JP6197742B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素を備えた自動変速機に関する技術分野に属する。
従来より、車両に搭載される自動変速機の摩擦締結要素が、複数の摩擦板に対して自動変速機の軸方向の一側に配設されたクリアランス調整用ピストンと、上記複数の摩擦板に対して上記軸方向の他側に配設された締結用ピストンとを有し、上記クリアランス調整用ピストン及び上記締結用ピストンへの締結油圧の印加により、上記複数の摩擦板同士が係合されることで締結されるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。上記クリアランス調整用ピストンは、上記摩擦締結要素が非締結状態(解放状態)にあるときの上記複数の摩擦板間のクリアランスを調整するためのものである。上記特許文献1では、上記自動変速機の運転状態が、上記摩擦締結要素が締結される頻度が少ない運転領域に入っているときには、クリアランス調整用ピストンが上記締結油圧の印加を受けない状態にあることで上記クリアランスが大きくなり、この結果、摩擦締結要素での動力損失を低減することができる。一方、上記自動変速機の運転状態が上記運転領域に入っていないときには、該クリアランス調整用ピストンへの締結油圧の印加により上記クリアランスが小さくなり、このクリアランスを小さくした状態で、締結用ピストンに締結油圧を印加することにより、上記摩擦締結要素を素早く締結状態にすることができる。したがって、上記クリアランス調整用ピストンを設けることにより、上記クリアランスを大とすることによる摩擦締結要素での動力損失の低減と、上記クリアランスを小とすることによる変速応答性の向上との両立を図ることができる。
特開平7−12221号公報
上記従来例のクリアランス調整用ピストンのような、複数の摩擦板間のクリアランスを調整するためのクリアランス調整手段を摩擦締結要素に設けることで、変速応答性の向上と燃費の向上とを図ることができる。
そして、更なる燃費向上のためには、自動変速機に設けられた複数の摩擦締結要素のうち、摩擦板間のクリアランスを調整可能な摩擦締結要素の数を増やすことが求められる。しかし、各摩擦締結要素毎にクリアランス調整手段を設けたのでは、自動変速機が大型化するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素における複数の摩擦板間のクリアランスを調整可能にする場合に、自動変速機の大型化を抑制しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、自動変速機の軸方向に並んで配設された第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素と、該第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素にそれぞれ設けられた複数の摩擦板とを備えた自動変速機を対象として、上記軸方向における上記第1摩擦締結要素と上記第2摩擦締結要素との間に配設され、該第1摩擦締結要素及び該第2摩擦締結要素における複数の摩擦板間のクリアランスを調整するためのクリアランス調整手段と、上記クリアランス調整手段を、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第1状態と、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第2状態と、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第1状態よりも大きくしかつ上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第2状態よりも大きくする第3状態とに切り換え可能な切換手段とを備えている、という構成とした。
上記の構成により、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素を、互いに異なる変速段において締結されるように構成しておくことで、クリアランス調整手段を、第1摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段と、第2摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段とを兼用したものとすることができる。したがって、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素それぞれにクリアランス調整手段を設ける必要がなく、この結果、自動変速機の大型化を抑制することができ、しかも、両摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整することで、変速応答性の向上と燃費の向上とを図ることができる。
