JP6123069B2 - パルスアーク溶接制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接ワイヤと溶接対象物との間にピーク電流とベース電流とをパルス状に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法に関するものである。
パルスアーク溶接に関し、様々な手法により、アークの安定化や溶接欠陥の防止や美麗なビード外観を実現するように工夫されている。
パルス電流に同期させて溶接ワイヤの送給速度を変化させ、溶滴の離脱を誘発する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、ピーク電流期間中に溶滴の離脱を誘発している。しかし、ピーク電流期間中はアーク反力も強く、離脱し難い状態であり、ビード止端部が不揃いになってしまう。
特開昭60−180675号公報
パルスアーク溶接において、溶滴が離脱する際の短絡を防止するため、アーク長を長く設定する必要がある。この場合、溶滴はスプレー移行するため、短絡は発生しない。しかし、アーク長を長くすると、溶接電圧が高くなる。そのため、母材への入熱が増え、母材の溶け落ちが発生する場合がある。また、アークが広がるため、アンダーカットと呼ばれる溶接欠陥が発生する場合もある。
一方、アーク長を短く設定した場合、溶滴が離脱する際に短絡が発生し、スパッタが多量に発生してしまうという課題がある。
本発明は、パルスアーク溶接において、溶滴の離脱が生じると考えられる溶滴離脱予測期間と、溶滴離脱予測期間以外の期間であるワイヤ予熱期間との2つの期間に分類して考え、ワイヤ予熱期間では、アーク長が極力短くなるように溶接電圧を設定してアンダーカット等の溶接欠陥を防止し、溶滴離脱予測期間では、溶接ワイヤの送給速度を、ワイヤ予熱期間における送給速度よりも低減もしくは溶接ワイヤを引き上げる方向に逆送制御することで、短絡の発生を抑制し、スパッタの発生量を極力低減するパルスアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のパルスアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤと溶接対象物との間に溶接電流における、ピーク電流のピーク電流期間とベース電流のベース電流期間とをパルス状に交互に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、前記ピーク電流期間中の第1の時点から前記ベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のパルスアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤと溶接対象物との間にピーク電流とベース電流とをパルス状に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、
ピーク電流期間中の第1の時点からベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とし、第2の時点は、ピーク電流の立ち下がり時点から第2の所定時間が経過した時点であり、第2の所定時間中に溶接ワイヤと溶接対象物との短絡を検出すると、前記溶接ワイヤの送給速度を更に減速する、あるいは、前記溶接ワイヤの逆送量を更に大きくするものである。
上記課題を解決するために、本発明のパルスアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤと溶接対象物との間にピーク電流とベース電流とをパルス状に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、
ピーク電流期間中の第1の時点からベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とし、ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度と同じ送給速度で溶接ワイヤを送給しているときに、前記溶接ワイヤと溶接対象物との短絡を検出すると、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とするものである。
本発明によれば、パルスアーク溶接の出力波形制御に加え、ワイヤ送給速度制御を行うことにより、アーク長を極力短く保つことができ、アンダーカット等の溶接欠陥が生じ難く、かつ、スパッタ発生量を低減でき、良好なビード外観を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるパルスアーク溶接機の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1における溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャート 本発明の実施の形態2における溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャート 本発明の実施の形態2におけるベース電流期間と第1の所定時間との関係を示す図 本発明の実施の形態3における溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャート 本発明の実施の形態4におけるパルスアーク溶接機の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4における溶接電流と溶滴離脱検出信号とワイヤ送給速度のタイムチャート 本発明の実施の形態5におけるパルスアーク溶接機の概略構成を示す図 本発明の実施の形態5における溶接電流と短絡検出信号とワイヤ送給速度のタイムチャート 本発明の実施の形態6におけるパルスアーク溶接機の概略構成を示す図 本発明の実施の形態6における溶接電流と短絡検出信号とワイヤ送給速度のタイムチャート
(実施の形態1)
図1と図2を用いて本実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態1における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図2は、本実施の形態1におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。
図1に示すパルスアーク溶接機は、3相交流入力1から入力した交流電力を1次側整流器2により全波整流し、平滑コンデンサ3により平滑して直流電力に変換する。スイッチング部4によるインバータ制御により直流電力を交流電力に変換し、溶接トランス5を介してアーク溶接に適した溶接電圧に降圧する。溶接トランス5の出力は、2次側整流器6とリアクトル7により全波整流され、溶接チップ8を介して陽極の消耗電極となる溶接ワイヤ9に通電される。溶接ワイヤ9は、ワイヤ送給モータ11により送給され、溶接チップ8から給電され、溶接対象物である母材10との間にアーク26を発生させてアーク溶接を行う。
なお、溶接チップ8は、図示しない溶接用トーチ内に設けられている。そして、この溶接用トーチは、例えば、図示しない産業用ロボットのマニピュレータに取り付けられ、溶接線に沿って移動される。
アーク溶接では、アーク長を一定に保つ制御を行っている。電圧検出器12によりフィードバックされたアーク電圧と、電圧設定部13で予め設定された設定電圧とが、パルス電流パルス時間設定部14において比較される。また、パルス電流パルス時間設定部14には、電流検出器15により検出された電流値もフィードバックされる。パルス電流パルス時間設定部14は、入力された情報等に基づいて必要なパルス電流やパルス時間等を再設定し、インバータ駆動回路16を介してスイッチング部4を駆動してインバータ制御を行い、必要な溶接電力を得る。
ワイヤ送給モータ11は、ワイヤ送給モータ駆動回路17を介して駆動される。基本的には、ワイヤ送給速度は、ワイヤ送給速度WF1設定部18により設定されたワイヤ送給速度WF1となっている。溶接ワイヤ9は、母材10へ向けて送給され、アーク溶接を行う。なお、詳細は後述するが、ワイヤ送給速度WF2設定部21には、ワイヤ送給速度WF1よりも遅いワイヤ送給速度WF2が設定されている。
上記のように構成されたパルスアーク溶接機によるパルスアーク溶接制御方法について、説明する。なお、本実施の形態1のパルスアーク溶接では、溶滴の離脱が生じると考えられる溶滴離脱予測期間と、溶滴離脱予測期間以外の期間であるワイヤ予熱期間の2つの期間を定義して説明する。本実施の形態1では、この2つの期間に分けて溶接ワイヤ9の送給制御を行う。
ワイヤ予熱期間では、ワイヤ送給速度の設定が、ワイヤ送給速度WF1設定部18側に設定されており、ワイヤ送給速度WF1で溶接ワイヤ9を送給しながら、パルス電流パルス時間設定部14で設定されたピーク電流Ipの出力を開始する。切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14により設定されたピーク電流Ipの立ち上がりを受け、第1の所定時間設定部19で設定された第1の所定時間t1が経過すると、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替える。なお、切替制御部27は、計時機能や、所定の時間が経過したか否かを判断する判断機能等を備えている。また、ワイヤ送給速度WF2設定部21に設定されるワイヤ送給速度WF2は、ワイヤ送給速度WF1よりも低い値(遅い値)が設定されるか、もしくは、溶接ワイヤ9を母材10から引き離す方向へ送給する逆送のワイヤ送給速度が設定されている。
パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を開始した後、ピーク電流期間Tpが経過すると、ベース電流Ibを流すベース期間に移行する。切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14からピーク電流Ipの立下りを受け、第2の所定時間設定部22に設定されている第2の所定時間t2が経過した後、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF1設定部18側に切り替える。すなわち、ワイヤ予熱期間における高いワイヤ送給速度側に切り替える。
