JP4470979B2 - 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法 - Google Patents

指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4470979B2
JP4470979B2 JP2007231816A JP2007231816A JP4470979B2 JP 4470979 B2 JP4470979 B2 JP 4470979B2 JP 2007231816 A JP2007231816 A JP 2007231816A JP 2007231816 A JP2007231816 A JP 2007231816A JP 4470979 B2 JP4470979 B2 JP 4470979B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
finger
movement position
pixel data
line
position estimation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007231816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009064261A (ja
Inventor
直樹 田添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsumi Electric Co Ltd
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsumi Electric Co Ltd filed Critical Mitsumi Electric Co Ltd
Priority to JP2007231816A priority Critical patent/JP4470979B2/ja
Publication of JP2009064261A publication Critical patent/JP2009064261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4470979B2 publication Critical patent/JP4470979B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Image Input (AREA)

Description

本発明は、指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法に関し、特に、2ラインセンサを用いて指移動位置の推定を行う指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法に関する。
従来から、部分的な指紋画像から全体指紋画像を再構成する際に、部分画像間比較により、その相関関係から縦及び横移動量を推定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、距離をおいて配置された第一のラインセンサと第二のラインセンサの2ラインからなる1次元センサ上で、指を掃引させて得られる指紋画像から2次元の指紋画像を得る指紋画像の入力方法であって、指紋画像を第一のバッファと第二のバッファに入力し、これらのバッファを各々分割し、分割画像の相関から同一と判断される画像ブロックを検出して指の移動速度を求め、これから指紋画像の縮小又は拡大のゆがみを検出し、ゆがみを所定の方法で補正するようにした指紋画像の入力方法が知られている(特許文献2参照)。
特表2005−531935号公報 特開2002−216116号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、比較単位となる画素データは実際にセンサから得られた実データであり、その比較は比較元データと1画素単位でずらした場合の比較とせざるを得ないため、1画素未満の移動は適切に検知できない。
特に、2ラインセンサの場合においては、比較元となる実データが2ライン分しか存在していないため、特許文献1に示したような1画素単位での比較では、横方向に関しては動いていないか、又は1画素分移動したかのいずれかの状態しか判別できないこととなり、精度の高い移動量検知を行うことができない。
また、上述の特許文献2に記載の構成では、横方向の成分を含むゆがみ、つまり横ずれや指が傾いて掃引した場合のゆがみについては、何ら考慮されていない。
一方、通常、ラインセンサを用いたスイープタイプのセンサの場合、縦移動に対して横移動、つまり横ずれは割合的に小さく、例えば2ラインセンサにおいては、縦1ライン移動完了時、横方向へは1画素未満の移動である場合が通常であり、これを適正に検知することが、画像組立精度、ひいては指紋画像認証精度に大きく影響するところとなる。
そこで、本発明は、1画素以内の指の移動量を適切に検出する指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動位置推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る指移動位置推定装置(100)は、横方向に延在し、縦方向に隣接配置された2ラインセンサ(10)を有し、該2ラインセンサ(10)上をスイープする指(150)の1画素以下の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定装置(100)であって、
隣接する所定の2行2列の画素(An−1、An、Bn−1、Bn)により第1の時刻(t0)に得られた画素データ(An−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0))に基づいて、前記2行2列の画素(An−1、An、Bn−1、Bn)のうち、前記スイープ方向にある1画素(Bn−1、Bn)の前記指(150)の移動位置及び/又は移動量に対応する推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を生成する推定画素データ生成手段(20)と、
第2の時刻(t1)に前記1画素(Bn−1、Bn)で採取された実画素データと、前記推定画素データ生成手段により生成された前記推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))とを比較し、前記指の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定手段(30)と、を有することを特徴とする。
これにより、1画素以下の指の移動位置を適切に推定することができ、その後の画像処理に役立てることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る指移動位置推定装置(100)において、
前記推定画素データ生成手段(20)は、前記指(150)が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動した位置に対応する推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を生成し、
前記第2の時刻(t1)は、前記指(150)が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動した時刻であって、
前記指移動位置推定手段(30)は、前記指(150)の前記横方向の移動位置及び/又は移動量を推定することを特徴とする。
これにより、ラインデータ更新を行った際の横方向の指の移動位置等を推定することができ、指の移動位置を適切に把握することができる。
第3の発明は、第2の発明に係る指移動位置推定装置(100)において、
前記推定画素データ生成手段(20)は、前記縦方向には前記1ライン分移動した位置であって、前記横方向には1画素分の移動位置を分割した所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を生成し、
前記指移動位置推定手段(30)は、前記実画素データと、前記所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))とを比較し、前記所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))のうち、前記実画素データに最も近い画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を有する前記所定の横移動位置を、前記指(150)の横方向の移動位置として推定することを特徴とする。
これにより、基準となる所望の1画素以下の横移動位置を複数選択して設定し、これらの横移動位置のいずれに最も指の横移動位置が近いのかを知ることができる。
第4の発明に係る指紋画像処理装置(200)は、第3の発明に係る指移動推定装置(100)において、
前記指(150)が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動する毎に該1ライン分のフレームデータを記録する合成メモリ(90)を有し、
前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報を、前記フレームデータともに前記合成メモリ(90)に記録することを特徴とする。
これにより、フレームデータ毎に指の横方向移動位置の情報を記録することができ、その後の画像補正のための画像処理に役立てることができる。
