JP6187360B2 - 変速機のブレーキ装置 - Google Patents

変速機のブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6187360B2
JP6187360B2 JP2014071579A JP2014071579A JP6187360B2 JP 6187360 B2 JP6187360 B2 JP 6187360B2 JP 2014071579 A JP2014071579 A JP 2014071579A JP 2014071579 A JP2014071579 A JP 2014071579A JP 6187360 B2 JP6187360 B2 JP 6187360B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
fastening
clearance
friction plate
hydraulic chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014071579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015194179A (ja
Inventor
龍彦 岩▲崎▼
龍彦 岩▲崎▼
真也 鎌田
真也 鎌田
康弘 小河内
康弘 小河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014071579A priority Critical patent/JP6187360B2/ja
Publication of JP2015194179A publication Critical patent/JP2015194179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187360B2 publication Critical patent/JP6187360B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

本発明は、車両に搭載される変速機のブレーキ装置に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
自動変速機等の車両に搭載される変速機は、遊星歯車機構等でなる動力伝達経路を複数の油圧式摩擦締結要素の選択的な締結によって変速段を自動的に切り換えるように構成されたもので、各変速段は、基本的には2つの摩擦締結要素の締結によって形成されるようになっているが、Dレンジの1速については、従来、変速動作の円滑化等を目的として、1つの摩擦締結要素とOWC(ワンウェイクラッチ)とで形成するのが通例であった。
しかし、OWCはコストが高く、また、Dレンジの1速以外では回転抵抗となってエンジンの燃費性能の向上の妨げとなるので、近年、OWCの廃止が提案され或いは実行されている。
その場合、1速は、例えば、1速を含む所定の低変速段で締結されるロークラッチ等の摩擦締結要素と、1速と後退速とで締結されるローリバースブレーキ等の摩擦締結要素とを締結することにより形成し、1速への変速は、前者の摩擦締結要素が締結されている状態で、後者の摩擦締結要素を締結することにより行うように構成される。したがって、他の変速段から1速への変速を良好に行うためには、前記ローリバースブレーキ等の摩擦締結要素を締結する際のタイミングや締結力の制御を緻密に行うことが必要となる。
このような課題に対処するため、特許文献1には、2つのピストンを有するタンデム式の油圧アクチュエータを用いたローリバースブレーキが開示されている。
図14に示すように、このブレーキ装置100は、変速機ケース101と該ケース101内に収納された回転部材102との間に、変速機ケース内周面にスプライン係合された複数の固定側摩擦板103と回転部材外周面にスプライン係合された複数の回転側摩擦板104とを交互に配置すると共に、これらの摩擦板103、104をリターンスプリング105の付勢力に抗して締結する締結用ピストン106と、その背部に配置されたクリアランス調整用ピストン107とを備えた構成とされている。
前記ブレーキ装置100では、非締結時に、図14(a)に示すように、リターンスプリング105の付勢力により両ピストン106、107が後退位置に保持されて、比較的大きなクラッチクリアランス(締結用ピストンとリテーニングプレートとの間の寸法から全摩擦板の厚さの総和を減じた値)が生じている。
そして、この状態からクリアランス調整用ピストン107の油圧室(以下、「クリアランス調整用油圧室」という)109に油圧を供給させると、図14(b)に示すように、両ピストン106、107がリターンスプリング105の付勢力に抗してクリアランス調整用ピストン107のストロークエンドまで前進することにより、両ピストン106、107が前進した距離だけクラッチクリアランスが減少する。
したがって、クリアランス調整用油圧室109に油圧を供給しておくと、両摩擦板103、104の締結に際して、締結用ピストン106の油圧室(以下、「締結用油圧室」という)110に油圧を供給したときに応答性良く締結されることになり、締結動作のタイミングや締結力を緻密に制御することが可能となる。一方、解放時には、比較的大きなクラッチクリアランスが生じているので、固定側摩擦板103と回転側摩擦板104との間の摺動抵抗、すなわち回転部材の抵抗が少なく、エンジンの燃費性能やモータの電力消費量の増大を抑制することが可能となる。
特開2005−265063号公報
前記特許文献1に記載のブレーキ装置100では、図14に示すように、締結用油圧室110を構成するシリンダは、変速機ケース101の内側に縦壁部111を設けて、この縦壁部111に締結用ピストン106が嵌入されてなる第1凹部112を設けて形成され、クリアランス調整用油圧室109を構成するシリンダは、前記縦壁部111に前記第1凹部112の背部にクリアランス調整用ピストン107が嵌入されてなる第2凹部113を設けて形成されている。
