JP6152588B2 - アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Download PDF

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本発明は、短絡状態とアーク状態とを交互に発生させて溶接を行うアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置に関する。
ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接を行う従来のアーク溶接において、アーク期間は電圧制御を行い、短絡期間は電流制御を行うことが一般的であった。しかし、このような一般的な溶接方法では、スパッタの発生量が多い。従って、スパッタを低減するために、種々の方法が提案されてきた。
例えば、短絡が開放されてアーク期間となり、このアーク期間の初期において、所定の期間は、電流制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電流制御を行う場合の電流値は、従来から行われているアーク期間における電圧制御に基づいて出力される電流値よりも高い電流値となるように制御される。これにより、アーク期間初期の短絡発生を抑制し、スパッタを低減している。
図5は、特許文献1に記載の溶接出力制御方法で溶接を行った場合の電流波形の例を示す図である。横軸に経過時間、縦軸に溶接電流を示している。図5において、短絡期間101は、ワイヤと母材とが短絡している期間である。アーク期間102は、ワイヤと母材との間でアークが発生している期間である。アーク再発生時点103は、短絡が開放してアークが再発生する時点である。アーク再発生直前電流104は、アークが再発生する直前で電流を急減する前の電流である。アーク再発生初期電流107は、アークが再発生した初期の期間の電流である。アーク初期制御時間108は、電流制御を行う期間である。
図5で示す電流波形について、時間の経過ごとの制御方法と関連させて説明する。
図5において、アーク再発生時点103を時間起点とし、アーク初期制御時間108を設定する。アーク初期制御時間108における溶接出力電流がアーク再発生初期電流107となるように制御する。この時、制御目標として設定するアーク再発生初期電流107は、アーク再発生直前電流104よりも高い値である。アーク再発生初期電流107は、設定電流あるいは設定電圧、あるいはその他のワイヤ送給速度、シールドガス種類、ワイヤ種類、ワイヤ径、溶接法などのうちの少なくとも1つに基づいて設定される。そして、アーク初期制御時間108の経過後は、電圧制御に切り替える。
なお、アーク初期制御時間108より前のアーク再発生直前に、溶接電流を急峻に低下するように制御している。すなわち、アーク再発生時点103でアークが再発生する直前に、溶接電流を急峻に低下させることで、スパッタを低減させることができる。
以上のように、アーク再発生からの所定の期間では、アーク再発生初期電流107をアーク再発生直前の電流値よりも高い電流値に制御する。これにより、アーク再発生直後のアーク長を確保することができ、短絡の発生を抑制してスパッタの発生を抑制する効果がある。
特開2006−021227号公報
特許文献1によれば、アーク再発生直後のアーク長を確保できる。従って、アーク再発生直後の短時間短絡、すなわち、微小短絡の発生を抑制することができ、スパッタの発生が抑制される。しかしながら、微小短絡は、溶接対象物の材質やワイヤの材質や溶接状態等によっては、特許文献1の制御を行っても依然として発生する場合がある。そして、微小短絡の発生頻度が高いと、スパッタが多量に発生してしまう。
また、短絡状態とアーク状態とを交互に発生させて溶接を行うアーク溶接制御方法において、アーク期間中に溶滴を離脱させる場合、溶滴を離脱移行させる時期を一定に制御することは難しく、そのため、短絡発生時のワイヤの先端の状態がバラツク。従って、短絡発生時にスパッタが多量に発生してしまう。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接制御方法は、短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接を行うアーク溶接制御方法であって、前記アーク期間において、第1の所定期間の間は短絡期間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持し、前記第1の所定期間の後の第2の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低い溶接電流を維持し、前記第2の所定期間の後の第3の