WO2015182494A1 - ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネル - Google Patents

ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネル Download PDF

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Abstract

厚みが10~150μmであり、ReおよびRthが3000~30000nmであり、Re/Rthが0.8を超え2.5以下であり、配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムであり、ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが1.8mm以下であるポリエステルフィルムは、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できる;ポリエステルフィルムの製造方法;偏光板;画像表示装置;ハードコートフィルム;タッチパネル。

Description

ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネル
 本発明は、液晶フィルム基材やタッチパネル用部材として好適に用いられるポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネルに関する。より詳しくは、偏光板加工工程や塗布工程でのフィルム破断を解消する、光学フィルム用途、特に液晶ディスプレイの基材としての使用に特に適する、好ましくは一軸配向のポリエステルフィルムおよびその製造方法、このポリエステルフィルムを用いた偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムならびにタッチパネルに関する。
 液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD又はIELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置は、画像表示パネルの表示画面側に偏光板が配置されている。例えば、液晶表示装置は、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。従来、液晶表示装置は表示画像の視野角依存性が大きいことが大きな欠点であったが、VAモード、IPSモード等の広視野角液晶モードが実用化されており、これによってテレビ等の高品位の画像が要求される市場でも液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。
 液晶表示装置に用いられる偏光板は、一般にヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子と、その偏光子の表裏両側に透明な保護フィルム(偏光板保護フィルム)を貼り合わせた構成となっている。便宜上、液晶セルに貼合する面(表示側の反対側)の保護フィルムをインナーフィルム、対向側(表示側)をアウターフィルムと呼ぶ。ポリエステルやポリカーボネート樹脂などは、コストも安く、機械強度が高い、低透湿性を有する、などの利点を持つため、アウターフィルムとしての活用が期待されている。
 その中で、近年従来の二軸配向ポリエステルフィルムにかわり、一軸配向ポリエステルフィルムが液晶ディスプレイの基材(偏光板の保護フィルム等)として用いられることが増えている。例えば、虹ムラを改善した偏光板保護フィルムとして、Re=3000~30000nm、Re/Rth≧0.2の一軸配向または二軸配向ポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムに使用することで、虹ムラを視認できない程度に目立たなくして、虹ムラを解消している例が知られている(特許文献1参照)。なお、特許文献1には、完全な1軸性(1軸対称)フィルムでは配向方向と直交する方向の機械的強度が著しく低下することも記載されている。
 上記のような光学特性を有する一軸配向または二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも未延伸のフィルムをテンター式延伸装置を用いてクリップで把持しながら一軸延伸することで製造される。
特開2012-256014号公報
 1軸方向に強い配向を持つフィルムは、偏光板保護フィルムに使用した場合に虹ムラが視認しにくくなる一方、配向方向と直交する方向の機械的強度が著しく低下し、延伸後の搬送中に熱収縮した場合に破れやすいという問題があった。実際、特許文献1などに記載の主として横延伸を行った一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムが横方向にしか配向していないため、縦方向の破断強度が弱く、搬送中にフィルムが割れたり破断したりすることが多い。
 さらに、本発明者が検討をした結果、1軸方向に強い配向を持つフィルムは、平面性が悪く、キズが付きやすいこともわかった。ポリエステルフィルムを光学用途に用いる場合は、キズが少ない方が画像故障の原因となりにくく、好ましい。
 本発明の解決しようとする課題は、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できるポリエステルフィルムおよびポリエステルフィルムの製造方法を提供することである。
 上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、厚みが薄く、Re/Rth比が大きいために配向方向と直交する方向の熱収縮率を低減し、及び平面性の良いフィルムとすることで、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できる実用性高いポリエステルフィルムを得られることを見出した。
 上記課題を達成するための具体的手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 厚みが10~150μmであり、
 面内方向のレターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthが3000~30000nmであり、
 Re/Rthが0.8を超え2.5以下であり、
 配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムであり、
 ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが1.8mm以下であるポリエステルフィルム。
[2] [1]に記載のポリエステルフィルムは、下記式Aで表される配向方向と直交する方向の熱収縮率ムラが0.4%以下であることが好ましい。
式A:
(配向方向と直交する方向の熱収縮率ムラ)=(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の最大値と最小値の差)/(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の平均値)×100%
[3] フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
 前述のフィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たすポリエステルフィルムの製造方法;
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
式B1、B2およびB3中、
xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
[4] フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
 前述のフィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たすポリエステルフィルムの製造方法であって、
 前述のポリエステルフィルムの厚みが10~150μmであり、
 前述のポリエステルフィルムの配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムの製造方法;
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
式B1、B2およびB3中、
xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
[5] [3]または[4]に記載のポリエステルフィルムの製造方法は、フィルム搬送方向への収縮と前述のフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に延伸平均温度T1で行った後、熱固定温度T2≧T1+30℃にて加熱する熱固定工程を含むことが好ましい;
ただし、T1およびT2の単位は℃である。
[6] [5]に記載のポリエステルフィルムの製造方法は、熱固定を、フィルム搬送方向への収縮を行いながら行うことが好ましい。
[7] [5]または[6]に記載のポリエステルフィルムの製造方法は、熱固定温度T2がT1+50℃を超えることが好ましい。
[8] 偏光子と、[1]または[2]に記載のポリエステルフィルムとを含む偏光板。
[9] [1]または[2]に記載のポリエステルフィルム、または、[8]に記載の偏光板を備える画像表示装置。
[10] [1]または[2]に記載のポリエステルフィルムを含むハードコートフィルム。
[11] [1]または[2]に記載のポリエステルフィルム、[8]に記載の偏光板、または[10]に記載のハードコートフィルムを備えるタッチパネル。
 本発明によれば、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できるポリエステルフィルムを提供することができる。
 本発明によれば、このポリエステルフィルムの製造方法を提供することができる。本発明によれば、このポリエステルフィルムを用いた偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネルを提供することができる。
 以下、本発明のポリエステルフィルムおよびその製造方法、偏光板、画像表示装置、ハードコートフィルムおよびタッチパネルについて詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
 また、後に詳述するが、ポリエステルフィルムは、通常、ロール等を用いて搬送し、延伸することにより得られる。このとき、フィルム搬送方向をMD(Machine Direction)方向とも称する。また、フィルムの搬送方向は、フィルムの長手方向とも称される。フィルム搬送方向は縦方向とも呼ばれ、フィルムの搬送方向への延伸を縦延伸と言い、フィルム搬送方向への収縮を縦収縮とも言う。
 また、フィルム幅方向とは、長手方向に直交する方向である。フィルム幅方向は、フィルムを搬送しながら製造されたフィルムにおいては、フィルム搬送方向に直交する方向、すなわちTD(Transverse Direction)方向とも呼ばれる。フィルム搬送方向に直交する方向は横方向とも呼ばれ、フィルムの搬送方向に直交する方向への延伸を横延伸とも言う。
[ポリエステルフィルム]
 本発明のポリエステルフィルムは、厚みが10~150μmであり、面内方向のレターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthが3000~30000nmであり、Re/Rthが0.8を超え2.5以下であり、配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムであり、ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが1.8mm以下である。
 このような構成により、本発明のポリエステルフィルムは、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できる。
 以下、本発明のポリエステルフィルムの好ましい態様について説明する。
<ポリエステルフィルムの特性>
(膜厚)
 本発明のポリエステルフィルムの厚みは、10~150μmであり、20~150μmが好ましく、30~130μmがより好ましく、35~110μm以下が更に好ましい。10μm以下では機械強度が低く搬送中に破れ易く実用性が低い。150μm以上では偏光板の厚みが厚くなり、薄さが求められる液晶テレビやタッチパネル用途として好ましくない。
(位相差)
 フィルム面内のレターデーションRe及び厚み方向のレターデーションRthが3000~30000nmであり、Re/Rth比率が0.8を超え2.5以下であることで、偏光板保護フィルムとして用いた場合の斜め方向から観察したときに虹ムラが見えず、良好な視認性を持つことができる。
 本発明のポリエステルフィルムは、面内方向のレターデーションReは3000~30000nmであり、3500~25000nmが好ましく、4000~20000nm以下が更に好ましい。Reが3000nmを上回るとパネルにしたときに画面に虹ムラが生じ難くなり、好ましい。30000nmを越えるフィルムを作るのは原理的に難しい。ポリエステルフィルムのReが30000nmを超えても虹ムラ低減効果は飽和するだけであり、本発明の効果は得られる。
 虹ムラは、大きな複屈折、具体的にはReが500nm以上3000nm未満のポリマーフィルムを保護フィルムとして有する偏光板にバックライト光源から斜め方向に入射した光を視認側から観察した際に現われ、特に輝線スペクトルを含む、例えば冷陰極管のような光源をバックライトとする液晶表示装置において顕著である。