そして、クリアランス調整用油圧室109に油圧が供給されたとき、クリアランス調整用ピストン107が、前記第1凹部112内に突出して前進することにより、締結用ピストン106を摩擦板セット側へ移動させるようになっている。
このため、前記ブレーキ装置100では、クリアランス調整用油圧室109に油圧が供給されたとき、クリアランス調整用ピストン107の前進移動に伴って締結用油圧室110の容積が増大するように構成されている。
このように、クリアランス調整用ピストンの移動に伴って締結用油圧室が増大すると、両摩擦板の締結に際して、締結用油圧室に油圧を供給したときの応答性が低下し、クリアランス調整用ピストンを設けたことによる応答性の向上効果が損なわれるおそれがある。
そこで、本発明は、締結用ピストンとクリアランス調整用ピストンとを有する変速機のブレーキ装置において、クリアランス調整用ピストンの移動時に締結用油圧室の容積を略一定にでき、締結用油圧室を小さく形成することが可能である変速機のブレーキ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機のブレーキ装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、変速機ケースの内周面にスプライン係合される複数の固定側摩擦板と所定の回転部材の外周面にスプライン係合される複数の回転側摩擦板とが交互に配置されてなる摩擦板セットと、前記摩擦板セットの軸方向の一方側に配置された締結用ピストンと、前記締結用ピストンの反摩擦板セット側に配置され、前記締結用ピストンを摩擦板セット側へ移動させてクラッチクリアランスを調整するためのクリアランス調整用ピストンと、油圧が供給されたときに前記クリアランス調整用ピストンを摩擦板セット側へ移動させるクリアランス調整用油圧室と、油圧が供給されたときに前記締結用ピストンを摩擦板セット側へ移動させる締結用油圧室とを有する変速機のブレーキ装置であって、前記締結用ピストンは、前記摩擦板セット側へ膨出する膨出部を備え、前記クリアランス調整用ピストンは、前記締結用ピストンの膨出部の内部に嵌め込まれる前記摩擦板セット側へ膨出する膨出部を備え、前記締結用油圧室は、前記締結用ピストンの膨出部と該膨出部の内部に嵌め込まれた前記クリアランス調整用ピストンの膨出部とによって形成されている、ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の変速機のブレーキ装置において、前記摩擦板セットの軸方向の他方側に配置されたリテーニングプレートと、前記クリアランス調整用ピストンに固設されると共に前記クリアランス調整用ピストンとの固設部より前記軸方向の他方側へ延設されたストッパ部材と、を備え、前記ストッパ部材は、前記クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動時に、該ストッパ部材の軸方向の他方側が前記リテーニングプレートに当接して前記クリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の変速機のブレーキ装置において、前記ストッパ部材は、前記クリアランス調整用油圧室及び前記締結用油圧室のうち前記クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときに、該ストッパ部材の軸方向の他方側が前記リテーニングプレートに当接して前記クリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の変速機のブレーキ装置において、隣接する前記固定側摩擦板の間にそれぞれ配設され、該隣接する固定側摩擦板を離反方向に付勢する付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記クリアランス調整用油圧室及び前記締結用油圧室のうち前記クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている、ことを特徴とする。

上記の構成により、本願の請求項1に記載の発明によれば、摩擦板セットの軸方向の一方側に締結用ピストン及びクリアランス調整用ピストンが配置された変速機のブレーキ装置において、締結用油圧室は、締結用ピストンの摩擦板セット側へ膨出する膨出部と該膨出部の内部に嵌め込まれたクリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側へ膨出する膨出部とによって形成されている。
これにより、クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動時に締結用油圧室の容積を略一定にできるので、例えば、図14に示すブレーキ装置100のように締結用油圧室の容積が増大する場合に比べて締結用油圧室を小さく形成することが可能である。締結用油圧室を小さく形成することで、摩擦板をさらに応答性良く締結することができ、締結動作のタイミングや締結力をより緻密に制御することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、クリアランス調整用ピストンに固設されて軸方向の他方側へ延設されるストッパ部材が設けられ、ストッパ部材は、クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動時に軸方向の他方側がリテーニングプレートに当接してクリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている。
