JP6128039B2 - 変速機のブレーキ装置 - Google Patents

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    • F16H63/3026Constructional features of the final output mechanisms the final output mechanisms comprising elements moved by fluid pressure comprising friction clutches or brakes

Description

本発明は、車両に搭載される変速機のブレーキ装置に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
自動変速機や無段変速機等の車両に搭載される変速機においては、運転状態に応じて所定の回転部材を固定するための油圧式の多板ブレーキ装置が備えられることがある。
この種のブレーキ装置は、変速機ケースの内周面に形成されたスプラインと、その内側に配置された回転部材の外周面に形成されたスプラインとに、固定側摩擦板と回転側摩擦板とをそれぞれ複数枚ずつ交互に係合させると共に、これらの摩擦板でなる摩擦板セットの軸方向の一方側に、シリンダにピストンを嵌入させてなる油圧室を設けた構成で、該油圧室に油圧を供給したときに、前記ピストンが摩擦板セットの固定側摩擦板と回転側摩擦板とを軸方向に押圧して締結することにより、前記回転部材が変速機ケースに結合されて固定されるようになっている。
その場合に、前記油圧室を構成するシリンダは、変速機ケースの内部に縦壁部を設け、この縦壁部にピストンが嵌入される凹部を設けることにより形成されるのが通例で、油圧室に油圧を供給する油路は、該油圧室が変速機ケースの内周面に接して設けれられる場合は、変速機ケースの外周壁から油圧室に直接通じるように設けられ、また、例えばピストンの外周側に該ピストンのリターンスプリングが配設される場合などで、油圧室が変速機ケースの内周面から内側に離間して設けられる場合は、該油路は、変速機ケースの外周壁から前記縦壁部内を径方向の内側に向かって延びた上で油圧室に通じるように形成される。
一方、特許文献1に開示されたブレーキ装置では、図13に示すように、軽量化等を目的として、ピストンaと共に油圧室bを構成するシリンダcが金属薄板でなる断面略コ字状のリング状部材で形成され、これが変速機ケースdの内周面に嵌合、固定されていると共に、その嵌合部に前記シリンダc及び変速機ケースdを貫通して油路eが設けられ、該油路eを介して、変速機ケースdの外部から前記油圧室bに油圧を供給するようになっている。
特開平10−38080号公報
ところで、前記のように、変速機ケースの縦壁部に設けた凹部でなるシリンダにピストンを嵌入することにより油圧室を形成する構成、特に、該油圧室が変速ケースの内周面から内側に離間して設けられる場合は、前記縦壁部は油路を設けるだけの厚さが必要となり、これが、当該変速機の軸方向寸法を増大させる要因となる。
また、特許文献1のブレーキ装置のように、変速機ケースdの内周面に嵌合された金属薄板製のシリンダc内の油圧室bに該シリンダc及び変速機ケースdに設けた油路eにより油圧を供給する構成では、該油路eをシリンダcにおけるピストンaの受圧部a’の背部に設ける必要があり、そのため、シリンダcの軸方向寸法、ひいては当該変速機の軸方向寸法が長くなる。
そこで、本発明は、変速機のブレーキ装置、特に、油圧室が変速機ケースの内周面から内側に離間して設けられるブレーキ装置において、当該変速機の軸方向寸法の増大を抑制しながら、前記油圧室に油圧を供給する油路を設けることができる構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の変速機のブレーキ装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、変速機ケースの内周面にスプライン係合される固定側摩擦板と所定の回転部材の外周面にスプライン係合される回転側摩擦板とが交互に配置されてなる摩擦板セットと、該摩擦板セットの軸方向の一方側に配置された締結用ピストンと、前記変速機ケースの内側に設けられて前記締結用ピストンを収容するシリンダと、前記締結用ピストンの反摩擦板セット側に設けられ、油圧の供給時に前記固定側摩擦板と回転側摩擦板とを締結する締結用油圧室とを有する変速機のブレーキ装置であって、
前記締結用ピストンは、前記変速機ケースの内周面に離間状態で対向し、内側が前記締結用油圧室となる外周壁を有すると共に、
該締結用ピストンの外周壁に前記締結用油圧室内を臨む給油口が設けられており、かつ、
該給油口への油圧供給路は、前記変速機ケースの外部から該ケース内に突入し、先端が前記締結用ピストンの外周壁に弾力的に当接するシール部とされて前記給油口に油密的に連通する給油パイプによって構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の変速機のブレーキ装置において、
