JP6127715B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、出力軸がクラッチを介して手動変速機の入力軸に接続された内燃機関に適用されて、手動変速機の変速段の変更に伴って回転速度制御を行う内燃機関の制御装置に関する。
手動変速機を搭載する車両では、運転者がクラッチペダルを踏み込んでクラッチを開放した後、シフトレバーを操作して手動変速機の変速段を変更し、クラッチペダルの踏み込みを解除してクラッチを繋ぐことで、変速が行われる。こうした手動変速機の変速に際してクラッチを繋ぐときに、内燃機関の出力軸の回転速度と手動変速機の入力軸の回転速度とが大きく乖離していると、変速ショックが発生することがある。
こうした変速ショックを低減するため、入力軸の回転速度と同期させるように内燃機関の出力軸の回転速度を制御する回転同期制御を行う制御装置が提案されている。この制御装置では、クラッチペダルの踏み込みを解除して、クラッチを繋いだときに回転同期制御を終了していた(例えば、特許文献1)。
特開2008−267144号公報
ところで、クラッチペダルの操作は運転者に任されているため、シフトレバーを操作して手動変速機の変速段を変更した後、すぐにはクラッチペダルの踏み込みが解除されない場合もある。このような場合には、変速段の変更に伴って回転同期制御が開始されてから、その制御が終了するまでの時間が長くなる。その結果、内燃機関の出力軸の回転速度を手動変速機の入力軸の回転速度と同期させた状態を維持するために燃料が消費されている時間が長くなり、燃料の消費量が増大してしまう。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転同期制御に伴う燃料消費を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、出力軸がクラッチを介して手動変速機の入力軸に接続された内燃機関に適用されて、前記手動変速機の変速段の変更に伴って前記出力軸の回転速度を前記入力軸の回転速度に同期させる回転同期制御を行う内燃機関の制御装置であって、前記変速段が変更された場合に前記回転同期制御を開始し、前記クラッチが繋がった場合に前記回転同期制御を終了しかつ前記変速段の変更が終了してからの経過時間が第1終了判定時間を超えた場合に前記回転同期制御を終了しかつ前記回転同期制御が開始されてからの経過時間が前記第1終了判定時間よりも長い第2終了判定時間を超えた場合に前記回転同期制御を終了することをその要旨とする。
上記構成によれば、変速段の変更に伴って回転同期制御が開始された後、クラッチがなかなか繋がれずに、クラッチを繋ぐまでの時間が長くなったとしても、変速段の変更が終了してからの経過時間が終了判定時間を超えたときに回転同期制御が終了されることになる。したがって、内燃機関の出力軸の回転速度を手動変速機の入力軸の回転速度と同期させた状態を維持するために、回転同期制御を通じて長期間に亘って燃料が消費され続けることを抑制し、回転同期制御に伴う燃料消費を抑制することができる。
クラッチを解放している間に複数回の変速段の変更を行う場合には、最後の変速段の変更が終了してからの経過時間が終了判定時間を超えるまで回転同期制御が終了されないため、回転同期制御が長い期間に亘って継続されやすい。
そこで、上記内燃機関の制御装置では、前記終了判定時間である第1終了判定時間に加え、該第1終了判定時間よりも長い第2終了判定時間を設定し、前記変速段の変更が終了してからの経過時間が前記第1終了判定時間を超えた場合に加えて、前記回転同期制御が開始されてからの経過時間が前記第2終了判定時間を超えた場合にも前記回転同期制御を終了する。
上記構成によれば、制御装置は回転同期制御を開始してからの経過時間が第2終了判定時間を超えた場合にも回転同期制御を終了するので、クラッチを開放している間に複数回の変速段の変更が行われる場合であっても、回転同期制御が長期間に亘って継続されることを抑制することができる。したがって、回転同期制御に伴って消費される燃料の増大が抑制される。
また、上記内燃機関の制御装置では、前記変速段が変更された後の減速比が大きいほど前記第1終了判定時間及び前記第2終了判定時間を短くすることが好ましい。
手動変速機の入力軸の回転速度は、手動変速機の出力軸の回転速度が等しい場合であっても、減速比が大きいほど高くなる。そのため、内燃機関の出力軸の回転速度は、変速段が変更された後の減速比が大きいときほど、回転同期制御を通じて高い回転速度に維持されることになる。したがって、変速段が変更された後の減速比が大きいときほど、回転同期制御を通じて内燃機関の出力軸の回転速度を手動変速機の入力軸の回転速度と同期させた状態を維持するために消費される燃料の量は多くなる。
この点、上記構成によれば、変速段が変更された後の減速比が大きいほど第1終了判定時間及び第2終了判定時間が短くされるので、燃料消費量が多くなりやすい減速比の大きな変速段への変更に伴う回転同期制御の継続時間が短くなる。したがって、回転同期制御に伴う燃料消費量を効果的に抑制することができる。
上記内燃機関の制御装置が、燃料消費量を抑制するエコモードを含む複数の運転モードの中から運転モードを選択可能なものである場合には、前記エコモードが選択されている場合は、前記エコモードが選択されていない場合よりも、前記第1終了判定時間及び前記第2終了判定時間を短くすることが好ましい。
上記構成によれば、エコモードが選択されていない場合と比較して、燃料消費量を抑制することを優先するエコモードが選択された場合には、第1終了判定時間及び第2終了判定時間が短くされる。そのため、エコモードが選択されている場合には、エコモードが選択されていない場合と比較して回転同期制御が継続されにくくなる。したがって、上記構成によれば、燃料消費量を抑制するエコモードが選択されている場合に回転同期制御に伴う燃料消費量をより一層抑制することができるようになり、選択されている運転モードの特徴に合わせた制御態様の切り替えを実現することができる。
上記内燃機関の制御装置は、例えば、前記クラッチが開放された後の前記入力軸の回転速度の検出値と該検出値に平化処理を施したスムース値との乖離の大きさに基づいて前記変速段が変更されたことを判定し、前記回転同期制御を開始することが考えられる。