これにより、シール部材用溝部を形成してシール部材を装着したりスナップリング用溝部を形成してスナップリングを装着したりすることなく、比較的簡素な構成によってクリアランス調整用ピストンの移動を確実に規制することができる。また、クリアランス調整用ピストンにシール部材用溝部を形成してシール部材を装着する場合やスナップリング用溝部を形成してスナップリングを装着する場合に比べて生産性を向上させることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、ストッパ部材は、クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときに、軸方向の他方側がリテーニングプレートに当接してクリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制することにより、両摩擦板の締結に際して、予めクラッチクリアランスを確実に減少させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、隣接する固定側摩擦板の間にそれぞれ該隣接する固定側摩擦板を離反方向に付勢する付勢部材が配設され、付勢部材は、クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている。これにより、クラッチクリアランスを減少させたときに、隣接する固定側摩擦板の間の離間距離のバラツキを抑制して略均一にすることができ、前記離間距離が不均一である場合に比べて摩擦板間の摺動抵抗を低減することができ、燃費性能の向上を図ることができる。
さらに、隣接する固定側摩擦板の間にそれぞれ配設された付勢部材を、締結用ピストンを反摩擦板セット側へ移動させるリターンスプリングとして用いることができるので、リターンスプリングを別途配設する必要がなく、前記効果をより有効に奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る自動変速機の骨子図である。 摩擦締結要素の締結の組み合わせと変速段との関係を示す表である。 第1実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 第1実施形態に係るブレーキ装置の他の断面で切断した断面図である。 図3におけるY5−Y5線に沿ったブレーキ装置の断面図である。 図6の要部を拡大して示す要部拡大図である。 第1実施形態に係るブレーキ装置のクリアランス調整用油圧室への油圧供給時の状態を示す断面図である。 第2実施形態に係るブレーキ装置を説明するための説明図である。 第3実施形態に係るブレーキ装置を説明するための説明図である。 第4実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 第5実施形態に係るブレーキ装置を説明するための説明図である。 第6実施形態に係るブレーキ装置を説明するための説明図である。 第7実施形態に係るブレーキ装置の断面図である。 従来の自動変速機のブレーキ装置を示す断面図である。
以下、本発明を自動変速機に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、エンジン出力がトルクコンバータ(図示せず)を介して入力される入力軸2を有し、該入力軸2上に、反駆動源側(図の左側)から、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30が配置されていると共に、これらのギヤセット10、20、30で構成される動力伝達経路を切り換えるための油圧式摩擦締結要素として、前記入力軸2からの動力をギヤセット10、20、30側へ選択的に伝達するロークラッチ40及びハイクラッチ50と、各ギヤセット10、20、30の所定の回転要素を固定するR35ブレーキ60、26ブレーキ70、及び、LRブレーキ80とが備えられている。
前記ギヤセット10、20、30は、いずれも、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、第1ギヤセット10のサンギヤ11に前記入力軸2が直接連結されていると共に、第2ギヤセット20のサンギヤ21と第3ギヤセット30のサンギヤ31とが結合されて、前記ロークラッチ40の出力部材41に連結されており、さらに、第2ギヤセット20のキャリヤ23が前記ハイクラッチ50の出力部材51に連結されている。
また、第1ギヤセット10のリングギヤ14と変速機ケース3との間に前記R35ブレーキ60が配設されていると共に、第2ギヤセット20のリングギヤ24と第1ギヤセット10のキャリヤ13とが結合されて、これらと変速機ケース3との間に前記26ブレーキ70が配設されており、さらに、第3ギヤセット30のリングギヤ34と第2ギヤセット20のキャリヤ23とが結合されて、これらと変速機ケース3との間に前記LRブレーキ80が配設されている。そして、第3ギヤセット30のキャリヤ33に、自動変速機1の出力を駆動輪(図示せず)側へ出力する出力ギヤ4が連結されている。
以上の構成により、この自動変速機1は、ロークラッチ40、ハイクラッチ50、R35ブレーキ60、26ブレーキ70及びLRブレーキ80の締結状態の組み合わせにより、図2に示すように、Dレンジでの1〜6速と、Rレンジでの後退速とが形成されるようになっている。
ここで、この実施形態における第3ギヤセット30の外周側に配置されたLRブレーキ80が本発明を適用したブレーキ装置に相当し、以下、このLRブレーキ80を本発明に係るブレーキ装置として説明する。
図3に示すように、まず第1実施形態に係るブレーキ装置80は、外周部が前記変速機ケース3の内周面に形成されたスプライン3aに係合された複数枚の固定側摩擦板81aと、内周部が回転部材としてのハブ部材82の外周面に形成されたスプライン82aに係合された複数枚の回転側摩擦板81bとが交互に配置されてなる摩擦板セット81を有し、前記ハブ部材82は、前記第3ギヤセット30のリングギヤ34と、図1に示す第2ギヤセット20のキャリヤ23とに結合されている。
前記摩擦板セット81の反駆動源側(以下、反駆動源側を「後方」、駆動源側を「前方」とする)には、固定側摩擦板81aと同様に変速機ケース3のスプライン3aに係合され、スナップリング83により後方に対して抜け止めされたリテーニングプレート84が配設されている。