前記シリンダは、金属薄板でなる断面略コ字状のリング状部材でなり、該リング状部材が変速機ケースの内周面に嵌合、固定されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の変速機のブレーキ装置において、
前記締結用ピストンの反摩擦板セット側の端部の周縁部には、シリンダに摺接して前記締結用油圧室内を密封するシール部材が設けられていると共に、
前記締結用ピストンの外周側に、該ピストンのリターンスプリングが複数個、周方向に間隔を設けて配設されており、
前記給油パイプは、前記摩擦板セットとシール部材との間の軸方向位置で、前記リターンスプリングの配設位置と異なる周方向位置で、径方向に延びるように配設されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機のブレーキ装置において、
前記シリンダと締結用ピストンにより、前記締結用油圧室の外周側に第2の締結用油圧室が形成され、該第2の締結用油圧室への油圧供給路が設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の変速機のブレーキ装置において、
前記シリンダ内における前記締結用ピストンの反摩擦板セット側にクリアランス調整用ピストンが配設され、
前記締結用ピストンと前記クリアランス調整用ピストンとの間に前記締結用油圧室が設けられていると共に、
前記クリアランス調整用ピストンと前記シリンダとにより、油圧が供給されたときに前記クリアランス調整用ピストンを介して前記締結用ピストンを摩擦板セット側に移動させ、該摩擦板セットとのクラッチクリアランスを減少させるクリアランス調整用油圧室が設けられていることを特徴とする。
ここで、前記クラッチクリアランスとは、当該ブレーキ装置の解放状態において、前記締結用ピストンと、該ピストンによる摩擦板セットに対する押圧力を受け止める部材(リテーニングプレートや該リテーニングプレートの抜け止め用リング部材等)との間に生じる隙間のトータル寸法をいう。
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の変速機のブレーキ装置において、
前記締結用ピストンの外周側に、該ピストンのリターンスプリングと、前記クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動を所定位置で規制するストッパ部材との少なくとも一方である所定部材が周方向に間隔を設けて複数個配設されており、
前記給油パイプは、前記所定部材の配設位置と異なる周方向位置で、径方向に延びるように配設されていることを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、締結用油圧室への油圧供給路が、変速機ケースの外部から該ケース内に突入し、締結用ピストンの外周壁に設けられた給油口に連通される給油パイプによって構成されるので、締結用油圧室が変速機ケースの内周面から離間して設けられる場合においても、変速機ケースに油路を形成した厚い縦壁部を設ける必要がなくなる。したがって、油路を形成した縦壁部を設ける場合に比べて、変速機の軸方向寸法の短縮が可能となる。
また、前記給油パイプは、先端が締結用ピストンの外周壁に弾力的に当接するシール部とされているので、締結用ピストンの移動によっても、該給油パイプと、給油口が設けられた締結用ピストンの外周壁との当接部における油密性が損なわれることがなく、良好なシール性が維持される。
また、請求項2に記載の発明によれば、シリンダが変速機ケースの内周面に嵌合された金属薄板でなるリング状部材によって形成されるから、変速機ケースの内側にシリンダを形成するための縦壁部を設ける必要がなくなる。これにより、縦壁部を設ける場合に比べて、当該変速機の軸方向寸法のさらなる短縮が可能となると共に、軽量化が図られることになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記給油パイプは、摩擦板セットと締結用ピストンの反摩擦板セット側の端部の周縁部に装着されたシール部材との間の軸方向位置に配設されるから、給油パイプが前記シール部材よりも反摩擦板セット側に配設される場合に比べて、締結用油圧室の軸方向位置の短縮が可能となる。
そして、締結用ピストンの外周側に複数のリターンスプリングが周方向に間隔を設けて配設されている場合に、前記給油パイプは、これらのリターンスプリングの配設位置と周方向位置を異ならせて配設されるので、該給油パイプが締結用ピストンの前記シール部材が装着された端部よりも摩擦板セット側に配設されているにもかかわらず、該給油パイプとリターンスプリングとが干渉することはない。
また、請求項4に記載の発明によれば、締結用ピストンとシリンダとにより、前記締結用油圧室の外周側に第2の締結用油圧室が形成され、例えば自動変速機の場合の変速段に応じて両油圧室の両方又はいずれか一方に油圧を供給することにより、不必要な油圧の供給を回避しながら、各変速段で要求される制動トルクが得られることになる。
