以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁膜上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁膜とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置、及び半導体装置の作製方法の一態様を図1乃至図4を用いて説明する。
〈半導体装置の構成例〉
図1(A)、図1(B)、及び図1(C)に、半導体装置の一例として、トップゲート構造のトランジスタの平面図、及び断面図を示す。なお、図1(A)は、平面図を示し、図1(B)は、図1(A)におけるX1−Y1に係る断面図に相当する。また、図1(C)は、図1(B)に示す下地絶縁膜104、及び酸化物半導体膜106の一部分を拡大した断面図に相当する。なお、図1(A)では、煩雑になることを避けるため、トランジスタ150の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜108など)を省略して図示している。
図1(A)、及び図1(B)に示すトランジスタ150は、基板102上に形成された下地絶縁膜104と、下地絶縁膜104上に形成された酸化物半導体膜106と、酸化物半導体膜106上に形成されたゲート絶縁膜108と、ゲート絶縁膜108と接して形成され、酸化物半導体膜106と重畳する位置に設けられたゲート電極110と、ゲート絶縁膜108、及びゲート電極110上に形成された層間絶縁膜112と、ゲート絶縁膜108、及び層間絶縁膜112に設けられた開口部114a、及び開口部114bと、開口部114a、及び開口部114bを充填するように設けられたソース電極116a、及びドレイン電極116bと、を有する。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bに接続された配線118a、及び配線118bを含んでも良い。
また、酸化物半導体膜106は、図1(B)、及び図1(C)に示すように、側面において、1°以上10°未満のテーパ角を有した構造である。なお、本明細書等において、テーパ角とは、酸化物半導体膜106を、その断面に垂直な方向から観察した際に、当該酸化物半導体膜106の底面と側面がなす傾斜角を示す。なお、図1(C)において、αで表す箇所がテーパ角である。
酸化物半導体膜106は、ドライエッチング法により酸化物半導体膜をエッチングすることで形成することができる。また、本実施の形態において、エッチングガスには、BCl3、Cl2、O2等を用いることにより、側面において、1°以上10°未満のテーパ角とすることができる。また、エッチング速度の向上にはECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductive Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
なお、エッチング条件によっては、図1(C)のβに示すように、下地絶縁膜104もエッチングされて、部分的に膜厚が薄くなる。なお、エッチング条件を調節する、またはエッチング装置を変更することで、下地絶縁膜104が薄くなることを防ぐこともできる。また、エッチング条件を調節することで、酸化物半導体膜106の端部のテーパ角(α)は、1°以上10°未満とすることができる。
また、酸化物半導体膜106の膜厚は、5nmより大きく200nm以下とし、好ましくは10nm以上30nm以下、更に好ましくは10nm以上20nm以下とする。また、酸化物半導体膜106は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)、または微結晶などの結晶性を有する構造とすることが好ましい。
また、本実施の形態において、酸化物半導体膜106は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜であることが好ましい。なお、CAAC−OS膜については、後述するトランジスタ150の作製方法において、詳細な説明を行う。
また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bは、酸化物半導体膜106の1°以上10°未満のテーパ角を有する側面と、少なくとも一部分が接している。
このような構成とすることで、酸化物半導体膜106と、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。
このように、酸化物半導体膜106の面積を縮小し、且つ酸化物半導体膜106と、ソース電極116a、及びドレイン電極116bと接触領域を増加させることにより、良好な電気的特性を維持しつつ、トランジスタ150のサイズを十分に小さくすることが可能になる。
したがって、半導体装置の占める面積が小さくなり、一基板あたりの半導体装置の取り数が増大する。これにより、半導体装置の製造コストが抑制される。また、トランジスタサイズを十分に小さくすることで、縮小した面積に新たな機能等を追加することが可能となるため、元の大きさと同程度の大きさの半導体装置と比較し、さらに機能を高めることができる。つまり、開示する発明の一態様により酸化物半導体を用いたトランジスタの微細化が達成されることで、上述のような、微細化に付随する様々な効果を得ることが可能である。
なお、その他の構成要素の詳細については、後述するトランジスタ150の作製方法において、図2乃至図4を用いて説明する。
〈トランジスタ150の作製方法〉
以下、図2乃至図4を用いて、本実施の形態に係る図1に示すトランジスタ150の作製方法の一例について説明する。
まず、基板102を準備する。基板102に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することも可能である。
また、基板102として、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板を用いる場合、可撓性基板上に酸化物半導体膜106を含むトランジスタを直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体膜106を含むトランジスタを作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体膜106を含むトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。
次に、基板102上に下地絶縁膜104を形成する(図2(A)参照)。下地絶縁膜104は、基板102からの水素、水分、アルカリ金属などの不純物元素の拡散を防止する効果があり、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、またはこれらの混合材料を含む膜から選ばれた一、または複数の膜による積層構造により形成することができる。
また、下地絶縁膜104のその他の効果としては、のちに形成される酸化物半導体膜106に酸素を供給することができる。例えば、下地絶縁膜104として、酸化物を含む絶縁膜を用いた場合、当該下地絶縁膜104を加熱することにより酸素の一部を脱離させることができるので、酸化物半導体膜106に酸素を供給し、酸化物半導体膜106中の酸素欠損を補填することができる。特に、下地絶縁膜104中に少なくとも化学量論的組成を超える量の酸素が存在することが好ましく、例えば、下地絶縁膜104として、SiO2+α(ただし、α>0)で表される酸化シリコン膜を用いることが好ましい。このような酸化シリコン膜を下地絶縁膜104として用いることで、酸化物半導体膜106に酸素を供給することができ、当該酸化物半導体膜106を用いたトランジスタ150のトランジスタ特性を良好にすることができる。
また、下地絶縁膜104は、設けない構成としても良い。例えば、基板102からの水素、水分、アルカリ金属等の不純物が拡散しない基板等を用いることで、基板102上に酸化物半導体膜106を直接形成してもよい。ただし、本実施の形態に示すように、下地絶縁膜104を設ける構成とした方が望ましい。
また、下地絶縁膜104を形成する前に、基板102に対してプラズマ処理等を行っても良い。プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板102側にRF電源を用いて電圧を印加して基板102近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、基板102表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
次に、下地絶縁膜104上に酸化物半導体膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い酸化物半導体膜106を形成する(図2(A)参照)。また、酸化物半導体膜106は、CAAC−OS膜とすることが好ましい。なお、下地絶縁膜104、及び酸化物半導体膜106は、大気に触れさせることなく連続して成膜するのが好ましい。
ここで、酸化物半導体膜106に用いることができるCAAC−OS膜について、以下詳細な説明を行う。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射によるトランジスタの電気特性の変動が小さい。また、しきい値の変動、及びバラツキを抑制できる。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
また、結晶部、または結晶性を有する酸化物半導体では、よりバルク内欠陥を低減することができる。さらに、結晶部、または結晶性を有する酸化物半導体膜表面の平坦性を高めることによって、該酸化物半導体を用いたトップゲート構造のトランジスタは、アモルファス状態の酸化物半導体を用いたトランジスタ以上の電界効果移動度を得ることができる。酸化物半導体膜表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が0.15nm以下、好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raとは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、以下の式にて定義される。
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
また、酸化物半導体膜106に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体膜を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド(例えば、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd))から選ばれた一種、または複数種が含まれていることが好ましい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−Zr−Zn系酸化物、In−Ti−Zn系酸化物、In−Sc−Zn系酸化物、In−Y−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素、若しくは上記のスタビライザーとしての元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、あるいはIn:Ga:Zn=2:1:3の原子数比のIn:Ga:Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
また、酸化物半導体膜106の成膜工程において、酸化物半導体膜106に水素、または水がなるべく含まれないことが好ましい。例えば、酸化物半導体膜106の成膜工程の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で下地絶縁膜104が形成された基板102を予備加熱し、基板102、及び下地絶縁膜104に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。また、酸化物半導体膜106の成膜時、残留水分が排気された成膜室(成膜チャンバーともいう)で行うことが好ましい。
