JP6124694B2 - 地盤補強装置および地盤の補強方法 - Google Patents

地盤補強装置および地盤の補強方法 Download PDF

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本発明は、地山等の地盤を補強するために用いられる地盤補強装置、およびその地盤補強装置を用いた地盤の補強方法に関する。
軟弱で自立困難な地山等のトンネル工事に適用される工法として、注入式長尺先受工法が多く用いられている。この注入式長尺先受工法は、トンネルの概ね上方にアーチ状の補強体を構築し、地山等の崩壊を抑止するための工法である。
注入式長尺先受工法では、固化材の吐出口を備えた一定長の補強管を地山等の地盤に挿入し、その補強管内に固化材を注入し、固化材が補強管を充填しつつ、その補強管の吐出口から地山に浸透させることにより、上記のアーチ状の補強体を構築する。
従来、10m程度の長さの補強管を複数本用い、図1に示すように、矢線Aに示すトンネル軸方向へ複数回シフトさせて施工を行い、複数のアーチ状の補強体10をオーバーラップさせて構築している(例えば、特許文献1参照)。
図1に示すように、1回のシフト長は、矢線Aに示すトンネル軸方向における、アーチ状の補強体10がオーバーラップしていない部分の長さである。ラップ長は、そのトンネル軸方向における、アーチ状の補強体10がオーバーラップしている部分の長さである。この方法では、オーバーラップするアーチ状の補強体10同士が干渉しないように、補強体10を構成する複数の補強管は、ドリルジャンボ11といった汎用機械を使用して、トンネル軸方向に対して一定の角度αを有するように配置される。
注入式長尺先受工法は、シフト回数が多いことから、経済性が悪化するという問題や、補強管の一端がトンネルから離れるため、崩落抑止効果が低下するという問題があった。後者の崩落抑制効果については、ラップ長を増加すれば向上させることができるが、シフト回数が増加するという問題が生じてしまう。
そこで、図2に示すように、20mを超える長さの超長尺の補強管12を用い、アーチ状の補強体13を構築する技術(超長尺先受工法)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この技術により、シフト回数を減らすことができ、また、補強管12を、従来より浅い角度で配置することができるため、崩落抑止効果を向上させることができる。
特開2003−321992号公報
松岡謙介、「低土被りトンネルにおける超長尺先受け工(O-STEP工法)の施工」、[online]、平成19年10月16日、平成19年国土交通省国土技術研究会、[平成25年4月30日検索]、インターネット<URL:http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h19giken/program/kadai/pdf/innovation/inno2-06.pdf>
超長尺先受工法は、上記のような利点がある反面、補強管の長さを長くしただけであるため、次のような不具合が認められている。第1に、補強管に不均一な荷重が加わる際の曲げ剛性に不安がある。第2に、管自体が大口径の重量物となり、施工時のハンドリングが悪い。第3に、注入充填する体積が拡大することで、ポンプ能力および補強管内の配管空間が不足し、固化材の均一性確保が困難になる。
そこで、管の剛性を確保しつつハンドリングの向上を図ることができ、注入充填する体積拡大の問題を解決し、注入式超長尺先受工法の適用性を拡大することができる地盤補強装置および方法の提供が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑み、地盤を補強するために用いられる地盤補強装置であって、側壁に複数の孔を備える内側管および外側管から構成され、地盤に挿入される1以上の二重管と、内側管の内部を長手方向に仕切る1以上の閉鎖材と、各々が1以上の吐出口を備え、1以上の吐出口が閉鎖材により仕切られた各空間内に配置される複数の吐出ノズルと、複数の吐出ノズルを接続するための1以上の分岐部を有する1以上の注入管とを備え、内側管の内部へ挿入される注入管ユニットと、注入管ユニットへ固化材を供給する供給手段とを含む、地盤補強装置が提供される。
本発明の地盤補強装置および該地盤補強装置を用いた地盤の補強方法を提供することにより、注入式超長尺先受工法において、管の剛性確保とハンドリング向上とを両立でき、その工法の適用性を拡大することができる。これにより、山岳トンネルの地山補強等を、より合理的に実施することができる。