また、請求項5に記載の発明によれば、当該ブレーキ装置の締結時に、まずクリアランス調整用油圧室に油圧を供給してクラッチクリアランスを減少させ、その後、締結用油圧室に油圧を供給して締結用ピストンにより固定側摩擦板と回転側摩擦板とを締結するように制御すれば、ブレーキ装置が解放状態にあるときは、前記クラッチクリアランスが大きいので、摩擦板間の作動油の粘性等によって回転部材に作用する回転抵抗が小さくなり、当該変速機を駆動するエンジンの燃費性能が向上し、或いはモータによって駆動する場合は該モータの電力消費量が減少することになる。そして、ブレーキ装置の締結時には、前記クラッチクリアランスが小さくされているので、該ブレーキ装置が応答性良く締結されることになる。
特に、この請求項5に記載の発明を、例えば、容量が大きいため他のブレーキに比べて締結時の応答性の良い制御が困難で、しかも解放状態での回転抵抗が大きいローリバースブレーキに適用すれば、該ブレーキについての締結時の良好な応答性と解放状態における回転抵抗の低減が実現され、従来、ローリーバスブレーキと併用されていたワンウエィクラッチの廃止が可能となる、という効果が得られる。
さらに、請求項6に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の発明において、締結用ピストンの外周側にリターンスプリング又はクリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動を所定位置で規制するストッパ部材の少なくとも一方である所定部材が周方向に間隔を設けて複数個配設されている場合に、前記締結用油圧室に油圧を供給する給油パイプが、これらの所定部材の配設位置と周方向位置を異ならせて設けられるので、該給油パイプ油路と前記所定部材とが干渉することがない。
本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。 摩擦締結要素の締結の組み合わせと変速段との関係を示す表である。 第1実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 同実施形態の他の断面で切断した断面図である。 同実施形態の変形例を示す断面図である。 同実施形態の他の変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 第3実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 同実施形態の他の断面で切断した断面図である。 第4実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 同実施形態の他の断面で切断した断面図である。 同実施形態の0クリアランス状態を示す断面図である。 従来のブレーキ装置を示す断面図である。
以下、本発明を自動変速機に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、エンジン出力がトルクコンバータ(図示せず)を介して入力される入力軸2を有し、該入力軸2上に、反駆動源側(図の左側)から、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30が配置されていると共に、これらのギヤセット10〜30で構成される動力伝達経路を切り換えるための油圧式摩擦締結要素として、前記入力軸2からの動力をギヤセット10、20、30側へ選択的に伝達するロークラッチ40及びハイクラッチ50と、各ギヤセット10、20、30の所定の回転要素を固定するR35ブレーキ60、26ブレーキ70、及び、LRブレーキ80とが備えられている。
前記ギヤセット10、20、30は、いずれも、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、第1ギヤセット10のサンギヤ11に前記入力軸2が直接連結されていると共に、第2ギヤセット20のサンギヤ21と第3ギヤセット30のサンギヤ31とが結合されて、前記ロークラッチ40の出力部材41に連結されており、さらに、第2ギヤセット20のキャリヤ23が前記ハイクラッチ50の出力部材51に連結されている。
また、第1ギヤセット10のリングギヤ14と変速機ケース3との間に前記R35ブレーキ60が配設されていると共に、第1ギヤセット10のキャリヤ13と第2ギヤセット20のリングギヤ24とが結合されて、これらと変速機ケース3との間に前記26ブレーキ70が配設されており、さらに、第2ギヤセット20のキャリヤ23と第3ギヤセット30のリングギヤ34とが結合されて、これらと変速機ケース3との間に前記LRブレーキ80が配設されている。そして、第3ギヤセット30のキャリヤ33に、自動変速機1の出力を駆動輪(図示せず)側へ出力する出力ギヤ4が連結されている。
以上の構成により、この自動変速機1は、ロークラッチ40、ハイクラッチ50、R35ブレーキ60、26ブレーキ70及びLRブレーキ80の締結状態の組み合わせにより、図2に示すように、Dレンジでの1〜6速と、Rレンジでの後退速とが形成されるようになっている。