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低く前記第2の所定期間の間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第1の所定期間の間に1回以上の溶滴の離脱移行を行うものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第3の所定期間の間は溶滴の離脱移行を行わないものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第2の所定期間の間に1回の溶滴の離脱移行を行うものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第2の所定期間の間の溶接電流は、短絡期間においてくびれを検出して電流を急減する際の急減を開始した時点の電流の大きさよりも低い値としたものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第1の所定期間の開始時点は、アーク期間の開始時点と同じ時点であり、第3の所定期間の終了時点は、前記アーク期間の終了時点と同じ時点としたものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、溶接ワイヤの送給を、所定の周期と所定の振幅で周期的に行うものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、溶接対象物は、アルミを主成分とするものである。
また、本発明のアーク溶接装置は、短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、前記溶接電圧検出部の検出結果に基づいて前記短絡期間であるのか前記アーク期間であるのかを判断する判断部と、時間を計時する計時部と、前記判断部の出力と前記計時部の出力に基づいて前記アーク期間における溶接電流を制御するアーク制御部を備え、前記アーク制御部は、前記アーク期間において、第1の所定期間の間は短絡期間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持し、前記第1の所定期間の後の第2の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低い溶接電流を維持し、前記第2の所定期間の後の第3の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低く前記第2の所定期間の間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持するように溶接電流を制御するものである。
また、本発明のアーク溶接装置は、上記に加えて、
溶接ワイヤの送給を制御する送給制御部を備え、前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給を、所定の周期と所定の振幅で周期的に行うものである。
以上のように、本発明によれば、アーク期間中に溶接電流を低減する第2の所定期間を設け、第1の所定期間の電流から電流を低減した時期である微小短絡が発生し易い時期に電流を低減することにより、微小短絡によるスパッタの発生を抑制することができる。
また、アーク期間中に溶滴を離脱させる場合、アーク期間中に溶接電流を低減する第2の所定期間を設けることで、アークの指向性を弱め、溶滴を離脱させることが可能となる。これにより、溶滴の離脱移行の時期を制御でき、安定した溶接が可能になる。そして、ワイヤの先端の形状を一定にすることができ、次の短絡発生時のスパッタを低減することができる。
本発明の実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1における溶接電圧と溶接電流の時間波形を示す図 本発明の実施の形態2における溶接電圧と溶接電流の時間波形を示す図 本発明の実施の形態3におけるワイヤ送給速度を示す図 従来の溶接出力制御方法で溶接を行った場合の溶接電流の時間波形を示す図
(実施の形態1)
本実施の形態について、図1と図2を用いて説明する。図1は、アーク溶接装置の概略構成を示す図である。図2は、溶接電圧と溶接電流の時間波形を示す図である。
図1に示すアーク溶接装置において、入力電源1から入力した電力は、1次整流部2で整流される。1次整流部2の出力は、スイッチング部3により交流に変換される。変換された交流電圧は、トランス4により降圧され、2次整流部5およびインダクタであるDCL6により整流され、溶接ワイヤ20と溶接対象物である被溶接物23との間に印加され、溶接アーク22が発生する。なお、溶接ワイヤ20は、ワイヤ送給モータ19によって溶接チップ21の中を送給される。また、溶接対象物である被溶接物23は、例えば、アルミを主成分とする部材である。