 ここで、連続的な発光スペクトルを有する白色光源をバックライト光源として使用する場合、本発明のポリエステルフィルムのReは上記範囲であることが、虹ムラが視認されにくくなるため好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムは、厚み方向レターデーションRthは3000~30000nm以下であり、3500~25000nmが好ましく、4000~20000nm以下が更に好ましい。Rthが3000nmを下回るフィルムを作るのは原理的に難しい。30000nm以下であると、パネルにしたときに画面に虹ムラが生じ難くなり、好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムは、面内方向のレターデーションReと厚み方向レターデーションRthとの比(Re/Rth)は0.8を超え2.5以下であり、0.8を超え2.2以下が好ましく、0.8を超え2.0以下が特に好ましく、0.9~2.0がより特に好ましい。Re/Rthが0.8を超えると、本発明のポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして液晶パネルに組み込んだときに画面に虹ムラが生じ難くなり、好ましい。2.5を越えるフィルムを作るのは原理的に難しい。また、Re/Rthが2.5を超えても虹ムラの視野角依存性低減の効果は飽和するだけである。
 虹ムラは、Re、Rthの関係を表すNz値を適切な値とすることでも低減することができ、虹ムラの低減効果および製造適性より、Nz値は絶対値が2.0以下であることが好ましく、0.5~2.0であることがより好ましく、0.5~1.5であることがさらに好ましい。
 虹ムラは入射光により発生する為、通常は白表示時で観察される。
 本発明のポリエステルフィルムの面内位相差値Reは、下記式(4)で表される。
Re=(nx-ny)×y・・・(4)
 ここで、nxはポリエステルフィルムの面内遅相軸方向の屈折率であり、nyはポリエステルフィルムの面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率であり、yはポリエステルフィルムの厚みである。
 本発明のポリエステルフィルムの厚み方向のレターデーションRthは下記式(5)で表される。
Rth={(nx+ny)/2-nz}×y・・・(5)
ここでnzはポリエステルフィルムの厚み方向の屈折率である。
 なお、ポリエステルフィルムのNz値は、下記式(6)で表される。
Nz=(nx-nz)/(nx-ny)・・・(6)
 本明細書中において、波長λnmでのRe、Rth及びNzは次のようにして測定できる。
 二枚の偏光板を用いて、ポリエステルフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求め、前述の二軸の屈折率差の絶対値(|Nx-Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。ポリエステルフィルムの厚みy(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。測定したNx、Ny、Nz、yの値からRe、Rth、Nzをそれぞれ算出した。
 上記のRe、Rthは、フィルムに用いられるポリエステル樹脂の種類、前述のポリエステル樹脂と添加剤の量、レターデーション発現剤の添加、フィルムの膜厚、フィルムの延伸方向と延伸率等により調整することができる。
 本発明のポリエステルフィルムを上記のRe、Rthの範囲に制御する方法は特に制限はないが、例えば延伸法によって達成できる。
(配向方向と直交する方向のMD熱収縮率)
 本発明のポリエステルフィルムは、配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下である。配向方向と直行する方向の熱収縮率が0.6%以下であることで搬送時に起こる熱収縮による搬送時の割れや破断が少なくなり、好ましくは偏光板加工時に起こる熱収縮によるTD方向の破れを抑制できる。本発明のポリエステルフィルムの配向方向と直交する方向の熱収縮率は、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率であることが好ましい。
 本発明において、150℃で30分加熱した後のフィルム長手方向の熱収縮率(150℃、30分)とは、次のように定義する。
 TD方向30mm、MD方向120mmに裁断したポリエステルフィルムの試料片Mに、予めMD方向で100mmの間隔となるように2本の基準線を入れる。試料片Mを、無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間放置した後、試料片Mを室温まで冷却する処理を行い、2本の基準線の間隔を測定する。このときに測定される処理後の間隔をA〔mm〕とする。処理前の間隔100mmと、処理後の間隔Ammとから、「100×(100-A)/100」の式を用いて算出される数値〔%〕を、試料片MのMD熱収縮率(S)とする。
 以下、熱収縮率(150℃、30分)を、単に熱収縮率とも称する。
 本発明のポリエステルフィルムの配向方向と直交する方向の熱収縮率は、配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の平均値である。
 本発明においては、フィルム幅方向を、TDまたはTD方向と称し、フィルム幅方向と直交する方向を、MDまたはMD方向と称する。また、MD方向の熱収縮を、MD熱収縮ともいい、その割合をMD熱収縮率という。従って、フィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率は、MD熱収縮率とも表現する。
(幅方向のMD熱収縮率ムラ)
 本発明のポリエステルフィルムは、下記式Aで表される幅方向のMD熱収縮率ムラが0.4%以下であることが、幅方向の熱収縮量差が小さくなり、配向方向の破れを抑制できる観点から、好ましい。
式A:
(配向方向と直交する方向の熱収縮率ムラ)=(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の最大値と最小値の差)/(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の平均値)×100%
 幅方向のMD熱収縮率ムラは、0.3%以下が更に好ましく、0.2%以下が最も好ましい。
(フィルム平面性)
 本発明のポリエステルフィルムは、ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが1.8mm以下である。以下、ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮き(浮の最大値)のことを、フィルムの平面性とも言う。本発明のポリエステルフィルムは、平面性を1.8mm以下にすることで、搬送ロール接触時にフィルムにかかる応力集中が分散でき、破れを抑制できる。
 本発明のポリエステルフィルムは、平面性が0~1.0mmであることが好ましく、平面性が0~0.5mmであることがより好ましい。
 平面性を求めるとき、ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた後、ポリエステルフィルムの浮きを測定するまでの時間は30分未満であることが好ましく、10分未満であることがより好ましく、5分未満であることが特に好ましい。
 また、平面性を求めるときの温度は0~30℃であることが好ましく、10~28℃であることがより好ましく、15~25℃であることが特に好ましい。
 また、平面性を求めるときの相対湿度は30~80%であることが好ましく、40~70%であることがより好ましく、50~60%であることが特に好ましい。
(フィルム幅)
 フィルム幅Wは、0.8~6.0mであることが好ましく、1~5mであることがより好ましく、1~4mであることが特に好ましく、1~3mであることがより特に好ましい。
(フィルム長さ)
 本発明のポリエステルフィルムは、フィルム長さが100m以上であることが好ましい。また、ロール形態で巻かれたことが好ましい。
 フィルム長さは、100m以上が好ましく、300m以上がより好ましく、500m以上が更に好ましい。
(屈折率、結晶化度)
 本発明のポリエステルフィルムは、一軸配向であることが好ましい。具体的には、本発明のポリエステルフィルムは、長手方向の屈折率が1.590以下であり、かつ、結晶化度が5%を超えることが好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率の好ましい範囲は、未延伸のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率の好ましい範囲と同様である。
 本発明のポリエステルフィルムの結晶化度は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。
<ポリエステルフィルムの材料、層構成、表面処理>
 本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を含む。
 本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分とする層の単層フィルムであってもよいし、ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも1層有する多層フィルムであってもよい。また、これら単層フィルム又は多層フィルムの両面又は片面に表面処理が施されたものであってもよく、この表面処理は、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理、熱処理、紫外線照射、電子線照射等による表面改質であってもよいし、高分子や金属等の塗布や蒸着等による薄膜形成であってもよい。フィルム全体に占めるポリエステル樹脂の質量割合は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
(1-1)ポリエステル樹脂
 前述のポリエステル樹脂としては、WO2012/157662号公報の[0042]の組成のものが好ましく用いられる。
 ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等を使用できるが、コスト、耐熱性からPET、PENがより好ましく、さらに好ましくはPETである(PENはややRe/Rthが小さくなりやすい)。
 ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましいが、ポリエチレンナフタレートも好ましく用いることができ、例えば特開2008-39803号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
 ポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する構成単位と、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する構成単位とを有するポリエステルであり、全繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるのがよく、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、p-β-オキシエトキシ安息香酸、4,4’-ジカルボキシジフェニール、4,4’-ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4-カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4-ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記カルボン酸成分やジオール成分と共に、p-オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が用いられていてもよい。ポリエチレンテレフタレートの製造法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸及び/又は他のジオールを直接反応させるいわゆる直接重合法や、テレフタル酸のジメチルエステルとエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸のジメチルエステル及び/又は他のジオールをエステル交換反応させる、いわゆるエステル交換反応法等の任意の製造法を適用することができる。
(1-2)ポリエステル樹脂の物性
(1-2-1)固有粘度
 ポリエステル樹脂の固有粘度IVは0.5以上0.9以下が好ましく、より好ましくは0.52以上0.8以下、さらに好ましくは0.54以上0.7以下である。このようなIVにするには、ポリエステル樹脂を合成するときに、後述の溶融重合に加えて、固相重合を併用しても構わない。
(1-2-2)アセトアルデヒド含率
 ポリエステル樹脂のアセトアルデヒド含有量は50ppm以下であることが好ましい。さらに好ましくは40ppm以下、特に好ましくは30ppm以下である。アセトアルデヒドはアセトアルデヒド同士で縮合反応を容易に起こし、副反応物として水が生成し、この水により、ポリエステルの加水分解が進む場合がある。アセトアルデヒド含有量の下限は現実的には1ppm程度である。アセトアルデヒド含有量を上記範囲にするためには、樹脂の製造時の溶融重合、固相重合など各工程での酸素濃度を低く保つ、樹脂保管時、乾燥時の酸素濃度を低く保つ、フィルム製造時に押出機、メルト配管、ダイ等で樹脂にかかる熱履歴を低くする、溶融させる際の押出機のスクリュー構成等で局所的に強い剪断がかからないようにするなどの方法を採用することが出来る。