従来の注入式長尺先受工法を用いてトンネルの地山補強を実施しているところを例示した図。 超長尺先受工法を用いてトンネルの地山補強を実施しているところを例示した図。 従来からトンネルの地山補強に使用されている機械の一例を示した図。 本発明の地盤補強装置に用いられる二重管の一例を示した図。 本発明の地盤補強装置に用いられる二重管の別の例を示した図。 本発明の地盤補強装置に用いられる注入管ユニットの一例を示した図。 本発明の地盤補強装置に用いられる注入管ユニットの別の例を示した図。 注入管ユニットが備える注入管の分岐部を拡大して例示した図。 注入管ユニットが備える吐出ノズルの一例を示した図。 本発明の地盤補強装置を用いて実施した地盤補強の流れの一例を示したフローチャート。
本発明の地盤補強装置は、超長尺先受工法で利用され、当該超長尺先受工法に有用な装置である。超長尺先受工法では、従来の長尺先受工法で使用される10m程度の補強管より長い補強管が使用される。その長さは、20m以上の長さである。超長尺先受工法は、補強管の長さが異なる以外、基本的に、従来の長尺先受工法と同様の工法である。
長尺先受工法の概要については、上記に説明したが、その詳細な内容について説明しておく。長尺先受工法では、脆弱な地山が崩れないように先受け部材である鋼管(補強管)をその地山に挿入する。その補強管を挿入するための機械として、汎用機械であるドリルジャンボ等が使用される。
地山は、トンネルボーリングマシンやシールドマシン等を使用して掘削され、トンネルが構築される。その掘削に先行し、掘削箇所の上部地山を支える先受けとして、補強管が挿入され、セメント系の材料やシリカレジン等の固化材により地山と一体化される。
ドリルジャンボを使用して補強管を挿入する場合、図3に示すように、トンネル形状に合わせて構築されたアーチ状の鋼材20に、2つの略平行に配置される棒状部21a、21bと底上げ金具21cと棒状の逸脱防止ストッパ21dとを備える管支持装置21を取り付ける。アーチ状の鋼材20は、トンネル軸方向へ一定間隔で設置され、各鋼材20に、管支持装置21がトンネル軸方向へ向けて配列するようにクランプ22等を用いて取り付けられる。この配列する複数の管支持装置21により1本の補強管23を支持する。
各管支持装置21では、2つの棒状部21a、21bにより補強管23を挟み込み、下部を底上げ金具21cにより支持し、補強管23が上部へ跳ね上がり、逸脱しないように逸脱防止ストッパ21dで抑えつつ、ドリルジャンボによりその補強管23の長手方向の地山24に向けて挿入する。地山24への挿入は、トンネル軸方向に対して所定の角度で傾斜させるように実施される。
補強管23の先端には、ビットと呼ばれる削孔部材が取り付けられ、補強管23内の削孔ロッドがトンネル掘削装置としてのドリルジャンボに連結される。ドリルジャンボには、削岩機が搭載されていて、スリーブと呼ばれる連結部材を用い、削岩機内のシャンクロッドと呼ばれる一定方向に回転する回転部材と削孔ロッドとが連結される。
ドリルジャンボに搭載された削岩機が、削孔ロッドに回転力と推進力および打撃力を加えることにより、先端のビットにより地山24を所定の傾斜角度で削孔し、それに伴ってビット後端部に連結された補強管23を地山24の所望の位置に挿入して設置する。ちなみに、削孔終了後に削孔ロッドは回収され、補強管23のみが地山24中に残置される。
ドリルジャンボは、削岩機が搭載されるブームを複数持ち、同時に複数の補強管23を挿入し設置することができる。このようにして、複数の補強管23がトンネル周方向に一定間隔で挿入し設置されたアーチ状の補強体が構築される。このアーチ状の補強体は、一部がオーバーラップするようにトンネル軸方向に複数回シフトさせ、複数構築される。このようにして構築された複数のアーチ状の補強体は、その形状が傘に似ていることから、アンブレラアーチと呼ばれる。
長尺先受工法では、このように複数回シフトさせてアンブレラアーチを構築する必要があるが、超長尺先受工法では、1本の補強管の長さが長いので、トンネルの長さによってはシフトさせなくてもよい。このため、作業が簡素化でき、オーバーラップさせるために傾斜角度を大きくしていたものを小さくして、崩落防止効果を向上させることができる。その一方、超長尺先受工法を使用した場合、上述した3つの問題が生じる。それを解決するべく、本発明の地盤補強装置および方法が提供される。
本発明の地盤補強装置は、超長尺先受工法で使用される複数の補強管として、側壁に複数の孔を備える内側管および外側管から構成され、地盤に挿入される1以上の二重管が採用される。図4は、その二重管30の一例を示した図である。
