JP2009064262A - 画像補正装置及び画像補正方法及びこれらを用いた指紋画像読取装置及び指紋画像読取方法 - Google Patents

画像補正装置及び画像補正方法及びこれらを用いた指紋画像読取装置及び指紋画像読取方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スイープ時の指の傾き角度に応じて補正を行い、傾き角度の大小のいかんに関わらず、傾き画像を正立画像へ変換する画像補正装置及び画像補正方法を提供する。
【解決手段】指150が傾いて指紋センサ10上をスイープしたときに、該指紋センサ10で得られた部分指紋画像データを合成した指紋画像の傾きを補正する画像補正装置100であって、前記部分指紋画像データを順次記録して蓄積し、前記指紋画像を形成する合成メモリ90と、前記指のスイープ時の傾き角度θに応じて、前記合成メモリ90に形成された前記指紋画像の傾きを補正する画像傾き補正手段60と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像補正装置及び画像補正方法及びこれらを用いた指紋画像読取装置及び指紋画像読取方法に関し、特に、指紋画像の傾きを補正する画像補正装置及び画像補正方法及びこれらを用いた指紋画像読取装置及び指紋画像読取方法に関する。
従来から、ラインセンサ等のスイープ方式の指紋センサを用いて、指紋センサ上を指がスイープしたときに、指紋の部分画像を順次取得し、これを蓄積記録して合成し、指紋の全体画像を形成してゆく指紋読取装置が知られている。
従来から、距離をおいて配置された第一のラインセンサと第二のラインセンサの2ラインからなる1次元センサ上で、指を掃引させて得られる指紋画像から、2次元の指紋画像を得る指紋画像の入力装置であって、第一のラインセンサで得られた画像と、第二のラインセンサで得られた画像をそれぞれ所定数のゾーンに分割し、これらの指紋画像の相関から、同一と判断される画像ブロックを検出して指の移動速度をもとめ、この移動速度から指紋画像の縮小または拡大のゆがみを検出し、ゆがみを所定の方法により補正して補正画像格納メモリへ格納する指紋画像の入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−216116号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、指が斜めにスイープし、採取された指紋画像が傾いて形成された場合には、この傾きを補正する手段、方法は何も開示されていない。
図10は、従来の指紋画像入力装置の指のスイープ方向と、入力された指紋画像との関係を示した図である。図10(a)は、指紋センサ110上を、指150が垂直に直線的にスイープした状態を示している。この場合は、指紋の全体画像は、正立画像が得られる。
一方、図10(b)は、指150が、指紋センサ110に垂直な中心線Cに対して、角度φの傾き角度を有して斜めにスイープした状態を示している。この場合には、スイープ傾き角度φに依存した、正立画像とは異なる指紋の全体画像が形成される。
このように、スイープ方式の指紋センサにより得られる全体画像において、指を斜めにスイープした場合には、正立スイープ時に得られる画像とは異なる画像となってしまう。このため、両画像には互換性がなく、たとえ同一の指であっても、異なる指と誤認識してしまい、指紋の認証性能低下の一因になるという問題があった。
そこで、本発明は、スイープ時の指の傾き角度に応じて補正を行い、傾き角度の大小のいかんに関わらず、傾き画像を正立画像へ変換する画像補正装置及び画像補正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る画像補正装置(100)は、指(150)が傾いて指紋センサ(10)上をスイープしたときに、該指紋センサ(10)で得られた部分指紋画像データを合成した指紋画像の傾きを補正する画像補正装置(100)であって、
前記部分指紋画像データを順次記録して蓄積し、前記指紋画像を形成する合成メモリ(90)と、
前記指のスイープ時の傾き角度(θ)に応じて、前記合成メモリ(90)に形成された前記指紋画像の傾きを補正する画像傾き補正手段(60)と、を有することを特徴とする。
これにより、傾き角度に応じて傾き指紋画像を正立画像に補正することができ、指紋画像の認証精度を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る画像補正装置(100)において、
前記画像傾き補正手段(60)は、角度をパラメータとする逆写像を用いて、前記指紋画像の傾きを補正することを特徴とする。
これにより、傾き角度に応じて逆写像が対応して変化し、指紋画像がいかなる傾き角度で傾いていても、傾き指紋画像を正立画像に補正することができ、指紋画像の認証精度を高めることができる。
第3の発明は、第2の発明に係る画像補正装置(100)において、
前記逆写像は、前記指紋画像の画素データの座標(x2,y2)を、前記指紋画像を正立させた正立全体画像の画素データの座標(x,y)に変換する逆写像であることを特徴とする。
これにより、傾き指紋画像を構成する画素データを、逆写像を用いて、機械的かつ正確に正立画像の画素データに座標変換することができ、容易に正立画像を得ることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか一つの発明に係る画像補正装置(100)において、
前記画像傾き補正手段(60)は、前記指(150)のスイープが完了し、前記合成メモリ(90)に指紋画像全体が形成されたときに、該指紋画像全体に対して傾き補正を行うことを特徴とする。
これにより、指紋画像全体の傾きを補正することができ、一度の画像補正で全体指紋画像の認証精度を大幅に向上させることができる。
第5の発明に係る指紋画像読取装置(200)は、2本のラインセンサ(11、12)を有する指紋センサ(10)と、
該指紋センサ(10)で得られた部分指紋画像データに基づいて、指(150)のスイープ時の傾き角度(θ)を検出する傾き角度検出手段(50)と、
第1〜4のいずれか一つの発明に係る画像補正装置(100)と、を有することを特徴とする。
これにより、指が傾いてスイープした場合でも、正立画像を得ることができ、ラインセンサ方式の指紋画像読取装置の認証精度を高めることができる。