また、自動変速機の運転状態が、第1摩擦締結要素が締結される可能性又は頻度が高い運転状態にありかつ第2摩擦締結要素が締結される可能性又は頻度が低い運転状態にあるときには、クリアランス調整手段を第1状態に切り換えておくことで、第1摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを小さくしておき、第1摩擦締結要素を締結させる際には、その第1状態で第1摩擦締結要素の締結ピストンを作動させることにより、第1摩擦締結要素を素早く締結状態にすることができる。第1摩擦締結要素が締結状態にあるときも、クリアランス調整手段は第1状態にあることになる。クリアランス調整手段が第1状態にあるとき、第2摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスは大きいので、第2摩擦締結要素での動力損失を低減することができる。一方、自動変速機の運転状態が、第1摩擦締結要素が締結される可能性又は頻度が低い運転状態にありかつ第2摩擦締結要素が締結される可能性又は頻度が高い運転状態にあるときには、切換手段によりクリアランス調整手段を第2状態に切り換えておくことで、第2摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスが小さくしておき、第2摩擦締結要素を締結させる際には、その第2状態で第2摩擦締結要素の締結ピストンを作動させることにより、第2摩擦締結要素を素早く締結状態にすることができる。第2摩擦締結要素が締結状態にあるときも、クリアランス調整手段は第2状態にあることになる。クリアランス調整手段が第2状態にあるとき、第1摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスは大きいので、第1摩擦締結要素での動力損失を低減することができる。こうして、クリアランス調整手段を、第1摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段と、第2摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段とを兼用したものに確実にすることができる。
さらに、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素が共に非締結状態にあって、自動変速機の運転状態が、いずれの摩擦締結要素も締結される可能性又は頻度が低い運転状態にあるときに、クリアランス調整手段を第3状態に切り換えることで、両摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを大きくすることができ、燃費をより一層向上させることができる。
上記切換手段を備えた上記自動変速機の一実施形態では、上記クリアランス調整手段は、上記軸方向における上記第1摩擦締結要素と上記第2摩擦締結要素との間に配設されかつ上記軸方向に移動可能なクリアランス調整部材を有し、上記切換手段は、上記クリアランス調整部材を上記軸方向に移動させることで、上記クリアランス調整手段の状態切換えを行うように構成されている。
このようにすることで、クリアランス調整手段及び切換手段を簡単な構成で実現することができる。
記クリアランス調整手段が上記クリアランス調整部材を有する場合、上記クリアランス調整手段は、上記クリアランス調整部材により形成されたシリンダ内に嵌装されかつ上記第1摩擦締結要素及び上記第2摩擦締結要素のうち一方の摩擦締結要素の摩擦板を押圧するピストンと、上記シリンダ内に設けられ、該ピストンに油圧を印加するための油圧室と、上記クリアランス調整部材に設けられ、上記油圧室に油圧を供給するための油路とを更に有し、上記クリアランス調整部材の油路は、変速機ケースに設けられた油路と接続され、上記クリアランス調整部材の油路と上記変速機ケースの油路との間をシールするシール部材が設けられており、上記シール部材は、上記切換手段により上記クリアランス調整部材が上記変速機ケースに対して移動しても、該移動に対応して変形することでシール機能を維持するように構成されている、という構成であってもよい。
このことにより、切換手段によりクリアランス調整部材が変速機ケースに対して移動しても、クリアランス調整部材と変速機ケースとの間から油圧がリークするのを抑制することができ、油圧室に適切な油圧を供給することができる
以上説明したように、本発明の自動変速機によると、自動変速機の軸方向における第1摩擦締結要素と第2摩擦締結要素との間に配設され、該第1摩擦締結要素及び該第2摩擦締結要素における複数の摩擦板間のクリアランスを調整するためのクリアランス調整手段と、上記クリアランス調整手段を、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第1状態と、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第2状態と、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第1状態よりも大きくしかつ上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第2状態よりも大きくする第3状態とに切り換え可能な切換手段とを備えるようにしたことにより、クリアランス調整手段を、第1摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段と、第2摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整する手段とを兼用したものとすることができて、自動変速機の大型化を抑制することができるとともに、両摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを調整することで、変速応答性の向上と燃費の向上とを図ることができる。