前記摩擦板セット81の前方には、固定側摩擦板81aと回転側摩擦板81bを締結するための締結用ピストン85、締結用ピストン85を摩擦板セット側へ移動させてクラッチクリアランスを調整するためのクリアランス調整用ピストン86、及び両ピストン85、86が収容されたシリンダ87が順に配設されている。クリアランス調整用ピストン86は、ブレーキ装置80の締結時に、予めクラッチクリアランスを小さくしておくためのピストンである。
前記シリンダ87は、金属薄板で形成された断面略コ字状のリング状部材で構成され、その外周面部87aが変速機ケース3の内周面に嵌合された状態で、該外周面部87aに設けられた突起87bが変速機ケース3に係合されることにより回り止めされており、また、スナップリング88により前方への抜け止めが図られている。
前記クリアランス調整用ピストン86は、外周側及び内周側のフランジ部86a、86bと、両フランジ部86a、86bの径方向の中間に設けられて後方の摩擦板セット81側へ膨出する断面略コ字状の膨出部86cとを有する。そして、該クリアランス調整用ピストン86は前記シリンダ87に後方から嵌入され、前記両フランジ部86a、86bの周端縁に装着されたシール部材86d、86eが、シリンダ87の外周面部87aの内周面と内周面部87cの外周面とにそれぞれ摺動可能にかつ油密的に圧接されることにより、前記シリンダ87とクリアランス調整用ピストン86とによりクリアランス調整用油圧室89が油密的に形成されている。
前記クリアランス調整用油圧室89に対しては、図4に示すように、変速機ケース3を貫通して該変速機ケース3内に突入し、前記シリンダ87の外周面部87aに設けられた開口部87dに接続された調整油圧供給路94が設けられている。
前記クリアランス調整用油圧室89にクリアランス調整用油圧が供給されたときにクリアランス調整用ピストン86が摩擦板セット81側へ移動し、クリアランス調整用ピストン86を介して締結用ピストン85を摩擦板セット81側へ移動させ、両摩擦板81a、81bの締結に際して、予め所定のクラッチクリアランスになる位置に調整される。
クリアランス調整用ピストン86には、クリアランス調整用油圧室89にクリアランス調整用油圧が供給されたときの摩擦板セット81側へのストロークを所定のクラッチクリアランスになる位置で規定し、前記クラッチクリアランスを極力小さくしておくためのストッパ部材95が設けられている。
クリアランス調整用ピストン86の外周側フランジ86aの摩擦板セット81側の面には、締結用ピストン85の外周側を通過して摩擦板セット81側に延びる櫛歯状のストッパ部材95が固着されている。このストッパ部材95は、変速機ケース3の内周面の内周側且つ回転側摩擦板81bの外周側において延設されている。
ストッパ部材95の周方向に並ぶ複数の歯95aは、図5及び図6に示すように、固定側摩擦板81aの外周におけるスプラインの谷部を通過して、先端がリテーニングプレート84の前面に対向し、当該ブレーキ装置80の解放状態で、すなわち両ピストン85、86の後退位置においては、各歯95aの先端面とリテーニングプレート84の前面との間に、図4に示すように所定寸法xの隙間が生じるように設定されている。
一方、前記締結用ピストン85は、後方の摩擦板セット81側へ膨出する断面略コ字状の膨出部85cを有する。この締結用ピストン85の膨出部85cの内部に、クリアランス調整用ピストン86の膨出部86cが嵌め込まれ、その嵌め込まれた部分の外周及び内周がシール部材85d、85eによってそれぞれ摺動可能に且つ油密的にシールされている。
前記締結用ピストン85の膨出部85cの外周壁85a及び内周壁85bにそれぞれ形成されたシール部材用溝部にシール部材85d、85eが装着され、締結用ピストン85とクリアランス調整用ピストン86とによって締結用油圧室90が油密的に形成されている。
ここで、締結用ピストン85に対するクリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への相対移動を所定位置で規制し、締結用油圧室90となる所定容量の空間を確保するために、クリアランス調整用ピストン86の膨出部86cには、締結用ピストン85の内面に対向する突出部86fが設けられている。
また、前記締結用ピストン85の膨出部85cの外周壁85aに給油口85fが設けられていると共に、変速機ケース3の外側の油圧供給装置91から延びる給油パイプ92が変速機ケース3に設けられた開口部3bを貫通し、前記給油口85fに向けて径方向の内方に向けて延びている。
この給油パイプ92は、パイプ本体92aと、その先端に取り付けられたラバーや柔軟な樹脂等で形成された弾力性を有するシール部材92bとを有し、このシール部材92bの先端が前記給油口85fを囲んだ状態で締結用ピストン85の膨出部外周壁85aの外周面に圧着されることにより、締結用ピストン85のストローク範囲で、給油パイプ92と給油口85fないし締結用油圧室90とが油密的に連通されるようになっている。
なお、給油パイプ92は、ストッパ部材95との干渉を避けるため、ストッパ部材95の隣接する歯と歯の間の隙間を通って径方向の外方から締結用ピストン85に向かって延びている。
前記パイプ本体92aの上端部における油圧供給装置91への装着部にもシール部材92cが用いられており、また、図示しないが、前記変速機ケース3の開口部3bも給油パイプ92が貫通した状態でシールされるようになっている。また、変速機ケース3には、ブレーキ装置80における摩擦板セット81に外部から潤滑油を供給するための給油口3cが設けられている。
そして、クリアランス調整用油圧室89にクリアランス調整用油圧が供給された状態で、締結用油圧室90に締結用油圧が供給されたときに締結用ピストン85が摩擦板セット81側へ移動し、該摩擦板セット81を構成する固定側摩擦板81aと回転側摩擦板81bとが該締結用ピストン85とリテーニングプレート84の間に挟みつけられることによりブレーキ装置80が締結され、前記ハブ部材82ないし第2ギヤセット20のキャリヤ23及び第3ギヤセット30のリングギヤ34が固定される。