本実施の形態1のパルスアーク溶接では、溶滴が離脱するタイミング(期間)を予め予測しておき、ピーク電流Ipの立ち上がりから第1の所定時間t1が経過した時点tAから、ピーク電流Ipの立下りから第2の所定時間t2が経過した時点tBまでの所定期間t3の間は、ワイヤ送給速度を低減する、あるいは、ワイヤ送給速度を逆送とし、この状態で溶滴を離脱させ、スパッタの発生量の低減を図る。なお、所定期間t3が溶滴離脱予測期間であり、所定期間t3以外の期間がワイヤ予熱期間である。
以上のように、本実施の形態1のアーク溶接制御方法では、溶滴が離脱することが予測される所定期間t3の間は、ワイヤ送給速度WFを、ピーク電流の立ち上がり時点のワイヤ送給速度であるワイヤ送給速度WF1よりも低いワイヤ送給速度WF2、あるいは、溶接ワイヤ9を母材から引き離す方向に送給する逆送であるワイヤ送給速度WF2とする。このようにすることで、溶滴が離脱しようとする際に、溶接ワイヤ9と母材10との距離を長い状態に保ち、溶滴と母材10とが接触することを防ぎ、溶滴が離脱する前に溶滴と母材10とが接触することにより発生するスパッタを抑制することができる。
なお、所定期間t3は、ピーク電流期間Tp中の第1の時点(時点tA)からベース電流期間中の第2の時点(tB)までの期間である。そして、第1の時点は、ピーク電流Ipの立ち上がり時点から第1の所定時間t1が経過した時点である。また、第2の時点は、ピーク電流Ipの立ち下がり時点から第2の所定時間t2が経過した時点である。
なお、溶滴が離脱することが予測される所定期間t3や、第1の所定時間t1や、第2の所定時間t2等は、例えば、実験等により予め求めておくものである。
また、本実施の形態1では、所定期間t3や、第1の所定時間t1や、第2の所定時間t2を、一定の値とした例を示している。
(実施の形態2)
図1と図3と図4を用いて、本実施の形態2について説明する。本実施の形態2において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図1は、本実施の形態2における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図3は、本実施の形態2におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。図4は、本実施の形態2におけるベース電流期間と第1の所定時間との関係を示す図である。実施の形態1と異なる主な点は、ベース電流期間に応じて第1の所定時間を変更するようにした点である。
図3に示すように、パルスアーク溶接制御において、アーク長一定制御により、ベース電流Ibを流すベース電流期間Tbが変化する場合がある。ベース電流Ibを流すベース電流期間Tbがベース電流期間Tb1の場合、切替制御部27は、ピーク電流Ipの立ち上がりを受けて第1の所定時間設定部19で設定された第1の所定時間t1が経過した後、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替え、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度WF1からワイヤ送給速度WF2に低減する。
しかし、図3に示すように、ベース電流期間Tb1の次のベース電流期間であるベース電流期間Tb2が、ベース電流期間Tb1よりも長くなった場合、第1の所定時間設定部19で設定されるピーク電流Ipの立ち上がりからワイヤ送給速度をWF2に低減するまでの第1の所定時間t4は、前回のピーク電流Ipの立ち上がりからワイヤ送給速度をWF2に低減するまでの第1の所定時間t1よりも短く設定する。これは、ベース電流Ibを流すベース電流期間Tb2における溶接ワイヤ9の予熱が大きくなるため、溶滴が離脱するタイミングが早くなることを想定しているためである。なお、第1の所定時間t4は、ベース電流期間に基づいて、第1の所定時間設定部19において計算される。
逆に、図示していていないが、ベース電流期間Tb1の次のベース電流期間であるベース電流期間Tb3が、ベース電流期間Tb1よりも短くなった場合、第1の所定時間設定部19で設定される第1の所定時間は、前回のピーク電流Ipの立ち上がりからワイヤ送給速度をWF2に低減するまでの第1の所定時間t1よりも長く設定する。これは、ベース電流Ibを流すベース電流期間Tb3での溶接ワイヤ9の予熱が小さくなるため、溶滴が離脱するタイミングが遅くなることを想定しているためである。なお、第1の所定時間は、上記と同様、ベース電流期間に基づいて、第1の所定時間設定部19において計算される。
以上のように、本実施の形態2では、第1の所定時間設定部19で設定される第1の所定時間を、前回のベース電流期間Tbに基づいて変更可能とし、設定するものである。具体的には、図4に示すような、ベース電流期間Tbと第1の所定時間との関係を第1の所定時間設定部19に記憶しておき、第1の所定時間設定部19において、ベース電流期間Tbに基づいて第1の所定時間を決定するものである。このように、第1の所定時間を制御することで、アーク長を短く制御することができる。