手動変速機のアップシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機の入力軸の回転速度が低下する。一方で、手動変速機のダウンシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機の入力軸の回転速度が上昇する。そのため、手動変速機の変速段が変更されたか否かは、入力軸の回転速度の変化から容易に検知できるように思われる。
しかしながら、クラッチが開放されると、プロペラシャフト等の駆動系の構成部材にねじり振動が発生し、それにより入力軸の回転速度が周期的に昇降するようになる。そのため、単純に入力軸の回転速度の変化を監視するだけでは、クラッチ開放後のねじり振動による入力軸の回転速度の変化と、変速段の変更に伴う入力軸の回転速度の変化とを区別できず、変速段が変更されたことを確認することは困難となっている。
その点、上記構成では、入力軸の回転速度の検出値と該検出値に平化処理を施したスムース値との乖離の大きさに基づいて変速段が変更されたことを確認するようにしている。入力軸の回転速度の検出値に平滑化処理を施して求められたスムース値には、入力軸の回転速度の急峻な変化は反映され難い。一方で、入力軸の回転速度の検出値には、変速段の変更に伴う急峻な回転速度の変化が顕著に現れる。そのため、これら検出値とスムース値との乖離の大きさを監視すれば、変速段の変更に伴う入力軸の回転速度の変化と、クラッチの開放後のねじり振動による入力軸の回転速度の変化とを的確に区別することができる。そして、これにより、シフト位置センサ等を用いて変速段が変更されたことを直接検出せずとも、変速段が変更されたことを的確に検出することができるようになる。したがって、上記構成によれば、より簡易な構成で、手動変速機の変速段が変更されたことを的確に検知し、回転同期制御を的確に開始することができる。
なお、前記クラッチが開放された後の入力軸の回転速度の検出値とスムース値との乖離の大きさに基づいて回転同期制御を開始するための具体的な構成としては、前記回転同期制御を開始する条件に、前記クラッチが開放された後の前記入力軸の回転速度の検出値と該検出値に平滑化処理を施したスムース値との乖離の大きさが開始判定値以上になったこと、を含ませるようにする構成を採用することができる。
変速段が変更されると手動変速機の入力軸の回転速度が短時間のうちに大きく変化し、入力軸の回転速度の検出値とスムース値との乖離が大きくなる。そのため、検出値とスムース値との乖離の大きさが開始判定値以上になったことを回転同期制御を開始する条件に含ませる構成を採用すれば、変速段が変更されて乖離の大きさが開始判定値以上になったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
上記内燃機関の制御装置では、前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量に基づいて前記変速段が変更されたことを判定し、前記回転同期制御を開始するようにしてもよい。
上述したように手動変速機の入力軸の回転速度は、手動変速機の出力軸の回転速度が等しい場合であっても減速比が大きいほど高くなる。そのため、手動変速機のアップシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機の入力軸の回転速度が低下する。一方で、手動変速機のダウンシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機の入力軸の回転速度が上昇する。したがって、入力軸の回転速度を手動変速機の出力軸の回転速度で除した商は変速段の変更に伴って変化し、その後、変速段の変更が終了すると変化しなくなる。
したがって、上記の商の変化量を監視することにより、変速段が変更されたか否かを判定することができる。これにより、変速段の変更を検知するためのシフト位置センサ等を備えなくても変速段が変更されたか否かを判定することができるので、簡易な構成で回転速度制御を実行することができる。
なお、上記の商の変化量に基づいて回転同期制御を開始するための具体的な構成としては、前記回転同期制御を開始する条件に、前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量が開始判定値以上になった後に、前記商の変化量が前記開始判定値よりも小さくなったこと、を含ませるようにする構成や、前記回転同期制御を開始する条件に、前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量が開始判定値以上になったこと、を含ませる構成を採用することができる。
変速段が変更されると手動変速機の出力軸の回転速度はほとんど変化しない一方で、入力軸の回転速度が短時間のうちに大きく変化するため、上記の商が大きく変化する。したがって、上記の商の変化量が開始判定値以上になったことを回転同期制御を開始する条件に含ませる構成を採用すれば、変速段が変更されて上記の商の変化量が開始判定値以上になったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
また、変速段の変更が終了すると、上記の商はほとんど変化しなくなる。そのため、上記の商の変化量が開始判定値以上になった後に、同商の変化量が開始判定値よりも小さくなったことを回転同期制御を開始する条件に含ませる構成を採用すれば、変速段の変更が終了して上記の商の変化量が開始判定値よりも小さくなったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
一実施形態の内燃機関の制御装置と、この制御装置の制御対象である内燃機関との関係を示す模式図。 同実施形態の制御装置が実行する回転同期制御ルーチンの処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の制御装置が実行する判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。 回転同期制御の終了時期とクラッチ開度、第1タイマ値、第2タイマ値との関係を示すタイムチャートであり、クラッチ開度に基づいて回転同期制御が終了されるときの状況を示すタイムチャート。 図4と同様のタイムチャートであり、第1終了判定時間に基づいて回転同期制御が終了されるときの状況を示すタイムチャート。 図4及び図5と同様のタイムチャートであり、第2終了判定時間に基づいて回転同期制御が終了されるときの状況を示すタイムチャート。