また、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素が共に非締結状態にあって、自動変速機の運転状態が、いずれの摩擦締結要素も締結される可能性又は頻度が低い運転状態にあるときに、クリアランス調整手段を第3状態に切り換えることで、両摩擦締結要素の摩擦板間のクリアランスを大きくすることができ、燃費をより一層向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る自動変速機の一部(後側端部の近傍)を示す断面図であって、クリアランス調整部材が第1状態にある場合を示す。 クリアランス調整部材が第2状態にある場合を示す図1相当図である。 クリアランス調整部材が第3状態にある場合を示す図1相当図である。 本発明の実施形態2に係る自動変速機の一部(後側端部の近傍)を示す断面図であって、クリアランス調整部材が第1状態にある場合を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る自動変速機1の一部を示す。この自動変速機1は、例えば前進8速及び後退1速を達成するものであって、車両(本実施形態では、FF車)の前部に、中心軸線Lを中心に回転可能な入力軸2が該車両の車幅方向に水平に延びるように搭載される。上記入力軸2は、図1の右側で、内燃機関や電動モータ等の駆動源(図示せず)と連結されて、その駆動源からの動力が伝達される。入力軸2は、動力源に直接連結されてもよく、例えばトルクコンバータや断接クラッチ等を介して間接的に連結されてもよい。上記入力軸2が延びる方向(図1の左右方向)が、自動変速機1の軸方向であり、以下、この方向を単に軸方向という。自動変速機1の軸方向の上記駆動源側(図1の右側)が、自動変速機1の前側であり、反駆動源側(図1の左側)が、自動変速機1の後側である。図1は、自動変速機1の後側端部の近傍を示すことになる。以下、自動変速機1についての前及び後を、単に前及び後という。
自動変速機1は、詳細な図示は省略するが、変速機ケース91(後側端壁部91aのみを図示する)内に、上記駆動源からの動力が伝達される上記入力軸2と、入力軸2と同軸上に配設された複数のプラネタリギヤセット(図示せず)と、入力軸2と同軸上に配設された複数の摩擦締結要素(図1には、そのうちの2つの摩擦締結要素である第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21のみが示されている)と、上記複数のプラネタリギヤセットのうちの1つのプラネタリギヤセットに連結され、上記動力源からの動力が、上記複数の摩擦締結要素の締結及び締結解除に応じて上記複数のプラネタリギヤセットにより形成される動力伝達経路を介して伝達される出力部(例えば出力ギヤ)とを備えている。
上記入力軸2は、その後端部が、変速機ケース91の後側端壁部91aに、ベアリング3を介して支持されるようになされている。入力軸2には、その中心部にて上記軸方向に延びるように形成された軸方向油路2aと、軸方向油路2aから径方向外側に延びる径方向油路2bとが設けられている。また、変速機ケース91の後側端壁部91aには、径方向に延びる油圧供給路81が設けられている。そして、油圧供給路81から供給された潤滑油が、軸方向油路2a及び径方向油路2bを介して、上記プラネタリギヤセット等に供給されるようになっている。
自動変速機1は、入力軸2上に、互いに上記軸方向に並んで配設された第1ブレーキ5(第1摩擦締結要素に相当)及び第2ブレーキ21(第2摩擦締結要素に相当)を備えている。第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21の径方向内側には、図示は省略するが、上記複数のプラネタリギヤセットのうちの2つのプラネタリギヤセットが上記軸方向に並んで配設されている。
第1ブレーキ5は、複数の第1ブレーキ用摩擦板6と、該摩擦板6に対して後側に配設され、該摩擦板6同士を係合させるために摩擦板6側(前側)に進出する第1ブレーキ用締結ピストン7と、該締結ピストン7を反摩擦板6側(後側)に後退させる複数の第1ブレーキ用リターンスプリング8とを有している。締結ピストン7は、変速機ケース91の後側端壁部91aの前側の面に開口するように凹状に形成された第1ブレーキ用シリンダ9内に、上記軸方向に移動可能に嵌装されている。
複数の摩擦板6は、複数の回転側摩擦板6aと複数の固定側摩擦板6bとからなり、これらが上記軸方向に交互に並んでいる(但し、本実施形態では、2つの固定側摩擦板6b間に回転側摩擦板6aが存在しない箇所がある)。尚、各回転側摩擦板6aにおける上記軸方向の両側の面には、摩擦部材がそれぞれ装着されている。上記回転側摩擦板6aは、第1ブレーキ5の径方向内側に位置するプラネタリギヤセットに連結されたハブ部11の外周側の面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられている。一方、上記固定側摩擦板6bは、変速機ケース91の内周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられている。
