JP6123676B2 - 円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Description

本発明は円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
電極間に発光層を設け、これに電圧を印加して発光を生じる有機エレクトロルミネッセンス素子は、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクター用バックライト、ディスプレイ装置等の各種光源として盛んに研究、開発が進められている。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点で優れており、近年極めて注目を浴びている素子である。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極から電子を、陽極から正孔を注入し、両者が発光層で再結合することにより、発光層の発光特性に対応した可視光線の発光を生じさせるものである。陽極には、透明導電性材料の中では最も電気伝導度が高く、比較的仕事関数が大きく、高い正孔注入効率が得られるという点から、専ら酸化インジウムスズ(ITO)が使用される。一方、陰極には、通常金属電極が使用されるが、電子注入効率を考慮し、仕事関数の観点から、Mg、MgAg、MgIn、Al、LiAl等の材料が使用される。
これらの金属材料は、光反射率が高く、電極(陰極)としての機能の他に、発光層で発光した光を反射し、出射光量(発光輝度)を高める機能も担っている。すなわち、陰極方向に発光した光は、陰極である金属材料表面で鏡面反射し、透明なITO電極(陽極)から出射光として取り出されることになる。
しかしながら、このような構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極が光反射性の強い鏡面となっているため、発光していない状態(黒表示時)では外光の反射により表示品位が低下する問題がある。具体的には、室内照明の映り込み等、明所では黒色が表現できなくなり、ディスプレイ装置用の光源として使用するには、明室コントラストが極端に低いという問題点を有する。
この問題を改善するために、鏡面の外光反射防止に円偏光板を使用することが、特許文献1に開示されている。典型的な外光反射防止用の粘着層付き円偏光板は、偏光板保護フィルムと偏光子とλ/4位相差フィルムと粘着層を積層した構成からなり、偏光子の吸収軸とλ/4位相差フィルムの遅相軸とのなす角を45°にすることにより外光の反射を抑制する機能を発揮する。粘着層は有機エレクトロルミネッセンス素子への接着のために、また、偏光板保護フィルムは偏光子の保護の機能を果たす。
λ/4位相差フィルムの素材としては、逆波長分散特性を持つことが可視光全領域において外光反射防止する観点から重要であり、逆波長分散特性を持つ特殊なポリカーボネート素材等も使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は偏光子への接着に問題があり、簡便な水糊による接着性の観点から逆波長分散特性を持つセルロースエステルからなるλ/4位相差フィルムが求められていた。しかしながら、セルロースエステルをλ/4位相差フィルムとして使用する場合には、経時での寸法変化がポリカーボネートに比較して劣位にあるため、これに起因して有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示品位を落とす問題があった。具体的には、経時による寸法変化により、有機エレクトロルミネッセンス表示装置特有の問題として、外光反射防止機能が低下し有機エレクトロルミネッセンス表示装置の場所により反射率のムラを生じ、表示品位が低下するという問題があった。また著しい場合には円偏光板がはがれてしまう膜剥がれの問題があった。
液晶ディスプレイに使用される位相差を持つ延伸セルロースエステルを用いた偏光板保護フィルムにおいても、寸法変化に起因すると考えられる光漏れの問題があり、これらの解決手段として粘着層の工夫をすることが特許文献2に開示されている。
粘着層として、液晶表示装置用の白抜け防止に対する対策として特許文献2に開示されている粘着成分は、偏光子の吸収軸とセルロースエステルからなるλ/4位相差フィルムの遅相軸が45°の角度をなす円偏光板を有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いた場合には、液晶表示装置で引き起こされる問題とは異なる経時での表示品位の低下の問題、すなわち外光反射防止機能が低下し反射率のムラを生じるという問題には十分ではなかった。
特許文献2は有機エレクトロルミネッセンス素子に起こるこの特有の、反射率のムラの問題を解決する手段を全く提示していない。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、屈折率の高い発光層で発光が起こるため、表示装置(表示装置に円偏光板フィルムが具備されている場合は最表面にある円偏光板保護フィルム)と空気界面で全反射が起こり素子内部を光が導光し画像品位(一部の画素が点灯している場合に、黒表示している部分のコントラスト)が低下する問題があった。しかしながら、これらの問題について解決手段を提示する方法はいまだ開示されていない。
特開平8−321381号公報 特開2011−128439号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、経時での反射率のムラの防止と膜剥がれの防止に優れる円偏光板を具備した有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について、λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の収縮力に注目して検討した結果、粘着層の貯蔵弾性率を最適な値にコントロールすることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記円偏光板は、偏光板保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム、粘着層がこの順で積層されており、前記λ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°である粘着層付き有機エレクトロルミネッセンス用円偏光板であり、前記λ/4位相差フィルムが下記式(2)及び式(3)を満たすセルロースアシレートを含有するセルロースエステル樹脂を含有し、前記粘着層の貯蔵弾性率が0.1〜10MPaの範囲であり、かつ、前記粘着層に隣接して有機エレクトロルミネッセンス素子の封止層が積層されていることを特徴とする円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
式(2) 2.0≦Z <3.0
式(3) 0.5≦X
(式(2)及び(3)において、Z はセルロースアシレートの総アシル基置換度を表し、Xはセルロースアシレートのプロピオニル基置換度及びブチリル基置換度の総和を表す。)
2.前記偏光板保護フィルムの屈折率をnとしたとき、下記式(1)で定義される臨界角(θ)で偏光板保護フィルム中を進む光に対して、前記偏光板保護フィルムの一面から他方の面へ到達する際に少なくとも一つの光路においてλ/4の位相差を与えることを特徴とする前記第1項に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
式(1) 臨界角(θ)=arcsin(1/n)
3.前記λ/4位相差フィルムの90℃、500時間処理後の遅相軸方向の寸法変化率が、0.5%以下であることを特徴とする前記第1項又は第2項に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置
4.前記λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の絶対値が、10×10−11/Pa以下であることを特徴とする前記第1項から3項のいずれか一項に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明の上記手段により、経時での反射率のムラの防止と膜剥がれの防止に優れる円偏光板を具備した有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、以下のように推察している。
λ/4位相差フィルムは延伸により作製されるため経時で遅相軸方向の収縮力が働く。粘着剤により、固定されているため、遅相軸方向を基準としてみた場合に、面内で応力の強い部分と弱い部分が発生し、経時でλ/4位相差フィルムが部分的に変形し、これが、反射率のムラの原因となっていた。粘着層の貯蔵弾性率を最適な値にコントロールすることにより、変形が抑えられ、反射率のムラが軽減されたものであると考えている。
円偏光板を構成するλ/4位相差フィルム及び偏光子の模式図 λ/4位相差フィルムの経時による収縮力の方向を示す模式図 応力の大きい領域と小さい領域を示す模式図 有機エレクトロルミネッセンス発光層からの光出射に関する模式図 有機エレクトロルミネッセンス発光層からの光出射に関する模式図 斜め延伸装置に関する模式図 斜め延伸装置に関する模式図 有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成の断面の一例を示す模式図
本発明の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記円偏光板は、偏光板保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム、粘着層がこの順で積層されており、前記λ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角が45°である粘着層付き有機エレクトロルミネッセンス用円偏光板であり、前記λ/4位相差フィルムが前記式(2)及び式(3)を満たすセルロースアシレートを含有するセルロースエステル樹脂を含有し、前記粘着層の貯蔵弾性率が0.1〜10MPaの範囲であり、かつ、前記粘着層に隣接して有機エレクトロルミネッセンス素子の封止層が積層されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明に係る偏光板保護フィルムは、その屈折率をnとしたとき、下記式(1)で定義される臨界角(θ)で偏光板保護フィルム中を進む光に対して、前記偏光板保護フィルムの一面から他方の面へ到達する際に少なくとも一つの光路においてλ/4の位相差を与えることがコントラスト向上の観点から好ましい。
式(1) 臨界角(θ)=arcsin(1/n)
本発明におけるλ/4位相差フィルムの90℃、500時間処理後の遅相軸方向の寸法変化率が、0.5%以下であることが本発明の第二の好ましい態様である。
経時での寸法変化を抑制することにより、経時での反射率のムラと膜剥がれの改善の両立を、さらに長期にわたって維持することが可能となる。
本発明におけるλ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の絶対値が、10×10−11/Pa以下であることが本発明の効果(特に経時での反射のムラの改善)の発現の観点から好ましい態様である。
背景技術で記載した応力発生から生じる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の経時での反射率のムラと膜剥がれは、特に応力の発生する遅相軸方向の光弾性係数を低下させることにより改善することができる。光弾性係数は、応力に対する位相差の発現性の度合いであるため、進相軸方向の弾性率を下げる代わりに、遅相軸方向の弾性率を上昇させることにより低減することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
<経時での反射率のムラと膜剥がれの機構>
図1A〜Cの模式図を用いて有機エレクトロルミネッセンス表示装置の経時での反射率のムラと膜剥がれの機構を説明する。図1Aは円偏光板の構成のうち、λ/4位相差フィルム1a及び偏光子2aのみを抜粋して記載した図である。有機エレクトロルミネッセンス表示装置に外光反射防止用途として用いられる円偏光板は、上下左右の反射率を低く保つ観点から偏光子の吸収軸3aは水平若しくは垂直方向に合わせて設置される(図1Aでは、模式的に垂直に記載)。λ/4位相差フィルムの遅相軸4aは表示装置の面内垂直方向に対して45°傾斜して配置される。λ/4位相差フィルム1aは、延伸により作製されるため経時で遅相軸方向の収縮力5aが働く(図1B参照)。粘着剤により、λ/4位相差フィルムは固定されているため、遅相軸方向を基準としてみた場合に、面内でこの方向での距離が長い部分と短い部分がある。これに起因して、遅相軸方向での長い距離を多く含む領域6aでは応力が大きく発生し、また遅相軸方向での長い距離を少なく含む領域7aでは応力発生は小さい(図1C参照)。応力の発生に伴い位相差が変動するため、初期の位相差値からはずれ外光反射防止の効果が小さくなる領域と初期の位相差値から大きく変化せずに外光反射防止の効果を維持する領域ができる。これが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の経時で表示品位が落ちる機構であると推定している。
経時での位相差変動を抑制するために、λ/4位相差フィルムの粘着層に応力を吸収させる手法を取るとλ/4位相差フィルムの収縮力に粘着力が耐えきれずに経時で膜剥がれを起こす。本発明においては、粘着層の貯蔵弾性率を0.1〜10MPaの範囲に調整することによりこの経時での反射率のムラの防止と膜剥がれの防止を同時に達成することができた。
これは、液晶表示装置における周縁部に発生する白抜け現象とは原理的に異なる課題である。
(λ/4位相差フィルム)
本発明に記載のλ/4位相差フィルムは、セルロースエステル樹脂としてセルロースアシレートを含有する。
中でも、波長分散特性、湿度に対する位相差変動の抑制の観点から、下記式(2)及び(3)を満たすセルロースアシレートを含有する。
式(2) 2.0≦Z<3.0
式(3) 0.5≦X
(式(2)及び(3)において、Zはセルロースアシレートの総アシル基置換度を表し、Xはセルロースアシレートのプロピオニル基置換度及びブチリル基置換度の総和を表す。)
本発明に係る「λ/4位相差フィルム」とは、ある特定の波長の直線偏光(ここで直線偏光の電場振動面とλ/4位相差フィルムの遅相軸のなす角は45°)を円偏光に(又は、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。λ/4位相差フィルムは、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、層の面内の位相差値Roが約1/4である。