第6の発明に係る画像補正方法は、指(150)が傾いて指紋センサ(10)上をスイープしたときに、該指紋センサ(10)で得られた部分指紋画像データを合成メモリ(90)上に順次蓄積記録して合成した指紋画像の傾きを補正する画像補正方法であって、
前記指のスイープ時の傾き角度(θ)に応じて、前記合成メモリ(90)上で合成された前記指紋画像の傾きを補正する画像傾き補正ステップを有することを特徴とする。
これにより、傾き角度に応じて傾き画像を正立画像に補正することができ、指紋画像の認証精度を高めることができる。
第7の発明は、第6の発明に係る画像補正方法において、
前記画像傾き補正ステップは、角度をパラメータとする逆写像を用いて行われることを特徴とする。
これにより、傾き角度に応じて対応して変化する逆写像により指紋画像の補正がなされ、いかなる傾き角度の傾き画像に対しても正立画像に補正することができ、指紋画像の認証精度を高めることができる。
第8の発明は、第7の発明に係る画像補正方法において、
前記逆写像は、前記全体画像の画素データの座標(x2,y2)を、前記全体画像を正立させた正立全体画像(x,y)の画素データの座標に変換する逆写像であることを特徴とする。
これにより、個々の画素データが、正立画像を形成するように機械的に座標変換され、傾き画像を正立画像へと確実に変換することができる。
第9の発明は、第6〜8のいずれか一つの発明に係る画像補正方法において、
前記画像傾き補正ステップは、前記指(150)のスイープが完了し、前記合成メモリ(90)に指紋画像全体が形成されたときに、該指紋画像全体に対して傾き補正を行うことを特徴とする。
これにより、指紋画像全体の傾きを補正することができ、一度の画像補正で全体指紋画像の認証精度を大幅に向上させることができる。
第10の発明に係る指紋画像読取方法は、2本のラインセンサ(11、12)を有する指紋センサ(10)上をスイープする指(150)の部分指紋画像データを採取するステップと、
前記部分指紋画像データに基づいて、指(150)のスイープ時の傾き角度(θ)を検出するステップと、
第6〜8のいずれか一つの発明に係る画像補正方法を実行するステップと、を有することを特徴とする。
これにより、傾きを補正することが困難な、ラインセンサを用いた指紋画像読取方法について、傾き画像を補正して正立画像とし、認証精度を高めることができる。
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではない。
本発明によれば、いかなる角度の傾き画像であっても、確実に正立画像に補正することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明を適用した実施例に係る画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の概略構成を示した機能ブロック図である。図1において、本実施例に係る画像補正装置100は、画像傾き補正手段60と、合成メモリ90とを備える。
また、本実施例に係る指紋画像読取装置200は、画像補正の対象となる指紋画像を取得するための指紋センサ10と、指150のスイープ傾き角度を検出するための傾き角度検出手段50を更に備える。なお、傾き角度検出手段50は、画像補正装置100の一部としてもよい。また、指紋センサ10は、支持台80により支持されてよい。
次に、個々の構成要素について説明する。
指紋センサ10は、この上をスイープする指150の指紋を撮像して、部分指紋画像データを採取する撮像手段である。本実施例に係る画像補正装置100には、スイープ方式の指紋センサ10が適用され、指150が指紋センサ10をスイープして移動するにつれて、指紋センサ10は順次上を通過する指150の一部分を示す部分指紋画像データを採取してゆく。従って、指紋センサ10は、一度には指150の一部しか撮像できない、指150の腹の表面積よりも小さな撮像センサにより構成されている。採取した部分指紋画像データは、直接的又は間接的に合成メモリ90に送られて記録される。
指紋センサ10は、指紋の一部を一度に撮像できる種々の態様の撮像センサが用いられてよいが、例えば、ラインセンサ11、12が用いられてもよい。ラインセンサ11、12は、縦方向には1画素、横方向には複数の画素列が配列されたライン状のセンサであり、一度の撮像で、ライン状の部分指紋画像データを採取することができる。なお、図1においては、2本のラインセンサ11、12を有する指紋センサ10が用いられているが、これらの本数は問わず、種々の態様が適用されてよい。
傾き角度検出手段50は、指150のスイープ時の傾き角度を検出する手段である。傾き角度検出手段50は、指150が指紋センサ10上をスイープしているときに、その傾き角度を検出できる手段であれば、種々の態様が適用できる。傾き角度検出手段50の具体的な内容の一例は、後述する。
なお、指150のスイープ時の傾き角度は、指150のスイープ方向の傾きを表現できれば、どこを基準として表現してもよいが、本実施例においては、指紋センサ10の延在方向に垂直な縦方向の直線に対する傾き角度で表現するものとする。この点も、詳しくは後述する。
傾き角度検出手段50で検出された傾き角度は、画像傾き補正手段60に送られ、画像傾き補正処理に利用される。
画像傾き補正手段60は、傾き角度検出手段50で検出された指150のスイープ時の傾き角度に応じて、指紋画像の傾きを補正する手段である。画像傾き補正手段60は、部分指紋画像データが蓄積記録された指紋画像について傾き補正を行うが、指紋画像の全体までは形成されていない、途中段階で傾き補正を行ってもよいし、指150のスイープが完了し、指紋画像全体が完成した段階で指紋画像全体に対して傾き補正を行うようにしてもよい。指150のスイープ時の傾き角度が検出された段階で、画像傾き補正手段60は指紋画像の傾き補正が可能なので、傾き角度が検出され次第逐次補正を行うか、指紋画像全体が完成した段階で行うかは、用途に応じて適宜変更してよい。
なお、傾き角度検出手段50及び画像傾き補正手段60は、種々の演算処理を実行するため、プログラムにより演算処理を行うマイクロコンピュータ、所定の電子回路、ASIC等の用途に応じた演算処理手段により実現されてよい。