第5の発明は、第3又は第4の発明に係る指移動位置推定装置(100)において、
前記横方向の移動位置を表す前記横方向移動位置情報の度数を数えるカウント手段を更に有し、
前記指(150)のスイープが完了した時点で、前記カウント手段により数えられた前記横方向移動位置情報の度数分布に基づいて、前記指のスイープ傾き量を算出するスイープ傾き量算出手段(40)、を有することを特徴とする。
これにより、指を、ラインセンサに対して斜めの状態で指の軸方向に真っ直ぐスイープさせる場合に起こり易い、指がラインセンサに対して傾いてスイープし、フレームデータ画像が斜めに傾いた状態で指紋画像を形成してしまった場合について、その傾き量を算出し、その後の画像処理に役立てることができる。
第6の発明に係る指紋画像処理装置(200)は、第4の発明に係る指移動位置推定装置(100)を有し、
前記指移動位置推定装置(100)で得られた横方向移動位置情報を用いて、合成メモリ(90)に記録されたフレームデータの横ずれ補正を行う横ずれ補正手段(50)を有することを特徴とする。
これにより、指を2ラインセンサに垂直に正立させた状態で斜め方向にスイープした場合に起こり易い指紋画像の横ずれについて、合成メモリに記憶されたフレームデータ画像について補正を行うことができ、指紋の認証精度を高めることができる。
第7の発明に係る指紋画像処理装置(200)は、第5の発明に係る指移動位置推定装置(100)を有し、
該指移動位置推定装置(100)により前記指(150)のスイープ傾き量を算出し、
該指のスイープ傾き量を用いて合成メモリ(90)に記録されたフレームデータの傾き補正を行う所定の傾き補正手段(60)、を備えたことを特徴とする。
これにより、指紋画像の傾きを補正することができ、指紋の認証精度を高めることができる。
第8の発明に係る指移動位置推定方法は、横方向に延在し、縦方向に隣接配置された2ラインセンサ(10)上をスイープする指(150)の1画素以下の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定方法であって、
隣接する所定の2行2列の画素(An−1、An、Bn−1、Bn)により第1の時刻(t0)に得られた画素データ(An−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0))に基づいて、前記2行2列の画素(An−1、An、Bn−1、Bn)のうち、前記スイープ方向にある1画素(Bn−1、Bn)の前記指(150)の移動位置及び/又は移動量に対応する推定画素データを生成する推定画素データ生成ステップと、
第2の時刻(t1)に前記1画素で採取された実画素データと、前記画素データ生成手段により生成された前記推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))とを比較し、前記指(150)の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定ステップと、を有することを特徴とする。
これにより、1画素以下の指の移動位置等を推定することができ、これを利用して精度の高い画像処理等を行うことができる。
第9の発明は、第8の発明に係る指移動位置推定方法において、
前記推定画素データ生成ステップは、前記指が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動した位置に対応する推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を生成し、
前記第2の時刻は、前記指(150)が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動した時刻であって、
前記指移動位置推定ステップは、前記指(150)の前記横方向の移動位置及び/又は移動量を推定することを特徴とする。
これにより、フレームデータの更新毎に指の横方向の移動位置等を推定することができ、後の画像補正に役立てることができる。
第10の発明は、第9の発明に係る指移動位置推定方法において、
前記推定画素データ生成ステップは、前記縦方向には前記1ライン分移動した位置であって、前記横方向には1画素分の移動位置を分割した所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を生成し、
前記指移動位置推定ステップは、前記実画素データと、前記所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))とを比較し、前記所定の横移動位置における推定画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))のうち、前記実画素データに最も近い画素データ(Bn−1(t1)、Bn(t1))を有する前記所定の横移動位置を、前記指(150)の横方向の移動位置として推定することを特徴とする。
これにより、基準となる所望の1画素以下の横移動位置を複数選択して設定し、これらの横移動位置のいずれに最も指の横移動位置が近いのかを知ることができる。
第11の発明は、第10の発明に係る指移動位置推定方法において、
前記指(150)が前記2ラインセンサ(10)上を前記縦方向に1ライン分移動する毎に該1ライン分のフレームデータを記録する合成メモリ(90)を有し、
前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報を、前記フレームデータともに前記合成メモリ(90)に記録することを特徴とする。
これにより、フレームデータと指の横方向の移動位置の情報をセットとして記録することができ、後に画像補正等の画像処理を行う場合において、適切な横方向の移動位置情報に基づいて行うことができる。
第12の発明は、第10又は11の発明に係る指移動位置推定方法において、
前記横方向の移動位置を表す前記横方向移動位置情報の度数を数えるカウントステップを更に有し、
前記指のスイープが完了した時点で、前記カウントステップで数えられた前記横方向移動位置情報の度数分布により、前記指のスイープ傾き量を算出するスイープ傾き量算出ステップ、を有することを特徴とする。
これにより、指を、ラインセンサに対して斜めで指の軸に平行に真っ直ぐスイープさせる場合に起こり易い、指がラインセンサに対して傾いてスイープし、フレームデータ画像が斜めに傾いた状態で指紋画像を形成してしまった場合について、その傾き量を算出し、その後の画像処理に役立てることができる。
第13の発明に係る指紋画像処理方法は、第11の発明に係る指移動位置推定方法を実行し、
前記指移動位置推定方法で得られた横方向移動位置情報を用いて、合成メモリ(90)に記録されたフレームデータの横ずれ補正を行う横ずれ補正ステップ、を有することを特徴とする。
これにより、指を2ラインセンサに垂直に正立させた状態で斜め方向にスイープした場合に起こり易い指紋画像の横ずれについて、合成メモリに記憶されたフレームデータ画像について補正を行うことができ、指紋の認証精度を高めることができる。
第14の発明に係る指紋画像処理方法は、第12の発明に係る指移動位置推定方法を実行し、
該指移動位置推定方法により指(150)のスイープ傾き量を算出し、
該指のスイープ傾き量を用いて合成メモリ(90)に記録されたフレームデータの傾き補正を行う所定の傾き補正ステップ、を有することを特徴とする。
これにより、指紋画像の傾きを適切に補正する画像処理を行うことができ、正立した指紋画像に是正し、指紋認証精度を高めることができる。
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではない。
本発明によれば、1画素以内の指の移動位置及び/又は移動量を適切に推定把握することができる。また、推定した指の移動位置及び/又は移動量に基づいて、これを補正した指紋画像を得ることができ、指紋画像の認証精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明を適用した実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の概略構成を示した機能ブロック図である。
図1において、本実施例に係る指移動位置推定装置100は、2ラインセンサ10と、推定画素データ生成手段20と、指移動位置推定手段30とを備える。また、指移動位置推定装置100は、必要に応じて、合成メモリ90と、スイープ傾き量算出手段40と、カウント手段45とを備えてよい。
また、指紋画像処理装置200は、指移動位置推定装置100に加えて、横ずれ補正手段50と、傾き補正手段60を更に備えてよい。
そして、指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200は、2ラインセンサ10を支持し、指150を載せてスイープさせる支持台80を備えてよい。
2ラインセンサ10は、Aラインのラインセンサ11とBラインのラインセンサ12との2本のラインセンサ11、12を有する指紋画像採取手段である。ラインセンサ11、12は、ライン状の指紋画像を撮像して採取するためのセンサである。ラインセンサ11、12は、ともに縦方向には画素を1個しか備えていないが、横方向には複数の画素列を備えており、例えば、126画素、252画素、512画素といった100単位レベルの画素が配列される。
2ラインセンサ10においては、2本のラインセンサ11、12が横方向に延在し、縦方向に隣接配置された構成となっている。指150は、2ラインセンサ10上を縦方向にスイープして移動するが、その際に、2本のラインセンサ11、12が、各々指150の指紋の線状の部分画像を採取する。そして、部分画像を縦方向に積み重ねるように合成し、指紋の全体画像を形成する。そして、これを例えば指紋の認証等に用いる。