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、波長550nmで測定したRo(550)が105〜175nmの範囲内であり、正面反射率低減の観点からRo(550)が120〜160nmであることが好ましく、Ro(550)が130〜150nmであることがさらに好ましい。
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、可視光の波長の範囲においてほぼ完全な円偏光を得るため、可視光の波長の範囲においておおむね波長の1/4のリターデーションを有する位相差板(フィルム)であることが好ましい。
「可視光の波長の範囲においておおむね1/4のリターデーション」とは、波長400から700nmにおいて長波長ほどリターデーションが大きく、波長450nmで測定した下記式(4−1)で表されるリターデーション値であるRo(450)と波長550nmで測定したリターデーション値であるRo(550)の比Ro(450)/Ro(550)の値が、0.72〜0.92であることが青色の再現にとって好ましく、0.77〜0.87であることが特に好ましい。また、波長550nmで測定したリターデーション値であるRo(550)と波長650nmで測定したリターデーション値であるRo(650)の比Ro(550)/Ro(650)の値が、0.84〜0.97であることが赤色の再現にとって好ましく、0.84〜0.92であることが特に好ましい。
式(4−1):Ro=(n−n)×d
式(4−2):Rt={(n+n)/2−n}×d
式中、n、n及びnは、23℃・55%RH、450nm、550nm又は650nmにおける屈折率n(フィルムの面内の最大の屈折率、遅相軸方向の屈折率ともいう。)、n(フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率)、n(フィルムの厚さ方向における屈折率)であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
厚さ方向の位相差値Rtの値は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の反射電極の分光反射率、エレクトロルミネッセンス素子の厚さ方向位相差値、波長分散特性及びλ/4位相差フィルムのRoの値、波長分散特性等を考慮して適宜設定することができるが、反射の色味の観点からおおむね70〜120nmの範囲内が好ましい。
面内の位相差値Ro及び厚さ方向の位相差値Rtは自動複屈折率計を用いて測定することができる。自動複屈折率計KOBRA−WRP(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、各波長での複屈折率測定によりRo、Rtを算出することができる。
λ/4位相差フィルムの遅相軸と後述する偏光子の吸収軸との角度が45°になるように積層すると円偏光板が得られる。本発明におけるλ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°とは、40±5°であることを意味する。λ/4位相差フィルムの面内の遅相軸と偏光子の吸収軸との角度は、41〜49°であることが好ましく、42〜48°であることがより好ましく、43〜47°であることが更に好ましく、44〜46°であることが反射率低減の観点から最も好ましい。
本発明に記載のλ/4位相差フィルムは、樹脂中に可塑剤を含有し、その他UV剤、マット剤等の添加剤を適宜添加することができる。
本発明におけるλ/4位相差フィルムの90℃、500時間処理後の遅相軸方向の寸法変化率は、0.5%以下であることが好ましい。90℃、500時間処理は、熱処理を意味し、高温恒温槽を使って実施することができる。恒温槽は市販されており、特に湿度の調節は必要としない。
経時での寸法変化を抑制することは、前記した応力の発生による、経時での反射率のムラと膜剥がれの改善の両立を、さらに長期にわたって維持することが可能となる。前記したように、応力の発生は遅相軸方向の寸法の安定性を高めることにより飛躍的に長期にわたって抑制することができる。
寸法変化率(%)とは、下記式(5)で表される。
式(5):寸法変化率(%)=100×((処理後の寸法)−(処理前の寸法))/ (処理前の寸法)
寸法変化率は公知の方法で測定できる。
本発明におけるλ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の絶対値が、10×10−11/Pa以下の範囲であることが本発明の好ましい態様である。この値は0に近いほうが好ましいが、下限の絶対値は材料入手等の観点から1×10−11/Pa程度である。
前記した応力発生から生じる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の経時での反射率のムラと膜剥がれは、特に応力の発生する遅相軸方向の光弾性係数を低下させることにより改善することができる。光弾性係数は、応力に対する位相差の発現性の度合いであるため、進相軸方向の弾性率を下げる代わりに、遅相軸方向の弾性率を上昇させることにより低減することができる。
光弾性係数は、23℃、相対湿度55%で、遅相軸が引っ張り方向になるようにして、試験片に加重Fをかけ、波長550nmにおける、試験片を伸ばしたきに発生する複屈折△nから、△n/Fで求めることができる。
光弾性係数は、応力に対しての複屈折の発生の度合いを表すため、弾性率を上げることにより光弾性係数を低減することができる。具体的には、延伸倍率を高くする、可塑剤を減量する、セルロースエステルの総置換度を小さくし水素結合性を強める、セルロースエステルの長鎖アシル基の割合を低減する等により達成することができる。
(可塑剤)
λ/4位相差フィルム及び偏光板保護フィルムにおいては、フィルム中に少なくとも一種の可塑剤を添加してもよい。可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、柔軟性を付与したりする効果のある添加剤であるが、例えば本発明におけるλ/4位相差フィルムに係る好ましい態様の樹脂の場合、樹脂単独でのガラス転移温度よりも可塑剤を含有した樹脂のガラス転移温度を低下させる効果があり、延伸時の分子間力を調整し延伸後のλ/4位相差フィルムの弾性率を調整することができる。また、セルロースエステルの親水性を改善し、λ/4位相差フィルムの透湿度改善するためにも添加されるため透湿防止剤としての機能を有する。
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、以下に示すポリエステル樹脂、一般式(PEI)で表される化合物、一般式(PEII)で表される化合物、カルボン酸糖エステル化合物を可塑剤として好ましく含有することができる。
〈ポリエステル樹脂〉
本発明において用いることができるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールを重合することにより得られ、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の70%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位(ジオールに由来する構成単位)の70%以上が脂肪族ジオールに由来する。
芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
脂肪族ジオールに由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。ポリエステル樹脂は、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,4′−ビフェニルジカルボン酸等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂にはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を用いることができる。
前記脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂にはブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類を用いることもできる。
ポリエステル樹脂の製造には、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等が例示できるが、これらに限定されない。
好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4′−ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等がある。
より好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂の固有粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)は、0.7〜2.0dl/gが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5dl/gである。固有粘度が0.7以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル樹脂組成物からなる成形物が成形物として必要な機械的性質を有すると共に、透明性が良好となる。固有粘度が2.0以下の場合、成形性が良好となる。
〈一般式(PEI)で表される化合物:芳香族基末端ポリエステル系化合物〉
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、下記一般式(PEI)で表される化合物(以下、「芳香族基末端ポリエステル系化合物」ともいう。)とセルロースエステル樹脂を含有することが好ましい。本発明においては、当該一般式(PEI)で表される化合物を含有させることにより、位相差を自在にコントロールすることができて目的のλ/4位相差へのコントロールが容易、λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の調整が容易、λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の調整が容易、フィルムに硬度を付与しハードコートや防眩性ハードコートを表面加工した際の硬度が向上するという効果が得られる。
一般式(PEI):B−(G−A)−G−B
(Bは、アリールモノカルボン酸残基を表す。Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸残基を表す。また、nは、1以上の整数を表す。)
一般式(PEI)中、Bで表されるアリールモノカルボン酸残基とGで表されるアルキレングリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基又はアリールグリコール残基、Aで表されるアルキレンジカルボン酸残基又はアリーレンジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル系化合物と同様の反応により得られる。
使用される芳香族基末端ポリエステル系化合物のアリールモノカルボン酸成分としては、例えば安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ一種又は二種以上の混合物として使用することができる。
用いることのできる芳香族基末端ポリエステル系化合物の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、一種又は二種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースエステルとの相溶性に優れているため、特に好ましい。
また、上記芳香族基末端ポリエステル系化合物の炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、一種又は二種以上の混合物として使用できる。
芳香族基末端ポリエステル系化合物の炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ一種又は二種以上の混合物として使用される。
炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等がある。
本発明で使用される芳香族基末端ポリエステル系化合物は、nが1以上100以下であることが好ましく、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲が好適である。
また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、ヒドロキシ(水酸基)価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、ヒドロキシ(水酸基)価は15mgKOH/g以下のものである。
使用される一般式(PEI)で表される芳香族基末端ポリエステル系化合物は、セルロースエステル樹脂に対して、0.5〜30質量%含有させることが好ましい。
以下に、本発明に用いることのできる芳香族基末端ポリエステル系化合物の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0006123676
Figure 0006123676
Figure 0006123676
Figure 0006123676
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、位相差値の変動を抑制して、表示品位を安定化するために、糖エステル化合物を、λ/4位相差フィルムの0.5〜30質量%含むことが好ましく、特には、5〜30質量%含むことが好ましい。
一般式(PEI)で表される芳香族基末端ポリエステル系化合物と糖エステル化合物の含有量は、質量比で99:1〜1:99の範囲で選択することができ、両化合物の全体量は、セルロースエステル樹脂に対して、1〜40質量%であることが好ましい。
〈一般式(PEII)で表される化合物:ヒドロキシ基末端ポリエステル〉
本発明においては、従来、λ/4位相差フィルムに含有されている種々のポリエステル化合物を用いることができる。例えばポリエステル化合物として、下記一般式(PEII)で表されるように化学構造式の末端部分にヒドロキシ基を有するポリエステル(「ヒドロキシ基末端ポリエステル」という。)を用いることもできる。
Figure 0006123676
(式中、Bは、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐のアルキレン、又はシクロアルキレン基を表す。Aは、炭素数が6〜14の芳香族環を表す。nは、1以上の自然数を表す。)