なお、予備加熱室、及び成膜室の水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段は、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した、予備加熱室、及び成膜室は、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、酸化物半導体膜106に含まれる水素、水分などの不純物の濃度を低減できる。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体膜106としてIn−Ga−Zn系酸化物をスパッタリング法により成膜する。また、酸化物半導体膜106は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。
酸化物半導体膜106として、In−Ga−Zn系酸化物をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1の金属酸化物ターゲットや、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2の金属酸化物ターゲットや、原子数比がIn:Ga:Zn=2:1:3の金属酸化物ターゲットを用いることができる。ただし、酸化物半導体膜106に用いることのできるターゲットは、これらのターゲットの材料、及び組成に限定されるものではない。
また、酸化物半導体膜106を上述した金属酸化物ターゲットを用いて形成した場合、ターゲットの組成と、基板上に形成される薄膜の組成と、が異なる場合がある。例えば、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1[mol比]の金属酸化物ターゲットを用いた場合、成膜条件にも依存するが、薄膜である酸化物半導体膜106の組成は、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:0.6〜0.8[mol比]となる場合がある。これは、酸化物半導体膜106の成膜中において、ZnOが昇華する、またはIn2O3、Ga2O3、ZnOの各成分のスパッタリングレートが異なるためだと考えられる。
したがって、所望の組成の薄膜を形成したい場合においては、予め金属酸化物ターゲットの組成を調整する必要がある。例えば、薄膜である酸化物半導体膜106の組成を、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1[mol比]とする場合においては、金属酸化物ターゲットの組成を、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1.5[mol比]とすればよい。すなわち、金属酸化物ターゲットのZnOの含有量を予め多くすればよい。ただし、ターゲットの組成は、上記数値に限定されず、成膜条件や、形成される薄膜の組成により適宜調整することができる。また、金属酸化物ターゲットのZnOの含有量を多くすることにより、得られる薄膜の結晶性が向上するため好ましい。
また、金属酸化物ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜106は緻密な膜とすることができる。
また、酸化物半導体膜106を成膜する際に用いるスパッタリングガスとしては、水素、水、水酸基、または水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
酸化物半導体膜106として、CAAC−OS膜を適用する場合、該CAAC−OS膜を形成する方法としては、三つ挙げられる。一つめは、成膜温度を200℃以上450℃以下として酸化物半導体膜の成膜を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。二つめは、酸化物半導体膜を薄い膜厚で成膜した後、200℃以上700℃以下の熱処理を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。三つめは、一層目の酸化物半導体膜を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の熱処理を行い、さらに二層目の酸化物半導体膜の成膜を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる結晶部のc軸が、被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃った結晶部を形成する方法である。
また、基板102を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜106に含まれる水素や水などの不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減されるため好ましい。また、酸化物半導体膜106を、ALD(Atomic Layer Deposition)法、蒸着法、塗布法などで成膜してもよい。
なお、酸化物半導体膜106として、CAAC−OS膜以外の結晶性を有する酸化物半導体膜(単結晶または微結晶)を成膜する場合には、成膜温度は特に限定されない。
また、本実施の形態において、酸化物半導体膜106の形成方法としては、ドライエッチング法により酸化物半導体膜のエッチングを行う。エッチングガスには、BCl3、Cl2、O2等を用いることができる。エッチング速度の向上にはECRやICPなどの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
本実施の形態では、ICPエッチング装置を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって酸化物半導体膜をエッチングし、所望のアイランド形状にすることができる。例えば、酸化物半導体膜106として、膜厚20nmのIn−Ga−Zn−O膜をドライエッチングする条件として、第1のステップとして、コイル型の電極に電力を2000W印加し、基板102側にバイアス電力を600W(RF)印加し、流量100sccmのCl2ガスをエッチング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を−10℃に設定してエッチングを行い、第2のステップとして、コイル型の電極に電力を1500W印加し、基板102側にバイアス電力を200W(RF)印加し、流量100sccmのCl2ガスと流量30sccmのO2ガスをエッチング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を−10℃に設定してエッチングを行う。
なお、エッチング条件によっては、下地絶縁膜104もエッチングされて、部分的に膜厚が薄くなる。なお、エッチング条件を調節する、またはエッチング装置を変更することで、下地絶縁膜104が薄くなることを防ぐこともできる。このように、エッチング条件を調節することで、酸化物半導体膜106の側面のテーパ角は、1°以上10°未満とすることができる。
また、酸化物半導体膜106の形成後、酸化物半導体膜106に対して、熱処理を行ってもよい。当該熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。当該熱処理を行うことで、過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去することが可能である。なお、当該熱処理は、本明細書等において、脱水化処理(脱水素化処理)と記す場合がある。
当該熱処理は、例えば、抵抗発熱体などを用いた電気炉に被処理物を導入し、窒素雰囲気下、450℃、1時間の条件で行うことができる。この間、酸化物半導体膜106は大気に触れさせず、水や水素の混入が生じないようにする。
熱処理装置は、電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いても良い。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。ガスとしては、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
例えば、当該熱処理として、熱せられた不活性ガス雰囲気中に被処理物を投入し、数分間熱した後、当該不活性ガス雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、被処理物の耐熱温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に、不活性ガスを、酸素を含むガスに切り替えても良い。
なお、不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分とする雰囲気であって、水、水素などが含まれない雰囲気を適用するのが望ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
また、上述の脱水化処理(脱水素化処理)を行うと、酸化物半導体膜を構成する主成分材料である酸素が同時に脱離して減少してしまうおそれがある。酸化物半導体膜において、酸素が脱離した箇所では酸素欠損が存在し、該酸素欠損に起因してトランジスタの電気的特性変動を招くドナー準位が生じてしまう。よって、脱水化処理(脱水素化処理)を行った場合、酸化物半導体膜106中に、酸素を供給することが好ましい。酸化物半導体膜106中に酸素を供給することにより、膜中の酸素欠損を補填することができる。
酸化物半導体膜106中の酸素欠損を補填する方法の一例としては、酸化物半導体膜106に対して脱水化処理(脱水素化処理)を行った後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の亜酸化窒素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入すればよい。酸素ガス、または亜酸化窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガス、または亜酸化窒素ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち、酸素ガスまたは亜酸化窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、酸化物半導体膜106中に酸素を供給する方法の一例としては、酸化物半導体膜106に酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を添加することで、酸化物半導体膜106中に酸素を供給してもよい。酸素の添加方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理などを用いる。
また、酸化物半導体膜106中に酸素を供給する方法の一例としては、下地絶縁膜104、または後に形成されるゲート絶縁膜108等を加熱することにより、酸素の一部を脱離させ、酸化物半導体膜106に酸素を供給してもよい。
上述のように、酸化物半導体膜106の形成後において、脱水化処理(脱水素化処理)を行い酸化物半導体膜106から、水素、または水分を除去して不純物が極力含まれないように高純度化し、脱水化処理(脱水素化処理)によって同時に減少してしまった酸素を酸化物半導体に加える、または過剰な酸素を供給し酸化物半導体膜106の酸素欠損を補填することが好ましい。また、本明細書等において、酸化物半導体膜106に酸素を供給する場合を、加酸素化処理、または過酸素化処理と記す場合がある。
なお、上述の方法では、酸化物半導体膜106を島状に加工した後に脱水化処理(脱水素化処理)、および加酸素化処理を行う構成について説明したが、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。酸化物半導体膜106を島状に加工する前に、当該処理を行ってもよい。また、後に形成される層間絶縁膜112の形成後に、加熱処理を行い、下地絶縁膜104、またはゲート絶縁膜108等から、酸化物半導体膜106に酸素を供給してもよい。
