JP3120141B2 - 消耗電極式パルスアーク溶接装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガスを主成分
とするシールドガスを用い消耗電極（以下、ワイヤと称
す）を自動送給して溶接を行う消耗電極式パルスアーク
溶接法において、溶接中に発生するスパッタを大幅に低
減させるとともに溶接の安定化を図るための消耗電極式
パルスアーク溶接装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、溶接は不可欠な手段となっている
が、その安定性が課題である。

【０００３】以下、従来の消耗電極式パルスアーク溶接
装置について説明する。従来、炭酸ガスを主成分とする
シールドガスを用いたパルスアーク溶接装置における出
力制御手段として、特公平２−３１６３０号公報が開示
しているような構成が一般的であった。すなわち、パル
ス電流とベース電流とを交互に通電してアークを発生
し、パルス通電時の初期に溶滴をピンチ力によって離脱
させ、続いてワイヤ先端を溶融して溶滴を形成し、つぎ
のベース通電時に溶滴の成型を行うという手段である。
このような出力制御手段では、パルス通電中に溶滴の離
脱が発生し、離脱した溶滴がパルス電流による強いアー
ク力を受けてスパッタとなって飛散する恐れがあった。
図７はこの場合の溶接電圧波形の一例を示す波形図であ
る。

【０００４】このような溶滴離脱時のパルス電流による
強いアーク力を受けて発生するスパッタを低減させるた
めに、ピーク期間中に電流を一定に制御した場合には、
図７に示したように、溶滴が離脱する度に溶接電圧波形
にスパイクが発生する現象を利用して溶滴が離脱するタ
イミングを検出し、その時点を開始点として溶滴が完全
に溶融池に移行するまでの間に溶接出力を下げることに
よってアーク力の影響を弱める制御を行う手段を本願発
案者は既に提案している。この手段では、溶滴離脱を検
知してから溶接出力を下げる制御により溶滴が離脱する
度に溶接出力が減少するが、溶滴離脱を検知したのちの
溶接出力を下げたパルス期間を前記下げた出力と同等の
出力になるように延長することによって溶接出力を補償
し、溶接を安定化している。また、ピーク期間中に溶接
電流を一定に制御するとアークの自己調整作用を失うの
で、溶接電圧をフィードバックし、その溶接電圧に応じ
て溶滴離脱を検知したパルス期間の延長時間を調整する
ことにより溶接を安定化させている。図８は、このよう
な制御を行った場合に得られた溶接電流波形の一例を示
す波形図である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような消耗電極式
パルスアーク溶接装置では、溶滴離脱が発生する度にア
ーク長が長くなるのでピーク電流を一定に制御すると、
パルス電流による強いアーク力の影響でアークが燃え上
がり、アーク長がさらに長くなる恐れがある。とくに、
出力の均一化を図るために溶滴離脱検知後のパルス期間
を延長したときにこの現象が顕著に現れる。したがっ
て、上記の手段では溶接中の出力均一化と溶接の安定化
とをある程度実現できたが、アーク長が長くなったり、
変動したりすると高速溶接などの場合にはアーク不安定
が起こったり、ビード形状が悪くなったりすることが起
こりかねない。