シリンダ9内における締結ピストン7の後側には、第1ブレーキ5を締結するための締結油圧が供給される第1ブレーキ用締結油圧室14が設けられている。そして、締結油圧室14に締結油圧が供給されて締結ピストン7に該締結油圧が印加されると、締結ピストン7が上記進出により摩擦板6を前側に押圧する。
複数のリターンスプリング8は、コイルスプリングで構成されていて、摩擦板6の径方向外側において周方向に略等間隔をあけて配設されている。リターンスプリング8の前側の端は、後述のクリアランス調整部材51の後側の面に当接し、リターンスプリング8の後側の端は、リング状をなす第1ブレーキ用ピストン押圧部材17の外周部にかしめられている。このピストン押圧部材17の内周部が、締結ピストン7に固定されており、こうして締結ピストン7が、ピストン押圧部材17を介してリターンスプリング8により後退することになる。尚、ピストン押圧部材17は、締結ピストン7と摩擦板6との間に位置しており、このため、締結ピストン7が前側に進出する際には、ピストン押圧部材17を介して摩擦板6を前側に押圧することになる。
締結ピストン7の後側の面には、規制部材18が固定されており、この規制部材18が、シリンダ9の後側の端壁面に当接することで、リターンスプリング8により後退する締結ピストン7の後側への移動が規制される。
第2ブレーキ21は、複数の第2ブレーキ用摩擦板22と、該摩擦板22に対して前側に配設され、該摩擦板22同士を係合させるために摩擦板22側(後側)に進出する第2ブレーキ用締結ピストン23と、該締結ピストン23を反摩擦板22側(前側)に後退させる複数の第2ブレーキ用リターンスプリング24とを有している。締結ピストン23は、変速機ケース91に固定されたケース固定部材28の後側の面に開口するように凹状に形成された第2ブレーキ用シリンダ25内に、上記軸方向に移動可能に嵌装されている。
複数の摩擦板22は、複数の回転側摩擦板22aと複数の固定側摩擦板22bとからなり、これらが上記軸方向に交互に並んでいる。尚、各回転側摩擦板22aの上記軸方向の両側の面には、摩擦部材が装着されている。上記回転側摩擦板22aは、第2ブレーキ21の径方向内側に位置するプラネタリギヤセットに連結されたハブ部27の外周側の面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられている。一方、上記固定側摩擦板22bは、上記ケース固定部材28の後側の面におけるシリンダ25よりも外周側の部分に後側に延びるように一体形成された摩擦板取付部材29の内周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられている。尚、摩擦板取付部材29は、周方向において、複数のリターンスプリング24が存在しない位置に位置する。
シリンダ25内における締結ピストン23の前側には、第2ブレーキ21を締結するための締結油圧が供給される第2ブレーキ用締結油圧室30が設けられている。そして、締結油圧室30に締結油圧が供給されて締結ピストン23に該締結油圧が印加されると、締結ピストン23が上記進出により摩擦板22を後側に押圧する。
複数のリターンスプリング24は、コイルスプリングで構成されていて、摩擦板22の径方向外側において周方向に略等間隔をあけて配設されている。リターンスプリング24の後側の端は、クリアランス調整部材51の前側の面に当接し、リターンスプリング24の前側の端は、ケース固定部材28の後側に位置するリング状をなす第2ブレーキ用ピストン押圧部材33の外周部にかしめられている。このピストン押圧部材33の内周部が、締結ピストン23に固定されており、こうして締結ピストン23が、ピストン押圧部材33を介してリターンスプリング24により後退することになる。尚、ピストン押圧部材33は、締結ピストン23と摩擦板22との間に位置しており、このため、締結ピストン23が後側に進出する際には、ピストン押圧部材33を介して摩擦板22を後側に押圧することになる。
締結ピストン23は、前側に延出するように折り曲げられた延出部23aを有し、この延出部23aの前側端が、シリンダ25の前側の端壁面に当接することで、リターンスプリング24により後退する締結ピストン23の前側への移動が規制される。
本実施形態では、上記軸方向における第1ブレーキ5と第2ブレーキ21との間には、該第1ブレーキ5及び該第2ブレーキ21における複数の摩擦板6,22間のクリアランスを調整するためのクリアランス調整手段を構成するリング状のクリアランス調整部材51が設けられている。
クリアランス調整部材51は、上記軸方向に移動可能に支持されていて、変速機ケース91の外側の面における前側部分に設けられたアクチュエータ(図示せず)により、上記軸方向に延びる連結部材52を介して、上記軸方向に移動するようになっている。上記アクチュエータとしては、電動モータや油圧シリンダであり、該アクチュエータが連結部材52を上記軸方向に移動させることで、連結部材52の後側端部と連結されたクリアランス調整部材51を上記軸方向に移動させる。