このように、酸化物半導体膜106は、脱水化処理(脱水素化処理)により、水素または水分が除去され、加酸素化処理により酸素欠損を補填することによって、i型(真性)化またはi型に限りなく近い酸化物半導体膜106とすることができる。このような酸化物半導体膜106中には、ドナーに由来するキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャリア濃度は1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、さらに好ましくは1×1011/cm3未満である。
次に、酸化物半導体膜106上にゲート絶縁膜108を形成する(図2(A)参照)。ゲート絶縁膜108の膜厚は、例えば1nm以上500nm以下とすることができる。また、ゲート絶縁膜108の作製方法に特に限定はないが、例えば、スパッタリング法、MBE法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いてゲート絶縁膜108を作製することができる。
また、ゲート絶縁膜108の材料としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコン等を用いることができる。ゲート絶縁膜108は、酸化物半導体膜106と接する部分において酸素を含むことが好ましい。特に、ゲート絶縁膜108は、膜中に少なくとも化学量論的組成を超える量の酸素が存在することが好ましく、例えば、ゲート絶縁膜108として、酸化シリコン膜を用いる場合には、SiO2+α(ただし、α>0)とすることが好ましい。本実施の形態では、ゲート絶縁膜108として、SiO2+α(ただし、α>0)である酸化シリコン膜を用いる。この酸化シリコン膜をゲート絶縁膜108として用いることで、下地絶縁膜104と同様に、酸化物半導体膜106に酸素を供給することができ、電気特性を良好にすることができる。
また、ゲート絶縁膜108のその他の材料としては、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOyx>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiOxNy(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることができる。このような材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。さらに、ゲート絶縁膜108は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁膜108上に、ゲート電極(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を成膜する。ゲート電極となる導電膜としては、例えば、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、ゲート電極に用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(In2O3−SnO2、ITOと略記する場合がある)、インジウム亜鉛酸化物(In2O3−ZnO)、または、これらの金属酸化物材料にシリコン、または酸化シリコンを含有させたものを用いることができる。ゲート電極に用いる導電膜は、上記の材料を用いて単層、または積層して形成することができる。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って、ゲート電極110を形成した後、レジストマスクを除去する(図2(B)参照)。
なお、ゲート電極110を形成するためのレジストマスクは、フォトリソグラフィ法などによって形成されたレジストマスクに、スリミング処理を行って、より微細なパターンとするのが好ましい。スリミング処理としては、例えば、ラジカル状態の酸素(酸素ラジカル)などを用いるアッシング処理を適用することができる。
なお、ゲート電極110を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。なお、ゲート電極110のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
次に、ゲート絶縁膜108、及びゲート電極110上に層間絶縁膜112を形成する(図2(C)参照)。
層間絶縁膜112としては、無機絶縁膜を用いることが好ましく、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ハフニウム膜などの酸化物絶縁膜を単層、または積層して用いればよい。また、上述の酸化物絶縁膜上に、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜などの窒化物絶縁膜の単層、または積層をさらに形成してもよい。例えば、スパッタリング法を用いて、ゲート電極110側から順に酸化シリコン膜、及び酸化アルミニウム膜の積層を形成する。
なお、層間絶縁膜112上に、さらに平坦化絶縁膜を設けても良い。平坦化絶縁膜としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させてもよい。
次に、層間絶縁膜112上にマスク115aを形成し、マスク115aを用いて層間絶縁膜112、及びゲート絶縁膜108をエッチングして、酸化物半導体膜106に達する開口部114aを形成する(図2(D)参照)。
マスク115aは、フォトレジストなどの材料を用い、フォトリソグラフィ法などによって形成することができる。マスク115a形成時の露光には、波長が数nm〜数10nmと短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。したがって、微細なパターンを有するマスク115aを形成することができる。
なお、十分に微細なパターンのマスク115aを形成できるのであれば、インクジェット法などの他の方法を用いてマスク115aを形成しても良い。この場合には、マスク115aの材料として、フォトレジストなどの感光性を有する材料を用いる必要はない。
次に、マスク115aを除去した後、開口部114a、及び層間絶縁膜112上にマスク115bを形成する。マスク115bは、マスク115aと同様に形成することができる。そして、マスク115bを用いて層間絶縁膜112、及びゲート絶縁膜108をエッチングして、酸化物半導体膜106に達する開口部114bを形成する(図3(A)参照)。これによって、ゲート絶縁膜108、及び層間絶縁膜112に、ゲート電極110を挟んで一対の開口部が形成されることとなる。
次に、開口部114a、及び開口部114bを埋め込むように、層間絶縁膜112上にソース電極、及びドレイン電極となる導電膜116を形成する(図3(B)参照)。
導電膜116は、後の加熱処理に耐えられる材料を用いる。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側、上側の一方、または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜、またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。
また、ソース電極、及びドレイン電極に用いる導電膜116としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In2O3−SnO2、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛(In2O3−ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
次に、導電膜116にCMP(CMP:Chemical Mechanical Polishing、化学的機械研磨)処理を行う(図3(C)参照)。層間絶縁膜112上(少なくともゲート電極110と重畳する領域)に設けられた導電膜116を除去するように、導電膜116に対してCMP処理を行うことで、開口部114a、及び開口部114bに埋め込まれたソース電極116a、及びドレイン電極116bを形成することができる。なお、本実施の形態では、導電膜116に対して、層間絶縁膜112の表面が露出する条件でCMP処理を行うことにより、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを形成する。なお、CMP処理の条件によっては層間絶縁膜112の表面、またはゲート電極110の表面も研磨される場合がある。なお、この段階でトランジスタ150が形成される。
また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bの少なくとも一部分は、酸化物半導体膜106の側面と接している。なお、酸化物半導体膜106の側面は、1°以上10°未満のテーパ角であるため、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。
また、CMP処理とは、被加工物の表面を化学的・機械的な複合作用により平坦化する手法である。より具体的には、研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、被加工物の表面を、スラリーと被加工物表面との間での化学反応と、研磨布と被加工物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
なお、CMP処理は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うのが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせることによって、ソース電極116a、ドレイン電極116b、層間絶縁膜112の表面の平坦性をより向上させることができる。
なお、本実施の形態では、層間絶縁膜112と重畳する領域の導電膜116の除去にCMP処理を用いたが、他の研磨(研削、切削)処理を用いてもよい。または、CMP処理等の研磨処理と、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)処理や、プラズマ処理などを組み合わせてもよい。例えば、CMP処理後、ドライエッチング処理やプラズマ処理(逆スパッタリングなど)を行い、処理表面の平坦性向上を図ってもよい。研磨処理に、エッチング処理、プラズマ処理などを組み合わせて行う場合、工程順は特に限定されず、導電膜116の材料、膜厚、及び表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
また、本実施の形態においては、開口部114a、及び開口部114bを設けるための工程を、2度に分ける方法を用いたがこれに限定されず、1度で形成する方法を用いてもよい。ただし、マスクの形成に用いる露光装置の解像限界があり、開口寸法が制約されるため、開口部114aと、開口部114bとの距離を十分に縮小するためには、本実施の形態に示すように、2度に分けて形成するほうが好ましい。このような方法を行うことで、トランジスタの微細化を図ることができる。
また、開口部114aと、開口部114bとの間隔を縮小するとは、換言すると、後に形成されるソース電極116aと、ドレイン電極116bとの間隔を縮小することである。すなわち、ソース電極116aと、ドレイン電極116bとの距離を、例えば、0.05μm以上0.1μm以下まで縮小することができる。ソース電極116aと、ドレイン電極116b間の距離を縮小することで、ソース−ドレイン間の抵抗を低減することができるため、トランジスタ150の電気特性(例えば、オン電流特性)を向上させることができる。
