6は、タッチパネル式の表示部を備え、この表示部が操作手段となる。
また、図26では、カメラ付タブレット6と自動頁めくり装置5との間の通信を無線通信としている場合を示しているが、有線通信としてもよい。
ここで、カメラ6bの位置が実際の頁の略中央に位置した状態で頁画像が撮像されているため、撮像された頁画像の湾曲(歪み)状態は、頁画像の中央線(紙面の中心線参照)を基準に上下対称の状態になる。
このように、第2実施形態によれば、基準曲線(上側基準線、下側基準線)を取得する演算を低減することが可能である。
図29は、第3実施形態の構成を示す図である。
以下では、第2実施形態と異なる点について主に説明し、同様の部分についての説明については割愛する。
図30に第3実施形態の書画カメラシステム1の主制御構成を示すブロック図を示しているが、図30に示されるように、パソコン4は、主に演算部42と、記憶部(HDD)41とを備える。
書籍の厚み方向が撮像されるように前記書籍における複数頁の紙面を頁毎に撮像した頁画像を取得する取得手段と、
前記取得した頁画像のうちの所定の第一の頁に対応する頁画像と前記第一の頁とは異なる第二の頁に対応する頁画像とに基づいて前記第一の頁を開いたときと前記第二の頁を開いたときの厚みの変化量を導出する導出手段と、
前記厚みの変化量に基づいて前記第一の頁と前記第二の頁との間にある第三の頁に対応する紙面の画像を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする頁画像補正装置。
書籍の厚み方向が撮像されるように前記書籍における複数頁の紙面を頁毎に撮像した頁画像を取得するステップと、
前記取得した頁画像のうちの所定の第一の頁に対応する頁画像と前記第一の頁とは異なる第二の頁に対応する頁画像とに基づいて前記第一の頁を開いたときと前記第二の頁を開いたときの厚みの変化量を導出するステップと、
前記厚みの変化量に基づいて前記第一の頁と前記第二の頁との間にある第三の頁に対応する紙面の画像を補正するステップと、
を含むことを特徴とする頁画像補正方法。
本の頁画像を取得する頁画像取得手段と、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得する基準線取得手段と、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得する基準点取得手段と、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正する歪み補正手段と、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割する分割手段と、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正手段と、
前記第1補正手段で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正手段と、
前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得する合成頁画像取得手段と、
を備えることを特徴とする頁画像補正装置。
前記基準点取得手段は、上側基準線の両端の2点と下側基準線の両端の2点を4つの前記基準点として取得することを特徴とする付記3に記載の頁画像補正装置。
前記推定手段は、前記撓み量の推定が前記分割領域の前記綴じ目方向の長さに基づいて行われることを特徴とする付記3又は4に記載の頁画像補正装置。
i番目の前記分割領域の前記綴じ目方向の長さをH(i)とし、i−1番目の前記分割領域の前記綴じ目方向の長さをH(i−1)とし、任意の係数をkとして、
前記推定手段は、前記i番目の前記分割領域の前記撓み量dz(i)を下記式(1)にて推定することを特徴とする付記5に記載の頁画像補正装置。
dz(i)=k・{H(i)−H(i−1)}・・・(1)
前記任意の係数kは、前記合成頁画像のアスペクト比が平らな状態にしたときの実際の頁のアスペクト比と略等しくなるように定められることを特徴とする付記6に記載の頁画像補正装置。
前記合成頁画像取得手段は、前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正されたn個の前記分割領域を、前記分割手段で分割されたときの前記幅方向の並び順のまま繋げるように合成することを特徴とする付記3乃至7のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
前記歪み補正手段は、4つの前記基準点が歪み補正後に位置すべき4つの目標点に射影される射影行列に基づき前記歪み補正を行うことを特徴とする付記3乃至8のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
頁数の離れた2つの頁の前記射影行列に基づき、1頁当たりの前記射影行列の摂動量ΔAを求め、2つの前記頁のうちの一方の頁を基準頁として、前記基準頁から離れた頁の前記射影行列を、離れた頁数分だけ前記基準頁の前記射影行列を前記摂動量ΔAで摂動させたものとすることを特徴とする付記9に記載の頁画像補正装置。
頁数の離れた2つの頁の前記歪み補正後の前記上側基準線に基づき、1頁当たりの前記歪み補正後の前記上側基準線の摂動量ΔULを求めるとともに2つの頁の前記歪み補正後の前記下側基準線に基づき、1頁当たりの前記歪み補正後の前記下側基準線の摂動量ΔDLを求め、2つの前記頁のうちの一方の頁を基準頁として、前記基準頁から離れた頁の前記歪み補正後の前記上側基準線を離れた頁数分だけ前記基準頁の前記歪み補正後の前記上側基準線を前記摂動量ΔULで摂動させたものとするとともに、前記基準頁から離れた頁の前記歪み補正後の前記下側基準線を離れた頁数分だけ前記基準頁の前記歪み補正後の前記下側基準線を前記摂動量ΔDLで摂動させたものとすることを特徴とする付記3乃至10のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
2つの前記頁がどちらも左側頁若しくは右側頁であることを特徴とする付記10又は11に記載の頁画像補正装置。
前記基準線取得手段は、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の上側に位置する線を前記上側基準線として取得するとともに、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の下側に位置する線を前記下側基準線として取得することを特徴とする付記3乃至12のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