クリアランス調整部材51の後側の面には、摩擦板6に当接する第1当接部51aが設けられ、該後側の面における第1当接部51aの外周側の部分に、リターンスプリング8の前側の端が当接している。クリアランス調整部材51が上記軸方向の後側に移動すると、第1当接部51aが摩擦板6を後側に押圧して、摩擦板6間のクリアランスを小さくする。
クリアランス調整部材51の前側の面には、摩擦板22に当接する第2当接部51bが設けられ、該前側の面における第2当接部51bの外周側の部分に、リターンスプリング24の後側の端が当接している。クリアランス調整部材51が上記軸方向の前側に移動すると、第2当接部51bが摩擦板22を前側に押圧して、摩擦板22間のクリアランスを小さくする。
クリアランス調整部材51の外周側面には、連結部材52の後側端部における径方向内側の面に凸状に形成された部分と連結された凹状の被駆動部51cが設けられている。この被駆動部51cは、第1当接部51a及び第2当接部51bに対して、上記軸方向に垂直な方向(径方向)の外側にずれた位置に設けられていることになる。また、被駆動部51cは、リターンスプリング8に対しても、上記軸方向に垂直な方向(径方向)の外側にずれた位置に設けられていることになる。
クリアランス調整部材51は、上記アクチュエータ及び連結部材52による上記軸方向の移動によって、第1状態と、第2状態と、第3状態とに切り換えられる。したがって、本実施形態では、上記アクチュエータ及び連結部材52は、クリアランス調整手段の状態切換えを行う切換手段を構成することになる。
上記第1状態は、図1に示すように、クリアランス調整部材51が最も後側(第1ブレーキ5側)に位置した状態であって、第1当接部51aにより摩擦板6が最も後側に押された状態、つまり、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスを、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスよりも小さくする状態である。この第1状態では、クリアランス調整部材51の後側の面における第1当接部51aよりも外周側の部分(径方向においてリターンスプリング8と略同じ部分であってリターンスプリング8に対して周方向にずれた部分)に位置する当接面51dが、変速機ケース91の後側端壁部91aの前側の面に設けた当接面91bに当接する一方、クリアランス調整部材51の前側の面における外周縁部が、摩擦板取付部材29の後側端面から離れた状態にある。
上記第2状態は、図2に示すように、クリアランス調整部材51が最も前側(第2ブレーキ21側)に位置した状態であって、第2当接部51bにより摩擦板22が最も前側に押された状態、つまり、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスを、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスよりも小さくする状態である。この第2状態では、クリアランス調整部材51の当接面51dが変速機ケース91の当接面91bから離れる一方、クリアランス調整部材51の前側の面における外周縁部が、摩擦板取付部材29の後側端面に当接した状態にある。
上記第3状態は、図3に示すように、クリアランス調整部材51が上記第1状態の位置と上記第2状態の位置との間の中間(本実施形態では、中央)に位置した状態であって、上記第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスを上記第1状態よりも大きくしかつ上記第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスを上記第2状態よりも大きくする状態である。この第3状態では、クリアランス調整部材51の当接面51dが変速機ケース91の当接面91bから離れるとともに、クリアランス調整部材51の前側の面における外周縁部が、摩擦板取付部材29の後側端面から離れた状態にある。
本実施形態では、第1ブレーキ5は、第6速乃至第8速で締結状態とされ、それ以外の変速段では、非締結状態(解放状態)とされる。一方、第2ブレーキ21は、第1速乃至第3速で締結状態とされ、それ以外の変速段では、非締結状態とされる。第4速、第5速及び後退速では、第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21共に非締結状態とされることになる。このように、第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21は、互いに異なる変速段において締結されるように構成されている。