次に、層間絶縁膜112、ソース電極116a、及びドレイン電極116b上に導電膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い、配線118a、及び配線118bを形成する(図4参照)。
配線118a、及び配線118bは、ゲート電極110、またはソース電極116a、及びドレイン電極116bと同様の材料、及び作製方法を用いて形成することができる。例えば、配線118a、及び配線118bとして、窒化タンタル膜と銅膜との積層、または窒化タンタル膜とタングステン膜との積層などを用いることができる。
以上の工程によって、本実施の形態のトランジスタ150が形成される。
本実施の形態に示す半導体装置は、酸化物半導体膜の側面が1°以上10°未満のテーパ角を有しており、ソース電極、及びドレイン電極の少なくとも一部分が、側面と接している。このような構成とすることで、接触領域を増加させることができる。また、ソース電極、及びドレイン電極を段切れなく酸化物半導体膜と接触させることができる。また、酸化物半導体膜の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜の面積を縮小することができる。したがって、トランジスタサイズを十分に小さくすることが可能となる。
また、トランジスタサイズを十分に小さくすることで、半導体装置の占める面積が小さくなり、一基板あたりの半導体装置の取り数が増大する。これにより、半導体装置の製造コストを抑制することができる。つまり、開示する発明の一態様により、酸化物半導体を用いたトランジスタの微細化が達成されることで、上述のような、微細化に付随する様々な効果を得ることが可能である。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1の図1乃至図4に示した半導体装置、及び半導体装置の作製方法の変形例について、図5乃至図8を用いて説明を行う。なお、図1乃至図4で示した符号については、同様の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
〈半導体装置の構成例(変形例)〉
図5(A)、図5(B)、及び図5(C)に、半導体装置の一例として、トップゲート構造のトランジスタの平面図、及び断面図を示す。なお、図5(A)は、平面図を示し、図5(B)は、図5(A)におけるX2−Y2に係る断面図に相当する。また、図5(C)は、図5(B)に示す下地絶縁膜104、及び酸化物半導体膜106の一部分を拡大した断面図に相当する。なお、図5(A)では、煩雑になることを避けるため、トランジスタ160の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜108など)を省略して図示している。
図5(A)、及び図5(B)に示すトランジスタ160は、基板102上に形成された下地絶縁膜104と、下地絶縁膜104上に形成された低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bを含む酸化物半導体膜106と、酸化物半導体膜106上に形成されたゲート絶縁膜108と、ゲート絶縁膜108と接して形成され、酸化物半導体膜106と重畳する位置に設けられたゲート電極110と、ゲート絶縁膜108、及びゲート電極110上に形成された層間絶縁膜112と、ゲート絶縁膜108、及び層間絶縁膜112に設けられた開口部114a、及び開口部114bと、開口部114a、及び開口部114bを充填するように設けられたソース電極116a、及びドレイン電極116bと、を有する。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bに接続された配線118a、及び配線118bを含んでも良い。
また、酸化物半導体膜106は、チャネル形成領域を含み、チャネル形成領域には一対の低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bを含んで構成されている。また、低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bは、ソース電極116a、及びドレイン電極116bと、それぞれ接続されている。このように、酸化物半導体膜106に低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bを設けることで、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触抵抗を低減させることができる。
また、酸化物半導体膜106は、図5(B)、及び図5(C)に示すように、側面において、2つのテーパ角を有しており、2つのテーパ角のいずれか一方が、1°以上10°未満のテーパ角を有した構造である。なお、図5(C)において、α1、及びα2で表す箇所がテーパ角であり、α1が1°以上10°未満のテーパ角を有しており、α2が10°以上のテーパ角を有した構造である。ただし、α2も1°以上10°未満のテーパ角としてもよい。
このように、本実施の形態においては、側面が2つのテーパ角を有する構造において、説明するが、特に限定されない。側面が2つ以上の複数のテーパ角を有していてもよい。
また、酸化物半導体膜106は、ドライエッチング法により酸化物半導体膜をエッチングすることで形成することができる。また、本実施の形態において、エッチングガスには、BCl3、Cl2、O2を用いることにより、側面において、1°以上10°未満のテーパ角とすることができる。また、エッチング速度の向上にはECRやICPなどの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
なお、エッチング条件によっては、図5(C)のβに示すように、下地絶縁膜104もエッチングされて、部分的に膜厚が薄くなる。なお、エッチング条件を調節する、またはエッチング装置を変更することで、下地絶縁膜104が薄くなることを防ぐこともできる。また、エッチング条件を調節することで、酸化物半導体膜106の側面のテーパ角α1、またはα2のいずれか一方が、1°以上10°未満とすることができる。また、エッチング条件を調節する、またはエッチング装置を変更することで、複数のテーパ角を有する、所謂階段状の側面とすることができる。
また、酸化物半導体膜106の膜厚は、5nmより大きく200nm以下とし、好ましくは10nm以上30nm以下、更に好ましくは10nm以上20nm以下とする。また、酸化物半導体膜106は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)、または微結晶などの結晶性を有する構造とすることが好ましい。
また、本実施の形態において、酸化物半導体膜106は、CAAC−OS膜であることが好ましい。
また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bは、酸化物半導体膜106の1°以上10°未満のテーパ角を有する側面と、少なくとも一部分が接している。
このような構成とすることで、酸化物半導体膜106と、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。
また、本実施の形態においては、酸化物半導体膜106に、低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bが設けられた構成である。このような構成とすることで、酸化物半導体膜106の低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bと、ソース電極116a、及びドレイン電極116bと、が各々接することにより、接触抵抗を低減することができる。
このように、酸化物半導体膜106の面積を縮小し、且つ酸化物半導体膜106と、ソース電極116a、及びドレイン電極116bと接触領域を増加させることにより、良好な電気的特性を維持しつつ、トランジスタ160のサイズを十分に小さくすることが可能になる。
したがって、半導体装置の占める面積が小さくなり、一基板あたりの半導体装置の取り数が増大する。これにより、半導体装置の製造コストが抑制される。また、トランジスタサイズを十分に小さくすることで、縮小した面積に新たな機能等を追加することが可能となるため、元の大きさと同程度の大きさの半導体装置と比較し、さらに機能を高めることができる。つまり、開示する発明の一態様により酸化物半導体を用いたトランジスタの微細化が達成されることで、上述のような、微細化に付随する様々な効果を得ることが可能である。
なお、その他の構成要素の詳細については、後述するトランジスタ160の作製方法において、図6乃至図8を用いて説明する。
〈トランジスタ160の作製方法〉
以下、図6乃至図8を用いて、本実施の形態に係る図5に示すトランジスタ160の作製方法の一例について説明する。
まず、基板102を準備する。基板102については、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
次に、基板102上に下地絶縁膜104を形成する(図6(A)参照)。下地絶縁膜104は、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
また、下地絶縁膜104を形成する前に、基板102に対してプラズマ処理等を行っても良い。プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板102側にRF電源を用いて電圧を印加して基板102近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、基板102表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
次に、下地絶縁膜104上に酸化物半導体膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い酸化物半導体膜106を形成する(図6(A)参照)。また、酸化物半導体膜106は、CAAC−OS膜とすることが好ましい。なお、下地絶縁膜104、及び酸化物半導体膜106は、大気に触れさせることなく連続して成膜するのが好ましい。
酸化物半導体膜106に用いることのできる材料、及び成膜方法などについては、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
また、本実施の形態において、酸化物半導体膜106の形成方法としては、ドライエッチング法により酸化物半導体膜のエッチングを行う。エッチングガスには、BCl3、Cl2、O2等を用いることができる。エッチング速度の向上にはECRやICPなどの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
本実施の形態では、ICPエッチング装置を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって酸化物半導体膜をエッチングし、所望のアイランド形状にすることができる。例えば、酸化物半導体膜106として、膜厚20nmのIn−Ga−Zn−O膜をドライエッチングする条件として、コイル型の電極に電力を450W印加し、基板102側にバイアス電力を100W(RF)印加し、流量60sccmのBCl3ガスと、流量20sccmのCl2ガスと、流量10sccmのO2ガスと、をエッチング装置内に導入して、圧力1.9Paに設定し、基板温度を70℃に設定してエッチングを行う。
なお、エッチング条件によっては、下地絶縁膜104もエッチングされて、部分的に膜厚が薄くなる。なお、エッチング条件を調節する、またはエッチング装置を変更することで、下地絶縁膜104が薄くなることを防ぐこともできる。このように、エッチング条件を調節することで、酸化物半導体膜106の側面のテーパ角は、1°以上10°未満とすることができる。
また、本実施の形態においては、酸化物半導体膜106の側面は、2つのテーパ角を有した構造である。このように、酸化物半導体膜106の側面は、複数のテーパ角を有した構造としてもよい。複数のテーパ角は、エッチング条件、またはエッチング装置を調整することで、形成することができる。
