JP6127522B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、内燃機関の可変動弁装置においては、カムシャフトのカムと、吸気バルブに接触するロッカアームと、カムとロッカアームとの間に配置される介在駆動機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。仲介駆動機構は、カムと接触する入力部とロッカアームに接触する出力部を備えている。さらに、この可変動弁装置は、仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を変更する仲介位相差可変手段を備えている。そして、この可変動弁装置では、仲介位相差可変手段が入力部(ローラ)に対する出力部(揺動カム)の位相を変更して吸気バルブのリフト量を変化させる所謂ロストモーション機構を実現している。
特開2001−263015号公報
ところで、上記の可変動弁装置では、内燃機関が低負荷運転時などにおいて、所望の吸気量となるように吸気バルブのリフト量を変更し、燃費の向上を図っている。しかしながら、この可変動弁装置においては、吸気バルブのリフト量を小さくすると、当然、燃焼室に導入される空気は、吸気バルブに進入を阻害されるため、吸気損失が大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、所望の吸気量を確保しつつ、吸気損失が少ない内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、内燃機関の可変動弁装置において、支持軸に揺動自在に支持され、揺動動作に伴って内燃機関の吸気弁を開閉動作させる第1揺動腕と、この第1揺動腕に中間部が回転軸で揺動自在に支持され、この回転軸を挟む位置に第1接触部と第2接触部とを有する第2揺動腕と、第1接触部の近傍に配置されたカム軸に固定され、第1接触部に接触して吸気バルブの開閉を可能とするカムと、を備え、油圧アクチュエータ内の容積変化により第2接触部の位置を変位させ、前記吸気バルブの開弁状態を制御する可動部材と、カムのカム山によって吸気バルブがリフトしている開弁状態にあるとき、可動部材の油圧アクチュエータによる油圧を開放することにより第2接触部の位置を変位させ、吸気バルブを任意のタイミングで吸気バルブの駆動方向と駆動速度とを制御する可動部材制御部と、を備えることを特徴とする。
上記態様としては、可動部材制御部は、可動部材の動作開始時期を算出する制御時間算出部と、制御時間算出部が算出した制御時間を計時する計時部と、を備え、計時部が制御時間の計時を終了したとき、可動部材を動作させることが好ましい。
上記態様としては、制御時間算出部は、吸気バルブの開弁開始から、吸気バルブを閉弁方向へ駆動させる可動部材の動作開始時期までの開弁時間を算出する吸気バルブ開弁時間算出部を備えることが好ましい。
上記態様としては、内燃機関は、内燃機関に導入される吸気量を測定する吸気量センサを備え、吸気バルブ開弁時間算出部は、吸気量と内燃機関の回転数とに基づき、開弁時間を算出することが好ましい。
上記態様としては、可動部材制御部は、吸気バルブが閉弁方向へ駆動される途中にこの吸気バルブの閉弁速度を低下させる着座制御部を備え、制御時間算出部は、吸気バルブの閉弁方向への駆動開始から、着座制御の開始時間までの閉弁時間を算出する吸気バルブ閉弁時間算出部を備えることが好ましい。
上記態様としては、吸気バルブの開弁状態を検出する開弁状態検出器を備え、吸気バルブ閉弁時間算出部は、開弁状態と内燃機関の回転数とに基づき、閉弁時間を算出することが好ましい。
上記態様としては、制御時間算出部は、着座制御の開始から終了までの制動時間を算出する吸気バルブ制動時間算出部を備えることが好ましい。
上記態様としては、吸気バルブ制動時間算出部は、開弁状態と内燃機関の回転数に基づき、制動時間を算出することが好ましい。
本発明によれば、所望の吸気量を確保しつつ、吸気損失が少ない内燃機関の可変動弁装置を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、カムのベース円部が第1入力ローラ(第1接触部)に接触している場合の非リフト時の状態を示す正面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の要部分解斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置における油圧アクチュエータの断面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置におけるオイルリザーブタンクの断面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の制御系統を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、最大リフト量が選択された場合であり、リフト量が最大となった状態を示す正面図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、最小リフト量が選択された場合であり、リフト量が最小となった状態を示す正面図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、最小リフト量が選択された場合であり、吸気バルブが早閉じした状態を示す正面図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、最小リフト量となる場合であり、カムのノーズ部が第1入力ローラ(第1接触部)を通過するとき状態を示す正面図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、油圧アクチュエータのタペット(出没部)が突出状態を保持していることを示す断面図である。 