JP6124074B2 - 雌端子 - Google Patents
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Description
ところが、接触荷重を高くすると、一箇所の接点に接触荷重が集中することになる。このため、接続筒部に雄端子を挿入する挿入抵抗が高くなってしまい、両端子を接続する作業性が悪くなってしまう。
このような構成の雌端子によると、雄端子に対して複数箇所で接触する多接点構造となる。すなわち、例えば、幅広の弾性片の一部が雄端子に接触する単接点構造に比べて、雄端子に対する各弾性片の接圧を小さくしつつ、雄端子に対する弾性片全体の接続安定性を確保することができる。ひいては、雄端子の挿入抵抗を低減させることができる。
前記第一弾性片および前記第二弾性片は、一側の端部と他側の端部との二点で支持されている構成としてもよい。
雄端子に対して幅方向に接点数を多数に設けようとすると、第一弾性片および第二弾性片の幅寸法を小さくすることが考えられる。ところが、弾性片が一点支持の場合、弾性片の幅寸法を小さくすると、弾性片の剛性が低下することで雄端子に対する弾性片の接圧が低下し、接続安定性が低下する虞がある。しかしながら、上記の構成によると、各弾性片が二点支持となっているから、雄端子に対する弾性片の接圧が低下することを抑制し、接続安定性を確保することができる。
このような構成によると、第一弾性片と第二弾性片とで雄端子と接触する部分を雄端子の挿入方向にずらすことで、雄端子の挿入抵抗を分散させることができる。これにより、雄端子を挿入する際に、初期にかかる挿入抵抗の最大値を低減させることができる。
このような構成によると、板材を円弧状に屈曲させるだけで各弾性片を形成することができるので、例えば、各弾性片の雄端子と接触する部分を叩き出すなどして接点部を突出させて形成する場合に比べて、弾性片を成形し易くすることができる。
このような構成によると、第二弾性片の長さを第一弾性片よりも長くしたことにより、雄端子が第二弾性片を押圧する押圧力が、雄端子が第一弾性片を押圧する押圧力よりも小さくすることができる。したがって、雄端子が第一弾性片に接触した時の挿入抵抗の最大値よりも、雄端子が第二弾性片に接触した時の挿入抵抗の最大値を小さくすることができるので、第一弾性片と第二弾性片の弾性力が同じ場合に比べて、雄端子の挿入フィーリングを滑らかにすることができる。
このような構成によると、弾性片の板厚を接続筒部よりも薄くすることができるので、接続筒部と同じ金属で形成された弾性片に比べて、雄端子に対する接圧を維持しつつ、幅寸法が小さい弾性片を形成することができる。
ところが、上記のような構成によると、第一弾性片と第二弾性片とを装着部の両端から互いに折り返して交互に並べたから、第一弾性片と第二弾性片との間の隙間を板厚寸法よりも小さく設定することができる。
これにより、接続筒部において弾性片を並べる方向の寸法を一定としたときには、単純に金型で打ち抜いてスリットを形成し、第一弾性片と第二弾性片とを交互に配する場合に比べて、弾性片の並び方向により多くの接点を設けることができる。
例えば、第二連結部が装着部の一側の端部を介して接続筒部に接続されていると、第二弾性片と接続筒部との間の接触抵抗が高くなってしまう嫌いがある。
ところが、上記のような構成によると、切欠孔を通して第二連結部を接続筒部に直接接触させることができるから、第二弾性片と接続筒部との間の接触抵抗を低減させることができる。
このような構成によると、一方の側板にのみ第一弾性片と第二弾性片とが設けられている場合に比べて、タブ部に接触する接点部を多数にすることができる。すなわち、各弾性片の接圧を小さくすることにより、雄端子の挿入抵抗をさらに低減させることができる。
このような構成によると、第一弾性片と第二弾性片とが接続筒部とは別体に構成されている場合に比べて、各弾性片と接続筒部との間の電気的抵抗を低減させることができる。
本発明の実施形態1について図1乃至図10を参照して説明する。
本実施形態は、雄端子50と電気的に接続される雌端子10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向を基準とし、前後方向とは、図8における雌端子10と雄端子50との接続方向を基準として、互いに相手側との接続方向を前方として説明する。
電線圧着部12は、電線Wの端末において露出した芯線W1に圧着されるワイヤバレル部13と、絶縁被覆W2に圧着されるインシュレーションバレル部14とを前後に繋げた構成とされている。