また、酸化物半導体膜106の形成後、酸化物半導体膜106に対して、脱水化処理(脱水素化処理)及び加酸素化処理を行っても良い。脱水化処理(脱水素化処理)、及び加酸素化処理は、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
次に、酸化物半導体膜106上にゲート絶縁膜108を形成する(図6(A)参照)。ゲート絶縁膜108は、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
次に、ゲート絶縁膜108上に、ゲート電極(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を成膜する。ゲート電極となる導電膜としては、例えば、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、ゲート電極に用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(In2O3−SnO2、ITOと略記する場合がある)、インジウム亜鉛酸化物(In2O3−ZnO)、または、これらの金属酸化物材料にシリコン、または酸化シリコンを含有させたものを用いることができる。ゲート電極に用いる導電膜は、上記の材料を用いて単層、または積層して形成することができる。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って、ゲート電極110を形成した後、レジストマスクを除去する(図6(B)参照)。
なお、ゲート電極110を形成するためのレジストマスクは、フォトリソグラフィ法などによって形成されたレジストマスクに、スリミング処理を行って、より微細なパターンとするのが好ましい。スリミング処理としては、例えば、ラジカル状態の酸素(酸素ラジカル)などを用いるアッシング処理を適用することができる。
なお、ゲート電極110を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。なお、ゲート電極110のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
次に、ゲート電極110をマスクとして酸化物半導体膜106にドーパント181を導入し、一対の低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bを形成する(図6(C)参照)。
ドーパント181は、酸化物半導体膜106の導電率を変化させる不純物である。ドーパント181としては、15族元素(代表的にはリン(P)、砒素(As)、およびアンチモン(Sb))、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、インジウム(In)、フッ素(F)、塩素(Cl)、チタン(Ti)、及び亜鉛(Zn)のいずれかから選択される一以上を用いることができる。
また、ドーパント181は、適切な導入方法を選択することにより、他の膜(例えばゲート絶縁膜108)を通過して、酸化物半導体膜106に導入することもできる。ドーパント181の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。その際には、ドーパント181の単体のイオンあるいはフッ化物、塩化物のイオンを用いると好ましい。
ドーパント181の導入工程は、加速電圧、ドーズ量などの注入条件、また通過させる膜の膜厚を適宜設定して制御すればよい。本実施の形態では、ドーパント181としてリンを用いて、イオン注入法でリンイオンの注入を行う。なお、ドーパント181のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とすればよい。
低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bにおけるドーパント181の濃度は、5×1018/cm3以上1×1022/cm3以下であることが好ましい。
また、ドーパント181を導入する際に、基板102を加熱しながら行ってもよい。
なお、酸化物半導体膜106にドーパント181を導入する処理は、複数回行ってもよく、ドーパントの種類も複数種用いてもよい。
また、ドーパント181の導入処理後、加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては、温度300℃以上700℃以下、好ましくは300℃以上450℃以下で1時間、酸素雰囲気下で行うことが好ましい。また、窒素雰囲気下、減圧下、大気(超乾燥エア)下で加熱処理を行ってもよい。
酸化物半導体膜106を結晶性酸化物半導体膜、またはCAAC−OS膜とした場合、ドーパント181の導入により、一部非晶質化する場合がある。この場合、ドーパント181の導入後に加熱処理を行うことによって、酸化物半導体膜106の結晶性を回復することができる。
このように、酸化物半導体膜106は、チャネル形成領域を挟んで低抵抗領域106a、及び低抵抗領域106bが自己整合的に設けられる。
次に、ゲート絶縁膜108、及びゲート電極110上に層間絶縁膜112を形成する(図6(D)参照)。層間絶縁膜112は、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
なお、層間絶縁膜112上に、さらに平坦化絶縁膜を設けても良い。平坦化絶縁膜としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させてもよい。
次に、層間絶縁膜112上にマスク115aを形成し、マスク115aを用いて層間絶縁膜112、及びゲート絶縁膜108をエッチングして、酸化物半導体膜106に設けられた低抵抗領域106aに達する開口部114aを形成する(図7(A)参照)。
マスク115aは、フォトレジストなどの材料を用い、フォトリソグラフィ法などによって形成することができる。マスク115a形成時の露光には、波長が数nm〜数10nmと短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。したがって、微細なパターンを有するマスク115aを形成することができる。
なお、十分に微細なパターンのマスク115aを形成できるのであれば、インクジェット法などの他の方法を用いてマスク115aを形成しても良い。この場合には、マスク115aの材料として、フォトレジストなどの感光性を有する材料を用いる必要はない。
次に、マスク115aを除去した後、開口部114a、及び層間絶縁膜112上にマスク115bを形成する。マスク115bは、マスク115aと同様に形成することができる。そして、マスク115bを用いて層間絶縁膜112、及びゲート絶縁膜108をエッチングして、酸化物半導体膜106に設けられた低抵抗領域106bに達する開口部114bを形成する(図7(B)参照)。これによって、ゲート絶縁膜108、及び層間絶縁膜112に、ゲート電極110を挟んで一対の開口部が形成されることとなる。
次に、開口部114a、及び開口部114bを埋め込むように、層間絶縁膜112上にソース電極、及びドレイン電極となる導電膜116を形成する(図7(C)参照)。
導電膜116は、後の加熱処理に耐えられる材料を用いる。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側、上側の一方、または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜、またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。
また、ソース電極、及びドレイン電極に用いる導電膜116としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In2O3−SnO2、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛(In2O3−ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
次に、導電膜116にCMP処理を行い、層間絶縁膜112上(少なくともゲート電極110と重畳する領域)に設けられた導電膜116を除去するように、導電膜116に対してCMP処理を行うことで、開口部114a、及び開口部114bに埋め込まれたソース電極116a、及びドレイン電極116bを形成する(図8(A)参照)。なお、本実施の形態では、導電膜116に対して、層間絶縁膜112の表面が露出する条件でCMP処理を行うことにより、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを形成する。なお、CMP処理の条件によっては層間絶縁膜112の表面、またはゲート電極110の表面も研磨される場合がある。なお、この段階でトランジスタ160が形成される。
また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bの少なくとも一部分は、酸化物半導体膜106の側面と接している。なお、酸化物半導体膜106の側面は、1°以上10°未満のテーパ角であるため、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。
なお、CMP処理については、実施の形態1に記載した構成と、同様の構成とすることができる。
また、本実施の形態においては、開口部114a、及び開口部114bを設けるための工程を、2度に分ける方法を用いたがこれに限定されず、1度で形成する方法を用いてもよい。ただし、マスクの形成に用いる露光装置の解像限界があり、開口寸法が制約されるため、開口部114aと、開口部114bとの距離を十分に縮小するためには、本実施の形態に示すように、2度に分けて形成するほうが好ましい。このような方法を行うことで、トランジスタの微細化を図ることができる。
また、開口部114aと、開口部114bとの間隔を縮小するとは、換言すると、後に形成されるソース電極116aと、ドレイン電極116bとの間隔を縮小することである。すなわち、ソース電極116aと、ドレイン電極116bとの距離を、例えば、0.05μm以上0.1μm以下まで縮小することができる。ソース電極116aと、ドレイン電極116b間の距離を縮小することで、ソース−ドレイン間の抵抗を低減することができるため、トランジスタ160の電気特性(例えば、オン電流特性)を向上させることができる。
次に、層間絶縁膜112、ソース電極116a、及びドレイン電極116b上に導電膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行い、配線118a、及び配線118bを形成する(図8(B)参照)。
配線118a、及び配線118bは、ゲート電極110、またはソース電極116a、及びドレイン電極116bと同様の材料、及び作製方法を用いて形成することができる。例えば、配線118a、及び配線118bとして、窒化タンタル膜と銅膜との積層、または窒化タンタル膜とタングステン膜との積層などを用いることができる。
以上の工程によって、本実施の形態のトランジスタ160が形成される。
本実施の形態に示す半導体装置は、酸化物半導体膜の側面が1°以上10°未満のテーパ角を有しており、ソース電極、及びドレイン電極の少なくとも一部分が、側面と接している。このような構成とすることで、接触領域を増加させることができる。また、ソース電極、及びドレイン電極を段切れなく酸化物半導体膜と接触させることができる。また、酸化物半導体膜の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜の面積を縮小することができる。したがって、トランジスタサイズを十分に小さくすることが可能となる。
