JP6122718B2 - 支持構造物の製造方法及び椅子 - Google Patents

支持構造物の製造方法及び椅子 Download PDF

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Description

本発明は、椅子に取付けられる支持構造物の改良技術に関する。
椅子には、着座者の臀部を支える着座部及び着座者の背中を支える背もたれ部が設けられている物がある。これらの着座部及び背もたれ部は、着座者を支持する支持構造物ということができる。支持構造物の一形態として、樹脂製の糸を織る又は編む事によって構成されたメッシュ状の膜状部材のものが知られている。この形態の支持構造物に係る製造方法が種々提案されている(例えば、特許文献2(図1、図4)参照。)。
特許文献1には、膜状部材の周縁をクランプしつつ、このクランプしている部位よりも内側に枠状部材を形成する支持構造部の製造方法が開示されている。枠状部材よりも外方に露出している余剰の膜状部材は、枠状部材の形成後に切除される。このような製造方法においては、大きな膜状部材をクランプするため、金型が大型化するという問題があった。加えて、余剰の膜状部材が必然的に生じるため、余剰の膜状部材の分、部品コストが高くなるという問題があった。このような問題点を解決すべく、特許文献2にかかる発明が提案されている。
特許文献2を図11及び図12に基づいて説明する。
図11(a)に示されるように、支持構造物(図11(c)、符号100)を製造するには、まず、下型111と、この下型111に合わされる上型112と、熱収縮性を有する膜状部材101aとを準備する。下型111には、ピン111a,111aが立てられている。また、膜状部材101aは、ピン111a,111aに挿通されるピン挿通孔101b,101bが形成されている。
ピン挿通孔101b,101bをピン111a,111aに挿通させることにより、膜状部材101aを下型111にセットする。次に、上型112を下降させ、キャビティ113を形成する。キャビティ113に樹脂を射出することにより、膜状部材101aの外周縁に一体的に枠状部材(図11(b)、符号102)を形成する。
図11(b)に示されるように、膜状部材101aの外周縁に枠状部材102が形成された中間品100aを取り出す。この段階では、膜状部材101aは弛んでいる。膜状部材101aにヒータ115,115を押しつけ、ヒータ115,115の熱により膜状部材101aを収縮させる。即ち、膜状部材101aを収縮させ、膜状部材101aの弛みを除去する。
図11(c)に示されるように、弛みが除去された膜状部材101を有する支持構造物100を得ることができる。このような支持構造物100の枠状部材102には、下型のピン(図11(a)符号、111a)によって貫通孔102a,102aが残っている。貫通孔102a,102aが残ると、外観性が低下すると共に、枠状部材102の強度が低下する。このため、必要に応じて次図において説明するような処理が施される。
図12(a)に示されるように、第2の下型121、第2の上型122及び支持構造物100を準備する。第2の下型121に立てられているピン121a,121aに支持構造物100の貫通孔102a,102aを通し、支持構造物100を第2の下型121にセットする。次に、第2の上型122を下降させ、キャビティ(図12(b)、符号123)を形成する。
図12(b)に示されるように、キャビティ123に樹脂105aを射出する。図12(c)に示されるように、固化した樹脂105によって、支持構造物100の貫通孔102a,102aが覆われ、外観性を良好にすることができる。
この製造方法によると、外観性の高い支持構造物100を得ることができる。しかし、支持構造物100の製造後に、別工程によって貫通孔102a,102aを塞ぐ必要がある。このため、工程数が増加すると共に、必要な成形型の数が増加する。外観性の高い支持構造物を、少ない工程によって得ることができる技術の提供が望まれる。
特許第3200409号公報 特許第4932983号公報
本発明は、外観性の高い支持構造物を少ない工程によって得ることができる技術の提供を課題とする。
請求項1に係る発明は、メッシュ、フィルム、布地、不織布等から構成される膜状部材の周縁を、樹脂製の枠状部材によって保持することにより構成される、椅子の背もたれ又は座等の支持構造物の製造方法において、
前記枠状部材を形成するための金型には、前記膜状部材を押さえるための押さえ部材が設けられており、この押さえ部材によって前記膜状部材を押さえつつ、前記押さえ部材を待避位置に移動させ、