また、アーク溶接装置は、スイッチング部3を制御するための駆動部18と、溶接出力電流を検出する溶接電流検出部7と、溶接用電源出力端子間に接続されている溶接電圧検出部8と、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて短絡状態であるのかアーク状態であるのかを判定する短絡/アーク検出部9と、短絡/アーク検出部9から短絡状態であることを示す信号を受けて短絡期間中に短絡電流の制御を行う短絡制御部10と、短絡/アーク検出部9からアーク状態であることを示す信号を受けてアーク期間中にアーク電流の制御を行うアーク制御部12と、を備えている。
設定部24は、設定電流、設定電圧、ワイヤ送給量、シールドガス種類、ワイヤ種類、ワイヤ径、及び溶接法等の設定条件により種々のパラメータを設定する。
短絡制御部10は、短絡電流制御部11を有している。短絡電流制御部11は、短絡/アーク検出部9から短絡状態であることを示す信号と、設定部24からの信号を受けて、設定部24によって設定された電流値となるように短絡電流を制御する。
一方、アーク制御部12は、計時部13と、アーク電流切替え部14と、第1のアーク電流制御部15と、第2のアーク電流制御部16と、第3のアーク電流制御部17と、を有している。計時部13は、短絡/アーク検出部9からアーク状態であることを示す信号を受けるとアーク期間の時間を計時する。アーク電流切替え部14は、計時部13からの信号を受けて、設定部24によって設定された時間が経過すると、アーク期間中の電流を切替える。第1のアーク電流制御部15と、第2のアーク電流制御部16と、第3のアーク電流制御部17は、設定部24とアーク電流切替え部14からの信号を受け、設定部24によって設定された電流値となるようにアーク電流を制御する。
なお、図1で示したアーク溶接装置を構成する各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成するようにしてもよい。
以上のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。図2は、実施の形態1における溶接電圧と溶接電流の時間波形を示す図である。図2において、横軸は経過時間を示しており、縦軸は溶接電圧および溶接電流を示している。図2において、短絡期間Tsは、溶接ワイヤ20と被溶接物23とが短絡している期間である。アーク期間Taは、溶接ワイヤ20と母材である被溶接物23との間で溶接アーク22が発生している期間である。アーク再発生時点T0は、短絡が開放してアークが再発生する時点である。第1のアーク電流制御期間T1は、アーク期間における第1の電流制御期間である。第2のアーク電流制御期間は、第1のアーク電流制御期間T1の後の第2の電流制御期間である。第3のアーク電流制御期間は、第2のアーク電流制御期間T2の後の第3の電流制御期間である。微小短絡発生時点T4は、アーク期間Taにおいて微小短絡が発生した時点である。なお、後述する第1のアーク電流とすることで溶融プールを押し、溶接ワイヤ20と溶融プールとの間の距離を確保し、短絡開放時の微小短絡を抑制することができる。しかし、第1のアーク電流から電流を低減すると、溶融プールを押す力が弱まり、溶融プールが戻り、溶接ワイヤ20と溶融プールとが短絡する場合がある。微小短絡発生時点T4は、この短絡が発生した時点を示している。
本実施の形態において、計時部13は、アーク再発生時点T0を起点とし、アーク期間中の経過時間を計時する。そして、同時に、第1のアーク電流制御部15は、第1のアーク電流制御期間T1における溶接出力電流が第1のアーク電流となるように制御する。その理由は、上述したように、短絡開放時の微小短絡の発生を抑制するためである。なお、この第1のアーク電流は、設定部24から出力されて第1のアーク電流制御部15に設定される。そして、第1のアーク電流は、設定部24に入力設定される設定電流あるいは設定電圧あるいはその他のワイヤ送給速度、シールドガス種類、ワイヤ種類、ワイヤ径、溶接法などのうち少なくとも1つにより設定される。
第1のアーク電流制御期間T1が経過すると、アーク電流切替え部14は、第2のアーク電流制御部16が電流の制御を行うように切り替える。第2のアーク電流制御部16は、第2のアーク電流制御期間T2における溶接出力電流が第2のアーク電流となるように制御する。なお、この第2のアーク電流は、設定部24から出力されて第2のアーク電流制御部16に設定される。そして、第2のアーク電流は、設定部24に入力設定される設定電流あるいは設定電圧あるいはその他のワイヤ送給速度、シールドガス種類、ワイヤ種類、ワイヤ径、溶接法などのうち少なくとも1つにより設定される。