(1-3)触媒
 ポリエステル樹脂の重合には、Sb、Ge、Ti、Al系触媒が用いられ、好ましくはSb、Ti、Al系触媒、さらに好ましくはAl系触媒である。
 すなわち、原料樹脂として用いられるポリエステル樹脂がアルミニウム触媒を用い重合したものであることが好ましい。
 Al系触媒を用いることで、他の触媒(例えばSb、Ti)を用いた場合より、Reが発現し易くなり、PETの薄手化が可能になる。即ちAl系触媒のほうが配向し易いことを意味している。これは以下の理由によると推察される。
 Al系触媒はSb,Tiにくらべ反応性(重合活性)が低い分、反応がマイルドであり、副生成物(ジエチレングリコールユニット:DEG)が生成し難い。
 この結果、PETの規則性が高まり、配向し易くReを発現し易い。
(1-3-1)Al系触媒
 前述のAl系触媒としては、WO2011/040161号公報の[0013]~[0148](US2012/0183761号公報の[0021]~[0123])に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。 
 前述のAl系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/008488号公報の[0091]~[0094](US2013/0112271号公報の[0144]~[0153])を援用して、これらの公報に従い重合でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
 このようなAl系触媒は、例えば特開2012-122051号公報の[0052]~[0054]、[0099]~[0104](WO2012/029725号公報の[0045]~[0047]、[0091]~[0096])を援用して、これらの公報に従い調製でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。Al系触媒量は、ポリエステル樹脂の質量に対するAl元素の量として3~80ppmが好ましく、より好ましくは5~60ppm、さらに好ましくは5~40ppmである。
(1-3-2)Sb系触媒:
 前述のSb系触媒としては、特開2012-41519号公報の[0050]、[0052]~[0054]の記載のものを使用できる。
 前述のSb系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/157662号公報の[0086]~[0087]に従い重合できる。
(1-4)添加剤:
 本発明のポリエステルフィルムには公知の添加剤を加えることも好ましい。その例としては、紫外線吸収剤、粒子、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、染料、顔料等が挙げられる。ただし、ポリエステルフィルムは、一般に透明性が必要とされるため、添加剤の添加量は最小限にとどめておくことが好ましい。
(1-4-1)紫外線(UV)吸収剤:
 本発明のポリエステルフィルムには、液晶ディスプレイの液晶等が紫外線により劣化することを防止するために、紫外線吸収剤を含有させることも可能である。紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する化合物で、ポリエステルフィルムの製造工程で付加される熱に耐えうるものであれば特に限定されない。
 紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があるが、透明性の観点からは有機系紫外線吸収剤が好ましい。WO2012/157662号公報の[0057]に記載のものや、後述の環状イミノエステル系の紫外線吸収剤を使用できる。
 環状イミノエステル系の紫外線吸収剤としては、下記に限定されるものではないが、例えば、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-ブチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(1-または2-ナフチル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(4-ビフェニル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-ニトロフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-m-ニトロフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-ベンゾイルフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-メトキシフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-o-メトキシフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-シクロヘキシル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-p-(またはm-)フタルイミドフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、N-フェニル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)フタルイミド、N-ベンゾイル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)アニリン、N-ベンゾイル-N-メチル-4-(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)アニリン、2-(p-(N-メチルカルボニル)フェニル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-エチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-テトラメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-デカメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2、2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)〔なお、2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)とも言う〕、2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(4,4’-ジフェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2,6-または1,5-ナフチレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-メチル-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-ニトロ-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2-クロロ-p-フェニレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(1,4-シクロヘキシレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ベンゼン、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ナフタレン、2,4,6-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ナフタレン、2,8-ジメチル-4H,6H-ベンゾ(1,2-d;5,4-d’)ビス(1,3)-オキサジン-4,6-ジオン、2,7-ジメチル-4H,9H-ベンゾ(1,2-d;4,5-d’)ビス(1,3)-オキサジン-4,9-ジオン、2,8-ジフェニル-4H,8H-ベンゾ(1,2-d;5,4-d’)ビス(1,3)-オキサジン-4,6-ジオン、2,7-ジフェニル-4H,9H-ベンゾ(1,2-d;4,5-d’)ビス(1,3)-オキサジン-4,6-ジオン、6,6’-ビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-ビス(2-エチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-ビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-メチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-メチレンビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-エチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-エチレンビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-ブチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-ブチレンビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-オキシビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-オキシビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-スルホニルビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-スルホニルビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-カルボニルビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,6’-カルボニルビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-メチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-メチレンビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-ビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-エチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-オキシビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-スルホニルビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、7,7’-カルボニルビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,7’-ビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,7’-ビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、6,7’-メチレンビス(2-メチル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、6,7’-メチレンビス(2-フェニル-4H,3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)などが挙げられる。
 上記化合物のうち、色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジノン系の化合物が好適に用いられ、その例としては、下記の一般式(1)で表されるものがより好適に用いられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 上記一般式(1)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を表しXおよびXはそれぞれ独立して水素または以下の官能基群から選ばれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
 官能基群:アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アルコキシル基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基。
 上記一般式(1)で表される化合物の中でも、本発明においては、2、2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)が特に好ましい。
 本発明のポリエステルフィルム中に含有させる紫外線吸収剤の量は、通常10.0質量%以下、好ましくは0.3~3.0質量%の範囲で含有するものである。10.0質量%を超える量の紫外線吸収剤を含有させた場合は、表面に紫外線吸収剤がブリードアウトし、接着性低下等、表面機能性の悪化を招くおそれがある。
 また、多層構造の本発明のポリエステルフィルムの場合、少なくとも3層構造のものが好ましく、紫外線吸収剤は、その中間層に配合することが好ましい。中間層に紫外線吸収剤を配合することにより、この化合物がフィルム表面へブリードアウトしてくるのを防ぐことができ、その結果、フィルムの接着性等の特性を維持することができる。