二重管30としては、ほぼ同じ長さで、異なる径を有する鋼やプラスチック樹脂からなる管を用いることができる。ただし、一般に長尺先受工法で使用されている従来の補強管より、その肉厚が薄いものが採用される。従来の補強管が、呼び径が3.5〜5インチの鋼管(外径約90〜140mm)で、その肉厚が約7〜11mmであるので、その肉厚の1/2〜2/3程度(約3.5〜7.5mm)の鋼管を外側管31および内側管32として使用することができる。これは、一重管で所定の剛性を確保する場合と比べて、二重管にすれば、薄肉軽量化しても同じ剛性を得ることができるからである。なお、管の強度に問題がなければ、上記約3.5mmより薄くてもよい。
外側管31の外径および内径は、いかなる径であってもよく、必要な長さおよび剛性に応じて適切なものを採用することができる。内側管32は、外側管31内に挿入可能な外径であれば、いかなる外径であってもよく、必要な長さおよび剛性に応じて適切なものを採用することができる。一例として、外側管31を5インチ鋼管とし、内側管32を3.5インチ鋼管もしくは4インチ鋼管とすることができる。
二重管30の地山への設置は、上記のようにドリルジャンボを用い、最初に外側管31のみを設置し、外側管31の設置後、内側管32をドリルジャンボを用いて外側管31内に挿入することにより設置することができる。
外側管31および内側管32の側壁に設けられる複数の孔33は、適切に固化材を流出させることができるサイズおよび数とされる。なお、複数の孔33は、適切な量の固化材を適切に流出させ、地山等の地盤と一体化させることができる位置、間隔で設けることができる。
固化材は、内側管32の内部に挿入された後述する注入管ユニットにより供給され、内側管32の内部に充填される。このとき、固化材は、内側管32に設けられた複数の孔33から流出して、内側管32と外側管31との間にも充填される。また、固化材は、外側管31に設けられた複数の孔33から流出して、周囲の土壌と外側管31との間にも充填される。
固化材としては、合成樹脂系、セメント系、石灰系、石膏系等の固化材を用いることができる。合成樹脂系固化材は、主成分として合成樹脂を含有する固化材で、合成樹脂としては、アクリルアミドやポリウレタン等を挙げることができる。セメント系固化材は、主成分としてセメントを含有する固化材で、セメントとしては、普通ポルトランドセメント、高炉ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等を挙げることができる。石灰系固化剤は、主成分として石灰を含有する固化材で、石灰としては、生石灰、消石灰等を挙げることができる。石膏系固化剤は、主成分として石膏を含有する固化材で、石膏としては、無水石膏、半水石膏等を挙げることができる。その他の固化材としては、水ガラスを挙げることができる。
固化材は、上記のようにして内側管32の内部、内側管32と外側管31との間、外側管31と地山との間が同時に充填されていくので、二重管30と固化材とが合成一体となった曲げ剛性の高い補強管構造を得ることができる。これにより、高い剛性を確保することができるとともに、補強管を2つの外側管31と内側管32に分割してハンドリングも向上させることができる。
図4に例示した内側管32および外側管31は、単に、側壁に複数の孔33が設けられた鋼管とされている。内側管32の外壁および外側管31の内壁が共に平滑な曲面を有していれば、内側管32を外側管31内に容易に挿入することが可能である。しかしながら、これらの管の長さが長く、これらの曲面には、錆び、溶接部、複数の孔等が存在することから、それらが抵抗となってスムーズに挿入することは難しい。
そこで、図5に示すように、内側管32の外壁から突出する、内側管32の長手方向に延びた板状の複数のブレード部材34を設けることができる。ブレード部材34は、一端から見て、内側管32の上下左右の4方向に突出するように設けられ、その長手方向に一定間隔で設けられる。図5に示す実施形態では、一端から見て、内側管32の上下にブレード部材34を設け、一定間隔離間させて左右に別のブレード部材34を設け、これを繰り返すことにより、上下左右の4方向に突出するように設けている。
このように略90度毎に4方向に突出したものに限らず、略120度毎に3方向、略72度毎に5方向、略60度毎に6方向に突出するように設けてもよい。また、図5に示すように、上下と左右の交互にブレード部材34が2つずつ設けられた構成のほか、上下左右の4つのブレード部材34が長手方向に一定間隔で設けられた構成とされていてもよい。
また、ブレード部材34は、突出する端部が、先鋭とされ、刃のようになっていてもよいし、曲面を有していてもよい。このような形状にすることで、内側管32が外側管31内を滑り易くし、スムーズに挿入することが可能となる。なお、これらは一例であり、スムーズに挿入することができれば、これまでに知られたいかなる部材を取り付けたものであってもよい。ここでは、内側管32がブレード部材34を備える構成として説明したが、ブレード部材34は、外側管31の内壁から突出するように設けられていてもよい。
超長尺の鋼管を用いてアーチ状の補強体を構築する際、固化材が鋼管内および鋼管と地山との間に充填される。この固化材の充填には、注入管を備える注入管ユニットを用いて実施される。具体的には、注入管ユニットを鋼管内に挿入し、注入管ユニットから固化材を吐出させることにより行われる。なお、注入管としては、呼び径が1/4〜3/4インチの鋼管等を使用することができる。
長さが10m程度の長尺の鋼管であれば、1本あるいは2本の注入管を挿入し、注入管から固化材を吐出させるのみで、ほぼ均一に固化材を充填することができる。また、長さが短いことから、鋼管の先端まで固化材が行き渡り、固化材を供給するポンプ能力が不足することはなく、また、注入管の本数も少ないので、配管空間が不足するということはない。
しかしながら、長さが20mを超える超長尺の鋼管では、その先端に行き渡る前に、鋼管の末端側や中央の複数の孔からその多くが流出してしまい、先端まで注入充填しようとすると、注入充填する固化材の体積が大幅に増加してしまう。また、ポンプ能力が不足する場合がある。注入管の数を増やして先端まで固化材を行き渡らせることができるが、注入管を挿入するための配管空間に限りがあるため、大幅に増加させることはできない。そうすると、注入充填した固化材の均一性確保も困難となる。
そこで、本発明では、図4および図5に例示した二重管30の内側管32の内部に挿入される注入管ユニットを、内側管32の内部を長手方向に仕切る1以上の閉鎖材と、閉鎖材により仕切られた各空間内に配置され、各々が1以上の吐出口を備える複数の吐出ノズルと、複数の吐出ノズルを接続するための1以上の分岐部を有する1以上の注入管とを備える構成とする。
図6および図7を参照して、注入管ユニット40の構成を詳細に説明する。図6は、注入管ユニット40の1つの構成例を示した図で、図7は、注入管ユニット40の別の構成例を示した図である。図6に示す注入管ユニット40は、2本の注入管41、42から構成され、図7に示す注入管ユニット40は、1本の注入管43から構成されている。いずれも、二重管を長手方向に切断し、内側管32の内部に注入管ユニット40が設置されたところを示している。
図6に示す注入管ユニット40は、内側管32の内部を、その長手方向に4つに仕切る3つの閉鎖材としての円形板状のパッカー44が周設され、4つに仕切られた空間のうち、番号3および4で示される空間内に配置される1以上の吐出口を備えた2つの吐出ノズルを接続するための1つの分岐部45を有する第1の注入管41を備える。
また、この注入管ユニット40は、上記の4つに仕切られた空間のうち、番号1および2で示される空間内に配置される1以上の吐出口を備えた2つの吐出ノズルを接続するための1つの分岐部46を有する第2の注入管42を備える。ちなみに、第2の注入管42の1つの吐出ノズルは、パッカー44を貫通するように挿入等され、取り付けられる。
第1の注入管41と第2の注入管42はいずれも、鋼管、硬質ポリ塩化ビニルやFRP等の硬い材料から作製されたものを用いることができる。また、第1の注入管41を上記の硬い材料から作製し、第2の注入管42を第1の注入管41に抱き合わせ、同時に挿入する場合、第2の注入管42は、安価な軟らかい材料、例えばゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等から作製されたものであってもよい。例えば、ホースを用い、ホースバンドにより締め付けて固定し、第1の注入管41に抱き合わせることができる。
複数の注入管41、42は、このようにしてポンプ側の根元に向かって束ねていくことで、配管空間が超長尺の内側管の孔口寄りで足りなくなるのを解消することができる。
吐出ノズルは、所定の長さの管の一端を閉鎖し、側面に一定径の吐出口が1以上形成されたものとすることができる。この吐出口の数や位置、大きさは、充填すべき固化材の量等に応じて決定することができる。
このような構成の注入管ユニット40を内側管32の内部に挿入すると、各吐出ノズルが、各空間内に配置される。図示しない固化材の供給手段としてのポンプを起動させ、各注入管41、42へ固化材の供給を開始すると、各吐出ノズルから固化材が吐出され、各空間内を充填していく。各空間の長さは、従来の10m程度の長尺の鋼管と同等もしくはそれ以下の長さであるので、各空間内に固化材が行き渡り、各孔からほぼ均一に固化材を流出させることができる。
このため、注入充填する固化材の体積が大幅に増加することはなく、ポンプ能力および配管空間の不足は生じず、固化材の均一性も確保することができる。その結果、超長尺先受工法の適用性を拡大でき、山岳トンネルの地山補強等を、より合理的に実施することができる。
図7に示す注入管ユニットは、内側管32の内部を、その長手方向に4つに仕切る3つの閉鎖材としてのパッカー47が周設され、4つに仕切られた空間の番号1〜4で示される空間内に配置される1以上の吐出口を備えた4つの吐出ノズルを接続するための3つの分岐部48〜50を有する1つの注入管43を備えている。
この注入管ユニット40は、1つの注入管43のみから構成されるため、この1つの注入管43は、上記に例示した硬い材料から作製される。吐出ノズルは、所定の長さの管の一端を閉鎖し、側面に一定径の吐出口が1以上形成されたものとすることができる。この吐出口の数や位置、大きさは、充填すべき固化材の量等に応じて決定することができる。
図8は、注入管41〜43が備える分岐部45、46、48〜50を拡大して示した図である。ここでは、注入管41の分岐部45として説明する。分岐部45としては、U字形やY字形等の分岐管を用いることができる。図8では、内部を流れる固化材に与えられる抵抗を出来るだけ少なくするために、Y字管51が採用されている。
Y字管51は、ニップル52およびソケット53を用いて注入管41と接続され、45°エルボ54、ニップル55およびソケット56を用いて吐出ノズル57、58と接続される。吐出ノズル57、58は、異なる空間に吐出口を配置させるべく、その長さおよび吐出口の位置が異なっている。吐出ノズル57は、2つの吐出口59、60を有している。
このようなU字形やY字形の分岐部45を採用することで、分岐後の2本の管が同じ方向に向けて延び、その間隔も狭くすることができるので、配管空間が不足することを解消することができる。
図9は、吐出ノズルの一例を示した図である。吐出ノズル57は、上述したように、所定の長さの管の一端を閉鎖し、側面に一定径の吐出口が1以上形成されたものとすることができる。この孔は、複数形成されているほうが注入充填速度を上げ、施工期間を短くできる点で望ましい。
図示しないポンプから吐出される固化材は、その圧力が、ポンプから相対的に遠い内側管の先端側に行くにつれて低下していき、吐出量も低下していく。これでは、ポンプに近い末端側から多く吐出し、注入充填する体積の増加が生じてしまう。この増加は、上述したように、ポンプ能力や配管空間の不足を生じさせ、固化材の均一性確保を困難にさせる。
そこで、図9に示すように、吐出ノズルにつき、少なくとも1つの吐出口を閉塞部材により閉鎖し、固化材の吐出口の面積を可変とし、いずれの吐出ノズルからも均一に吐出させるように流量制御を行う。
閉塞部材61は、吐出ノズル57に形成されている複数の吐出口59、60のうち、少なくとも1つの吐出口59を閉鎖するために設けられるが、その数は、形成されている吐出口の数と同じか、それより少ない数であればいかなる数であってもよい。
閉塞部材61としては、吐出口59に嵌合する嵌合部と該嵌合部に連続する該嵌合部の径より大きくされ、吐出口59を閉鎖する蓋部とを備えるゴム製のキャップを用いることができる。ゴム製としているのは、密閉性を向上させ、固化材に押されてキャップが容易に外れないようにするためである。閉塞部材61としては、上記のキャップのほか、開閉可能なスライド式のものであってもよい。閉塞部材61は、吐出口59を閉鎖することができれば、その他のいかなる材料、構造、構成であってもよい。
図10は、本発明の地盤補強装置を用いて実施した地盤補強の流れの一例を示したフローチャートである。この地盤補強は、ステップ1000から開始し、ステップ1010では、地山等の地盤を削孔するとともに、二重管30のうち外側管31を挿入して設置する。この工程は、上記のドリルジャンボ、ビット、削孔ロッドを用いて実施される。
ステップ1020では、ドリルジャンボに内側管の一端を連結し、地山等の地盤に設置された外側管31内に内側管32を挿入して設置する。ステップ1030では、固化材を吐出するポンプと接続された注入管ユニット40を、設置された内側管32の内部に挿入して設置する。これもドリルジャンボを用いて実施することができる。
ステップ1040では、ポンプを起動させ、注入管ユニット40が備える各吐出ノズルの吐出口から固化材を吐出させ、パッカーにより閉鎖された内側管32内部の各空間を注入充填する。ステップ1050では、内側管32の側壁に形成された複数の孔33を通して固化材を流出させ、内側管32と外側管31との間、さらには外側管31の側壁に形成された複数の孔33を通して固化材を流出させ、外側管31と地山との間に注入充填する。これにより、補強体を構築させる。
この注入充填の際、内側管32の先端における固化材の吐出圧力が低下することを考慮し、吐出ノズルに形成されている複数の孔33のうち一部を閉塞部材61により閉鎖することができる。ステップ1060では、所定量の固化材が注入充填されたところで、ポンプを停止し、1つの二重管30に対する作業を終了する。
トンネルの周方向に複数の二重管30を設置して、アーチ状の補強体を構築する場合は、複数の二重管の各々につき、ステップ1010からステップ1050までの作業を実施する。また、必要に応じて、トンネル軸方向に同様のアーチ状の補強体を構築し、アンブレラアーチを構築することができる。
これまで本発明の地盤補強装置およびその方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…補強体、11…ドリルジャンボ、12、23…補強管、13…補強体、20…鋼材、21…管支持装置、21a、21b…棒状部、21c…底上げ金具、21d…逸脱防止ストッパ、22…クランプ、24…地山、30…二重管、31…外側管、32…内側管、33…孔、34…ブレード部材、40…注入管ユニット、41、42、43…注入管、44、47…パッカー、45、46、48、49、50…分岐部、51…Y字管、52、55…ニップル、53、56…ソケット、54…45°エルボ、57、58…吐出ノズル、59、60…吐出口、61…閉塞部材

Claims (6)

  1. 地盤を補強するために用いられる地盤補強装置であって、
    側壁に複数の孔を備える内側管および外側管から構成され、前記地盤に挿入される1以上の二重管と、
    前記内側管の内部を長手方向に仕切る1以上の閉鎖材と、各々が1以上の吐出口を備え、前記1以上の吐出口が前記閉鎖材により仕切られた各空間内に配置される複数の吐出ノズルと、前記複数の吐出ノズルを接続するための1以上の分岐部を有する1以上の注入管とを備え、前記内側管の内部へ挿入される注入管ユニットと、
    前記注入管ユニットへ固化材を供給する供給手段とを含む、地盤補強装置。
  2. 前記内側管は、該内側管の外壁から突出する、該内側管の長手方向に延びた板状の複数のブレード部材を備える、請求項1に記載の地盤補強装置。
  3. 前記吐出ノズルは、複数の吐出口を備え、前記複数の吐出口の少なくとも1つを閉鎖するための閉塞部材をさらに含む、請求項1または2に記載の地盤補強装置。
  4. 前記分岐部は、U字形またはY字形の形状を有する分岐管とされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤補強装置。
  5. 前記二重管は、20m以上の長さを有し、前記外側管として5インチ管、前記内側管として3.5もしくは4インチ管を使用し、前記内側管および外側管の各々の肉厚が、3.5〜7.5mmとされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤補強装置。
  6. 地盤補強装置を用いて地盤を補強する方法であって、
    地盤を削孔し、側壁に複数の孔を備える内側管および外側管から構成される二重管のうちの該外側管を挿入して設置する段階と、
    前記外側管内に前記内側管を挿入して設置する段階と、
    前記内側管の内部に、前記内側管の内部を長手方向に仕切る1以上の閉鎖材と、各々が1以上の吐出口を備え、前記1以上の吐出口が前記閉鎖材により仕切られた各空間内に配置される複数の吐出ノズルと、前記複数の吐出ノズルを接続するための1以上の分岐部を有する1以上の注入管とを備える注入管ユニットを挿入して設置する段階と、
    供給手段により前記注入管ユニットへ固化材を供給し、各前記吐出口から各空間内へ前記固化材を吐出させて充填し、前記内側管および前記外側管に設けられた複数の孔から前記固化材を流出させて該内側管と該外側管との間および該外側管の周囲に充填して補強体を構築する段階とを含む、地盤の補強方法。
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