自動変速機1の変速段が第5速であるときには、第1ブレーキ5が締結状態とされる可能性(第6速乃至第8速(特に第6速)となる可能性)が高く、かつ、第2ブレーキ21が締結状態とされる可能性(第1速乃至第3速となる可能性)が低いので、クリアランス調整部材51は上記第1状態とされて、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスを小さくするとともに、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスを大きくする。そして、自動変速機1の変速段が第5速から第6速になったとき、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスが小さい状態で、締結油圧室14に締結油圧が供給されて締結ピストン7が前側に進出することで、摩擦板6同士が即座に係合して第1ブレーキ5が締結状態となる。このとき、クリアランス調整部材51は、締結ピストン7からの押圧力を受けるが、前側に移動することなくその押圧力を受け止める。こうして第5速から第6速への変速応答性を向上させる一方、第2ブレーキ21での動力損失を低減させる。第6速乃至第8速では、クリアランス調整部材51が第1状態でかつ締結ピストン7が進出した状態が維持される。そして、再び第5速になると、クリアランス調整部材51が第1状態のままで、締結ピストン7が後退する。
自動変速機1の変速段が第4速になると、第2ブレーキ21が締結状態とされる可能性(第1速乃至第3速(特に第3速)となる可能性)が高く、かつ、第1ブレーキ5が締結状態とされる可能性(第6速乃至第8速となる可能性)が低いので、クリアランス調整部材51は上記第2状態とされて、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスを小さくするとともに、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスを大きくする。そして、自動変速機1の変速段が第4速から第3速になったとき、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスが小さい状態で、締結油圧室30に締結油圧が供給されて締結ピストン23が後側に進出することで、摩擦板22同士が即座に係合して第2ブレーキ21が締結状態となる。このとき、クリアランス調整部材51は、締結ピストン23からの押圧力を受けるが、後側に移動することなくその押圧力を受け止める。こうして第4速から第3速への変速応答性を向上させる一方、第1ブレーキ5での動力損失を低減させる。第1速乃至第3速では、クリアランス調整部材51が第2状態でかつ締結ピストン23が進出した状態が維持される。そして、再び第4速になると、クリアランス調整部材51が第2状態のままで、締結ピストン23が後退する。
自動変速機1の変速段が後退速であるときには、第2ブレーキ21が締結状態とされる可能性(第1速乃至第3速(特に第1速)となる可能性)が高く、かつ、第1ブレーキ5が締結状態とされる可能性(第6速乃至第8速となる可能性)が低いので、クリアランス調整部材51は上記第2状態とされる。
自動変速機1の変速段がニュートラル状態であるときには、上記第3状態とされて、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランス及び第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランス共に、比較的大きくされる。これにより、ニュートラル状態で、第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21での動力損失を低減させる。
したがって、本実施形態では、クリアランス調整部材51が、第1ブレーキ5の摩擦板6間のクリアランスを調整する部材と、第2ブレーキ21の摩擦板22間のクリアランスを調整する部材とを兼用するので、第1ブレーキ5及び第2ブレーキ21それぞれにクリアランス調整部材を設ける必要がなく、この結果、自動変速機1の大型化を抑制することができる。しかも、両ブレーキ5,21の摩擦板6,22間のクリアランスを調整することで、変速応答性の向上と燃費の向上とを図ることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2を示し、第2ブレーキ21の締結ピストン23の位置を、上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、図1と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、クリアランス調整部材51の前側の面に開口するように凹状に形成された第2ブレーキ用シリンダ25内に、第2ブレーキ用締結ピストン23が嵌装されている。シリンダ25内における締結ピストン23の後側に、締結ピストン23に締結油圧を印加するための上記締結油圧室30が設けられている。また、クリアランス調整部材51には、締結油圧室30に締結油圧を供給するための油路51eが設けられている。