 これらの配合には、WO2011/162198号公報の[0050]~[0051]に記載のマスターバッチ法を利用できる。
(1-4-2)その他添加剤
 本発明のポリエステルフィルムには、その他添加剤を用いてもよく、例えばWO2012/157662号公報の[0058]に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
[ポリエステルフィルムの製造方法]
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法としては特に制限は無く、本発明のポリエステルフィルムは公知の方法で製造することができる。
 本発明のポリエステルフィルムは、以下の本発明のポリエステルフィルムの製造方法の第1の態様および第2の態様により、生産性良く製造することができる。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法の第1の態様は、フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
 前述のフィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たす。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法の第2の態様は、フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
 前述のフィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たすポリエステルフィルムの製造方法であって、
 前述のポリエステルフィルムの厚みが10~150μmであり、
 前述のポリエステルフィルムの配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000015
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000016
式B1、B2およびB3中、
xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
 以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法の好ましい態様について、説明する。
<溶融混練>
 未延伸のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を溶融押出ししてフィルム状に成形されてなることが好ましい。
 ポリエステル樹脂、または上述のマスターバッチ法で製造したポリエステル樹脂と添加剤のマスターバッチを含水率200ppm以下に乾燥した後、単軸あるいは2軸の押出し機に導入し溶融させることが好ましい。この時、ポリエステルの分解を抑制するために、窒素中あるいは真空中で溶融することも好ましい。詳細な条件は、特許4962661号の[0051]~[0052](US2013/0100378号公報の[0085]~[0086])を援用して、これらの公報に従い実施でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。さらに、溶融樹脂(メルト)の送り出し精度を上げるためギアポンプを使用することも好ましい。また、異物除去のための3μm~20μmの濾過機を用いることも好ましい。
<押出し、共押出し>
 溶融混練したポリエステル樹脂を含むメルトをダイから押出すことが好ましいが、単層で押出しても、多層で押出しても良い。多層で押出す場合は、例えば、紫外線級取剤(UV剤)を含む層と含まない層を積層しても良く、より好ましくはUV剤を内層にした3層構成が、紫外線による偏光子の劣化を抑える上、UV剤のブリードアウトを抑制し好ましい。
 ブリードアウトしたUV剤は工製膜工程のパスロールに転写、フィルムとロールの摩擦係数を増加しスリキズが発生し易く好ましくない。
 ポリエステルフィルムが多層で押出されて製造されてなる場合、得られるポリエステルフィルムの好ましい内層の厚み(全層に対する比率)は50%以上95%以下が好ましく、より好ましくは60%以上90%以下、さらに好ましくは70%以上85%以下である。このような積層は、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイを用いることで実施できる。
<キャスト>
 特開2009-269301号公報の[0059]に従い、ダイから押出したメルトをキャスティングドラム上に押出し、冷却固化し、未延伸のポリエステルフィルム(原反)を得ることが好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、前述の未延伸のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率が1.590以下であることが好ましく、1.585以下がより好ましく、1.580以下が更に好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、前述の未延伸のポリエステルフィルムの結晶化度が5%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。なお、ここでいう未延伸のポリエステルフィルムの結晶化度とは、フィルム幅方向の中央部の結晶化度を意味する。
 結晶化度を調整する時、キャスティングドラムの端部の温度を低めにしたり、キャストドラム上に送風したりしてもよい。
 結晶化度については、フィルムの密度から算出することができる。すなわち、フィルムの密度X(g/cm)、結晶化度0%での密度Y=1.335g/cm、結晶化度100%での密度Z=1.501g/cmを用いて下記計算式より結晶化度(%)を導出することができる。
 結晶化度={Z × (X-Y)}/{X × (Z-Y)}×100
なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて測定を行った。
<ポリマー層(易接着層)の形成>
 溶融押出しされた未延伸のポリエステルフィルムには、後述する延伸の前あるいは後にポリマー層(好ましくは易接着層)を塗布により形成してもよい。
 前述のポリマー層としては、一般に偏光板が有していてもよい機能層を挙げることができ、その中でも前述のポリマー層として易接着層を形成することが好ましい。易接着層はWO2012/157662号公報の[0062]~[0070]に記載の方法で塗設することができる。
<横延伸>
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、前述のフィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000017
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000019
式B1、B2およびB3中、
xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
 本明細書中では、フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前述のクリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前述のクリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程のことを「横延伸および縦収縮」とも言う。
 具体的には、本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置を用いて、未延伸のポリエステルフィルムを前述のクリップで把持しながら横延伸または横延伸及び縦収縮または縦収縮させる工程を含むことが好ましい。
 フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置としては特に制限はない。一対のレールは、通常は一対の無端のレールが用いられる。なお、クリップは、把持部材と同義である。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、押出し後のフィルムを横延伸または横延伸及び縦収縮または縦収縮する。横延伸は、未延伸のポリエステルフィルムをフィルム搬送路に沿って搬送しながら、フィルム搬送方向に直交する方向に行われる。縦収縮はフィルム搬送方向に行われる。
 延伸することにより、面内方向のレターデーションReを大きく発現させることができる。特に後述のRe、Rth、Re/Rthの範囲を満たすポリエステルフィルムを達成するには、少なくとも横延伸または横延伸および縦収縮または縦収縮を行う。横または縦延伸をその後に行う場合は縦、横の延伸倍率のうち横延伸の延伸倍率を大きくしアンバランスに延伸してもよい。
 まず、式B1の左側の不等式について説明すると、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000020

Figure JPOXMLDOC01-appb-M000021
以上の場合、最終的な延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値yminが式B2を満たす範囲にすると、フィルムがたるまずにyminまで収縮することでたるみキズの発生を抑制するとともに、平面性が良好となり、搬送中(好ましくは後工程でも)の破断を抑制できる。
 次に、式B1の右側の不等式について説明すると、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000022

Figure JPOXMLDOC01-appb-M000023
以下とすることで、延伸機内でフィルムがたるまずに、キズの発生を抑制できる。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、下記式B2を満たす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000024
 式B2は、横延伸および縦収縮における、縦収縮の倍率を表す。式B2の範囲、すなわち縦収縮の倍率は、0.4~0.9倍であり、0.5~0.8倍であることが好ましく、0.5~0.7倍であることがより好ましい。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、下記式B3を満たす。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000025
 式B3は、横延伸および縦収縮における、横延伸の倍率を表す。即ちクリップでフィルムの両端を把持し、加熱しながらクリップ間を拡幅することで式B3を達成できる。式B3の範囲、すなわち横延伸倍率は、3~6.5倍であり、3.5~6倍であることがより好ましく、4~5.5倍であることが特に好ましい。
 横延伸工程における延伸温度(延伸平均温度T1)は70℃以上170℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上160℃以下、さらに好ましくは90℃以上150℃以下である。ここでいう延伸温度とは延伸開始から終了までの平均温度を指す。
 横延伸工程における予熱、延伸、熱固定、熱緩和、及び冷却において、ポリエステルフィルムを加熱し、又は冷却する温度制御手段としては、ポリエステルフィルムに温風や冷風を吹きかけたり、ポリエステルフィルムを、温度制御可能な金属板の表面に接触させたり、又は金属板の近傍を通過させたりすることが挙げられる。
<熱固定、熱緩和>
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、フィルム搬送方向への収縮と前述のフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に延伸平均温度T1で行った後、熱固定温度T2≧T1+30℃にて加熱する熱固定工程を含むことが好ましい。ただし、T1およびT2の単位は℃である。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸または横延伸及び縦収縮または縦収縮のポリエステルフィルムを前述のクリップから開放する前に、前述の延伸後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程と、前述の熱固定工程後のポリエステルフィルムを加熱しながら前述の一対のレール間距離を狭くする熱緩和工程とを含むことが好ましい。
 延伸したあとに結晶化を促すために「熱固定」とよばれる熱処理を行うことが好ましい。これは延伸温度を超える温度で行うことで結晶化を促進し、フィルムの強度を上げることができる。
 熱固定では結晶化のために体積収縮する。
 熱固定の方法としては、延伸部に熱風を送り出すスリットを、幅方向に平行に数本設ける。このスリットから吹き出す気体の温度を、延伸部より高くすることで達成できる。さらに本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、後述するように、ポリエステルフィルムの幅方向の端部を、ヒーターにより輻射加熱することが好ましい。
 また、本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、フィルムを加熱する熱風吹き出しノズルの端部側の所望の位置に1または複数の遮風板を付け、フィルム端部の冷却を緩やかにし、前述のクリップから前述の横延伸後のポリエステルフィルムを開放するときのフィルム幅方向中央部の膜面温度に対して、クリップからフィルム幅方向に200mm離れた位置であるフィルム端部の膜面温度を1~20℃高くしやすくすることも好ましい。