ここで、この実施形態における第3ギヤセット30の外周側に配置されたLRブレーキ80が本発明を適用したブレーキ装置に相当し、以下、このLRブレーキ80を本発明に係るブレーキ装置として説明する。
図3に示すように、まず第1実施形態に係るブレーキ装置80は、外周部が前記変速機ケース3の内周面に形成されたスプライン3aに係合された複数枚の固定側摩擦板81aと、内周部がハブ部材82の外周面に形成されたスプライン82aに係合された複数枚の回転側摩擦板81bとが交互に配置されてなる摩擦板セット81を有し、前記ハブ部材82は、前記第3ギヤセット30のリングギヤ34と、図1に示す第2ギヤセット20のキャリヤ23とに結合されている。
前記摩擦板セット81の反駆動源側(以下、反駆動源側を「後方」、駆動源側を「前方」とする)には、固定側摩擦板81aと同様に変速機ケース3のスプライン3aに係合され、スナップリング83により後方に対して抜け止めされたリテーニングプレート84が配設されており、また、摩擦板セット81の前方には、ピストン85及び該ピストン85が収容されたシリンダ86が配設されている。
前記シリンダ86は、金属薄板で形成された断面略コ字状のリング状部材で構成され、その外周面部86aが変速機ケース3の内周面に嵌合された状態で、該外周面部86aに設けられた突起86bが変速機ケース3に係合されることにより回り止めされており、また、スナップリング87により前方への抜け止めが図られている。
一方、前記ピストン85は、外周側及び内周側のフランジ部85a、85bと、両フランジ部85a、85bの径方向の中間に設けられて後方の摩擦板セット81側へ膨出する膨出部85cとを有する。そして、該ピストン85は前記シリンダ86に後方から嵌入され、前記両フランジ部85a、85bの周縁部に装着されたシール部材85d、85eが、シリンダ86の外周面部86aの内周面と内周面部86cの外周面とにそれぞれ摺動可能にかつ油密的に圧接されることにより、主としてピストン85における膨出部85cの内部空間により構成される油圧室88が形成されている。
また、前記ピストン85の膨出部85cの外周壁85fに給油口85gが設けられていると共に、変速機ケース3の外部の油圧供給装置89から延びる給油パイプ90が変速機ケース3に設けられた開口部3bを貫通し、前記給油口85gに向けて径方向の内方に向けて延びている。
この給油パイプ90は、パイプ本体90aと、その先端に取り付けられたラバーや柔軟な樹脂等で形成された弾力性を有するシール部材90bとを有し、このシール部材90bの先端が前記給油口85gを囲んだ状態でピストン85の膨出部外周壁85fの外周面に圧着されることにより、ピストン85のストローク範囲で、給油パイプ90と給油口85gないし油圧室88とが油密的に連通されている。
なお、前記パイプ本体90aにおける油圧供給装置89への装着部にもシール部材90cが用いられており、また、図示しないが、前記変速機ケース3の開口部3bも給油パイプ90が貫通した状態でシールされている。また、変速機ケース3には、ブレーキ装置80における摩擦板セット81に外部から潤滑油を供給するための給油口3cが設けられている。
さらに、図4に示すように、前記ピストン85における膨出部85cの外周壁85fの外周面には、周方向の複数個所に前側ばね受け部材91が固着されていると共に、これと対向するように、前記リテーニングプレート84の外周部の前面には、周方向の複数個所に後側ばね受け部材92が固着されており、互いに対向する前後のばね受け部材91、92間に、前記ピストン85のリターンスプリング93がそれぞれ装着されている。
その場合に、これらのリターンスプリング93と前記給油パイプ90との干渉を避けるため、給油パイプ90は、リターンスプリング93の配設位置と周方向位置を異ならせて設けられている。
次に、この第1実施形態の作用を説明すると、変速機ケース3の外部の油圧供給装置89から供給されるブレーキ装置80の締結用油圧は、給油パイプ90を通って変速機ケース3内に導入され、ピストン85の膨出部85cの外周壁85fに設けられた給油口85gから油圧室88に供給される。そして、この油圧により、ピストン85がリターンスプリング93の付勢力に抗して摩擦板セット81側にストロークする。
これにより、摩擦板セット81を構成する固定側摩擦板81aと回転側摩擦板81bとが前記ピストン85とリテーニングプレート84との間に挟み付けられ、これらが一体化されることによりブレーキ装置80が締結される。その結果、回転側摩擦板81bが係合されたハブ部材82を介して第2ギヤセット20のキャリヤ23及び第3ギヤセット30のリングギヤ34が固定される。
その場合に、このブレーキ装置80によれば、前記ピストン85に、内側空間が油圧室88を構成する膨出部85cが設けられ、この膨出部85cの外周壁85fに設けられた給油口85gに給油パイプ90が連通されるから、ピストン85の背部(前方)においてシリンダ86に給油口を設ける場合に比べて、該シリンダ86におけるピストン85より前方の部分(図3に符号Aで示す部分)の軸方向寸法を短縮することが可能となる。