また、前記ブレーキ装置80では、隣接する固定側摩擦板81aの間にそれぞれ付勢部材93が配設され、付勢部材93は、隣接する固定側摩擦板81aを離反方向に弾性的に付勢するように設けられている。リテーニングプレート84と該リテーニングプレート84に隣接する固定側摩擦板81aとの間にも同様に構成された付勢部材93が配設されている。これら付勢部材93は、回転側摩擦板81bの外周側に配置されている。
付勢部材93は、これに限定されるものではないが、図3〜図5に示すように、ワイヤ部材を曲げ加工して成形され、環状に形成された環状本体部93aを備え、該環状本体部93aに周方向の複数箇所に、隣接する固定側摩擦板81aを、あるいは隣接する固定側摩擦板81aとリテーニングプレート84とを離反方向に付勢する付勢部分93bが設けられている。
各付勢部分93bは、ワイヤ部材が断面略V字状に折曲されて後方に凸状に突出するように形成されている。付勢部分93bは、略V字状に形成される1対の傾斜部分の間の開き角度が弾性的に変化可能に形成され、軸方向に圧縮された状態で、すなわち開き角度が大きくされた状態で配設されて軸方向に付勢力を付与することができるようになっている。
隣接する固定側摩擦板81aの間、及び隣接するリテーニングプレート84と固定側摩擦板81aとの間にはそれぞれ同様に構成された付勢部材93が配設され、付勢部材93は、クラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている。また、これら付勢部材93は、締結用ピストン85を反摩擦板セット側へ移動させるリターンスプリングとしても機能する。
次に、この第1実施形態の作用を説明すると、締結時に、図3及び図4に示す状態から調整用油圧供給路94によりクリアランス調整用油圧室89に油圧が供給される。この油圧により、クリアランス調整用ピストン86が摩擦板セット81側にストロークすると共に、該クリアランス調整用ピストン86の膨出部86cの先端に設けられた突出部86fが締結用ピストン85の内面に当接することにより、該締結用ピストン85も摩擦板セット81側にストロークする。
そして、クリアランス調整用ピストン86が前記寸法xだけストロークした時点で該クリアランス調整用ピストン86に設けられた櫛歯状のストッパ部材95の歯95aの先端がリテーニングプレート84の前面に当接し、この状態で両ピストン85、86のストロークが規制される。
このとき、付勢部材93の付勢力に抗して、図7に示すように、隣接する固定側摩擦板81a、81aの間隔、及び、最後方の固定側摩擦板81aとリテーニングプレート84との間の間隔がつめられ、前記クラッチクリアランスが0に近いごく小さな値、例えば1mmとされる。このクラッチクリアランスは、各隣接固定側摩擦板間に分散される。
次いで、給油パイプ92により締結用油圧室90に油圧が供給され、締結用ピストン85が摩擦板セット81を押圧してリテーニングプレート84に押し付けることにより、固定側摩擦板81a及びリテーニングプレート84の間に回転側摩擦板81bが挟み付けられ、当該ブレーキ装置80が締結される。
このとき、前記クラッチクリアランスが予め0に近いごく小さな値とされているので、締結用油圧の供給により速やかにブレーキ装置80が締結され、その締結動作の高い応答性が得られる。一方、該ブレーキ装置80の解放状態においては、すなわち両ピストン85、86の後退位置においては、大きなクラッチクリアランスが確保されているから、固定側摩擦板81a及びリテーニングプレート84と回転側摩擦板81bとの摺接による回転抵抗の増大が抑制され、解放状態におけるエンジンの燃費性能の向上等と、ブレーキ装置80の締結時における良好な応答性とが得られる。
このように、第1実施形態に係るブレーキ装置80では、摩擦板セット81の軸方向の一方側に締結用ピストン85及びクリアランス調整用ピストン86が配置され、締結用油圧室90は、締結用ピストン85の摩擦板セット81側へ膨出する膨出部85cと該膨出部85cの内部に嵌め込まれたクリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側へ膨出する膨出部86cとによって形成されている。
これにより、クリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への移動時に締結用油圧室90の容積を略一定にできるので、例えば、図14に示すブレーキ装置100のように締結用油圧室の容積が増大する場合に比べて締結用油圧室を小さく形成することが可能である。締結用油圧室を小さく形成することで、摩擦板をさらに応答性良く締結することができ、締結動作のタイミングや締結力をより緻密に制御することが可能となる。
また、クリアランス調整用ピストン86に固設されて軸方向の他方側へ延設されるストッパ部材95が設けられ、ストッパ部材95は、クリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への移動時に軸方向の他方側がリテーニングプレート84に当接してクリアランス調整用ピストン86の移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている。
これにより、シール部材用溝部を形成してシール部材を装着したりスナップリング用溝部を形成してスナップリングを装着したりすることなく、比較的簡素な構成によってクリアランス調整用ピストンの移動を確実に規制することができる。また、クリアランス調整用ピストンにシール部材用溝部を形成してシール部材を装着する場合やスナップリング用溝部を形成してスナップリングを装着する場合に比べて生産性を向上させることができる。
また、ストッパ部材95は、クリアランス調整用油圧室89にのみ油圧が供給されたときに、軸方向の他方側がリテーニングプレート84に当接してクリアランス調整用ピストン85の移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制することにより、両摩擦板の締結に際して、予めクラッチクリアランスを確実に減少させることができる。