 また、延伸(部)出口付近に熱源(IRヒーター、ハロゲンヒーター等)を設置し、昇温しても良い。
 熱固定温度T2≧T1+30℃であることが好ましく、熱固定温度T2がT1+50℃を超えることがより好ましく、熱固定温度T2がT1+60℃以上であることが特に好ましい。
 熱固定の好ましい温度は100℃以上250℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以上245℃以下である。
 熱固定時に縦収縮を行っても良い。
 熱処理と同時に収縮(緩和とも言う。フィルムを縮ませる)ことが好ましく、TD(横方向)、MD(縦方向)の少なくとも一方に行うことが好ましい。本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、熱固定を、フィルム搬送方向への収縮を行いながら行うことが好ましい。
 このような緩和は、例えばテンターにパンタグラフ状のチャックを使用し、パンタグラフの間隔を縮めても良く、クリップを電磁石上で駆動させ、この速度を低下させることでも達成できる。
 縦緩和は120℃以上230以下、より好ましくは130℃以上220℃以下、さらに好ましくは140℃以上210℃以下で行うことがスリキズ抑制の観点から好ましい。縦緩和により、幅方向延伸においてRe/Rthを上昇させる効果もある。これは横延伸中に縦方向を緩めることで、横配向を促しReを大きくし易いためである。緩和量は、縦緩和は、1%以上10%以下の緩和であることがポリエステルフィルムにスリキズの発生を抑制する観点から好ましく、より好ましくは2%以上8%以下、さらに好ましくは3%以上7%以下である。この好ましい範囲の下限値以上であれば上記効果が出難く易く、スリキズが発生し難くなる。一方、この好ましい範囲の上限値以下であれば弛みが発生し難くなり、延伸機と接触し難くなり、スリキズが発生し難くなる。
 熱固定時に縦収縮を行うことで、よりRe、Rth、Re/Rth比を最適にすることができ、虹ムラの発生を抑制することができる。
 横方向の緩和温度は上述の熱固定温度の範囲が好ましく、熱固定とおなじ温度でも高くても低くても構わない。
 横緩和量も縦緩和量と同じ範囲が好ましい。横緩和は拡幅したクリップの幅を縮めることで達成できる。
 上記延伸、熱固定により、本発明のポリエステルフィルムのRe、Rth、Re/Rthを達成できやすくなる。すなわち、これらの方法で延伸、熱固定を行うことにより虹ムラ低減の効果を発現する本発明のポリエステルフィルムを形成しやすい。
 さらに、本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、前述のテンター内の前述の熱固定を行うゾーンおよび前述の熱緩和を行うゾーンの少なくとも一方において、ポリエステルフィルムの幅方向の端部を、ヒーターにより輻射加熱することが好ましい。かかる輻射加熱を行うと、作製されるポリエステルフィルムのTD方向におけるMD熱収縮率が下がりやすくなり、MD熱収縮率の分布が小さくなり易くなり、既述の式(1)~(4)を満たすフィルムを製造し易い。
 熱緩和部においてフィルムのTD方向端部を輻射加熱するときは、熱固定部での輻射加熱を省略してもよいし、熱固定部および熱緩和部の両方において行ってもよい。
 ポリエステルフィルムのTD方向端部の加熱は、輻射加熱可能なヒーターを用いて行われ、ポリエステルフィルムのTD方向の少なくとも一方の端部を選択的に加熱することが好ましい。局所的なMD熱収縮を抑制する観点から、ポリエステルフィルムのTD方向の両方の端部を加熱することが好ましい。なお、「選択的に加熱」とは、ポリエステルフィルムの端部を含むフィルム全体を加熱するのではなく、フィルム端部を局所的に加熱することを意味する。
 輻射加熱可能なヒーターとしては、例えば、赤外線ヒーターが挙げられ、特にセラミック製のヒーター(セラミックスヒーター)を用いることが好ましい。
 輻射加熱可能なヒーターは1つのみ使用してもよいし、2つ以上を用いてもよい。
 ポリエステルフィルムのTD方向端部の加熱は、ポリエステルフィルム表面とヒーターとの最短距離を10mm以上300mm以下として行うことが好ましい。
 ポリエステルフィルム表面とヒーターとの最短距離が10mm以上であると、ヒーターピッチで温度ムラが生じ難く、300mm以下であるとフィルムに輻射熱が十分伝わり易い。
 ヒーター表面とフィルム表面の最短距離は、50mm以上250mm以下であることが好ましく、80mm以上200mm以下であることがより好ましい。
 フィルム表面とヒーター表面との距離のほか、さらに、必要に応じて、ヒーターの表面温度を調整してフィルムを加熱することが好ましい。
 セラミック製ヒーターの少なくとも1つの表面温度は、300℃以上700℃以下であることが好ましい。表面温度が300℃以上であることで、フィルムに輻射熱が十分に伝わり易く、700℃以下であることで、フィルムの過加熱を抑制することができる。
 セラミック製ヒーターの表面温度は、400℃以上650℃以下であることがより好ましく、450℃以上650℃以下であることが更に好ましい。
 セラミック製ヒーターは、格子状の金属カバーで覆われていることが好ましい。ヒーターが格子状の金属カバーで覆われていることで、破れたフィルムがヒーターに衝突して、ヒーターが破損することを防ぐことができる。カバーを構成する金属は、特に制限されず、例えば、SUS304等のステンレス鋼等が挙げられる。
 また、輻射加熱したときには、フィルムTD方向における温度バラツキを0.7℃以上3.0℃以下の範囲に狭めることが好ましく、これによりフィルム幅方向での結晶化度のバラツキを0.5%以上3.0%以下の範囲に軽減することができる。このようにすると、幅方向での弛み差が軽減し、傷の発生が抑制されると共に、耐加水分解性をより向上させることができる。
 ポリエステルフィルムのMD方向の長さ分布は、横延伸を行う延伸装置の出口近傍における冷却の態様に依存し易い。一般に、フィルムのMD方向の長さは、急冷された箇所は長くなり、徐冷された箇所は短くなる傾向にある。これは次の理由によるものと考えられる。フィルムは、冷却により収縮するが(熱膨張の反対の現象)、急冷されると収縮する時間が少ないため、フィルムが十分に収縮せず、結果として、MD方向のフィルム長は長くなると考えられる。逆に、フィルムは、徐冷されると、十分に収縮するため、MD方向のフィルム長が短くなると考えられる。
 延伸装置の把持部材の温度は100℃~150℃程度であるが、これは延伸装置の冷却温度(一般に、常温~100℃程度)に比べると比較的高温である。そのため、延伸装置の冷却部では、把持部材の温度の高さが原因で、逆にフィルム端部の温度が高くなり、フィルム中央部の冷却状況と比較して、フィルム端部の方が徐冷される傾向にある。それにより、フィルム中央部に比べてフィルム端部の方は、MD方向のフィルム長が短くなり易い。
 従来のポリエステルフィルムでは、上記のMD方向のフィルム長さ分布(円弧)が生じるために、フィルム中央部はフィルム端部に比べ、MD熱収縮率が小さく、MD方向のフィルム長が大きいフィルムになる傾向にある。
 そうなると、フィルム中央部は、未加熱前の元のMD方向のフィルム長が長い上に、加熱搬送時により縮みにくいため、より長くなり、弛みが生じてキズやシワができ、後工程でフィルムが破断し易い。
<フィルムの回収、スリット、巻取り>
 上記横延伸およびクリップからの開放工程が終わった後、フィルムを必要に応じてトリミング、スリット、厚み出し加工して、回収のために巻き取る。
 本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、クリップから開放後のフィルム幅が0.8~6mであることがフィルム製品幅を効率よく確保し、かつ装置サイズが過大にならない観点から好ましく、1~5mであることがより好ましく、1~4mであることが特に好ましい。精度の必要な光学用フィルムは通常3m未満で製膜するが、本発明では上記のような幅で製膜することが好ましい。
 また、幅広製膜したフィルムを好ましくは2本以上6本以下、より好ましくは2本以上5本以下、さらに好ましくは3本以上4本以下にスリットしてから、巻き取ってもよい。
 なお、フィルムの端部を任意の幅でトリミングする場合や製膜後に任意の本数にスリットする場合は、トリミングまたはスリット後のフィルム幅が、本発明のポリエステルフィルムのフィルム幅に相当する。
 またスリット後、両端に厚み出し加工(ナーリング付与)することが好ましい。
 巻取りは直径70mm以上600mm以下の巻き芯に1000m以上10000m以下巻きつけることが好ましい。フィルムの断面積あたりの巻取り張力は、3~30kgf/cmが好ましく、より好ましくは5~25kgf/cm、さらに好ましくは7~20kgf/cmである。また、巻き取ったフィルムの厚みは特許4962661号の[0049]と同様である。また、巻き取る前にマスキングフィルムを貼り合せることも好ましい。
[偏光板]
 本発明のポリエステルフィルムは偏光板保護フィルムとして用いることができる。
 本発明の偏光板は、偏光性能を有する偏光子と、本発明のポリエステルフィルムを含む。本発明の偏光板は、本発明のポリエステルフィルム以外にセルロースアシレートフィルムなどの偏光板保護フィルムをさらに含んでいてもよい。
 偏光板の形状は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
 WO2011/162198号公報の[0025]に記載のようにPVAから成る偏光子と本発明のポリエステルフィルムを貼り合せ、偏光板を調製することができる。この際、上記易接着層をPVAと接触させることが好ましい。さらに、WO2011/162198号公報の[0024]に記載のように、レターデーションを有する保護膜と組合せることも好ましい。
[画像表示装置]
 本発明のポリエステルフィルムは、画像表示装置に用いることができ、本発明のポリエステルフィルムを含む偏光板を画像表示装置の偏光板として用いることができる。
 本発明の画像表示装置は、本発明のポリエステルフィルム、または、本発明の偏光板を備える。
 前述の画像表示装置としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD又はIELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー等を挙げることができる。これらの画像表示装置は、画像表示パネルの表示画面側に本発明の偏光板を備えることが好ましい。
 偏光板を液晶表示装置などの画像表示装置へと貼合する方法としては、公知の方法を用いることができる。また、ロールtoパネル製法を用いることもでき、生産性、歩留まりを向上する上で好ましい。ロールtoパネル製法は特開2011-48381号公報、特開2009-175653号公報、特許4628488号公報、特許4729647号公報、WO2012/014602号、WO2012/014571号等に記載されているが、これらに限定されない。
 画像表示装置では、光源に連続的な発光スペクトルを有する光源を用いることが好ましい。
 これはWO2011/162198号公報の[0019]~[0020]記載のように虹ムラを解消し易くなるためである。
 画像表示装置に用いられる光源としては、WO2011/162198号公報の[0013]記載のものが使用される。一方、WO2011/162198号公報の[0014]~[0015]記載の光源は連続光源ではなく、好ましくない。
 画像表示装置がLCDである場合、液晶表示装置(LCD)は、WO2011/162198号公報の[0011]~[0012]に記載の構成を使用できる。
 本発明のポリエステルフィルムおよび/または本発明の偏光板を用いる液晶表示装置は連続的な発光スペクトルを有する白色光源を用いたものであることが好ましく、これにより不連続(輝線)光源を用いた場合より効果的に虹ムラを低減できる。これは特許4888853号の[0015]~[0027](US2012/0229732号公報の[0029]~[0041])に記載の理由を援用して、この理由と同様の理由に因るものであり、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
 液晶表示装置は、本発明の偏光板と、液晶表示素子とを備えるものであることが好ましい。ここで、液晶表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ等、公知の各種ディスプレイに対しても、本発明の偏光板を適用することができる。このように、レターデーションが高い本発明のポリエステルフィルムを有する偏光板を液晶表示素子に適用した場合には、液晶表示素子の反りを防止することができる。
 ここで、虹状の色斑は、レターデーションが高いポリエステルフィルムのレターデーションとバックライト光源の発光スペクトルに起因する。従来、液晶表示装置のバックライト光源としては、冷陰極管や熱陰極管などの蛍光管を用いられる。冷陰極管や熱陰極管などの蛍光灯の分光分布は複数のピークを有する発光スペクトルを示し、これら不連続な発光スペクトルが合わさって白色の光源が得られている。レターデーションが高いフィルムを光が透過する場合、波長によって異なる透過光強度を示す。このため、バックライト光源が不連続な発光スペクトルであると、特定の波長のみ強く透過されることになり虹状の色斑が発生する。
 画像表示装置が液晶表示装置である場合は、バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを構成部材として含むことが好ましい。また、これら以外の他の構成、例えばカラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。
