JP6122416B2 - 食品用ショーケース - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、複数段の冷却用及び加熱用の棚を備えた冷却/加熱併用の多段オープンショーケースが開示されている。
しかしながら、この特許文献2の多段オープンショーケースは、上3段の全部を同時に同一レベルの温度で加熱するものであり、また、下2段の全部を同時に同一レベルの温度で冷却するものである。
即ち、この特許文献2の多段オープンショーケースは、各商品陳列棚が加温用と冷却用に二分され、それぞれ加温用と冷却用の商品陳列棚が固定されているため、加温食品を希望する来客が集中した場合、若しくは加温食品を希望する来客が集中した場合には、いずれの場合も、当該各需要に十分に対応することができないという不都合があった。
本発明は、上記従来技術の有する不都合を改善し、特に加温状態又は常温状態の何れの食品を希望する需要者が集中しても、これらの需要に対して有効に且つ迅速に対応し得る複数段の食品陳列棚を備えた食品用ショーケースを提供することを、その目的とする。
前記ケース本体に、前記各食品陳列棚上の庫内温度を常時個別に検出する温度センサを当該食品陳列棚毎に装備すると共に、この各温度センサからの出力に基づいて前記各ヒータの加熱動作を制御する主制御部を装備している。
外部指令により前記各段のヒータの駆動にかかる予め設定された複数の運転モード(通電対象の組合せ)から一の運転モードを選択すると共に、これにより特定される一段又は複数段の食品陳列棚にかかる前記各ヒータを通電制御の対象とする運転モード設定機能と、
前記各段の温度センサからの温度情報に基づいて稼働し、特定された前記一段又は複数段の各ヒータを、予め設定された目標温度を基準として個別に停止若しくは通電制御するヒータ加熱制御機能とを備えており、
上段側の前記食品陳列棚を加温状態に設定しつつ下段側の前記食品陳列棚を常温状態に設定することにより、上段側の熱気を外部へ連続排気しつつ、前記吸気口から流入する外気によって前記下段側の食品陳列棚を常温状態に維持可能なことを特徴としている。
以下、本発明にかかる食品用ショーケースの第1実施形態を、図1乃至図9を参照して説明する。
尚、この各温度センサ(サーミスタ)11S乃至14Sの装着位置については、対応する各段11乃至14上の空間温度(庫内温度)を適切に検出し得る位置であれば、上記開閉扉21乃至24に近い位置でなくてもよい。
また、この主制御部8には、外部指令等の必要な指令若しくは情報を入力する入力部9が併設されている。
この内、第1のメモリ(制御プログラム記憶部)10Aには、上記各段のヒータ11A,11B,……を特定するための複数の運転モード及び当該運転モードによって特定された前記一又は複数(一段又は複数段)の各ヒータ11A,11B,……を、前述した主制御部8が個別に加熱制御するためのヒータ制御プログラムが格納されている。
以下、これを更に詳述する。
まず、上記ケース本体2と、食品陳列棚11乃至14とについて、詳述する。
本第1実施形態における食品用ショーケース1は、上述したように、複数段(本第1実施形態では4段)に区画されてなる食品陳列棚11乃至14を備えている。この各食品陳列棚11乃至14は、その両端部が、ケース本体2に予め装備された支持側板3,4によって固定保持されている(図1乃至図4参照)。
この場合、各食品陳列棚11乃至14上には、食品を載せて出し入れするバットが個別に載置されるようになっており(図示せず)、ケース本体2の背面側から、当該バットの出し入れが行われるようになっている。
ここで、各食品陳列棚11乃至14上の床面側にはヒータ11A乃至14Aが、また、天井面側にはヒータ11B乃至14Bが、それぞれ設置されている。
この上面板2Eの下面側(内面天井側)は、ケース本体2の最上段(4段目の食品陳列棚14)の天井部分を構成する天井棚15が水平状態を維持して装備されている。
ここで、上記した前面ガラス2Aは、上記基盤部2Bに合わせて下端部側が前面側に張り出した状態で斜めに配置され、その左右両端部が前記支持側板3,4の前端部と共に枠体に保持され、且つその全体が基盤部2B上に組み込まれて前述したケース本体2の一部を構成している。