以下、上記課題を解決する内燃機関の制御装置の一実施形態について、図を参照して説明する。この実施形態は、手動変速機付きの車両に搭載される内燃機関を制御する制御装置の一例である。
図1に示すように、本実施形態にかかる車両の駆動系は、内燃機関10と、手動変速機25と、これら内燃機関10と手動変速機25とを繋ぐクラッチ21とを備えている。内燃機関10の吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。
内燃機関10は、制御装置100によって制御される。例えば、制御装置100は、スロットルバルブ12を駆動するモータ13を制御し、スロットルバルブ12の開度を変更する。スロットルバルブ12の開度が大きくなると、内燃機関10の吸入空気量が増加するため、制御装置100は、この吸入空気量の増加に合わせて燃料消費量を増加させる。制御装置100は、このようにスロットルバルブ12の開度と燃料噴射量とを調整することにより、内燃機関10の出力軸14の回転速度である機関回転速度を制御する。
手動変速機25は、複数のギアを備えており、これら複数のギアの組み合わせによって構成することのできる複数の変速段の中から1つの変速段を選択することにより変速比を変更する。手動変速機25の変速段は、運転者がシフトレバー50を操作することによって選択される。
クラッチ21は、内燃機関10の出力軸14に固定されたフライホイール22と、手動変速機25の入力軸24に固定されたクラッチディスク23とを備えている。クラッチディスク23は、入力軸24の延伸方向(図1では左右方向)に駆動されることによって、内燃機関10と手動変速機25との間における駆動力の伝達状態を切り替える。
例えば、運転者がクラッチペダル60を踏み込むと、図1に示されるようにクラッチディスク23がフライホイール22から離間した状態になる。このとき、クラッチ21は解放されて、内燃機関10と手動変速機25との間での駆動力の伝達はなされない。
一方、クラッチペダル60の踏み込みが解除されると、クラッチディスク23が図示しない付勢部材の付勢力によって図1における左方に向けて移動してフライホイール22に圧接される。このときには、クラッチ21が繋がれて内燃機関10と手動変速機25との間で駆動力が伝達される。すなわち、内燃機関10の出力軸14は、クラッチ21を介して手動変速機25の入力軸24に接続される。
このように、クラッチ21は運転者によるクラッチペダル60の踏み込み操作によって解放される一方で、クラッチペダル60の踏み込み操作が解除されることによって繋がれる。
また、手動変速機25において、シフトレバー50の操作位置がニュートラルにあるとき、入力軸24の回転は手動変速機25の出力軸26に伝達されない。一方、シフトレバー50の操作位置が1速、2速、3速等の前進走行位置または、リバースすなわち後進走行位置にあるとき、入力軸24の回転が出力軸26に伝達される。
図1の右側に示すように、手動変速機25の出力軸26は、プロペラシャフト27を介してディファレンシャル28に連結されている。そして、手動変速機25を介して伝達された内燃機関10の駆動力は、プロペラシャフト27を介してディファレンシャル28に伝達される。さらに、ディファレンシャル28に伝達された駆動力は、左右のドライブシャフト29L,29Rに分配された後、ドライブシャフト29L,29Rに接続された左右の駆動輪30L,30Rに伝達される。
内燃機関10の制御装置100は、例えば中央演算処理装置(CPU)に加えて、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、記憶データを書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM等の各種メモリを備えた電子制御装置である。
本実施形態の制御装置100は、計時動作を行う第1タイマ101及び第2タイマ102を備えている。なお、第1タイマ101のタイマ値TA及び第2タイマ102のタイマ値TBの初期値は、いずれも「0」に設定されている。
制御装置100には、内燃機関10の出力軸14の回転速度を検出する機関回転速度センサ63と、クラッチ21の開度を検出するクラッチ開度センサ64と、手動変速機25の入力軸24の回転速度である入力軸回転速度を検出する入力軸回転速度センサ65と、車速センサ66とが接続されている。
クラッチ開度は、クラッチ21の開放度合いを示す値であり、クラッチペダル60の踏み込み量に比例して大きくなる。したがって、クラッチ開度が大きくなるとそれに伴ってフライホイール22とクラッチディスク23とを圧接させている力が弱くなり、クラッチ21を介して伝達される駆動力は次第に小さくなる。そして、クラッチ開度がさらに大きくなり、フライホイール22とクラッチディスク23とが離間するようになるとクラッチ21が完全に解放され、クラッチ21を介した駆動力の伝達はなされなくなる。
また、車速センサ66は、手動変速機25の出力軸26と連結されているプロペラシャフト27の回転速度を検出するセンサである。すなわち、車速センサ66によって検出される回転速度は手動変速機25の出力軸26の回転速度と等しいため、車速センサ66によって検出される回転速度は、手動変速機25の出力軸26の回転速度でもある。制御装置100は、この車速センサ66によって検出された回転速度に基づいて駆動輪30L,30Rの回転速度である車輪回転速度及び車速を算出する。
制御装置100は、これらセンサ63〜66からの出力信号並びにアクセルペダル40及びクラッチペダル60の操作量等に基づいて、車両の制御を行う。例えば、制御装置100は、アクセルペダル40の操作量に基づいてモータ13を駆動し、上述したようにスロットルバルブ12の開度を調整することにより、機関回転速度を制御する。
また、制御装置100には、車両が運転モードを切り替えるためのモード切替スイッチ67が接続されている。制御装置100は、モード切替スイッチ67の操作状態に応じて、複数の運転モードの中から運転モードを選択する。運転モードには、燃料消費量を抑制するエコモードや、エコモードが選択されているときよりもアクセル操作に対する応答性を高くするパワーモードが含まれている。