前記基準線取得手段は、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の上側又は下側に位置する線を前記上側基準線又は前記下側基準線として取得するとともに、残る前記下側基準線又は前記上側基準線を前記取得した前記上側基準線又は前記下側基準線を前記頁画像の略中央を基準に折り返した線として取得することを特徴とする付記3乃至12のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
前記真直ぐな直線となるべき線が太く、点が繋がった直線と見なせない場合は、前記真直ぐな直線となるべき線の中央を通る点が繋がったと見なせる細い線を前記真直ぐな直線となるべき線とすることを特徴とする付記13又は14に記載の頁画像補正装置。
前記真直ぐな直線となるべき線が頁の左右方向の端から端まで届いていない場合は、前記真直ぐな直線となるべき線を延長して頁の左右方向の端から端まで届くようにした線を前記真直ぐな直線となるべき線とすることを特徴とする付記13乃至15のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
前記歪み補正後の前記頁画像において、前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正したい画像部分が、前記歪み補正後の前記上側基準線および前記下側基準線の間に位置するように、前記歪み補正後の前記上側基準線および前記下側基準線の位置をシフトさせることを特徴とする付記3乃至15のいずれか1つに記載の頁画像補正装置。
本の頁画像を取得するステップと、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得するステップと、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得するステップと、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正するステップと、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割するステップと、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正をするステップと、
前記第1補正で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定するステップと、
推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正をするステップと、
前記第1補正及び前記第2補正で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得するステップと、
を含むことを特徴とする頁画像補正方法。
頁画像補正装置を制御するコンピュータに、
本の頁画像を取得する機能、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得する機能、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得する機能、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正する機能、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割する機能、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正をする機能、
前記第1補正で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定する機能、
推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正をする機能、
前記第1補正及び前記第2補正で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得する機能、
を実現させるためのプログラム。
Claims (17)
- 本の頁画像を取得する頁画像取得手段と、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得する基準線取得手段と、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得する基準点取得手段と、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正する歪み補正手段と、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割する分割手段と、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正手段と、
前記第1補正手段で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正手段と、
前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得する合成頁画像取得手段と、
を備えることを特徴とする頁画像補正装置。 - 前記基準点取得手段は、上側基準線の両端の2点と下側基準線の両端の2点を4つの前記基準点として取得することを特徴とする請求項1に記載の頁画像補正装置。
- 前記推定手段は、前記撓み量の推定が前記分割領域の前記綴じ目方向の長さに基づいて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の頁画像補正装置。
- i番目の前記分割領域の前記綴じ目方向の長さをH(i)とし、i−1番目の前記分割領域の前記綴じ目方向の長さをH(i−1)とし、任意の係数をkとして、
前記推定手段は、前記i番目の前記分割領域の前記撓み量dz(i)を下記式(1)にて推定することを特徴とする請求項3に記載の頁画像補正装置。
dz(i)=k・{H(i)−H(i−1)}・・・(1) - 前記任意の係数kは、前記合成頁画像のアスペクト比が平らな状態にしたときの実際の頁のアスペクト比と略等しくなるように定められることを特徴とする請求項4に記載の頁画像補正装置。