 バックライトの構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であっても構わないが、本発明では、液晶表示装置のバックライト光源として白色発光ダイオード(白色LED)を用いることが虹ムラを改善する観点から好ましい。本発明において、白色LEDとは、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体やテルビウム・アルミニウム・ガーネット系の黄色蛍光体等がある。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有しているとともに発光効率にも優れるため、本発明の画像表示装置のバックライト光源として好適である。なお、ここで発光スペクトルが連続的であるとは、少なくとも可視光の領域において光の強度がゼロとなる波長が存在しないことをいう。また、本発明により消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
 上記態様により虹状の色斑の発生が抑制される機構としては国際公開WO2011/162198号に記載があり、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
 また、本発明における画像表示装置は、バックライト光源としては、少なくとも青色と緑色と赤色の発光ピークを有する光源ユニットと、両面に偏光板を有する液晶セルを含むことが好ましい。
 光源ユニットの発光スペクトルは、少なくとも青色と緑色と赤色の発光ピークを有し、緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅が20nm以上であり、波長460nm~520nmの間に少なくともひとつの極小値L1を有し、波長520nm~560nmの間に少なくともひとつの極大値L2を有し、波長560nm~620nmの間に少なくともひとつの極小値L3を有し、L1、およびL3の値がL2の35%未満であることが好ましい。
 緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅は20nm以上60nm以下であることが好ましく、光源ユニットの緑色の発光ピーク、及び赤色の発光ピークのうち、半値幅の小さい方の半値幅Wが50nm以下であることが好ましく、20nm以上40nm以下であることがもっとも好ましい。半値全幅が小さいと、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。また、半値全幅が20nm以上であると、5000nm以上のReを有する第1の保護フィルムを用いることによって、虹ムラが生じないようにすることができるため、好ましい。
 L1、およびL3の値はL2の20%未満であることがより好ましく、10%未満であることがもっとも好ましい。L1、およびL3の値がL2の値よりも小さいと、青色、緑色、および赤色の発光が分離され、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。
 光源ユニットは、青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および赤色発光ダイオードを有していてもよいが、コスト低減の観点から、青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードと、青色発光ダイオードまたは紫外線発光ダイオードからの光によって励起されて発光できる蛍光体とを少なくとも有することが好ましい。青色発光ダイオードを使用する場合には、緑色に発光する蛍光体、および赤色に発光する蛍光体を有していることが好ましく、紫外線発光ダイオードを使用する場合には、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、および赤色に発光する蛍光体を有していることが好ましい。
前述の蛍光体は青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードの内部に封入されていてもよいが、熱による蛍光体の劣化を防止するため、蛍光体をガラスチューブの内部に封入し、青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードの発光が当るように配置するか、または、蛍光体を含むフィルムを光源ユニットの内部に配置することが好ましい。
 蛍光体は、少なくとも1つがナノメートルサイズの半導体粒子である量子ドットを含んでいることが好ましい。量子ドット蛍光体は発光ピークの半値全幅を小さくすることが可能であり、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。
 また、一般に量子ドットを含む光源は発光効率が高いため、白色LEDや冷陰極管(CCFL)を用いたバックライトユニットに比較して、バックライトユニットからの発熱を抑制することができる。そのため、液晶表示装置を高温高湿環境に保存後、点灯した場合の温度上昇を抑制でき、液晶セルの反り、および表示ムラをより低減することができる。
 なお、光源ユニットの発光スペクトルは、株式会社トプコンテクノハウス社製分光放射計「SR-3」を用いて測定することができる。
 一般的な冷陰極管(CCFL)の発光スペクトルについて説明する。青色、緑色、および赤色に鋭い発光ピークを有しており、そのため青色、緑色、および赤色の発光が分離され、一般にCCFLを用いた液晶表示装置の色再現性は白色LEDを用いた液晶ディスプレイよりも優れる。一方、緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅が約2nm以下と小さいため、第1の保護フィルムとして高いReを有するフィルムを用いた場合、虹ムラが視認されてしまう。
 一般的な白色LEDの発光スペクトルについて説明する。白色LEDは通常、青色発光ダイオードの内部に、黄色、または緑色と赤色に発光する有機蛍光体を封入して作製される。この場合、緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅は20nm以上となり、そのため一般に白色LEDを用いた液晶表示装置では、第1の保護フィルムとして高いReを有するフィルムを用いた場合に、虹ムラが抑制される。一方、波長460nm~520nmの間、および波長560nm~620nmの間に極小値を有さないか、もしくは極小値が波長520nm~560nmの間の極大値L2に比べて大きいため、青色、緑色、および赤色の発光の分離が不十分となり、色再現性は劣る。
 量子ドット蛍光体を用いた光源の発光スペクトルについて説明する。量子ドット蛍光体を用いた光源は、一般的に、緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅が20nm以上であり、波長460nm~520nmの間に少なくともひとつの極小値L1を有し、波長520nm~560nmの間に少なくともひとつの極大値L2を有し、波長560nm~620nmの間に少なくともひとつの極小値L3を有し、L1、およびL3の値がL2の35%未満であるため、本発明の画像表示装置の光源ユニットとして好適に使用することができる。
 本発明の画像表示装置が液晶表示装置である場合は、本発明の偏光板の配置は特に制限はない。本発明の偏光板は、液晶表示装置における視認側用の偏光板として用いられることが好ましい。
 面内方向のレターデーションが高い本発明のポリエステルフィルムの配置は特に限定されないが、入射光側(光源側)に配される偏光板と、液晶セルと、出射光側(視認側)に配される偏光板とを配された液晶表示装置の場合、入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光板保護フィルム、もしくは出射光側に配される偏光板の射出光側の偏光板保護フィルムが面内方向のレターデーションが高い本発明のポリエステルフィルムであることが好ましい。特に好ましい態様は、出射光側に配される偏光板の射出光側の偏光板保護フィルムを面内方向のレターデーションが高い本発明のポリエステルフィルムとする態様である。上記以外の位置に面内方向のレターデーションが高いポリエステルフィルムを配する場合は、液晶セルの偏光特性を変化させてしまう場合がある。偏光特性が必要とされない場所に、面内方向のレターデーションが高い本発明のポリエステルフィルムは用いられることが好ましいため、このような特定の位置の偏光板の保護フィルムとして使用されることが好ましい。
 液晶表示装置の液晶セルは、液晶層と、この液晶層の両側に設けられた2枚のガラス基板を有することが好ましい。ガラス基板の厚さは0.5mm以下であることが好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.3mm以下が特に好ましい。
 液晶表示装置の液晶セルはIPSモード、VAモード、FFSモードであることが好ましい。
[ハードコートフィルム]
 本発明のポリエステルフィルムは、ハードコートフィルムに用いることができる。ハードコートフィルムは、ハードコート層と、透明フィルムとして本発明のポリエステルフィルムとを有する。
 ハードコート層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法(真空成膜)のいずれで形成されてもよいが、生産性に優れるウェット塗布法により形成されることが好ましい。
 ハードコート層としては、例えば、特開2013-45045号公報、特開2013-43352号公報、特開2012-232459号公報、特開2012-128157号公報、特開2011-131409号公報、特開2011-131404号公報、特開2011-126162号公報、特開2011-75705号公報、特開2009-286981号公報、特開2009-263567号公報、特開2009-75248号公報、特開2007-164206号公報、特開2006-96811号公報、特開2004-75970号公報、特開2002-156505号公報、特開2001-272503号公報、WO12/018087、WO12/098967、WO12/086659、WO11/105594に記載のものを使用できる。
 本発明のポリエステルフィルムは、タッチパネル用センサーフィルムに用いることができる。タッチパネル用センサーフィルムは、ポリエステルフィルムに、ハードコート層、透明導電層が積層される。
 透明導電層を形成する一般的な方式としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、あるいはCVD法、塗工法、印刷法等がある。なお透明導電層の形成材としては特に制限されるものではなく、例えば、インジュウム・スズ複合酸化物(ITO)、スズ酸化物、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロムなどがあげられ、異なる形成材が重ねて形成されてもよい。また透明導電層は、透明導電層を形成する前に、透明性や光学特性等を向上させるためのアンダーコート層を設ける場合もある。さらに密着性を向上させるために、上記アンダーコート層とポリエステルフィルムとの間に単一の金属元素又は2種以上の金属元素の合金からなる金属層を設ける場合もある。金属層にはシリコン、チタン、錫及び亜鉛からなる群から選ばれた金属を用いることが望ましい。
 本発明のポリエステルフィルムは、ガラス飛散防止フィルムに用いることができる。ガラス飛散防止フィルムは、ポリエステルフィルムに、ハードコート層、粘着剤層が積層される。
 粘着剤層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法のいずれで形成されてもよい。粘着剤層を形成するには、溶剤系アクリルポリマーや溶剤系アクリルシロップ、無溶剤系アクリルシロップ、無溶剤ウレタンアクリレートなどのアクリル系粘着剤組成物が使用可能である。
[タッチパネル]
 本発明のポリエステルフィルムは、タッチパネルにおいて用いることができる。また、前述のハードコートフィルム、前述のタッチパネル用センサーフィルム、および前述のガラス飛散防止フィルムの少なくともいずれかをタッチパネルにおいて用いることができる。
 本発明のタッチパネルは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基板の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれでもよい。また投影型静電容量方式タッチパネルは、DC駆動よりAC駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
 以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
 なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
<原料ポリエステルの合成>
(原料ポリエステル1)
 以下に示すように、テレフタル酸及びエチレングリコールを直接反応させて水を留去し、エステル化した後、減圧下で重縮合を行なう直接エステル化法を用いて、連続重合装置により原料ポリエステル1(Sb触媒系PET)を得た。
(1)エステル化反応
 第一エステル化反応槽に、高純度テレフタル酸4.7トンとエチレングリコール1.8トンを90分かけて混合してスラリー形成させ、3800kg/hの流量で連続的に第一エステル化反応槽に供給した。更に三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を連続的に供給し、反応槽内温度250℃、攪拌下、平均滞留時間約4.3時間で反応を行なった。このとき、三酸化アンチモンはSb添加量が元素換算値で150ppmとなるように連続的に添加した。