具体的には、制御装置100は、エコモードが選択されているときには、いずれの運転モードも選択されていない通常の状態と比較してアクセル操作に対するスロットルバルブ12の開度の変更の応答を穏やかにする。また、制御装置100は、パワーモードが選択されているときには、いずれの運転モードも選択されていない通常の状態と比較してアクセル操作に対するスロットルバルブ12の開度の変更の応答性を高める。これにより、エコモードが選択されているときにはパワーモードが選択されているときよりも燃料消費量の抑制が優先され、パワーモードが選択されているときにはエコモードが選択されているときよりもアクセル操作に対する応答性が優先されるようになる。
次に、制御装置100が実行する回転同期制御について説明する。
変速段の変更に伴ってクラッチ21を繋ぐときに機関回転速度と入力軸回転速度とが大きく乖離していると、変速ショックが生じることがある。特に、ダウンシフトの場合には、変速段の変化に伴って入力軸回転速度が急上昇するので、機関回転速度と入力軸回転速度との乖離が大きくなりやすく、変速ショックが大きくなりやすい傾向がある。
そこで、制御装置100は、変速段の変更に際して、出力軸14の回転速度を入力軸24の回転速度に同期させるための内燃機関10の回転同期制御を実行する。この回転同期制御では、アクセルペダル40の操作がなされていなくても、変速段変更後の変速比に応じて制御装置100が、出力軸14の回転速度を入力軸24の回転速度に同期させるように自動的に機関回転速度を制御する。
本実施形態において、制御装置100は変速段が変更されたときに回転同期制御を開始する。また、制御装置100は、基本的にはクラッチ21が繋がったときに回転同期制御を終了する。なお、クラッチ21が繋がったか否かは、クラッチ開度センサ64が検出するクラッチ開度に基づいて判定することができる。
ところで、運転者によっては、クラッチペダル60を踏みながらアクセルペダル40を操作することで自らのアクセル操作により機関回転速度を調整して変速ショックを低減したり、クラッチ21を解放した状態で変速段の変更操作を連続して複数回行ったりする場合がある。また、クラッチ21を解放した状態でシフトレバー50が操作され、変速段の変更が行われたものの、クラッチ21が繋がれることなく、信号待ち等で停車する場合もある。これらの場合には、回転同期制御を開始してからクラッチが繋がれるまでの時間が長くなるので、回転同期制御に伴う燃料消費量が多くなってしまう。
そこで、本実施形態の制御装置100では、クラッチ21が繋がれたときに加えて、変速段の変化が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えたときと、回転同期制御が開始されてからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えたときにも、回転同期制御を終了させるようにしている。なお、第2終了判定時間TE2は、第1終了判定時間TE1よりも大きい値に設定されている。
すなわち、本実施形態の制御装置100は、「クラッチ21が繋がれた」ことと、「変速段の変化が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えた」ことと、「回転同期制御が開始されてからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えた」ことの、3つの終了条件うち、いずれかが成立した場合に、回転同期制御を終了する。
ここで、制御装置100が備える第1タイマ101は、クラッチ21が開放されて変速段の変更が開始された後、変速段が元の変速段から変更先の変速段に移行したときに、計時動作を開始する。すなわち、第1タイマ101は、変速段の変更が終了したときに計時動作を開始する。
そして、第1タイマ101は、その後にクラッチ21が繋がれたときに、計時動作を終了して初期値にリセットされる。すなわち、第1タイマ101は、変速段の変更が終了してからの経過時間を計時する。
なお、クラッチ21が繋がれる前に更なる変速段の変更が行われた場合、すなわちクラッチ21を繋ぐことなく、4速から3速、更に3速から2速というように連続して複数回の変速段の変更が行われた場合には、第1タイマ101は、変速段の変更が終了する度に初期値から計時動作をやり直す。例えば、上記のようにクラッチ21を繋ぐことなく、4速から3速、更に3速から2速というように連続して変速段の変更が行われた場合には、第1タイマ101は、3速から2速への変速が終了したときに計測値を初期値である「0」にリセットして計時動作を再開する。
また、制御装置100が備える第2タイマ102は、回転同期制御が開始されたときに計時動作を開始し、クラッチ21が繋がれたときに計時動作を終了して初期値にリセットされる。すなわち、第2タイマ102は、回転同期制御が開始されてからの経過時間を計時する。
次に、制御装置100が実行する回転同期制御ルーチンについて説明する。
制御装置100は、図2に示す回転同期制御ルーチンの処理を内燃機関10の運転中に予め設定された周期で繰り返し実行する。
図2に示すように、回転同期制御ルーチンが開始されると、まずステップS210において、制御装置100は変速段の変化が有ったか否かを判定する。なお、この判定は図3を参照して後述する判定ルーチンを通じて行われる。
ステップS210において変速段の変化有りと判定した場合(ステップS210:YES)には、ステップS220へと進む。一方、ステップS210において否定判定がなされた場合(ステップS210:NO)には、処理を終了する。なお、変速段の変化有りと判定されて、その変化が終了すると、上述したように第1タイマ101が計時動作を開始する。
ステップS220において、制御装置100は回転同期制御を開始する。なお、ステップS220で制御装置100が回転同期制御を開始すると、上述したように第2タイマ102が計時動作を開始する。
ステップS220に続くステップS230において、制御装置100は上述した3つの終了条件うち、いずれかが成立したか否かを判定する。すなわち、クラッチ21が繋がれたか、第1タイマ101の第1タイマ値TAが第1終了判定時間TE1を超えたか、あるいは、第2タイマ102の第2タイマ値TBが第2終了判定時間TE2を超えたか、のいずれか1つでも成立しているか否かを判定する。そして、3つの終了条件うちいずれか1つでも成立している場合には、終了条件が成立していると判断し(ステップS230:YES)、制御装置100はステップS240に進んで回転同期制御を終了する。