また、油圧室88を構成するピストン85の膨出部85cは、変速機ケース3の内周面から内側に離間した位置に設けられているが、油圧室88への油圧の供給を、変速機ケース3の外部から開口部3bを貫通して該ケース3の内側へ延びる給油パイプ90によって行うので、変速機の軸方向寸法の増大が抑制されることになる。
即ち、油圧室が変速機ケースの内周面から内側に離間した位置に設けられる場合、従来においては、変速機ケースに凹部を有する縦壁部を設けてピストンを収容することにより油圧室を形成すると共に、この縦壁部に径方向内方に延びて前記ピストン背部の油圧室に通じる油路を設ける構成が一般的に用いられていたが、本実施形態における給油パイプ90を用いる構成によれば、油路を設けることによって厚くなる縦壁部が不要となり、その厚み分だけ変速機の軸方向寸法の短縮が可能となるのである。
そして、このブレーキ装置80においては、前記給油パイプ90が連通される給油口85gがピストン85に形成され、該ピストン85のストロークに伴い給油口85gが移動することになるが、給油パイプ90を構成するパイプ本体90aの先端には、ピストン85のストローク範囲で、先端が給油口85gを囲んだ状態で該ピストン85の膨出部外周壁85fに圧着した状態が維持されるシール部材90bが装着されているから、ピストン85のストロークによっても給油パイプ90と給油口85gないし油圧室88との連通部の良好なシール性が維持される。
なお、前記給油パイプ90を給油口85gないし油圧室88に連通させる構成については、図3に示す構成に代え、図5に示す第1変形例のように、ピストン85’の膨出部外周壁85f’の外周面における給油口85g’の周囲にボス部85h’を突設し、該ボス部85h’に、給油パイプ90’の先端に設けられた弾力性を有するパイプ状のシール部材90b’を圧入するようにしてもよい。
この場合、ピストン85’のストロークに伴い、給油パイプ90’の先端のシール部材90b’が軸方向に移動することになるので、この移動を許容するため、該給油パイプ90’を構成するパイプ本体90a’の油圧供給装置89側に、ラバーや柔軟な樹脂で形成された弾力性パイプ部材90c’が接続されており、これにより、ピストン85’がストロークしたときに、前記シール部材90b’と弾力性パイプ部材90c’とが屈曲することで、所要のシール性を確保しながら、該ピストン85’が円滑にストロークするように図られている(図12の給油パイプ390を参照)。
また、図6に示す第2変形例では、ピストン85”の膨出部外周壁85f”における給油口85g”の径を大きくし、給油パイプ90”におけるパイプ本体90a”の先端に設けられたシール部材90b”をこの給油口85g”に直接圧入するようにしてもよい。
この場合も、給油パイプ90”を構成するパイプ本体90a”の油圧供給装置89側に弾力性パイプ部材90c”が接続され、ピストン85”がストロークしたときに、前記シール部材90b”と弾力性パイプ部材90c”とが屈曲することで、所要のシール性を確保しながら、ピストン85”が円滑にストロークすることになる。
また、以上の第1実施形態に係るブレーキ装置80では、シリンダ86を、金属薄板でなる断面コ字状のリング状部材で構成したが、図7に示す第2実施形態に係るブレーキ装置180のように、シリンダ186を変速機ケース103に一体的に設けることも可能である。
この第2実施形態に係るブレーキ装置180においては、変速機ケース103に、その内周面から径方向内方に延びる縦壁部103aが一体的に設けられてると共に、その摩擦板セット181側の面に凹陥部103bが設けられ、この凹陥部103bが、ピストン185が嵌入されることにより油圧室188を形成するシリンダ186とされている。
この実施形態においても、ピストン185には摩擦板セット181側に膨出する膨出部185cが設けられ、変速機ケース103の外部から導かれた給油パイプ190が、該膨出部185cの外周壁185fに設けらた給油口185gを介して該膨出部185c内の油圧室188に連通されるので、前記第1実施形態と同様、ピストンの背部に油圧室への給油口が設けられる場合に比べて、シリンダ186におけるピストン185より前方の部分(図7に符号Bで示す部分)の軸方向寸法が短縮される。
また、前記縦壁部103aには凹陥部103bを設けるだけで、油圧室188に通じる油路を設ける必要がないから、該縦壁部103aを薄板状に形成することができ、したがって、縦壁部103aを設けることによる変速機の軸方向寸法の増大が抑制される。
次に、図8、図9に示す第3実施形態に係るブレーキ装置280ついて説明すると、このブレーキ装置280においては、シリンダ286と、該シリンダ286に嵌入されたピストン285とにより、前記第1実施形態における油圧室88に相当する第1油圧室288に加えて、その外周側に第2油圧室288が形成されている。
前記シリンダ286は、第1実施形態におけるシリンダ86と同様、金属薄板で形成された断面略コ字状のリング状部材で形成されているが、この実施形態では、変速機ケース203の内周面に嵌合される外周面部286aと、内周端部に設けられた内周面部286bに加えて、径方向の中間部に中間面部286cが段付き状に設けられている。