合成メモリ90は、指紋センサ10で採取した部分指紋画像データを、順次記録するための記録手段である。部分指紋画像データを、合成メモリ90に蓄積してゆくことにより、合成メモリ90上に指紋画像が形成されてゆく。本実施例に係る画像補正装置100は、合成メモリ90に一旦形成された指紋画像に対して、画像の傾き補正を行うので、合成メモリ90は、画像データが保存可能で、書き換え可能な記録手段が適用される。また、合成メモリ90には、必要に応じて、画像データの他、種々の属性データ等が併せて記録されてもよい。
次に、図2を用いて、本実施例に係る画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の画像傾き補正手段60で実行される、画像の傾き補正の内容について説明する。図2は、画像傾き補正手段60で実行される、逆写像による座標変換の傾き補正の内容を説明するためのxy座標図である。
図2において、正方形ABCDは、指150が指紋センサ10上を正立した状態で垂直にスイープしたときに、合成メモリ90上に形成される正立時指紋画像の領域を示している。
一方、正方形A'B'C'D'は、正立時画像領域ABCDを、原点Oを中心として、y軸に対して時計回り方向に|θ|=25°傾けた場合の図である。ここで、便宜上、時計回り方向を−、反時計回り方向を+と表示することにすると、正方形A'B'C'D'は、正立画像領域ABCDを、原点Oを中心として、y軸に対してθ=−25°傾けた場合の図ということになる。これは、指150を−25°傾けた状態と同義である。また、指紋センサ10は、x軸上に配置され、十分な長さを有しているものとする。
ここで、正立状態での正立時画像領域ABCD内の任意の点(x,y)を−25°傾けた場合の対応点を、(x1,y1)とする。ここでは、理解の容易のため、正立時画像領域ABCDの弟1象限の角Dの座標を(x,y)とし、これに対応する傾けた画像領域A'B'C'D'のD'の座標を(x1,y1)とする。指150を−25°傾けた状態でスイープした場合、傾けた画像領域A'B'C'D'は中心線Lに沿ってスイープ方向の左下側に移動し、この移動により指紋センサ10と接する領域の画像が、指紋センサ10により随時採取されることになる。
この傾きスイープにより、点D'(x1,y1)が指紋センサ10上に出現するときのスイープ移動量をy2、このときのx座標をx2と定義する。このとき、これらで表した座標点(x2,y2)が、傾きスイープにより形成される画像上の正立時画像の座標(x,y)から写像される座標を示している。これは、正立スイープ時には、指紋センサ10上に出現するまでの移動距離がyであり、指紋センサ10上に出現したときのx座標がxであったD(x,y)の点が、−25°傾いてスイープしたことにより、対応点D'の指紋センサ10までの移動距離がy2となり、指紋センサ10上に出現したときの点Sのx座標がx2となっているので、確かに対応している。従って、この関係を一般化して表現すれば、正立画像領域ABCDから、指150を中心線から傾き角度|θ|分傾けて斜めにスイープしたときの、指紋センサ10で採取する画像の座標が得られることになる。そして、この変換の関係を示す式が、正立指紋画像から傾き角度θのスイープ時に得られる傾き指紋画像への写像を表す式ということになる。
なお、D点(x,y)を傾き角度−25°で傾かせた対応点D'(x1,y1)は、H点(x2,y2)に変換されて指紋画像を形成することになる。D点(x,y)は、写像によりH点(x2,y2)に変換されたことになる。
図2において、傾き角度を一般化してθとすると(今までの説明では、θ=−25°)、三角形POM'と三角形PD'Qは、ともに直角三角形であり、かつ角OPD'が共通しているので、相似である。よって、角POM'は、角RD'M'に等しいので、角RD'M'=|θ|となる。
よって、指150の傾きスイープ時の傾き角度θと、x、y、x2及びy2との関係から、x2を表現すると、式(1)のようになる。
Figure 2009064262
式(1)において、cos(−θ)=cosθであることから、θの符号の如何に関わらず、x2は式(1)のように表せる。
同様に、傾き角度θ、x、y、x2及びy2の関係を用いて、y2を表現すると、式(2)のように表せる。
Figure 2009064262
式(2)において、sin(−θ)=−sinθであり、θの正負により符号が変わることから、sin|θ|を用いて表現している。D点等の第1象限にあるx>0である点は、式(2)の関係が成り立つが、A点等の第2象限にある点は、元々のA点の座標(x',y')が、x'が負となっているため、傾き角度θで傾いた対応点A'の座標(x2',y2')も、x座標は負となる。よって、スカラー量で表現される線分A'T=|x2'|は、A'T=−x2'となる。この点を踏まえて、傾き角度θが負で、かつ第2象限にある点は、式(3)の関係で表される。A'点がA点よりも上方に位置しているので、y2の値がyの値よりも大きくなっていることが分かる。
次に、傾き角度θが正、つまり反時計回りの方向に、正立時画像ABCDが傾き角度θで傾斜した場合、つまり指150が右下側の方向にスイープした場合を考える。x2については、傾き角度θが負の場合と同様に、式(1)で表現できる。
一方、y2については、傾き角度θが負の場合と逆になり、x<0である第2象限にある点(例えばA点)は、y2の方がyよりも減少し、x>0である第1象限にある点(例えばD点)は、y2の方がyよりも増加しているので、式(4)、(5)のように表せる。
Figure 2009064262
式(2)〜(5)を、絶対値を外して符号を考慮すると、まとめて式(6)のように表現できる。
Figure 2009064262
式(1)、(6)により、正立画像ABCDから、指150を傾き角度θでスイープした場合の、合成メモリ90上に形成される傾き画像への写像が得られた。図2において、傾き画像は、四角形EFGHで表される。よって、正立時画像ABCDから傾き画像EFGHの写像の逆写像を求めれば、これを用いて傾き画像EFGHから正立時画像ABCDを生成することができることになる。つまり、傾き画像EFGHから正立時画像ABCDへの画像補正が可能となる。本実施例においては、指150のスイープ時の傾き角度θが検出できたときに、画像傾き補正手段60において、このような逆写像を用いた画像補正を行う。
画像傾き補正手段60で用いる逆写像は、式(1)、(6)を解いて、式(7)、(8)で与えられる。