一方、ステップS230において否定判定がなされた場合(ステップS230:NO)、すなわち3つの終了条件のいずれもが成立していない場合には、ステップS230において肯定判定がなされるまでステップS220を繰り返す。要するに、この回転同期制御ルーチンでは、3つの終了条件のいずれかが成立するまで回転同期制御を継続させる。
こうした回転同期制御ルーチンを通じて、本実施形態の制御装置100では、クラッチ21が繋がれたときに加えて、変速段の変化が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えたときと、回転同期制御が開始されてからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えたときにも、回転同期制御を終了させる。
なお、手動変速機25の入力軸24の回転速度は、手動変速機25の出力軸14の回転速度が等しい場合であっても、減速比が大きいほど高くなる。そのため、内燃機関10の出力軸14の回転速度は、変速段が変更された後の減速比が大きいときほど、回転同期制御を通じて高い回転速度に維持されることになる。したがって、変速段が変更された後の減速比が大きいときほど、回転同期制御を通じて内燃機関10の出力軸14の回転速度を手動変速機25の入力軸24の回転速度と同期させた状態を維持するために消費される燃料の量は多くなる。そこで、回転同期制御の継続時間を短くして燃料消費量を抑制する上では、変速段が変化した後の減速比が大きいときほど終了判定時間TE1,TE2を小さくするのが好ましい。
そこで、制御装置100は、変速段が変化した後の減速比が大きいときほど終了判定時間TE1,TE2を短くする。これにより、例えば、変速段が3速に変更されたときよりも、変速段が2速に変速されたときの方が終了判定時間TE1,TE2は短くされる。なお、この場合であっても第2終了判定時間TE2が第1終了判定時間TE1よりも大きいという大小関係は維持される。
また、制御装置100は、エコモードが選択されている場合は、パワーモードが選択されている場合よりも第1終了判定時間TE1及び第2終了判定時間TE2を短くする。なお、この場合にも第2終了判定時間TE2が第1終了判定時間TE1よりも大きいという大小関係は維持される。
続いて、制御装置100が実行する回転同期制御のための判定ルーチンについて説明する。
制御装置100は、図3に示す判定ルーチンの処理を内燃機関10の運転中に予め設定された周期で繰り返し実行することによって、変速段が変更されたか否かの確認を行う。
図3に示すように、判定ルーチンが開始されると、まずステップS110において、制御装置100は内燃機関10の暖機が完了しているか否かを判定する。そして、ステップS110において、暖機が完了していると判定した場合(ステップS110:YES)には、ステップS120へと進む。なお、暖機未完了時であってもこの判定ルーチンを通じて十分な判定精度で変速段が変更されたか否かを判定することができるのであれば、ステップS110の判定は省略してもよい。
ステップS120において、制御装置100はクラッチ開度に基づいてクラッチ21が解放されているか否かを判定する。ここでは、クラッチ21が完全に開放されたときにクラッチ21が開放されていると判定するようにしてもよいし、機関回転速度及び入力軸回転速度の変化が確認できる程度にクラッチ21が部分開放された段階でクラッチ21が開放されていると判定するようにしてもよい。そして、ステップS120においてクラッチ21が解放されていると判定した場合(ステップS120:YES)には、ステップS130へと進む。
ステップS130において、制御装置100は変速段が変化したか否かを判定するための判定条件が成立しているか否かを判定する。
ここで、変速段が変化したか否かを判定するための判定条件について説明する。
本実施形態の制御装置100は、クラッチ21が解放された後の入力軸回転速度の変化に基づいて変速段が変化したか否かを判定する。
手動変速機25のアップシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機25の入力軸24の回転速度が低下する。一方で、手動変速機25のダウンシフト側への変速段の変更に際しては、手動変速機25の入力軸24の回転速度が上昇する。そのため、手動変速機25の変速段が変更されたか否かは、入力軸24の回転速度の変化から容易に検知できるように思われる。
しかしながら、クラッチ21が開放されると、プロペラシャフト27等の駆動系の構成部材にねじり振動が発生し、それにより入力軸24の回転速度が周期的に昇降するようになる。そのため、単純に入力軸24の回転速度の変化を監視するだけでは、クラッチ21開放後のねじり振動による入力軸24の回転速度の変化と、変速段の変更に伴う入力軸24の回転速度の変化とを区別できず、変速段が変更されたことを的確に確認することが困難となっている。
そこで、制御装置100は、入力軸24の回転速度のラフ値と入力軸24の回転速度の検出値に平化処理を施したスムース値との乖離の大きさに基づいて変速段が変更されたことを確認するようにしている。なお、スムース値の算出のための平滑化処理としては、例えばなまし処理を用いることができる。
本実施形態のラフ値は、入力軸回転速度の検出値である。なお、入力軸回転速度のラフ値は、スムース値に対するものよりも平滑度合いの小さい平滑化処理を入力軸回転速度の検出結果に施して求められた値とすることもできる。
なまし処理によって平滑化されたスムース値は、検出値と比較して急峻な変化が反映され難い。例えば、クラッチ21の開放に伴って入力軸回転速度の検出値は駆動系のねじり振動に起因して周期的に昇降するが、このときの検出値の変化はあまり急峻ではないため、検出値とスムース値との差はそれほど大きくならない。
これに対して、クラッチ21が開放された後、例えば、ダウンシフト側への変速段の変更が実行されると、入力軸回転速度の検出値が急激に上昇する。このとき、検出値の急峻な変化は平滑化処理により均されるため、スムース値への反映は遅くなる。その結果、入力軸回転速度の検出値とスムース値との差が大きくなる。
そこで、本実施形態においては、ラフ値とスムース値との差が開始判定値Nd以上になることを、変速段が変更されたか否かを判定する際の判定条件の1つとしている。