一方、ピストン285には、周縁部がシール部材285dを介して前記シリンダ286の外周面部286aの内周面に摺接する外周側フランジ部285aと、周縁部がシール部材285eを介して前記シリンダ286の内周面部286bの外周面に摺接する内周側フランジ部285bと、径方向の中間部に設けられた膨出部285cとに加え、前記外周側フランジ部285aと膨出部285cとの間に設けられて前方へ突出する突出部285hが設けられ、該突出部285hの先端に、前記シリンダ286の中間面部286cの外周面に摺接するシール部材285iが装着されている。
これにより、シリンダ286の縦面部における中間面部286cより内周側部分286d及び内周面部286bと、ピストン285の膨出部285c及び内周側フランジ部285bとにより、第1油圧室288が油密的に形成され、また、シリンダ286の中間面部286c、縦面部における該中間面部286cより外周側部分286e及び外周面部286aと、ピストン285の突出部285h及び外周側フランジ部285aとにより、第2油圧室288が油密的に形成されている。
そして、前記第1実施形態と同様、ピストン285の膨出部285cの外周壁285fに給油口285gが設けられていると共に、変速機ケース203の外部の油圧供給装置289から該ケース203の内部に給油パイプ290が導かれ、その先端に装着されたシール部材290bが、前記ピストン285の膨出部外周壁285fに設けられた給油口285gを囲むように圧着されることにより、該給油パイプ290が第1油圧室288に連通されている。
また、第2油圧室288に対しては、図9に示すように、変速機ケース203の外部から導かれ、前記シリンダ286の外周面部286aに設けられた開口部286fに接続された給油路294が設けられ、該給油路294により第2油圧室288に油圧が供給されるようになっている。
なお、固定側摩擦板281aと回転側摩擦板281bとでなる摩擦板セット281、ハブ部材282、リテーニングプレート284、及び、前側ばね受け部材291と後側ばね受け部材292との間に装着されたリターンスプリング293の構成等については、前記第1実施形態と同様である。
この実施形態に係るブレーキ装置280によれば、該ブレーキ装置280が締結される複数の変速段(1速及び後退速)で要求される回転部材(第2ギヤセット20のキャリヤ23及び第3ギヤセット30のリングギヤ34)に対する制動トルクの大きが異なる場合に、該制動トルクが大きいときは、第1、第2油圧室288、288の両方に締結用油圧を供給し、制動トルクが小さいときは、第1油圧室288又は第2油圧室288のいずれか一方に締結用油圧を供給するように制御することにより、各変速段において、必要以上に高い油圧を供給することによるポンプ駆動損失の増大を抑制しながら、所要の制動トルクが確保されることになる。
そして、この実施形態においても、第1油圧室288に対しては、ピストン285の膨出部外周壁285fに設けらた給油口285gに変速機ケース203の外部から導かれた給油パイプ290が連通されるので、2つの油圧室に対する給油路が必要な場合に、変速機ケースの内周面から内側に離間した方の油圧室には変速機ケースの縦壁部に設けた油路によって油圧を供給する場合に比べ、変速機の軸方向寸法の増大が抑制される。
次に、図10〜図12に示す第4実施形態に係るブレーキ装置380ついて説明すると、このブレーキ装置380は、前記第1実施形態のピストン85に相当する締結用ピストン385に加えて、ブレーキ装置380の締結時に、予めクラッチクリアランスを小さくしておくためのクリアランス調整用ピストン(以下、「調整用ピストン」という)385を有し、これらのピストン385、385が金属薄板で形成された断面略コ字状のリング状部材でなるシリンダ386内に、締結用ピストン385を摩擦板セット381側、調整用ピストン385を反摩擦板セット381に配置して収容されている。
前記調整用ピストン385は、前記第1実施形態のピストン85と同様、外周側及び内周側のフランジ部385a、385bと、これらの間の摩擦板セット381側に膨出する膨出部385cとを有し、両フランジ部385a、385bの周縁部には、前記シリンダ386の外周面部386aの内周面と内周面部386bの外周面とにそれぞれ摺動可能に圧接するシール部材385d、385eが装着されており、これにより、該調整用ピストン385とシリンダ386とでクリアランス調整用油圧室(以下、「調整用油圧室」という)388が油密的に形成されている。
一方、前記締結用ピストン385は、前記第1実施形態のピストン85における膨出部85cに相当し、該膨出部85cと同様、断面略コ字状とされている。この締結用ピストン385内に前記調整用ピストン385の膨出部385cが嵌入され、その嵌入部の外周及び内周がシール部材385a、385bによってそれぞれシールされることにより、該締結用ピストン385と調整用ピストン385との間に、第1実施形態における油圧室88に相当する締結用油圧室388が形成されている。