上式で表される化合物は、芳香環を有するジカルボン酸(「芳香族ジカルボン酸」ともいう。)と、炭素数が2〜6の直鎖又は分岐のアルキレン又はシクロアルキレンジオールから得られ、両末端がモノカルボン酸で封止されていないことが特徴である。
炭素数6〜16の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、等が挙げられる。その中でも好ましくは、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸である。
炭素数が2〜6の直鎖若しくは分岐のアルキレン若しくはシクロアルキレンジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。その中でも、好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールである。
中でも、Aが置換基を有していてもよいナフタレン環若しくはビフェニル環であることが本発明の効果を得る上で好ましい。ここで置換基とは、炭素数1以上6以下のアルキル基、アルケニル機、アルコキシル基である。
ポリエステル化合物のヒドロキシ(水酸基)価(OH価)としては、100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが望ましく、170〜400mgKOH/gであることがさらに望ましい。ヒドロキシ(水酸基)価がこの範囲より大きくても小さくても、低アセチル基置換度のセルロースアセテートとの相溶性が低下する。
この範囲より大きい場合はポリエステル化合物の疎水性が大きくなるため、この範囲より小さい場合はポリエステル化合物同士の分子間相互作用(水素結合等)が強くなるため、フィルム中での析出が進行するためだと考えられる。
またヒドロキシ(水酸基)価の測定は、日本工業規格 JIS K1557−1:2007に記載の無水酢酸法等を適用できる。
ポリエステル化合物の数平均分子量(Mn)は、下記式から計算することができる。
Mn=(分子中のヒドロキシ基(水酸基)の数)×56110/(ヒドロキシ(水酸基)価)
=2×56110/(ヒドロキシ(水酸基)価)
ポリエステル化合物は、常法により上記ジカルボン酸とジオールとのポリエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成できる。
以下に、本発明に好ましく用いることのできるポリエステル化合物を例示する。
Figure 0006123676
Figure 0006123676
一般式(PEII)で表される化合物はセルロースアセテートに対し、1質量%以上5質量%未満添加することが好ましい。
(カルボン酸糖エステル化合物)
本発明に係るλ/4位相差フィルムには、可塑剤として、カルボン酸糖エステル化合物を含有させることも好ましい。当該化合物はセルロースとの相溶性が優れ含有させることで、耐水性が向上し、経時での加水分解反応による寸法変化を抑制するという効果を得ることができる。多量に含有させることができるので、他の添加剤で耐水性が不十分な場合はこの化合物で補完する。
なお、本願において、「カルボン酸糖エステル化合物」とは、糖類のヒドロキシ基(水酸基)とカルボン酸のカルボキシ基から導かれるエステル結合を有する化合物をいう。
カルボン酸糖エステル化合物を構成するカルボン酸構造単位としては、例えばメチル安息香酸(トルイル酸)等の芳香族カルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族置換脂肪族カルボン酸、ステアリン酸等の脂肪酸が挙げられ、これらカルボン酸は、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基で置換されていても良い。
好ましい芳香族カルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができ、より、具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、クレオソート酸、o−ホモサリチル酸、m−ホモサリチル酸、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。
好ましい脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
カルボン酸糖エステル化合物を構成する糖類としては、通常、単糖類(monosaccharide)、二糖類(disaccharides)、3〜6個の単糖類が結合したオリゴ糖類が挙げられ、これらの内、炭素数が6〜48の糖類が好ましく、単糖類及び二糖類が更に好ましい。単糖類としては具体的には、例えばグルコース、果糖、アラビノース、マンノース、ソルビトールが挙げられ、二糖類としては、ショ糖、マルトースが挙げられる。原料の供給面から、グルコース、果糖、ショ糖が特に好ましく、ショ糖が最も好ましい。
これら糖類は分子内に複数個のヒドロキシ基(水酸基)を有しており、前述のカルボン酸構造単位とエステル結合を形成することができる。
特に、糖類としてショ糖を用いる場合、ショ糖分子内には8個のヒドロキシ基(水酸基)が存在するが、平均のエステル結合の数(「平均エステル置換度」ともいう。)としては、1.0以上あればよく、好ましくは3.0〜7.5であり、更に好ましくは3.0〜6.0である。
本発明においては、特に、下記一般式(1)で表される、平均置換度が3.0〜6.0の範囲内である化合物を含有させることが好ましい。
Figure 0006123676
なお、一般式(1)中、R〜Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、又は、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、表1に示す化合物が挙げられる。なお、下表中に記載のRは、R〜Rのうちのいずれかを表す。アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基の置換基としては、下表に示すアルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基が有するフェニル基、アルコキシ基等の置換基が好ましい。
当該一般式(1)で表される化合物、及び参考化合物を、以下に記載するが、これらに限定されない。
Figure 0006123676
Figure 0006123676
(合成例:一般式(1)で表される化合物)
Figure 0006123676
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四頭コルベンに、ショ糖34.2g(0.1モル)、無水安息香酸180.8g(0.8モル)、ピリジン379.7g(4.8モル)を仕込み、撹拌下に窒素ガス導入管から窒素ガスをバブリングさせながら昇温し、70℃で5時間エステル化反応を行った。次に、コルベン内を4×10Pa以下に減圧し、60℃で過剰のピリジンを留去した後に、コルベン内を1.3×10Pa以下に減圧し、120℃まで昇温させ、無水安息香酸、生成した安息香酸の大部分を留去した。そして、次にトルエン1L、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液300gを添加し、50℃で30分間撹拌後、静置して、トルエン層を分取した。最後に、分取したトルエン層に水100gを添加し、常温で30分間水洗後、トルエン層を分取し、減圧下(4×10Pa以下)、60℃でトルエンを留去させ、例示化合物A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5の混合物を得た。得られた混合物をHPLC及びLC−MASSで解析したところ、A−1が7質量%、A−2が58質量%、A−3が23質量%、A−4が9質量%、A−5が3質量%であった。なお、得られた混合物の一部を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することで、それぞれ純度100%のA−1、A−2、A−3、A−4及びA−5を得た。
本発明でλ/4位相差フィルムに添加される、一般式(1)で表される化合物の平均置換度は3.0〜7.5であることが好ましいが、当該置換度の範囲は3.0〜6.0であることがさらに好ましい。置換度分布は、エステル化反応時間の調節、又は置換度違いの化合物を混合することにより目的の置換度に調整してもよい。
(その他添加剤)
本発明に係るλ/4位相差フィルム及び偏光板保護フィルムには、上記可塑剤以外に種々の化合物等を添加剤として含有させることができる。例えば位相差発現剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光学異方性制御剤、マット剤、波長分散調整剤、帯電防止剤、剥離剤、等を含有させることができる。
(位相差発現剤)
本発明では、位相差(「リターデーション」ともいう。)発現剤を含んでいてもよい。位相差(リターデーション)発現剤は、例えば0.5〜10質量%の割合で含有させることができ、さらには、2〜6質量%の割合で含有させることが好ましい。位相差(リターデーション)発現剤を採用することにより、低延伸倍率で高いRe発現性を得られる。本発明に係るλ/4位相差フィルムに位相差発現剤を使用した場合、低延伸倍率で高いRe発現性の効果によって経時での寸法変化を抑制する効果が得られる。また、本発明に係る偏光板保護フィルムの臨界角(θ)で偏光板保護フィルム中を進む光に対して与える位相差の調整のために添加することができる。位相差(リターデーション)発現剤の種類としては、特に定めるものではないが、棒状又は円盤状化合物からなるものを挙げることができる。上記棒状又は円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を位相差(リターデーション)発現剤として好ましく用いることができる。棒状化合物からなる位相差(リターデーション)発現剤の添加量は、セルロースエステルを含むポリマー成分100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることがさらに好ましい。
円盤状の位相差(リターデーション)発現剤は、前記セルロースエステルを含むポリマー成分100質量部に対して、0.5〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜8質量部の範囲で使用することがより好ましく、2〜6質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。
二種類以上の位相差(リターデーション)発現剤を併用してもよい。
位相差(リターデーション)発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
円盤状化合物について説明する。円盤状化合物としては少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を用いることができる。
ここで、「芳香族環」は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環及び1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、縮合ベンゼン環、ビフェニール類が好ましい。特に1,3,5−トリアジン環が好ましく用いられる。具体的には例えば特開2001−166144号公報に開示の化合物が好ましく用いられる。
位相差(リターデーション)発現剤が有する芳香族環の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。
〈紫外線吸収剤〉
本発明に係るλ/4位相差フィルム及び偏光板保護フィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。本発明に係るλ/4位相差フィルムに紫外性吸収材を含有した場合、紫外性によるセルロースエステル分子切断から引き起こされる寸法変化を抑制することができる。また、本発明の偏光板保護フィルムの波長370nmでの透過率を低くすることは、屋外使用時におけるλ/4位相差フィルムの寸法変化を低減する観点から好ましく使用される。
前記紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類があり、これらはいずれもBASFジャパン社製の市販品であり好ましく使用できる。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、である。
この他、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
用いられるセルロースエステル溶液は紫外線吸収剤を二種以上含有することが好ましい。また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号公報記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、λ/4位相差フィルム及び偏光板保護フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、λ/4位相差フィルム及び偏光板保護フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%が更に好ましい。
〈酸化防止剤〉
酸化防止剤は、例えば、λ/4位相差フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりλ/4位相差フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりすることにより経時での寸法変化を抑制する役割を有するので、前記λ/4位相差フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、前記重合体(A)とセルロースエステルの総質量に対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
(マット剤)
本発明に係る熱可塑性樹脂基材には、作製されたフィルムがハンドリングされる際に、傷がついたり、搬送性が悪化することを防止するために、マット剤として、微粒子を添加することも好ましい。