また、トランジスタサイズを十分に小さくすることで、半導体装置の占める面積が小さくなり、一基板あたりの半導体装置の取り数が増大する。これにより、半導体装置の製造コストを抑制することができる。つまり、開示する発明の一態様により、酸化物半導体を用いたトランジスタの微細化が達成されることで、上述のような、微細化に付随する様々な効果を得ることが可能である。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本明細書に示すトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置の一例を、図面を用いて説明する。
図9は、半導体装置の構成の一例である。図9(A)に、半導体装置の断面図を、図9(B)に半導体装置の平面図を、図9(C)に半導体装置の回路図をそれぞれ示す。ここで、図9(A)は、図9(B)のC1−C2、及びD1−D2における断面に相当する。
図9(A)、及び図9(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ260を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ150を有するものである。トランジスタ150としては、実施の形態1で示すトランジスタの構造を適用することができる。なお、本実施の形態においては、記載していないが、実施の形態2で用いたトランジスタを適用することもできる。
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料は、異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコンなど)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。
なお、上記トランジスタは、いずれもnチャネル型トランジスタであるものとして説明するが、pチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。また、情報を保持するために酸化物半導体を用いた実施の形態1に示すようなトランジスタ150に用いる他、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
図9(A)におけるトランジスタ260は、半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む基板200に設けられたチャネル形成領域216と、チャネル形成領域216を挟むように設けられた不純物領域220と、不純物領域220に接する金属間化合物領域224と、チャネル形成領域216上に設けられたゲート絶縁膜208と、ゲート絶縁膜208上に設けられたゲート電極210と、を有する。なお、図において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
基板200上にはトランジスタ260を囲むように素子分離絶縁膜206が設けられており、トランジスタ260を覆うように絶縁膜228、及び絶縁膜230が設けられている。なお、高集積化を実現するためには、図9(A)に示すようにトランジスタ260がサイドウォール絶縁膜を有しない構成とすることが望ましい。一方で、トランジスタ260の特性を重視する場合には、ゲート電極210の側面にサイドウォール絶縁膜を設け、不純物濃度が異なる領域を含む不純物領域220としてもよい。
単結晶半導体基板を用いたトランジスタ260は、高速動作が可能である。このため、当該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報の読み出しを高速に行うことができる。トランジスタ260を覆うように絶縁膜を2層形成する。トランジスタ150、および容量素子264の形成前の処理として、該絶縁膜2層にCMP処理を施して、平坦化した絶縁膜228、絶縁膜230を形成し、同時にゲート電極210の上面を露出させる。
絶縁膜228は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁膜230は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などのシリコン酸化物を含む無機絶縁膜を用いることができる。絶縁膜228、絶縁膜230は、プラズマCVD法、またはスパッタリング法等を用いて形成することができる。
また、絶縁膜228は、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。有機材料を用いる場合、スピンコート法、印刷法などの湿式法によって絶縁膜228を形成してもよい。
なお、本実施の形態において、絶縁膜228として窒化シリコン膜を用い、絶縁膜230として酸化シリコン膜を用いる。
研磨処理(例えばCMP処理)により十分に平坦化した絶縁膜230上に酸化物半導体膜106を形成する。なお、絶縁膜230表面の平均面粗さは、0.15nm以下が好ましい。
図9(A)に示すトランジスタ150は、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタである。ここで、トランジスタ150に含まれる酸化物半導体膜106は、高純度化されたものであることが望ましい。高純度化された酸化物半導体を用いることで、極めて優れたオフ特性のトランジスタ150を得ることができる。
トランジスタ150は、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、または、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
トランジスタ150上には、絶縁膜114、及び絶縁膜184が単層または積層で設けられている。本実施の形態では、絶縁膜114、及び絶縁膜184として、ゲート電極110側から酸化シリコン膜と酸化アルミニウム膜との積層を用いる。なお、酸化アルミニウム膜を高密度(例えば、膜密度3.2g/cm3以上、好ましくは3.6g/cm3以上)とすることによって、トランジスタ150に安定な電気特性を付与することができるため好ましい。
また、絶縁膜114を介して、トランジスタ150のソース電極116aに接続された配線118aと重畳する領域には、導電膜182が設けられており、配線118aと、絶縁膜114と、導電膜182とによって、容量素子264が構成される。すなわち、トランジスタ150のソース電極116aは、容量素子264の一方の電極として機能し、導電膜182は、容量素子264の他方の電極として機能する。なお、容量が不要の場合には、容量素子264を設けない構成とすることもできる。また、容量素子264は、別途、トランジスタ150の上方に設けてもよい。
トランジスタ150、及び容量素子264の上には絶縁膜184が設けられている。そして、絶縁膜184上にはトランジスタ150と、他のトランジスタを接続するための配線186が設けられている。図9(A)には図示しないが、配線186は、絶縁膜184、絶縁膜114などに形成された開口に電極を形成し、該電極を介してドレイン電極116bと電気的に接続される。ここで、該電極は、少なくともトランジスタ150の酸化物半導体膜106の一部と重畳するように設けられることが好ましい。
また、図9(A)、及び図9(B)において、トランジスタ260と、トランジスタ150とは、少なくとも一部が重畳するように設けられており、トランジスタ260のソース領域、またはドレイン領域と酸化物半導体膜106の一部が重畳するように設けられているのが好ましい。また、トランジスタ150、及び容量素子264が、トランジスタ260の少なくとも一部と重畳するように設けられている。例えば、容量素子264の導電膜182は、トランジスタ260のゲート電極210と少なくとも一部が重畳して設けられている。このような平面レイアウトを採用することにより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる。
なお、配線118bと、配線186と、の電気的接続は、配線118bと、配線186を直接接触させて行っても良いし、間の絶縁膜に電極を設けて、該電極を介して行っても良い。また、間に介する電極は、複数でもよい。
次に、図9(A)、及び図9(B)に対応する回路構成の一例を図9(C)に示す。
図9(C)において、第1の配線(1st Line)とトランジスタ260のソース電極、またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続され、第2の配線(2nd Line)とトランジスタ260のソース電極、またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続されている。また、第3の配線(3rd Line)とトランジスタ150のソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続され、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ150のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、トランジスタ260のゲート電極と、トランジスタ150のソース電極、またはドレイン電極の他方は、容量素子264の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線(5th Line)と、容量素子264の電極の他方は電気的に接続されている。
図9(C)に示す半導体装置では、トランジスタ260のゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線の電位を、トランジスタ150がオン状態となる電位にして、トランジスタ150をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位が、トランジスタ260のゲート電極、および容量素子264に与えられる。すなわち、トランジスタ260のゲート電極には、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ150がオフ状態となる電位にして、トランジスタ150をオフ状態とすることにより、トランジスタ260のゲート電極に与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ150のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ260のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ260のゲート電極に保持された電荷量に応じて、第2の配線は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ260をnチャネル型とすると、トランジスタ260のゲート電極にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ160のゲート電極にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ260を「オン状態」とするために必要な第5の配線の電位をいうものとする。したがって、第5の配線の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ260のゲート電極に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ260は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ260は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線の電位を見ることで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ260が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線に与えればよい。または、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ260が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線に与えればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁層の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