図12は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、油圧アクチュエータのタペット(出没部)が没する状態を示す断面図である。 図13は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、油圧アクチュエータのタペット(出没部)が没する途中でオイルリリーフ通路を閉じた状態を示す断面図である。 図14は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置において、吸気バルブが閉じた後に再度タペット(可動部材)を突出させた状態を示す断面図である。 図15は、(1)最大リフト量より小さい任意のリフト量が選択された場合のバルブリフト特性、(2)最大リフト量が選択された場合でありバルブリフト特性(フルリフトカーブ)を示すバルブリフト特性図と、ソレノイドバルブのオン・オフ状態のタイミングと、ギャップセンサの出力値、可動部材制御部に設定される時間を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の制御を示すフローチャートである。 図17は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の制御におけるバルブ制御領域の一例を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の吸気量制御を示すフローチャートである。 図19は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の開弁時間設定制御を示すフローチャートである。 図20は、吸気バルブ開弁時間を算出するためのマップの一例を示す図である。 図21は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置の油圧弁制御を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態に係る内燃機関(以下、エンジンと云う。)の可変動弁装置の詳細を図面に基づいて説明する。
〈可変動弁装置の構成〉
図1〜5を用いて本発明の実施の形態に係る可変動弁装置100の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る可変動弁装置100は、カム軸1と、このカム軸1に固定されたカム2と、カム軸1の側方にカム軸1と平行に配置された支持軸3と、一端側が支持軸3に揺動自在に支持され、揺動動作に伴って他端部側で吸気バルブ4を開閉させる第1揺動腕としてのロッカアーム5と、第2揺動腕としての揺動アーム6と、可動部材としてのタペット23を含む油圧アクチュエータ20と、アキュムレータとしてのオイルリザーブタンク30と、油圧弁としてのソレノイドバルブ40と、可動部材制御部52を含むエンジンコントロールモジュール(以下、ECMという。)50と、を備える。
(吸気バルブ)
吸気バルブ4は、図示しないシリンダヘッド側のバルブガイドで軸方向に進退可能に設けられ、上端がバルブリテーナ17で支持されたバルブスプリング11により引き上げる方向(吸気ポートと燃焼室とを閉じる方向)に付勢されている。図1に示すように、吸気バルブ4は、閉弁時にシリンダヘッド側に設けられたバルブシート(弁座)18に接触している。
(カム)
カム軸1は、図示しないシリンダヘッド側の軸受け部に回転自在に支持され、図示しないチェーンやベルト等により図示しないクランクシャフトと連動して回転するようになっている。カム軸1の回転数は、例えばクランクシャフトの回転数の1/2となるように設定されている。また、本実施の形態において、このカム軸1は、エンジンの前後方向(図2および図3に矢印で示す方向)に沿って延びるように配置されている。
カム2は、基礎となるベース円部2Aと、ベース円部2Aより外側へ膨出するように形成されたノーズ部2Bと、を有する。カム2は、ベース円部2Aの中心にカム軸1が貫通されてこのカム軸1と一体に設けられている。したがって、カム2のカム軸1に対する配置状態により、図示しないクランクシャフトの動作に伴って動作する吸気バルブ4のリフト開始のタイミングが規定されている。
(ロッカアーム:第1揺動腕)
ロッカアーム5は、第1揺動腕としての機能を果たす。図1〜図3に示すように、ロッカアーム5は、一端部が支持軸3に揺動自在に支持されている。ロッカアーム5の中央には、第2揺動腕としての揺動アーム6が揺動可能に支持されている。ロッカアーム5の他端側のアーム先端部5Aには、吸気バルブ4の上端に接触するアジャストスクリュー9が下方に突出するようにロックナット10で締結されている。このアジャストスクリュー9がアーム先端部5Aより下方に突出する長さを調整することにより、吸気バルブ4のバルブクリアランスを適宜調整することができる。なお、ロッカアーム5の一端側には、図示しないシリンダヘッド側に設けられたギャップセンサ7と対向する位置に被検出部5Bが設けられている。
(揺動アーム:第2揺動腕)