前記膜状部材の寸法が前記枠状部材の外周縁よりも小さくなるよう、前記膜状部材の外周縁に沿って前記枠状部材を形成することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記押さえ部材を待避位置に移動させた際に、前記金型と前記押さえ部材とによって前記膜状部材を挟み込むことにより、前記膜状部材を押さえていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記膜状部材には、前記押さえ部材を挿通するための係止孔が形成され、
前記押さえ部材は、皿ねじ形状を呈することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記押さえ部材は、皿ねじの頭部の縁が一部欠落した形状を呈し、平面視において略D字形状を呈することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記枠状部材を形成するために、前記樹脂を所定量流入したときに、前記押さえ部材を待避させることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記膜状部材の外周縁に沿って前記枠状部材を形成した後に、前記膜状部材に熱を加え、前記膜状部材を収縮させることにより、必要な張力を付与することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の支持構造物の製造方法によって製造された支持構造物が脚フレームに取付けられたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、押さえ部材によって膜状部材を押さえつつ、押さえ部材を待避位置に移動させる。これにより、1回の成形でありながら枠状部材に貫通孔が形成されることを防止し、外観性の高い支持構造物を得ることができる。
請求項2に係る発明では、膜状部材を挟み込むことにより、樹脂を流入させた場合の膜状部材の移動を防止する。このとき、押さえ部材は、型との間において膜状部材を挟み込んでいる。即ち、押さえ部材は、型のキャビティを形成している面の近傍まで後退している。簡便な構成により、支持構造物に貫通孔が形成されることを防止し、外観性の高い支持構造物を得ることができる。
請求項3に係る発明では、皿ねじ形状の押さえ部材を膜状部材の係止孔に挿通させる。係止孔に挿通された後は、膜状部材は、押さえ部材の頭部によって膜状部材の抜けが抑制される。これにより、確実に膜状部材の移動を防止することができる。
請求項4に係る発明では、押さえ部材は、皿ねじの頭部の縁が一部欠落した形状を呈し、平面視において略D字形状を呈する。D字形状とすることにより、円形状に比べて、膜状部材を係止孔へ簡単に挿通させることができる。一方、D字形状の湾曲部分については、膜状部材の抜けの防止に寄与する。即ち、膜状部材を取り付けやすく抜けにくくすることができる。
請求項5に係る発明では、樹脂が所定量流入したときに、押さえ部材を待避させる。樹脂の量が所定量に達するまでは、押さえ部材によって、膜状部材の移動を防止する。樹脂の量が所定量に達した後は、樹脂の圧力によって、あるいは樹脂の流れが弱くなることによって膜状部材の移動が防止される。これにより、支持構造物の外観性をさらに高めることができる。
請求項6にかかる発明では、膜状部材の外周縁に沿って枠状部材を形成した後に、膜状部材に熱を加え、膜状部材を収縮させることにより、必要な張力を付与する。このため、膜状部材の外周縁に枠状部材を形成する際には、膜状部材が移動しない程度に抑えておけばよい。即ち、枠状部材を形成する際に、膜状部材は、緩んだ状態でもよく、製造の際の管理が容易である。
請求項7に係る椅子は、外観性の高い支持構造物が脚フレームに取り付けられている。このことにより、椅子全体としての外観性も高めることができる。
本発明の実施例1による支持構造物の製造方法によって製造された支持構造物が採用された椅子の斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 図1に示された支持構造物の製造に用いる樹脂成形装置の概略図である。 図1に示された支持構造物の製造に先立って準備される膜状部材について説明する図である。 図1に示された支持構造物を製造する製造方法の準備工程からキャビティ形成工程までを説明する図である。 図1に示された支持構造物を製造する製造方法の樹脂流入工程から樹脂固化工程までを説明する図である。 図1に示された支持構造物を製造する製造方法の中間物取出工程から加熱工程までを説明する図である。 図3に示された押さえ部材の変更例を説明する図である。 本発明の実施例2による支持構造物の製造方法における膜状部材押さえ工程及び押さえ部材後退工程を説明する図である。 本発明の実施例2による支持構造物の製造方法における樹脂固化工程及び押さえ部材後退工程を説明する図である。 従来の技術における支持構造物の製造方法を説明する図である。 従来の技術における支持構造物の製造方法の後工程を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、前後左右は着座者を基準として前後左右を指す。本発明の実施例1による支持構造物が採用された椅子について、図1に基づき説明する。