微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜400nmが好ましく、更に好ましいのは10〜300nmである。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されていてもよく、平均粒径80〜400nmの粒子であれば凝集せずに一次粒子として含まれていることも好ましい。フィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.01〜1質量%であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のλ/4位相差フィルムの場合は、表面に微粒子を含有することが、ハンドリング及び微粒子による光散乱により発生する反射光の位相差乱れを低減しコントラスト向上させる観点から好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
樹脂の例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vがλ/4位相差フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。本発明に係るλ/4位相差フィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
(偏光板保護フィルム)
本発明における偏光板保護フィルムとは、偏光子に隣接して配置されることにより、偏光子の偏光機能の低下を抑制するフィルムのことをいう。
一般的に使用される偏光子は、延伸したポリビニルアルコールフィルムをヨウ素により染色した吸収型偏光子である。その特性は、単体フィルムとしては引き裂き特性が弱く、また、湿熱条件により寸法収縮を起こす等の機械物性的な弱さを持つと共に、光により退色し偏光度が落ちる等の経時安定性に欠ける特性を持つ。
偏光板保護フィルムとしては、例えば、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフクレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィン系ポリマーフィルム(アートン(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
中でも、セルロースエステル系フィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーポネート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系フィルムが好ましく、本発明においては、特にセルロースエステル系フィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムが、製造上、コスト面、透明性等の観点から好ましく用いられる。
特には、接着性の観点からセルロースエステル系フィルムであることが好ましい。
これらのフィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
基材フィルムの膜厚は、10〜200μmであり、好ましくは、20〜100μmである。
本発明に係る偏光板保護フィルムの屈折率をnとしたとき、下記式(1)で定義される臨界角(θ)で偏光板保護フィルム中を進む光に対して、偏光板保護フィルムの一面から他方の面へ到達する際に少なくとも一つの光路においてλ/4の位相差を与えることが好ましい。
式(1) 臨界角(θ)=arcsin(1/n)
図2を用いて説明する。図2は有機エレクトロルミネッセンス発光層からの光出射に関する模式図である。有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、高屈折率な発光層中で発光が起こりその光の進行方向は限定されない。図2Aに模式的に発光層21中の発光点22で発光した光が、偏光板保護フィルム23に入射して、有機エレクトロルミネッセンス表示装置と空気との界面24でどのように進むかが記載されている(但し、図2はでは理解を容易にするため、発光層から偏光板保護フィルムまでを構成する部材がいずれも空気より高い一様な屈折率を持ち、発光層からの出射する角度も一部に限定して記載している)。これを部分拡大した図2Bから理解できるように、光出射するか否かは空気と偏光板保護フィルムの屈折率の関係からなるスネルの法則に従い式(1)の関係となる。
臨界角(θ)25(図2B参照)で全反射する光は、再度有機エレクトロルミネッセンス素子内に戻り素子内を導光し表示面からは光出射しない。しかしながら、素子を構成する部材の界面が平行でない部分や内部に散乱を引き起こす因子が存在するため、本来であれば発光していない画素部分等の意図しない部分から光出射が起こり、これが有機エレクトロルミネッセンス素子の画像品位の低下を引き起こしていた。
また、意図しない部分からの光出射が起こる確率の高さに着目すると、臨界角で偏光板保護フィルム中を進行して全反射する光26(図2B中の太線の経路の光)をいかに抑制するかに着目した。
偏光板保護フィルムの下には、偏光子が備えられているため上記経路の光は直線偏光であると考えられる。このため、この経路を通る時にλ/4の位相差を光に与えると空気界面で全反射がおこり再び偏光子に入射する際には、偏光軸が90°回転した直線偏光となり偏光子により吸収される。結果として、導波が効果的に抑制され有機エレクトロルミネッセンス表示素子の表示品位(特にコントラスト)を大幅に向上させることができる。
臨界角よりも大きな角度で進行する光に対しても、90°回転した直線偏光に近い状態で偏光子層に侵入するため多くの部分を吸収することができる。
偏光板保護フィルム内を臨界角(θ)の角度で進む光の経路は、三次元的には円錐形の側面に平行な経路の集合であるが、そのいずれかの経路においてλ/4の位相差を与えることが好ましい。
更には、全ての経路においてλ/4の位相差を与えることが最も好ましい。また、偏光板保護フィルムを上記の特性にすることにより、経時での反射率ムラ、特に図1Cに記載の領域の境界を目立たなくする効果も得られる。この効果は、臨界角(θ)に近い角度で進行する光が散乱により臨界角(θ)より大きい光路で進行する迷光となり、再度散乱等による光路変更により出射されることを抑制することにより得られると推定している。即ち、経時での反射率ムラの増加に伴う迷光の発生領域の差を小さくすることにより、領域の境界を目立たなくする効果が得られると推定している。
偏光板保護フィルムのλ/4は波長(550nm)に対して1/4が基準値であるが、本発明においては、この基準値に対して±25%の範囲(105〜175nm)の位相差を与えれば十分な効果が得られる。
<偏光板保護フィルムの臨界角を通る経路での位相差>
偏光板保護フィルムの臨界角を通る経路での位相差は、楕円偏光測定装置(例えばKOBRA−WRP(王子計測機器(株)製))の入射角依存性を測定することにより計算により求めることができる。
偏光板保護フィルムへの光の入射角度を変化させて観測されるリターデーション値R(θ)と偏光板保護フィルムの屈折率楕円体の三次元屈折率は以下の式(6)及び式(7)により関連付けられる。
式(6):Δn(θ)=n×n/[(n −n )sinθ/n+n 1/2−n
式(7):R(θ)=Δn(θ)×d/[1−sinθ/n1/2
θ:フィルムへの測定光の入射角(フィルム面に対して法線方向が0°)
:フィルム面内における最大屈折率(遅相軸方向の屈折率)
:フィルム面内における最小屈折率(進相軸方向の屈折率)
:フィルム厚さ方向の屈折率
n:フィルムの平均屈折率
d:フィルム膜厚
フィルムの平均屈折率nは、アッベ屈折率計を用いて測定を行う。接触式膜厚計を用いて膜厚測定を行う。楕円偏光測定装置により遅相軸を基準軸として入射角を変化させて(例えば0°から40°まで10°刻み)測定し、フィルムの三次元屈折率(n、n、n)を算出する。
得られたn、n、n、n及びdを用いて、θ=90°としてR(θ)計算することにより遅相軸と垂直な面内における臨界角の経路での位相差の値を算出することができる。
また、上記式(7)において、nとnを入れ替えた式を用い、θ=90°としてR(θ)を計算することにより、進相軸に垂直な面内における臨界角の経路での位相差の値を算出することができる。
R(θ)は、進相軸と遅相軸の間で連続的に変化するため、上記二つの計算値で得られた値の範囲内にλ/4の位相差が入っていれば、臨界角で進行する位相差値がλ/4の範囲であるか否かが判断できる。
(粘着層)
本発明に係るの粘着層は、液晶表示装置の偏光板と有機エレクトロルミネッセンス素子との間に配置される少なくとも1層の粘着層である。
本発明において、粘着層の23℃の貯蔵弾性率は0.1〜10MPaの範囲である。
経時での位相差変動を抑制するために、λ/4位相差フィルムの粘着層に応力を吸収させる手法を取るとλ/4位相差フィルムの収縮力に粘着力が耐えきれずに経時で膜剥がれを起こす。本発明においては、粘着層の貯蔵弾性率を0.1〜10MPaの範囲に調整することにより、経時での反射率のムラの防止と膜剥がれの防止を同時に達成することができる。
貯蔵弾性率を0.1MPa以上にすると膜剥がれは起きない。また貯蔵弾性率を10MPa以下にすると外光反射防止のムラは解消される。
上記粘着層の硬化後の厚さは0.005〜50μmが好ましく、更に好ましくは0.01〜10μmである。0.005μm以上であると十分な粘着力が得られ、50μm以下であると耐湿試験の際に偏光板の退色が起こることがない。
粘着層の形成は有機エレクトロルミネッセンス素子上に直接行ってもよいし、偏光板に行ってもよい。粘着層の形成方法としては特に限定されず一般的方法で粘着剤液を塗布する方法等が挙げられるが、シリコーン樹脂などの剥離剤を表面にコートしたポリエチレンテレフタレートフィルム等の剥離フィルム上に粘着剤液を塗布し、粘着層を形成した後に、該粘着層に偏光板を貼り合わせることが好ましい。
(粘着剤)
本発明に係る粘着層に用いられる粘着剤としては、粘着剤を塗布し、貼り合わせた後に種々の化学反応により高分子量体又は架橋構造を形成する硬化型粘着剤が好適に用いられる。具体例としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等の硬化型粘着剤、湿気硬化ウレタン粘着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性粘着剤、シアノアクリレート系の瞬間粘着剤、アクリレートとペルオキシド系の2液型瞬間粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤としては1液型であっても良いし、使用前に2液以上を混合して使用する型であっても良い。また上記粘着剤は有機溶剤を媒体とする溶剤系であってもよいし、水を主成分とする媒体であるエマルジョン型、コロイド分散液型、水溶液型などの水系であってもよいし、無溶剤型であってもよい。上記粘着剤液の濃度は、粘着後の膜厚、塗布方法、塗布条件等により適宜決定されれば良く、通常は0.1〜50質量%である。
上記粘着剤の23℃の貯蔵弾性率とは動的粘弾性測定により得られる値であり、具体的には下記の貯蔵弾性率測定方法に記された方法により測定される値である。
〈粘着層の貯蔵弾性率の測定方法〉
粘着層成形組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に形成した後、これを剥離し、この粘着層について、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社製の「ARES」)により、昇温モード(昇温速度5℃/分、周波数10Hz)で、23℃の貯蔵弾性率を測定することができる。
<長尺延伸フィルムの製造方法>
本発明に係るλ/4位相差フィルムは、斜め延伸されて製造された長尺延伸フィルムであることが好ましい。長尺フィルム原反を斜め延伸することによって、フィルムの延長方向に対して任意の角度に面内遅相軸を付与することができる。
ここで長尺とは、フィルムの幅に対し、少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するもの(フィルムロール)としうる。長尺のフィルムの製造方法では、フィルムを連続的に製造することにより、所望の任意の長さにフィルムを製造しうる。なお、長尺延伸フィルムの製造方法は、長尺フィルム原反を製膜した後に一度巻芯に巻き取り、巻回体にしてから斜め延伸工程に供給するようにしてもよいし、製膜後の長尺フィルム原反を巻き取ることなく、製膜工程から連続して斜め延伸工程に供給してもよい。製膜工程と斜め延伸工程を連続して行うことは、延伸後の膜厚や光学値の結果をフィードバックして製膜条件を変更し、所望の長尺延伸フィルムを得ることができるので好ましい。
長尺延伸フィルムの製造方法では、フィルムの幅方向に対して0°を超え90°未満の角度に遅相軸を有する長尺延伸フィルムを製造することができる。ここで、フィルムの幅方向に対する角度とは、フィルム面内における角度である。遅相軸は、通常延伸方向に発現するので、フィルムの搬送方向に対して0°を超え90°未満の角度で延伸を行うことにより、かかる遅相軸を有する長尺延伸フィルムを製造しうる。
長尺延伸フィルムの搬送方向と遅相軸とがなす角度、すなわち配向角は、0°を超え90°未満の範囲で、所望の角度に任意に設定することができるが、より好ましくは40°〜50°であり、具体例としては45°とすることができる。
<長尺フィルム原反の製造方法>
長尺延伸フィルムを作製するために用いられる長尺フィルム原反は、公知の方法、例えば溶液キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などによって得ることができる。これらのうち溶液キャスト成形法はフィルムの平面性、透明度に優れ、押出成形法は斜め延伸後の厚さ方向のリターデーションRtを小さくすることが容易となり、残留揮発性成分量が少なくフィルムの寸法安定性にも優れるので好ましい。この長尺フィルム原反は、単層若しくは2層以上の積層フィルムであってもよい。積層フィルムは共押出成形法、共流延成形法、フィルムラミネイション法、塗布法などの公知の方法で得ることができる。これらのうち共押出成形法、共流延成形法が好ましい。
本発明では、延伸に供給される長尺フィルム原反の流れ方向の厚さムラσmは、後述する斜め延伸テンター入口でのフィルムの引取張力を一定に保ち、配向角やリターデーションといった光学特性を安定させる観点から、0.30μm未満、好ましくは0.25μm未満、さらに好ましくは0.20μm未満である必要がある。長尺フィルム原反の流れ方向の厚さムラσmが0.30μm以内であれば長尺延伸フィルムのリターデーションや配向角といった光学特性のバラツキが顕著になることはない。