なお、本実施例においては、2本のラインセンサ11、12のみを備えた2ラインセンサ10を例に挙げて説明するが、2本以上のラインセンサを有するセンサであれば、所望の2本のラインセンサを選択して本実施例を適用することができる。よって、3ライン、4ラインといった2ラインセンサ10を含む複数本ラインセンサであれば、本実施例は好適に適用可能であり、かかる複数本ラインセンサの2本のラインセンサを用いる場合も、本実施例は含んでいるものとする。
なお、指150は、図1中のAラインのラインセンサ11からBラインのラインセンサ12にスイープする方向、つまり指150を手前側にスイープさせるのが一般的であるが、逆方向であってもよい。以後、本実施例においては、指150を手前側にスイープさせる場合を例に挙げて説明するが、AラインとBラインの関係を逆にすれば、指150のスイープ方向に関係なく本実施例を適用することができる。
本実施例に係る指移動推定装置100においては、ラインセンサ11、12は、指移動判定用の隣接した所定の2行2列の画素An−1、An、Bn−1、Bnを備える。これらの画素は、予め指移動位置推定用として選択されているものを用いてよく、少なくとも隣接する2行2列の4画素を有する。本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200では、任意の時刻に得た指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、これらの画素のうち、指150のスイープ方向にある1画素の画素データを推定表現する。例えば、指150が右手前側にスイープすれば、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データでスイープ方向にある画素Bnの画素データを表現し、指150が左手前側にスイープすれば、スイープ方向にある画素Bn−1の画素データを表現することになる。
なお、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnは、4画素以上であればいくらあってもよく、4画素の組を、横方向の複数個所に設けてもよいし、2ラインセンサ10の総ての画素で指移動位置推定を行えるように構成してもよい。
推定画素データ生成手段20は、指150のスイープ方向にある1画素の画素データを推定して生成する演算処理手段である。その具体的な処理内容の詳細は後述するが、所定の演算式に従い、指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、スイープ方向にある1画素の画素データを表現する。
なお、推定画素データ生成手段20は、その内部にメモリ21を含んでもよい。メモリ21に、任意の時刻(以下、「第1の時刻」という。)に取得した指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを用いて、別の時刻(以下、「第2の時刻」という。)における1画素の画素データを表現するため、第1の時刻に取得した画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データは、メモリ21に記憶しておくようにしてもよい。
指移動位置推定手段30は、指150の移動位置を推定する演算処理手段であり、推定画素データ生成手段20で生成したスイープ方向にある1画素の推定画素データと、第2の時刻で採取した実際の画素データとを比較し、指150の移動位置を推定する手段である。例えば、スイープ方向にある1画素の推定画素データが、複数の推定移動位置に対応して複数個存在するときに、指移動位置推定手段30で、実画素データと複数の推定画素データとでパターンマッチングを行い、実画素データに最も近い推定画素データを特定できれば、指150の移動位置は、特定された推定画素データに対応する位置にあると推定することができる。指移動位置推定手段30は、例えば、このようなパターンマッチングを用いて指移動位置を推定してもよい。
合成メモリ90は、2ラインセンサ10のラインセンサ11、12で採取したライン状の部分画像データを、1ライン移動完了毎にフレームデータとして書き込み記録を行うための記録手段である。従って、合成メモリ90には、フレームデータが蓄積され、最終的には合成された指紋の全体画像が形成される。
合成メモリ90は、フレームデータの線状画像データの他、フレームデータに関連する情報を記録することができる。詳細は後述するが、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200においては、フレームデータを合成メモリ90に書き込む際、1画素未満の指移動位置情報も併せて記録する。これにより、フレームデータの書き込み毎に指移動位置情報が記録されるため、これを蓄積することにより、指150のスイープが完了した時点における最終的な指移動位置を推定することができる。そして、最終的又はスイープ途中段階における指移動位置情報に基づいて、指紋全体の合成画像を形成する際に、必要な補正処理を行うことができる。これにより、指紋画像を実際の指紋に近付けることができ、指紋の認証精度を高めることができる。
カウント手段45は、指移動位置推定手段30での指移動位置推定が、複数の推定画素データとのパターンマッチングによりなされた場合に、推定された指移動位置情報について、どの指移動位置が何回推定されたかの度数を数える手段である。つまり、指150はスイープして移動するので、スイープに伴い、指移動位置情報のデータ個数は、増加して蓄積してゆく。カウント手段45は、全体の指移動位置情報データの中で、各々の指移動位置が何回推定されたかをカウントし、度数分布を記録する。カウント手段は、例えば、各々の指移動位置毎に設定されたカウンタであってよく、指移動位置推定手段30でフレームデータの記録を行う際に移動位置をカウントしてもよいし、合成メモリ90に記録された指移動位置情報を読み取り、これから度数を数えてもよい。
スイープ傾き量算出手段40は、合成メモリ90に蓄積記録された指移動位置情報から、スイープの傾き量を算出するための演算処理手段である。蓄積された指150の移動位置情報から、指150の移動方向及び移動量を算出することができるため、スイープ全体としての傾き量を算出することができる。スイープ傾き量算出手段40は、この算出を行い、指150のスイープ傾き量を適切に推定する。
横ずれ補正手段50は、合成メモリ90に記録された指移動位置情報の横方向の移動位置情報を監視し、横ずれがあったときには、フレームデータに横ずれ補正処理を行うための画像処理手段である。上述のように、合成メモリ90には、フレームデータの記録の際、指移動位置情報も併せて記録されるが、フレームデータは、指150が縦方向に1ライン移動した時点のラインセンサ11、12の1本分のライン画像データを意味するため、指移動位置情報として実際に記録されるのは、横方向の指移動位置情報である。よって、合成メモリ90に記録された横方向の指移動位置情報を監視することにより、フレームデータの横ずれを検出することができるので、横ずれ補正手段は、フレームデータの横ずれが検出されたときには、これを補正する画像処理を行う。
これらの補正は、総てのフレームデータの記録が終了してから行ってもよいし、例えば、横ずれが蓄積し、1画素分に達した段階で1画素移動補正するような随時処理としてもよい。
傾き補正手段60は、スイープ傾き量算出手段40によりスイープの傾き量が算出されたら、これを是正する画像処理を行うための手段である。例えば、傾きのある指紋全体の画像に対して、傾き量を補正するような回転補正をかけて、指紋画像を正立させるような補正処理を行ってもよい。傾き補正手段60は、画像の傾き量を補正して画像を正立させる種々の画像処理が適用されてよい。
なお、推定画素データ生成手段20、指移動位置推定手段30、スイープ傾き量算出手段40、横ずれ補正手段50及び傾き量補正手段60は、総て演算処理を行う演算処理手段70として構成されてよく、例えば、所定のプログラムにより動作するコンピュータや、所定の電子回路、ASIC等により実現されてよい。
演算処理手段70のうち、推定画素データ生成手段20、指推定位置推定手段30及びスイープ傾き量算出手段40は、指150の移動位置推定を行うための演算処理手段であり、これらにカウント手段45を加えて、指移動位置推定演算処理手段71を構成する。また、横ずれ補正手段50及び傾き量補正手段60は、画像補正を行う画像処理手段であり、画像補正処理手段72を構成する。指移動位置推定演算処理手段71と画像補正処理手段72は、一体的な演算処理手段として構成されてもよいし、独立した別個の手段として構成されてもよい。これらは、用途に応じて種々の態様をとり得る。
次に、図2を用いて、推定画素データ生成手段20で実行される推定画素データ生成演算の内容について説明する。図2は、推定画素データ生成手段20で行われる推定画素データ生成演算を説明するための図である。
図2(a)は、第1の時刻t=t0における2ラインセンサ10の隣接する所定の2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを示した図である。図2(a)において、指150の略中央部に位置するラインセンサ11、12が有する2行2列の4画素An−1、An、Bn−1、Bnが、第1の時刻t=t0において、それぞれ画素データを取得する。