なお、開始判定値Ndは、ダウンシフト側への変速段の変更の場合と、アップシフト側への変速段の変更の場合とで異なる値としてもよい。例えば、ダウンシフト側への変速段の変更の場合には入力軸回転速度が上昇するため、入力軸回転速度が上昇している場合には開始判定値をNd1にして検出値からスムース値を減算した差がNd1以上の場合に変速段が変更されたと判定する。一方で、アップシフト側への変速段の変更の場合には入力軸回転速度が低下するため、入力軸回転速度が低下している場合には開始判定値をNd2にしてスムース値から検出値を減算した差がNd2以上の場合に変速段が変更されたと判定する。
この判定は、変速段の変更が完了していなくても、入力軸回転速度の検出値とスムース値との差が開始判定値Nd以上になった時点で行うことができる。そのため、入力軸回転速度の検出値とスムース値との差に基づいて変速段の変化有りと判定した場合には、変速段の変更が完了するよりも前に、速やかに回転同期制御を開始することが可能になる。
ただし、クラッチ21を解放する直前の機関回転速度が極めて低い場合には、クラッチ21解放後の変速段の変更に伴う入力軸回転速度の変化は小さくなる。この場合には、上述したような入力軸回転速度の検出値とスムース値との差も小さくなり、ねじり振動に起因する変化と変速段の変更に伴う変化とが区別しにくい場合がある。
また、いずれかの変速段が選択されており、かつ、クラッチ21が解放されているときには、入力軸24は駆動輪30L,30Rに連動して回転する。そのため、駆動輪30L,30Rの回転速度が変化すると、変速段が変更されなくても入力軸回転速度が変化することがある。
そこで、本実施形態の制御装置100は、入力軸回転速度を車速センサ66によって検出される出力軸26の回転速度で除した商である変速比を算出し、その変速比の単位時間あたりの変化量である変速比変化量を算出する。そして、制御装置100は、ラフ値とスムース値との差以外に、算出した変速比変化量に基づいて変速段が変更されたか否かを判定する。
いずれかの変速段が選択されているときには、入力軸回転速度の検出値は出力軸26の回転速度と連動して変化するので、変速段が変更されない限りは出力軸26の回転速度が変化しても、算出される変速比は変化しない。一方、変速段が変更されると、入力軸回転速度の変化に応じて制御装置100によって算出される変速比が変化する。
したがって、本実施形態においては、変速比変化量が開始判定値Rd以上になった後に、同変速比変化量が開始判定値Rdより小さくなって、変速後の変速比で安定した状態になることを、変速段が変更されたか否かを判定する際の判定条件の1つとしている。
そして、制御装置100は、判定ルーチンのステップS130において、「入力軸回転速度の検出値とスムース値との差が開始判定値Nd以上になる」ことと、「変速比変化量が開始判定値Rd以上になった後に、同変速比変化量が開始判定値Rdより小さくなる」ことの2つの判定条件のうち、いずれかが成立している場合(ステップS130:YES)には、ステップS140へと進む。
ステップS140において、制御装置100は変速段の変化有りと判定する。一方、ステップS110,S120,S130において否定判定がなされた場合(ステップS110:NO,ステップS120:NO,ステップS130:NO)には、ステップS140はスキップされて処理が終了する。
次に、本実施形態にかかる内燃機関10の制御装置100の作用について説明する。
図4〜図6に示すように、クラッチ21が解放された後、制御装置100が回転同期制御を開始すると、第2タイマ102が計時動作を開始することによって、第2タイマ値TBが増加し始める。また、変速段の変更が終了すると、第1タイマ101が計時動作を開始することによって、第1タイマ値TAが増加し始める。
なお、本実施形態においては、変速比変化量が開始判定値Rdより小さくなって、変速後の変速比で安定した状態になった場合に、制御装置100が変速段の変化が終了したと判定する。
ここで、図4〜図6には、「入力軸回転速度の検出値とスムース値との差が開始判定値Nd以上になる」との判定条件に基づいて制御装置100が変速段の変化が有ったと判定して、回転同期制御を開始した場合のタイムチャートを示している。そのため、第2タイマ102は第1タイマ101よりも先に計時動作を開始している。
一方、制御装置100は、変速比変化量が開始判定値Rdより小さくなったことに基づいて変速段の変化が有ったと判定した場合には、その判定と同時に変速段の変化が終了したと判定する。したがって、変速比変化量に基づいて変速段の変化が有ったと判定されたときには、第1タイマ101と第2タイマ102とが同時に計時動作を開始することになる。
図4に示すように、変速段の変更完了後、速やかにクラッチ21が繋がれた場合、すなわち第1タイマ値TAが第1終了判定時間TE1を超える前であって、かつ第2タイマ値TBが第2終了判定時間TE2を超える前にクラッチ21が繋がれた場合には、制御装置100はクラッチ21が繋がれたときに回転同期制御を終了する。このように、変速段を変更して速やかにクラッチ21が繋がれる場合には、回転同期制御の継続時間は短い。
一方、図5に示すように、回転同期制御が開始されてからクラッチ21がなかなか繋がれず、クラッチ21が解放された状態で第1タイマ値TAが第1終了判定時間TE1を超えたときにも、制御装置100は回転同期制御を終了する。なお、第1タイマ101及び第2タイマ102はその後クラッチ21が繋がれたときにリセットされる。
なお、シフトレバー50の操作は短時間で行われるため、シフトレバー50の操作の途中で回転同期制御が開始された場合であっても、回転同期制御が開始される時刻と操作が終了する時刻との時間差は小さい。そのため、クラッチ21を解放している間に生じる変速段の変化が1回である場合には、図5に示されるように回転同期制御が第2終了判定時間TE2よりも短い第1終了判定時間TE1に基づいて終了される。
これに対して、1回目の変速段の変化が終了して第1タイマ101が計時動作を開始した後、第1タイマ値TAが第1終了判定時間TE1を超える前に再び変速段が変更された場合には、第1タイマ値TAが初期値である「0」にリセットされて計時動作がやり直される。
すなわち、クラッチ21を解放している間に複数回の変速段の変更を行う場合には、第1終了判定時間TE1に基づく終了条件を設定したとしても、最後の変速段の変更が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えるまで回転同期制御が終了されないため、回転同期制御が長い期間に亘って継続されるおそれがある。