長尺フィルム原反の流れ方向の厚さムラσmを上記範囲とするためには、押出成形法の場合は、特開2004−233604号公報に記載されているような、冷却ドラムに密着させる時の溶融状態の熱可塑性樹脂を安定な状態に保つ方法により達成可能である。具体的には、1)溶融押出法で長尺フィルム原反を製造する際に、ダイスから押し出されたシート状の熱可塑性樹脂を50kPa以下の圧力下で冷却ドラムに密着させて引き取る方法;2)溶融押出法で長尺フィルム原反を製造する際に、ダイス開口部から最初に密着する冷却ドラムまでを囲い部材で覆い、囲い部材からダイス開口部又は最初に密着する冷却ドラムまでの距離を100mm以下とする方法;3)溶融押出法で長尺フィルム原反を製造する際に、ダイス開口部から押し出されたシート状の熱可塑性樹脂より10mm以内の雰囲気の温度を特定の温度に加温する方法;4)関係を満たすようにダイスから押し出されたシート状の熱可塑性樹脂を50kPa以下の圧力下で冷却ドラムに密着させて引き取る方法;5)溶融押出法で長尺フィルム原反を製造する際に、ダイス開口部から押し出されたシート状の熱可塑性樹脂に、最初に密着する冷却ドラムの引取速度との速度差が0.2m/s以下の風を吹き付ける方法;が挙げられる。
また、長尺フィルム原反として、幅方向の厚さ勾配を有するフィルムが供給されてもよい。延伸が完了した位置におけるフィルム厚さを最も均一なものとしうるような長尺フィルム原反の厚さの勾配は、実験的に厚さ勾配を様々に変化させたフィルムを延伸することにより、経験的に求めることができる。長尺フィルム原反の厚さの勾配は、例えば厚さの厚い側の端部の厚さが、厚さの薄い側の端部よりも0.5〜3%程度厚くなるように調整することができる。
長尺フィルム原反の幅は、特に限定されないが、500〜4000mm、好ましくは1000〜2000mmとすることができる。また、長尺フィルム原反の膜厚は、特に限定されないが、20〜400μm、好ましくは20〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記長尺フィルム原反の幅調整方法として、溶液キャスト成形法、押出成形法にて得られたフィルムを幅方向に横延伸、若しくは搬送方向に縦延伸をしてもよい。
斜め延伸時の延伸温度での好ましい弾性率は、ヤング率で表して、0.01MPa以上5000MPa以下、更に好ましくは0.1MPa以上500MPa以下である。弾性率が高いと、延伸時・延伸後の収縮率が高くなり、シワが消え易くなり、また低いと、延伸時にかかる張力は小さく、フィルムの両側縁部を保持する部分の強度を高くする必要がなく、後工程のテンターに対する負荷が大きくなることがない。
<斜め延伸テンターによる延伸>
本実施形態に係る製造方法における延伸に供される長尺の長尺フィルム原反に斜め方向の配向を付与するために、斜め延伸テンターを用いる。本実施形態で用いられる斜め延伸テンターは、レールパターンやフィルム把持具の搬送速度を多様に変化させることにより、フィルムの配向角を自在に設定でき、さらに、フィルムの配向軸をフィルム幅方向にわたって左右均等に高精度に配向させることができ、かつ、高精度でフィルム厚さやリターデーションを制御できるフィルム延伸装置であることが好ましい。
図3A、図3Bは本実施形態に係る長尺延伸フィルムの製造方法に用いられる斜め延伸可能なテンターの模式図である。ただし、これは一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
テンター入り口側のガイドローラー12−1によって方向を制御された長尺フィルム原反4は、外側のフィルム保持開始点8−1、内側のフィルム保持開始点8−2の位置で把持具(クリップつかみ部ともいう)によって把持される。
左右一対のフィルム把持具は互いに等速度で、斜め延伸テンター6にて外側のフィルム把持手段の軌跡7−1、内側のフィルム把持手段の軌跡7−2で示される斜め方向に搬送、延伸され、外側のフィルム把持終了点9−1、内側のフィルム把持終了点9−2によって把持を解放され、テンター出口側のガイドローラー12−2によって搬送を制御されて斜め延伸フィルム5が形成される。図中、長尺フィルム原反は、フィルムの送り方向14−1に対して、フィルムの延伸方向14−2の角度(繰出し角度θi)で斜め延伸される。
図3A、図3Bにおいて、把持具の走行速度は適宜選択できるが、通常、1〜100m/分である。
また、左右一対のフィルム把持具が互いに等速度とは実質的に、左右一対の把持具の走行速度の差として走行速度の1%以下であることを意味する。
一般的なテンター装置等では、チェーンを駆動するスプロケットの歯の周期、駆動モーターの周波数等に応じ、秒以下のオーダーで発生する速度ムラがあり、しばしば数%のムラを生ずるが、これらは本発明の実施形態で述べる速度差には該当しない。
本発明の実施形態に係る長尺延伸フィルムの製造方法は、上記斜め延伸可能なテンターを用いて行う。このテンターは、長尺フィルム原反を、オーブンによる加熱環境下で、その進行方向(フィルム幅方向の中点の移動方向)に対して斜め方向に拡幅する装置である。このテンターは、オーブンと、フィルムを搬送するための把持具が走行する左右で一対のレールと、該レール上を走行する多数の把持具とを備えている。フィルムロールから繰り出され、テンターの入口部に順次供給されるフィルムの両端を、把持具で把持し、オーブン内にフィルムを導き、テンターの出口部で把持具からフィルムを開放する。把持具から開放されたフィルムは巻芯に巻き取られる。一対のレールは、それぞれ無端状の連続軌道を有し、テンターの出口部でフィルムの把持を開放した把持具は、外側を走行して順次入口部に戻されるようになっている。
なお、図3A、図3Bで代表されるように、テンターのレール形状は、製造すべき長尺延伸フィルムに与える配向角θ、延伸倍率等に応じて、左右で非対称若しくは左右対称な形状となっており、手動で又は自動で微調整できるようになっている。本発明においては、長尺の熱可塑性樹脂フィルムを延伸し、配向角θが延伸後の巻取り方向に対して、好ましくは10°〜80°の範囲内で任意の角度に設定できるようになっている。
また、左右の把持具の走行速度差については、テンターの延伸方式により適宜選択される。
また、本発明の実施形態に係る製造方法で用いられる斜め延伸テンターでは、各レール部及びレール連結部の位置を自由に設定できることが好ましい。したがって、斜め延伸テンターは、任意の入り口幅及び出口幅を設定すると、これに応じた延伸倍率にすることができる(下記、図3の○部は連結部の一例である。)。
なお、本発明において延伸倍率とは、テンター延伸機入口における把持具にて固定された未延伸フィルム両端間の距離(それぞれ図3A又は図3Bの8−1と8−2間の距離)に対するテンター延伸機出口における把持具にて固定された延伸フィルム両端間の距離(図3A又は図3Bの11−1と11−2間の距離)の比の値である。
本発明の実施形態に係る製造方法で用いられる斜め延伸テンターにおいて、特に図3A、図3Bのようにテンター内部において、把持具の軌跡を規制するレールには、しばしば大きい屈曲率が求められる。急激な屈曲による把持具同士の干渉、あるいは局所的な応力集中を避ける目的から、屈曲部では把持具の軌跡が円弧を描くようにすることが望ましい。
図3Aで示される斜め延伸テンターにおいては、長尺フィルム原反のテンター入口での進行方向14−1は、延伸後のフィルムのテンター出側での進行方向と異なっている。繰出し角度θiは、テンター入口での進行方向14−1と延伸後のフィルムの延伸方向14−2とのなす角度である。
図3Bで示される斜め延伸テンターにおいては、長尺フィルム原反のテンター入口での進行方向14−1は、テンター内で繰出し角度θiにてテンター入口での進行方向とは異なる方向に転換され搬送される。その後さらに搬送方向が転換され、最終的には延伸後のフィルムのテンター出側での進行方向一致するような軌跡をとる。本発明においては、上述のように好ましくは10°〜80°の配向角θを持つフィルムを製造するため、繰出し角度θiは、10°<θi<60°、好ましくは15°<θi<50°で設定される。繰出し角度θiを前記範囲とすることにより、得られるフィルムの幅方向の光学特性のバラツキが良好となる(小さくなる)。
図3A、図3Bで示されるような本発明の実施形態において、テンターの左右の把持具は、前後の把持具と一定間隔を保って、一定速度で走行するようになっている。
斜め延伸テンター内を走行するフィルムは、フィルムが走行するレールパターンに応じて、テンター内に予熱ゾーン、横延伸ゾーン、斜め延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーン等に区分けされたオーブンを通過する。ただし、必ずしも上記ゾーンの全てを上記順序でフィルムを搬送させる必要はなく、例えば下記組み合わせ例のように、上記ゾーンの一部のみを使用したり、上記ゾーンのうち任意のゾーンを数回使用したりしてもよい。
予熱ゾーン/斜め延伸ゾーン/保持ゾーン/冷却ゾーン
予熱ゾーン/横延伸ゾーン/斜め延伸ゾーン/保持ゾーン/冷却ゾーン
予熱ゾーン/斜め延伸ゾーン/横延伸ゾーン/保持ゾーン/冷却ゾーン
予熱ゾーン/横延伸ゾーン1/斜め延伸ゾーン/横延伸ゾーン2/保持ゾーン/冷却ゾーン
予熱ゾーン/横延伸ゾーン1/斜め延伸ゾーン1/横延伸ゾーン2/斜め延伸ゾーン2/保持ゾーン/冷却ゾーン
予熱ゾーンとは、オーブン入口部において、フィルムの両端を把持した把持具の間隔が一定の間隔を保ったまま走行する区間をさす。
横延伸ゾーンとは、フィルムの両端を把持した把持具の間隔が開きだし、所定の間隔になるまでの区間をさす。このとき、両端の把持具が走行するレールの開き角度は、両レールともに同じ角度で開いてもよいし、各々異なる角度で開いてもよい。
斜め延伸ゾーンとは、フィルムの両端を把持した把持具が、把持具間隔を一定に保ったままあるいは広がりながら、屈曲するレール上を走行しはじめてから両把持具がともに再度直線レール上を走行しはじめるまでの区間をさす。
保持ゾーンとは、横延伸ゾーンあるいは斜め延伸ゾーンより後の把持具の間隔が再び一定となる期間において、両端の把持具が互いに平行を保ったまま走行する区間をさす。
冷却ゾーンとは、保持ゾーンより後の区間において、ゾーン内の温度がフィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg℃以下に設定される区間をさす。
このとき、冷却によるフィルムの縮みを考慮して、あらかじめ対向する把持具間隔を狭めるようなレールパターンとしてもよい。
各ゾーンの温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgに対し、予熱ゾーンの温度はTg〜Tg+30℃、延伸ゾーンの温度はTg〜Tg+30℃、冷却ゾーンの温度はTg−30〜Tg℃に設定することが好ましい。
なお、幅方向の厚さムラの制御のために延伸ゾーンにおいて幅方向に温度差を付けてもよい。延伸ゾーンにおいて幅方向に温度差をつけるには、温風を恒温室内に送り込むノズルの開度を幅方向で差を付けるように調整する方法や、ヒーターを幅方向に並べて加熱制御するなどの公知の手法を用いることができる。
<円偏光板>
本発明の円偏光板は、偏光板保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム、粘着層がこの順で積層されており、前記λ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°である。
本発明においては、長尺状偏光板保護フィルム、長尺状偏光子、長尺状λ/4位相差フィルム(延伸フィルム)がこの順で積層して形成されることが好ましい。
本発明に係る円偏光板は、偏光子としてヨウ素、又は二色性染料をドープしたポリビニルアルコールを延伸したものを使用し、λ/4位相差フィルム/偏光子の構成で貼合して製造することができる。
偏光子の膜厚は、5〜40μm、好ましくは5〜30μmであり、特に好ましくは5〜20μmである。
円偏光板は、偏光板と同様に一般的な方法で作製することができる。アルカリ鹸化処理したλ/4位相差フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
円偏光板は、更に当該円偏光板の偏光板保護フィルムの反対面に剥離フィルムを貼合して構成することができる。保護フィルム及び剥離フィルムは円偏光板出荷時、製品検査時等において円偏光板を保護する目的で用いられる。
<有機エレクトロルミネッセンス表示装置>
図4は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成の断面図の一例を示す模式図であるが、これに限定されるものではない。
ガラスやポリイミド等を用いた基板101上に順に金属電極102、発光層103、透明電極(ITO等)104、封止層105を有する有機エレクトロルミネッセンス素子上に、粘着層106を介して、偏光子108をλ/4位相差フィルム107と偏光板保護フィルム109によって挟持した円偏光板を設けて、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を構成する。該偏光板保護フィルム109には硬化層が積層されていることが好ましい。硬化層は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表面のキズを防止するだけではなく、円偏光板による反りを防止する効果を有する。更に、硬化層上には、反射防止層を有していてもよい。上記有機エレクトロルミネッセンス素子自体の厚さは1μm程度である。
一般に、有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、透明基板上に金属電極と発光層と透明電極とを順に積層して発光体である素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を形成している。ここで、発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、及び電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置においては、発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、発光層は、厚さ10nm程度と極めて薄い膜で形成されている。このため、発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示面が鏡面のように見える。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置用円偏光板は、このような外光反射が特に問題となる有機エレクトロルミネッセンス用表示装置に適している。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
<実施例1>
<λ/4位相差フィルムの作製>
(長尺フィルム原反の作製)
セルロースエステル樹脂として以下の<ドープ組成>のドープを作製した。
<ドープ組成A>
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート:アセチル基置換度1.55、プロピオニル基0.9、総置換度2.45、Mw=190000、Mn=90500、Mw/Mn=2.1)