図1に示されるように、椅子10は、左右一対の脚フレーム11,11に、着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20(座20)及び着座者の背中を支持する背面部支持構造物30(背もたれ30)を取り付けてなる。左右一対の脚フレーム11,11は、それぞれ、一本の金属パイプが「6」の字に曲げられて形成されている。
より詳細には、脚フレーム11は、上端に背面部支持構造物30が差し込まれる後部フレーム11aと、この後部フレーム11aの下端から前方に向かって延びているベースフレーム11bと、このベースフレーム11bの先端から上方に向かって延びている前フレーム11cと、この前フレーム11cの上端から後方に向かって延び上面に臀部支持構造物20が載せられる座支持フレーム11dとからなる。脚フレーム11,11間には、横架フレームが渡されている。この横架フレームを介して脚フレーム11,11は、一体的に形成されている。
臀部支持構造物20は、左右の脚フレーム11,11間に渡されると共に矩形状を呈する臀部枠状部材21と、この臀部枠状部材21に周縁が支持されているメッシュ状の臀部膜状部材22とからなる。
背面部支持構造物30も基本的な構造は同様である。即ち、背面部支持構造物30は、左右の脚フレーム11,11の上端に取り付けられる背面部枠状部材31と、この背面部枠状部材31に周縁が支持されているメッシュ状の背面部膜状部材32とからなる。
臀部支持構造物20と、背面部支持構造物30とは、脚フレーム11に取り付けられると共に着座者を支持する点において共通している。これらの臀部支持構造物20及び背面部支持構造物30を、適宜「支持構造物20,30」という。
支持構造物20,30を構成する、臀部枠状部材21と背面部枠状部材31も同様に、それぞれの機能が共通する部材である。これらも、適宜「枠状部材21,31」という。以下、同様に臀部膜状部材22と背面部膜状部材32を、適宜「膜状部材22,32」という。
図2に示されるように、臀部枠状部材21及び臀部膜状部材22は、共に樹脂を材料とする部材である。予め織られた樹脂素材からなる臀部膜状部材22を射出成形型にセットし、射出成形を行うことにより、臀部膜状部材22の周縁に臀部枠状部材21を一体的に形成する。この後、臀部膜状部材22に熱を加える。熱により、臀部膜状部材22は、収縮し、弛みが除去される。例えば、臀部枠状部材21の素材には、ポリプロピレン(特に、その中でも、ガラス繊維強化ポリプロピレン)が用いられ、臀部膜状部材22の素材には、ポリエステルが用いられる。背面部支持構造物30の成形方法及び素材も同様である。
図1に戻り、背面部枠状部材31は、上部が後方に向かって傾斜している。即ち、背面部枠状部材31は、脚フレーム11,11から一体的に延びている起立部31aと、この起立部31aの上端から起立部31aに対して後方に向かって傾斜している傾斜部31bと、この傾斜部31bの上端において後方に向かって湾曲している湾曲部31cとからなる。
背面部枠状部材31によって周縁が支持されている背面部膜状部材32も同様である。即ち、背面部膜状部材32は、背面部枠状部材31の起立部31aによって支持されている一般面部32aと、背面部枠状部材31の傾斜部31bによって支持され後方に向かって傾斜している傾斜面部32bと、この傾斜面部32bの上端において後方に向かって湾曲している湾曲面部32cとからなる。
このような椅子10に用いられる支持構造物20,30の製造方法を、図3以降において詳細に説明する。なお、臀部支持構造物20を例に説明を行うが、背面部支持構造物30の製造方法も同様であり、説明を省略する。
図3に示されるように、樹脂成形装置40は、第1の型50と、この第1の型50に合わされる第2の型60と、制御部41とからなる。第1の型50は、固定されており移動しない。第2の型60は、水平方向に向かって移動可能な構成とされている。
第1の型50には、図面左右方向に進退可能な皿ねじ形状の押さえ部材51(係止ピン51)が設けられていると共に、押さえ部材51を進退させるシリンダ53が設けられる。また、第1の型50には、射出機54のノズル55をタッチさせるスプル56が設けられる。
第2の型60は、型締めシリンダ61により、水平に移動される。制御部41は、シリンダ53、射出機54、型締めシリンダ61を制御する。