図2(b)は、第2の時刻t=t1において、指150がスイープにより移動した状態の、2ラインセンサ10の隣接する所定の2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データを示した図である。図2(b)において、指150は右手前側(右下側)にスイープし、2行2列の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnは、相対的に指150のやや左上側に移動した状態を示している。
つまり、指150は、縦方向には、手前側(下側)に△y移動し、横方向には右側に△x移動しており、太い実線で第2の時刻t=t1における2ラインセンサ10の指150の下での位置が示されている。一方、薄い実線で、第1の時刻t=t0における指150の下での2ラインセンサ10の位置が示されている。第1の時刻t=t0の時に2ラインセンサ10上に位置していた指領域は、第2の時刻t=t1においては右方向へ△x、下方向へ△y移動したことにより、指150との相対位置が移動していることが分かる。但し、△x、△yはそれぞれ1画素単位換算での移動量であり、ともに△x=1、△y=1で1画素分移動を意味している。
ここで、第2の時刻t=t1で観測される画素Bnの画素データは、第1の時刻t=t0で観測された各画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データの合成となっていることが分かる。そして、第2の時刻t=t1時のラインセンサ12上のスイープ方向にある1画素Bnでの、第1の時刻t=t0で観測されるラインセンサ11、12上の各画素値の合成比は、その面積比から、指150の移動量△x、△yを用いて表現すると、以下のようになる。
Figure 0004470979
よって、これらから、第2の時刻t=t1時の画素Bnの画素値Bn(t1)は、以下のように表せる。
Figure 0004470979
式(1)に示したように、第1の時刻t=t0において取得した指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)を用いて、第2の時刻t=t1におけるスイープ方向にある画素Bnの画素値を表現することができる。推定画素データ生成手段20においては、(1)式に従った演算を行ない、スイープ方向にある1画素を、第1の時刻t=t0における自己を含む周辺の画素の画素データを用いて表現する。その際、第1の時刻t=t0で取得した周辺の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)は、メモリ21に記憶しておくようにしてもよい。
式(1)により、第2の時刻t=t1における画素Bnの画素データBn(t1)は、第1の時刻t=t0における周辺の指移動位置推定用の画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)で表現できるが、式(1)の△x、△yを特定することにより、所望の位置における画素Bn(t1)の画素値を生成することができる。
なお、図2においては、指150を右手前(右下)に移動させる例について説明したが、指150を左手前(左下)に移動させる場合には、画素Bn−1の画素データBn−1(t1)を生成することになり、指150を右上に移動させる場合には画素Anの画素データAn(t1)、指150を左上に移動させる場合には、画素An−1の画素データAn−1(t1)を生成することになる。
図3は、2ラインセンサ10の指移動位置推定用画素を6画素とした場合の、推定画素データ生成手段20の演算処理内容について説明するための図である。
図3において、指移動位置推定用画素が、Aラインのラインセンサ11上の画素はAn−1、An、An+1の3個であり、Bラインのラインセンサ12上の画素はBn−1、Bn、Bn+1の3個であり、隣接する6個の画素で構成されている点で、図2とは異なっている。
この場合には、指150が右下に移動する場合も、左下に移動する場合も、画素Bnを対象として推定画素データを生成することができる。つまり、指150が右下方向に移動する場合には、第1の時刻t=t0における画素An−1、An、Bn−1、Bnの画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)を用いて、第2の時刻t=t1における画素Bnの画素データBn(t1)を表現することになる。これは、結果として、式(1)を用いて、画素データBn(t1)を表現することができる。
一方、指150が左下に移動する場合には、式(2)に示すように、第1の時刻t=t0における画素An、An+1、Bn、Bn+1の画素データAn(t0)、An+1(t0)、Bn(t0)、Bn+1(t0)を用いて、第2の時刻t=t1における画素Bnの画素データBn(t1)を表現することができる。
Figure 0004470979
このように、推定画素データを生成する対象を画素Bnに固定し、指150のスイープ方向に応じて、画素Bnの画素データを表現する周辺の画素の組合せを変更するようにしてもよい。推定画素データ生成手段20で用いる指移動位置推定用画素は、用途に応じて、2ラインセンサ10上の任意の画素を利用することができる。
また、逆に、指150が右下にスイープする場合には、画素Bn+1の第2の時刻t=t1の推定画素データBn+1(t1)を、第1の時刻t=t0の周辺画素データAn(t0)、An+1(t0)、Bn(t0)、Bn+1(t0)で表現し、指150が左下にスイープする場合には、画素Bn−1の第2の時刻の推定画素データBn−1(t1)を第1の時刻t=t0の周辺画素データAn−1(t0)、An(t0)、Bn−1(t0)、Bn(t0)で表現し、指150のスイープ方向により、隣接する6画素のうち、端に位置する画素Bn−1、Bn+1の画素データBn−1(t0)、Bn+1(t0)を対象として推定画素データを生成するようにしてもよい。
このように、推定画素データを生成する対象画素及び元データとなる周辺画素の組合せは、種々の組合せを適用することができ、2ラインセンサ10の態様により、種々変更及び設定することができる。
次に、図4及び図5を用いて、指移動位置推定手段30で行う演算処理内容について説明する。
図4は、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の指移動位置推定手段30で行う演算処理を説明するための比較対象となる図である。
図4(a)は、第1の時刻t=t0における2ラインセンサ10上の、6個の隣接する画素の画素データA1、A2、A3、B1、B2、B3を示した図である。
図4(b)は、第2の時刻t=t1において、指150が垂直に下に1ライン移動し、横方向の移動は全く無い状態の2ラインセンサ10の画素データを示した図である。図4(a)において、Aラインのラインセンサ11の画素データA1、A2、A3がBラインのラインセンサ12に直下に移動している。今までの説明では、△x=0、△y=1の状態である。このような状態となれば、Bラインのラインセンサ12の画素データに着目していれば、図4(a)の状態のAラインのラインセンサ11の画素データとパターンが一致したことが分かるので、縦方向には1ライン移動し、横方向には全く移動していないことを検出することができる。なお、Aラインのラインセンサ11の画素データは、新しい画素データが入ってくることになる。
図4(c)は、第2の時刻t=t1において、指150が右下に45°の方向で、縦方向には1ライン分移動した状態の2ラインセンサ10の画素データを示した図である。座標変数で表せば、△y=1、△x=1の場合である。図4(a)におけるAラインのラインセンサ11上の画素データA1、A2、A3が、図4(c)においては、Bラインのラインセンサ12上では画素1個分ずつ右側にずれて、横方向に移動していることが分かる。このように、傾き45°で指150がスイープした場合には、ラインセンサ11で第1の時刻t=t0で取得した画素データと、縦方向に1ライン移動したときにラインセンサ12で採取した画素データを比較することにより、指150が45°で右に傾いて移動し、1画素分横ずれをしたことが分かる。
このように、2ラインセンサ10において、実際に撮像取得した実画素データのみを用いた場合には、0°の傾きと、45°の傾きについてのみ横方向の移動を検出することが可能であり、また、ラインセンサ11で採取した画素データが、0°の傾き画素データと、45°の傾き画素データのどちらに近いかを判定し、0°か45°傾いたと推定することは可能である。
しかしながら、0°と45°しか判定できないのでは、45°も傾いてスイープすることが殆ど無い指紋画像入力装置においては、殆ど意味をなさない。
そこで、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200においては、推定画素データ生成手段20を用いて、横方向に1画素以下の所定量移動した場合の推定画素データを複数生成して用意し、実際に採取した画素データが、これらの推定画素データのどれに近いかをパターンマッチングで判定することにより、1画素以下の移動であっても、適切な横方向の移動量を推定することを可能にしている。
図5は、指150が、縦方向に1ライン移動したときに、1画素以下の横方向の移動をした場合の2ラインセンサ10の画素データの例を示した図である。
図5(a)は、指150が22.5°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。移動量が△x=0.5、△y=1の場合であり、縦方向の1画素の移動に対して、半画素分、横方向へ移動している場合である。式(1)に、△x=0.5、△y=1を代入すれば、画素データA1、A2を使って画素データB2を表現することができ、画素データA2、A3を用いて、画素データB3を表現することができる。