100質量部
糖エステル化合物A 10.0質量部
ポリエステルB 2.5質量部
微粒子添加液1 3.5質量部
微粒子添加液1は以下に示す方法で作製した。
〈微粒子分散液1〉
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製)
11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液1の作製〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 50質量部
微粒子分散液1 50質量部
糖エステル化合物Aは以下の方法で作製したものを用いた。
(糖エステル化合物Aの調製)
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四頭コルベンに、ショ糖34.2g(0.1モル)、無水安息香酸240g(0.8モル)、ピリジン379.7g(4.8モル)を仕込み、撹拌下に窒素ガス導入管から窒素ガスをバブリングさせながら昇温し、70℃で5時間エステル化反応を行った。次に、コルベン内を4×10Pa以下に減圧し、60℃で過剰のピリジンを留去した後に、コルベン内を1.3×10Pa以下に減圧し、120℃まで昇温させ、無水安息香酸、生成した安息香酸の大部分を留去した。最後に、分取したトルエン層に水100gを添加し、常温で30分間水洗後、トルエン層を分取し、減圧下(4×10Pa以下)、60℃でトルエンを留去させ、糖エステル化合物Aを得た。平均置換度は7.3、オクタノール・水分配係数(logP値)は12.43であった。
Figure 0006123676
ポリエステルBは以下の方法で作製したものを用いた。
(ポリエステルBの作製)
窒素雰囲気下、テレフタル酸ジメチル4.85g、1,2−プロピレングリコール4.4g、p−トルイル酸6.8g、テトライソプロピルチタネート10mgを混合し、140℃で2時間攪拌を行った後、更に210℃で16時間攪拌を行った。次に、170℃まで降温し、未反応物の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルBを得た。
酸価 :0.1mgKOH/g
数平均分子量:490
分散度 :1.4
分子量300〜1800の成分含有率:90%
ヒドロキシ(水酸基)価:0.1mgKOH/g
ヒドロキシ基(水酸基)含有量:0.04%
ポリエステルBはジカルボン酸に対してモノカルボン酸が2倍モル使用されているので末端がトルイル酸エステルになっている。
以上を密閉容器に投入し、攪拌しながら溶解してドープを調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度33℃、2000mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力110N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離したセルロースエステルフィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に1.01倍に延伸した。延伸開始時の残留溶媒は15%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。
以上のようにして、乾燥膜厚110μmのロール状の長尺フィルム原反を得た。
<斜め延伸>
(長尺延伸フィルムの作製)
次いで、長尺フィルム原反をフィルム巻出し工程より巻出し、図3で示されるような斜め延伸テンターの模式図を用いて斜め延伸する斜め延伸工程について説明する。
このとき、前工程で巻き取ったロール状の長尺フィルム原反において、その後尾より巻出す形とした。
ロール状の長尺フィルム原反を、図3Aの装置のスライド可能な繰出装置にセットし、角度θi=45°となるようにレールパターンが設定された斜め延伸テンターに供給した。なお、このときの斜め延伸テンターのゾーン組み合わせとしては、予熱ゾーン、横延伸ゾーン、斜め延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーンを有する組み合わせとした。そのとき、斜め延伸テンターの入口部に最も近いテンター入り口側のガイドローラー12−1の主軸と斜め延伸テンターのフィルムの把持開始点(クリップつかみ部)8−1、8−2との距離を1500mmとし、長尺フィルム原反をこの幅に断裁して用いた。クリップは搬送方向の長さが2インチのものを、上記ガイドローラーは直径10cmのものを使用した。斜め延伸テンター内にて、予熱ゾーンの温度を190℃、横延伸ゾーンの温度を180℃、斜め延伸ゾーンの温度を175℃、保持ゾーンの温度を175℃、冷却ゾーンの温度を110℃とした。またテンター出口における引取張力200N/mとした。
このときの延伸倍率Rは、1.95倍となるように延伸を行った。このときの延伸倍率Rの内訳として横延伸ゾーンにて1.3倍、さらに斜め延伸ゾーンにおいて1.5倍となるように延伸を行った。
なお、この際、配向角θは45°となるように斜め方向に延伸を行った。延伸後のフィルムは、斜め延伸テンター出口側のガイドローラー12−2で測定した張力の変動を引取モーター回転数に反映させるフィードバック制御を行って、引取張力の変動が3%未満となるように制御した。その後、フィルム両端をトリミングして、エアーフローローラーからなる搬送方向変更装置で搬送方向を変更し、スライド可能な巻取装置で巻き取り、厚さ80μm、2000mm幅のロール状の長尺延伸フィルムを得た。
なお、加熱及び延伸する際におけるフィルム移動速度は5m/分とした。
また、フィルムの幅方向にわたって温度制御をするための加熱装置を使用して延伸を行った。加熱装置は延伸後のフィルム幅方向のフィルムの厚さが、延伸前の幅方向フィルム厚さ分布と同程度になるように温度制御を行った。
得られた長尺状のλ/4位相差フィルム(延伸フィルム)は、フィルム長手方向に対し均一なものであった。
また、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−WPR)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、長尺状のλ/4位相差フィルムの遅相軸の配向角θ、550nmにおける面内の位相差値Ro及び厚さ方向の位相差値Rtを求めた結果、Ro=140nm、Rt=100nmであった。λ/4位相差フィルムの遅相軸は、フィルムの長手方向に対して45°の角度であった。
<粘着層付き円偏光板の作製>
<粘着層付き円偏光板1〜3の作製>
<共重合体溶液の調製>
[共重合体溶液1〜3]
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、この反応装置内の空気を窒素ガスに置換した。その後、この反応装置中に、ブチルアクリレート90部、メチルアクリレート10部、アクリル酸1部、N,N−ジメチルメタクリルアミド1部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部及び酢酸エチル120部を加えた。これを攪拌させながら、窒素ガス気流中において、60℃で8時間反応させ、重量平均分子量160万のアクリル共重合体の溶液を得た。さらに酢酸エチルで希釈して固形分15%の共重合体溶液1を得た。同様にして表1に記載のモノマー組成で共重合体溶液2、3を得た。
Figure 0006123676
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
PHEA:フェノキシエチルアクリレート
AAc:アクリル酸
DMMA:N,N−ジメチルメタクリルアミド
AAEM:メタクリル酸アセトアセトキシエチル
上記において、重量平均分子量(Mw)の値は、GPC(GEL Permeation Chromatography)法により測定したポリスチレン換算分子量である。詳しくは、共重合体を常温で乾燥させて得られた塗膜をテトラヒドロフランに溶解し、高速液体クロマトグラフ(島津製作所製、LC−10ADvp、カラムKF−G+KF−806×2本)で測定し、ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)を求めた。
<粘着剤、粘着層付き円偏光板1〜3の作製>
共重合体溶液1の固形分100部に対して、表2に記載のようにコロネートL10部、アルミキレートD1.5部、JER806の0.1部と、KBM−803の0.1部を混合した溶液を粘着層付き円偏光板1の粘着剤とした。該溶液をλ/4位相差フィルム上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmの粘着層を形成した。この粘着層を形成していない面に、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し50℃で6倍に延伸した長尺の偏光子を有する偏光膜を、さらに偏光膜の円偏光板を接着していない面に偏光板保護フィルム(コニカミノルタアドバンストレイヤー社製 KC4UY)を貼り合わせた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)のセパレーターで粘着層を保護した状態で、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生して、偏光板保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム、粘着層の構成からなる粘着層付き円偏光板1を作製した。粘着層付き円偏光板1と同様にして共重合体溶液2,3の固形分100部を表2に記載の成分に混合して粘着剤2、3を作製した。及び同様にして、粘着層付き円偏光板2、3を得た。
Figure 0006123676
コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製 ポリイソシアネート
アルミキレートA:川研ファインケミカル(株)製 アルミニウムトリスアセチルアセトネート
アルミキレートD:アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)
JERYX4000:ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量186、Mw354)
JER806:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量165、Mw350)
KBM−803:信越化学工業(株)製 γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
X−41−1810:信越化学工業(株)製 メチルメルカプト系アルコキシオリゴマー
KBM−403:信越化学工業(株)製 3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
<粘着層付き円偏光板4の作製>
(アクリル系ポリマーの調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート100質量部、アクリル酸5質量部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.075質量部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、重合溶媒として酢酸エチル200質量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は220万であった。
(粘着剤の作製)
上記アクリル系ポリマー溶液の固形分100質量部に、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(日本油脂(株)製、ナイパーBMT)0.2質量部、エポキシ系架橋剤としてジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン(三菱瓦斯化学(株)製、テトラッドC)0.05質量部、イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネートのアダクト体(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)0.1質量部と、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM403)0.075質量部を、均一に混合撹拌して、アクリル系粘着剤溶液(固形分10.9質量%)を調製した。
(粘着層の形成)
上記アクリル系粘着剤溶液を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)のセパレーター上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚さが22μmの粘着層を形成した。
粘着層付き円偏光板1の作製と同様にして、偏光板保護フィルム(コニカミノルタアドバンストレイヤー社製 KC4UY)、偏光子、λ/4位相差フィルムの構成からなる円偏光板を作製した後に、円偏光板のλ/4位相差フィルム側に上記の粘着層を用いて、粘着層付き円偏光板4を作製した。
<粘着層付き円偏光板5の作製>
(粘着層の作製)
アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合体にウレタンアクリレートオリゴマー及びイソシアネート系架橋剤が配合された有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレーター)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、乾燥させて、セパレーター上にアクリル系粘着剤からなる粘着層を形成した。
粘着層付き円偏光板1の作製と同様にして、偏光板保護フィルム(コニカミノルタアドバンストレイヤー社製 KC4UY)、偏光子、λ/4位相差フィルムの構成からなる円偏光板を作製した後に、円偏光板のλ/4位相差フィルム側に上記の粘着層を用いて、粘着層付き円偏光板5を作製した。
<粘着層付き円偏光板6の作製>
(アクリル樹脂(1))
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換したあと、内温を75℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル0.55部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル36部、メタクリル酸ブチル44部、アクリル酸メチル20部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量100,000、Tgは−13℃であった。