このため、ケース本体2内は負圧状態となり、基盤部2Bの前面側下面の吸気口19から外気Aが流入する。以下、これが連続的に繰り返されて、ケース本体2内では、自然の状態で吸排気が緩やかに継続して実行される。
次に、上記各食品陳列棚11乃至14と、これに装備される加温手段(ヒータ)との組合せ構造について説明する。
そして、上述したように、各段11〜14の床面にはヒータ11A〜14Aが、又各段11〜14の天井面にはヒータ11B〜14Bが、それぞれ設置されている。
このため、食品陳列棚11上の食品は、食品陳列棚11側のヒータ11Aと食品陳列棚12側の下面に装備したヒータ11Bとから成る第1加温手段31により、上下両面から有効に加温されることとなる。
このため、食品陳列棚12上の食品は、食品陳列棚12側のヒータ12Aと食品陳列棚13側の下面に装備したヒータ12Bとから成る第2加温手段32により、上下両面から有効に加温されることとなる。
このため、食品陳列棚13上の食品は、食品陳列棚13側のヒータ13Aと食品陳列棚14側の下面に装備したヒータ13Bとから成る第3加温手段33により、上下両面から有効に加温されることとなる。
上記各食品陳列棚11乃至14の領域には、上述したように、それぞれ一対のヒータ(第1乃至第4の各加温手段31乃至34)が装備されている。
上記主制御部8は、外部指令によって稼働し、各段のヒータ11A,11B;……の駆動にかかる予め設定された複数の運転モード(第0モードを含む5つのモード)から一の運転モードを選択すると共に、この一の運転モードで特定される一又は複数の食品陳列棚(例えば第4モードを選択した場合には、4段全部の食品陳列棚)11乃至14にかかる前記各ヒータ11A,11B;……を通電制御の対象として設定する運転モード設定機能81を備えている。
上記主制御部8には、前述したように、第1のメモリ10Aと第2のメモリ10Bとから成るメモリ部10が併設されている。
この内、第1のメモリ10Aには、前述した各ヒータ11A,11B,……を駆動用として特定するための複数の運転モード及び当該運転モードによって駆動対象として特定された一又は複数の段の各ヒータを、主制御部8を介して個別に加熱制御するためのヒータ制御プログラムが予め格納されている。主制御部8は、このヒータ制御プログラムによって、上述したように各ヒータ11A,11B,……を駆動制御するようになっている。
本第1実施形態では、予め装置全体が交流100〔V〕の電源を利用するようになっていることから、SSR通電制御素子41乃至48は、交流用のSSR(Solid State Relay)が使用され、前述したSSR出力個別制御部40が、上記主制御部8の指令で個別にオン/オフ制御するようになっている。
上記各ヒータ11A,11B;……に対する個別のオン/オフ制御は、前述したように、対応する各SSR通電制御素子41乃至48を介して実行される。
この場合、主制御部8のヒータ通電制御機能82が機能し、特定された前記運転モードに対応して各ヒータ11A,11B;……毎に予め設定された単位時間(例えば、2秒1サンクル)における通電時間の割合(ヒータパワー率)に基づいて、各SSR通電制御素子41乃至48の出力動作を制御する。
これにより、主制御部8の負担が軽減され、システム全体の動作の迅速化が図られている(図1参照)。
ここで、主制御部8が行うSSR通電制御素子41乃至48に対する通電制御について説明する。
この場合、主制御部8は、前述した各温度センサ11S乃至14Sからの測定温度t(t1乃至t4)を、予め設定した対応する各段の目標温度Tmnと比較し、その大小に応じて、対応する各SSR通電制御素子41乃至48を通電制御若しくは停止制御を実行する機能を備えている。
又、前述したケース本体2には、上記各段(食品陳列棚)11乃至14上の空間温度(庫内温度)を外部表示する温度表示部60と、当該温度表示部60の表示動作を主制御部8の指令に基づいて制御する表示制御部60Aとが装備されている。
この温度表示部60は、前述した基盤部2Bの背面側に設置された表示パネル2BH に配設されている。
この場合、稼働状態表示ランプ11P乃至14Pは、オレンジ又は緑の豆電球又はLEDにより表示され、ホット状態の場合はオレンジが、常温状態の場合は緑が、それぞれ点灯表示されるようになっている。そして、この場合の表示制御も、主制御部8の指令で表示制御部60Aが実行するようになっている。