図5(b)は、指150が11.25°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。図5(a)の22.5°の場合を更に半分に分割した場合の画素データであり、△x=0.25、△y=1の場合の画素データである。
図5(c)は、指150が33.75°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。図5(a)の22.5°の場合を更に半分に分割し、横移動を増加させた場合の画素データであり、△x=0.75、△y=1の場合の画素データである。
このように、第1の時刻t=t0のときに、ラインセンサ11で得た画素データA1、A2、A3を用いて、指150が1ライン分縦方向に移動した第2の時刻t=t1における、ラインセンサ12の横方向が1画素以下移動したときの推定画素データを生成し、これらと実際に採取された実画素データを比較し、最も類似した推定画素データを選択・特定することにより、適切な横方向の移動位置を推定することができる。つまり、実画素データが、傾き22.5°の画素データに最も類似してれば、傾き22.5°で指位置が移動していると推定することができ、傾き11.25°の画素データに最も類似してれば、傾き11.25°で指150が傾いて移動していると推定することができる。
指移動位置推定手段30では、このようなパターンマッチングを利用した、指移動位置推定演算を行なう。複数の推定画素データと実画素データとの比較は、例えば、比較する画素同士の画素値の差分を算出し、この値が最も小さい推定画素データを、最も類似した画素データであると判断してもよい。
なお、ラインセンサ12の推定画素データは、1画素分の横移動を分割した任意の横移動量について、生成することができる。図5(a)〜(c)においては、計算の容易のため、1画素を均等に4分割した例について説明したが、もっと異なる角度について、推定画素データを生成するようにしてもよいし、推定画素データの生成数を多くして、推定精度を高めるようにしてもよい。
図5(d)は、指150が9°傾いた状態で縦1ライン移動した場合のラインセンサ12の画素データを示した図である。45°を1/5に分割した場合の画素データであり、△x=0.2、△y=1の場合の画素データである。このように、推定画素データを生成する移動位置は、用途に応じて種々設定することができる。
また、図4及び図5においては、説明の容易のため、縦方向については、1ライン移動した段階での推定画素データを生成する例について説明しているが、縦方向の移動量△yが1以外の場合についても、推定画素データを生成することは可能である。しかしながら、指150が縦方向に1ライン移動したときに、フレームデータを採取してデータ更新を行うのが一般的であるので、1ライン移動時の△y=1の時点を基準として、横方向の移動位置を推定してゆく方法が簡便であり、好ましい。
なお、縦方向の1ライン移動、つまりフレームデータ更新の時点は、式(1)を用いて、△y=1となったときを基準として1ライン移動を検出するだけでなく、他の手法により、1ライン移動を検出してもよい。1ライン移動検出については、他の手法を組み合わせることにより、指移動位置推定手段30の演算処理負担を軽減できるという利点がある。他の手法の具体例については、後述する。
フレームデータの更新は、指移動位置推定手段30が、合成メモリ90にラインセンサ11、12で取得した1ライン分の画素データを記録してゆくことにより行う。これにより、指紋画像が形成されてゆく。本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200においては、フレームデータの更新の際、フレームデータの記録と併せて、横方向移動位置に関する情報を記録してゆく。この蓄積データを用いて、後に画像補正を行うことが可能となる。
図6は、指移動位置推定手段30が合成メモリ90にフレームデータの書き込みを行う際に、併せて書き込みを行う横方向移動位置情報である。図6において、横方向移動位置情報が、テーブル形式で示されている。
図6のテーブルにおいて、Index、△x、△y、角度及び度数がテーブルを構成する項目として挙げられている。Indexは、横方向の移動量、つまり横ずれ量を示す指標であるが、本実施例においては、縦方向の移動量が総て△y=1に設定され、横方向の移動量△xが、正負の両方向に均等に4分割されているので、△xと同じ意味を有する。角度は、図5において説明した、指150のスイープの傾き量を意味し、これを正負の角度で表現している。これも、横方向の移動量△xと比例した関係にある。
図6のテーブルにおいて、度数は、例えばフレームデータの更新毎に記録される、パターンマッチングにより最大類似点と判断された横方向移動位置の該当回数である。つまり、指移動位置推定手段30において、2ラインセンサ10で採取された実画素データに対し、Index値−4〜4の推定画素データについてパターンマッチングを行う。そして、これで最も類似していると判断されたIndexが、横ずれ量を表す指標として、フレームデータとともに合成メモリ90に記録されてゆくが、その回数は、度数として記録され、最終的に、カウント手段45によりカウントされる。なお、符号の正負は、負の符号は、画像が右に横ずれを起こしていることを意味し、正の符号は、画像が左に横ずれを起こしていることを意味する。
なお、図6においては、度数もフレームデータの記録と同時に書き込む横方向移動位置情報の項目の1つとしているが、度数は、必ずしもフレームデータの記録と同時に記録又は更新する必要は無い。つまり、フレームデータと同時に、例えばIndexのみを横方向移動位置情報として蓄積記録してゆき、スイープが完了した段階で、カウント手段45により、度数を数えるようにしてもよい。度数は、推定された横方向移動位置の合計回数が分かれば良いので、必ずしもフレームデータの更新時に行う必要は無く、最後に横方向移動位置情報のデータを読み込んで度数をカウントすれば、全体の度数分布は算出できるからである。
また、逆に、度数のみが必要な場合には、フレームデータの合成メモリ90への書き込みとは無関係に、指移動位置推定手段30で横方向移動位置が推定された段階で、順次カウント手段45で選択された横方向移動位置をカウントアップするようにしても良い。詳しくは後述するが、例えば、指150のスイープの傾き角度を算出したい場合には、フレームデータとの対応関係は不要で、最終的な度数分布のみあれば良いので、その場合には、指移動位置推定手段30から直接カウント手段45の度数を更新してよい。
指移動位置推定手段30において、このような横方向移動位置に関するテーブルの書き込みをフレームデータの更新と併せて行うことにより、全体画像形成の際、これらの横方向移動位置情報を用いて、画像補正を行うことができる。
次に、図6を引き続き用いて、横ずれ補正手段50で実行される、横ずれ画像補正の画像処理の内容について説明する。
図6において、フレームデータ更新書き込み毎に、Indexが累積されて記録されてゆき、例えば、累積結果が−4以下となったときには、左に1画素分横にずらし、また4以上となったときには、右に1画素分横にずらしながら全体画像を形成することで、横ずれを補正することができる。つまり、横ずれ量検出の最小量を、1画素を4等分した量としているため、ずれ量累積値が4となった時点が画素換算での1画素ずれに相当する。画像補正においては、合成メモリ90に配置されている画素単位での移動補正となるため、累積値が4の倍数を超えた時点で横ずれ補正を行うことになる。
このように、指移動位置推定手段30により書き込まれた合成メモリ90内の横ずれを示すIndexを蓄積してゆき、横ずれ量が画素単位に到達した段階で横ずれ補正を行うことにより、横ずれを防止し、指紋の全体画像の認証精度を高めることができる。
次に、スイープ傾き量算出手段40で実行される演算処理内容について、引き続き図6を用いて説明する。図6において、Indexの度数を示した度数の項目があるが、これをカウント手段45が数え、このIndexによるヒストグラムから、スイープ傾き量算出手段40が、その平均値を算出する。そして、事前に実測値として得られている傾き角度−ヒストグラム平均値対応表より、傾き角度を推定することができる。例えば、図6の例では、Index1が度数12、Index2が度数3、Index0が度数2、Index3が度数1となっており、これから、ヒストグラムの平均値は、約1.16となる。この値から、上述の傾き角度−ヒストグラム平均値対応表を用いて、傾き角度を算出することができる。
なお、理解の容易のために、図6のテーブルに示された度数を用いて説明したが、上述のように、度数は、カウント手段45により、指移動位置推定手段30から順次カウントされてもよいし、合成メモリ90に記録された度数の項目の無い横方向移動位置情報を読み込み、これから度数がカウントされてもよい。これらは、用途に応じて、種々の態様を適用することができる。
このように、スイープ傾き量算出手段40は、カウント手段45で数えられた横方向移動位置情報の度数分布に基づいて、スイープ傾き量を算出することができる。
また、傾き補正手段60においては、スイープ傾き量算出手段40で算出された傾き角度に基づいて、合成メモリ90の全体画像の補正処理を行う。傾き補正手段60は、所定の種々の手法により実行されてよいが、例えば、傾き角度を回転させるような回転行列や、傾きを補正する写像により傾き角度の補正を行ってよい。このような補正を行うことにより、指紋画像の認証精度を高めることができる。