【０００６】本発明は上記の課題を解決するもので、ス
パッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶接を安定
化できる消耗電極式パルスアーク溶接装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係わる本発明
は、溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶接電流を検
出する電流検出手段と、前記溶接電流のピーク期間とベ
ース期間とを規定するパルス信号を生成するパルス波形
発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信号を出力す
る電流制御手段と、前記制御信号により交流電力入力を
制御して溶接出力を制御する出力制御手段とを備え、前
記溶接電流が前記ピーク期間においては所定のピーク電
流値、前記ベース期間においては所定のベース電流値に
なるように制御される溶接装置において、前記溶接電圧
が前記ピーク期間において所定の基準電圧を越えたとき
に溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、前記溶接電
圧を所定電圧値に制御する制御信号を出力する電圧制御
手段とを設けるとともに、前記ピーク電流値よりも小さ
い低下電流値を設定する低下電流設定器と、前記溶接電
流を前記低下電流値に制御する時間を設定する低下時間
設定器とを前記電流制御手段に設け、前記出力制御手段
には前記電流制御手段の制御信号と前記電圧制御手段の
制御信号とを切り換えて選択入力する信号選択器を設
け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間について
のみ、前記溶滴離脱信号が発生した時点から前記低下時
間だけ前記溶接電流が前記低下電流値になるように前記
電流制御手段により制御するとともに、前記低下時間を
経過した残りのピーク期間において前記溶接電圧が前記
所定電圧値になるように前記電圧制御手段により制御す
るようにした消耗電極式パルスアーク溶接装置であり、
また、請求項２に係わる本発明は、溶接電圧を検出する
電圧検出手段と、溶接電流を検出する電流検出手段と、
前記溶接電流のピーク期間とベース期間とを規定するパ
ルス信号を生成するパルス波形発生手段と、前記溶接電
流を制御する制御信号を出力する電流制御手段と、前記
制御信号により交流電力入力を制御して溶接出力を制御
する出力制御手段とを備え、前記溶接電流が前記ピーク
期間においては所定のピーク電流値、前記ベース期間に
おいては所定のベース電流値になるように制御される溶
接装置において、前記溶接電圧が前記ピーク期間におい
て所定の基準電圧を越えたときに溶滴離脱信号を出力す
る電圧比較手段と、前記溶接電圧を前記出力制御手段を
介して所定電圧値に制御する電圧制御手段とを設けると
ともに、前記ピーク電流値よりも小さい低下電流値を設
定する低下電流設定器と、前記溶接電流を前記低下電流
値に制御する時間を設定する低下時間設定器とを前記電
流制御手段に設け、パルス波形発生手段には前記ピーク
期間を所定の調整時間だけ延長するパルス時間調整器を
設け、前記出力制御手段には前記電流制御手段の制御信
号と前記電圧制御手段の制御信号とを切り換えて選択入
力する信号選択器を設け、前記溶滴離脱信号が出力され
たピーク期間についてのみ、前記パルス波形発生器は前
記ピーク期間を前記調整時間だけ延長し、前記電流制御
手段は前記溶滴離脱信号が発生した時点から前記低下時
間だけ前記溶接電流が前記低下電流値になるように前記
出力制御手段を介して制御するとともに、前記電圧制御
手段は前記低下時間を経過した残りの前記延長されたピ
ーク期間において前記溶接電圧が前記所定電圧値になる
ように前記出力制御手段を介して制御するようにした消
耗電極式パルスアーク溶接装置であり、また、請求項３
に係わる本発明は、溶接電圧を検出する電圧検出手段
と、溶接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流
のピーク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生
成するパルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する
制御信号を出力する電流制御手段と、前記制御信号によ
り交流電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御
手段とを備え、前記溶接電流が前記ピーク期間において
は所定のピーク電流値、前記ベース期間においては所定
のベース電流値になるように制御される溶接装置におい
て、前記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準
電圧を越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手
段と、前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電
圧値に制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記
ピーク電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電
流設定器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する
時間を設定する低下時間設定器と、前記溶接電流の保持
値を設定する保持電流設定器と、前記溶接電流を前記保
持値と比較する電流比較器とを前記電流制御手段に設
け、前記出力制御手段には前記電流制御手段の制御信号
と前記電圧制御手段の制御信号とを切り換えて選択入力
する信号選択器を設け、前記溶滴離脱信号が出力された
ピーク期間についてのみ、前記電流制御手段は前記溶滴
離脱信号が発生した時点から前記低下時間だけ前記溶接
電流が前記低下電流値になるように前記出力制御手段を
介して制御するとともに、前記電圧制御手段は前記低下
時間を経過した残りの前記ピーク期間において前記溶接
電圧が前記所定電圧値になるように前記出力制御手段を
介して制御し、前記電圧制御期間において前記溶接電流
が前記保持値を超えたときには前記電流制御手段が前記
溶接電流を前記保持値に保持するように前記出力制御手
段を介して制御するようにした消耗電極式パルスアーク
溶接装置であり、また、請求項４に係わる本発明は、溶
接電圧を検出する電圧検出手段と、溶接電流を検出する
電流検出手段と、前記溶接電流のピーク期間とベース期
間とを規定するパルス信号を生成するパルス波形発生手
段と、前記溶接電流を制御する制御信号を出力する電流
制御手段と、前記制御信号により交流電力入力を制御し
て溶接出力を制御する出力制御手段とを備え、前記溶接
電流が前記ピーク期間においては所定のピーク電流値、
前記ベース期間においては所定のベース電流値になるよ
うに制御される溶接装置において、前記溶接電圧が前記
ピーク期間において所定の基準電圧を越えたときに溶滴
離脱信号を出力する電圧比較手段と、前記溶接電圧を前
記出力制御手段を介して所定電圧値に制御する電圧制御
手段とを設けるとともに、前記ピーク電流値よりも小さ
い低下電流値を設定する低下電流設定器と、前記溶接電
流を前記低下電流値に制御する時間を設定する低下時間
設定器と、前記溶接電流の保持値を設定する保持電流設
定器と、前記溶接電流を前記保持値と比較する電流比較
器とを前記電流制御手段に設け、パルス波形発生手段に
は前記ピーク期間を所定の調整時間だけ延長するパルス
時間調整器を設け、前記出力制御手段には前記電流制御
手段の制御信号と前記電圧制御手段の制御信号とを切り
換えて選択入力する信号選択器を設け、前記溶滴離脱信
号が出力されたピーク期間についてのみ、前記パルス波
形発生器は前記ピーク期間を前記調整時間だけ延長し、
前記電流制御手段は前記溶滴離脱信号が発生した時点か
ら前記低下時間だけ前記溶接電流が前記低下電流値にな
るように前記出力制御手段を介して制御するとともに、
前記電圧制御手段は前記低下時間を経過した残りの前記
延長されたピーク期間において前記溶接電圧が前記所定
電圧値になるように前記出力制御手段を介して制御し、
前記電圧制御期間において前記溶接電流が前記保持値を
超えたときには前記電流制御手段が前記溶接電流を前記
保持値に保持するように前記出力制御手段を介して制御
するようにした消耗電極式パルスアーク溶接装置であ
り、また、請求項５に係わる本発明は、溶接電圧を検出
する電圧検出手段と、溶接電流を検出する電流検出手段
と、前記溶接電流のピーク期間とベース期間とを規定す
るパルス信号を生成するパルス波形発生手段と、前記溶
接電流を制御する制御信号を出力する電流制御手段と、
前記制御信号により交流電力入力を制御して溶接出力を
制御する出力制御手段とを備え、前記溶接電流が前記ピ
ーク期間においては所定のピーク電流値、前記ベース期
間においては所定のベース電流値になるように制御され
る溶接装置において、前記溶接電圧が前記ピーク期間に
おいて所定の基準電圧を越えたときに溶滴離脱信号を出
力する電圧比較手段と、前記溶接電圧を前記出力制御手
段を介して所定電圧値に制御する電圧制御手段とを設け
るとともに、前記ピーク電流値よりも小さい低下電流値
を設定する低下電流設定器と、前記溶接電流を前記低下
電流値に制御する時間を設定する低下時間設定器と、前
記溶接電流の保持値を設定する保持電流設定器と、前記
溶接電流を前記保持値に保持する時間を設定する保持時
間設定器と、前記溶接電流を前記保持値と比較する電流
比較器とを前記電流制御手段に設け、前記出力制御手段
には前記電流制御手段の制御信号と前記電圧制御手段の
制御信号とを切り換えて選択入力する信号選択器を設
け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間について
のみ、前記電流制御手段は前記溶滴離脱信号が発生した
時点から前記低下時間だけ前記溶接電流が前記低下電流
値になるように前記出力制御手段を介して制御するとと
もに、前記電圧制御手段は前記低下時間を経過した残り
の前記ピーク期間において前記溶接電圧が前記所定電圧
値になるように前記出力制御手段を介して制御し、前記
電圧制御期間において前記溶接電流が前記保持値を超え
たときには前記電流制御手段が前記溶接電流を前記保持
値に前記保持時間だけ保持するように前記出力制御手段
を介して制御するようにした消耗電極式パルスアーク溶
接装置であり、また、請求項６に係わる本発明は、溶接
電圧を検出する電圧検出手段と、溶接電流を検出する電
流検出手段と、前記溶接電流のピーク期間とベース期間
とを規定するパルス信号を生成するパルス波形発生手段
と、前記溶接電流を制御する制御信号を出力する電流制
御手段と、前記制御信号により交流電力入力を制御して
溶接出力を制御する出力制御手段とを備え、前記溶接電
流が前記ピーク期間においては所定のピーク電流値、前
記ベース期間においては所定のベース電流値になるよう
に制御される溶接装置において、前記溶接電圧が前記ピ
ーク期間において所定の基準電圧を越えたときに溶滴離
脱信号を出力する電圧比較手段と、前記溶接電圧を前記
出力制御手段を介して所定電圧値に制御する電圧制御手
段とを設けるとともに、前記ピーク電流値よりも小さい
低下電流値を設定する低下電流設定器と、前記溶接電流
を前記低下電流値に制御する時間を設定する低下時間設
定器と、前記溶接電流の保持値を設定する保持電流設定
器と、前記溶接電流を前記保持値に保持する時間を設定
する保持時間設定器と、前記溶接電流を前記保持値と比
較する電流比較器とを前記電流制御手段に設け、パルス
波形発生手段には前記ピーク期間を所定の調整時間だけ
延長するパルス時間調整器を設け、前記出力制御手段に
は前記電流制御手段の制御信号と前記電圧制御手段の制
御信号とを切り換えて選択入力する信号選択器を設け、
前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間についての
み、前記パルス波形発生器は前記ピーク期間を前記調整
時間だけ延長し、前記電流制御手段は前記溶滴離脱信号
が発生した時点から前記低下時間だけ前記溶接電流が前
記低下電流値になるように前記出力制御手段を介して制
御するとともに、前記電圧制御手段は前記低下時間を経
過した残りの前記延長されたピーク期間において前記溶
接電圧が前記所定電圧値になるように前記出力制御手段
を介して制御し、前記電圧制御期間において前記溶接電
流が前記保持値を超えたときには前記電流制御手段が前
記溶接電流を前記保持値に前記保持時間だけ保持するよ
うに前記出力制御手段を介して制御するようにした消耗
電極式パルスアーク溶接装置である。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明において、パルス波形発生
手段は、所定のピーク期間に時間長と所定のベース期間
の期間長を設定するパルス時間設定器と、前記ピーク期
間と前記ベース期間とを交互に与えるパルスを発生する
パルス波形発生器とで実現できる。また、溶滴離脱信号
に応じてピーク期間を延長する場合にはパルス時間調整
器を設け、延長する時間を前記パルス波形発生器に与え
るようにできる。なお、前記ピーク期間長、ベース期間
長、および前記延長時間長はＲＯＭなどの記憶手段にク
ロックのカウント数などとしてあらかじめ記憶設定する
ことで実現され、前記パルス波形発生器はマイクロコン
ピュータのクロックによるタイムベースを前記カウント
数でゲートするなどで実現できる。