 この反応物を第二エステル化反応槽に移送し、攪拌下、反応槽内温度250℃で、平均滞留時間で1.2時間反応させた。第二エステル化反応槽には、酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液と、リン酸トリメチルのエチレングリコール溶液を、Mg添加量およびP添加量が元素換算値でそれぞれ65ppm、35ppmになるように連続的に供給した。
(2)重縮合反応
 上記で得られたエステル化反応生成物を連続的に第一重縮合反応槽に供給し、攪拌下、反応温度270℃、反応槽内圧力20torr(2.67×10-3MPa)で、平均滞留時間約1.8時間で重縮合させた。
 更に、第二重縮合反応槽に移送し、この反応槽において攪拌下、反応槽内温度276℃、反応槽内圧力5torr(6.67×10-4MPa)で滞留時間約1.2時間の条件で反応(重縮合)させた。
 次いで、更に第三重縮合反応槽に移送し、この反応槽では、反応槽内温度278℃、反応槽内圧力1.5torr(2.0×10-4MPa)で、滞留時間1.5時間の条件で反応(重縮合)させ、反応物(ポリエチレンテレフタレート(PET))を得た。
 次に、得られた反応物を、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリエステルのペレット<断面:長径約4mm、短径約2mm、長さ:約3mm>を作製した。
 得られたポリマーは、IV=0.63であった(以降、PET1と略す)。このポリマーを原料ポリエステル1とした。
<ポリエステルフィルムの製造>
-フィルム成形工程-
 原料ポリエステル1(PET1)を、含水率20ppm以下に乾燥させた後、直径50mmの1軸混練押出機1のホッパー1に投入した。原料ポリエステル1は、300℃に溶融し、下記押出条件により、ギアポンプ、濾過器(孔径20μm)を介し、ダイから押出した。
 溶融樹脂の押出条件は、圧力変動を1%、溶融樹脂の温度分布を2%として、溶融樹脂をダイから押出した。具体的には、背圧を、押出機のバレル内平均圧力に対して1%加圧し、押出機の配管温度を、押出機のバレル内平均温度に対して2%高い温度で加熱した。
 ダイから押出した溶融樹脂は、温度25℃に設定された冷却キャストドラム上に押出し、静電印加法を用い冷却キャストドラムに密着させた。冷却キャストドラムに対向配置された剥ぎ取りロールを用いて剥離し、未延伸ポリエステルフィルム1を得た。
 得られた未延伸ポリエステルフィルム1は、固有粘度IV=0.62、長手方向の屈折率が1.573、結晶化度が0.2%であった。
 IVは、未延伸ポリエステルフィルム1を、1,1,2,2-テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])混合溶媒に溶解し、この混合溶媒中の25℃での溶液粘度から求めた。
 未延伸ポリエステルフィルムの屈折率は以下の方法で測定した。
 二枚の偏光板を用いて、未延伸ポリエステルフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)によって求めた。
 未延伸ポリエステルフィルムの結晶化度は以下の方法で測定した。
 結晶化度については、フィルムの密度から算出することができる。すなわち、フィルムの密度X(g/cm)、結晶化度0%での密度1.335g/cm、結晶化度100%での密度1.501g/cmを用いて下記計算式より結晶化度(%)を導出することができる。
 結晶化度={Z × (X-Y)}/{X × (Z-Y)}×100
 なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて測定を行った。
-横延伸工程-
 未延伸ポリエステルフィルム1を、フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有するテンター延伸機に導き、未延伸ポリエステルフィルム1の端部をクリップで把持しながら、下記の方法、条件にて横延伸した。
(予熱部)
 予熱温度を75℃とし、延伸可能な温度まで加熱した。
(延伸部)
 予熱された未延伸ポリエステルフィルム1を、幅方向に下記の条件ならびに延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅x’および延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離y’が下記式B1の関係を延伸中常に成立するように設定し、テンターを用いて横延伸および縦収縮を同時にした。
 <条件>
 ・延伸機の入口の幅x:900mm
 ・延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離y:150mm
 ・横延伸および縦収縮温度(横延伸および縦収縮中の延伸平均温度T1):75℃
 ・延伸中のポリエステルフィルムの最大幅xmax:4680mm
 ・横延伸倍率(xmax/x):5.2倍
 ・延伸中のポリエステルフィルムの最大幅xmax/2のときのx’:2340mm
 ・x’=xmax/2(=2340mm)のときの
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000026
:0.62
 ・延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値ymin:67.5mm
 ・縦延伸倍率(:縦収縮倍率;ymin/y):0.45倍
 ・x’=xmax/2(=2340mm)のときのy’:89mm
 ・x’=xmax/2(=2340mm)のときのy’/y:0.6倍
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000027
(熱固定部)
 次いで、フィルムに対して上下方向からの熱風を熱風吹き出しノズルからフィルムに当て、ポリエステルフィルムの膜面温度を下記範囲に制御しながら、熱固定処理を行った。
 <条件>
 ・クリップ間距離収縮率(=熱固定ゾーン出口での各レール上におけるクリップ間の距離/熱固定ゾーン入口での各レール上におけるクリップ間の距離):1.0倍(収縮なし)
 ・最高到達膜面温度(熱固定温度T2):167℃
 ・熱固定時間:15秒
 さらに、実施例1では、フィルム幅方向(TD方向)の両端部、具体的にはフィルム全幅に対して両端から幅方向の20%ずつの合計40%の部分を、フィルム成形工程でキャストドラムと接触したキャスト面側から、セラミック製の赤外線ヒーター(ヒーター表面温度:650℃)で輻射加熱した。このとき、ヒーターと、ポリエステルフィルムとの距離は、170mmとした。
(冷却部)
 次に、熱緩和は行わずに、熱固定後のポリエステルフィルムをフィルムのTD方向中央部の膜面温度(A)が80℃、クリップからフィルム幅方向に200mm離れた位置であるフィルムのTD方向端部の膜面温度(B)が88℃となる冷却温度にて冷却した。なお、フィルム中央部と端部の膜面温度は、フィルムを冷却する吹き出しノズルの端部側の所望の位置に1または複数の遮風板を付け、フィルム端部の冷却を緩やかにすることで制御した。
 冷却温度は、冷却部におけるフィルム膜面温度を意味し、95℃の冷風を上下の方向からあて、上記熱固定および熱緩和における端部への輻射加熱とあわせて、上記(B)-(A)の温度差を付与することができた。また、(B)-(A)の値を下記表1に記載した。
 その他の実施例および比較例においても、冷却温度は、クリップがフィルムを開放するときのフィルム膜面温度と同じ値とした。
(フィルムの開放)
 冷却後のフィルムをテンターのクリップから開放した。クリップがフィルムを開放するときのフィルムのTD方向中央部の膜面温度(A)は80℃、クリップからフィルム幅方向に200mm離れた位置であるフィルムのTD方向端部の膜面温度(B)が88℃であった。
 クリップがフィルムを開放するときのフィルムのTD方向中央部の膜面温度(A)は、放射温度計(林電工製、型番:RT61-2、放射率0.95で使用)により測定した。
 クリップがフィルムを開放するときの、クリップからフィルム幅方向に200mm離れた位置であるフィルムのTD方向端部の膜面温度(B)は、放射温度計(林電工製、型番:RT61-2、放射率0.95で使用)により測定した。
(フィルムの回収)
 冷却およびクリップからのフィルムの開放の後、ポリエステルフィルムの両端を20cmずつトリミングした。トリミング後のフィルム幅は、3mであった。その後、両端に幅10mmで押出し加工(ナーリング)を行なった後、張力18kg/mで、10000mの長さのフィルムをロール形態に巻き取った。
 以上のようにして、ロール形態で巻かれた、厚さ10μmの実施例1のポリエステルフィルムを製造した。
[実施例2~24、比較例1~8]
 実施例1において、ポリエステルフィルムの製造条件を下記表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2~24、比較例1~8のポリエステルフィルムを製造した。
 なお、横延伸工程の各製造条件および熱固定時のクリップ間距離収縮率は、テンターの設定を変更することにより制御した。なお、比較例5では、延伸中常に
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000028
を満たす条件にテンターの設定をし、比較例6では延伸中常に
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000029
を満たす条件にテンターの設定をした。
 実施例11、12、14、16、22、24および比較例8における熱固定時の最高到達膜面温度T2は、セラミック製の赤外線ヒーターの表面温度を変更することにより制御した。
 実施例2~24、比較例1~8のポリエステルフィルムの膜厚は、実施例1と同じ未延伸ポリエステルフィルム1を用いてポリエステルフィルムの製造条件を下記表1に記載のように変更するだけで下記表2に記載の範囲に制御できた。
[実施例25]
(原料ポリエステル2)
 乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン))10質量部、PET1(IV=0.63)90質量部を混合し、混練押出機を用い、PET1の作製と同様にしてペレット化して、紫外線吸収剤含有する原料ポリエステル2を得た(以降、PET2と略す)。
-フィルム成形工程-
 原料ポリエステル1(PET1)90質量部と、紫外線吸収剤を含有した原料ポリエステル2(PET2)10質量部を、含水率20ppm以下に乾燥させた後、直径50mmの1軸混練押出機1のホッパー1に投入し、押出機1で300℃に溶融した。下記押出条件により、ギアポンプ、濾過器(孔径20μm)を介し、ダイから押出した。
 溶融樹脂の押出条件は、圧力変動を1%、溶融樹脂の温度分布を2%として、溶融樹脂をダイから押出した。具体的には、背圧を、押出機のバレル内平均圧力に対して1%加圧し、押出機の配管温度を、押出機のバレル内平均温度に対して2%高い温度で加熱した。
 ダイから押出した溶融樹脂は、温度25℃に設定された冷却キャストドラム上に押出し、静電印加法を用い冷却キャストドラムに密着させた。冷却キャストドラムに対向配置された剥ぎ取りロールを用いて剥離し、未延伸ポリエステルフィルム2を得た。
 得られた未延伸ポリエステルフィルム2は、固有粘度IV=0.61、長手方向の屈折率が1.574、結晶化度が0.1%であった。
 得られた未延伸ポリエステルフィルム2を、実施例15と同じ条件で横延伸し、厚さ65μmの実施例25のポリエステルフィルムを製造した。
[フィルム物性]
<フィルム厚みの測定>
 得られた各実施例および比較例のポリエステルフィルムの厚みは、以下のようにして求めた。
 各実施例および比較例のポリエステルフィルムに対して、接触式膜厚測定計(アンリツ社製)を用い、縦延伸した方向(長手方向)に0.5mにわたり等間隔に50点をサンプリングし、さらにフィルム幅方向(長手方向に直交する方向)にフィルム全幅にわたり等間隔(幅方向に50等分)に50点をサンプリングした後、これらの100点の厚みを測定した。これら100点の平均の厚みを求め、ポリエステルフィルムの厚みとした。結果を、下記表2に示す。
<Re、Rth、Re/Rth>
 各実施例および比較例のフィルムに対し、特開2012-256057号公報の[0054]~[0055]に記載の方法でReおよびRthを測定し、Reと、Rthと、Re/Rthの値を表2に記載した。
<幅方向におけるMD熱収縮率および幅方向におけるMD熱収縮率ムラ>
 上記のようにして得たフィルムFを裁断し、フィルムFの、MD方向のフィルム長(L=26m)の半分となる位置におけるTD方向の両端部(フィルム端部から幅方向に10~40mmまでの30mmの部分)と、TD方向中央部の3種の試料片Mを作製した(フィルム幅方向の中心線を試料片の中心とする30mmの部分)。なお、3種の試料片Mは、TD方向30mm、MD方向120mmの大きさにした。
 3種の試料片Mに対し、MD方向で100mmの間隔となるように、2本の基準線を入れ、無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間放置した。この放置の後、3種の試料片Mを室温まで冷却して、2本の基準線の間隔を測定し、この値をA(単位;mm)とした。測定されたAおよび「100×(100-A)/100」の式から算出された数値をMD熱収縮率とした。
 フィルムFにおいてTD方向端部に位置した試料片Mを測定して得られたMD熱収縮率は、数値の大きいものをSS1、数値の小さいものをSS2とした。また、フィルムFにおいてTD方向の中央部に位置した試料片Mを測定して得られたMD熱収縮率をSCTとした。