ここで、締結用ピストン385に対する調整用ピストン385の摩擦板セット38側への相対移動を所定位置で規制し、締結用油圧室388となる所定容量の空間を確保するために、調整用ピストン385の膨出部385cには、締結用ピストン385の内面に対向する突出部385f(図11参照)が設けられている。
また、前記締結用ピストン385の外周壁385fに給油口385gが設けられ、該給油口385gに、変速機ケース303の外部の油圧供給装置389から導かれて締結用油圧室388に油圧を供給する給油パイプ390が連通されている。
この給油パイプ390は、図5に示す給油パイプ90’と同様、パイプ本体390aとその先端に接続された弾力性を有するパイプ状のシール部材390bとを有し、該シール部材390が前記給油口385gの周囲に突設されたボス部385hに嵌入されていると共に、パイプ本体390aの油圧供給装置389側にも弾力性パイプ部材390cが接続されており、締結用ピストン385のストロークに伴い、図12に示すように、前記シール部材390bと弾力性パイプ部材390cとが屈曲し、所要のシール性を確保しながら、該ピストン385が円滑にストロークするように図られている。
なお、パイプ部材390と給油口385gないし締結用油圧室388との連通構造については、図3に示す給油パイプ90や、図6に示す給油パイプ90”等の構成を用いることも可能である。
また、前記調整用油圧室388に対しては、図11に示すように、変速機ケース303を貫通して該ケース303内に突入し、前記シリンダ386の外周面部386aに設けられた開口部386cに接続された調整用油圧供給路394が設けらている。
さらに、前記調整用ピストン385には、調整用油圧室388に油圧が供給されたときの該ピストン385の摩擦板セット381側へのストロークを所定位置で規制し、前記クラッチクリアランスを極力小さくしておくためのストッパ部材395が設けられている。
即ち、調整用ピストン385の外周側フランジ385aの摩擦板セット381側の面には、締結用ピストン385の外周側を通過して摩擦板セット381側に延びる櫛歯状のストッパ部材395が固着されており、該ストッパ部材395の周方向に並ぶ複数の歯395aは、固定側摩擦板381aの外周におけるスプラインの谷部を通過して、先端がリテーニングプレート384の前面に対向し、当該ブレーキ装置380の解放状態で、各歯395aの先端面とリテーニングプレート384の前面との間に所定寸法xの隙間が生じるように設定されている。
なお、前記給油パイプ390は、ストッパ部材395との干渉を避けるため、該ストッパ部材395の隣接する2つの歯395a、395aの間の間隙を通って径方向の外方から締結用ピストン385に向かって延びている。
また、この実施形態においては、隣接する固定側摩擦板381a、381a間又は最後方の固定側摩擦板381aとリテーニングプレート384との間に、これらを離間させるためのセパレートスプリング393が設けられているが、これに代えて、リテーニングプレート384と締結用ピストン385との間に、図4、図9に示す第1、第3実施形態のリターンスプリング93、293と同様のリターンスプリングを設けてもよい。
この実施形態に係るブレーキ装置380によれば、締結時に、まず、図10、図11に示す状態から調整用油圧供給路394により調整用油圧室388に油圧を供給すれば、調整用ピストン385が摩擦板381側にストロークすると共に、該ピストン385の膨出部385cの先端に設けられた突出部385fが締結用ピストン385の内面に当接することにより、該締結用ピストン385も摩擦板セット381側にストロークする。
そして、調整用ピストン385が前記寸法xだけストロークした時点で該調整用ピストン385に設けられた櫛歯状のストッパ部材395の歯395aの先端がリテーニングプレート384の前面に当接し、この状態で両ピストン385、385のストロークが規制される。
このとき、図12に示すように、セパレーティングスプリング393の付勢力に抗して、隣接する固定側摩擦板381a、381aの間隔、及び、最後方の固定側摩擦板381aとリテーニングプレート384との間の間隔がつめられ、クラッチクリアランスが0又は0に近いごく小さな値とされ、いわゆる0クリアランス状態となる。
なお、このとき、給油パイプ390を構成するシール部材390b及び弾力性パイプ部材390cが屈曲し、締結用ピストン385及び調整用ピストン385のストロークの抵抗となることはない。
次いで、前記給油パイプ390により締結用油圧室388に油圧を供給すれば、締結用ピストン385が摩擦板セット381をリテーニングプレート384に押し付けることにより、固定側摩擦板381a及びリテーニングプレート384の間に回転側摩擦板381bが挟み付けられ、ブレーキ装置380が締結される。
このとき、前記クラッチクリアランスが予め0又は0に近いごく小さな値とされているので、締結用油圧の供給により速やかにブレーキ装置380が締結され、締結動作の高い応答性が得られる。一方、ブレーキ装置380の解放状態においては、所定のクラッチクリアランスが確保されているから、固定側摩擦板381a及びリテーニングプレート384と回転側摩擦板381bとの間の作動油の粘性抵抗等による回転抵抗の増大が抑制され、ブレーキ装置380の解放状態におけるるエンジンの燃費性能の向上等と、該ブレーキ装置380の締結時における良好な応答性とが得られる。