また、トランジスタ150は、ソース電極116a、及びドレイン電極116bの少なくとも一部分は、酸化物半導体膜106の側面と接している。なお、酸化物半導体膜106の側面は、1°以上10°未満のテーパ角であるため、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。これにより、トランジスタ150のサイズを十分に小さくすることが可能である。
従って、微細化、及び高集積化を実現し、かつ高い電気特性を付与された半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態1、または実施の形態2に示すトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置について、実施の形態3に示した構成と異なる構成について、図10、及び図11を用いて説明を行う。
図10(A)は、半導体装置の回路構成の一例を示し、図10(B)は半導体装置の一例を示す概念図である。まず、図10(A)に示す半導体装置について説明を行い、続けて図10(B)に示す半導体装置について、以下説明を行う。
図10(A)に示す半導体装置において、ビット線BLとトランジスタ150のソース電極、またはドレイン電極とは電気的に接続され、ワード線WLとトランジスタ150のゲート電極とは電気的に接続され、トランジスタ150のソース電極、またはドレイン電極と容量素子354の第1の端子とは電気的に接続されている。
酸化物半導体を用いたトランジスタ150は、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ150をオフ状態とすることで、容量素子354の第1の端子の電位(あるいは、容量素子354に蓄積された電荷)を極めて長時間にわたって保持することが可能である。
次に、図10(A)に示す半導体装置(メモリセル350)に、情報の書き込みおよび保持を行う場合について説明する。
まず、ワード線WLの電位を、トランジスタ150がオン状態となる電位として、トランジスタ150をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が、容量素子354の第1の端子に与えられる(書き込み)。その後、ワード線WLの電位を、トランジスタ150がオフ状態となる電位として、トランジスタ150をオフ状態とすることにより、容量素子354の第1の端子の電位が保持される(保持)。
トランジスタ150のオフ電流は極めて小さいから、容量素子354の第1の端子の電位(あるいは容量素子に蓄積された電荷)は長時間にわたって保持することができる。
次に、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ150がオン状態となると、浮遊状態であるビット線BLと容量素子354とが導通し、ビット線BLと容量素子354の間で電荷が再分配される。その結果、ビット線BLの電位が変化する。ビット線BLの電位の変化量は、容量素子354の第1の端子の電位(あるいは容量素子354に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子354の第1の端子の電位をV、容量素子354の容量をC、ビット線BLが有する容量成分(以下、ビット線容量とも呼ぶ)をCB、電荷が再分配される前のビット線BLの電位をVB0とすると、電荷が再分配された後のビット線BLの電位は、(CB*VB0+C*V)/(CB+C)となる。従って、メモリセル350の状態として、容量素子354の第1の端子の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとすると、電位V1を保持している場合のビット線BLの電位(=CB*VB0+C*V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合のビット線BLの電位(=CB*VB0+C*V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、ビット線BLの電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
このように、図10(A)に示す半導体装置は、トランジスタ150のオフ電流が極めて小さいという特徴から、容量素子354に蓄積された電荷は長時間にわたって保持することができる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
次に、図10(B)に示す半導体装置について、説明を行う。
図10(B)に示す半導体装置は、上部に記憶回路として図10(A)に示したメモリセル350を複数有するメモリセルアレイ351a、及びメモリセルアレイ351bを有し、下部に、メモリセルアレイ351a、及びメモリセルアレイ351bを動作させるために必要な周辺回路353を有する。なお、周辺回路353は、メモリセルアレイ351a、及びメモリセルアレイ351bと電気的に接続されている。
図10(B)に示した構成とすることにより、周辺回路353をメモリセルアレイ351a、及びメモリセルアレイ351bの直下に設けることができるため半導体装置の小型化を図ることができる。
周辺回路353に設けられるトランジスタは、トランジスタ150とは異なる半導体材料を用いるのがより好ましい。例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いることが好ましい。他に、有機半導体材料などを用いてもよい。このような半導体材料を用いたトランジスタは、十分な高速動作が可能である。したがって、該トランジスタにより、高速動作が要求される各種回路(論理回路、駆動回路など)を好適に実現することが可能である。
なお、図10(B)に示した半導体装置では、メモリセルアレイ351aと、メモリセルアレイ351bと、2つのメモリセルアレイが積層された構成を例示したが、積層するメモリセルアレイの数はこれに限定されない。3つ以上のメモリセルアレイを積層する構成としても良い。
次に、図10(A)に示したメモリセル350の具体的な構成について図11を用いて説明を行う。
図11は、メモリセル350の構成の一例である。図11(A)にメモリセル350の断面図を、図11(B)にメモリセル350の平面図をそれぞれ示す。ここで、図11(A)は、図11(B)のF1−F2、及びG1−G2における断面に相当する。
図11(A)、及び図11(B)に示すトランジスタ150は、実施の形態1で示した構成と同一の構成とすることができる。
トランジスタ150は、絶縁膜274上に形成された酸化物半導体膜106と、酸化物半導体膜106上に形成されたゲート絶縁膜108と、ゲート絶縁膜108と接し、少なくとも酸化物半導体膜106と重畳する領域に設けられたゲート電極110と、酸化物半導体膜106と電気的に接続されたソース電極116a、及びドレイン電極116bと、を含む。
また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bは、配線118a、及び配線118bと、それぞれ電気的に接続されており、トランジスタ150上に絶縁膜258が形成されている。
また、トランジスタ150は、ソース電極116a、及びドレイン電極116bの少なくとも一部分は、酸化物半導体膜106の側面と接している。なお、酸化物半導体膜106の側面は、1°以上10°未満のテーパ角であるため、ソース電極116a、及びドレイン電極116bとの接触領域を増加させることができる。また、ソース電極116a、及びドレイン電極116bを段切れなく酸化物半導体膜106と接触させることができる。また、酸化物半導体膜106の側面を接触領域として使用できるため、所望の接触面積が必要な場合、酸化物半導体膜106の面積を縮小することができる。これにより、トランジスタ150のサイズを十分に小さくすることが可能である。
また、絶縁膜258を介して、トランジスタ150のソース電極116aと接続された配線118aと重畳する領域には、導電膜262が設けられており、配線118aと、絶縁膜258と、導電膜262とによって、容量素子354が構成されている。すなわち、トランジスタ150のソース電極116aは、容量素子354の一方の電極として機能し、導電膜262は、容量素子354の他方の電極として機能する。
また、トランジスタ150、及び容量素子354上には、絶縁膜256が単層または積層で設けられている。そして、絶縁膜256上には、隣接するメモリセルと接続するための配線272が設けられている。配線272は、絶縁膜256、及び絶縁膜258などに形成された開口、及び配線118bを介してトランジスタ150のドレイン電極116bと電気的に接続されている。但し、配線272とドレイン電極116bとを直接接続してもよい。なお、配線272は、図10(A)の回路図におけるビット線BLに相当する。
図11(A)、及び図11(B)において、トランジスタ150のドレイン電極116bは、隣接するメモリセルに含まれるトランジスタのソース電極層としても機能することができる。このような平面レイアウトを採用することにより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる。
このように、図11(B)に示す平面レイアウトを採用することにより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる。
以上のように、多層に形成された複数のメモリセルは、酸化物半導体を用いたトランジスタにより形成されている。酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
このように、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(換言すると、十分な高速動作が可能なトランジスタ)を用いた周辺回路と、酸化物半導体を用いたトランジスタ(より広義には、十分にオフ電流が小さいトランジスタ)を用いた記憶回路とを一体に備えることで、これまでにない特徴を有する半導体装置を実現することができる。また、周辺回路と記憶回路を積層構造とすることにより、半導体装置の集積化を図ることができる。
以上のように、微細化及び高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体装置、及び該半導体装置の作製方法を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、先の実施の形態で示した半導体装置を携帯電話、スマートフォン、電子書籍などの携帯機器に応用した場合の例を図12乃至図15を用いて説明する。
携帯電話、スマートフォン、電子書籍などの携帯機器においては、画像データの一時記憶などにSRAMまたはDRAMが使用されている。SRAMまたはDRAMが使用される理由としてはフラッシュメモリでは応答が遅く、画像処理では不向きであるためである。一方で、SRAMまたはDRAMを画像データの一時記憶に用いた場合、以下の特徴がある。
通常のSRAMは、図12(A)に示すように1つのメモリセルがトランジスタ801〜806の6個のトランジスタで構成されており、それをXデコーダー807、Yデコーダー808にて駆動している。トランジスタ803とトランジスタ805、トランジスタ804とトランジスタ806はインバータを構成し、高速駆動を可能としている。しかし1つのメモリセルが6トランジスタで構成されているため、セル面積が大きいという欠点がある。デザインルールの最小寸法をFとしたときにSRAMのメモリセル面積は通常100〜150F2である。このためSRAMはビットあたりの単価が各種メモリの中で最も高い。