第2のアーク電流制御期間T2が経過すると、アーク電流切替え部14は、第3のアーク電流制御部17が電流の制御を行うように切り替える。第3のアーク電流制御部17は、第3のアーク電流制御期間T3における溶接出力電流が第3のアーク電流となるように制御する。なお、この第3のアーク電流は、設定部24から出力されて第3のアーク電流制御部17に設定される。そして、第3のアーク電流は、設定部24に入力設定される設定電流あるいは設定電圧あるいはその他のワイヤ送給速度、シールドガス種類、ワイヤ種類、ワイヤ径、溶接法などのうち少なくとも1つにより設定される。
なお、第1のアーク電流制御期間T1の開始時点は、アーク期間Taの開始時点と同じ時点である。そして、第3のアーク電流制御期間T3の終了時点は、アーク期間Taの終了時点と同じ時点である。しかしながら、アーク再発生時点T0における電流から第1のアーク電流となるまでには時間を要する。同様に、第1のアーク電流から第2のアーク電流となるまで、また、第2のアーク電流から第3のアーク電流になるまでにも時間を要する。そのため、図2では、アーク再発生時点T0から少し遅れて第1のアーク電流制御期間T1となるように記載している。同様に、第2のアーク電流制御期間T2も、第1のアーク電流制御期間T1の終了時点から少し遅れて第2のアーク電流制御期間T2となるように記載している。同様に、第3のアーク電流制御期間T3も、第2のアーク電流制御期間T2の終了時点から少し遅れて第3のアーク電流制御期間T3となるように記載している。
また、第1のアーク電流制御期間T1の間維持される第1の電流は、短絡期間Tsにおける溶接電流よりも高い値である。第2のアーク電流制御期間T2の間維持される第2の電流は、第1の電流よりも低い値である。第3のアーク電流制御期間T3の間維持される第3の電流は、第1の電流よりも低く第2の電流よりも高い値である。
なお、第2の電流は、短絡期間Tsにおいてくびれを検出して電流を急減する際の急減を開始した時点の電流の大きさよりも低い値である。このように、第2の電流を低い値とすることで、第2のアーク電流制御期間T2に微小短絡が発生してしまった場合にスパッタの発生を抑制することができる。また、第3の電流は、例えば、短絡期間Tsの電流よりも高い値である。
また、第1のアーク電流制御期間T1や第2のアーク電流制御期間T2や第3のアーク電流制御期間T3、また、第1のアーク電流や第2のアーク電流や第3のアーク電流は、例えば、溶接状態に応じて実験等により予め求めておくものである。
以上のように、本実施の形態のアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置によれば、短絡期間Tsとアーク期間Taとを繰り返して溶接を行い、アーク期間Taにおいて、短絡期間Tsの溶接電流よりも高い第1のアーク電流を維持し、第1のアーク電流の後は、第1のアーク電流よりも低い第2のアーク電流を維持し、第2のアーク電流の後の第3のアーク電流は、第1のアーク電流よりも低く第2のアーク電流よりも高い第3のアーク電流を維持する。このようにすることで、微小短絡が発生し易い材質や溶接対象物においても、微小短絡が発生する場合の微小短絡発生時点T4における電流を、第2のアーク電流に制御することで微小短絡発生時の電流を低くしておくことができ、スパッタ発生を抑制することができる。
また、第3のアーク電流の電流値の調整を行うことで、低電流から高電流まで幅広い電流域に対応することができる。
また、本実施の形態では、溶接ワイヤ20の送給は、例えば、正送の一定送給速度としている。
(実施の形態2)
本実施の形態について、図1と図3を用いて説明する。図3は、溶接電圧と溶接電流の時間波形を示す図である。横軸は経過時間を示し、縦軸は溶接電圧および溶接電流を示す。本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。そして、本実施の形態において、アーク溶接装置の構成は、実施の形態1で説明した図1の構成と同様である。
本実施の形態が実施の形態1と異なる主な点は、短絡溶接ではあるが、アーク期間中に溶滴の離脱移行を行うようにした点である。
図3は、アーク期間Ta中に溶滴が離脱する場合の例を示している。具体的には、第1のアーク電流制御期間T1において溶滴が3回離脱し、第2のアーク電流制御期間T2において溶滴が1回離脱した場合の例を示している。
本実施の形態のように、アーク期間中に溶滴の離脱移行を伴う場合、溶滴の離脱回数が1回の場合は、溶滴の離脱に合わせた適切な入熱量を与えることにより、規則的に溶滴の離脱移行を行うことができる。しかしながら、短絡溶接の高電流域化を試みると、アーク期間中に溶滴を複数回離脱させる必要が生じる。このようになると、溶滴の離脱回数や離脱時期を規則的に制御することは困難となる。溶滴の離脱が不規則に行われると、短絡直前の溶滴の状態が異なり、短絡時のスパッタの発生や溶接不安定を引き起こすことになる。