そこで、制御装置100では、第1終了判定時間TE1に加え、第1終了判定時間TE1よりも長い第2終了判定時間TE2を設定し、変速段の変更が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えた場合に加えて、回転同期制御が開始されてからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えた場合にも回転同期制御を終了する。
すなわち、図6に示すように、クラッチ21が解放された状態で第2タイマ値TBが第2終了判定時間TE2を超えた場合にも、回転同期制御が終了される。そのため、クラッチ21を解放している間に複数回の変速段の変更を行う場合にも、回転同期制御に伴って消費される燃料の増大が抑制される。
このように、本実施形態の制御装置100は、クラッチ21が繋がれる前に第1タイマ値TAが第1終了判定時間TE1を超えたり、第2タイマ値TBが第2終了判定時間TE2を超えたりした場合には、回転同期制御を終了する。そのため、機関回転速度と入力軸回転速度の同期が完了してからクラッチ21が繋がれるまでの経過時間が長くなった場合にも、回転同期制御に伴う燃料消費が抑制される。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)変速段の変更に伴って回転同期制御が開始された後、クラッチ21がなかなか繋がれずに、クラッチ21を繋ぐまでの時間が長くなったとしても、変速段の変更が終了してからの経過時間が第1終了判定時間TE1を超えたときに回転同期制御が終了されることになる。したがって、内燃機関10の出力軸14の回転速度を手動変速機25の入力軸24の回転速度と同期させた状態を維持するために、回転同期制御を通じて長期間に亘って燃料が消費され続けることを抑制し、回転同期制御に伴う燃料消費を抑制することができる。
(2)制御装置100は回転同期制御を開始してからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えた場合にも回転同期制御を終了するので、クラッチ21を開放している間に複数回の変速段の変更が行われる場合であっても、回転同期制御が長期間に亘って継続されることを抑制することができる。したがって、回転同期制御に伴って消費される燃料の増大が抑制される。
(3)変速段が変更された後の減速比が大きいほど第1終了判定時間TE1及び第2終了判定時間TE2を短くすることで、燃料消費量が多くなりやすい減速比の大きな変速段への変更に伴う回転同期制御の継続時間が短くなる。したがって、回転同期制御に伴う燃料消費量を効果的に抑制することができる。
(4)パワーモードが選択されている場合と比較してアクセル操作に対する応答性よりも燃料消費量を抑制することを優先するエコモードが選択された場合には、第1終了判定時間TE1及び第2終了判定時間TE2が、パワーモードが選択されている場合よりも短くされる。そのため、エコモードが選択されている場合には、パワーモードが選択されている場合、すなわちエコモードが選択されていない場合と比較して回転同期制御が継続されにくくなる。そして、燃料消費量を抑制するエコモードが選択されている場合に回転同期制御に伴う燃料消費量をより一層抑制することができるようになり、選択されている運転モードの特徴に合わせた制御態様の切り替えを実現することができる。
(5)入力軸24の回転速度の検出値に平滑化処理を施して求められたスムース値には、入力軸24の回転速度の急峻な変化は反映され難い。一方で、入力軸24の回転速度の検出値には、変速段の変更に伴う急峻な回転速度の変化が顕著に現れる。そのため、これら検出値とスムース値との乖離の大きさを監視すれば、変速段の変更に伴う入力軸24の回転速度の変化と、クラッチ21の開放後のねじり振動による入力軸24の回転速度の変化とを的確に区別することができる。そして、これにより、シフト位置センサ等を用いて変速段が変更されたことを直接検出せずとも、変速段が変更されたことを的確に検出することができるようになる。したがって、上記構成によれば、より簡易な構成で、手動変速機25の変速段が変更されたことを的確に検知し、回転同期制御を的確に開始することができる。
(6)変速段が変更されると手動変速機25の入力軸24の回転速度が短時間のうちに大きく変化し、入力軸24の回転速度の検出値とスムース値との乖離が大きくなる。そのため、上記実施形態のように検出値とスムース値との乖離の大きさが開始判定値Nd以上になったことを回転同期制御を開始する条件に含ませる構成を採用すれば、変速段が変更されて乖離の大きさが開始判定値Nd以上になったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
(7)入力軸24の回転速度を手動変速機25の出力軸14の回転速度で除した商である変速比は変速段の変更に伴って変化し、その後、変速段の変更が終了すると変化しなくなる。したがって、上記実施形態のように変速比の変化量である変速比変化量を監視することにより、変速段が変更されたか否かを判定することができる。これにより、変速段の変更を検知するためのシフト位置センサ等を備えなくても変速段が変更されたか否かを判定することができるので、簡易な構成で回転速度制御を実行することができる。
(8)変速段の変更が終了すると、変速比はほとんど変化しなくなる。そのため、上記実施形態のように変速比変化量が開始判定値Rd以上になった後に、開始判定値Rdが前記開始判定値よりも小さくなったことを回転同期制御を開始するための判定条件に含ませる構成を採用すれば、変速段の変更が終了して変速比変化量が開始判定値Rdよりも小さくなったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、変速段毎に異なる終了判定時間TE1,TE2を設定するようにしたが、変速段が変更された後の減速比が大きいほど終了判定時間TE1,TE2を小さく設定する態様としては他の態様を採用してもよい。例えば複数の変速段毎に異なる終了判定時間TE1,TE2を設定するようにしてもよい。具体的には3速及び4速に設定される終了判定時間TE1,TE2に対して、それよりも減速比が大きい1速及び2速に設定される終了判定時間TE1,TE2を小さく設定してもよい。あるいは、最も減速比が大きい変速段に対して、他の変速段よりも小さい終了判定時間TE1,TE2を設定してもよい。