Figure 2009064262
逆写像を表す式(7)、(8)は、指150のスイープ傾き角度θを用い、これをパラメータとして表現されている。従って、指150がスイープする傾き角度θに応じて、正立画像に変換されることになる。つまり、指150のスイープ傾き角度θがいかなる角度を有していても、正立画像を得るための逆写像は必ずこれに対応して存在し、正立画像へと変換補正できることになる。
図3は、本実施例に係る画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の画像傾き補正手段60の逆写像により、傾きスイープにより形成された傾き指紋画像EFGHが、正立指紋画像ABCDに変換されて補正された状態を示した図である。
図3において、傾き指紋画像EFGH上の点が、矢印により正立指紋画像ABCD上のどこへ移動したかが示されている。指150が傾いた状態でスイープしたときに、指紋センサ10で採取した部分指紋画像データを、単純に蓄積して積み上げてゆくと、合成された完成画像もスイープ角度に応じた傾きを有して形成されてしまうが、逆写像により、傾き指紋画像EFGH上の各点が、正立指紋画像の対応点に正確に逆写像変換され、画像補正が行われていることが分かる。部分指紋画像データを採取したときの指紋センサ10の中心との距離に応じて、傾きスイープ時に指紋センサ10で採取された部分指紋画像データのうち、指紋センサ10の中心との距離が大きい点は大きく移動し、距離が小さい点では、少ない移動で済んでいることが分かる。つまり、図3において、傾き指紋画像EFGH上の部分指紋画像データは、y軸との距離の大きさに応じてその移動量が異なっており、例えば、y軸と平行な辺EF上にある部分指紋画像データの逆写像による移動量は総て等しく、これよりもy軸に接近した点の部分指紋画像データの移動量はもっと小さくなる。
このように、単なる回転変換等では、画像の歪みを残したまま中心線だけ回転補正となってしまうが、本実施例に係る画像補正装置100によれば、指紋センサ10との関係を考慮した逆写像を用いるため、正確な画像傾き補正を行うことができる。
なお、画像傾き補正手段60で実行される画像の傾き補正は、式(7)、(8)を用いることにより、逆写像を用いた完全な傾き補正が可能となるが、例えば演算の負担を減少させたい場合には、式(7)、(8)の演算を簡易化した処理を実行するようにしてもよい。
例えば、指150のスイープの傾き角度θが小さい場合には、cosθ≒1となるので、式(7)は、x≒x2となる。つまり、スイープ傾き角度θが小さいときには、逆写像によるx座標の移動は無視できる程に小さくなるので、この場合には、傾きスイープにより採取された部分指紋画像データについて、x座標については移動させず、y座標のみ式(8)を用いて移動させる傾き補正を行うようにしてもよい。このような近似処理を行っても、指紋画像の認証精度に影響を与えなければ何ら問題は無く、また、これにより画像傾き補正手段60の演算処理量を減少させる利点の方が大きければ、このような傾き補正処理を実行してもよい。
かかる簡易的な演算処理を行う場合、例えば、y方向の移動量について、指150のスイープ傾き角度θに対応した移動量を示した対応表を事前に作成しておき、そこから引用してy方向の移動量を対応させるようにしてもよい。つまり、式(7)、(8)を用いて事前に(x2,y2)→(x,y)の関係を示す対応表を作成しておき、スイープ傾き角度θに応じて、対応表を割り当てるようにすれば、全体的に簡易化した高速の演算処理を行うことができる。その際、スイープ傾き角度θが小さく所定値以下である場合には、式(7)をx=2xとしておけば、yについてのみ演算を行なえばよいので、更に上述のような簡易的な演算処理が可能となる。
このように、本実施例に係る画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の傾き補正手段60においては、式(7)、(8)による逆写像による変換演算を必ずしも厳密に実行しなくても、これらを利用した簡易的演算処理により指紋画像の傾き補正を実行するようにしてよい。かかる簡易的な傾き補正演算処理方法においても、根本的にはスイープ傾き角度θに応じた歪み等を考慮した逆写像による変換処理が実行され、かつ省略できる部分については演算処理を省略しているので、迅速かつ適切な演算量で画像補正装置100及び指紋画像読取装置200を実現することができる。
次に、傾き角度検出手段50で行われる、指150のスイープ時の傾き角度を検出する処理内容の一例について説明する。
図4は、傾き角度検出手段50の内部構成の例を示した画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の機能ブロック図である。
図4において、本実施例に係る画像補正装置100の傾き角度検出手段50は、推定画素データ生成手段20と、指移動位置推定手段30と、スイープ傾き量算出手段40を備える。他の構成要素については、図1乃至図3において説明した内容と同様であるので、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
本実施例に係る画像補正装置100において、図4に示した傾き角度検出手段50を搭載した場合には、ラインセンサ11、12は、指移動判定用の隣接した所定の2行2列の画素An−1、An、Bn−1、Bnを備える。これらの画素は、予め指移動位置推定用として選択されているものを用いてよく、少なくとも隣接する2行2列の4画素を有する。傾き角度検出手段50では、任意の時刻に得た指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、これらの画素のうち、指150のスイープ方向にある1画素の画素データを推定表現する。例えば、指150が右手前側にスイープすれば、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データでスイープ方向にある画素Bnの画素データを表現し、指150が左手前側にスイープすれば、スイープ方向にある画素Bn−1の画素データを表現することになる。
なお、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnは、4画素以上であればいくらあってもよく、4画素の組を、横方向の複数個所に設けてもよいし、指紋センサ10の総ての画素で指移動位置推定を行えるように構成してもよい。