また、隣接する固定側摩擦板81aの間にそれぞれ該隣接する固定側摩擦板81aを離反方向に付勢する付勢部材93が配設され、付勢部材93は、クリアランス調整用油圧室89にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている。
これにより、クラッチクリアランスを減少させたときに、隣接する固定側摩擦板81aの間の離間距離のバラツキを抑制して略均一にすることができ、前記離間距離が不均一である場合に比べて摩擦板間の摺動抵抗を低減することができ、燃費性能の向上を図ることができる。
さらに、隣接する固定側摩擦板81aの間にそれぞれ配設された付勢部材93を、締結用ピストン85を反摩擦板セット81側へ移動させるリターンスプリングとして用いることができるので、リターンスプリングを別途配設する必要がなくなる。
第1実施形態に係るブレーキ装置80では、ストッパ部材95の歯95aが、図5及び図6に示すように、付勢部材93の外周側を通じて延設されているが、図8に示す第2実施形態に係るブレーキ装置280のように、付勢部材の内周側を通じて延設させることも可能である。
この第2実施形態に係るブレーキ装置280においては、付勢部材293は、前記付勢部材93の環状本体部93aに外周側に矩形状に突出する凸部93cが設けられ、ストッパ部材95の歯95aは、変速機ケース3と固定側摩擦板81aとの間を延設すると共に付勢部材293の凸部93cの内周側を延設するように設けられている。
この実施形態においても、ストッパ部材95は、クリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への移動時にリテーニングプレート84に当接してクリアランス調整用ピストン86の移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている。これにより、比較的簡素な構成によってクリアランス調整用ピストンの移動を確実に規制することができる。
また、第1及び第2実施形態に係るブレーキ装置80、280では、ストッパ部材95の歯95aが、変速機ケース3と固定側摩擦板81aとの間を通じて延設されているが、図9に示す第3実施形態に係るブレーキ装置380のように、固定側摩擦板81aを貫通して延設させることも可能である。
この第3実施形態に係るブレーキ装置380においては、ストッパ部材95の歯95aは、固定側摩擦板381aの外周側に設けられた略矩形状の貫通孔81bを通じて延設するように設けられている。また、ストッパ部材95の歯95aは、前記ブレーキ装置280と同様に付勢部材93の内周側を通じて延設するように設けられている。
この実施形態においても、ストッパ部材95は、クリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への移動時にリテーニングプレート84に当接してクリアランス調整用ピストン86の移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている。これにより、比較的簡素な構成によってクリアランス調整用ピストンの移動を確実に規制することができる。
また、第1実施形態に係るブレーキ装置80では、締結用ピストン85の膨出部85cの内部にクリアランス調整用ピストン86の膨出部86cが嵌め込まれた部分が、締結用ピストン85に設けられたシール部材85d、85eによってシールされているが、図10に示す第4実施形態に係るブレーキ装置480のように、クリアランス調整用ピストンにシール部材を設けてシールすることも可能である。
この第4実施形態に係るブレーキ装置480においては、クリアランス締結用ピストン86の膨出部86cの外周壁及び内周壁にそれぞれ形成されたシール部材用溝部にシール部材86g、86hが装着され、締結用ピストン85の膨出部85cの内部にクリアランス調整用ピストン86の膨出部86cが嵌め込まれた部分の外周及び内周がシール部材86g、86hによってそれぞれシールされ、締結用ピストン85とクリアランス調整用ピストン86とによって締結用油圧室90が油密的に形成されている。
この実施形態においても、締結用油圧室90は、締結用ピストン85の摩擦板セット81側へ膨出する膨出部85cと該膨出部85cの内部に嵌め込まれたクリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側へ膨出する膨出部86cとによって形成されることにより、クリアランス調整用ピストン86の摩擦板セット81側への移動時に締結用油圧室89の容積を略一定にできるので、締結用油圧室90を小さく形成することが可能である。締結用油圧室90を小さく形成することで、摩擦板をさらに応答性良く締結することができ、締結動作のタイミングや締結力をより緻密に制御することが可能となる。
さらに、第1実施形態に係るブレーキ装置80では、付勢部材93は、ワイヤ部材を加工して成形しているが、図11に示す第5実施形態に係るブレーキ装置480のように、板状部材をプレス加工することよって成形することも可能である。
この第5実施形態に係るブレーキ装置580においては、付勢部材593は、板状部材をプレス加工して成形されるものであり、環状本体部593aには周方向の複数箇所に付勢部分593bが設けられ、この付勢部分593bは、付勢部材93の付勢部分93bと同様に断面略V字状に折曲されて後方に凸状に突出するように形成されている。付勢部分593bは、図11に示すように平面視で矩形状に形成され、付勢部材93に比して固定側摩擦板81aとの接触部分が大きく形成されている。
この実施形態においても、隣接する固定側摩擦板81aの間にそれぞれ該隣接する固定側摩擦板81aを離反方向に弾性的に付勢する付勢部材593が配設され、付勢部材593は、クリアランス調整用油圧室89にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている。
これにより、クラッチクリアランスを減少させたときに、隣接する固定側摩擦板81aの間の離間距離のバラツキを抑制して略均一にすることができ、前記離間距離が不均一である場合に比べて摩擦板間の摺動抵抗を低減することができ、燃費性能の向上を図ることができる。