(アクリル樹脂(2))
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル100部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル98.9部、極性基含有モノマーとしてアクリル酸1.1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としながら、内温を70℃に昇温したのち、アゾビスイソブチロニトリル0.03部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。その後、内温69〜71℃で12時間保温し、反応を完結した。GPCのポリスチレン換算の重量平均分子量1,200,000、Mw/Mnは3.9であった。
<粘着剤6の調製>
上記アクリル樹脂(1)及び(2)を、表3の質量比率で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の固形分100部に、架橋剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:タケネートD−110N、三井武田ケミカル製)1部(固形分)と、シラン化合物(商品名:Y11597、日本ユニカー製)0.1部(固形分)とを混合させ粘着剤6を得た。
(粘着層の形成)
上記アクリル系粘着剤溶液を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)のセパレーター上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚さが22μmの粘着層を形成した。
<粘着層付き円偏光板7の作製>
(アクリル樹脂(1))
円偏光板6の作製で使用したアクリル樹脂(1)と同種で溶質量の異なるものを用いた。
(アクリル樹脂(2))
円偏光板6の作製で使用したアクリル樹脂(2)と同種で溶質量の異なるものを用いた。
<粘着剤7の調製>
上記アクリル樹脂(1)及び(2)を、表3の質量比率で混合し、アクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。得られた溶液の固形分100部に、架橋剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:タケネートD−110N、三井武田ケミカル製)1部(固形分)と、シラン化合物(商品名:Y11597、日本ユニカー製)0.1部(固形分)とを混合させ粘着剤7を得た。
(粘着層の形成)
上記円偏光板6の作製の粘着層の形成と同様の手法で、乾燥後の厚さが22μmの粘着層を形成した。
Figure 0006123676
(粘着層の形成)
上記アクリル系粘着剤溶液を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)のセパレーター上に塗布し、155℃で1分間加熱して、乾燥後の厚さが22μmの粘着層を形成した。
<粘着層付き円偏光板の作製>
粘着層付き円偏光板1の作製と同様にして、偏光板保護フィルム(コニカミノルタアドバンストレイヤー社製 KC4UY)、偏光子、λ/4位相差フィルムの構成からなる円偏光板を作製した後に、円偏光板のλ/4位相差フィルム側に上記の粘着層を用いて、粘着層付き円偏光板6及び7を作製した。
<有機エレクトロルミネッセンス表示装置の作製>
ガラス基板上にスパッタリング法によって厚さ80nmのクロムからなる反射電極、反射電極上に陽極としてITOをスパッタリング法で厚さ40nmに成膜し、陽極上に正孔輸送層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)をスパッタリング法で厚さ80nm、正孔輸送層上にシャドーマスクを用いて、RGBそれぞれの発光層を100nmの膜厚で形成した。赤色発光層としては、ホストとしてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)と発光性化合物[4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran](DCM)とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。緑色発光層としては、ホストとしてAlq3と、発光性化合物クマリン6とを共蒸着(質量比99:1)して100nmの厚さで形成した。青色発光層としては、ホストとしてBAlqと発光性化合物Peryleneとを共蒸着(質量比90:10)して厚さ100nmで形成した。
Figure 0006123676
さらに、発光層上に電子が効率的に注入できるような仕事関数の低い第1の陰極としてカルシウムを真空蒸着法により4nmの厚さで成膜し、第1の陰極上に第2の陰極としてアルミニウムを2nmの厚さで成膜した。ここで、第2の陰極として用いたアルミニウムはその上に形成される透明電極をスパッタリング法により成膜する際に、第1の陰極であるカルシウムが化学的変質をすることを防ぐ役割がある。以上のようにして、有機発光層を得た。次に、陰極上にスパッタリング法によって透明導電膜を80nmの厚さで成膜した。ここで透明導電膜としてはITOを用いた。さらに、透明導電膜上にCVD法によって窒化ケイ素を200nm成膜することで、絶縁膜とした。
上記で得られた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の絶縁膜に粘着層付き円偏光板1〜7を固定化し有機エレクトロルミネッセンス表示装置を作製した。
粘着層付き円偏光板1〜7及びこれらを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下表中。有機EL表示装置と記載)の評価結果を表4にまとめて記載する。
Figure 0006123676
<貯蔵弾性率の測定>
貯蔵弾性率は、各々の粘着層付き円偏光板のセパレーターを剥離し、粘着層をARES(粘弾性スペクトロメーター、レオメタリック・サイエンティフィック社製)により測定した。
変形モード:ねじり
測定周波数:一定周波数1Hz
昇温速度:5℃/min
測定温度:ポリマーのガラス転移温度(Tg)付近から200℃まで測定
形状:パラレルプレート 7.9mmφ
試料厚さ:約1.8mm(取り付け初期)
なお、23℃での貯蔵弾性率(G’)を読み取った。
<経時での反射率のムラ>
作製した円偏光板付き有機エレクトロルミネッセンス表示装置を、90℃の高温高湿槽中で300h、及び500hの耐久試験を行った。有機エレクトロルミネッセンス表示装置を、電圧を印加せず発光していない状態にして、23℃55%RH、照度約100lxの環境に置き、表示パネルの4隅及び中央部分を目視により観察し反射率のムラの評価を行った。
◎:90℃500h処理で発生なし。
○:90℃300h処理で発生なし。
×:90℃300h処理で発生。
<膜剥がれ>
作製した円偏光板付き有機エレクトロルミネッセンス表示装置を、90℃の高温高湿槽中で300hの耐久試験を行い、円偏光板の膜剥がれの有無を目視で確認した。
○:90℃300h処理で発生なし。
×:90℃300h処理で発生。
表4から明らかなように、本発明の試料は経時での反射率のムラの発生が比較試料に比べて良好であり、また同時に膜剥がれの発生のない表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であった。
<実施例2>
<偏光板保護フィルムの作製>
以下に示す手法で、偏光板保護フィルムを作製した。
<偏光板保護フィルム11の作製:Ro,Rt=0,0>
<セルロースアシレートの作製>
原料パルプ(αセルロース93%以上、含水率8.5%、パルプ中のカルシウム含有量25ppm:日本製紙(株)製)に酢酸50質量部を加え、1時間活性化処理を行った。
上記含酢酸パルプを反応器に入れ、更に反応器に無水酢酸500質量部、硫酸12質量部を投入し室温から徐々に40℃まで温度を上昇させ、40℃に保温しながら1時間保温し、エステル化反応を進行させた。
次いで1次中和工程で30%酢酸水溶液250部を加え中和した後、反応停止のため、硫酸を中和するために、30質量%の酢酸マグネシウム水溶液を15質量部を加え中和した後、熟成工程にて残った無水カルボン酸類を加水分解するために、80質量%の酢酸水溶液を150質量部入れ、60℃に保持し、1時間撹拌させた。
その後反応停止のために、硫酸を中和するため、30質量%の酢酸マグネシウム水溶液を15質量部加えた。
熟成反応停止後のドープに親水性基を持つ平均粒径30μmの親水性シリカ粒子を投入し、5分間撹拌した後、濾過工程においてガラスフィルターで酢酸ドープを濾過した。
次に沈殿工程で析出したセルロースアシレートを濾別し、50℃の温水で5回洗浄し、残っている酢酸水溶液を溶出させた後、70℃で3時間乾燥させ、アセチル基置換度2.89、総アシル基置換度2.89のトリアセチルセルロースを得た。重量平均分子量(Mw)は下記測定法を用いて測定した結果190000であった。また数平均分子量(Mn)は76000であった。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
重量平均分子量Mwは、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
<偏光板保護フィルムの作製>
(二酸化ケイ素分散液)
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製) 10質量部
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化ケイ素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化ケイ素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
(セルロースアシレートドープの調整)
TAC:トリアセチルセルロース(アセチル基置換度2.89、Mw=190000、Mn=76000、Mw/Mn=2.5)
100質量部
チヌビン928(BASFジャパン(株)製) 3質量部
一般式(PEI)で表される可塑剤:例示化合物(2)と(5)の質量比1:1の混合物
10質量部
メチレンクロライド 700質量部
エタノール 40質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。これに二酸化ケイ素分散希釈液を4質量部、撹拌しながら加えて、更に30分間撹拌した。
(製膜・延伸・乾燥)
次いで、ベルト流延装置を用い、温度35℃、2m幅でステンレスバンド支持体に均一にセルロースアシレートのドープを流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100質量%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したウェブを60℃で乾燥しながら搬送させ、スリットし、その後、テンターで幅方向に180℃の温度条件下、1.10倍の延伸倍率で延伸し、160℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は4.5%であった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のローラーで搬送させながら15分間乾燥させた後、スリットし、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、偏光板保護フィルム11を得た。フィルムの残留溶剤量は0.1%未満であり、乾燥膜厚は40μm、幅2m、巻長さは6000mであった。
なお、ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出される搬送方向の延伸倍率は1.05倍であった。
<偏光板保護フィルム12の作製:Ro,Rt=2,34>
(二酸化ケイ素分散液A)
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 12質量部
エタノール 88質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化ケイ素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化ケイ素分散希釈液Aを作製した。
(インライン添加液Aの作製)
チヌビン109(BASFジャパン(株)製) 11質量部
チヌビン171(BASFジャパン(株)製) 5質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。
これに二酸化ケイ素分散希釈液Aを36質量部、撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8)6質量部を撹拌しながら加えて、さらに60分間撹拌した後、アドバンテック東洋(株)のポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1Nで濾過し、インライン添加液Aを調製した。
(ドープBの調製)
セルロースエステル(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート:アセチル基置換度2.92、Mw=310000、Mn=148000、Mw/Mn=2.1)
100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5.5質量部
メチレンクロライド 440質量部
エタノール 40質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープBを調製した。
製膜ライン中で日本精線(株)製のファインメットNFでドープBを濾過した。インライン添加液ライン中で、日本精線(株)製のファインメットNFでインライン添加液Aを濾過した。濾過したドープBを100質量部に対し、濾過したインライン添加液Aを3質量部加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、次いで、ベルト流延装置を用い、温度32℃、2000mm幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルロースエステルのウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1950mm幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に1.05倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で、乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量は20%であった。