揺動アーム6は、中間部が、ロッカアーム5に対して回転軸としての支点アームピン8で支持されている。なお、支点アームピン8は、抜け止めクリップ8Aで抜けないように固定されている。図2および図3に示すように、この揺動アーム6は、中間部で屈曲した形状の一対のアームプレート12を備える。これら一対のアームプレート12の一方の端部同士は、第1接触部としての円筒状の第1入力ローラ15が介在されている。この第1入力ローラ15は、第1ローラピン16で回転自在に支持されている。また、一対のアームプレート12の他方の端部同士は、第2接触部としての円筒状の第2入力ローラ13が介在されている。この第2入力ローラ13は、第2ローラピン14で回転自在に支持されている。第1入力ローラ15は、カム2のカム面が常時接触するように設定されている。第2入力ローラ13は、後述する油圧アクチュエータ20の可動部材としてのタペット23に常時接触するように設定されている。
(油圧アクチュエータ)
図4に示すように、本実施の形態で用いる油圧アクチュエータ20は、内部に第1油圧室構成管21Aを同軸的に備えるガイド筒21と、第1油圧室構成管21Aにスライド自在に嵌合する第2油圧室構成管22Aを備えたピストン22と、ピストン22を収納した状態でガイド筒21にスライド自在に嵌合する円筒容器状のタペット23(可動部材)と、ガイド筒21とピストン22との間に介在されピストン22およびタペット23をガイド筒21から突出する方向に付勢するリターンスプリング24と、ガイド筒21の上部に設けられ第1油圧室構成管21Aに連通するオイル通路ケース25と、オイル通路ケース25に設けられたチェックバルブ26と、チェックバルブ26を介してオイル通路ケース25に連通するオイル供給通路27と、オイル供給通路27に接続されたオイルポンプ28と、を備えて構成されている。
第1油圧室構成管21Aと第2油圧室構成管22Aとで形成される内部空間は、油圧室29を構成している。オイル通路ケース25の上部には、オイル供給通路27に連通する入口部25Aが形成されている。また、オイル通路ケース25の側部には、出口部25Bが形成されている。この出口部25Bには、作動油の流通が可能なオイルリリーフ通路31が連通している。
チェックバルブ26は、チェックボール26Aと、チェックボール26Aを保持する中央に流通孔が形成されたすり鉢状の保持板26Bと、チェックボール26Aの下流側に配置されたチェックボールリテーナ26Cと、チェックボールリテーナ26Cとガイド筒21との間に介在されてチェックボールリテーナ26Cを押し上げるように付勢されているチェックボール用リターンスプリング26Dと、備えている。
(オイルリザーブタンクおよびソレノイドバルブ)
図5に示すように、オイルリザーブタンク30は、下部にオイルリリーフ通路31が連通するシリンダ32と、このシリンダ32内に収納されたピストン33と、シリンダ32の上部内壁とピストン33との間に介在されピストン22をシリンダ32の下部内壁へ向けて付勢するスプリング34と、備えて構成されている。シリンダ32の上部には、エア抜き孔32Aが形成されている。また、シリンダ32の側壁32Bの所定の高さ位置には、オイルリリーフ孔32Cが形成されている。
オイルリリーフ通路31には、油圧弁としてのソレノイドバルブ40のプランジャ41が出没するように設けられている。このソレノイドバルブ40のプランジャ41によりオイルリリーフ通路31の開閉を行うようになっている。なお、ソレノイドバルブ40は、ロッカアーム5に設けられた被検出部5Bとの距離を検出したギャップセンサ7の出力信号に基づくとともに、ECM50に格納された可動部材制御部52により所望の制御が行われるようになっている。
(ECM)
図6に示すように、ECM50は、バルブ領域判定部51と、可動部材制御部52と、を備えている。ECM50には、クランク角センサ61、カム角センサ62、吸気量センサ63、スロットルセンサ64、アクセルセンサ65、水温センサ66、開弁状態検出器としてのギャップセンサ7などからの出力信号が入力されるようになっている。可動部材制御部52は、制御時間算出部53と、ソレノイドバルブ40を制御する油圧弁制御部54と、着座制御部55と、記憶部56と、計時部57と、を備えている。制御時間算出部53は、吸気バルブ開弁時間算出部53Aと、吸気バルブ閉弁時間算出部53Bと、吸気バルブ制動時間算出部53Cと、を備えている。図6に示すように、ECM50は、油圧弁としてのソレノイドバルブ40、点火装置42、スロットルバルブ43、燃料噴射装置44へ制御信号を出力するようになっている。
可動部材制御部52は、吸気バルブ4が開弁状態にあるとき、可動部材としてのタペット23を動作させて第2接触部としての第2入力ローラ13の位置を変位させ、吸気バルブ4の開弁状態を制御するようになっている。制御時間算出部53は、可動部材としてのタペット23の動作開始時期を算出するようになっている。油圧弁制御部54は、ソレノイドバルブ40を制御するようになっている。着座制御部55は、吸気バルブ4が閉弁方向に駆動される途中において吸気バルブ4の閉弁速度を低下させる制御を行うようになっている。計時部57は、制御時間算出部53が算出した制御時間を計時するようになっている。