(実施の形態3)
図1と図5を用いて、本実施の形態3について説明する。本実施の形態3において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図1は、本実施の形態3における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図5は、本実施の形態3におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。
実施の形態1と異なる主な点は、溶滴離脱予測期間である所定期間t3を、実施の形態1で説明したものよりも短くした点である。
溶滴の離脱は、溶接電流をピーク電流Ipからベース電流Ibに低下した後のベース電流期間Tb、あるいは、溶接電流をピーク電流Ipからベース電流Ibに低下する過渡期を含め、アーク力が低減し、溶滴へのアーク反力が低減した時に主に発生する。よって、図5に示すように、ピーク電流Ipの立下りの極直前からピーク電流Ipの立下りの極直後までの期間Tdの間のみ、ワイヤ送給速度切替部20を、ワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替える。このようにすることで、必要最小限の溶滴離脱予測期間で、スパッタ抑制等の効果を得ることができる。そして、溶滴離脱予測期間が短いと、送給速度を高めることができる。また、本実施の形態3では、ワイヤ送給速度WF2の期間Tdは、ピーク電流期間Tpよりも短くなるように制御している。
なお、上述したピーク電流Ipの立下りの極直前とは、ピーク電流の開始を基準とした場合、例えば、ピーク電流期間Tpの85%から95%の間の時点である。また、上述したピーク電流Ipの立下りの極直後とは、ベース電流の開始を基準とした場合、例えば、ベース電流期間の5%から15%の間の時点である。
(実施の形態4)
図6と図7を用いて、本実施の形態4について説明する。本実施の形態4において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図6は、本実施の形態4における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図7は、本実施の形態4におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。実施の形態1と異なる主な点は、溶滴離脱検出部23を設け、溶滴の離脱の検出に基づいてワイヤ送給速度を切り替えるようにした点である。
ワイヤ予熱期間では、ワイヤ送給速度が、ワイヤ送給速度WF1設定部18側に設定されており、ワイヤ送給速度WF1で溶接ワイヤ9を送給しながら、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を開始する。切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14により設定されたピーク電流Ipの立ち上がりを受け、第1の所定時間設定部19で設定された第1の所定時間t1が経過すると、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替え、溶滴の離脱を待機する。その後、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を継続した後、ピーク電流期間Tpが経過すると、ベース電流Ibに移行し、アーク反力が低減したことにより溶滴が離脱する。
ここで、上記の実施の形態1では、溶滴が離脱した後もパルス電流パルス時間設定部14によりベース電流Ibの出力を継続し、ピーク電流Ipの立下り時点から第2の所定時間t2が経過すると、ワイヤ送給速度を、ワイヤ送給速度WF2からワイヤ送給速度WF1へ切り替える。すなわち、定常溶接時の高いワイヤ送給速度側に切り替える。
しかし、本実施の形態4では、切替制御部27は、溶滴離脱検出部23から溶滴が離脱したことを意味する溶滴離脱信号Rd(ON)を受けた場合、第2の所定時間t2の経過を待たずに、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF1設定部18側、すなわち、ワイヤ予熱期間におけるワイヤ送給速度である高いワイヤ送給速度側に切り替える。これにより、ワイヤ送給速度の低下期間を最小限に抑えることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5について、図8と図9を用いて説明する。本実施の形態5において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図8は、本実施の形態5における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図9は、本実施の形態5におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。実施の形態1と異なる主な点は、短絡検出部24とワイヤ送給速度WF3設定部25とを設け、短絡の検出に基づいてワイヤ送給速度を切り替えるようにした点である。