そこで、本実施の形態においては、短絡期間Tsとアーク期間Taとを繰り返して溶接を行うアーク溶接制御方法およびアーク溶接制御装置であって、アーク期間Taの第1のアーク電流制御期間T1において、短絡期間Tsの溶接電流よりも高い第1のアーク電流を維持し、第1のアーク電流制御期間T1で溶滴を1回又は複数回離脱させる。なお、上限は、例えば10回である。
そして、第1のアーク電流の後は、第1のアーク電流よりも低い第2のアーク電流を維持し、電流を低くすることによってアークの指向性を低くして、溶滴を離脱させる。すなわち、第2のアーク電流制御期間T2において、アーク期間中における最後の溶滴離脱移行を行う。
そして、第2のアーク電流の後の第3のアーク電流は、第1のアーク電流よりも低く第2のアーク電流よりも高い値を維持する。なお、第3のアーク電流制御期間T3中は、溶滴離脱移行を伴わない入熱量とする。
本実施の形態によれば、短絡直前の溶接ワイヤ20の先端の状態を均一にすることができ、短絡時に発生するスパッタを抑制することができる。また、溶滴の離脱移行が規則的に行われるため、溶接が安定する。
また、第3のアーク電流の電流値の調整を行うことで、低電流から高電流まで幅広い電流域に対応することができる。
また、第1のアーク電流制御期間T1や第2のアーク電流制御期間T2や第3のアーク電流制御期間T3、また、第1のアーク電流や第2のアーク電流や第3のアーク電流は、例えば、溶接状態に応じて実験等により予め求めておくものである。
また、本実施の形態では、溶接ワイヤ20の送給は、例えば、正送の一定送給速度としている。
(実施の形態3)
本実施の形態について、図4を用いて説明する。図4は、ワイヤ送給速度の時間波形を示す図である。横軸は経過時間を示しており、縦軸はワイヤ送給速度を示す。本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。そして、本実施の形態において、アーク溶接装置の構成は、実施の形態1で説明した図1の構成と同様である。
本実施の形態が実施の形態1や2と異なる主な点は、溶接ワイヤ20の送給を、正送の一定送給速度で行うのではなく、正送と逆送とを規則的に繰り返して行う、または、正送のみで加速減速を規則的に行う点である。
図4において、ワイヤ送給速度は、所定の振幅AVと所定の周期Tで、台形波状に正送と逆送とを繰り返す。振幅AVは、ワイヤ送給速度の平均送給速度を基準とした速度振幅である。周期Tはワイヤ送給速度の周波数Fの逆数である。上昇時間Trは、ワイヤ送給速度の平均送給速度から最大値になるまでの時間である。最大値維持時間Tpは、ワイヤ送給速度の最大値を維持する時間である。下降時間Tfは、ワイヤ送給速度の最大値から平均送給速度になるまでの時間である。なお、上昇時間Trと、最大値維持時間Tpと、下降時間Tfは、送給が逆送の場合も同様である。
図4において、溶接電圧と溶接電流に関しては、実施の形態1や2と同様であるため詳細な説明は省略する。
図4において、短絡期間Tsになり最大値維持時間Tpを経ると、ワイヤ送給速度は正送の減速を開始し、その後、逆送になる。同様に、短絡が開放してアーク期間Taとなり最大値維持時間Tpを経ると、ワイヤ送給速度は逆送の減速を開始し、その後、正送になる。このように、本実施の形態では、溶接ワイヤ20の送給に関し、正送と逆送、または、正送のみで加速減速を、一定の周期Tで規則的に行う。この利点としては、機械的に規則的に短絡と開放を行うことができ、溶接が安定する。
また、本実施の形態の溶接ワイヤ20の送給制御を、実施の形態2の制御と同期させることで、実施の形態2の場合に比べ、溶滴の離脱移行を規則的に安定して行うことができる。そのため、スパッタの低減や溶接の安定化を実現することができる。特に溶接ワイヤ20が座屈する可能性があり、短絡開放をスムーズに行う必要があるアルミの溶接において効果がある。
なお、図4では、正送と逆送とを周期的に繰り返すワイヤ送給速度の例として、台形の例を示している。しかし、正弦波状等、周期的に変化するものであれば良い。
また、正送のみで加速減速を規則的に行う場合、ワイヤ送給速度は、例えば、図4において、逆送側のピークをゼロ以上にシフトした状態の波形となる。
本発明によれば、アーク期間中に発生する微小短絡に対して、スパッタの発生を抑制でき、また、アーク期間中に溶滴の離脱移行を伴う短絡溶接において、アーク期間中の溶滴の離脱を規則的に制御することができ、スパッタの低減や溶接の安定化が実現できるので生産効率を上げることが可能であり、短絡溶接を行う場合のアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置として産業上有用である。