また、上記主制御部8は、外部指令に基づいて稼働し、現在設定中の前記運転モードを他の運転モードに切り換え設定する運転モード切換え制御機能86を備えている。
この場合、前述した入力部9には運転モード切換専用のモード切換スイッチ9Aが設けられており、オペレータはこのモード切換スイッチ9Aを操作して運転モード切換え指令を主制御部8に送り込み、これに応答して主制御部8が作動し、動作中の運転モードを停止させて外部指定の新たな運転モードを設定するように機能する。
これにより、本実施形態にかかる食品用ショーケース1は、装置使用者の運転モード変更等の要求に対しては、迅速に対応し得るようになっている。
次に、上記実施形態の全体的な動作を図8乃至図9に従って説明する。
まず、装置全体を稼働状態に設定すると、各食品陳列棚11乃至14の全体が常温稼働状態(各ヒータ11A乃至14A,11B乃至14Bは、休止状態)に設定される(図8:ステップS101)。
具体的には、主制御部8が、第2メモリ10Bに格納されている運転モード4の各ヒータパワー率PmnA ,PmnB を読み出して、一時的にこれを保持し、これに基づいて(且つ上記したように、2秒1サイクルのデューティ比で)対応する各SSR通電制御素子41乃至48を、SSR個別出力制御部40を介して、順次個別に通電制御する。
この場合、各段のヒータに対するヒータパワー率PmnA ,PmnBは、図9(B)に示すように上段側の方が下段側よりも小さく設定されている。
これは、下段側のヒータで加温された庫内空気の一部が上昇気流と共に上段側に移動し、更には食品陳列棚の周端部を介して下段側の庫内温度の一部が上段側に伝達されるため、上段側では、下段側からのこの種の伝熱作用によって庫内温度が常時有効に加温されることとなり、このため、上段側ではヒータパワー率を下段側よりも小さく設定しても、庫内温度を目標温度に迅速に近づけることが可能となっている。即ち、本第1実施形態では、かかる点においても、装置全体の省力化が図られている。
そして、各段の庫内温度tn が目標温度Tmnよりも高い場合は、対応する段11,12,13,又は14の上下一対のヒータをオフ制御する(図8:ステップS105)。
この通電オフの状態は、庫内温度tn が目標温度Tmnよりも低くなる迄、継続して実行される。
本第1実施形態は上述のように構成され機能するので、これによると、加温状態に設定された上記一又は二以上の各食品陳列棚11乃至14の食品は、主制御部8のヒータ通電制御機能が有効に機能して、目標温度Tmn前後の適度の加温状態に常時設定されることとなり、常温状態に設定された食品陳列棚11,12,又は13は常に下段側に設置されるので、ケース本体2の下方の吸気口19から吸入される外気の上昇気流によって当該常温状態が有効に維持されることとなる。
次に、本発明の第2実施形態を、図10に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いることとする。
この第2実施形態は、前述した第1実施形態が、排気口を各食品陳列棚11乃至14毎に個別に設置しているのに対して、ケース本体102内の上部に設けた一の排気口を複数の各食品陳列棚で共通に利用するようにした点に構成上の特徴を備えている。
まず、図10において、本第2実施形態にかかる食品用ショーケース100は、前述した第1実施形態の場合と同様に4段の食品陳列棚51,52,53,54を備え、この各食品陳列棚51〜54を内側に配して、その左右両端部を保持して成るケース本体102を備えている。
これにより、各食品陳列棚51〜54は、下段に行くに従い、食品の載置面積が大きくなるように設定されている。
この吸気口119及び排気口124は、前述した第1実施形態の場合と同様に、ケース本体102の幅方向全体に沿って一様に形成され、これによって、外気がケース本体102内に一様に吸入され且つ一様に排気されるようになっている。
そして、この温度センサ11S,12S,……からの温度情報に基づいて、前述したように、各ヒータ11A,11B,……、が予め装備された主制御部8によって前述した第1実施形態の場合と同様に、通電制御されるようになっている。
その他の具体的な構成およびその動作は、前述した第1実施形態における食品用ショーケース1の場合と同一となっている。