推定画素データ生成手段20は、指150のスイープ方向にある1画素の画素データを推定して生成する演算処理手段である。その具体的な処理内容の詳細は後述するが、所定の演算式に従い、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、スイープ方向にある1画素の画素データを表現する。
なお、推定画素データ生成手段20は、その内部にメモリ21を含んでもよい。メモリ21に、任意の時刻(以下、「第1の時刻」という。)に取得した指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、別の時刻(以下、「第2の時刻」という。)における1画素の画素データを表現するため、第1の時刻に取得した画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データは、メモリ21に記憶しておくようにしてもよい。
指移動位置推定手段30は、指150の移動位置を推定する演算処理手段であり、推定画素データ生成手段20で生成したスイープ方向にある1画素の推定画素データと、第2の時刻で採取した実際の画素データとを比較し、指150の移動位置を推定する手段である。例えば、スイープ方向にある1画素の推定画素データが、複数の推定移動位置に対応して複数個存在するときに、指移動位置推定手段30で、実画素データと複数の推定画素データとでパターンマッチングを行い、実画素データに最も近い推定画素データを特定できれば、指150の移動位置は、特定された推定画素データに対応する位置にあると推定することができる。指移動位置推定手段30は、例えば、このようなパターンマッチングを用いて指移動位置を推定してもよい。
合成メモリ90には、指紋センサ10のラインセンサ11、12で採取したライン状の部分指紋画像データを、1ライン移動完了毎にフレームデータとして書き込み記録を行う。従って、合成メモリ90には、フレームデータが蓄積され、最終的には合成された指紋の全体画像が形成される。
合成メモリ90は、フレームデータの線状画像データの他、フレームデータに関連する情報を記録することができる。詳細は後述するが、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200においては、フレームデータを合成メモリ90に書き込む際、1画素未満の横方向の指移動位置情報も併せて記録する。これにより、フレームデータの書き込み毎に横方向指移動位置情報が記録されるため、これを蓄積することにより、指150のスイープが完了した時点における最終的な横方向の指移動位置を推定することができる。そして、最終的又はスイープ途中段階における指移動位置情報に基づいて、指紋全体の合成画像を形成する際に、必要な補正処理を行うことができる。これにより、指紋画像を実際の指紋に近付けることができ、指紋の認証精度を高めることができる。
スイープ傾き量算出手段40は、合成メモリ90に蓄積記録された横方向指移動位置情報から、スイープの傾き量を算出するための演算処理手段である。蓄積された指150の移動位置情報から、指150の移動方向及び移動量を算出することができるため、スイープ全体としての傾き量を算出することができる。スイープ傾き量算出手段40は、この算出を行い、指150のスイープの傾き量、つまり傾き角度を適切に推定する。
なお、推定画素データ生成手段20、指移動位置推定手段30、スイープ傾き量算出手段40、画像傾き補正手段60は、総て演算処理を行う演算処理手段70として構成されてよく、例えば、所定のプログラムにより動作するコンピュータや、所定の電子回路、ASIC等により実現されてよい。
演算処理手段70のうち、推定画素データ生成手段20、指推定位置推定手段30及びスイープ傾き量算出手段40は、指150の移動位置推定を行うための演算処理手段であり、これらで傾き角度検出手段50を構成する。
次に、図5を用いて、推定画素データ生成手段20で実行される推定画素データ生成演算の内容について説明する。図5は、推定画素データ生成手段20で行われる推定画素データ生成演算を説明するための図である。
図5(a)は、第1の時刻t=t0における指紋センサ10の隣接する所定の2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを示した図である。図5(a)において、指150の略中央部に位置するラインセンサ11、12が有する2行2列の4画素An−1、An、Bn−1、Bnが、第1の時刻t=t0において、それぞれ画素データを取得する。
図5(b)は、第2の時刻t=t1において、指150がスイープにより移動した状態の、指紋センサ10の隣接する所定の2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを示した図である。図5(b)において、指150は右手前側(右下側)にスイープし、2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnは、相対的に指150のやや左上側に移動した状態を示している。
つまり、指150は、縦方向には、手前側(下側)に△y移動し、横方向には右側に△x移動しており、太い実線で第2の時刻t=t1における指紋センサ10の指150の下での位置が示されている。一方、薄い実線で、第1の時刻t=t0における指150の下での指紋センサ10の位置が示されている。第1の時刻t=t0の時に指紋センサ10上に位置していた指領域は、第2の時刻t=t1においては右方向へ△x、下方向へ△y移動したことにより、指150との相対位置が移動していることが分かる。但し、△x、△yはそれぞれ1画素単位換算での移動量であり、ともに△x=1、△y=1で1画素分移動を意味している。
ここで、第2の時刻t=t1で観測される画素Bnの画素データは、第1の時刻t=t0で観測された各画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データの合成となっていることが分かる。そして、第2の時刻t=t1時のラインセンサ12上のスイープ方向にある1画素Bnでの、第1の時刻t=t0で観測されるラインセンサ11、12上の各画素値の合成比は、その面積比から、指150の移動量△x、△yを用いて表現すると、以下のようになる。