ワイヤ予熱期間では、切替制御部27により、ワイヤ送給速度は、ワイヤ送給速度WF1設定部18側に設定されている。そして、ワイヤ送給速度WF1で溶接ワイヤ9を送給しながら、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を開始する。切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14により設定されたピーク電流Ipの立ち上がりを受け、第1の所定時間設定部19で設定された第1の所定時間t1の経過後、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替える。ワイヤ送給速度WF2は、ワイヤ送給速度WF1よりも低い値が設定される。あるいは、ワイヤ送給速度WF2は、逆送するワイヤ送給速度が設定される。
その後、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を継続し、ピーク電流期間Tpが経過すると、ベース電流Ibを出力するベース電流期間Tbに移行し、アーク反力が低減したことにより溶滴が離脱する。
ここで、溶滴離脱時は、スプレー移行することが望ましい。しかし、ピーク電流Ipの立下りを受け、第2の所定時間設定部22により設定された第2の所定時間t2中に、短絡が発生する場合もある。第2の所定時間t2中に、短絡検出部24により短絡が発生したことを意味する短絡検出信号Sd(ON)が出力された場合は、図9に示すように、切替制御部27は、ワイヤ送給速度切替部20を、ワイヤ送給速度がワイヤ送給速度WF2よりもさらに低減したワイヤ送給速度WF3設定部25側に切り替え、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度WF3へさらに低減し、スパッタ発生量を極少化する。なお、ワイヤ送給速度WF2が逆送である場合には、短絡検出信号Sd(ON)が出力されると、ワイヤ送給の逆送量が多くなるように制御する。
その後、短絡が開放し、短絡検出部24による短絡検出信号Sdの終了後(短絡検出信号SdがOFF)は、切替制御部27は、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF1設定部18側に切り替える。これにより、スパッタ発生量を抑制することが可能となる。
(実施の形態6)
本実施の形態6について、図10と図11を用いて説明する。本実施の形態6において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図10は、本実施の形態6における消耗電極式の直流のパルスアーク溶接機の概略構成を示す図である。図11は、本実施の形態6におけるパルス溶接電流とワイヤ送給速度のタイムチャートである。実施の形態1と異なる主な点は、短絡検出部24を設け、短絡の検出に基づいてワイヤ送給速度を切り替えるようにした点である。
ワイヤ予熱期間では、ワイヤ送給速度は、ワイヤ送給速度WF1設定部18側に設定されており、ワイヤ送給速度WF1で溶接ワイヤ9を送給しながら、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を開始する。切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14により設定されたピーク電流Ipの立ち上がりを受け、第1の所定時間設定部19で設定された第1の所定時間t1が経過した後、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替える。ワイヤ送給速度WF2は、ワイヤ送給速度WF1よりも低い値が設定される。もしくは、ワイヤ送給速度WF2は、逆送するワイヤ送給速度が設定される。
その後、パルス電流パルス時間設定部14によりピーク電流Ipの出力を継続し、ピーク電流期間Tpが経過すると、ベース電流Ibを出力するベース電流期間Tbに移行し、アーク反力が低減したことにより溶滴が離脱する。
ところが、ベース電流期間中に溶滴の離脱が完了しないまま次のピーク電流Ipが出力された場合などは、ワイヤ送給速度WF1設定部18側に設定された状態で、ワイヤ送給速度WF1で溶接ワイヤ9を送給している間に短絡が発生してしまう場合がある。
そこで、本実施の形態6では、ワイヤ送給速度切替部20がワイヤ送給速度WF1設定部18側に切り替わっている間に、短絡検出部24により短絡が発生したことを意味する短絡検出信号Sd(ON)が出力された場合には、切替制御部27は、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF2設定部21側に切り替え、短絡をスムーズに開放するものである。
その後、短絡が開放して短絡検出部24による短絡検出信号Sdの終了後(短絡検出信号SdがOFF)は、切替制御部27は、ワイヤ送給速度切替部20をワイヤ送給速度WF1設定部18側に切り替え、次回のピーク電流Ipの立ち上がりを受けるまでは、ワイヤ送給速度WF1設定部18側を継続する。