吸気バルブ開弁時間算出部53Aは、吸気バルブ4の開弁開始から吸気バルブ4を閉弁方向へ駆動させるタペット23の動作開始時期までの開弁時間を算出するようになっている。吸気バルブ閉弁時間算出部53Bは、吸気バルブ4の閉弁方向への駆動開始から、着座制御の開始時間までの閉弁時間を算出するようになっている。吸気バルブ閉弁時間算出部53Bは、吸気バルブ4の開弁状態とエンジンの回転数に基づき、閉弁時間を算出するように設定されている。吸気バルブ制動時間算出部53Cは、着座制御の開始から終了までの制動時間を算出するようになっている。なお、この吸気バルブ制動時間算出部53Cは、開弁状態とエンジンの回転数とに基づき、制動時間を算出する。
〈可変動弁装置の動作〉
次に、本実施の形態に係る可変動弁装置100の制御動作の説明に先駆けて、可変動弁装置100において最大リフト量が選択された場合の動作および最大リフト量より低い低負荷時のリフト量が選択された場合の動作について説明する。
(最大リフト量が選択された場合)
図1は、エンジンの回転数が所定の回転数以上のときに吸気バルブ4の最大リフト量LMAXの設定が選択された場合の吸気バルブ4が閉じているとき(バルブリフトが発生していないとき)の状態を示す正面図である。図7は、吸気バルブ4の最大リフト量の設定が選択された場合において、吸気バルブ4が作動してリフト量が最大リフト量LMAXとなった状態を示している。
最大リフト量の設定が選択された場合は、油圧室29(図4参照)内の容積は最大状態となっている。また、図1に示すように、ソレノイドバルブ40は、オイルリリーフ通路31を閉じた状態であり、かつ作動油はチェックバルブ26で逆流が阻止された状態となっている。したがって、図4に示すように、この状態では、油圧アクチュエータ20のピストン22と共に動作する可動部材としてのタペット23が突出した状態で保持されている。
図1に示すように、吸気バルブ4が閉じた状態では、カム2のベース円部2Aと接触する第1入力ローラ15は、カム2が矢印a方向(図中、時計回り方向)に回転しても第1入力ローラ15は転動するだけでカム2側から押圧力を受けない状態にある。
次に、図7に示すように、カム2の矢印a方向への回転が進むと、第1入力ローラ15にカム2のノーズ部2Bが接触して第1入力ローラ15が押圧されて押し下げられる。第1入力ローラ15が押し下げられると、揺動アーム6は第2入力ローラ13を支点として図中時計回り方向に回動する。揺動アーム6の中間部が支点アームピン8でロッカアーム5に支持されているため、ロッカアーム5は支持軸3を支点として図中時計回り方向に回動する。すると、ロッカアーム5のアーム先端部5Aに設けられたアジャストスクリュー9が吸気バルブ4の上端を押圧する。そして、吸気バルブ4は、バルブスプリング11の反発力に抗して最大リフト量LMAXとなるまで押し下げられる。
さらに、図7に示す状態から、カム2が矢印a方向にさらに回転してノーズ部2Bが第1入力ローラ15を通過して再度ベース円部2Aが第1入力ローラ15に接触すると、揺動アーム6は図1に示した状態(位置)に戻る。この動作に伴い、ロッカアーム5のアーム先端部5Aは上昇して吸気バルブ4がバルブスプリング11の付勢力により上昇して閉じた状態になる。図15に示す(2)は、最大リフトが選択された場合のリフト量とクランク角との関係(バルブリフト特性)を示している。
(最大リフト量より低い低負荷時のリフト量が選択された場合)
次に、エンジンの負荷および回転数が所定の運転領域のときに、最大リフト量より低い、吸気バルブ4の任意の低負荷時のリフト量Lの設定が選択された場合、吸気バルブ4の非作動時(バルブリフトが発生していないとき)の状態は、図1に示した状態と同様である。図8は、吸気バルブ4の任意リフト量Lの設定が選択された場合において、吸気バルブ4が作動して任意リフト量Lとなったときのバルブリフト状態を示している。図9は、吸気バルブ4の任意リフト量Lの設定が選択された場合において、油圧アクチュエータ20、オイルリザーブタンク30、およびソレノイドバルブ40の作動に基づいて吸気バルブ4を閉じた状態を示している。
図1に示すように、吸気バルブ4の非作動時の状態(カム2のベース円部2Aが第1入力ローラ15に接触している状態)では、カム2が矢印a方向に回転しても第2入力ローラ15は転動するだけでカム2側から押圧力を受けない状態にある。このとき、図11に示すように、油圧室29内の容積は最大状態となっており、ソレノイドバルブ40のプランジャ41がオイルリリーフ通路31を閉じた状態であり、かつ作動油はチェックバルブ26で逆流が阻止された状態となっている。したがって、油圧アクチュエータ20のピストン22と共に動作するタペット23が突出した状態で保持されている。
次に、図8に示すように、タペット23が突出した状態で、カム2の矢印a方向への回転が進むと第1入力ローラ15にカム2のノーズ部2Bの基部が接触して第1入力ローラ15を徐々に押圧し始める。したがって、揺動アーム6は第2入力ローラ13を支点として図中時計回り方向に回動する。揺動アーム6の中間部が支点アームピン8でロッカアーム5に支持されている。このため、このように第2入力ローラ13がタペット23で支持されている状態では、ロッカアーム5は支持軸3を支点として図中時計回り方向に回動する。すると、アーム先端部5Aに設けられたアジャストスクリュー9が吸気バルブ4の上端を押圧し、吸気バルブ4をバルブスプリング11の反発力に抗して押し下げる。
そして、カム2のノーズ部2Bの頂部に至る途中の所定位置が第1入力ローラ15に接触するときに、吸気バルブ4は予め設定された任意リフト量Lとなる(図8参照)。このように任意リフト量Lが選択されている状態で、ECM50に格納された可動部材制御部52による出力値に基づいて、ECM50は、オイルリリーフ通路31を解放させる制御信号をソレノイドバルブ40に出力してソレノイドバルブ40をオンにするように設定されている。すると、図9に示すように、ソレノイドバルブ40のプランジャ41は没してオイルリリーフ通路31を開通させる。