Figure 2009064262
よって、これらから、第2の時刻t=t1時の画素Bnの画素値Bn(t1)は、以下のように表せる。
Figure 2009064262
式(9)に示したように、第1の時刻t=t0において取得した指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)を用いて、第2の時刻t=t1におけるスイープ方向にある画素Bnの画素値を表現することができる。推定画素データ生成手段20においては、式(9)に従った演算を行ない、スイープ方向にある1画素を、第1の時刻t=t0における自己を含む周辺の画素の画素データを用いて表現する。その際、第1の時刻t=t0で取得した周辺の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)は、メモリ21に記憶しておくようにしてもよい。
式(9)により、第2の時刻t=t1における画素Bnの画素データBn(t1)は、第1の時刻t=t0における周辺の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)で表現できるが、式(9)の△x、△yを特定することにより、所望の位置における画素Bn(t1)の画素値を生成することができる。
なお、図5においては、指150を右手前(右下)に移動させる例について説明したが、指150を左手前(左下)に移動させる場合には、画素Bn−1の画素データBn−1(t1)を生成することになり、指150を右上に移動させる場合には画素Anの画素データAn(t1)、指150を左上に移動させる場合には、画素An−1の画素データAn−1(t1)を生成することになる。
次に、図6を用いて、指移動位置推定手段30で行う演算処理内容について説明する。
図6は、指150が、縦方向に1ライン移動したときに、1画素以下の横方向の移動をした場合の指紋センサ10の画素データの例を示した図である。
図6(a)は、指150が22.5°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。移動量が△x=0.5、△y=1の場合であり、縦方向の1画素の移動に対して、半画素分、横方向へ移動している場合である。式(9)に、△x=0.5、△y=1を代入すれば、画素データA1、A2を使って画素データB2を表現することができ、画素データA2、A3を用いて、画素データB3を表現することができる。
図6(b)は、指150が11.25°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。図6(a)の22.5°の場合を更に半分に分割した場合の画素データであり、△x=0.25、△y=1の場合の画素データである。
図6(c)は、指150が33.75°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。図6(a)の22.5°の場合を更に半分に分割し、横移動を増加させた場合の画素データであり、△x=0.75、△y=1の場合の画素データである。
このように、第1の時刻t=t0のときに、ラインセンサ11で得た画素データA1、A2、A3を用いて、指150が1ライン分縦方向に移動した第2の時刻t=t1における、ラインセンサ12の横方向が1画素以下移動したときの推定画素データを生成し、これらと実際に採取された実画素データを比較し、最も類似した推定画素データを選択・特定することにより、適切な横方向の移動位置を推定することができる。つまり、実画素データが、傾き22.5°の画素データに最も類似してれば、傾き22.5°で指位置が移動していると推定することができ、傾き11.25°の画素データに最も類似してれば、傾き11.25°で指150が傾いて移動していると推定することができる。
指移動位置推定手段30では、このようなパターンマッチングを利用した、指移動位置推定演算を行なう。複数の推定画素データと実画素データとの比較は、例えば、比較する画素同士の画素値の差分を算出し、この値が最も小さい推定画素データを、最も類似した画素データであると判断してもよい。
なお、ラインセンサ12の推定画素データは、1画素分の横移動を分割した任意の横移動量について、生成することができる。図6(a)〜(c)においては、計算の容易のため、1画素を均等に4分割した例について説明したが、もっと異なる角度について、推定画素データを生成するようにしてもよいし、推定画素データの生成数を多くして、推定精度を高めるようにしてもよい。
図6(d)は、指150が9°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。45°を1/5に分割した場合の画素データであり、△x=0.2、△y=1の場合の画素データである。このように、推定画素データを生成する移動位置は、用途に応じて種々設定することができる。
また、図6においては、説明の容易のため、縦方向については、1ライン移動した段階での推定画素データを生成する例について説明しているが、縦方向の移動量△yが1以外の場合についても、推定画素データを生成することは可能である。しかしながら、指150が縦方向に1ライン移動したときに、フレームデータを採取してデータ更新を行うのが一般的であるので、1ライン移動時の△y=1の時点を基準として、横方向の移動位置を推定してゆく方法が簡便であり、好ましい。
なお、縦方向の1ライン移動、つまりフレームデータ更新の時点は、式(9)を用いて、△y=1となったときを基準として1ライン移動を検出するだけでなく、他の手法により、1ライン移動を検出してもよい。1ライン移動検出については、他の手法を組み合わせることにより、指移動位置推定手段30の演算処理負担を軽減できるという利点がある。
フレームデータの更新は、指移動位置推定手段30が、合成メモリ90にラインセンサ11、12で取得した1ライン分の画素データを記録してゆくことにより行う。これにより、指紋画像が形成されてゆく。本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200においては、フレームデータの更新の際、フレームデータの記録と併せて、横方向移動位置に関する情報を記録してゆく。この蓄積データを用いて、後に画像補正を行うことが可能となる。