その後、切替制御部27は、パルス電流パルス時間設定部14により設定された次のピーク電流Ipの立ち上がりを受け、第1の所定時間t1が経過するまではワイヤ送給速度WF1を継続し、第1の所定時間t1が経過するとワイヤ送給速度をワイヤ送給速度WF2とし、パルス電流パルス時間設定部14により設定されたピーク電流Ipの立ち下がりを受け、第2の所定時間t2が経過すると、ワイヤ送給速度をワイヤ送給速度WF2からワイヤ送給速度WF1に戻す。
以上のように、本実施の形態6によれば、例えば溶滴の離脱の規則性が乱れた場合でも、スパッタ発生量を極少化することが可能となる。
なお、本実施の形態6において、ワイヤ送給速度WF2は、ピーク電流Ipの立ち上がり時点の送給速度であるワイヤ送給速度WF1よりも低い速度としても良いし、あるいは、溶接ワイヤ9を母材10から引き離す方向に送給する逆送としても良い。
なお、上記した本実施の形態1から実施の形態6を、適宜組み合わせて実施するようにしても良い。
本発明は、アーク長を極力短く保つことができ、アンダーカット等の溶接欠陥が生じ難く、かつ、スパッタ発生量を低減でき、良好なビード外観を得ることができるので、溶滴の離脱移行を行うパルスアーク溶接制御方法等として産業上有用である。
1 3相交流入力
2 1次側整流器
3 平滑コンデンサ
4 スイッチング部
5 溶接トランス
6 2次側整流器
7 リアクトル
8 溶接チップ
9 溶接ワイヤ
10 母材
11 ワイヤ送給モータ
12 電圧検出器
13 電圧設定部
14 パルス電流パルス時間設定部
15 電流検出器
16 インバータ駆動回路
17 ワイヤ送給モータ駆動回路
18 ワイヤ送給速度WF1設定部
19 第1の所定時間設定部
20 ワイヤ送給速度切替部
21 ワイヤ送給速度WF2設定部
22 第2の所定時間設定部
23 溶滴離脱検出部
24 短絡検出部
25 ワイヤ送給速度WF3設定部
26 アーク
27 切替制御部

Claims (9)

  1. 溶接ワイヤと溶接対象物との間に溶接電流における、ピーク電流のピーク電流期間とベース電流のベース電流期間とをパルス状に交互に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、
    前記ピーク電流期間中の第1の時点から前記ベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とするパルスアーク溶接制御方法。
  2. 溶接ワイヤと溶接対象物との間にピーク電流とベース電流とをパルス状に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、
    ピーク電流期間中の第1の時点からベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とし、第2の時点は、ピーク電流の立ち下がり時点から第2の所定時間が経過した時点であり、第2の所定時間中に溶接ワイヤと溶接対象物との短絡を検出すると、前記溶接ワイヤの送給速度を更に減速する、あるいは、前記溶接ワイヤの逆送量を更に大きくするパルスアーク溶接制御方法。
  3. 溶接ワイヤと溶接対象物との間にピーク電流とベース電流とをパルス状に繰り返し供給するパルスアーク溶接制御方法であって、
    ピーク電流期間中の第1の時点からベース電流期間中の第2の時点までの所定期間の間は、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とし、ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度と同じ送給速度で溶接ワイヤを送給しているときに、前記溶接ワイヤと溶接対象物との短絡を検出すると、前記溶接ワイヤの送給速度を、前記ピーク電流の立ち上がり時点の送給速度よりも低くする、あるいは、前記溶接ワイヤを前記溶接対象物から引き離す方向に送給する逆送とするパルスアーク溶接制御方法。
  4. 第1の時点は、ピーク電流の立ち上がり時点から第1の所定時間が経過した時点である請求項1から3のいずれかに記載のパルスアーク溶接制御方法。
  5. 第1の所定時間は、パルスの周期毎に異なる、あるいは、パルスの周期毎に同一である請求項記載のパルスアーク溶接制御方法。
  6. 第2の時点は、ピーク電流の立ち下がり時点から第2の所定時間が経過した時点である請求項1または記載のパルスアーク溶接制御方法。
  7. 溶滴の離脱を検出すると、第2の所定時間の経過を待たずに、送給速度を変更前の送給速度に戻す請求項記載のパルスアーク溶接制御方法。
  8. 第2の所定時間中に溶接ワイヤと溶接対象物との短絡を検出すると、前記溶接ワイヤの送給速度を更に減速する、あるいは、前記溶接ワイヤの逆送量を更に大きくする請求項またはに記載のパルスアーク溶接制御方法。
  9. 所定期間は、ピーク電流期間よりも短い期間である請求項1または2に記載のパルスアーク溶接制御方法。
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