また、第5実施形態に係るブレーキ装置580では、付勢部材593の環状本体部593aに周方向の複数箇所に付勢部分593bが設けられているが、図12に示す第6実施形態に係るブレーキ装置680のように、付勢部材が環状本体部を備えることなく、周方向の複数箇所に複数の付勢部材をそれぞれ設けることも可能である。
この第6実施形態に係るブレーキ装置680においては、付勢部材693は、第5実施形態に係る付勢部材593の付勢部分593bと同様に形成されている。付勢部材693は、周方向の複数箇所に配設され、付勢部材593の付勢部分593bと同様に断面略V字状に折曲されて後方に凸状に突出するように形成されている。そして、付勢部材693の内周側のみが、図12の符号Yで示す位置において固定側摩擦板81aにリベット接合等によって結合されている。
この実施形態においても、隣接する固定側摩擦板81aの間にそれぞれ該隣接する固定側摩擦板81aを離反方向に付勢する付勢部材693bが配設され、付勢部材693bは、クリアランス調整用油圧室89にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている。
これにより、クラッチクリアランスを減少させたときに、隣接する固定側摩擦板81aの間の離間距離のバラツキを抑制して略均一にすることができ、前記離間距離が不均一である場合に比べて摩擦板間の摺動抵抗を低減することができ、燃費性能の向上を図ることができる。
また、第1実施形態に係るブレーキ装置80では、付勢部材93をリターンスプリングとしても機能させているが、図13に示す第7実施形態に係るブレーキ装置780のように、固定側摩擦間に配設される付勢部材を用いることなく、別途リターンスプリングを設けることも可能である。
この第7実施形態に係るブレーキ装置780においては、図13に示すように、締結用ピストン85における膨出部85cの外周壁85aの外周面には、周方向の複数個所に前側ばね受け部材96が固着されていると共に、これと対向するように、リテーニングプレート84の外周部の前面には、周方向の複数個所に後側ばね受け部材97が固着されており、互いに対向する前後のばね受け部材96、97間に、締結用ピストン85のリターンスプリング98がそれぞれ装着されている。その場合、これらのリターンスプリング98と前記給油パイプ92との干渉を避けるため、給油パイプ92は、リターンスプリング98の配設位置と周方向位置を異ならせて設けられる。
なお、前述した実施形態では、本発明に係るブレーキ装置としてLRブレーキ80について説明しているが、本発明は、R35ブレーキ60及び26ブレーキ70などのブレーキ装置についても同様に適用することができ、また、変速機ケースと所定の回転部材に代えて、軸方向にオーバーラップして配置された内側回転部材であるクラッチハブと外側回転部材であるクラッチドラムを用いたロークラッチ及びハイクラッチなどの摩擦締結装置についても同様に適用することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動時に締結用油圧室の容積を略一定にでき、締結用油圧室を小さく形成することが可能であるので、締結用ピストンとクリアランス調整用ピストンとを有する変速機のブレーキ装置ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
3 変速機ケース
80、280、380、480、580、680、780 ブレーキ装置
81 摩擦板セット
81a、381a 固定側摩擦板
81b 回転側摩擦板
82 ハブ部材
84 リテーニングプレート
85 締結用ピストン
85c 締結用ピストンの膨出部
86 クリアランス調整用ピストン
86c クリアランス調整用ピストンの膨出部
87 シリンダ
89 クリアランス調整用油圧室
90 締結用油圧室
93、293、593、693 付勢部材
95 ストッパ部材

Claims (4)

  1. 変速機ケースの内周面にスプライン係合される複数の固定側摩擦板と所定の回転部材の外周面にスプライン係合される複数の回転側摩擦板とが交互に配置されてなる摩擦板セットと、前記摩擦板セットの軸方向の一方側に配置された締結用ピストンと、前記締結用ピストンの反摩擦板セット側に配置され、前記締結用ピストンを摩擦板セット側へ移動させてクラッチクリアランスを調整するためのクリアランス調整用ピストンと、油圧が供給されたときに前記クリアランス調整用ピストンを摩擦板セット側へ移動させるクリアランス調整用油圧室と、油圧が供給されたときに前記締結用ピストンを摩擦板セット側へ移動させる締結用油圧室とを有する変速機のブレーキ装置であって、
    前記締結用ピストンは、前記摩擦板セット側へ膨出する膨出部を備え、
    前記クリアランス調整用ピストンは、前記締結用ピストンの膨出部の内部に嵌め込まれる前記摩擦板セット側へ膨出する膨出部を備え、
    前記締結用油圧室は、前記締結用ピストンの膨出部と該膨出部の内部に嵌め込まれた前記クリアランス調整用ピストンの膨出部とによって形成されている、
    ことを特徴とする変速機のブレーキ装置。
  2. 前記摩擦板セットの軸方向の他方側に配置されたリテーニングプレートと、
    前記クリアランス調整用ピストンに固設されると共に前記クリアランス調整用ピストンとの固設部より前記軸方向の他方側へ延設されたストッパ部材と、
    を備え、
    前記ストッパ部材は、前記クリアランス調整用ピストンの摩擦板セット側への移動時に、該ストッパ部材の軸方向の他方側が前記リテーニングプレートに当接して前記クリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機のブレーキ装置。
  3. 前記ストッパ部材は、前記クリアランス調整用油圧室及び前記締結用油圧室のうち前記クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときに、該ストッパ部材の軸方向の他方側が前記リテーニングプレートに当接して前記クリアランス調整用ピストンの移動を所定のクラッチクリアランスとなる位置に規制するようになっている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機のブレーキ装置。