図7は、指移動位置推定手段30が合成メモリ90にフレームデータの書き込みを行う際に、併せて書き込みを行う横方向移動位置情報である。図7において、横方向移動位置情報が、テーブル形式で示されている。
図7のテーブルにおいて、Index、△x、△y、角度及び度数がテーブルを構成する項目として挙げられている。Indexは、横方向の移動量、つまり横ずれ量を示す指標であるが、本実施例においては、縦方向の移動量が総て△y=1に設定され、横方向の移動量△xが、正負の両方向に均等に4分割されているので、△xと同じ意味を有する。角度は、図6において説明した、指150のスイープの傾き量を意味し、これを正負の角度で表現している。これも、横方向の移動量△xと比例した関係にある。
図7のテーブルにおいて、度数は、フレームデータの更新毎に記録される、パターンマッチングにより最大類似点と判断された横方向移動位置の該当回数である。つまり、指移動位置推定手段30において、指紋センサ10で採取された実画素データに対し、Index値−4〜4の推定画素データについてパターンマッチングを行う。そして、これで最も類似していると判断されたIndexが、横ずれ量を表す指標として、フレームデータとともに合成メモリ90に記録されてゆくが、その回数はカウントされ、度数として記録されてゆく。なお、符号の正負は、負の符号は、画像が右に横ずれを起こしていることを意味し、正の符号は、画像が左に横ずれを起こしていることを意味する。
指移動位置推定手段30において、このような横方向移動位置に関するテーブルの書き込みをフレームデータの更新と併せて行うことにより、これらの横方向移動位置情報を用いて、傾き角度検出を行うことができる。
次に、スイープ傾き量算出手段40で実行される演算処理内容について、引き続き図6を用いて説明する。図6において、Indexの度数を示した度数の項目があるが、このIndexによるヒストグラムから、その平均値を算出する。そして、事前に実測値として得られている傾き角度−ヒストグラム平均値対応表より、傾き角度を推定することができる。例えば、図6の例では、Index1が度数12、Index2が度数3、Index0が度数2、Index3が度数1となっており、これから、ヒストグラムの平均値は、約1.16となる。この値から、上述の傾き角度−ヒストグラム平均値対応表を用いて、傾き角度を算出することができる。
以上説明したように、傾き角度検出手段50は、例えばこのような手法を用いて指150のスイープの傾き角度θを検出してよい。なお、ここで示した傾き角度検出の例は、一例に過ぎず、他の手法により検出されてもよい。
次に、図8を用いて、本実施例に係る画像補正方法及びこれを用いた指紋画像読取方法について説明する。図8は、本実施例に係る画像補正方法及びこれを用いた指紋画像読取方法の処理フローを示したフローチャートである。
ステップ100では、指紋センサ10により、スイープする指150の部分指紋画像データの取り込みが行われる。指紋センサ10により、部分指紋画像データの採取が随時行われ、フレームデータ更新の度に、合成メモリ90に部分指紋画像データが順次記録されて蓄積されてゆく。
ステップ110では、合成メモリ90上に、部分指紋画像データが蓄積記録され、指紋の全体画像が組み立てられ、構築されてゆく。
ステップ120では、指150のスイープが終了したか否かが判定される。スイープが終了していれば、指紋センサ10上を指150はスイープしなくなり、指紋センサ10から採取される部分画像データも同一の値を取り続けるので、例えば所定期間、部分画像データが変化しなくなったら、スイープ終了と判定できる。その他、用途に応じた手法にて、スイープの終了を判定してよい。本ステップにて、スイープが終了していないと判定されたら、ステップ100に戻り、画像取り込みを繰返す。一方、スイープ終了と判定されたら、ステップ130に進む。
ステップ130では、傾き角度検出手段50により、傾き角度θの検出が行われる。傾き角度の検出は、例えば、図4乃至図7において説明した手法により行われてもよいし、他の手法により行われてもよい。
ステップ140では、画像傾き補正手段60により、傾き角度θに応じて、指紋画像の傾き補正が行われる。傾き補正は、角度をパラメータとする逆写像により、傾き画像の画素データの座標を、正立画像の画素データの座標に変換し、傾き画像の画素データを移動させることにより実行されてよい。
上述の処理フローにおいて、指紋画像読取方法は総てのステップを含み、画像補正方法は、ステップ140で実行されるステップが該当する。また、ステップ130を画像処理方法に含め、ステップ130とステップ140で画像処理方法を構成してもよい。
なお、本処理フローにおいては、スイープが終了してから傾き角度検出及び画像傾き補正が行われるフローが例として示されているが、スイープが総て終了していなくても、傾き角度が検出されたら随時画像傾き補正を実行するようにしてもよい。
このようにして、本実施例に係る指紋画像補正方法及びこれを用いた指紋画像読取方法により、指150が傾いた状態で得られた傾き画像を、正立指紋画像に補正することができる。これにより、認証精度を高めることができる。
図9は、本実施例に係る画像補正装置100及び画像補正方法による画像補正を実行して得られた合成メモリ90上の指紋画像を示した図である。
図9(a)は、指150が正立してスイープしたときに得られた指紋画像を示した図である。図9(a)において、指紋画像の下部に示された指紋の隆線は、横方向に略水平に延在する縞模様となっていることが分かる。
図9(b)は、指150が傾いてスイープしたときに、本実施例に係る画像補正装置100及び画像補正方法による画像補正を行う前に得られた傾き指紋画像を示した図である。図9(b)において、指紋画像の下部に示された指紋の隆線は、斜めに傾いて延在する縞模様となっており、図9(a)の正立指紋画像に対し、指紋画像が傾いて形成されていることが分かる。
図9(c)は、図9(b)の傾き画像に対して、本実施例に係る画像補正装置100及び画像補正方法による画像補正を行った後の指紋画像を示した図である。図9(c)において、画像の傾きが補正され、指紋画像の下部に示された指紋の隆線は、横方向に略水平に延在する縞模様となっており、図9(a)の正立画像と略同様の画像を示していることが分かる。正立指紋画像にこの位近付けば、指紋画像の認証精度は、図9(b)のままの場合と比較して、飛躍的に高まる。これにより、指紋の認証精度を大きく向上させることができる。