図12は、吸気バルブ4がリフト量Lとなったときにソレノイドバルブ40がオン状態となり、オイルリリーフ通路31が開通した状態を示している。このようにオイルリリーフ通路31が開くと、油圧室29内の作動油がオイルリリーフ通路31を介してオイルリザーブタンク30へ移動可能となる。
このとき、図9に示すように、バルブスプリング11の付勢力により、ロッカアーム5が支持軸3を支点として図中反時計回り方向に押圧される。これに伴い揺動アーム6は、カム2のカム面に接触する第1入力ローラ15を支点として図中時計回り方向に押圧される。したがって、図9および図12に示すように、揺動アーム6の第2入力ローラ13はタペット23を矢印b方向(上向き)に押し上げるように押圧する。図12に示すように、タペット23の上昇に伴い、タペット23内のピストン22の第2油圧室構成管22Aが、ガイド筒21側の第1油圧室構成管21Aに嵌合した状態で上昇して油圧室29の容積を縮める。
ここで、オイル通路ケース25の入口部25Aでは、チェックバルブ26で逆流が阻止されているため、作動油がオイル通路ケース25の出口部25Bからオイルリリーフ通路31へ送り出される。そして、オイルリリーフ通路31に作動油が送り出されることにより、オイルリザーブタンク30ではスプリング34の付勢力に抗してピストン33を押し上げてピストン33の下のシリンダ32との間の空間に作動油を貯める。なお、オイルリザーブタンク30において、ピストン33の上昇に伴い、シリンダ32内の空気はエア抜き孔32Aから排出され、ピストン33が下降するときにはエア抜き孔32Aから空間がシリンダ32内へ流入するようになっている。
なお、オイルリザーブタンク30における上下方向の中間部には、オイルリリーフ孔32Cが設けられている。オイルリザーブタンク30においては、ピストン33がオイルリリーフ孔32Cよりも上昇すると作動油がオイルリリーフ孔32Cから排出、回収されるようになっている。このようにオイルリリーフ通路31を開くことにより、油圧アクチュエータ20のタペット23を急に上昇させることができる。したがって、図15の(1)の線で示すように、吸気バルブ4を速やかに閉じることが可能となり、ポンプ損失の低減効果を高めることができる。
なお、このように吸気バルブ4が速やかに上昇してバルブシート18に速い速度で衝突することを防止するため、図15の(1)のタイミングチャートに示すような制御を行っている。すなわち、図9に矢印bで示すように、タペット23の上昇に伴い揺動アーム6の第2入力ローラ13が上昇すると、ロッカアーム5が支持軸3を支点として図中反時計回り方向に回動する。そして、ロッカアーム5の被検出部5Bがギャップセンサ7に対して所定距離まで近づくと、ギャップセンサ7はECM50へ検出信号を出力する。なお、図15にはギャップセンサ7の出力値として、ギャップセンサ7と被検出部5Bとの距離に基づきバルブリフト位置を算出して示している。
このとき、ECM50では、ギャップセンサ7からの出力信号に基づいてソレノイドバルブ40をオフにする制御信号を出力する。この結果、図13に示すように、ソレノイドバルブ40のプランジャ41が突出してオイルリリーフ通路31を閉じる。このようにオイルリリーフ通路31を閉じると、油圧室29とこれに連通するオイルリリーフ通路31内に封止された作動油がピストン22の上昇を抑えるように作用する。すなわち、第2入力ローラ13の速やかな上昇が緩和される。これに伴い、図10に示すように、ロッカアーム5の反時計回り方向への揺動の速度が緩和され、延いては吸気バルブ4の速やかな上昇が緩和される。したがって、吸気バルブ4がバルブシート18へ急激に衝突することを防止できる。すなわち、着座制御を行うことができる。なお、本実施の形態では、作動油の温度、油圧、エンジン回転数等の条件に応じてソレノイドバルブ40をオフにするタイミングの設定値を補正することが可能である。
吸気バルブ4のバルブシート18への着座時には、ECM50から制御信号が出力され、図15の(D)の時点でソレノイドバルブ40をオン状態に切り換えプランジャ41が没した状態となる。したがって、このときは、オイルリリーフ通路31が開いた状態となる。図9の状態から図10に示すように、カム2が矢印a方向の回転が進んで第1入力ローラ15をノーズ部2Bが通過する際に第1入力ローラ15が押し下げられる。これに伴い、揺動アーム6は支点アームピン8を支点にして図中時計回り方向に押圧される。
このとき、ロッカアーム5は、揺動アーム6から押圧されて、支点アームピン8を支点として図中時計回り方向に回動するように押圧される。しかし、バルブスプリング11の荷重が、リターンスプリング24とスプリング34とを合わせた荷重よりも大きく設定されている。このため、図10に示すように、ロッカアーム5は図中時計回り方向に回動することはなく、揺動アーム6が支点アームピン8を支点として図中時計回り方向に回動し、第2入力ローラ13がタペット23を押し上げる動作を行う。したがって、第1入力ローラ15をカム2のノーズ部2Bが通過しても、吸気バルブ4がリフトされることはない。