そして、この実施形態においても、変速機ケース303の内周面から内側に離間した締結用油圧室388に油圧を供給する構成として、変速機ケース303の外部の油圧供給装置389から該ケース303内に延び、締結用ピストン385の外周壁385fに設けられた給油口385gに連通するる給油パイプ390が用いられているので、変速機ケースの縦壁部に設けた油路から油圧を供給する場合に比べて、変速機の軸方向寸法の増大が効抑制されることになる。
なお、以上の実施形態は、本発明を図1に骨子を示す自動変速機のLRブレーキ80に適用したものであるが、その他のブレーキ60、70にも同様に適用することができ、また変速機構の構成の異なる自動変速機、さらに、この種のブレーキ装置が備えられる無段変速機等におけるブレーキ装置にも同様に適用される。
以上のように、本発明に係る変速機のブレーキ装置によれば、変速機全体の軸方向寸法の短縮が可能となるので、この種の変速機ないしこれを搭載した車両の製造技術分野において、好適に利用される可能性がある。
3、103、203、303 変速機ケース
85、185、285、385 締結用ピストン
385 調整用ピストン
86、186、286,386 シリンダ
88、188、288、388 締結用油圧室
388 調整用油圧室
90、190、290、390 給油パイプ
93、293 リターンスプリング
395 ストッパ部材

Claims (6)

  1. 変速機ケースの内周面にスプライン係合される固定側摩擦板と所定の回転部材の外周面にスプライン係合される回転側摩擦板とが交互に配置されてなる摩擦板セットと、該摩擦板セットの軸方向の一方側に配置された締結用ピストンと、前記変速機ケースの内側に設けられて前記締結用ピストンを収容するシリンダと、前記締結用ピストンの反摩擦板セット側に設けられ、油圧の供給時に前記固定側摩擦板と回転側摩擦板とを締結する締結用油圧室とを有する変速機のブレーキ装置であって、
    前記締結用ピストンは、前記変速機ケースの内周面に離間状態で対向し、内側が前記締結用油圧室となる外周壁を有すると共に、
    該締結用ピストンの外周壁に前記締結用油圧室内を臨む給油口が設けられており、かつ、
    該給油口への油圧供給路は、前記変速機ケースの外部から該ケース内に突入し、先端が前記締結用ピストンの外周壁に弾力的に当接するシール部とされて前記給油口に油密的に連通する給油パイプによって構成されていることを特徴とする変速機のブレーキ装置。
  2. 前記シリンダは、金属薄板でなる断面略コ字状のリング状部材でなり、該リング状部材が変速機ケースの内周面に嵌合、固定されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機のブレーキ装置。
  3. 前記締結用ピストンの反摩擦板セット側の端部の周縁部には、シリンダに摺接して前記締結用油圧室内を密封するシール部材が設けられていると共に、
    前記締結用ピストンの外周側に、該ピストンのリターンスプリングが複数個、周方向に間隔を設けて配設されており、
    前記給油パイプは、前記摩擦板セットとシール部材との間の軸方向位置で、前記リターンスプリングの配設位置と異なる周方向位置で、径方向に延びるように配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機のブレーキ装置。
  4. 前記シリンダと締結用ピストンにより、前記締結用油圧室の外周側に第2の締結用油圧室が形成され、該第2の締結用油圧室への油圧供給路が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機のブレーキ装置。
  5. 前記シリンダ内における前記締結用ピストンの反摩擦板セット側にクリアランス調整用ピストンが配設され、
    前記締結用ピストンと前記クリアランス調整用ピストンとの間に前記締結用油圧室が設けられていると共に、
    前記クリアランス調整用ピストンと前記シリンダとにより、油圧が供給されたときに前記クリアランス調整用ピストンを介して前記締結用ピストンを摩擦板セット側に移動させ、該摩擦板セットとのクラッチクリアランスを減少させるクリアランス調整用油圧室が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機のブレーキ装置。
  6. 前記締結用ピストンの外周側に、該ピストンのリターンスプリングと、前記クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動を所定位置で規制するストッパ部材との少なくとも一方である所定部材が周方向に間隔を設けて複数個配設されており、
    前記給油パイプは、前記所定部材の配設位置と異なる周方向位置で、径方向に延びるように配設されていることを特徴とする請求項5に記載の変速機のブレーキ装置。
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