支持構造物(図1、符号20)の製造に先立って、このような樹脂成形装置40を準備する。樹脂成形装置40と共に準備される膜状部材について、次図において詳細に説明する。
図4(a)に示されるように、膜状部材22aは、前辺が後辺よりも長い等脚台形状を呈している。図に示される膜状部材22aは、熱収縮前の状態である。膜状部材22aの周縁部22dには、押さえ部材(図3、符号51)に係止される係止孔22bが複数開けられている。これらの係止孔22bは、それぞれ押さえ部材に係止される。
図4(a)のb部拡大図である図4(b)に示されるように、係止孔22bには、一対のU字状の撓み部22cが形成されている。撓み部22cは、切り込み状に形成されている。撓み部22cは、容易に撓む部位である。皿ねじ形状の押さえ部材(図3参照)への膜状部材22aの取り付け及び押さえ部材からの膜状部材22aの取り外し時には、撓み部22cを撓ませながら取り付け又は取り外しを行う。撓み部22cが形成されていることにより、押さえ部材への膜状部材22aの取り付け及び押さえ部材からの膜状部材22aの取り外しを容易に行うことができる。次図以降において、支持構造物の製造方法を説明する。
図5(a)に示されるように、まず、係止工程を行う。即ち、押さえ部材51を前進(突出)させた状態において、押さえ部材51に膜状部材22aの周縁部22dを係止する。
係止したら、挟込み工程を行う。図5(b)に示されるように、押さえ部材51を後退させ、押さえ部材51と第1の型50のキャビティ形成面部50aとによって膜状部材22aを挟込む。そして、図5(c)に示されるように、第2の型60を第1の型50に合わせキャビティCaを形成する(キャビティ形成工程)。
このとき、膜状部材22aの外周縁の全周が、キャビティCa内に位置する。また、押さえ部材51は、上面がキャビティCaと略面一になる位置まで後退している。即ち、図に示される状態において、押さえ部材51は、待避位置に位置している。図5(b)及び図5(c)から、押さえ部材51は、キャビティCaに向かって進退可能であるといえる。
図6(a)に示されるように、スプル56からキャビティCa内に溶融された樹脂を流し込む(樹脂流入工程)。なお、膜状部材22aには、樹脂を円滑に流すことができるよう、樹脂流し込み孔22e,22eが複数形成されている。
図6(b)に示されるように、樹脂を固化させ、膜状部材22aの周縁部22dに枠状部材21を一体的に形成する。これにより、膜状部材22aの周縁部22dに枠状部材21が一体的に形成された中間物20aを得ることができる(樹脂固化工程)。この後、中間物20aを第1の型50から取出す(中間物取出し工程)。
図7(a)に示されるように、膜状部材22aを加熱したヒータ70,70によって挟み込む。膜状部材22aに熱を加えて収縮させる(加熱工程)。図7(b)に示されるように、膜状部材22の弛みが除去されることにより、支持構造物20が完成する。
図5乃至図7を纏めて、以下のようにいうことができる。押さえ部材51によって膜状部材22aを押さえつつ、押さえ部材51を待避位置に移動させる。これにより、1回の成形でありながら枠状部材21に貫通孔が形成されることを防止し、外観性の高い支持構造物20を得ることができる。
より具体的には、押さえ部材51を後退させ、押さえ部材51と第1の型50とによって膜状部材22aを挟込む挟込み工程を有する。膜状部材22aを挟み込むことにより、樹脂を流入させた場合の膜状部材22aの移動を防止する。このとき、押さえ部材51は、第1の型50との間において膜状部材22を挟み込んでいる。即ち、押さえ部材51は、第1の型50のキャビティCaを形成している面の近傍まで後退している。1回の成形でありながら支持構造物20に貫通孔が形成されることを防止し、外観性の高い支持構造物20を得ることができる。
加えて、皿ねじ形状の押さえ部材51を膜状部材22aの係止孔22bに挿通させる。係止孔22bに挿通された後は、押さえ部材51の頭部によって、膜状部材22aの抜けが抑制される。これにより、確実に射出成形時における膜状部材22aの移動を防止することができる。
さらに、膜状部材22aの外周縁に沿って枠状部材21を形成した後に、膜状部材22aに熱を加え、膜状部材22aを収縮させることにより、必要な張力を付与する。このため、膜状部材22aの外周縁に枠状部材21を形成する際に、膜状部材22aを移動しない程度に抑えておけばよい。即ち、枠状部材21を形成する際に、膜状部材22aは、緩んだ状態でもよく、製造の際の管理が容易である。