 なお、SS1は、フィルム幅方向の端部のうち、フィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率(150℃、30分)が大きい側のポリエステルフィルムのフィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率[%]を表し、SS2は、フィルム幅方向の端部のうち、フィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率(150℃、30分)が小さい側のポリエステルフィルムのフィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率[%]を表す。SCTは、フィルム幅方向のフィルム中央部におけるポリエステルフィルムのフィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率(150℃、30分)[%]を表す。
(幅方向におけるMD熱収縮率)
 3点のMD熱収縮率SS1、SS2およびSCTの平均値を幅方向におけるMD熱収縮率とした。結果を、下記表2に示す。
(幅方向におけるMD熱収縮率ムラ)
 上記にて得られた3点のMD熱収縮率SS1、SS2およびSCTの最大値と最小値の差を、3点のMD熱収縮率SS1、SS2およびSCTの平均値で割り、百分率で示したものをMD方向の熱収縮率ムラ(変動割合)として求めた。結果を、下記表2に示す。
<平面性>
 延伸後、巻取り装置にて巻き取ったロールが巻き上がってから15分以内に、ロールの最も表層の部分(外巻き部分、巻き径が600mm)のフィルムを500mm四方に切り出した。
 切り出したフィルムを平面に置き、温度25℃、相対湿度60%の条件下で平面から最も高い部分の高さを測定した。
 結果を、下記表2に記載した。
[フィルム評価]
<キズ評価>
 製造したポリエステルフィルム表面のキズを目視試験及びオリンパス社製光学顕微鏡によって評価した。長さ方向500mm、全幅について目視検査を行い、見つけたキズを光学顕微鏡にて長さを測定した。また、キズの個数については、1mあたりの平均値を算出した。
 評価基準は以下の通りである。
A:長さ1mm以上のキズが10個/m未満。
B:長さ1mm以上のキズが10個/m以上20個/m未満。
C:長さ1mm以上のキズが20個/m以上。
 結果を、下記表2に示す。
[工程適性の評価]
<搬送適性>
 以下の基準で評価した結果を、下記表1に記載した。
A:巻取り長さ1000m以上、延伸後の搬送で部分的な割れ・破断が起こることなく搬送できる。
B:巻取り長さ1000m以内で延伸後の搬送で部分的な割れまたは破断が3箇所未満。
C:巻取り長さ1000m以内で延伸後の搬送で部分的な割れまたは破断が3箇所以上。
D:巻取り長さ100m以内で割れ・破断が発生する。
 結果を、下記表2に示す。
[偏光板および液晶表示装置の作製と液晶表示装置の虹ムラの評価]
 各実施例および比較例のポリエステルフィルムを用いて、各実施例および比較例の偏光板ならびに各実施例および比較例の液晶表示装置を作製し、評価を行った。
 特開2011-59488号公報の[0225]に従い、PVAを含む偏光子を調製した。
 下記セルロースアシレートフィルムを、特許4438270号の[0275](US2007/0178252の[0393]、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる)に準じてアルカリ水溶液に浸漬し鹸化処理した。
 特許4731143号の[0199]~[0202](US2008/0158483の[0412]~[0416]、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる)と同様にしてセルロースアシレートフィルムを調製した。
 各実施例および比較例のポリエステルフィルムと鹸化処理したセルロースアシレートの間に、上記偏光子を挟み、偏光子/ポリエステル間、セルロースアシレート/偏光子間に上に、PVA水溶液(完全鹸化型PVA5%水溶液)を塗布し、これらをニップロールで圧着し貼り合せた後、70℃で10分乾燥し偏光板を得た。
 得られた偏光板を、各実施例および比較例の偏光板とした。
 得られた偏光板2対を、液晶セルに対してポリエステルフィルムを外側とし、偏光子の吸収軸を直交配置として、連続光源(白色LED)または不連続光源(冷陰極管)をバックライトとして有する液晶表示装置に組み込み、光の透過度を50%となるように調整した。
 得られた液晶表示装置を、各実施例および比較例の画像表示装置とした。
<虹ムラの評価>
 一方から連続光源(白色LED)、不連続光源(冷陰極管)を用い、光を入射し、反対側から偏光サングラスを通して目視で発生した虹の本数を数えることで虹ムラを評価した。
 なお、虹ムラの評価は、偏光板の法線方向からと斜め方向(法線から45°)の両方から観察した。
A:虹ムラが全く見えない
B:虹ムラが見えない
C:虹ムラがほぼ見えない
D:虹ムラが見える
 結果を、下記表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000031
 上記表1および表2より、本発明のポリエステルフィルムは、キズが少なく、搬送時の割れや破断が少なく、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラの発生を抑制できることがわかった。
 一方、比較例1より、搬送方向に直交する方向への延伸倍率が本発明の下限値を下回る製造条件で製造した、Reが本発明の下限値を下回るポリエステルフィルムは、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラが発生することがわかった。
 比較例2より、搬送方向に直交する方向への延伸倍率が本発明の上限値を上回る製造条件で製造すると、延伸中に破断が発生し、フィルム作製できないことがわかった。
 比較例3より、搬送方向への収縮が本発明の上限値を上回る製造条件で製造した、Re/Rthが本発明の下限値を下回るポリエステルフィルムは、液晶表示装置に組み込んだときに虹ムラが発生することがわかった。
 比較例4より、搬送方向への収縮が本発明の下限値を下回る製造条件で製造した、平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが本発明の上限値を上回るポリエステルフィルムは、キズが多く、搬送時の割れや破断が多いことがわかった。
 比較例5より、式B1の左側の不等式を満たさない製造条件で製造した、平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが本発明の上限値を上回るポリエステルフィルムは、搬送時の割れや破断が多いことがわかった。
 比較例6より、式B1の右側の不等式を満たさない製造条件で製造した、平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが本発明の上限値を上回るポリエステルフィルムは、キズが多く、搬送時の割れや破断が多いことがわかった。
 比較例7より、厚みが本発明の下限値を下回るポリエステルフィルムは、搬送中の張力により破断してしまうことがわかった。
 比較例8より、配向方向と直交する方向の熱収縮率が本発明の上限値を上回るポリエステルフィルムは、搬送時の割れや破断が多いことがわかった。
 なお、本発明のポリエステルフィルムの製造方法で製造された各実施例のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率はいずれも1.590以下であり、結晶化度はいずれも5%を超えることを未延伸ポリエステルフィルム1および2と同様の方法で確認した。
 また、本発明のポリエステルフィルムの製造方法で製造された各実施例のポリエステルフィルムが一軸配向していることを、以下の方法で確認した。
 すなわち、長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をアッベ屈折率計で測定し、長手方向の屈折率が1.590以下であり、幅方向の屈折率がそれに比べて十分大きく、厚さ方向の屈折率がそれに比べて十分小さいことを確認することで、各実施例のポリエステルフィルムが一軸配向していることを確認した。

Claims (11)

  1.  厚みが10~150μmであり、
     面内方向のレターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthが3000~30000nmであり、
     Re/Rthが0.8を超え2.5以下であり、
     配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムであり、
     ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの最表層を巻き出して500mm四方に切り出したポリエステルフィルムを平面上に置いた場合のポリエステルフィルムの浮きが1.8mm以下であるポリエステルフィルム。
  2.  下記式Aで表される配向方向と直交する方向の熱収縮率ムラが0.4%以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
    式A:
    (配向方向と直交する方向の熱収縮率ムラ)=(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の最大値と最小値の差)/(配向方向の3点における、150℃で30分加熱した後の配向方向と直交する方向の熱収縮率の平均値)×100%
  3.  フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前記クリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前記クリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
     前記フィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たすポリエステルフィルムの製造方法;
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
    式B1、B2およびB3中、
    xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
    x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
    maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
    yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
    y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
    minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
  4.  フィルムを把持しながら一対のレール間を走行する複数のクリップを有する延伸機を用いて、各レール上において前記クリップ間の距離を縮めることによるフィルム搬送方向への収縮と、前記クリップが走行する一対のレール間の距離を広げることによるフィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に行う工程を含み、
     前記フィルム搬送方向への収縮率とフィルム搬送方向に直交する方向への延伸倍率が下記式B1の関係を延伸中常に満たし、かつ下記式B2および式B3を満たすポリエステルフィルムの製造方法であって、
     前記ポリエステルフィルムの厚みが10~150μmであり、
     前記ポリエステルフィルムの配向方向と直交する方向の熱収縮率が0.6%以下であるポリエステルフィルムの製造方法;
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
    式B1、B2およびB3中、
    xは延伸機の入口の幅を表し、単位はmmであり;
    x’は延伸中の各位置でのポリエステルフィルムの幅を表し、単位はmmであり;
    maxは延伸中のポリエステルフィルムの最大幅を表し、単位はmmであり;
    yは延伸機の入口での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
    y’は延伸中の各位置での各レール上におけるクリップ間の距離を表し、単位はmmであり;
    minは延伸中の各レール上におけるクリップ間の距離の最小値を表し、単位はmmである。
  5.  前記フィルム搬送方向への収縮と前記フィルム搬送方向に直交する方向への延伸とを同時に延伸平均温度T1で行った後、熱固定温度T2≧T1+30℃にて加熱する熱固定工程を含む請求項3または4に記載のポリエステルフィルムの製造方法;
    ただし、T1およびT2の単位は℃である。
  6.  前記熱固定を、フィルム搬送方向への収縮を行いながら行う請求項5に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  7.  前記熱固定温度T2がT1+50℃を超える請求項5または6に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  8.  偏光子と、請求項1または2に記載のポリエステルフィルムとを含む偏光板。
  9.  請求項1または2に記載のポリエステルフィルム、または、請求項8に記載の偏光板を備える画像表示装置。
  10.  請求項1または2に記載のポリエステルフィルムを含むハードコートフィルム。
  11.  請求項1または2に記載のポリエステルフィルム、請求項8に記載の偏光板、または請求項10に記載のハードコートフィルムを備えるタッチパネル。
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