そして、図15に示すように、(1)の任意のリフト量Lのリフト動作終了後であって、最大リフト量の場合(2)のリフト動作が終了する角度まで回転した後は、図14に示すように、油圧アクチュエータ20のリターンスプリング24がタペット23を押し下げる。この際、油圧室29が拡張し、オイルリザーブタンク30内の作動油がオイルリリーフ通路31を通して油圧室に流入する。その後、オイルリリーフ通路31を閉じて、オイルポンプ28からチェックバルブ26を介して油圧室29内に作動油を供給してタペット23が最大に突出した状態にして保持しておく。次のバルブリフト工程の前にタペット23を突出させておくことにより、再度吸気バルブ4の任意の低負荷時のリフト量Lまたは最大リフト量LMAXでの吸気バルブ4の動作が可能になる。
上述の本実施の形態に係る可変動弁装置100では、吸気バルブ4のバルブリフト量とバルブ作用角を小さくする際に、バルブリフト量とバルブ作用角を最大とした場合と同じ時期に吸気バルブ4を開くとともに、吸気バルブ4が閉じる時期だけを早めることができる。このため、吸気バルブ4のバルブリフト量とバルブ作用角を小さくする際に、従来のロストモーション機構を用いた可変動弁装置よりも同一吸入空気量において吸気バルブ4を早く閉じることができ、エンジンのポンプ損失を低減できる。
本実施の形態に係る可変動弁装置100では、吸気バルブ4のバルブリフト量とバルブ作用角を小さくする際に、従来のロストモーション機構を用いた可変動弁装置よりも同一吸入空気量においてバルブ作用角を小さくしつつバルブリフト量を大きくできるため、エンジンのポンプ損失を低減できる。
本実施の形態に係る可変動弁装置100では、吸気バルブ4をリフトさせる前に、オイルポンプ28から供給される作動油で油圧室29を拡張させるともに、吸気バルブ4をリフトさせる際に油圧室29の圧力上昇でチェックバルブ26を閉じ、吸気バルブ4を最大リフトさせたときと同じバルブリフト特性でリフトさせることができる。
本実施の形態に係る可変動弁装置100では、ソレノイドバルブ40によりオイルリリーフ通路31を任意のタイミングで解放(開通)させることで、吸気バルブ4を即座に閉じることが可能となる。
本実施の形態に係る可変動弁装置100では、カム2の回転によりノーズ部2Bが第1入力ローラ15を最大に押し下げる位置を通過した後、リターンスプリング24によって油圧室29を拡張させ、ピストン22で第2入力ローラ13を押して揺動アーム6を揺動させ、第1入力ローラ15をカム2のカム面に常時押し付けることができる。したがって、本実施の形態の係る可変動弁装置100によれば、揺動アーム6のがたつきや不安定な動作が発生することを防止できる。また、リターンスプリング24によって油圧室29の容積が拡大する場合に、オイルリザーブタンク30に貯えた作動油を油圧室29に供給することができ、作動油を効率よく使うことができ、オイルポンプの負担を低減することもできる。
本実施の形態に係る可変動弁装置100では、油圧室29内に所定量の作動油を溜める構成であるため、作動油が緩衝材として機能して吸気バルブ4がバルブシート18に着座する際の衝撃を緩和することができる。
〈可変動弁装置の制御動作〉
以下、図6および図16〜図20を用いて、エンジンの可動部材制御部52による制御について説明する。
先ず、図16に示すように、ECM50は、クランク角センサ61、カム角センサ62、吸気量センサ63、スロットルセンサ64、アクセルセンサ65、水温センサ66、ギャップセンサ7などの各センサから出力値を取得する(ステップS1)。
次に、ECM50は、クランク角センサ61の出力値に基づき、エンジンの回転数を算出する(ステップS2)。
次に、ECM50は、アクセルセンサ65の出力値に基づき、運転者が要求するトルクを目標トルクとして算出する(ステップS3)。
次に、ECM50は、燃料噴射量を算出する(ステップS4)。なお、この燃料噴射量は、エンジンの運転状態によって変化する。具体的には、ECM50が、クランク角センサ61、水温センサ66、スロットルセンサ64などの出力値に応じて適切な燃料噴射量を算出する。
次に、ECM50は、エンジンの回転数、目標トルク、目標燃料噴射量に基づき、目標吸入空気量を算出する(ステップS5)。
次に、ECM50では、バルブ領域判定部51により、図17に示すような、例えばエンジンの負荷(Nm)と回転数(rpm)との関係に基づいて、エンジンの運転状態が、バルブ制御領域にある否かを判定する(ステップS6)。
次に、ECM50は、運転領域に応じた開度にスロットルバルブ43を制御して吸気量制御を行う(ステップS7)。
次に、ECM50は、点火装置42および燃料噴射装置44を制御して、エンジンの制御を行う(ステップS8)。
図18に示すように、上記ステップS7の吸気量制御において、バルブ領域判定部51は、ステップS6において判定された結果に基づき、バルブ制御領域か否かを判定する(ステップS71)。
ステップS71において、エンジンの運転状態が、バルブ制御領域であると判定されたときは、目標スロットル開度を全開に設定する(ステップS72)。また、ECM50は、バルブ制御領域フラグメントVfに1を入力して、記憶部56に保存する(Vf←1)。
一方、ステップS71において、バルブ領域判定部51が、運転状態がバルブ制御領域に無いと判定したとき、エンジンの回転数と目標吸入空気量から目標スロットル開度を設定する(ステップS73)。また、ECM50は、バルブ制御領域フラグメントVfに0を入力して、記憶部56に保存する(Vf←0)。
(開弁時間設定の制御)