【０００９】また、電圧比較手段は、所定の基準電圧を
設定する基準電圧設定器と、溶接電圧を前記基準電圧と
比較し、溶接電圧が前記基準電圧を超えたときに溶滴離
脱信号を出力する電圧比較器とで構成できる。

【００１０】また、電流制御手段は、溶接電流を検出す
る電流検出器と、ピーク電流値を設定するピーク電流設
定器と、ベース電流値を設定するベース電流設定器と、
前記電流検出器で検出された溶接電流を前記パルス信号
で与えられるピーク期間では前記ピーク電流値、前記ベ
ース期間では前記ベース電流値と比較し、その差異に比
例した制御信号を出力する電流制御器とを備え、前記制
御信号により出力制御手段を駆動して、ピーク期間では
前記ピーク電流値に、ベース期間では前記ベース電流値
になるように溶接電流を制御するとともに、ピーク期間
における低下電流制御のためには、低下電流値を設定す
る低下電流設定器と、低下電流に制御する時間を設定す
る低下時間設定器とを設け、前記電流制御器は、前記ピ
ーク電流制御およびベース電流制御と同様に、溶接電流
を低下時間だけ低下電流になるように制御信号を出力
し、また、保持電流制御のためには、保持電流値を設定
する保持電流設定器を設けて、溶接電流を保持電流値に
なるように制御信号を出力し、この制御期間を規定する
場合には保持時間設定器を設けてその時間だけ保持する
ように制御する。

【００１１】また、電圧制御手段は、所定の電圧値を設
定する電圧設定器と、電圧検出手段で検出した溶接電圧
を前記所定の電圧値と比較し、その差異に比例した制御
信号を出力する電圧制御器とを備え、前記制御信号によ
り出力制御手段を駆動して溶接電圧が前記所定電圧値に
なるように制御する。

【００１２】また、出力制御手段は、交流入力回路に挿
入されて電流流通角を変化させる半導体素子などの出力
制御素子と、前記出力制御素子を駆動する出力制御器
と、前記出力制御器に与える制御信号を電流制御か電圧
制御かにより前記電流制御器の制御信号または前記電圧
制御器の制御信号のいずれかを切り換えて選択入力する
信号選択器とで構成できる。

【００１３】上記の各設定器はＲＯＭなどの記憶手段で
実現できるが、アナログ的にポテンショメータなどで実
現することもできる。また、電圧比較器、電流制御器、
および電圧制御器はマイコンなどのプログラム制御によ
る演算処理で実現しても、また、オペアンプなどによる
アナログ処理で実現してもよい。また、装置全体の動作
はマイコンのプログラム処理などで制御できることは言
うまでもない。

【００１４】以下、実施例について説明する。

【００１５】

【実施例】

（実施例１）以下、請求項１に係わる本発明の消耗電極
式パルスアーク溶接装置の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１は本実施例の構成を示すブロッ
ク図である。図において、１は出力制御素子、２は出力
制御素子１の出力を溶接に適した電圧に降圧するトラン
ス、３はダイオード３Ａとダイオード３Ｂとで構成した
整流部、４はコイル、５はワイヤ送給モータ６により母
材７の溶接箇所に向かって送給されるワイヤ、８は電
極、９は溶接トーチ、１０は溶接電流を検出するシャン
トである。