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング部
4 トランス
5 2次整流部
6 DCL
7 溶接電流検出部
8 溶接電圧検出部
9 短絡/アーク検出部
10 短絡制御部
11 短絡電流制御部
12 アーク制御部
13 計時部
14 アーク電流切替え部
15 第1のアーク電流制御部
16 第2のアーク電流制御部
17 第3のアーク電流制御部
18 駆動部
19 ワイヤ送給モータ
20 溶接ワイヤ
21 溶接チップ
22 溶接アーク
23 被溶接物
24 設定部
101 短絡期間
102 アーク期間
103 アーク再発生時点
104 アーク再発生直前電流
107 アーク再発生初期電流
108 アーク初期制御時間

Claims (10)

  1. 短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接を行うアーク溶接制御方法であって、
    前記アーク期間において、第1の所定期間の間は短絡期間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持し、
    前記第1の所定期間の後の第2の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低い溶接電流を維持し、
    前記第2の所定期間の後の第3の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低く前記第2の所定期間の間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持するアーク溶接制御方法。
  2. 第1の所定期間の間に1回以上の溶滴の離脱移行を行う請求項1記載のアーク溶接制御方法。
  3. 第3の所定期間の間は溶滴の離脱移行を行わない請求項1または2記載のアーク溶接制御方法。
  4. 第2の所定期間の間に1回の溶滴の離脱移行を行う請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  5. 第2の所定期間の間の溶接電流は、短絡期間においてくびれを検出して電流を急減する際の急減を開始した時点の電流の大きさよりも低い値である請求項1から4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  6. 第1の所定期間の開始時点は、アーク期間の開始時点と同じ時点であり、第3の所定期間の終了時点は、前記アーク期間の終了時点と同じ時点である請求項1から5のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  7. 溶接ワイヤの送給を、所定の周期と所定の振幅で周期的に行う請求項1から6のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  8. 溶接対象物は、アルミを主成分とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
  9. 短絡期間とアーク期間とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、
    溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、
    前記溶接電圧検出部の検出結果に基づいて前記短絡期間であるのか前記アーク期間であるのかを判断する判断部と、
    時間を計時する計時部と、
    前記判断部の出力と前記計時部の出力に基づいて前記アーク期間における溶接電流を制御するアーク制御部を備え、
    前記アーク制御部は、前記アーク期間において、第1の所定期間の間は短絡期間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持し、前記第1の所定期間の後の第2の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低い溶接電流を維持し、前記第2の所定期間の後の第3の所定期間の間は、前記第1の所定期間の間の溶接電流よりも低く前記第2の所定期間の間の溶接電流よりも高い溶接電流を維持するように溶接電流を制御するアーク溶接装置。
  10. 溶接ワイヤの送給を制御する送給制御部を備え、前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給を、所定の周期と所定の振幅で周期的に行う請求項9記載のアーク溶接装置。
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