図7は、指150のスイープ態様の一例を示した図である。図7において、指150は、指の中心軸の傾き自体は、2ラインセンサ10(図示せず)に対して垂直を保っているが、スイープが横ずれを起こしてしまっている。本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の横ずれ補正手段50は、このような横ずれに対して特に効果的に画像補正を行うことができる。
図8は、図7とは異なる指150のスイープ態様の一例を示した図である。図8において、指150は、スイープの方向は一直線を保っているが、指150が2ラインセンサ10(図示せず)に対して傾いて接触しているため、そのまま傾いた状態でスイープがなされている。本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の傾き補正手段60は、このような横ずれに対して特に効果的に画像補正を行うことができる。
このように、横ずれ補正手段50による横ずれ補正と、傾き補正手段60による傾き補正は、スイープ態様により、適切な補正手段が異なるので、両方のスイープ態様に対応できるように横ずれ補正手段50と傾き補正手段60の双方を備えてもよいし、特に頻度の高い一方のみ備えるように構成してもよい。これらは、スイープ態様に応じて適宜適切な組合せとしてよい。
次に、図9を用いて、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200により実行される、指移動位置推定方法及び画像処理方法について説明する。図9は、本実施例に係る指移動位置推定方法及び画像処理方法の処理フローを示したフローチャートである。
図9において、ステップ100では、ラインセンサ11、12を有する2ラインセンサ10により、第1の時刻t=t0におけるフレームデータが取得される。取得されたフレームデータのうち、指移動位置推定用の画素データについては、推定画素データ生成手段20のメモリ21に記憶され、推定画素データ生成手段20により、所定の複数の横ずれ位置(横移動位置)における推定画素データが生成される。
ステップ110では、指150が1ライン移動したか否かが判定される。式(1)において、△y=1を代入し、ラインセンサ12で採取される画素データが、第1の時刻にラインセンサ11で取得した画素データと一致するか否かにより判定されてもよいし、後述する他の方法により判定されてもよい。1ライン移動していないときには、ステップ100に戻り、フレームデータの取得を繰返す。1ライン移動していたときには、ステップ120に進む。
ステップ120では、指移動位置推定手段30により、ステップ100で生成された複数の横ずれ位置において推定生成された推定画素データと、2ラインセンサ10で採取された実画素データとを比較し、最大類似点を示す推定画素データを探索する。最大類似点を示した推定画素データに対応する横移動位置を、第2の時刻t=t1におけるフレームデータの横ずれ量とする。例えば、図6で示した例で言えば、横ずれ量は−4〜4となる。そして、この横ずれ量は、合成メモリ90に記録される。
ステップ130では、横方向移動位置情報の度数が更新される。指移動位置推定手段30から、カウント手段45でカウントされている度数が更新されてもよいし、合成メモリ90に記録されている度数データが更新されてもよい。また、スイープ終了後に合成メモリ90から横移動位置情報を読み込んで、その時に度数を更新する場合には、ステップ130は、ステップ150とステップ160の間で実行する。
ステップ140では、ライン更新を行い、フレームデータが合成メモリ90に記録される。
ステップ150では、スイープが終了したか否かが判定される。スイープが終了していないときは、ステップ100に戻り、フレームデータの取得を繰返す。一方、スイープが終了しているときには、ステップ160に進む。
ステップ160では、傾き量算出手段40により、カウント手段45で数えられた度数分布から、平均値を算出し、対応表を用いて、スイープ時の傾き角度を推定する。
ステップ170では、横ずれ補正手段50及び/又は傾き補正手段60により、画像補正を実行し、その処理を終了する。ステップ170においては、指紋画像を実際の指紋に近付ける画像処理が行われ、これにより、指紋認証の精度を高めることができる。
なお、ステップ160及びステップ170は、指移動位置推定方法においては必須ではなく、指紋画像処理方法においても、必要な処理のみ実行するようにしてよい。
次に、図10及び図11を用いて、縦方向の1ラインの移動を検出する他の手法について説明する。
図10は、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200に適用するライン移動判定手段300の概略構成を示した図である。図10において、ライン移動判定手段300の主要構成要素は、2ラインセンサ10と、演算制御手段160とから構成される。演算制御手段160は、基準画像記憶手段120と、画像差算出手段130と、部分画像データ更新判定位置設定手段140とを備える。演算制御手段160の構成要素は、コンピュータ等と同様に種々の演算手段により構成されてよい。2ラインセンサ10は、指移動位置推定装置100と同様に、支持台80に設けられてよい。また、ライン移動判定手段300は、指移動位置推定装置100と同様に、画像を合成して指紋全体の画像を生成するための合成メモリ90を備える。2ラインセンサ10は、今までの説明と同様に、2本のラインセンサ11、12を有する。
なお、以後、ラインセンサ11、12同士の区別の容易のため、ラインセンサ11を第1のラインセンサ11、ラインセンサ12を第2のラインセンサ12と呼ぶこととする。
基準画像記憶手段120は、所定時刻の第2のラインセンサ12で取得した指紋のライン画像を記憶するための手段である。書き換え可能なメモリ等の記憶手段であればよく、例えば揮発性メモリ等が利用されてよい。詳細は後述するが、基準画像記憶手段120で、所定時刻の第2のラインセンサ12で取得したライン画像を基準ライン画像として記憶しておくことにより、これを比較参照のための基準画像とし、これとの対比により1ライン移動等の判断を行うことが可能となる。
画像差算出手段130は、2つのライン画像同士を比較し、この画像差を算出するための演算手段である。画像差は、2つの画像の相違度、非類似度を示す、画像の異なり度合を示す指標を意味する。2つの画像の画像差が大きければ、その2つの画像の間には大きな差があり、その異なり度合が大きい状態を意味する。一方、2つの画像の画像差が小さければ、その2つの画像は類似していることを意味する。同一の画像の場合は、画像差はゼロとなる。
なお、画像差の算出は、種々の手法が適用されてよいが、例えば、第1のラインセンサ11で取得したライン画像と第2のラインセンサ12で取得したライン画像を比較する場合には、互いに同座標にある画素同士の信号値を比較して差分を取り、差分の絶対値をラインセンサの総ての画素について合計した値で示してもよい。また、このような比較は、同一時刻に取得されたライン画像同士だけではなく、一旦基準画像記憶手段120に記憶されたライン画像と、指150が移動中に連続的に取得するライン画像との間で行うことも可能である。
画像差算出手段130は、その内部に算出した画像差を記憶するメモリ131等を備えてよい。本実施例に係るライン移動判定手段300においては、初期時刻等の所定時刻に取得した基準画像差を比較用の閾値とし、これに基づいて指150が1ライン以上移動したか否かを判定するので、閾値たる基準画像差を記憶しておく必要がある。メモリ131は、かかる基準画像差を記憶する役割を果たす。
部分画像データ更新位置設定手段140は、指150が1ライン以上移動したと判定したときに、次のライン移動の判定を行う位置を設定するための手段である。その具体的な演算内容の詳細は、後述する。
次に、図11を用いて、本実施例に係るライン移動判定手段300による正確な1ライン移動判定の演算制御内容について説明する。図11は、第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12により取得したライン画像データの、時間推移について説明するための図である。
図11(a)は、第1の時刻t=t0における第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12で取得したライン画像を示した図である。図11(a)において、第1のラインセンサ11と第2のラインセンサ12が平行に隣接して配列され、指150がその上を手前側にスイープ移動している状態を示している。図11(a)においては、第1の時刻t=t0における指150と第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12の位置関係が示されている。第1の時刻t=t0における第1のラインセンサ11で取得される指紋のライン画像をLineA(t0)、第2のラインセンサ12で取得される指紋のライン画像をLineB(t0)とすると、第2のラインセンサ12で取得されるライン画像LineB(t0)は、基準ライン画像として基準画像記憶手段120に記憶される。同時に、画像差算出手段130は、第1の時刻t=t0における第1のラインセンサ11で得られるライン画像と、第2のラインセンサ12で得られるライン画像とを比較し、これらの画像差αを基準画像差として算出する。また、時刻t0における基準画像差αは、メモリ131に記憶されてよい。
この後、時間の経過につれて指150はスイープして移動するため、第1のラインセンサ11で取得されるライン画像及び第2のラインセンサ12で取得されるライン画像は、LineA(t0)及びLineB(t0)のライン画像が徐々に下側(手前側)にずれた画像となり、変化してゆく。そして、指150がラインセンサ11、12の1本分の量を移動した時刻をt1とすると、時刻t0におけるライン画像LineA(t0)が、時刻t1における第2のラインセンサ12で取得されることになる。
