JP6127522B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
図1〜5を用いて本発明の実施の形態に係る可変動弁装置100の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る可変動弁装置100は、カム軸1と、このカム軸1に固定されたカム2と、カム軸1の側方にカム軸1と平行に配置された支持軸3と、一端側が支持軸3に揺動自在に支持され、揺動動作に伴って他端部側で吸気バルブ4を開閉させる第1揺動腕としてのロッカアーム5と、第2揺動腕としての揺動アーム6と、可動部材としてのタペット23を含む油圧アクチュエータ20と、アキュムレータとしてのオイルリザーブタンク30と、油圧弁としてのソレノイドバルブ40と、可動部材制御部52を含むエンジンコントロールモジュール(以下、ECMという。)50と、を備える。
吸気バルブ4は、図示しないシリンダヘッド側のバルブガイドで軸方向に進退可能に設けられ、上端がバルブリテーナ17で支持されたバルブスプリング11により引き上げる方向(吸気ポートと燃焼室とを閉じる方向)に付勢されている。図1に示すように、吸気バルブ4は、閉弁時にシリンダヘッド側に設けられたバルブシート(弁座)18に接触している。
カム軸1は、図示しないシリンダヘッド側の軸受け部に回転自在に支持され、図示しないチェーンやベルト等により図示しないクランクシャフトと連動して回転するようになっている。カム軸1の回転数は、例えばクランクシャフトの回転数の1/2となるように設定されている。また、本実施の形態において、このカム軸1は、エンジンの前後方向(図2および図3に矢印で示す方向)に沿って延びるように配置されている。
ロッカアーム5は、第1揺動腕としての機能を果たす。図1〜図3に示すように、ロッカアーム5は、一端部が支持軸3に揺動自在に支持されている。ロッカアーム5の中央には、第2揺動腕としての揺動アーム6が揺動可能に支持されている。ロッカアーム5の他端側のアーム先端部5Aには、吸気バルブ4の上端に接触するアジャストスクリュー9が下方に突出するようにロックナット10で締結されている。このアジャストスクリュー9がアーム先端部5Aより下方に突出する長さを調整することにより、吸気バルブ4のバルブクリアランスを適宜調整することができる。なお、ロッカアーム5の一端側には、図示しないシリンダヘッド側に設けられたギャップセンサ7と対向する位置に被検出部5Bが設けられている。
揺動アーム6は、中間部が、ロッカアーム5に対して回転軸としての支点アームピン8で支持されている。なお、支点アームピン8は、抜け止めクリップ8Aで抜けないように固定されている。図2および図3に示すように、この揺動アーム6は、中間部で屈曲した形状の一対のアームプレート12を備える。これら一対のアームプレート12の一方の端部同士は、第1接触部としての円筒状の第1入力ローラ15が介在されている。この第1入力ローラ15は、第1ローラピン16で回転自在に支持されている。また、一対のアームプレート12の他方の端部同士は、第2接触部としての円筒状の第2入力ローラ13が介在されている。この第2入力ローラ13は、第2ローラピン14で回転自在に支持されている。第1入力ローラ15は、カム2のカム面が常時接触するように設定されている。第2入力ローラ13は、後述する油圧アクチュエータ20の可動部材としてのタペット23に常時接触するように設定されている。
図4に示すように、本実施の形態で用いる油圧アクチュエータ20は、内部に第1油圧室構成管21Aを同軸的に備えるガイド筒21と、第1油圧室構成管21Aにスライド自在に嵌合する第2油圧室構成管22Aを備えたピストン22と、ピストン22を収納した状態でガイド筒21にスライド自在に嵌合する円筒容器状のタペット23(可動部材)と、ガイド筒21とピストン22との間に介在されピストン22およびタペット23をガイド筒21から突出する方向に付勢するリターンスプリング24と、ガイド筒21の上部に設けられ第1油圧室構成管21Aに連通するオイル通路ケース25と、オイル通路ケース25に設けられたチェックバルブ26と、チェックバルブ26を介してオイル通路ケース25に連通するオイル供給通路27と、オイル供給通路27に接続されたオイルポンプ28と、を備えて構成されている。
図5に示すように、オイルリザーブタンク30は、下部にオイルリリーフ通路31が連通するシリンダ32と、このシリンダ32内に収納されたピストン33と、シリンダ32の上部内壁とピストン33との間に介在されピストン22をシリンダ32の下部内壁へ向けて付勢するスプリング34と、備えて構成されている。シリンダ32の上部には、エア抜き孔32Aが形成されている。また、シリンダ32の側壁32Bの所定の高さ位置には、オイルリリーフ孔32Cが形成されている。
図6に示すように、ECM50は、バルブ領域判定部51と、可動部材制御部52と、を備えている。ECM50には、クランク角センサ61、カム角センサ62、吸気量センサ63、スロットルセンサ64、アクセルセンサ65、水温センサ66、開弁状態検出器としてのギャップセンサ7などからの出力信号が入力されるようになっている。可動部材制御部52は、制御時間算出部53と、ソレノイドバルブ40を制御する油圧弁制御部54と、着座制御部55と、記憶部56と、計時部57と、を備えている。制御時間算出部53は、吸気バルブ開弁時間算出部53Aと、吸気バルブ閉弁時間算出部53Bと、吸気バルブ制動時間算出部53Cと、を備えている。図6に示すように、ECM50は、油圧弁としてのソレノイドバルブ40、点火装置42、スロットルバルブ43、燃料噴射装置44へ制御信号を出力するようになっている。
次に、本実施の形態に係る可変動弁装置100の制御動作の説明に先駆けて、可変動弁装置100において最大リフト量が選択された場合の動作および最大リフト量より低い低負荷時のリフト量が選択された場合の動作について説明する。
図1は、エンジンの回転数が所定の回転数以上のときに吸気バルブ4の最大リフト量LMAXの設定が選択された場合の吸気バルブ4が閉じているとき(バルブリフトが発生していないとき)の状態を示す正面図である。図7は、吸気バルブ4の最大リフト量の設定が選択された場合において、吸気バルブ4が作動してリフト量が最大リフト量LMAXとなった状態を示している。
次に、エンジンの負荷および回転数が所定の運転領域のときに、最大リフト量より低い、吸気バルブ4の任意の低負荷時のリフト量LNの設定が選択された場合、吸気バルブ4の非作動時(バルブリフトが発生していないとき)の状態は、図1に示した状態と同様である。図8は、吸気バルブ4の任意リフト量LNの設定が選択された場合において、吸気バルブ4が作動して任意リフト量LNとなったときのバルブリフト状態を示している。図9は、吸気バルブ4の任意リフト量LNの設定が選択された場合において、油圧アクチュエータ20、オイルリザーブタンク30、およびソレノイドバルブ40の作動に基づいて吸気バルブ4を閉じた状態を示している。
以下、図6および図16〜図20を用いて、エンジンの可動部材制御部52による制御について説明する。
先ず、図16に示すように、ECM50は、クランク角センサ61、カム角センサ62、吸気量センサ63、スロットルセンサ64、アクセルセンサ65、水温センサ66、ギャップセンサ7などの各センサから出力値を取得する(ステップS1)。
まず、図15に示す(A)の時点で、開弁時間設定制御を行う。以下、図19に示すフローチャートに基づいて、開弁時間設定制御について説明する。図19に示すように、開弁時間設定制御では、クランク角センサ61の出力値に基づき、吸気バルブ4の開弁時期を検出する。そして、可動部材制御部52は、現在の運転状態がバルブ制御領域であるか否かを判断する。具体的には、ECM50は、上記ステップS72において入力されたバルブ制御領域フラグメントVfが1となっているか否かを判断する(ステップS101)。
図21は、油圧弁制御の流れを示すフローチャートである。この油圧弁制御は、開弁時間設定制御のステップS106において油圧弁制御の実行許可処理が行われた後、優先して実行される割り込み制御である。
上記のような構成により、本実施の形態に係る可変動弁装置100は、吸気バルブ4が開弁状態にあって、所望の吸気量に達したとき、タペット23を制御して吸気バルブ4の開弁状態を制御することができる。したがって、可変動弁装置100は、所望の吸気量に達するまで、吸気バルブ4を大きく開いておき、所望の吸気量に達した後、吸気バルブを閉弁方向へ駆動させれば、所望の吸気量を確保しつつ、吸気損失を少なく抑えることができる。
以上、実施の形態について説明したが、この実施の形態はこの発明を限定するものでない。本発明に係る内燃機関の可変動弁装置100は、上記した構造としたときに顕著な効果を奏するが、上記した可変動弁装置100のみに限定されるものではない。本発明は、この実施の形態に係る内燃機関の可変動弁装置100の他に各種の設計変更が可能である。
2 カム
3 支持軸
4 吸気バルブ(吸気弁)
5 ロッカアーム(第1揺動腕)
6 揺動アーム(第2揺動腕)
7 ギャップセンサ(開弁状態検出器)
8 支点アームピン(回転軸)
13 第2入力ローラ(第2接触部)
15 第1入力ローラ(第1接触部)
18 バルブシート
20 油圧アクチュエータ
23 タペット(可動部材)
40 ソレノイドバルブ(油圧弁)
41 プランジャ
50 ECM
52 可動部材制御部
53 制御時間算出部
53A 吸気バルブ開弁時間算出部
53B 吸気バルブ閉弁時間算出部
53C 吸気バルブ制動時間算出
54 油圧弁制御部
55 着座制御部
57 計時部
61 クランク角センサ
62 カム角センサ
63 吸気量センサ
64 スロットルセンサ
65 アクセルセンサ
66 水温センサ
100 可変動弁装置
Claims (8)
- 内燃機関の可変動弁装置において、支持軸に揺動自在に支持され、揺動動作に伴って内燃機関の吸気弁を開閉動作させる第1揺動腕と、前記第1揺動腕に中間部が回転軸で揺動自在に支持され、前記回転軸を挟む位置に第1接触部と第2接触部とを有する第2揺動腕と、前記第1接触部の近傍に配置されたカム軸に固定され、前記第1接触部に接触して前記吸気バルブの開閉を可能とするカムと、を備え、
油圧アクチュエータ内の容積変化により前記第2接触部の位置を変位させ、前記吸気バルブの開弁状態を制御する可動部材と、
前記カムのカム山によって前記吸気バルブがリフトしている開弁状態にあるとき、前記可動部材の前記油圧アクチュエータによる油圧を開放することにより前記第2接触部の位置を変位させ、前記吸気バルブを任意のタイミングで吸気バルブの駆動方向と駆動速度とを制御する可動部材制御部と、
を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記可動部材制御部は、
前記可動部材の動作開始時期を算出する制御時間算出部と、
前記制御時間算出部が算出した制御時間を計時する計時部と、
を備え、
前記計時部が制御時間の計時を終了したとき、前記可動部材を動作させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記制御時間算出部は、前記吸気バルブの開弁開始から、前記吸気バルブを閉弁方向へ駆動させる前記可動部材の動作開始時期までの開弁時間を算出する吸気バルブ開弁時間算出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記内燃機関は、当該内燃機関に導入される吸気量を測定する吸気量センサを備え、
前記吸気バルブ開弁時間算出部は、前記吸気量と前記内燃機関の回転数とに基づき、前記開弁時間を算出することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記可動部材制御部は、前記吸気バルブが閉弁方向へ駆動される途中に当該吸気バルブの閉弁速度を低下させる着座制御部を備え、
前記制御時間算出部は、前記吸気バルブの閉弁方向への駆動開始から、着座制御の開始時間までの閉弁時間を算出する吸気バルブ閉弁時間算出部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記吸気バルブの開弁状態を検出する開弁状態検出器を備え、
前記吸気バルブ閉弁時間算出部は、前記開弁状態と前記内燃機関の回転数とに基づき、前記閉弁時間を算出することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記制御時間算出部は、前記着座制御の開始から終了までの制動時間を算出する吸気バルブ制動時間算出部を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記吸気バルブ制動時間算出部は、前記開弁状態と前記内燃機関の回転数に基づき、前記制動時間を算出することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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