上記クリアランス調整部材51の後側の面には、上記実施形態1と同様に、摩擦板6に当接する第1当接部51aが設けられているが、クリアランス調整部材51の前側の面には、摩擦板22に当接する第2当接部51bが設けられていない。すなわち、クリアランス調整部材51が前側に移動すると、締結ピストン23の延出部23(本実施形態では、上記実施形態1とは異なって、後側に延出するように折り曲げられている)が、クリアランス調整部材51によって押されることで、締結ピストン23も前側に移動し、これにより、クリアランス調整部材51が、締結ピストン23を介して(厳密には、締結ピストン23及びピストン押圧部材33を介して)、摩擦板22を前側に押圧して、摩擦板22間のクリアランスを小さくする。尚、摩擦板22の前側には、摩擦板22の前側への移動を規制する規制部材34が設けられている。
本実施形態においても、クリアランス調整部材51は、上記実施形態と同様に、第1状態と、第2状態と、第3状態とに切り換えられる。その切換えのタイミング、及び、各状態のクリアランス調整部材51の位置も、上記実施形態と同様である。クリアランス調整部材51が第2状態にあるときに、締結油圧室30に締結油圧が供給されると、締結ピストン23がクリアランス調整部材51に対して相対的に前側に進出することで、摩擦板22同士が係合して第2ブレーキ21が締結状態となる。このような構成であっても、上記実施形態1と同様に、自動変速機1の大型化を抑制することができるとともに、変速応答性の向上と燃費の向上とを図ることができる。
また、本実施形態では、クリアランス調整部材51によりシリンダ25が形成されていることから、ケース固定部材28は単純なリング状をなしており、そのケース固定部材28の後側の面に、該面から後側に延びる摩擦板取付部材29が一体形成されている。本実施形態においても、摩擦板取付部材29は、周方向において、複数のリターンスプリング24が存在しない位置に位置する。摩擦板取付部材29の後側端面には、クリアランス調整部材51の前側の面に設けたピン部材55が嵌合する凹陥部29aが形成されており、クリアランス調整部材51が上記軸方向に移動する際、ピン部材55が凹陥部29a内を摺動するようになっている。これにより、クリアランス調整部材51の上記軸方向の移動が確実なものとなる。
さらに、本実施形態では、リターンスプリング24の前側の端は、変速機ケース91に固定されたスプリング受け部材37に当接し、リターンスプリング24の後側の端は、クリアランス調整部材51の前側に位置するリング状の第2ブレーキ用ピストン押圧部材33の外周部にかしめられている。このピストン押圧部材33の内周部が、締結ピストン23に固定されており、こうして締結ピストン23が、ピストン押圧部材33を介してリターンスプリング24により後退することになる。尚、ピストン押圧部材33は、締結ピストン23と摩擦板22との間に位置しており、このため、締結ピストン23が前側に進出する際には、ピストン押圧部材33を介して摩擦板22を前側に押圧することになる。
上記油路51eは、クリアランス調整部材51の当接面51dに開口している。この油路51eの開口は、変速機ケース91の当接面91bに開口する油路82の開口と接続されている。油路51eと油路82との間には、これらの間をシールする円環状のシール部材61が設けられている。
ここで、上記実施形態1と同様に、クリアランス調整部材51が第1状態にあるときには、クリアランス調整部材51の当接面51dが、変速機ケース91の当接面91bに当接する一方、クリアランス調整部材51が第2状態及び第3状態にあるときには、クリアランス調整部材51の当接面51dが、変速機ケース91の当接面91bから離れた状態にある。
このようにクリアランス調整部材51が状態切換えに応じて変速機ケース91に対して相対的に移動しても、シール部材61は、該移動に対応して変形することでシール機能を維持するようになされている。
具体的には、シール部材61は、変速機ケース91の当接面91bに後側に凹むように形成された断面円形の凹部91cに挿入されている。この凹部91cを介して油路82が当接面91bに開口している。凹部91cの深さ(上記軸方向の長さ)は、シール部材61の長さよりも短くされている。また、凹部91cの内径は、シール部材61の外径よりも大きくされている。シール部材61の後側端は、凹部91cの底面(後側の面)における油路82の開口の周囲に当接する一方、前側端は、クリアランス調整部材51の当接面51dにおける油路51eの周囲に当接する。図4に示すように、クリアランス調整部材51が第1状態にあるときには、シール部材61が該シール部材61の長さ方向に圧縮されて、シール部材61の長さ方向中央部が長さ方向両端部に対して大径となるように太鼓状に変形する。
クリアランス調整部材51が第2状態及び第3状態にあるときには、クリアランス調整部材51の当接面51dと変速機ケース91の当接面91bとの間には隙間が生じる。しかし、シール部材61は、その長さ方向に圧縮された状態が維持され(その圧縮量は、クリアランス調整部材51が第1状態にあるときよりも小さくなる)、シール部材61の両端が、凹部91cの底面における油路82の開口の周囲と、クリアランス調整部材51の当接面51dにおける油路51eの周囲とにそれぞれ当接した状態が維持される。この結果、変速機ケース91の当接面91bとクリアランス調整部材51の当接面51dとの間(油路51eと油路82との間)から油圧がリークするのが抑制される。