2,102 ケース本体
8 主制御部
9 入力部
10 メモリ部
10A 第1のメモリ(制御プログラム記憶部)
10B 第2のメモリ(パラメータ記憶部)
11乃至14、51乃至54 食品陳列棚(段)
11A乃至14A ヒータ(各段の床面側)
11B乃至14B ヒータ(各段の天井面側)
11S乃至14S 温度センサ(サーミスタ)
19 ,119 吸気口
20 ,120,121 通気路
21A乃至24A,124 排気口
41,42,43,44 SSR通電制御素子
60 温度表示部
81 運転モード設定機能
82 ヒータ通電制御機能
82A 通電停止制御機能
82B 通電開始制御機能
83 運転モード切換え制御機能
K1乃至K8 通電入力回路
PmnA ,PmnB ヒータパワー率(出力比)
Tmn 目標温度
Claims (6)
- 複数段の食品陳列棚を備え各段に共通する通気路を前面側に備えて成るケース本体と、このケース本体の上端部に設けられた排気口と、前記ケース本体の下端部に設けられた吸気口とを備え、前記各食品陳列棚に食品保温用のヒータを備えてなる食品用ショーケースであって、
前記ケース本体に、前記各食品陳列棚上の庫内温度を常時個別に検出する温度センサを当該食品陳列棚毎に装備すると共に、この各温度センサからの出力に基づいて前記各ヒータの加熱動作を制御する主制御部を装備し、
この主制御部が、
外部指令により前記各段のヒータの駆動にかかる予め設定された複数の運転モードから一の運転モードを選択すると共に、これにより特定される一段又は複数段の食品陳列棚にかかる前記各ヒータを通電制御の対象とする運転モード設定機能と、
前記各段の温度センサからの温度情報に基づいて稼働し、特定された前記一段又は複数段の各ヒータを、予め設定された目標温度を基準として個別に停止若しくは通電制御するヒータ加熱制御機能とを備えており、
上段側の前記食品陳列棚を加温状態に設定しつつ下段側の前記食品陳列棚を常温状態に設定することにより、上段側の熱気を外部へ連続排気しつつ、前記吸気口から流入する外気によって前記下段側の食品陳列棚を常温状態に維持可能なことを特徴とした食品用ショーケース。 - 請求項1に記載の食品用ショーケースにおいて、
前記ヒータ特定用の複数の運転モード及び当該運転モードによって特定された前記一段又は複数段の各ヒータを個別に加熱制御するヒータ制御プログラムが予め格納された第1のメモリと、前記各運転モードに応じて特定される前記各段の目標温度及び当該目標温度にかかる情報等が予め格納された第2のメモリとを、前記主制御部にそれぞれ併設したことを特徴とする食品用ショーケース。 - 請求項1又は2に記載の食品用ショーケースにおいて、
前記各段のヒータの通電入力回路に、当該各ヒータに対する通電電流を規制するSSR通電制御素子を装備し、
前記主制御部のヒータ通電制御機能が、前記運転モードに対応してヒータ毎に予め設定された単位時間内における通電時間の割合(ヒータパワー率)に基づいて、前記各SSR通電制御素子の出力動作を制御することを特徴とした食品用ショーケース。 - 請求項1乃至3の何れか一つに記載の食品用ショーケースにおいて、
前記主制御部は、外部指令に基づいて稼働し、現在設定中の前記運転モードを他の運転モードに切り換え設定する運転モード切換え制御機能を備えていることを特徴とした食品用ショーケース。 - 請求項1乃至4の何れか一つに記載の食品用ショーケースにおいて、
前記ケース本体の下端部の前面側に前記吸気口を配設し、
前記各食品陳列棚の背面側にそれぞれ相互に独立した開閉扉を設けると共に、当該各開閉扉側の上部に、排気口をそれぞれ個別に設けたことを特徴とする食品用ショーケース。 - 請求項1乃至4の何れか一つに記載の食品用ショーケースにおいて、
前記ケース本体の下端部の前面側に前記吸気口を配設し、
前記各食品陳列棚の背面側に、当該各食品陳列棚の共通の開閉扉として機能し且つ前記ケース本体の背面部を構成する背面開閉扉を装備し、
この背面開閉扉の内側に、前記排気口と前記各食品陳列棚上の庫内空間とを連通する第2の通気路である背面側通気路を設けたことを特徴とする食品用ショーケース。
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