まず、図15に示す(A)の時点で、開弁時間設定制御を行う。以下、図19に示すフローチャートに基づいて、開弁時間設定制御について説明する。図19に示すように、開弁時間設定制御では、クランク角センサ61の出力値に基づき、吸気バルブ4の開弁時期を検出する。そして、可動部材制御部52は、現在の運転状態がバルブ制御領域であるか否かを判断する。具体的には、ECM50は、上記ステップS72において入力されたバルブ制御領域フラグメントVfが1となっているか否かを判断する(ステップS101)。
次に、可動部材制御部52は、バルブ制御領域判定部51から信号を受信すると、吸気バルブ開弁時間算出部53Aで吸気バルブ開弁時間を求める(ステップS102)。具体的には、可動部材制御部52が予め記憶部56に格納された、例えば図20に示すようなマップを読み出し、エンジンの回転数(rpm)と目標吸入空気量(mm)との値に応じた吸気バルブ開弁時間を取得する。
次に、可動部材制御部52は、計時部57を用いてステップS102で算出した吸気バルブ開弁時間の計時(カウントダウン)を開始する(ステップS103)。
次に、可動部材制御部52は、計時部57において計時(カウントダウン)が終了したか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、計時が終了したときは、油圧弁としてのソレノイドバルブ40を開弁する(ステップS105)。このようにソレノイドバルブ40を開弁する時点は、図15における(B)で示す時点である。その後、油圧弁制御の実行を許可する(ステップS106)。
(油圧弁制御)
図21は、油圧弁制御の流れを示すフローチャートである。この油圧弁制御は、開弁時間設定制御のステップS106において油圧弁制御の実行許可処理が行われた後、優先して実行される割り込み制御である。
まず、この油圧弁制御(ステップS201)では、可動部材制御部52が、ギャップセンサ7の出力値に基づき、吸気バルブ4のリフト量を算出する(ステップS202)。
次に、エンジンの回転数とバルブ4のリフト量とに基づき、吸気バルブ閉弁時間を算出する(ステップS203)。
次に、吸気バルブ閉弁時間を計時部57に設定し、計時を開始する(ステップS204)。その後、計時部57による計時が終了したか否かを判定する(ステップS205)。そして、計時部57による計時が終了したとき、ソレノイドバルブ(油圧弁)40を閉弁する(ステップS206)。計時部57による計時が終了したとき、図15に示す吸気バルブ4のリフトカーブにおける(C)の時点である。なお、着座制御は、この時点から開始され、後述するステップS209が「計時が終了」と判定されるまで継続される。
次に、エンジンの回転数とバルブ4のリフト量とに基づき、吸気バルブ制動時間算出部53Cで吸気バルブ制動時間を算出する(ステップS207)。
次に、吸気バルブ制動時間を計時部57に設定し、計時を開始する(ステップS208)。そして、ステップS209において、計時が終了したときに、ソレノイドバルブ40を閉状態にする。この計時が終了したときは、図15に示す吸気バルブ4のリフトカーブにおける(D)の時点である。
次に、クランク角センサ61の出力値に基づき、吸気バルブ4の開弁時期か否かを判定する(ステップS211)。
次に、ステップS211において、吸気バルブ4の閉弁時期であるとき、ソレノイドバルブ40を閉弁させる(ステップS212)。このようにして、着座制御の後に、吸気バルブ4を閉じさせることができる。
(可変動弁装置の効果)
上記のような構成により、本実施の形態に係る可変動弁装置100は、吸気バルブ4が開弁状態にあって、所望の吸気量に達したとき、タペット23を制御して吸気バルブ4の開弁状態を制御することができる。したがって、可変動弁装置100は、所望の吸気量に達するまで、吸気バルブ4を大きく開いておき、所望の吸気量に達した後、吸気バルブを閉弁方向へ駆動させれば、所望の吸気量を確保しつつ、吸気損失を少なく抑えることができる。
上記のような構成により、可動部材制御部52は、タペット23の動作開始時期を予め算出しておき、この動作開始時期に達するまでの制御時間を計時部57に入力し、この制御時間が経過した後、タペット23を動作させる。このため、例えばセンサ等の出力値を監視ししきい値に達したときにタペット23を制御するものと比較して、センサの誤差を原因とした制御の早期作動や遅れを防止でき、同一の運転条件であれば、同じ時期に制御を開始することが可能となる。
上記のような制御を行うことにより、可変動弁装置100は、吸気バルブ4の閉弁を開始する時期を適切に設定することができ、所望の吸気量を確実に確保できる。
上記のような構成により、吸気バルブ開弁時間算出部53Aは、吸気量とエンジンの回転数に応じて開弁時間を算出するため、運転状態に応じて適切な閉弁の開始時間が適用される。したがって、エンジンは常に適切な吸気量を確保できる。また、上記構成により、可変動弁装置100は、着座制御を適切な時期に開始できるという効果を奏する。
上記構成によれば、可変動弁装置100は、ギャップセンサ7により吸気バルブ4の開弁状態を検出し、この開弁状態と、エンジンの回転数に応じて、閉弁時間を算出するため、着座制御を適切な時間に開始できる。すなわち、着座制御は、吸気バルブ4がバルブシート18に近い位置で行うほど、制御後に跳ね返りが起こり難くなる。一方で、吸気バルブ4がバルブシート18に近すぎると、制御が間に合わずにバルブシート18に接触する可能性がある。そこで、上記構成にすることで、吸気バルブ閉弁時間算出部53Bは、運転状態と吸気バルブの開弁状態とに応じて、着座制御が適切な時期となるよう、閉弁時間を算出している。加えて、このような構成により、可変動弁装置100では、着座制御を適切な時期に終了させることができる。