また、膜状部材22aの外周縁に沿って枠状部材21が形成される。このため、膜状部材22の外周の寸法に比べて、枠状部材21の外周の寸法の方が大きい。枠状部材21よりも膜状部材の寸法の方が大きい場合には、枠状部材21の外に露出している膜状部材を除去する工程が別途必要になる。本発明によれば、予め膜状部材22aの外周縁にキャビティCaを形成しつつ、この内部において膜状部材22aの移動を防止しているため、露出している膜状部材を除去する工程が不要である。支持構造物20を少ない工程によって製造することができ、有益である。
図1に戻り、外観性の高い支持構造物20が脚フレーム11に取り付けられている。このことにより、椅子10全体としての外観性も高めることができる。
図8に示されるように、押さえ部材(図5(a)、符号51)には、目的に応じて様々な形状の物を採用することができる。図8(a)及び図8(b)に示されるように、押さえ部材51Bは、皿ねじの頭部の縁が欠落した形状を呈している。即ち、押さえ部材51Bは、平面視において略D字形状を呈する。
図8(c)及び図8(d)に示されるように、押さえ部材51Cは、皿ねじの頭部の半分が欠落した形状を呈している。即ち、平面視において押さえ部材51Cは、略半円形状を呈する。なお、この略半円形状は、略D字形状の一形態であるということができる。
図2及び図4も合わせて参照し、押さえ部材51B,51Cは、皿ねじの頭部の縁が欠落した形状を呈し、平面視において略D字形状(略半円形状)を呈する。D字形状とすることにより、円形状に比べて、膜状部材22aを係止孔22bへ簡単に挿通させることができる。一方、D字形状の湾曲部分については、膜状部材22aの抜けの防止に寄与する。即ち、膜状部材22aを取り付けやすく抜けにくくすることができる。
また、押さえ部材51B,51Cの頭部がD字形状を呈するため、円形状に比べて、頭部の表面積が小さい。このため、膜状部材22aに形成されている係止孔22bを小さくすることができる。これにより、係止孔22bが目立たなくなり、支持構造物20の外観性を高めることができる。
さらに、押さえ部材51B,51Cは、全体として皿ねじ形状を呈する。即ち、押さえ部材51B,51Cの頭部は平坦状に形成されている。このことにより、接触跡を平坦状にすることができる。これにより、接触跡が目立たなく、押さえ部材51B,51Cの外観性を高めることができる。
また、皿ねじの頭部が略D字形状を呈することにより、円形状に比べて、樹脂への接触面積を減らすことができる。これにより、樹脂に押さえ部材51B,51Cが接触することにより、枠状部材に生じる接触跡を小さくすることができる。これにより、支持構造物(図1、符号20)の外観性を高めることができる。
図8(e)に示されるように、押さえ部材51Dは、基部51Daが略直方体状に形成され、この基部51Daから一体的に広がるよう頭部51Dbが形成されている。
図8(f)に示されるように、押さえ部材51Eは、基部51Eaが略直方体状に形成され、この基部51Eaの一辺から広がり、他辺から延びるように頭部51Ebが形成されている。押さえ部材51Eの頭部51Ebは、図8(e)に示された押さえ部材51Dの頭部51Dbの一部が欠落した形状ということもできる。
図2及び図4も合わせて参照し、これらの押さえ部材51D,51Eによれば、膜状部材22aを広い範囲で押さえることができる。これにより、確実に膜状部材22aの移動を抑制することができる。膜状部材22aの端部等、目立たない部位に長方形状の係止部22fを形成し、この部位を押さえ部材51D,51Eによって押さえる。これにより、外観性の低下を抑制しつつ、膜状部材22aの移動を抑制することができる。
それぞれの目的に応じて、様々な形状の押さえ部材51,51B〜51Eを組み合わせて用いることが望ましい。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。図9(a)には、実施例2の製造方法に用いられる樹脂成形装置が示され、上記図5(c)に対応させて表している。実施例1の製造方法に用いられる樹脂成形装置に対して、第2の型に第2の押さえ部材を追加した。即ち、押さえ部材は、第1の型に設けられる第1の押さえ部材と、第2の型に設けられる第2の押さえ部材とからなる。
図9(a)に示されるように、第2の型60Aは、膜状部材22aを押さえるための第2の押さえ部材61Aを有している。第2の押さえ部材61Aは、キャビティCaに向かって進退可能に設けられている。図9(b)も併せて参照し、第1の型50Aには、先端のピンが小型である第1の押さえ部材51A(係止ピン51A)が設けられている。
キャビティ形成工程(図5(c)参照)と樹脂流入工程(図6(a)参照)との間において、第2の押さえ部材61Aを膜状部材22aに接触する位置まで前進させ、膜状部材22aを押さえる(膜状部材押さえ工程)。次に、樹脂をキャビティCa内に流入させる(樹脂流入工程)。