それに対して、DRAMはメモリセルが図12(B)に示すようにトランジスタ811、保持容量812によって構成され、それをXデコーダー813、Yデコーダー814にて駆動している。1つのセルが1トランジスタ1容量の構成になっており、面積が小さい。DRAMのメモリセル面積は通常10F2以下である。ただし、DRAMは常にリフレッシュが必要であり、書き換えをおこなわない場合でも電力を消費する。
しかし、先の実施の形態で説明した半導体装置のメモリセル面積は、10F2前後であり、且つ頻繁なリフレッシュは不要である。したがって、メモリセル面積が縮小され、且つ消費電力が低減することができる。
次に、図13に携帯機器のブロック図を示す。図13に示す携帯機器はRF回路901、アナログベースバンド回路902、デジタルベースバンド回路903、バッテリー904、電源回路905、アプリケーションプロセッサ906、フラッシュメモリ910、ディスプレイコントローラ911、メモリ回路912、ディスプレイ913、タッチセンサ919、音声回路917、キーボード918などより構成されている。ディスプレイ913は表示部914、ソースドライバ915、ゲートドライバ916によって構成されている。アプリケーションプロセッサ906はCPU907、DSP908、インターフェイス909(IF909)を有している。一般にメモリ回路912はSRAMまたはDRAMで構成されており、この部分に先の実施の形態で説明した半導体装置を採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減することができる。
次に、図14にディスプレイのメモリ回路950に先の実施の形態で説明した半導体装置を使用した例を示す。図14に示すメモリ回路950は、メモリ952、メモリ953、スイッチ954、スイッチ955およびメモリコントローラ951により構成されている。また、メモリ回路は、信号線から入力された画像データ(入力画像データ)、メモリ952、及びメモリ953に記憶されたデータ(記憶画像データ)を読み出し、及び制御を行うディスプレイコントローラ956と、ディスプレイコントローラ956からの信号により表示するディスプレイ957が接続されている。
まず、ある画像データがアプリケーションプロセッサ(図示しない)によって、形成される(入力画像データA)。入力画像データAは、スイッチ954を介してメモリ952に記憶される。そしてメモリ952に記憶された画像データ(記憶画像データA)は、スイッチ955、及びディスプレイコントローラ956を介してディスプレイ957に送られ、表示される。
入力画像データAに変更が無い場合、記憶画像データAは、通常30〜60Hz程度の周期でメモリ952からスイッチ955を介して、ディスプレイコントローラ956から読み出される。
次に、例えばユーザーが画面を書き換える操作をしたとき(すなわち、入力画像データAに変更が有る場合)、アプリケーションプロセッサは新たな画像データ(入力画像データB)を形成する。入力画像データBはスイッチ954を介してメモリ953に記憶される。この間も定期的にメモリ952からスイッチ955を介して記憶画像データAは読み出されている。メモリ953に新たな画像データ(記憶画像データB)が記憶し終わると、ディスプレイ957の次のフレームより、記憶画像データBは読み出され、スイッチ955、及びディスプレイコントローラ956を介して、ディスプレイ957に記憶画像データBが送られ、表示がおこなわれる。この読み出しはさらに次に新たな画像データがメモリ952に記憶されるまで継続される。
このようにメモリ952、及びメモリ953は交互に画像データの書き込みと、画像データの読み出しを行うことによって、ディスプレイ957の表示をおこなう。なお、メモリ952、及びメモリ953はそれぞれ別のメモリには限定されず、1つのメモリを分割して使用してもよい。先の実施の形態で説明した半導体装置をメモリ952及びメモリ953に採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減することができる。
次に、図15に電子書籍のブロック図を示す。図15はバッテリー1001、電源回路1002、マイクロプロセッサ1003、フラッシュメモリ1004、音声回路1005、キーボード1006、メモリ回路1007、タッチパネル1008、ディスプレイ1009、ディスプレイコントローラ1010によって構成される。
ここでは、図15のメモリ回路1007に先の実施の形態で説明した半導体装置を使用することができる。メモリ回路1007は書籍の内容を一時的に保持する機能を持つ。機能の例としては、ユーザーがハイライト機能を使用する場合などがある。ユーザーが電子書籍を読んでいるときに、特定の箇所にマーキングをしたい場合がある。このマーキング機能をハイライト機能と言い、表示の色を変える、アンダーラインを引く、文字を太くする、文字の書体を変えるなどによって、周囲との違いを示すことである。ユーザーが指定した箇所の情報を記憶し、保持する機能である。この情報を長期に保存する場合にはフラッシュメモリ1004にコピーしても良い。このような場合においても、先の実施の形態で説明した半導体装置を採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減することができる。
以上のように、本実施の形態に示す携帯機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力を低減した携帯機器が実現される。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例においては、側面が1°以上10°未満のテーパ角を有する島状の酸化物半導体膜の作製を行い、その断面形状について評価を行った。なお、断面形状については、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による断面観察を行った。
また、断面観察用の試料については、試料1、及び試料2と2つの試料を作製した。以下に、試料1、及び試料2について、それぞれ作製方法、及び断面観察結果を示す。
まず、試料1の作製方法、及び試料1の断面観察結果について、以下説明を行う。
(試料1)
はじめにガラス基板上に下地絶縁膜として酸化シリコン膜(以下、SiOx膜と記す)を成膜し、その後、酸化物半導体膜(以下、IGZO膜と記す)を成膜した。
SiOx膜は、スパッタリング装置を用いて成膜した。SiOx膜の成膜条件としては、1.5kW(RF)の電力を印加し、流量25sccmのO2ガスをスパッタリング装置内に導入して、圧力0.4Paに設定し、基板温度を100℃に設定して成膜した。なお、SiOx膜の膜厚は、300nmとし、スパッタリングターゲットは、Siターゲットを用いた。
IGZO膜は、スパッタリング装置を用いて成膜した。IGZO膜の成膜条件としては、0.5kW(DC)の電力を印加し、流量30sccmのArガスと、流量15sccmのO2ガスと、をスパッタリング装置内に導入して、圧力を0.4Paに設定し、基板温度を300℃に設定して成膜した。なお、IGZO膜の膜厚は、20nmとし、スパッタリングターゲットは、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いた。
次に、IGZO膜上にフォトレジスト(P.R.と記載する場合もある)を形成し、選択的にIGZO膜のエッチングを行った。
IGZO膜のエッチングは、ICPのドライエッチング装置を用いた。また、ドライエッチング条件としては、コイル型の電極に電力450W印加し、基板側にバイアス電力100W(RF)印加し、流量60sccmのBCl3ガスと、流量20sccmのCl2ガスと、流量10sccmのO2ガスと、をエッチング装置内に導入して、圧力1.9Paに設定し、基板温度を70℃に設定してエッチングを行った。
以上により、断面観察用の試料1を作製した。図16に試料1の断面観察結果を示す。
図16より、試料1のIGZO膜の側面において、テーパ角が2段階になっていることが確認できる。また、そのテーパ角は、各々5°、及び9°となっていることが確認できた。
次に、試料2の作製方法、及び試料2の断面観察結果について、以下説明を行う。
(試料2)
はじめにガラス基板上に下地絶縁膜として酸化窒化シリコン膜(以下、SiON膜と記す)を成膜した。
SiON膜の成膜条件としては、50W(RF)の電力を印加し、流量2.3sccmのSiH4ガスと、流量800sccmのN2Oガスと、をPE−CVD装置内に導入して、圧力40Paに設定し、基板温度を400℃に設定して成膜した。なお、SiON膜の膜厚は、200nmとした。
次に、SiON膜上にスパッタリング装置を用いてタングステン膜(以下、W膜と記す)を成膜した。
W膜の成膜条件としては、6kW(DC)の電力を印加し、流量100sccmのArガスをスパッタリング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を230℃に設定して成膜した。なお、W膜の膜厚は、100nmとし、スパッタリングターゲットは、Wターゲットを用いた。
次に、W膜上にフォトレジストを形成し、選択的にエッチングを行い、W膜を島状に加工した。
W膜のエッチングは、ICPのドライエッチング装置を用いた。また、ドライエッチング条件としては、コイル型の電極に電力500W印加し、基板側にバイアス電力10W(RF)印加し、流量25sccmのCF4ガスと、流量25sccmのCl2ガスと、流量10sccmのO2ガスと、をエッチング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を70℃に設定してエッチングを行った。
次に、島状のW膜上にPE−CVD装置を用いてSiON膜を成膜した。
SiON膜の成膜条件としては、50W(RF)の電力を印加し、流量2.3sccmのSiH4ガスと、流量800sccmのN2Oガスと、をPE−CVD装置内に導入して、圧力40Paに設定し、基板温度を400℃に設定して成膜した。なお、SiON膜の膜厚は、100nmとした。
次に、SiON膜上にスパッタリング装置を用いてIGZO膜を成膜した。
IGZO膜の成膜条件としては、0.5kW(DC)の電力を印加し、流量30sccmのArガスと、流量15sccmのO2ガスと、をスパッタリング装置内に導入して、圧力を0.4Paに設定し、基板温度を100℃に設定して成膜した。なお、IGZO膜の膜厚は、15nmとし、スパッタリングターゲットは、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いた。
次に、IGZO膜上にフォトレジストを形成し、選択的にIGZO膜のエッチングを行った。
IGZO膜のエッチングは、ICPのドライエッチング装置を用いた。また、ドライエッチング条件としては、2ステップのエッチング条件を用いた。第1のステップとしては、コイル型の電極に電力2000W印加し、基板側にバイアス電力600W(RF)印加し、流量100sccmのCl2ガスをエッチング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を−10℃に設定してエッチングを行った。第2のステップとしては、コイル型の電極に電力1500W印加し、基板側にバイアス電力200W(RF)印加し、流量100sccmのCl2ガスと、流量30sccmのO2ガスと、をエッチング装置内に導入して、圧力1.5Paに設定し、基板温度を−10℃に設定してエッチングを行った。
その後、IGZO膜上のフォトレジストを除去した。
以上により、断面観察用の試料2を作製した。図17(A)〜(D)に試料2の断面観察結果を示す。
なお、図17(A)〜図17(D)に示す試料2の断面結果は、1回の断面観察では、IGZO膜の全体像が取得できなかったため、図17(A)、図17(B)、図17(C)、及び図17(D)と4回に分けて、断面観察を行った。また、図17(A)〜(D)に示す試料2の断面結果において、下地絶縁膜として形成したSiON膜と、W膜上に形成したSiON膜は、同種の材料であるため、その界面が明確に分からない。
図17(A)〜図17(D)より、試料2のIGZO膜の側面において、テーパ形状が得られていることが確認できた。また、そのテーパ角は、2°となっていることが確認できた。