本実施例に係る画像補正装置100及び画像補正方法によれば、+/−いずれの方向であっても、いかなる傾きに対してもその傾き方向及び傾き角度に応じて正立画像へ変換するため、一般的な許容角度幅という概念はなく、いかなる傾き角度に対しても一様の認証性能を得ることができる。特に、基準となるテンプレート登録時に傾き画像が入力されても、補正を行い正立画像での登録が可能となるため、傾きに対する認証性能を大幅に向上させることができる。
また、傾きを補正できるため、ユーザに対し、スイープ許容角度を要求する必要が無くなり、ユーザの画像補正装置100及びこれを用いた指紋画像読取装置200の利用の利便性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明を適用した実施例に係る画像補正装置100の機能ブロック図である。 画像傾き補正手段60で実行される傾き補正の内容説明図である。 画像傾き補正手段60により、傾き指紋画像が正立指紋画像に変換補正された状態を示した図である。 傾き角度検出手段50の内部構成例を示した画像補正装置100の機能ブロック図である。 推定画素データ生成手段20で行われる推定画素データ生成演算の説明図である。図5(a)は、第1の時刻t=t0の指移動位置推定用の画素の画素データを示した図である。図5(b)は、第2の時刻t=t1の指移動位置推定用の画素の画素データを示した図である。 指150が1画素以下の横方向の移動をした場合の画素データの例を示した図である。図6(a)は、指150が横方向へ22.5°移動した場合の画素データを示した図である。図6(b)は、指150が横方向へ11.25°移動した場合の画素データを示した図である。図6(c)は、指150が横方向へ33.75°移動した場合の画素データを示した図である。図6(d)は、指150が横方向へ9°移動した場合の画素データを示した図である。 合成メモリ90に書き込む横方向移動位置情報を示した図である。 本実施例に係る画像補正方法の処理フローを示したフローチャートである。 本実施例に係る画像補正を実行して得られた指紋画像を示した図である。図9(a)は、正立指紋画像を示した図である。図9(b)は、本実施例に係る画像補正を行う前に得られた傾き指紋画像を示した図である。図9(c)は、図9(b)の傾き画像に対して、本実施例に係る画像補正を行った後の指紋画像を示した図である。 従来の指紋画像入力装置におけるスイープ方向と指紋画像との関係図である。図10(a)は、指紋センサ110上を指150が垂直にスイープした状態を示した図である。図10(b)は、指150が指紋センサ110に対して斜めにスイープした状態を示した図である。
符号の説明
10 指紋センサ
11、12 ラインセンサ
20 推定画素データ生成手段
21 メモリ
30 指移動位置推定手段
40 スイープ傾き量算出手段
50 傾き角度検出手段
60 画像傾き補正手段
70 演算処理手段
80 支持台
90 合成メモリ
100 画像補正装置
150 指
200 指紋画像読取装置

Claims (10)

  1. 指が傾いて指紋センサ上をスイープしたときに、該指紋センサで得られた部分指紋画像データを合成した指紋画像の傾きを補正する画像補正装置であって、
    前記部分指紋画像データを順次記録して蓄積し、前記指紋画像を形成する合成メモリと、
    前記指のスイープ時の傾き角度に応じて、前記合成メモリに形成された前記指紋画像の傾きを補正する画像傾き補正手段と、を有することを特徴とする画像補正装置。
  2. 前記画像傾き補正手段は、角度をパラメータとする逆写像を用いて、前記指紋画像の傾きを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像補正装置。
  3. 前記逆写像は、前記指紋画像の画素データの座標を、前記指紋画像を正立させた正立全体画像の画素データの座標に変換する逆写像であることを特徴とする請求項2に記載の画像補正装置。
  4. 前記画像傾き補正手段は、前記指のスイープが完了し、前記合成メモリに指紋画像全体が形成されたときに、該指紋画像全体に対して傾き補正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像補正装置。
  5. 2本のラインセンサを有する指紋センサと、
    該指紋センサで得られた部分指紋画像データに基づいて、指のスイープ時の傾き角度を検出する傾き角度検出手段と、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像補正装置と、を有することを特徴とする指紋画像読取装置。
  6. 指が傾いて指紋センサ上をスイープしたときに、該指紋センサで得られた部分指紋画像データを合成メモリ上に順次蓄積記録して合成した指紋画像の傾きを補正する画像補正方法であって、
    前記指のスイープ時の傾き角度に応じて、前記合成メモリ上で合成された前記指紋画像の傾きを補正する画像傾き補正ステップを有することを特徴とする画像補正方法。
  7. 前記画像傾き補正ステップは、角度をパラメータとする逆写像を用いて行われることを特徴とする請求項6に記載の画像補正方法。
  8. 前記逆写像は、前記全体画像の画素データの座標を、前記全体画像を正立させた正立全体画像の画素データの座標に変換する逆写像であることを特徴とする請求項7に記載の画像補正方法。
  9. 前記画像傾き補正ステップは、前記指のスイープが完了し、前記合成メモリに指紋画像全体が形成されたときに、該指紋画像全体に対して傾き補正を行うことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の画像補正方法。
  10. 2本のラインセンサを有する指紋センサ上をスイープする指の部分指紋画像データを採取するステップと、
    前記部分指紋画像データに基づいて、指のスイープ時の傾き角度を検出するステップと、
    請求項6乃至8のいずれか一項に記載の画像補正方法を実行するステップと、を有することを特徴とする指紋画像読取方法。
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