【００１６】１１は電流制御器でパルス時間設定器１２
で設定したピーク時間とベース時間とを有するパルス波
形を発生するパルス波形発生器１３で発生したパルス信
号と、電圧検出器１４の検出電圧を基準電圧設定器１５
の基準電圧と比較演算して前記検出電圧が前記基準電圧
を超えたときに電圧比較器１６が出力する溶滴離脱信号
とに応じ、電流検出器１７の検出電流がピーク電流設定
器１８で設定したピーク電流またはベース電流設定器１
９で設定したベース電流または低下電流設定器２０で設
定した低下電流になるように制御するものである。２１
は電圧検出器１４の検出電圧が電圧設定器２２で設定し
た電圧になるように制御する電圧制御器、２３は前記パ
ルス信号と前記溶滴離脱信号とに応じ電流制御器１１と
電圧制御器２１とのいずれかの制御信号を選択する信号
選択器、２４は低下時間設定器、２５は信号選択器２３
の選択信号を受けて出力制御素子１を制御する出力制御
器である。

【００１７】上記構成においてその動作を説明する。溶
接中に、電圧比較器１６には電圧検出器１４から検出し
た溶接電圧と基準電圧設定器１５の基準電圧とが入力さ
れ、前記溶接電圧が前記基準電圧を超えたときに溶滴が
ワイヤ端から離脱したと判断して溶滴離脱信号を出力す
る。電流制御器１１は、パルス波形発生器１３で発生し
た各々のパルスのピーク期間中において、前記溶滴離脱
信号が入力されるまでの期間には、電流検出器１７の検
出電流がピーク電流設定器１８の設定電流になるように
制御する制御信号を出力するが、前記溶滴離脱信号が入
力された時点から低下時間設定器２４で設定した低下時
間までは、前記検出電流が低下電流設定器２０の設定電
流になるように制御する制御信号を出力する。また、電
流制御器１１は、各々のパルスのベース期間中には、電
流検出器１７の検出電流がベース電流設定器１９の設定
電流になるように制御する制御信号を出力する。

【００１８】一方、電圧制御器２１は、電圧検出器１４
が検出した溶接電圧が電圧設定器２２の設定電圧になる
ように制御する制御信号を出力する。また、信号選択器
２３は、溶接中に電流制御器１１の制御信号と電圧制御
器２１の制御信号とのいずれかを選択し、出力制御器２
５に入力して出力制御素子１を制御する。出力制御素子
１の出力はトランス２によって降圧されたのち整流部３
によって整流され、コイル４とシャント１０とを経由し
て電極８からワイヤ５に供給され、溶接を行う。

【００１９】つぎに、信号選択器２３の動作について説
明する。パルス波形発生器１３で発生した各々のパルス
のピーク期間中に溶滴離脱信号が入力されるまでの期間
には電流制御器１１の制御信号が選択されて電流検出器
１７の検出電流がピーク電流設定器１８で設定したピー
ク電流になるように制御するが、溶滴離脱信号が入力さ
れた時点からは少なくとも溶滴が完全に溶融池に吸収さ
れるまでの間、すなわち、低下時間設定器２４で設定し
た低下時間の間は電流制御器１１の制御信号が選択さ
れ、電流検出器１７の検出電流がピーク電流設定器１８
の設定電流より低い低下電流設定器２０で設定した低下
電流になるように制御する。前記低下時間が終了したの
ちの残りのピーク期間中は電圧制御器２１の制御信号が
選択され、電圧検出器１４の検出電圧が電圧設定器２２
の設定電圧になるように制御する。また、パルス波形発
生器１３で発生した各々のパルスのベース期間中は電流
制御器１１の制御信号が選択され、電流検出器１７の検
出電流がベース電流設定器１９で設定したベース電流に
なるように制御する。

【００２０】基準電圧設定器１５の設定値は、ワイヤ種
類、ワイヤ送給速度、および溶接速度によってそれぞれ
異なり、本発明では実験から求めた値を用いる。また、
溶滴がワイヤ端から離脱してから完全に溶融池に吸収さ
れるまでの期間、すなわち低下時間設定器２４で設定し
た低下時間と、離脱した溶滴に非常に弱いアーク力しか
与えないように低下電流設定器２０で設定した低下電流
とは、実験によって求めた値を用いる。

【００２１】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間は電流を下げる制御によってスパッ
タ発生量を大幅に低減させるとともに、残りのピーク期
間中は溶接電圧を一定に制御することによって溶接を安
定化させることができる。

【００２２】（実施例２）以下、請求項２に係わる本発
明の消耗電極式パルスアーク溶接装置の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。なお、実施例１と同じ
構成要素には同一番号を付与して説明を省略する。本実
施例が実施例１と異なる点は、パルス時間調整器２６を
新たに設け、パルス時間設定器１２の設定信号と溶滴離
脱信号とを入力信号として、パルス波形発生器１３が生
成するパルス信号を制御するようにしたことにある。

【００２３】上記構成においてその動作を説明する。な
お、実施例１と共通する部分の動作については説明を省
略する。パルス時間調整器２６には、溶滴離脱信号とパ
ルス時間設定器１２で設定したピーク期間信号とベース
期間信号とからなる設定信号とが入力される。溶接中に
おいて、溶滴離脱信号が入力されるまでは、パルス時間
調整器２６からパルス時間設定器１２で設定したピーク
期間信号とベース期間信号とをそのままパルス波形発生
器１３に出力する。また、溶滴離脱信号が入力されたパ
ルスについて、パルス時間調整器２６からパルス時間設
定器１２で設定したピーク期間信号ｔpに調整時間△ｔp
を加算したピーク期間（ｔp＋△ｔp）をパルス波形発生
器１３へ出力する。したがって、パルス信号と溶滴離脱
信号とに応じて信号選択を行う信号選択器２３におい
て、溶滴離脱のあったパルスについてはピーク期間が延
長されたので、溶滴離脱後に溶接電流を低下電流に下げ
た低下時間が終了した後に電圧制御器２１の制御信号が
選択される期間が長くなる。