- 前記合成頁画像取得手段は、前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正されたn個の前記分割領域を、前記分割手段で分割されたときの前記幅方向の並び順のまま繋げるように合成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 前記歪み補正手段は、4つの前記基準点が歪み補正後に位置すべき4つの目標点に射影される射影行列に基づき前記歪み補正を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 頁数の離れた2つの頁の前記射影行列に基づき、1頁当たりの前記射影行列の摂動量ΔAを求め、2つの前記頁のうちの一方の頁を基準頁として、前記基準頁から離れた頁の前記射影行列を、離れた頁数分だけ前記基準頁の前記射影行列を前記摂動量ΔAで摂動させたものとすることを特徴とする請求項7に記載の頁画像補正装置。
- 頁数の離れた2つの頁の前記歪み補正後の前記上側基準線に基づき、1頁当たりの前記歪み補正後の前記上側基準線の摂動量ΔULを求めるとともに2つの頁の前記歪み補正後の前記下側基準線に基づき、1頁当たりの前記歪み補正後の前記下側基準線の摂動量ΔDLを求め、2つの前記頁のうちの一方の頁を基準頁として、前記基準頁から離れた頁の前記歪み補正後の前記上側基準線を離れた頁数分だけ前記基準頁の前記歪み補正後の前記上側基準線を前記摂動量ΔULで摂動させたものとするとともに、前記基準頁から離れた頁の前記歪み補正後の前記下側基準線を離れた頁数分だけ前記基準頁の前記歪み補正後の前記下側基準線を前記摂動量ΔDLで摂動させたものとすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 2つの前記頁がどちらも左側頁若しくは右側頁であることを特徴とする請求項8又は9に記載の頁画像補正装置。
- 前記基準線取得手段は、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の上側に位置する線を前記上側基準線として取得するとともに、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の下側に位置する線を前記下側基準線として取得することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 前記基準線取得手段は、前記合成頁画像において真直ぐな直線となるべき前記頁画像の上側又は下側に位置する線を前記上側基準線又は前記下側基準線として取得するとともに、残る前記下側基準線又は前記上側基準線を前記取得した前記上側基準線又は前記下側基準線を前記頁画像の略中央を基準に折り返した線として取得することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 前記真直ぐな直線となるべき線が太く、点が繋がった直線と見なせない場合は、前記真直ぐな直線となるべき線の中央を通る点が繋がったと見なせる細い線を前記真直ぐな直線となるべき線とすることを特徴とする請求項11又は12に記載の頁画像補正装置。
- 前記真直ぐな直線となるべき線が頁の左右方向の端から端まで届いていない場合は、前記真直ぐな直線となるべき線を延長して頁の左右方向の端から端まで届くようにした線を前記真直ぐな直線となるべき線とすることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 前記歪み補正後の前記頁画像において、前記第1補正手段及び前記第2補正手段で補正したい画像部分が、前記歪み補正後の前記上側基準線および前記下側基準線の間に位置するように、前記歪み補正後の前記上側基準線および前記下側基準線の位置をシフトさせることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の頁画像補正装置。
- 頁画像補正装置が実行する頁画像補正方法であって、
本の頁画像を取得するステップと、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得するステップと、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得するステップと、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正するステップと、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割するステップと、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正をするステップと、
前記第1補正で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定するステップと、
推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正をするステップと、
前記第1補正及び前記第2補正で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得するステップと、
を含むことを特徴とする頁画像補正方法。 - 頁画像補正装置を制御するコンピュータに、
本の頁画像を取得する機能、
前記頁画像の上側に位置する頁幅方向に延びる上側基準線と下側に位置する頁幅方向に延びる下側基準線を取得する機能、
前記上側基準線と前記下側基準線に基づき4つの基準点を取得する機能、
前記基準点に基づいて前記頁画像の歪みを補正する機能、
前記歪み補正後の前記頁画像を前記歪み補正後の前記上側基準線と前記下側基準線との間で綴じ目方向に沿って延在する略矩形状の分割領域が前記綴じ目方向に直交する幅方向にn個配列されるように分割する機能、
前記分割領域毎に前記綴じ目方向の長さを補正する第1補正をする機能、
前記第1補正で補正された前記分割領域毎に、実際の頁での前記分割領域の法線方向の撓み量を推定する機能、
推定された前記撓み量に基づいて前記分割領域毎の前記幅方向の長さを補正する第2補正をする機能、
前記第1補正及び前記第2補正で補正されたn個の前記分割領域を合成して合成頁画像を取得する機能、
を実現させるためのプログラム。
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