さらに、車両が手動変速機25に加えて副変速機を備えている場合には、副変速機において減速比が大きくなるように変速段が変更された場合に、終了判定時間TE1,TE2を小さく設定するようにしてもよい。あるいは、手動変速機25及び副変速機を介した減速比に応じて、上述したように終了判定時間TE1,TE2の長さを設定するようにしてもよい。
・また、上記実施形態では、さらに、第1終了判定時間TE1及び第2終了判定時間TE2の双方を変速段が変更された後の減速比が大きいほど小さくするようにしていたが、第1終了判定時間TE1及び第2終了判定時間TE2のうちいずれか一方のみを、変速段が変化した後の減速比が大きいほど小さく設定するようにしてもよい。
・回転同期制御を開始するための判定条件として、「変速比変化量が開始判定値Rd以上になった後に、同変速比変化量が開始判定値Rdより小さくなる」ことに替えて、「変速比変化量が開始判定値Rd以上になる」ことを判定条件として含ませることもできる。
変速段が変更されると手動変速機25の出力軸14の回転速度はほとんど変化しない一方で、入力軸24の回転速度が短時間のうちに大きく変化するため、変速比が大きく変化する。したがって、変速比変化量が開始判定値Rd以上になったことを回転同期制御を開始するための判定条件に含ませる構成を採用した場合には、変速段が変更されて変速比変化量が開始判定値Rd以上になったことが検知された場合に、その検知結果に基づいて回転同期制御を開始することができる。
・その他、回転同期制御を開始するための判定条件として、「入力軸回転速度の検出値が開始判定値以上になる」こと、を含ませるようにする構成を採用することもできる。この場合にも、変速段の変更に伴って変速比が変化し始めたことを判定し、回転同期制御を開始させることができる。
・回転同期制御の終了条件として、回転同期制御が開始されてからの経過時間が第2終了判定時間TE2を超えること、を含めない構成とすることもできる。この場合には、制御装置100が第2タイマ102を備えなくてもよいので、より簡易な構成で回転同期制御に伴う燃料消費を抑制することができる。
・変速段の変化を検出するためのシフト位置センサを備える場合には、シフト位置センサの検出結果に基づいて変速段の変化の有無を判定するようにしてもよい。この場合には、シフト位置センサによって変速段の変化の有無を検知できるため、上記判定ルーチンを行わなくてもよい。
・エコモードの他の運転モードとして、例えばパワーモードの他にもノーマルモードやスポーツモードなどの複数の運転モードを含み、これらのうち3つ以上の運転モードの中から任意の運転モードを選択可能な構成とすることもできる。この場合には、エコモードが選択されている場合は、エコモード以外の運転モードが選択されている場合よりも、終了判定時間TE1,TE2を短くするのが好ましい。
10…内燃機関、14…出力軸、21…クラッチ、24…入力軸、25…手動変速機、100…制御装置。

Claims (8)

  1. 出力軸がクラッチを介して手動変速機の入力軸に接続された内燃機関に適用されて、前記手動変速機の変速段の変更に伴って前記出力軸の回転速度を前記入力軸の回転速度に同期させる回転同期制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記変速段が変更された場合に前記回転同期制御を開始し、前記クラッチが繋がった場合に前記回転同期制御を終了しかつ前記変速段の変更が終了してからの経過時間が第1終了判定時間を超えた場合に前記回転同期制御を終了しかつ前記回転同期制御が開始されてからの経過時間が前記第1終了判定時間よりも長い第2終了判定時間を超えた場合に前記回転同期制御を終了する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記変速段が変更された後の減速比が大きいほど前記第1終了判定時間及び第2終了判定時間を短くする
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 燃料消費量を抑制するエコモードを含む複数の運転モードの中から運転モードを選択可能であり、
    前記エコモードが選択されている場合は、前記エコモードが選択されていない場合よりも、前記第1終了判定時間及び前記第2終了判定時間を短くする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記クラッチが開放された後の前記入力軸の回転速度の検出値と該検出値に平滑化処理を施したスムース値との乖離の大きさに基づいて前記変速段が変更されたことを判定し、前記回転同期制御を開始する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記回転同期制御を開始する条件に、
    前記クラッチが開放された後の前記入力軸の回転速度の検出値と該検出値に平滑化処理を施したスムース値との乖離の大きさが開始判定値以上になったこと、
    が含まれている
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量に基づいて前記変速段が変更されたことを判定し、前記回転同期制御を開始する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記回転同期制御を開始する条件に、
    前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量が開始判定値以上になった後に、前記商の変化量が前記開始判定値よりも小さくなったこと、
    が含まれている
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記回転同期制御を開始する条件に、
    前記入力軸の回転速度を前記手動変速機の出力軸の回転速度で除した商の変化量が開始判定値以上になったこと、
    が含まれている
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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