【００２４】なお、パルス時間調整器２６において溶滴
離脱信号が入力されたパルスについて一定のパルス期間
を得るようにパルス時間設定器１２で設定したベース期
間信号ｔBに、調整時間△ｔpを減算したベース期間（ｔ
B−調整時間△ｔp）をパルス波形発生器１３へ出力する
ことによって、ベース期間を調整時間△ｔpだけ短くし
ても同様の効果が得られる。

【００２５】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間は電流を下げる制御を行うことによ
ってスパッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴
離脱を検知したパルスの残りのピーク期間中は溶接電圧
を一定に制御する期間を調整時間だけ延長して十分に長
く確保することによって溶接をさらに安定化させること
ができる。

【００２６】（実施例３）以下、請求項３に係わる本発
明の消耗電極式パルスアーク溶接装置の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。図３は本実施例の構成
を示すブロック図である。なお、実施例１と同じ構成要
素には同一番号を付与して説明を省略する。本実施例が
実施例１と異なる点は、保持電流を設定するする保持電
流設定器２７と、電流検出器１７で検出した検出電流を
前記保持電流と比較して、前記検出電流が前記保持電流
を超えたときに電流保持信号を出力する電流比較器２８
とを新たに設け、また、本実施例では、電流制御器１１
はパルス波形発生器１３で発生したパルス信号と溶滴離
脱信号とに応じ電流検出器１７の検出電流がピーク電流
設定器１８で設定したピーク電流またはベース電流設定
器１９で設定したベース電流または低下電流設定器２０
で設定した低下電流になるように制御し、低下電流の制
御期間が終了したのちに電流比較器２８の電流保持信号
を受けると前記検出電流が前記保持電流になるように制
御し、また、信号選択器２３はパルス波形発生器１３の
パルス信号と溶滴離脱信号と前記電流保持信号とに応じ
て電流制御器１１と電圧制御器２１とのいずれかの制御
信号を選択するようにしたことにある。

【００２７】上記構成においてその動作を説明する。な
お、実施例１と共通する部分の動作については説明を省
略する。パルス波形発生器１３で発生した各々のパルス
のピーク期間中において、電流制御器１１は、溶滴離脱
信号が入力された時点から低下時間設定器２４で設定し
た低下時間の間は電流検出器１７の検出電流が低下電流
設定器２０の設定電流になるように制御する制御信号を
出力し、低下電流制御期間が終了したのち電流比較器２
８の電流保持信号を受けると、前記検出電流が前記保持
電流になるように制御する制御信号を出力する。また、
各々のパルスのピーク期間中に溶滴離脱信号が入力され
るまでの期間には信号選択器２３から電流制御器１１の
制御信号が選択されて出力制御器２５に出力し、電流検
出器１７の検出電流がピーク電流設定器１８で設定した
ピーク電流になるように制御するが、溶滴離脱信号が入
力された時点から少なくとも溶滴が完全に溶融池に吸収
されるまでの間、すなわち低下時間設定器２４で設定し
た低下時間の間は電流制御器１１の制御信号が選択さ
れ、電流検出器１７の検出電流がピーク電流設定器１８
の設定電流より低い低下電流設定器２０で設定した低下
電流になるように制御する。低下時間設定器２４で設定
した低下時間が終了した後の残りのピーク期間には信号
選択器２３から電圧制御器２１の制御信号が選択されて
出力制御器２５に出力され、電圧検出器１４の検出電圧
が電圧設定器２２の設定電圧になるように制御する間
に、電流比較器２８の電流保持信号があった時点から残
りのピーク期間中は再び電流制御器１１の制御信号が選
択されて出力制御器２５に出力され、電流検出器１７の
検出電流が保持電流設定器２７の保持電流になるように
制御する。

【００２８】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間に電流を下げる制御を行うことによ
ってスパッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴
離脱を検知した同パルスの残りのピーク期間中に溶接電
圧を一定に制御するのみでなく、溶滴の振動などによる
アーク長の変動によって発生する溶接電流の過大上昇も
防ぎ、溶接を安定化させることができる。

【００２９】（実施例４）以下、請求項４に係わる本発
明の消耗電極式パルスアーク溶接装置の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。図４は本実施例の構成
を示すブロック図である。なお、実施例３と同じ構成要
素には同一番号を付与して説明を省略する。本実施例が
実施例３と異なる点は、実施例２で説明したパルス時間
調整器２６を追加して設けたことにある。

【００３０】上記構成においてその動作を説明する。な
お、実施例３と共通な部分の動作については説明を省略
する。パルス時間調整器２６には、実施例２と同様に、
溶滴離脱信号とパルス時間設定器１２から設定したピー
ク期間信号とベース期間信号との設定信号が入力され
る。溶接中において、溶滴離脱信号が入力されるまでの
期間には、パルス時間調整器２６からパルス時間設定器
１２で設定したピーク期間信号とベース期間信号とをそ
のままパルス波形発生器１３に出力する。また、溶滴離
脱信号が入力されたパルスについてはパルス時間調整器
２６からパルス時間設定器１２で設定したピーク期間信
号ｔpに調整時間△ｔpを加算したピーク期間（ｔp＋△
ｔp）をパルス波形発生器１３へ出力する。したがっ
て、パルス波形発生器１３から発生したパルス信号と溶
滴離脱信号とに応じて信号選択を行う信号選択器２３に
おいて、溶滴離脱のあったパルスのピーク期間が延長さ
れたので、溶滴離脱検知後の溶接電流をピーク電流より
低いレベルの低下電流に下げる低下時間が終了した後の
電圧制御器２１の制御信号が選択される期間が長くな
る。

【００３１】なお、パルス時間調整器２６において溶滴
離脱信号が入力されたパルスについて一定のパルス期間
を得るために、パルス時間設定器１２で設定したベース
期間信号ｔBに、調整時間△ｔpを減算したベース期間
（ｔB−△ｔp）をパルス波形発生器１３へ出力すること
によってベース期間を短くしても同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。

【００３２】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間に電流を下げる制御を行うことによ
ってスパッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴
離脱を検知したパルスの残りのピーク期間中に溶接電圧
を一定に制御する期間を延長して十分に長くし、かつ溶
滴の振動などによるアークの変動によって発生する溶接
電流の過大上昇も電流保持によって防止し、溶接を安定
化させることができる。