その後、120℃、110℃の乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、2000mm幅にスリットし、フィルム両端に幅15mm、平均高さ10μmのナーリング加工を施し、巻き取り初期張力220N/m、終張力110N/mで内径6インチコアに巻き取り、偏光板保護フィルム12を得た。ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出される剥離直後の搬送方向の延伸倍率は1.07倍であった。偏光板保護フィルム12の残留溶剤量は0.02%であり、乾燥膜厚は40μm、幅2000mm、巻長さは4000mであった。
<偏光板保護フィルム13の作製:Ro,Rt=50,140>
実施例1の組成Aのドープを用い、長尺フィルム原反(セルロースエステルフィルム)の作製と同様にセルロースエステルフィルムを作製した。剥離したセルロースエステルフィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に1.32倍に延伸した。延伸開始時の残留溶媒は15%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。
以上のようにして、残留溶媒0.02%、乾燥膜厚40μm、幅2000mm、巻長さ6000mの偏光板保護フィルム13を得た。
<偏光板保護フィルム14の作製:Ro,Rt=160,40)>
実施例1の組成Aのドープを用い、長尺フィルム原反(セルロースエステルフィルム)の作製と同様にセルロースエステルフィルムを作製した。剥離したセルロースエステルフィルムを、180℃の熱をかけながら二軸テンターを用いて幅方向に1.80倍に延伸しながら搬送方向を0.90倍に収縮した以外は偏光板保護フィルム13の作製と同様にして残留溶媒0.01%、乾燥膜厚40μm、幅2000mm、巻長さ6000mの偏光板保護フィルム14を得た。
<偏光板保護フィルム15の作製:Ro,Rt=133,40>
実施例1の組成Aのドープを用い、長尺フィルム原反(セルロースエステルフィルム)の作製と同様にセルロースエステルフィルムを作製した。剥離したセルロースエステルフィルムを、180℃の熱をかけながら二軸テンターを用いて幅方向に1.65倍に延伸しながら搬送方向を0.92倍に収縮した以外は偏光板保護フィルムの作製13と同様にして、残留溶媒0.02%、乾燥膜厚40μm、幅2000mm、巻長さ6000mの偏光板保護フィルム15を得た。
<偏光板保護フィルム16の作製:Ro,Rt=0,230)>
<ドープ組成C>
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート:アセチル基置換度1.55、プロピオニル基0.9、総置換度2.45;Mw=190000、Mn=90500、Mw/Mn=2.1)
100質量部
位相差発現剤A 5.0質量部
糖エステル化合物A 10.0質量部
ポリエステルB 2.5質量部
微粒子添加液1 3.5質量部
Figure 0006123676
上記組成のドープCを用いた以外は、実施例1の長尺フィルム原反(セルロースエステルフィルム)の作製と同様にしセルロースエステルフィルムを作製した。剥離したセルロースエステルフィルムを、160℃の熱をかけながら二軸テンターを用いて幅方向に1.01倍に延伸した以外は偏光板保護フィルム13の作製と同様にして残留溶媒0.02%、乾燥膜厚40μm、幅2000mm、巻長さ6000mの偏光板保護フィルム16を得た。
実施例1の粘着層付き円偏光板2の作製と同様にして、ただし偏光板保護フィルムのみをそれぞれ上記作製した偏光板保護フィルム11〜16に変えて、粘着層付き円偏光板11〜16を得た。さらに、実施例1と同様にして、粘着層付き円偏光板11〜16を用いて、それぞれ有機エレクトロルミネッセンス表示装置11〜16を得た。
(コントラスト評価)
有機エレクトロルミネッセンス表示装置を垂直方向に境界線として左右に2分割した領域(A領域、B領域)を設定した。分割した領域の一方(A領域)を白色200cdで点灯した状態で(導波が発生している状態)で、B領域の中央部分のコントラストをCS−2000(コニカミノルタセンシング社製)により測定し、偏光板保護フィルム11を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を基準とし、コントラストの増加率で評価を行った。
<コントラスト>
A:基準に対して15%以上
B:基準に対して7%以上15%未満
C:基準に対して7%未満
結果を表5にまとめて記載する。なお、表中、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を有機EL表示装置と略記した。またR(90°)はリターデーションの角度依存性から計算によって求められた臨界角で入射した場合の位相差値を表す。また、遅相軸に垂直傾斜及び進相軸に垂直傾斜はそれぞれ遅相軸を回転軸として傾斜させた場合及び進相軸を軸として傾斜させた場合を意味する。
Figure 0006123676
表5から明らかなように、本発明試料内であっても、臨界角で進む光に対して、λ/4の位相差を与える偏光板保護フィルム13〜16は外光反射率が低く、更にコントラストに優れ、表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であった。
臨界角で進行する光に対してλ/4の位相差を与えるか否かは、偏光板保護フィルムを該偏光板保護フィルムの面内の進相軸及び遅相軸を回転軸としてそれぞれ90°傾斜させた場合に光に与える2つの位相差値R(90°)をもとに判断することができる。具体的には、二つの位相差値R(90°)の数値を上限及び下限とする範囲の中にλ/4が入っているかどうかで判断することができ、入っている場合表中○で、入らない場合は×で示した。
例えば、試料11の場合、二つの位相差値R(90°)から上限及び下限が0.0の範囲が規定され、当該試料が臨界角で進行する光に対して与える位相差値は0.0〜0.0のいずれかの値となるため、どの臨界角で進行する光に対してもλ/4(550nmのλ/4に相当する波長137.5nm)の位相差を与えることを達成しない。試料12も試料11と同様である。試料13の場合、当該試料が臨界角で進行する光に対して与える位相差値は139.2〜−32.4の範囲のいずれかとなるため、一部の臨界角で進行する光に対してλ/4の位相差を与えることを達成する。試料14及び15の場合も試料13と同様である。試料16の場合は、二つの位相差値R(90°)がいずれも142.9であるので、当該試料が臨界角で進行するどの方向の光に対しても、λ/4の位相差値を与えることを達成しているため、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に組み込んだ際、特にコントラストの改善の度合いが大きかった。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示装置11〜16の経時での反射率ムラの評価において、500h処理後に観察されたムラの境界に対する目視評価は、コントラストの評価と同様の序列であった。
<実施例3>
実施例1に記載のロール状の長尺延伸フィルムを作製した後、テンター装置を通過させることにより表6に記載の条件でアニール処理し長尺延伸フィルム(λ/4位相差フィルム)21〜23を得た。
なお、テンターはフィルム搬送方向に対して垂直な方向への延伸が行えるものを使用した。延伸倍率は、巻きだしロールの幅を基準とした時の延伸倍率であり、温度はテンターの設定温度、時間はテンター内を通過する時間を表す。
実施例1と同様の手法で、上記で作製したλ/4位相差フィルム21〜23を用いて、それぞれ粘着層付き円偏光板21〜23を得た。また、実施例1と同様の手法で、ただし、円偏光板保護フィルムのみ、実施例2のNo.16の円偏光板保護フィルムに変えて、円偏光板付き有機エレクトロルミネッセンス表示装置21〜23を得た。
<遅相軸方向の寸法変化の測定>
円偏光板の寸法変化は100×((処理後の寸法)−(処理前の寸法))/(処理前の寸法)とし、寸法変化率(%)で表す。本発明では遅相軸方向に対して、高温恒温槽を用いて90℃300h(時間)、500h処理したあと放冷して、寸法変化率を測定した。
円偏光板及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の、それぞれについて経時での反射ムラと膜剥がれの評価を行った。評価結果を、表6にまとめて記載する。
<膜剥がれ>
○:90℃300hで発生なし
×:90℃300h以内に発生する
<経時での反射率のムラ>
有機エレクトロルミネッセンス表示装置を、90℃の高温高湿槽中に投入し、所定の時間熱処理した後に、23℃55%RHの部屋に24時間保存後、電圧を印加せず発光していない状態にして、照度約100lxの環境下に置き、表示パネル上の4隅と中央部の5点について、反射率のムラを以下のように視感評価を行った。
◎:90℃500hでムラの発生が認められない
○:90℃300hでムラの発生が認められない
×:90℃300h以内にムラの発生が確認できる
Figure 0006123676
表6から明らかなように、本発明試料内であっても、λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の寸法変化の小さい場合、経時での反射ムラが少なく、表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であった。
<実施例4>
(長尺延伸フィルム)の作製
実施例1に記載の長尺延伸フィルムの作製において、横延伸と、斜め延伸の延伸倍率の比は変えずに、全体の延伸倍率Rを、1.95倍、2.0倍、2.1倍と変化させて延伸を行い2000mm幅のロール状の長尺延伸フィルム31、32、33の前駆体を得た。長尺延伸フィルム前駆体31、31、33に対して、実施例3に記載の試料21、22、23と同様の条件でアニール処理を行い長尺延伸フィルム31、32、33を得た。
また、長尺延伸フィルム31〜33の作製のための長尺フィルム原反としては、ロール状長尺延伸フィルムの膜厚が80μmとなるように厚さの異なるものを用いた。
実施例3と同様の手法で、長尺延伸フィルム31〜33のそれぞれ対応する粘着層付き円偏光板及び、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を作製した。
実施例3と同様な評価をおこなった。結果を表7にまとめて記載する。
Figure 0006123676
表6及び7から明らかなように、光弾性係数を低減させることにより経時での反射率のムラが改善できることが解る。
本発明の粘着層付き円偏光板は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の経時での反射率のムラの防止と膜剥がれの防止に優れ、該粘着層付き円偏光板を具備した有機エレクトロルミネッセンス表示装置に好適に用いられる。
1a λ/4位相差フィルム
2a 偏光子
3a 偏光子の吸収軸
4a λ/4位相差フィルムの遅相軸
5a 収縮力
6a 遅相軸方向の距離を多く含む領域
7a 遅相軸方向の距離を少なく含む領域
21 発光層
22 発光点
23 偏光板保護フィルム
24 有機エレクトロルミネッセンス表示装置と空気との界面
25 臨界角(θ)
26 臨界角で偏光板保護フィルム中を進行して全反射する光
4 長尺フィルム原反
5 長尺延伸フィルム
6 斜め延伸テンター
7−1 外側のフィルム把持手段の軌跡
7−2 内側のフィルム把持手段の軌跡
8−1 外側のフィルム把持開始点
8−2 内側のフィルム把持開始点
9−1 外側のフィルム把持終了点
9−2 内側のフィルム把持終了点
10−1 外側斜め延伸開始点
10−2 内側斜め延伸開始点
11−1 外側斜め延伸終了点
11−2 内側斜め延伸終了点
12−1 テンター入口側のガイドローラー
12−2 テンター出口側のガイドローラー
13 フィルムの延伸方向
14−1 斜め延伸前のフィルムの搬送方向
14−2 斜め延伸する方向
Wo 斜め延伸前のフィルム幅手長さ
W 斜め延伸後のフィルム幅手長さ
101 基板
102 金属電極
103 発光層
104 透明電極
105 封止層
106 粘着層
107 λ/4位相差フィルム
108 偏光子
109 偏光板保護フィルム

Claims (4)

  1. 円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記円偏光板は、偏光板保護フィルム、偏光子、λ/4位相差フィルム、粘着層がこの順で積層されており、前記λ/4位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°である粘着層付き有機エレクトロルミネッセンス用円偏光板であり、前記λ/4位相差フィルムが下記式(2)及び式(3)を満たすセルロースアシレートを含有するセルロースエステル樹脂を含有し、前記粘着層の貯蔵弾性率が0.1〜10MPaの範囲であり、かつ、前記粘着層に隣接して有機エレクトロルミネッセンス素子の封止層が積層されていることを特徴とする円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    式(2) 2.0≦Z <3.0
    式(3) 0.5≦X
    (式(2)及び(3)において、Z はセルロースアシレートの総アシル基置換度を表し、Xはセルロースアシレートのプロピオニル基置換度及びブチリル基置換度の総和を表す。)
  2. 前記偏光板保護フィルムの屈折率をnとしたとき、下記式(1)で定義される臨界角(θ)で偏光板保護フィルム中を進む光に対して、前記偏光板保護フィルムの一面から他方の面へ到達する際に少なくとも一つの光路においてλ/4の位相差を与えることを特徴とする請求項1に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    式(1) 臨界角(θ)=arcsin(1/n)
  3. 前記λ/4位相差フィルムの90℃、500時間処理後の遅相軸方向の寸法変化率が、0.5%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  4. 前記λ/4位相差フィルムの遅相軸方向の光弾性係数の絶対値が、10×10−11/Pa以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の円偏光板を具備する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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