図11(b)は、第2の時刻t=t1における第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12で取得したライン画像を示した図である。図11(b)において、第2の時刻t=t1における第2のラインセンサ12で取得されたライン画像をLineB(t1)とすると、上述のように時刻t1において、LineA(t0)とLineB(t1)の両画像は同一画像であるので、式(3)のように表される。
Figure 0004470979
ここで便宜上、画像差を記号⇔で表現すると、式(3)より次式が導出される。
Figure 0004470979
これは第1の時刻t=t0における第2のラインセンサ12で取得及び記憶した基準ライン画像LineB(t0)と、第2のラインセンサ12で撮像取得するライン画像とを比較して画像差算出手段130で両画像の画像差を算出し、これが基準画像差αに達した時刻t1を1ライン移動と判定できることを意味している。つまり、第2のラインセンサ12で取得されているライン画像と、基準ライン画像LineB(t0)との画像差を取得画像差βとすると、α=βとなった時刻t1が、指150が1ライン分移動したタイミングである。
第1の時刻t=t0から第2の時刻t=t1に到達するまでの取得画像差βの変化について考えると、まず第1の時刻t=t0のときの第2のラインセンサ12で取得されるライン画像LineB(t0)は、基準ライン画像LineB(t0)との関係で言えば、当然に同一画像であるので、その取得画像差β(t0)は、β(t0)=0である。つまり、以下の式(5)が成り立つ。
Figure 0004470979
さらに第1の時刻t=t0から第2の時刻t=t1への経過において、第1の時刻t=t0での基準ライン画像LineB(t0)と、t<t1である任意の時刻tでの第2のラインセンサ12で取得されるライン画像LineB(t)との画像差β(t)は、式(6)から式(7)のようになる。
Figure 0004470979
Figure 0004470979
このような関係から、第1の時刻t=t0における第1のラインセンサ11のライン画像LineA(t0)と第2のラインセンサ12のライン画像LineB(t0)同士の基準画像差αに対し、任意の時刻tにおける第2のラインセンサ12で撮像されるライン画像LineB(t)を取得し、取得画像差βがβ≧αとなった時点で、指150が1ライン以上移動したと判断することができる。そして、ライン移動の判定を行った段階で、基準ライン画像LineB(t0)と基準画像差αを順次更新するようにすれば、常に更新地点から次の1ライン移動の正確な判定が実施できることを意味する。
このようにして随時得られる部分イメージに対し、1ライン未満の移動時の部分イメージは都度除去し、1ライン以上の移動時の部分イメージのみを記録することで、部分イメージ毎の重なりをリアルタイムで除去できることになる。
このような、ライン移動判定手段300を、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200に適用してもよい。縦方向のライン移動判定については、ライン移動判定手段300により行い、ライン移動を判定したときの横方向移動位置については、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200で実行することにより、ライン移動判定に要する演算処理を軽減し、横ずれ検出の演算を素早く行なうことができる。
なお、ライン移動判定手段300は、本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の演算処理手段70に一体的に組み込んでもよいし、別個独立の装置として適用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200の機能ブロック図である。 推定画素データ生成手段20で行われる推定画素データ生成演算の説明図である。 図2(a)は、第1の時刻t=t0における2ラインセンサ10の画素データを示した図である。図2(b)は、第2の時刻t=t1における2ラインセンサ10の画素データを示した図である。 指移動位置推定用画素が6画素の場合の推定画素データ生成手段20の演算処理内容の説明図である。 指移動位置推定手段30で行う演算処理を説明するための比較対象図である。図4(a)は、第1の時刻t=t0における2ラインセンサ10上の画素データを示した図である。図4(b)は、第2の時刻t=t1において、横方向の移動は無い状態の画素データを示した図である。図4(c)は、指150が右下に45°の方向で、縦方向に1ライン分移動した状態の画素データを示した図である。 指150が、1画素以下の横方向の移動をした場合の画素データの例を示した図である。図5(a)は、指150が横方向へ22.5°移動した場合の画素データを示した図である。図5(b)は、指150が横方向へ11.25°移動した場合の画素データを示した図である。図5(c)は、指150が横方向へ33.75°移動した場合の画素データを示した図である。図5(d)は、指150が横方向へ9°移動した場合の画素データを示した図である。 指移動位置推定手段30が合成メモリ90に書き込む横方向移動位置情報である。 指150のスイープ態様の一例を示した図である。 図7とは異なる指150のスイープ態様の一例を示した図である。 本実施例に係る指移動位置推定方法及び画像処理方法のフローチャートである。 本実施例に係る指移動位置推定装置100及び指紋画像処理装置200に適用するライン移動判定手段300の概略構成を示した図である。 第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12により取得したライン画像データの、時間推移の説明図である。図11(a)は、時刻t0における第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12で取得したライン画像を示した図である。図11(b)は、時刻t1における第1のラインセンサ11及び第2のラインセンサ12で取得したライン画像を示した図である。
符号の説明
10 2ラインセンサ
11、12 ラインセンサ
20 推定画素データ生成手段
21、131 メモリ
30 指移動位置推定手段
40 スイープ傾き量算出手段
45 カウント手段
50 横ずれ補正手段
60 傾き補正手段
70 演算処理手段
71 指移動位置推定演算処理手段
72 画像補正処理手段
80 支持台
90 合成メモリ
100 指移動位置推定装置
120 基準画像記憶手段
130 画像差算出手段
140 部分画像データ更新位置設定手段
150 指
160 演算制御手段
200 指紋画像処理装置

Claims (14)

  1. 横方向に延在し、縦方向に隣接配置された2ラインセンサを有し、該2ラインセンサ上をスイープする指の1画素以下の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定装置であって、
    隣接する所定の2行2列の画素により第1の時刻に得られた画素データに基づいて、前記2行2列の画素のうち、前記スイープ方向にある1画素の前記指の移動位置及び/又は移動量に対応する推定画素データを生成する推定画素データ生成手段と、
    第2の時刻に前記1画素で採取された実画素データと、前記推定画素データ生成手段により生成された前記推定画素データとを比較し、前記指の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定手段と、を有することを特徴とする指移動位置推定装置。
  2. 前記推定画素データ生成手段は、前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動した位置に対応する推定画素データを生成し、
    前記第2の時刻は、前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動した時刻であって、
    前記指移動位置推定手段は、前記指の前記横方向の移動位置及び/又は移動量を推定することを特徴とする請求項1に記載の指移動位置推定装置。
  3. 前記推定画素データ生成手段は、前記縦方向には前記1ライン分移動した位置であって、前記横方向には1画素分の移動位置を分割した所定の横移動位置における推定画素データを複数生成し、
    前記指移動位置推定手段は、前記実画素データと、前記所定の横移動位置における推定画素データとを比較し、前記所定の横移動位置における推定画素データのうち、前記実画素データに最も近い画素データを有する前記所定の横移動位置を、前記指の横方向の移動位置として推定することを特徴とする請求項2に記載の指移動位置推定装置。
  4. 前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動する毎に該1ライン分のフレームデータを記録する合成メモリを更に有し、
    前記指移動位置推定手段は、前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報を、前記フレームデータともに前記合成メモリに記録することを特徴とする請求項3に記載の指移動位置推定装置。
  5. 前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報の度数を数えるカウント手段を更に有し、