【００３３】（実施例５）以下、請求項５に係わる本発
明の消耗電極式パルスアーク溶接装置の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。図５は本実施例の構成
を示すブロック図である。なお、実施例１ないし実施例
４と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を
省略する。本実施例が実施例３と異なる点は、保持時間
設定器２９を設け、また、電流制御器１１はパルス波形
発生器１３で発生したパルス信号と溶滴離脱信号とに応
じ電流検出器１７の検出電流がピーク電流設定器１８で
設定したピーク電流またはベース電流設定器１９で設定
したベース電流または低下電流設定器２０で設定した低
下電流になるように制御し、低下電流の制御期間が終了
した後、検出電流と保持電流設定器２７の保持電流とを
比較演算し前記検出電流が前記保持電流を超えたときに
電流保持信号を出力する電流比較器２８の電流保持信号
を受けると保持時間設定器２９で設定した保持時間に前
記検出電流が前記保持電流になるように制御し、信号選
択器２３はパルス波形発生器１３のパルス信号と溶滴離
脱信号と電流比較器２８の電流保持信号とに応じ電流制
御器１１と電圧制御器２１とのいずれかの制御信号を選
択するようにしたことにある。

【００３４】上記構成においてその動作を説明する。な
お、実施例３と共通する部分の動作の説明は省略する。
パルス波形発生器１３で発生した各々のパルスのピーク
期間中には、電流制御器１１は溶滴離脱信号が入力され
た時点から低下時間設定器２４で設定した低下時間に電
流検出器１７の検出電流が低下電流設定器２０の設定電
流になるように制御する制御信号を出力し、低下電流制
御期間が終了した後、電流比較器２８が前記検出電流を
保持電流設定器２７の保持電流とを比較演算して前記検
出電流が前記保持電流を超えたときに電流保持信号を出
力すると、保持時間設定器２９で設定した保持時間には
前記検出電流が前記保持電流になるように制御する制御
信号を出力する。

【００３５】また、溶接中に、パルス波形発生器１３で
発生した各々のパルスのピーク期間には、信号選択器２
３から、溶滴離脱信号が入力されるまでの期間に電流制
御器１１の制御信号が選択されて出力制御器２５に出力
され、電流検出器１７の検出電流がピーク電流設定器１
８で設定したピーク電流になるように制御するが、溶滴
離脱信号が入力された時点から少なくとも溶滴が完全に
溶融池に吸収されるまでの間、すなわち、低下時間設定
器２４で設定した低下時間には、電流制御器１１の制御
信号が選択され電流検出器１７の検出電流がピーク電流
設定器１８の設定電流より低い低下電流設定器２０で設
定した低下電流になるように制御する。

【００３６】低下時間が終了した後の残りのピーク期間
中に電圧制御器２１の制御信号が選択されて出力制御器
２５に出力され、電圧検出器１４の検出電圧が電圧設定
器２２の設定電圧になるように制御するが、電流比較器
２８の電流保持信号があった時点から保持時間設定器２
９で設定した保持時間には再び電流制御器１１の制御信
号が選択され、電流検出器１７の検出電流が保持電流設
定器２７の保持電流になるように制御する制御信号を出
力制御器２５に出力する。

【００３７】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間には電流を下げる制御を行うことに
よってスパッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶
滴離脱を検知したパルスの残りのピーク期間中に溶接電
圧を一定に制御するのみでなく、溶滴の振動などによる
アーク長の変動によって発生する溶接電流の一時的過大
上昇を所定時間の電流保持により防止し、溶接を安定化
させることができる。

【００３８】（実施例６）以下、請求項６に係わる本発
明の消耗電極式パルスアーク溶接装置の一実施例につい
て説明する。図６は本実施例の構成を示すブロック図で
ある。なお、実施例１ないし実施例５と同じ構成要素に
は同一番号を付与して説明を省略する。本実施例が実施
例５と異なる点は、実施例２におけるパルス時間調整器
２６を設けたことにある。

【００３９】上記構成においてその動作を説明する。な
お、実施例５と共通する部分の動作については説明を省
略する。パルス時間調整器２６には、溶滴離脱信号とパ
ルス時間設定器１２から設定したピーク期間信号とベー
ス期間信号との設定信号が入力される。溶接中に、溶滴
離脱信号が入力されるまでの期間には、パルス時間調整
器２６はパルス時間設定器１２で設定したピーク期間信
号とベース期間信号とをそのままパルス波形発生器１３
に出力する。また、溶滴離脱信号が入力されたパルスに
ついては、パルス時間調整器２６はパルス時間設定器１
２で設定したピーク期間信号ｔpに調整時間△ｔpを加算
したピーク期間（ｔp＋△ｔp）をパルス波形発生器１３
へ出力する。したがって、パルス波形発生器１３から発
生したパルス信号と溶滴離脱信号とに応じて信号選択を
行う信号選択器２３において、溶滴離脱信号のあったパ
ルスのピーク期間が延長されたので、溶滴離脱検知後の
溶接電流をピーク電流より低いレベルの低下電流に下げ
る低下時間が終了した後の電圧制御器２１の制御信号が
選択される期間が長くなる。

【００４０】なお、パルス時間調整器２６において電圧
比較器１６の溶滴離脱信号が入力されたパルスについて
一定のパルス期間を得るためにパルス時間設定器１２で
設定したベース期間信号ｔBに調整時間△ｔpを減算した
ベース期間（ｔB−△ｔp）をパルス波形発生器１３へ出
力することによっても同様の効果が得られることは言う
までもない。

【００４１】以上の動作を溶接中に繰り返し行うことに
よって、溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知
し、それを開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池
に移行するまでの間は電流を下げる制御を行うことによ
ってスパッタ発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴
離脱を検知したパルスの残りのピーク期間中に溶接電圧
を一定に制御する期間を延長して十分に長く確保するの
みでなく、溶滴の振動などによるアーク長の変動によっ
て発生する溶接電流の一時的過大上昇を防ぎ、溶接を安
定化させることができる。

【００４２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１に係わる本発明によれば、溶滴がワイヤ端から離脱す
るタイミングを検知し、それを開始点として少なくとも
溶滴が完全に溶融池に移行するまでの間は溶接電流をピ
ーク電流値よりも小さい低下電流値に下げる制御を行う
ことによってスパッタ発生量を大幅に低減させるととも
に、溶滴離脱を検知した同パルスの残りのピーク期間中
は溶接電圧を一定に制御することによって溶接を安定化
させることができる。