接続筒部11の底板11Bには、図1および図5に示すように、前後方向に延びる一対のリブ15が幅方向に並んで設けられており、この一対のリブ15は、例えば底板11Bを上方に叩き出して形成することにより底板11Bの上面から上方に膨出した形態をなしている。
弾性接触部材20は、接続筒部11を形成する金属よりも剛性が高い金属によって形成されており、弾性接触部材20の板厚寸法t2は、接続筒部11を構成する金属板材の板厚寸法t1よりも薄く構成されている。
弾性接触部材20は、天井板11Aの前端部から後端部まで天井板11Aの外面を覆うように天井板11Aに装着される装着部21を有しており、この装着部21は、図7に示すように、曲げ加工する前の状態では、前後方向に延びる略矩形の平板状をなしている。
また、各取付片22は、図4に示すように、取付孔17に差し込まれると、取付孔17の下側開口縁から接続筒部11内に折り曲げられた断面略L字状の押さえ部18によって下方から押圧されることにより、抜け止めされた状態で固定されている。
そして、接続筒部11内にタブ部51が挿入されると、タブ部51の先端部に第一弾性片23が上方に押圧されて弾性変位し、その後、第一連結部26(第一弾性片23の後端部)が天井板11Aの内面を摺動するようにして後方に移動するようになっている。すなわち、タブ部51に第一弾性片23が接触すると、第一弾性片23は第一弾性片23の基端部と第一連結部26との二点で支持された形態となってタブ部51に対して接触する。そして、タブ部51に対して第一弾性片23の接圧が一定以上になると、第一連結部26(第一弾性片23の後端部)が後方に移動することでタブ部51に対する第一弾性片23の接圧が過度に高くなることを抑制することができる。これにより、タブ部51が各第一接点部25と底板11Bの一対のリブ15との間で上下方向に弾性的に挟持され、各第一接点部25とタブ部51とが電気的に接続される。
第二接点部27は、第一弾性片23の第一接点部25とほぼ同じ高さにおいて第一接点部25のやや後方に配されている。したがって、タブ部51が第一接点部25に接触した後に、第二接点部27が接触するようになっている。
また、第一弾性片23の幅寸法L1は、図7に示すように、隣り合う第二弾性片24の間の距離D1から弾性接触部材20の2枚分の板厚寸法を引いた寸法よりも大きい(L1>D1−2×t2)設定とされており、第二弾性片24の幅寸法L2は、隣り合う第一弾性片23の間の距離D2から弾性接触部材20の2枚分の板厚寸法を引いた寸法よりも大きい(L2>D2−2×t2)設定とされている。したがって、曲げ加工を施して第一弾性片23と第二弾性片24とを幅方向に交互に並べると、図1に示すように、隣り合う第二弾性片24の間の距離D1から弾性接触部材20の2枚分の板厚寸法(2×t2)を引いた寸法よりも大きい第一弾性片23が、隣り合う第二弾性片24の間の幅方向略中央部に配される。また、同様に、隣り合う第一弾性片23の間の距離D2から弾性接触部材20の2枚分の板厚寸法(2×t2)を引いた寸法よりも大きい第二弾性片24が、隣り合う第一弾性片23の間の幅方向略中央部に配される。つまり、第一弾性片23と第二弾性片24との間隔をCL1とすると、CL1=(D1−L1)/2<t2となり、第一弾性片23と第二弾性片24との間隔CL1を弾性接触部材20の板厚寸法t2よりも小さく設定することができる。
そして、接続筒部11内にタブ部51が挿入されると、タブ部51の先端部によって第二弾性片24が上方に押圧されて弾性変位し、その後、第二連結部28(第二弾性片24の前端部)が装着部21の下面を摺動するようにして前方に移動するようになっている。すなわち、タブ部51に第二弾性片24が接触すると、第二弾性片24は第二弾性片24の基端部と第二連結部28との二点で支持された形態となってタブ部51に対して接触する。そして、タブ部51に対して第二弾性片24の接圧が一定以上になると、第二連結部28(第二弾性片24の前端部)が前方に移動することでタブ部51に対する第二弾性片24の接圧が過度に高くなることを抑制することができる。これにより、タブ部51が各第二接点部27と一対のリブ15との間で上下方向に弾性的に挟持され、各第二接点部27とタブ部51とが電気的に接続される。
まず、雄端子50と雌端子10とを向かい合わせに準備し、接続筒部11の前端開口から雄端子50のタブ部51を挿入する。そして、接続筒部11に対してタブ部51が僅かに挿入されたところで、図8に示すように、タブ部51の先端部が第一弾性片23の第一接点部25に当接する。
そして、タブ部51が各第一弾性片23と各第二弾性片24と一対のリブ15とによって上下方向に挟持されることにより、雌端子10と雄端子50とが電気的に接続される。
次に、本発明の実施形態2について図11乃至図14を参照して説明する。