尚、上記実施形態2では、クリアランス調整部材51の前側の面に開口する第2ブレーキ用シリンダ25を形成して該シリンダ25内に第2ブレーキ用締結ピストン23を嵌装したが、これに代えて、クリアランス調整部材51の後側の面に開口する第1ブレーキ用シリンダを形成して該シリンダ内に第1ブレーキ用締結ピストン7を嵌装するようにしてもよい。この場合、締結ピストン23は、上記実施形態1と同様に、ケース固定部材28に形成されたシリンダ25内に嵌装すればよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、前進8速及び後退1速を達成する自動変速機1に、本発明を適用したが、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素(これらの摩擦締結要素は、ブレーキであってもよく、クラッチであってもよい)を備えた自動変速機であれば、どのような自動変速機であっても本発明を適用することができる。
さらに、第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素の自動変速機における径方向の位置は、略同じ位置である場合だけでなく、互いに径方向にずれた位置である場合も、本発明を適用することができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、自動変速機の軸方向に並んで配設された第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素と、該第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素にそれぞれ設けられた複数の摩擦板とを備えた自動変速機に有用である。
1 自動変速機
2 入力軸
5 第1ブレーキ(第1摩擦締結要素)
6 第1ブレーキ用摩擦板
7 第1ブレーキ用締結ピストン
8 第1ブレーキ用リターンスプリング
9 第1ブレーキ用シリンダ
14 第1ブレーキ用締結油圧室
21 第2ブレーキ(第2摩擦締結要素)
22 第2ブレーキ用摩擦板
23 第2ブレーキ用締結ピストン
24 第2ブレーキ用リターンスプリング
25 第2ブレーキ用シリンダ
30 第2ブレーキ用締結油圧室
51 クリアランス調整部材(クリアランス調整手段)
51a 第1当接部
51b 第2当接部
51c 被駆動部
51e クリアランス調整部材の油路
52 連結部材(切換手段)
61 シール部材
82 変速機ケースの油路
91 変速機ケース

Claims (3)

  1. 自動変速機の軸方向に並んで配設された第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素と、該第1摩擦締結要素及び第2摩擦締結要素にそれぞれ設けられた複数の摩擦板とを備えた自動変速機であって、
    上記軸方向における上記第1摩擦締結要素と上記第2摩擦締結要素との間に配設され、該第1摩擦締結要素及び該第2摩擦締結要素における複数の摩擦板間のクリアランスを調整するためのクリアランス調整手段と、
    上記クリアランス調整手段を、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第1状態と、上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスよりも小さくする第2状態と、上記第1摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第1状態よりも大きくしかつ上記第2摩擦締結要素の上記摩擦板間のクリアランスを上記第2状態よりも大きくする第3状態とに切り換え可能な切換手段とを備えていることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項記載の自動変速機において、
    上記クリアランス調整手段は、上記軸方向における上記第1摩擦締結要素と上記第2摩擦締結要素との間に配設されかつ上記軸方向に移動可能なクリアランス調整部材を有し、
    上記切換手段は、上記クリアランス調整部材を上記軸方向に移動させることで、上記クリアランス調整手段の状態切換えを行うように構成されていることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項記載の自動変速機において、
    上記クリアランス調整手段は、上記クリアランス調整部材により形成されたシリンダ内に嵌装されかつ上記第1摩擦締結要素及び上記第2摩擦締結要素のうち一方の摩擦締結要素の摩擦板を押圧するピストンと、上記シリンダ内に設けられ、該ピストンに油圧を印加するための油圧室と、上記クリアランス調整部材に設けられ、上記油圧室に油圧を供給するための油路とを更に有し、
    上記クリアランス調整部材の油路は、変速機ケースに設けられた油路と接続され、
    上記クリアランス調整部材の油路と上記変速機ケースの油路との間をシールするシール部材が設けられており、
    上記シール部材は、上記切換手段により上記クリアランス調整部材が上記変速機ケースに対して移動しても、該移動に対応して変形することでシール機能を維持するように構成されていることを特徴とする自動変速機。
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