【００４３】また、請求項２に係わる本発明によれば、
溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知し、それ
を開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池に移行す
るまでの間は溶接電流をピーク電流値よりも小さい低下
電流値に下げる制御を行うことによってスパッタ発生量
を大幅に低減させるとともに、そのピーク期間長を所定
の調整値だけ延長し、溶滴離脱を検知した同パルスの残
りのピーク期間中は溶接電圧を一定に制御する期間を十
分に長く確保することによって溶接を安定化させること
ができる。

【００４４】また、請求項３に係わる本発明によれば、
溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知し、それ
を開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池に移行す
るまでの間は溶接電流をピーク電流値よりも小さい低下
電流値に下げる制御を行うことによってスパッタ発生量
を大幅に低減させるとともに、溶滴離脱を検知した同パ
ルスの残りのピーク期間中に溶接電圧を一定に制御する
ことにより溶接を安定化し、かつ電圧一定制御中に溶接
電流が所定の保持電流値を超えたときには前記保持電流
値に保持することによって、溶滴の振動などによるアー
クの変動によって発生する溶接電流の過大上昇をも防ぐ
ことができる。

【００４５】また、請求項４に係わる本発明によれば、
溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知し、それ
を開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池に移行す
るまでの間は溶接電流をピーク電流値よりも小さい低下
電流値に下げる制御を行うことによってスパッタ発生量
を大幅に低減させるとともに、溶滴離脱を検知した同パ
ルスのピーク期間長を所定の調整値だけ延長して、前記
低下電流値制御の残りのピーク期間中に溶接電圧を一定
に制御する期間を十分に長く確保して溶接を安定化し、
かつ電圧一定制御中に溶接電流が所定の保持電流値を超
えたときには前記保持電流値に保持することによって、
溶滴の振動などによるアークの変動によって発生する溶
接電流の過大上昇をも防ぐことができる。

【００４６】また、請求項５に係わる本発明によれば、
溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知し、それ
を開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池に移行す
るまでの間は溶接電流をピーク電流値よりも小さい所定
の低下電流値に下げる制御を行うことによってスパッタ
発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴離脱を検知し
た同パルスの残りのピーク期間中に溶接電圧を一定に制
御して溶接を安定化し、かつその電圧一定制御中に溶接
電流が所定の保持電流値を超えるときには溶接電流を前
記保持電流値に所定の保持時間だけ保持することによ
り、溶滴の振動などによるアークの変動によって発生す
る溶接電流の一時的な過大上昇を適切に防ぐことができ
る。

【００４７】また、請求項６に係わる本発明によれば、
溶滴がワイヤ端から離脱するタイミングを検知し、それ
を開始点として少なくとも溶滴が完全に溶融池に移行す
るまでの間は溶接電流をピーク電流値よりも小さい所定
の低下電流値に下げる制御を行うことによってスパッタ
発生量を大幅に低減させるとともに、溶滴離脱を検知し
た同パルスのピーク期間長を所定の調整時間だけ延長
し、残りのピーク期間中は溶接電圧を時間延長して一定
に制御することにより溶接を安定化させ、かつその電圧
一定制御中に溶接電流が所定の保持電流値を超えたとき
には溶接電流を前記保持電流値に所定の保持時間だけ保
持するすることにより、溶滴の振動などによるアークの
変動によって発生する溶接電流の一時的な過大上昇を適
切に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図２】請求項２に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図３】請求項３に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図４】請求項４に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図５】請求項５に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図６】請求項６に係わる本発明の消耗電極式パルスア
ーク溶接装置の一実施例の構成を示すブロック図

【図７】従来の消耗電極式パルスアーク溶接装置におけ
る溶接電圧を示す波形図

【図８】従来の消耗電極式パルスアーク溶接装置におけ
る溶接電流を示す波形図

【符号の説明】

１ 出力制御素子 ３ 整流部 ４ コイル ５ ワイヤ １０ シャント １１ 電流制御器 １２ パルス時間設定器 １３ パルス波形発生器 １４ 電圧検出器（電圧検出手段） １５ 基準電圧設定器 １６ 電圧比較器 １７ 電流検出器 １８ ピーク電流設定器 １９ ベース電流設定器 ２０ 低下電流設定器 ２３ 信号選択器 ２４ 低下時間設定器 ２６ パルス時間調整器 ２７ 保持電流設定器 ２８ 電流比較器 ２９ 保持時間設定器

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−290270（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−136162（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B23K 9/173 B23K 9/09 B23K 9/095