実施形態2の雌端子110は、実施形態1における接続筒部11を90度回転させた形態とされており、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
したがって、図12および図14に示すように、接続筒部111の内側に向かって幅方向両側から第一弾性片23と第二弾性片24とが張り出した形態をなしている。
すなわち、本実施形態によると、接続筒部の片側の側板のみに弾性接触部材を装着する場合に比べて、タブ部51に接触する接点部25,27を二倍に設定することができる。これにより、各弾性片23,24の接圧をより小さくすることができるから、雄端子50の挿入抵抗をさらに低減させることができる。
次に、本発明の実施形態3について図15乃至図18を参照して説明する。
実施形態3の雌端子210は、実施形態1における接続筒部11の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
すなわち、本実施形態によると、第一弾性片と第二弾性片とが接続筒部とは別体に構成されている場合に比べて、各弾性片223,224と接続筒部221との間の電気的抵抗を低減させることができる。
また、接続筒部211は、曲げ加工する前の状態では、図18に示すように、接続筒部211の天井板211Aを構成する部分の前端縁に第一弾性片223が設けられており、天井板211Aを構成する部分の後端縁に第二弾性片224が設けられている。
そして、第一弾性片223の幅寸法L21は、図18に示すように、隣り合う第二弾性片224の間の距離D21から接続筒部211の2枚分の板厚寸法を引いた寸法よりも大きい(L21>D21−2×t1)設定とされており、第二弾性片224の幅寸法L22は、隣り合う第一弾性片223の間の距離D22から接続筒部211の2枚分の板厚寸法を引いた寸法よりも大きい(L22>D22−2×t1)設定とされている。つまり、実施形態1および実施形態2と同様に、本実施形態においても、第一弾性片223と第二弾性片224とを幅方向に交互に並べると、図15に示すように、隣り合う第二弾性片224の間の距離D21から接続筒部211の2枚分の板厚寸法(2×t1)を引いた寸法よりも大きい第一弾性片223が、隣り合う第二弾性片24の間の幅方向略中央部に配される。また、同様に、隣り合う第一弾性片223の間の距離D22から接続筒部211の2枚分の板厚寸法(2×t1)を引いた寸法よりも大きい第二弾性片224が、隣り合う第一弾性片223の間の幅方向略中央部に配される。つまり、第一弾性片223と第二弾性片224との間隔をCL2とすると、CL2=(D21−L21)/2<t1となり、第一弾性片223と第二弾性片224との間隔CL2を接続筒部211の板厚寸法t1よりも小さく設定することができる。
次に、本発明の実施形態4について図19乃至図22を参照して説明する。
実施形態4の雌端子310は、実施形態1における弾性接触部材20の前端部の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
実施形態4の弾性接触部材320の前端部は、接続筒部11の天井板11Aにおける前端部を前方から包み込む形態をなしており、弾性接触部材320の前端部において接続筒部11の内側に折り曲げられた部分には、弾性接触部材320を板厚方向に貫通する切欠孔329が設けられている。
したがって、弾性接触部材320の前端部を後方に向かって折り曲げて第一弾性片23を形成した後、弾性接触部材320の後端部を前方に向かって折り曲げて第二弾性片24を形成すると、図19乃至図21に示すように、第二弾性片24の前端部に設けられた第二連結部28が切欠孔329を通して接続筒部11の天井板11Aにおける下面に直接接触する構成となっている。
接続筒部11に対して雄端子50のタブ部51が正規の位置まで挿入されると、第一弾性片23と第二弾性片24とが上方に向かって押圧されて弾性変位する。
ここで、第二弾性片24が弾性変位し始め、タブ部51に対する第二接点部27の接圧が一定以上になると、第二連結部28は切欠孔329内において天井板11Aの下面を前方に向かって摺動し、第二連結部28が天井板の前端まで移動する。そして、タブ部51が各第一弾性片23と各第二弾性片24と一対のリブ15とによって上下方向に挟持されることにより、雌端子310と雄端子50とが電気的に接続される。