樹脂流入工程と樹脂固化工程(図6(b)参照)との間において、樹脂が第2の押さえ部材61Aに接触する直前に、第2の押さえ部材61Aを第2の型60の一般面(キャビティ形成面部60Aa)まで後退させる(押さえ部材後退工程)。即ち、第2の押さえ部材61Aについては、樹脂が第2の押さえ部材61Aに接触する直前に待避位置まで待避させる。一方、第1の押さえ部材51Aは、キャビティCaの形成前に待避位置まで待避している。
図10に示されるように、第2の押さえ部材61Aを後退させた状態においてさらに樹脂を流入させ、樹脂を固化させることにより、中間物20Aaを得ることができる。中間物20Aaを得た後は、膜状部材22aを熱収縮させる。
図9に戻り、樹脂が第2の押さえ部材61Aに接触する直前に、第2の押さえ部材61Aを第2の型60Aの一般面(キャビティ形成面部60Aa)まで後退させる押さえ部材後退工程を有する。
樹脂の量が所定量に達するまでは、第2の押さえ部材61Aによって、膜状部材22aのキャビティCa内での移動を防止する。樹脂の量が所定量に達した後は、樹脂の圧力によって膜状部材22aの移動が防止される。これにより、第1の押さえ部材51Aは、第2の押さえ部材61Aが膜状部材22aを押さえるまでの間、膜状部材22aを係止していればよい。膜状部材22aを係止するだけであれば、小さな第1の押さえ部材51Aを用いれば済む。第1の押さえ部材51Aが小さければ、膜状部材22aに形成されるピン係止孔22bも小さくすることができ、支持構造物の外観性をさらに高めることができる。
尚、本発明においては、膜状部材は、メッシュ状の物を例に説明した。しかし、熱収縮性を有する物であれば、メッシュ状以外の物であってもフィルム、布地、不織布等が適用可能である。即ち、膜状部材は、本発明の目的を達することができるものである限り、これらの形式のものに限られるものではない。
また、本発明による椅子には、着座部又は背もたれ部のどちらかに本発明による製造方法によって製造された支持構造物が採用されていればよい。この他、椅子、支持構造物、膜状部材の形状、素材、成形に使用される金型などは、本発明の趣旨に反しないものである限りあらゆるものを採用することができ、本実施例に限定されるものではない。
本発明による製造方法によって製造された支持構造物は、椅子の着座面部又は背面部に適用するのに好適である。
10…椅子
11…脚フレーム
20,20A…臀部支持構造物(支持構造物)
20a…中間物
22…臀部膜状部材(膜状部材)
22d…周縁部
30…背面部支持構造物(支持構造物)
32…背面部膜状部材(膜状部材)
50,50A…第1の型
51,51B,51C,51D,51E…押さえ部材
51A…第1の押さえ部材
60,60A…第2の型
61A…第2の押さえ部材
Ca…キャビティ

Claims (7)

  1. メッシュ、フィルム、布地、不織布等から構成される膜状部材の周縁を、樹脂製の枠状部材によって保持することにより構成される、椅子の背もたれ又は座等の支持構造物の製造方法において、
    前記枠状部材を形成するための金型には、前記膜状部材を押さえるための押さえ部材が設けられており、この押さえ部材によって前記膜状部材を押さえつつ、前記押さえ部材を待避位置に移動させ、
    前記膜状部材の寸法が前記枠状部材の外周縁よりも小さくなるよう、前記膜状部材の外周縁に沿って前記枠状部材を形成することを特徴とする支持構造物の製造方法。
  2. 前記押さえ部材を待避位置に移動させた際に、前記金型と前記押さえ部材とによって前記膜状部材を挟み込むことにより、前記膜状部材を押さえていることを特徴とする請求項1記載の支持構造物の製造方法。
  3. 前記膜状部材には、前記押さえ部材を挿通するための係止孔が形成され、
    前記押さえ部材は、皿ねじ形状を呈することを特徴とする請求項2記載の支持構造物の製造方法。
  4. 前記押さえ部材は、皿ねじの頭部の縁の一部が欠落した形状を呈し、平面視において略D字形状を呈することを特徴とする請求項3記載の支持構造物の製造方法。
  5. 前記枠状部材を形成するために、前記樹脂を所定量流入したときに、前記押さえ部材を待避させることを特徴とする請求項1記載の支持構造物の製造方法。
  6. 前記膜状部材の外周縁に沿って前記枠状部材を形成した後に、前記膜状部材に熱を加え、前記膜状部材を収縮させることにより、必要な張力を付与することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の支持構造物の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の支持構造物の製造方法によって製造された支持構造物が脚フレームに取付けられたことを特徴とする椅子。
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