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を所定電圧値に制御する制御信号を出力す
   る電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク電流値
   よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定器と、
   前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を設定す
   る低下時間設定器とを前記電流制御手段に設け、前記出
   力制御手段には前記電流制御手段の制御信号と前記電圧
   制御手段の制御信号とを切り換えて選択入力する信号選
   択器を設け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間
   についてのみ、前記溶滴離脱信号が発生した時点から前
   記低下時間だけ前記溶接電流が前記低下電流値になるよ
   うに前記電流制御手段により制御するとともに、前記低
   下時間を経過した残りのピーク期間において前記溶接電
   圧が前記所定電圧値になるように前記電圧制御手段によ
   り制御するようにした消耗電極式パルスアーク溶接装
   置。
2. 【請求項２】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電圧値に
   制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク
   電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定
   器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を
   設定する低下時間設定器とを前記電流制御手段に設け、
   パルス波形発生手段には前記ピーク期間を所定の調整時
   間だけ延長するパルス時間調整器を設け、前記出力制御
   手段には前記電流制御手段の制御信号と前記電圧制御手
   段の制御信号とを切り換えて選択入力する信号選択器を
   設け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間につい
   てのみ、前記パルス波形発生器は前記ピーク期間を前記
   調整時間だけ延長し、前記電流制御手段は前記溶滴離脱
   信号が発生した時点から前記低下時間だけ前記溶接電流
   が前記低下電流値になるように前記出力制御手段を介し
   て制御するとともに、前記電圧制御手段は前記低下時間
   を経過した残りの前記延長されたピーク期間において前
   記溶接電圧が前記所定電圧値になるように前記出力制御
   手段を介して制御するようにした消耗電極式パルスアー
   ク溶接装置。
3. 【請求項３】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電圧値に
   制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク
   電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定
   器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を
   設定する低下時間設定器と、前記溶接電流の保持値を設
   定する保持電流設定器と、前記溶接電流を前記保持値と
   比較する電流比較器とを前記電流制御手段に設け、前記
   出力制御手段には前記電流制御手段の制御信号と前記電
   圧制御手段の制御信号とを切り換えて選択入力する信号
   選択器を設け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期
   間についてのみ、前記電流制御手段は前記溶滴離脱信号
   が発生した時点から前記低下時間だけ前記溶接電流が前
   記低下電流値になるように前記出力制御手段を介して制
   御するとともに、前記電圧制御手段は前記低下時間を経
   過した残りの前記ピーク期間において前記溶接電圧が前
   記所定電圧値になるように前記出力制御手段を介して制
   御し、前記電圧制御期間において前記溶接電流が前記保
   持値を超えたときには前記電流制御手段が前記溶接電流
   を前記保持値に保持するように前記出力制御手段を介し
   て制御するようにした消耗電極式パルスアーク溶接装
   置。
4. 【請求項４】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電圧値に
   制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク
   電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定
   器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を
   設定する低下時間設定器と、前記溶接電流の保持値を設
   定する保持電流設定器と、前記溶接電流を前記保持値と
   比較する電流比較器とを前記電流制御手段に設け、パル
   ス波形発生手段には前記ピーク期間を所定の調整時間だ
   け延長するパルス時間調整器を設け、前記出力制御手段
   には前記電流制御手段の制御信号と前記電圧制御手段の
   制御信号とを切り換えて選択入力する信号選択器を設
   け、前記溶滴離脱信号が出力されたピーク期間について
   のみ、前記パルス波形発生器は前記ピーク期間を前記調
   整時間だけ延長し、前記電流制御手段は前記溶滴離脱信
   号が発生した時点から前記低下時間だけ前記溶接電流が
   前記低下電流値になるように前記出力制御手段を介して
   制御するとともに、前記電圧制御手段は前記低下時間を
   経過した残りの前記延長されたピーク期間において前記
   溶接電圧が前記所定電圧値になるように前記出力制御手
   段を介して制御し、前記電圧制御期間において前記溶接
   電流が前記保持値を超えたときには前記電流制御手段が
   前記溶接電流を前記保持値に保持するように前記出力制
   御手段を介して制御するようにした消耗電極式パルスア
   ーク溶接装置。
5. 【請求項５】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電圧値に
   制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク
   電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定
   器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を
   設定する低下時間設定器と、前記溶接電流の保持値を設
   定する保持電流設定器と、前記溶接電流を前記保持値に
   保持する時間を設定する保持時間設定器と、前記溶接電
   流を前記保持値と比較する電流比較器とを前記電流制御
   手段に設け、前記出力制御手段には前記電流制御手段の
   制御信号と前記電圧制御手段の制御信号とを切り換えて
   選択入力する信号選択器を設け、前記溶滴離脱信号が出
   力されたピーク期間についてのみ、前記電流制御手段は
   前記溶滴離脱信号が発生した時点から前記低下時間だけ
   前記溶接電流が前記低下電流値になるように前記出力制
   御手段を介して制御するとともに、前記電圧制御手段は
   前記低下時間を経過した残りの前記ピーク期間において
   前記溶接電圧が前記所定電圧値になるように前記出力制
   御手段を介して制御し、前記電圧制御期間において前記
   溶接電流が前記保持値を超えたときには前記電流制御手
   段が前記溶接電流を前記保持値に前記保持時間だけ保持
   するように前記出力制御手段を介して制御するようにし
   た消耗電極式パルスアーク溶接装置。
6. 【請求項６】 溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶
   接電流を検出する電流検出手段と、前記溶接電流のピー
   ク期間とベース期間とを規定するパルス信号を生成する
   パルス波形発生手段と、前記溶接電流を制御する制御信
   号を出力する電流制御手段と、前記制御信号により交流
   電力入力を制御して溶接出力を制御する出力制御手段と
   を備え、前記溶接電流が前記ピーク期間においては所定
   のピーク電流値、前記ベース期間においては所定のベー
   ス電流値になるように制御される溶接装置において、前
   記溶接電圧が前記ピーク期間において所定の基準電圧を
   越えたときに溶滴離脱信号を出力する電圧比較手段と、
   前記溶接電圧を前記出力制御手段を介して所定電圧値に
   制御する電圧制御手段とを設けるとともに、前記ピーク
   電流値よりも小さい低下電流値を設定する低下電流設定
   器と、前記溶接電流を前記低下電流値に制御する時間を
   設定する低下時間設定器と、前記溶接電流の保持値を設
   定する保持電流設定器と、前記溶接電流を前記保持値に
   保持する時間を設定する保持時間設定器と、前記溶接電
   流を前記保持値と比較する電流比較器とを前記電流制御
   手段に設け、パルス波形発生手段には前記ピーク期間を
   所定の調整時間だけ延長するパルス時間調整器を設け、
   前記出力制御手段には前記電流制御手段の制御信号と前
   記電圧制御手段の制御信号とを切り換えて選択入力する
   信号選択器を設け、前記溶滴離脱信号が出力されたピー
   ク期間についてのみ、前記パルス波形発生器は前記ピー
   ク期間を前記調整時間だけ延長し、前記電流制御手段は
   前記溶滴離脱信号が発生した時点から前記低下時間だけ
   前記溶接電流が前記低下電流値になるように前記出力制
   御手段を介して制御するとともに、前記電圧制御手段は
   前記低下時間を経過した残りの前記延長されたピーク期
   間において前記溶接電圧が前記所定電圧値になるように
   前記出力制御手段を介して制御し、前記電圧制御期間に
   おいて前記溶接電流が前記保持値を超えたときには前記
   電流制御手段が前記溶接電流を前記保持値に前記保持時
   間だけ保持するように前記出力制御手段を介して制御す
   るようにした消耗電極式パルスアーク溶接装置。