すなわち、第一弾性片23の前後両端部(第一弾性片23の基端部23Aと第一連結部26)と第二弾性片24の前後両端部(第二弾性片24の基端部24Aと第二連結部28)との合計四箇所で接続筒部11に接触し、接続筒部11に対する接触面積を大きくすることができるから、第一弾性片23および第二弾性片24と接続筒部11との間の接触抵抗を低減させることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)上記実施形態では、第一弾性片23,223の第一接点部25,225と第二弾性片24,224の第二接点部27,227とが前後方向にずれた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、第一弾性片の第一接点部と第二弾性片の第二接点部とが幅方向に一列に並んだ構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、第一弾性片23,223と、第二弾性片24,224とが円弧状に形成された構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、第一弾性片と第二弾性片とを山形状に形成してもよい。
11,111,211:接続筒部
21:装着部
23,223:第一弾性片
24,224:第二弾性片
26,226:第一連結部
28,228:第二連結部
50:雄端子
111C:側板
329:切欠孔
Claims (9)
- 雄端子が挿入される角筒状の接続筒部を有する雌端子であって、
前記接続筒部内に前記雄端子の挿入方向と交差する方向に複数並んで設けられ、前記接続筒部内に挿入された前記雄端子に弾性的に接触するように前記接続筒部における前記雄端子の挿入方向の一側から他側に向かって延出される第一弾性片と、
隣り合う前記第一弾性片の間にそれぞれ配されるように複数並んで設けられ、前記接続筒部内に挿入された前記雄端子に弾性的に接触するように前記接続筒部における前記雄端子の挿入方向の他側から一側に向かって延出される第二弾性片と、
複数の前記第一弾性片の延出端を前記第一弾性片の並び方向に連結する第一連結部と、
複数の前記第二弾性片の延出端を前記第二弾性片の並び方向に連結する第二連結部と、を備えており、
前記第二弾性片は、前記第一連結部よりも他側の位置を基端として前記第二連結部を前記第一弾性片の基端位置よりも一側に配するようにして前記第一弾性片よりも長い形態とされており、
前記第一弾性片は、前記第二弾性片の基端部と前記第二連結部との間の領域に配置されている雌端子。 - 前記第一弾性片および前記第二弾性片は、一側の端部と他側の端部との二点で支持されている請求項1記載の雌端子。
- 前記第一弾性片において前記雄端子と接触する部分と前記第二弾性片において前記雄端子と接触する部分とは、前記雄端子の挿入方向にずれて配されている請求項1または請求項2記載の雌端子。
- 前記第一弾性片および前記第二弾性片は、前記接続筒部内に円弧状に張り出す形態とされている請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の雌端子。
- 前記雄端子は、前記接続筒部の一側から挿入されるようになっており、
前記第二弾性片は、前記第一弾性片が前記雄端子と接触した後に前記雄端子と接触する請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の雌端子。 - 前記第一弾性片と前記第二弾性片とは、前記接続筒部に装着される装着部によって前記雄端子の挿入方向に一体に連結されて、互いに前記装着部の両端部を折り返して形成されており、
前記装着部は、前記接続筒部とは別体の剛性の高い金属によって形成されることにより、前記接続筒部よりも板厚が薄く形成されている請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の雌端子。 - 前記第一弾性片は、前記装着部の一側の端部を折り返して形成され、
前記第二弾性片は、前記第一弾性片を形成した後、前記装着部の他側の端部を折り返して形成されており、
前記装着部の一側の端部には、前記第二連結部を通すことにより前記第二連結部と前記接続筒部とを接触させる切欠孔が設けられている請求項6記載の雌端子。 - 前記接続筒部には、互いに対向する一対の側板に前記第一弾性片および前記第二弾性片がそれぞれ設けられている請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の雌端子。
- 前記第一弾性片および前記第二弾性片は、前記接続筒部の前後両端部に一体に設けられている請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の雌端子。
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