  4. 隣接する前記固定側摩擦板の間にそれぞれ配設され、該隣接する固定側摩擦板を離反方向に付勢する付勢部材を備え、
    前記付勢部材は、前記クリアランス調整用油圧室及び前記締結用油圧室のうち前記クリアランス調整用油圧室にのみ油圧が供給されたときにクラッチクリアランスが各隣接固定側摩擦板間に分散されるように設けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の変速機のブレーキ装置。
JP2014071579A 2014-03-31 2014-03-31 変速機のブレーキ装置 Active JP6187360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071579A JP6187360B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 変速機のブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071579A JP6187360B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 変速機のブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015194179A JP2015194179A (ja) 2015-11-05
JP6187360B2 true JP6187360B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=54433400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014071579A Active JP6187360B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 変速機のブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187360B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0712221A (ja) * 1993-06-29 1995-01-17 Matsuda Sangyo Kk 自動変速機の締結力調整装置
JP2003148515A (ja) * 2001-11-08 2003-05-21 Toyota Motor Corp 流体圧式係合装置
JP2005265063A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Jatco Ltd 自動変速機の油圧制御装置
JP6106946B2 (ja) * 2012-04-23 2017-04-05 マツダ株式会社 自動変速機の制御方法及び制御装置
JP2014071577A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Sharp Corp 入力受付装置
JP6011210B2 (ja) * 2012-09-28 2016-10-19 富士通株式会社 ストレージ制御装置,プログラマブル論理回路の復旧処理方法及び制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015194179A (ja) 2015-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6187359B2 (ja) 変速機のブレーキ装置
JP6197743B2 (ja) 変速機のブレーキ装置
US20120073931A1 (en) Clutch apparatus for automatic transmission
US20170254416A1 (en) Method of Assembling a Friction Element Assembly for a Transmission
KR20100109423A (ko) 다판 마찰 요소
JP6240109B2 (ja) 噛み合い式係合装置
JP6117000B2 (ja) ピストン一体シール
JP6128039B2 (ja) 変速機のブレーキ装置
JP6187360B2 (ja) 変速機のブレーキ装置
JP6187358B2 (ja) 変速機のブレーキ装置
JP6128030B2 (ja) 自動変速機
JP6197742B2 (ja) 自動変速機
CN103775613A (zh) 两个轴与离合器外壳的连接总成
JP2014009812A (ja) 自動変速機用摩擦機構組立構造
JP6384462B2 (ja) 自動変速機
CN102966680B (zh) 一种工程机械、其传动系统及其离合器
JP2011169336A (ja) 摩擦係合装置
KR101144128B1 (ko) 자동변속기용 실링부재
KR20180112967A (ko) 다판 클러치 어셈블리
KR20160061791A (ko) 차량용 다판 클러치 장치
JP5413395B2 (ja) ピストン部材
KR20140118249A (ko) 자동으로 간극이 조절되는 유압식 다판 클러치
JP4985574B2 (ja) 摩擦係合装置
JP2021050798A (ja) クラッチ
JP6189877B2 (ja) 車両の自動変速機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20170314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6187360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150