上記の構成とすることにより、可変動弁装置100は、ギャップセンサ7により吸気バルブ4の開弁状態を検出し、この開弁状態と、エンジンの回転数に応じて、制御時間を算出するため、着座制御を適切な時間に終了できる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、この実施の形態はこの発明を限定するものでない。本発明に係る内燃機関の可変動弁装置100は、上記した構造としたときに顕著な効果を奏するが、上記した可変動弁装置100のみに限定されるものではない。本発明は、この実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置100の他に各種の設計変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、可動部材として油圧アクチュエータ20のタペット23を適用したが、第2接触部としての第2入力ローラ15の位置を変位させることができれば、他の部材を適用しても勿論よい。
1 カム軸
2 カム
3 支持軸
4 吸気バルブ(吸気弁)
5 ロッカアーム(第1揺動腕)
6 揺動アーム(第2揺動腕)
7 ギャップセンサ(開弁状態検出器)
8 支点アームピン(回転軸)
13 第2入力ローラ(第2接触部)
15 第1入力ローラ(第1接触部)
18 バルブシート
20 油圧アクチュエータ
23 タペット(可動部材)
40 ソレノイドバルブ(油圧弁)
41 プランジャ
50 ECM
52 可動部材制御部
53 制御時間算出部
53A 吸気バルブ開弁時間算出部
53B 吸気バルブ閉弁時間算出部
53C 吸気バルブ制動時間算出
54 油圧弁制御部
55 着座制御部
57 計時部
61 クランク角センサ
62 カム角センサ
63 吸気量センサ
64 スロットルセンサ
65 アクセルセンサ
66 水温センサ
100 可変動弁装置

Claims (8)

  1. 内燃機関の可変動弁装置において、支持軸に揺動自在に支持され、揺動動作に伴って内燃機関の吸気弁を開閉動作させる第1揺動腕と、前記第1揺動腕に中間部が回転軸で揺動自在に支持され、前記回転軸を挟む位置に第1接触部と第2接触部とを有する第2揺動腕と、前記第1接触部の近傍に配置されたカム軸に固定され、前記第1接触部に接触して前記吸気バルブの開閉を可能とするカムと、を備え、
    油圧アクチュエータ内の容積変化により前記第2接触部の位置を変位させ、前記吸気バルブの開弁状態を制御する可動部材と、
    前記カムのカム山によって前記吸気バルブがリフトしている開弁状態にあるとき、前記可動部材の前記油圧アクチュエータによる油圧を開放することにより前記第2接触部の位置を変位させ、前記吸気バルブを任意のタイミングで吸気バルブの駆動方向と駆動速度とを制御する可動部材制御部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記可動部材制御部は、
    前記可動部材の動作開始時期を算出する制御時間算出部と、
    前記制御時間算出部が算出した制御時間を計時する計時部と、
    を備え、
    前記計時部が制御時間の計時を終了したとき、前記可動部材を動作させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記制御時間算出部は、前記吸気バルブの開弁開始から、前記吸気バルブを閉弁方向へ駆動させる前記可動部材の動作開始時期までの開弁時間を算出する吸気バルブ開弁時間算出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記内燃機関は、当該内燃機関に導入される吸気量を測定する吸気量センサを備え、
    前記吸気バルブ開弁時間算出部は、前記吸気量と前記内燃機関の回転数とに基づき、前記開弁時間を算出することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記可動部材制御部は、前記吸気バルブが閉弁方向へ駆動される途中に当該吸気バルブの閉弁速度を低下させる着座制御部を備え、
    前記制御時間算出部は、前記吸気バルブの閉弁方向への駆動開始から、着座制御の開始時間までの閉弁時間を算出する吸気バルブ閉弁時間算出部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 前記吸気バルブの開弁状態を検出する開弁状態検出器を備え、
    前記吸気バルブ閉弁時間算出部は、前記開弁状態と前記内燃機関の回転数とに基づき、前記閉弁時間を算出することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記制御時間算出部は、前記着座制御の開始から終了までの制動時間を算出する吸気バルブ制動時間算出部を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 前記吸気バルブ制動時間算出部は、前記開弁状態と前記内燃機関の回転数に基づき、前記制動時間を算出することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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