    前記指のスイープが完了した時点で、前記カウント手段により数えられた前記横方向移動位置情報の度数分布に基づいて、前記指のスイープ傾き量を算出するスイープ傾き量算出手段、を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の指移動位置推定装置。
  6. 請求項4に記載の指移動位置推定装置を有し、
    前記指移動位置推定装置で得られた横方向移動位置情報を用いて、合成メモリに記録されたフレームデータの横ずれ補正を行う横ずれ補正手段を有することを特徴とする指紋画像処理装置。
  7. 請求項5に記載の指移動位置推定装置を有し、
    該指移動位置推定装置により前記指のスイープ傾き量を算出し、
    該指のスイープ傾き量を用いて合成メモリに記録されたフレームデータの傾き補正を行う所定の傾き補正手段、を備えたことを特徴とする指紋画像処理装置。
  8. 横方向に延在し、縦方向に隣接配置された2ラインセンサ上をスイープする指の1画素以下の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定方法であって、
    隣接する所定の2行2列の画素により第1の時刻に得られた画素データに基づいて、前記2行2列の画素のうち、前記スイープ方向にある1画素の前記指の移動位置及び/又は移動量に対応する推定画素データを生成する推定画素データ生成ステップと、
    第2の時刻に前記1画素で採取された実画素データと、前記画素データ生成手段により生成された前記推定画素データとを比較し、前記指の移動位置及び/又は移動量を推定する指移動位置推定ステップと、を有することを特徴とする指移動位置推定方法。
  9. 前記推定画素データ生成ステップは、前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動した位置に対応する推定画素データを生成し、
    前記第2の時刻は、前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動した時刻であって、
    前記指移動位置推定ステップは、前記指の前記横方向の移動位置及び/又は移動量を推定することを特徴とする請求項8に記載の指移動位置推定方法。
  10. 前記推定画素データ生成ステップは、前記縦方向には前記1ライン分移動した位置であって、前記横方向には1画素分の移動位置を分割した所定の横移動位置における推定画素データを生成し、
    前記指移動位置推定ステップは、前記実画素データと、前記所定の横移動位置における推定画素データとを比較し、前記所定の横移動位置における推定画素データのうち、前記実画素データに最も近い画素データを有する前記所定の横移動位置を、前記指の横方向の移動位置として推定することを特徴とする請求項9に記載の指移動位置推定方法。
  11. 前記指が前記2ラインセンサ上を前記縦方向に1ライン分移動する毎に該1ライン分のフレームデータを記録する合成メモリを有し、
    前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報を、前記フレームデータとともに前記合成メモリに記録することを特徴とする請求項10に記載の指移動位置推定方法。
  12. 前記横方向の移動位置を表す横方向移動位置情報の度数を数えるカウントステップを更に有し、
    前記指のスイープが完了した時点で、前記カウントステップで数えられた前記横方向移動位置情報の度数分布により、前記指のスイープ傾き量を算出するスイープ傾き量算出ステップ、を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の指移動位置推定方法。
  13. 請求項11に記載の指移動位置推定方法を実行し、
    該指移動位置推定方法で得られた横方向移動位置情報を用いて、合成メモリに記録されたフレームデータの横ずれ補正を行う横ずれ補正ステップ、を有することを特徴とする指紋画像処理方法。
  14. 請求項12に記載の指移動位置推定方法を実行し、
    該指移動位置推定方法により指のスイープ傾き量を算出し、
    該指のスイープ傾き量を用いて合成メモリに記録されたフレームデータの傾き補正を行う所定の傾き補正ステップ、を有することを特徴とする指紋画像処理方法。
JP2007231816A 2007-09-06 2007-09-06 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法 Expired - Fee Related JP4470979B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007231816A JP4470979B2 (ja) 2007-09-06 2007-09-06 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007231816A JP4470979B2 (ja) 2007-09-06 2007-09-06 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009064261A JP2009064261A (ja) 2009-03-26
JP4470979B2 true JP4470979B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=40558789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007231816A Expired - Fee Related JP4470979B2 (ja) 2007-09-06 2007-09-06 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4470979B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011077879A1 (ja) 2009-12-22 2011-06-30 日本電気株式会社 偽指判定装置
JP5641059B2 (ja) 2010-12-29 2014-12-17 富士通株式会社 生体情報登録装置及び生体情報登録方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3709344B2 (ja) * 2001-01-16 2005-10-26 Necソフト株式会社 指紋画像の入力方法、指紋画像の入力装置、プログラム、携帯型情報機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009064261A (ja) 2009-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4389971B2 (ja) 指紋画像形成装置及びこれに用いる指移動量推定方法
CN108446657B (zh) 手势抖动识别方法及装置、手势识别方法
JP4367475B2 (ja) 移動物体認識装置、移動物体認識方法及びコンピュータプログラム
JP2004110438A (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
WO2012029658A1 (ja) 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
JP2008147976A (ja) 画像傾き補正装置及び画像傾き補正方法
JP2019004305A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP4339221B2 (ja) 画像構成方法、指紋画像構成装置およびプログラム
JP4535104B2 (ja) 画像補正装置及び画像補正方法及びこれらを用いた指紋画像読取装置及び指紋画像読取方法
JP4470979B2 (ja) 指移動位置推定装置及びこれを用いた指紋画像処理装置、指移動推定方法及びこれを用いた指紋画像処理方法
JP2008152555A (ja) 画像認識方法及び画像認識装置
JP5034554B2 (ja) 相関演算装置、相関演算方法及びプログラム
JP3956817B2 (ja) 変位データ抽出方法及び物体検出装置
JP4411150B2 (ja) 画像構成方法、指紋画像構成装置およびプログラム
JP5068782B2 (ja) 距離測定方法および装置
JP2003050110A (ja) 3次元形状データ生成システム、3次元形状データ生成方法、プログラム、および記録媒体
CN114694025A (zh) 室内3d目标检测方法与装置、扫地机器人、存储介质
JP3066137B2 (ja) パターンマッチング方法
JP3568508B2 (ja) 情報再生システム
JP4862924B2 (ja) 指紋画像形成装置及び指紋画像形成方法
JP2002077578A (ja) 歪み補正装置およびその方法ならびに歪み補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4696239B2 (ja) 文字列の傾斜補正方法及び装置
JP4785158B2 (ja) イメージデータ傾き補正方法及びイメージ入力装置
JP4108910B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および記録媒体
JP6244755B2 (ja) 文字補正装置及び文字補正方法とプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4470979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees