JP2006010099A - ショーケース - Google Patents

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淳司 白草
Hiroari Kanekouji
宏有 金小路
Yutaka Ishii
裕 石井
Yutaka Nishisaka
豊 西坂
Kazuya Yajima
和哉 矢島
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Abstract

【課題】 陳列室内の温度制御を的確に行うことができるショーケースを提供する。
【解決手段】 ショーケース1は、断熱壁3内に陳列室11を構成し、この陳列室11内に商品陳列用の棚装置4を架設して成るものであって、棚板22上の商品を加熱するための電気ヒータと、棚装置4上方の陳列室11内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサ44と、この棚上部センサ44の出力に基づいて電気ヒータの通電を制御する制御装置とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースに関するものである。
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに設置されるオープンタイプのショーケース(オープンショーケース)は、断熱壁の内側に間隔を存して設けた仕切板との間にダクトを構成し、仕切板の内側には前面に開口した陳列室を構成すると共に、ダクトには冷却装置の冷却器と送風機を設置し、この冷却器と熱交換した冷気を送風機により、ダクトから陳列室内に吹き出す構成とされている。
この場合、陳列室の開口上縁には冷気吐出口が形成されると共に、開口下縁には冷気吸込口が形成され、何れもダクトに連通されている。そして、この開口上縁の冷気吐出口から冷気を吹き出し、エアーカーテンを形成しつつ陳列室内を冷却し、吹き出された冷気は開口下縁の冷気吸込口から吸引するものであった。
更に、この陳列室内には、複数段の棚が架設される。棚は、内部に棚ダクト(冷気通路)が構成されており、後端は断熱箱体の背方における背面ダクトと連通している。また、棚の前端には、棚ダクトと連通する冷気吐出口が形成されている。これにより、背面ダクト内を上昇した冷気を、連通部を介して棚ダクト内に引き込み、該棚の前端に形成された冷気吐出口より吐出することにより、該棚下方の陳列室内の商品を冷却する(冷蔵領域。特許文献1参照)。尚、当該棚上方の陳列室内の商品は、棚に取り付けた電気ヒータにて加温するものであった(温蔵領域)。
特開2000−258031号公報
このようなショーケースでは、冷却時の温度制御は陳列室内上部等に設けた庫内センサが検出する陳列室内の温度である庫内温度に基づいて冷却装置を制御することにより行い、加温時の制御は棚内部に取り付けた棚センサが検出する棚温度に基づいて電気ヒータの通電を制御することにより行われていた。
しかしながら、ショーケースの陳列室内には当該ショーケースが設置された環境である外気温度や空気の対流(風)等の外乱が強く影響する。また、陳列室内に補充される商品自体の温度等も影響するため、前述の如く庫内センサや棚センサ単独で冷却制御や加温制御を行うと、どうしても的確な温度制御を行えなくなる問題が発生していた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、陳列室内の温度制御を的確に行うことができるショーケースを提供するものである。
請求項1の発明のショーケースは、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るものであって、棚上の商品を加熱するためのヒータと、棚上方の陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、この棚上部センサの出力に基づいてヒータの通電を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明のショーケースは、上記において制御装置は、加温用温度設定値と棚上部センサが検出する棚上部温度に基づいてヒータの通電を制御することを特徴とする。
請求項3の発明のショーケースは、請求項1において棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、制御装置は、加温用温度設定値と棚センサが検出する棚温度に基づいてヒータの通電を制御すると共に、棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて加温用温度設定値を補正することを特徴とする。
請求項4の発明のショーケースは、上記において制御装置は、棚上部センサが検出する棚上部温度の所定時間当たりの平均値に応じて加温用温度設定値を補正することを特徴とする。
請求項5の発明のショーケースは、請求項3又は請求項4において制御装置は、棚センサが検出する棚温度と棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする。
請求項6の発明のショーケースは、請求項3乃至請求項5において制御装置は、棚上部センサが検出する棚上部温度が加温用温度設定値に達した場合、棚センサが検出する棚温度に拘わらずヒータへの通電を断つことを特徴とする。
請求項7の発明のショーケースは、上記各発明において棚は陳列室内に複数段架設されると共に、制御装置は、何れかの棚の棚温度、及び/又は、棚上部温度に基づいてヒータの通電を制御し、又は、警報動作を実行することを特徴とする。
請求項8の発明のショーケースは、請求項1乃至請求項6において棚は陳列室内に複数段架設されると共に、制御装置は、各棚の棚温度、及び/又は、棚上部温度に基づいて当該棚のヒータの通電を制御し、又は、警報動作を実行することを特徴とする。
請求項9の発明のショーケースは、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るものであって、棚上の商品を加熱するためのヒータと、外気温度を検出する外気温センサと、この外気温センサの出力に基づいてヒータの通電を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項10の発明のショーケースは、上記において棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、制御装置は、加温用温度設定値と棚センサが検出する棚温度に基づいてヒータの通電を制御すると共に、外気温センサが検出する外気温度に応じて加温用温度設定値を補正することを特徴とする。
請求項11の発明のショーケースは、上記において制御装置は、外気温センサが検出する外気温度の所定時間当たりの平均値に応じて加温用温度設定値を補正することを特徴とする。
請求項12の発明のショーケースは、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るものであって、陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、吸込口に吸い込まれる冷気の温度である吸込口温度を検出する吸込口センサと、庫内センサと吸込口センサの出力に基づいて庫内温度を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項13の発明のショーケースは、上記において制御装置は、冷却用温度設定値と庫内センサが検出する庫内温度に基づいて冷却装置を制御すると共に、吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて冷却用温度設定値を補正することを特徴とする。
請求項14の発明のショーケースは、請求項12又は請求項13において制御装置は、吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて送風機の回転数を制御することを特徴とする。
請求項15の発明のショーケースは、請求項12乃至請求項14において制御装置は、吸込口センサが検出する吸込口温度に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする。
請求項16の発明のショーケースは、上記において制御装置は、庫内センサが検出する庫内温度と吸込口センサが検出する吸込口温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする。
請求項17の発明のショーケースは、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るものであって、陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、棚上方の陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、庫内センサと棚上部センサの出力に基づいて庫内温度を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
請求項18の発明のショーケースは、上記において制御装置は、棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて送風機の回転数を制御することを特徴とする。
請求項19の発明のショーケースは、請求項17又は請求項18において制御装置は、庫内センサが検出する庫内温度と棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする。
請求項20の発明のショーケースは、請求項12乃至請求項19において棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、制御装置は、棚センサが検出する棚温度が所定値以上に上昇した場合、陳列室内を急速冷却することを特徴とする。
請求項1の発明では、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、棚上の商品を加熱するためのヒータと、棚上方の陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、この棚上部センサの出力に基づいてヒータの通電を制御する制御装置とを備えているので、例えば、請求項2の如く制御装置が、加温用温度設定値と棚上部センサが検出する棚上部温度に基づいてヒータの通電を制御することにより、外気温度や外気侵入等の影響を考慮し、棚上の商品を的確に加温する可能となる。
また、例えば請求項3の如く棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、制御装置が、加温用温度設定値と棚センサが検出する棚温度に基づいてヒータの通電を制御すると共に、棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて加温用温度設定値を補正するようにすれば、棚温度のみならず棚上方の陳列室内空気の温度も考慮してヒータの通電を制御し、棚上の商品を一層円滑且つ的確に加温することができるようになる。
特に、請求項4の発明の如く制御装置が、棚上部センサが検出する棚上部温度の所定時間当たりの平均値に応じて加温用温度設定値を補正するようにすれば、一時的な棚上部温度の変動を排除して安定した加温制御を実現することができる。
また、請求項5の発明の如く制御装置が、棚センサが検出する棚温度と棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行するようにすれば、外気温度や外気侵入等の影響で棚温度と棚上部温度に著しい差が生じている場合等に警報して異常を報知することができるようになる。
また、請求項6の発明の如く制御装置が、棚上部センサが検出する棚上部温度が加温用温度設定値に達した場合、棚センサが検出する棚温度に拘わらずヒータへの通電を断つようにすれば、何らかの原因で棚上部温度が先に加温用温度設定値に達した場合にヒータへの通電を断ち、それ以上の無用な加熱を防止することができるようになる。
また、請求項7の発明の如く棚が陳列室内に複数段架設されている場合に、制御装置が、何れかの棚の棚温度、及び/又は、棚上部温度に基づいてヒータの通電を制御し、又は、警報動作を実行するようにすれば、センサ数を削減してコストの低減を図ることができるようになる。逆に、請求項8の発明の如く制御装置が、各棚の棚温度、及び/又は、棚上部温度に基づいて当該棚のヒータの通電を制御し、又は、警報動作を実行するようにすれば、各棚毎により精密な加温制御を実現することが可能となる。
請求項9の発明では、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、棚上の商品を加熱するためのヒータと、外気温度を検出する外気温センサと、この外気温センサの出力に基づいてヒータの通電を制御する制御装置とを備えているので、例えば請求項10の如く棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、制御装置が、加温用温度設定値と棚センサが検出する棚温度に基づいてヒータの通電を制御すると共に、外気温センサが検出する外気温度に応じて加温用温度設定値を補正するようにすれば、棚温度のみならず外気温度も考慮してヒータの通電を制御し、棚上の商品を円滑且つ的確に加温することができるようになる。
特に、請求項11の発明の如く制御装置が、外気温センサが検出する外気温度の所定時間当たりの平均値に応じて加温用温度設定値を補正するようにすれば、一時的な外気温度の変動を排除して安定した加温制御を実現することができる。
請求項12の発明では、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るショーケースにおいて、陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、吸込口に吸い込まれる冷気の温度である吸込口温度を検出する吸込口センサと、庫内センサと吸込口センサの出力に基づいて庫内温度を制御する制御装置とを備えているので、例えば、請求項2の如く制御装置が、冷却用温度設定値と庫内センサが検出する庫内温度に基づいて冷却装置を制御すると共に、吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて冷却用温度設定値を補正するようにすれば、吸込口温度から外乱による冷気エアーカーテンの乱れ等を考慮し、冷却装置を制御して陳列室内の商品を円滑且つ的確に冷却することができるようになる。
特に、請求項14の発明の如く制御装置が、吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて送風機の回転数を制御することで、冷気エアーカーテンの乱れを補正するように送風機の回転数を制御することにより、外気の侵入による冷却性能の悪化を防止若しくは抑制することができる。
また、請求項15の発明の如く制御装置が、吸込口センサが検出する吸込口温度に基づいて所定の警報動作を実行するようにすれば、例えば、請求項16の如く庫内センサが検出する庫内温度と吸込口センサが検出する吸込口温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することにより、外乱による冷気エアーカーテンの影響で陳列室内の冷却状態が悪化していることを報知することができるようになる。
請求項17の発明では、断熱壁内に陳列室を構成し、この陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るショーケースにおいて、陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、棚上方の陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、庫内センサと棚上部センサの出力に基づいて庫内温度を制御する制御装置とを備えているので、例えば、請求項18の如く制御装置が、棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて送風機の回転数を制御することにより、実際に商品が存在する棚上方の陳列室内空気温度によって冷気エアーカーテン風量及び陳列室内への風量の制御を行い、外乱の影響を抑制することができるようになる。
また、請求項19の発明の如く制御装置が、庫内センサが検出する庫内温度と棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行するようにすれば、外乱によって実際に商品が存在する棚上方の陳列室内空気温度が異常となっている場合に、これを報知することができるようになる。
そして、請求項20の発明の如く制御装置が、棚センサが検出する棚温度が所定値以上に上昇した場合、陳列室内を急速冷却するようにすれば、商品の補充等で棚温度が上昇したことで急冷を行い、補充商品を迅速に冷却することができようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用した実施例のショーケース1の側面図を示している。実施例のショーケース1はスーパーマーケット等の店舗に設置される冷/温使用可能なオープンショーケースであり、前面に開口する断面略コ字状の断熱壁3と、その両側に取り付けられる図示しない側板によって本体が構成されており、この断熱壁3の内側には間隔を存して背面及び天面にそれぞれ背面パネル6、天面パネル7が配設され、これら背面パネル6、天面パネル7と断熱壁3間に背方から上方に渡る背面ダクト9が構成されている。
また、背面パネル6の下端には、前方に延在するデッキパン10が設けられており、これら背面パネル6、天面パネル7及びデッキパン10の内側に陳列室11が構成されている。そして、デッキパン10の下方には背面ダクト9に連通してその一部を構成する下部ダクト14が構成されている。
背面ダクト9の上端は陳列室11の前面開口上縁に位置する上部冷気吐出口16に連通し、下部ダクト14の前端は陳列室11の前面開口下縁に位置する冷気吸込口17に連通している。また、デッキパン10の下方の下部ダクト14内には冷気送給用の送風機19が配設され、陳列室11後方の背面ダクト9内には冷却装置の冷凍サイクルを構成する冷却器15が縦設されている。
陳列室11内には本発明における棚となる棚装置4が複数段、本実施例では上下に5段架設されている。各棚装置4は、後端に後方に突出する鉤状の爪を有した左右一対のブラケット21、21と、このブラケット21、21上に差し渡して取り付けられた棚板22と、この棚板22の下面に取り付けられた加温用の図示しない電気ヒータ(ヒータ)とから構成されている。
そして、陳列室11内の背面パネル6の前面両側に取り付けられた棚支柱23、23の係合孔に前記ブラケット21の爪を係脱自在に係合させることにより、各棚装置4は陳列室11内において上下位置(高さ)を変更可能に架設されている。
次に、5は棚ダクト部材である。この棚ダクト部材5内には棚ダクトが構成されており、この棚ダクトの前端は棚ダクト部材5の前端において斜め前下方に開口する棚下冷気吐出口27に連通され、後端は冷気導入口にて開口している。また、この棚ダクト部材5には冷気導入口の上側にて前後方向に移動自在に取り付けられたダンパー部材が設けられている。
一方、各棚装置4・・・の左右のブラケット21、21には上記棚ダクト部材5が係脱自在にそれぞれ係合する保持レールが前後にそれぞれ形成されている。そして、この保持レールに差し込むかたちで棚ダクト部材5を前方からブラケット21、21間に着脱自在に取り付ける。この状態で、棚ダクト部材5は棚装置4の棚板22下側に位置し、前端の棚下冷気吐出口27は陳列室11の前面開口部において下方に開口することになる。
他方、背面パネル6には移動形成可能な連通部が構成されており、棚ダクト部材5の後端の冷気導入口をこの連通部に対応させ、内部の棚ダクトを背面ダクト9に連通させる。ダンパー部材は背面ダクト9に突出し、連通部の上側において背面ダクト9を塞ぐことができるように構成されている。
そして、例えば棚ダクト部材5を上から2段目の棚装置4に取り付けるとすると、先ずその後方に位置して前記連通部を構成し、その状態で上から2段目の棚装置4に棚ダクト部材5を取り付け、その冷気導入口を連通部に対応させる。そして、陳列室11内全体を冷蔵使用とする場合には、ダンパー部材を最も前方に移動させ、背面ダクト9より前に位置させる。
この状態で、送風機19が運転されると、冷却器15を熱交換した冷気は背面ダクト9内を上昇し、上部冷気吐出口16から吐出される。吐出された冷気は陳列室11の前面開口部に冷気エアーカーテンを構成しながら陳列室11内を冷却する。そして、冷気吸込口17から下部ダクト14に吸引され、再び送風機19に吸い込まれる循環を繰り返す。これによって、陳列室11内の全域が冷蔵温度に冷却され、全棚板22上の商品が冷却されることになる。
次に、上から2段目の棚装置4から上を温蔵領域として温蔵使用とし、下を冷蔵領域として冷蔵使用とする場合には、ダンパー部材を最も後方に移動させ、最上段及び2段目の棚装置4、4の電気ヒータを発熱させる。尚、後述する如く各棚装置4には棚ダクト部材5が取り付けられたことを検出する棚スイッチが設けられており、棚ダクト部材5が取り付けられ、棚スイッチがONした場合には当該棚装置4を含むその上方の全ての棚装置4の電気ヒータに通電されるようになる。そして、ダンパー部材は連通部より上に向かう冷気を遮断するので、上部冷気吐出口16からの冷気吐出は無くなり、代わりに電気ヒータにて加熱されるようになるので、上から2段目の棚装置4から上の陳列室11内は温蔵領域となる。
他方、ダンパー部材に衝突した冷気は前方に曲がり、連通部から棚ダクト内に入る。そして、棚ダクト部材5前端の棚下冷気吐出口27から下方に向けて吐出されるようになる。棚下冷気吐出口27から吐出された冷気は2段目の棚装置4より下方の陳列室11の前面開口部に同様の冷気エアーカーテンを構成しながら2段目の棚装置4より下方の陳列室11内を循環して冷却した後、冷気吸込口17から吸い込まれる。これにより、2段目の棚装置4より下方の陳列室11内が冷蔵領域となる。
尚、他の段の棚装置4に棚ダクト部材5を取り付けた場合にも同様である。また、陳列室11の全体を温蔵領域とする場合は、冷却装置及び送風機19を停止し、全段の棚装置の電気ヒータを発熱させて棚板22上の商品を加温することになる。
次に、図2はショーケース1の制御装置31のブロック図を示している。制御装置31は汎用のマイクロコンピュータが搭載された制御基板32と、この制御基板32に接続され、各種設定スイッチや前記棚スイッチ、ランプなどを備えた表示基板33、34、リレー基板35、トランス36から構成されている。前記制御基板32には前記各棚装置4・・の電気ヒータの通電を制御するリレーや冷却装置の図示しないコンプレッサ、前記送風機19の運転を制御するリレーの他、警報機(ブザーやLED等)も接続されている。
一方、ショーケース1の陳列室11内天井部には、陳列室11内の温度である庫内温度を検出する庫内センサ41が設けられている。尚、前記棚ダクト部材5を取り付けて冷蔵領域と温蔵領域を構成する場合のために、それに加えて最下段の棚装置4とその上の棚装置4の間における陳列室11内背部にも庫内センサ41を設けるが、以後の説明では天井部のものを代表して説明する。また、前記各棚装置4・・・の内部には当該棚装置4(棚板22)の温度である棚温度を検出する棚センサ42がそれぞれ設けられている。更に、冷気吸込口17には当該冷気吸込口17に吸い込まれる冷気或いは吸い込まれた冷気の温度である吸込口温度を検出する吸込口センサ43が設けられている。
また、各棚装置4・・・それぞれの上方における陳列室11内には、その部分の空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサ44がそれぞれ設けられている。更に、ショーケース1の陳列室11外の適所には、当該ショーケース1が設置された場所の周囲の温度である外気温度を検出する外気温センサ45も設けられ、これら各センサ41〜45は制御装置31の制御基板32に接続されている。
以上の構成で、次に図3乃至図10のフローチャートを参照しながらショーケース1の制御動作を説明する。図3乃至図10は制御装置31の前記マイクロコンピュータのプログラムを示しており、図3のモード判定フローチャートのステップS1で冷却制御か加温制御かを判断する。加温制御は陳列室11内全体を加温(温蔵)して使用する制御であり、前記設定スイッチで加温制御が設定されているものとすると、ステップS2で全段制御か個別制御かを判断する。尚、前記棚ダクト部材5は最上段の棚装置4に取り付けておくものとする。そして、この場合は全段制御が設定されているものとすると、ステップS3で全段制御のサブルーチンを実行する。
(1)加温制御・全段制御
図4のフローチャートはこの全段制御のサブルーチンを示している。加温制御における全段制御では、例えば最上段の棚装置4の棚センサ42及びその上方の棚上部センサ44が制御に使用され、この棚センサ42、棚上部センサ44を用いて全ての棚装置4の電気ヒータの通電を制御することになる。即ち、図4のステップS10で制御装置31は当該棚装置4より上方の棚装置4の前記棚スイッチがOFFしているか判断し、ONしていればステップS11に進み、当該棚装置4の棚スイッチがONしているか判断する。棚ダクト部材5は最上段の棚装置4に取り付けられているのでステップS10、ステップS11からステップS12に進み、当該最上段の棚装置4の棚センサ42が異常か否か判断する。
異常でなければステップS13に進み、今度は当該棚装置4の上部の棚上部センサ44が異常か否か判断し、異常でなければステップS14に進んで現在各棚装置4の電気ヒータに通電(ON)中か否か判断する。通電していなければステップS15に進んで最上段の棚センサ42が検出する棚温度が加温用温度設定値−ディファレンシャル以下か否か判断し、以下であればステップS16でリレーONサブルーチンを実行し、ステップS17で全棚装置4の電気ヒータのリレーをONして電気ヒータに通電し、加温運転を開始する(ステップS18)。
ステップS14で電気ヒータが通電中であるときはステップS19に進み、連続ON時間積算サブルーチンを実行し、ステップS20で連続ON時間が設定時間よりも長いか否か判断する。設定時間に達していなければステップS21に進み、最上段の棚センサ42が検出する棚温度が加温用温度設定値−ディファレンシャル以上か否か判断し、以下であればステップS16に進んでリレーONサブルーチンを実行し、ステップS17で全棚装置4の電気ヒータのリレーをONして電気ヒータへの通電を維持する。
ステップS21で最上段の棚センサ42が検出する棚温度が加温用温度設定値−ディファレンシャル以上となった場合、制御装置31はステップS22に進んでリレーOFFサブルーチンを実行し、ステップS23で全棚装置4の電気ヒータのリレーをOFFして電気ヒータへの通電を停止し、加温運転を停止する(ステップS24)。そして、ステップS15で最上段の棚センサ42が検出する棚温度が加温用温度設定値−ディファレンシャル以上であればステップS22に進んでリレーOFFサブルーチンを実行し、ステップS23で全棚装置4の電気ヒータのリレーをOFFして電気ヒータへの通電を停止した状態を維持する。
このようにして制御装置31は最上段の棚装置4の棚センサ42が検出する棚温度に基づき、全段の棚装置4の電気ヒータの通電をON−OFFして棚板22上の商品を加温制御する。ここで、ステップS20で連続ON時間が設定時間に達している場合にはステップS25に進んで積算時間をクリアし、ステップS23に進んで電気ヒータへの通電を停止する。また、このような全段制御によれば、何れか(例えば最上段)棚装置4の棚センサ42及び棚上部センサ44のみ設けておけば加温制御可能となるので、コストの削減が図れ、特に、小型のショーケースの場合に有利である。
尚、上記では最上段の棚装置4の棚センサ42で全段の棚装置4の電気ヒータを制御したが、設定スイッチを切り換えることにより、制御装置31は棚センサ42に代えて、棚上部センサ44が検出する棚装置4の上方の陳列室11内の空気温度である棚上部温度と前記加温用温度設定値に基づいて、図4の制御を行う。棚上部温度は開口からの外気侵入の影響を受けやすいので、係る棚上部温度に基づいて電気ヒータを制御すれば、外乱を考慮した的確な加温制御が可能となる。ここで、図4において各センサ42、44が異常な場合はステップS24に進み、加温運転を停止する。
(2)加温制御・個別制御
一方、図3のステップS2で個別制御が設定されている場合には、ステップS4で個別制御のサブルーチンを実行する。図5のフローチャートはこの個別制御のサブルーチンを示している。加温制御における個別制御では、各段の棚装置4の棚センサ42及び当該棚装置4上方の棚上部センサ44により、当該棚装置4の電気ヒータの通電をON−OFF制御する。
尚、図5におけるステップS10〜ステップS25の制御は図4におけるものと同様であるので説明を省略する。但し、これらの制御は各段の棚装置4の棚センサ42や棚上部センサ44に基づき、当該棚装置4の電気ヒータに対して実行されることになる。それによってより精密な加温制御が可能となる。
更に、この場合はステップS12で棚センサ42が異常であったとき、ステップS26に進み、表示基板33、34の設定に基づいてセンサ変更が設定されていないときはステップS28に進み、センサ異常の警報出力(ブザーやLED)を実行してステップS24に進み、加温運転を停止する。
一方、センサ変更が設定されている場合にはステップS26からステップS27に進み、同様の警報出力を行うのに加えて温調用のセンサを棚センサ42から棚上部センサ44に自動的に変更してステップS13に進む。これにより、当該棚装置4の加温制御は棚上部センサ44が検出する棚装置4上方の陳列室11内空気の温度である棚上部温度と前記加温用温度設定値に基づいて実行されるようになり、前述同様に外乱を考慮した加温制御が実行されることになる。ここで、図5において棚上部センサ44が異常な場合はステップS13からステップS29に進んで同様の警報出力を実行した後、ステップS24に進んで加温運転を停止する。
(3)加温用温度設定値の補正
図6は上記の如き全段・個別の加温制御における加温用温度設定値の変更に関するフローチャートを示している。加温用温度設定値の変更は設定スイッチにより自動か手動かに切り換えられる。そして、手動に設定されているときは制御装置31はステップS30からステップS31に進み、マニュアル変更モードとして加温用温度設定値を初期値のままとする。一方、自動に設定されているときは、ステップS32に進み、オート変更モードとする。
図7はこのオート変更モードのフローチャートを示している。制御装置31はステップS33で棚スイッチがONしているか否か判断し、ONしていればステップS34に進んで棚上部センサ44が異常か否か判断し、異常の場合にはステップS41でモードをマニュアル変更モードに強制的に戻して前述同様の警報出力を行う。異常でない場合にはステップS35で棚上部温度の測定が0回目か否か判断し、0回目であればステップS42に進んで加温用温度設定値の初期値を読み込み、ステップS43で加温用温度設定値の変更遅延タイマによる遅延時間(XX分)が経過しているか否か判断し、経過していなければステップS47に進んで遅延タイマをカウントアップする。
ステップS43で遅延タイマによる遅延時間が経過している場合、制御装置31はステップS44に進んで遅延タイマをクリアし、棚上部センサ44による棚上部温度の測定を開始(n回目)する。次に、ステップS35からはステップS36に進み、棚上部温度の測定時間(所定時間:XX分)が経過したか否か判断し、経過していなければステップS45に進んで温度計測タイマをカウントアップし、且つ、棚上部温度の平均値を計算する。
ステップS36で棚上部温度の測定時間の所定時間が経過したら、ステップS37に進み、温度計測タイマをクリアすると共に、ステップS45で計算していた棚上部温度の所定時間当たりに平均値のデータを読み込む。そして、n回目の棚上部温度測定を終了し、n+1回目の温度測定を開始する。
次に、制御装置31はステップS38で温度差計算を行う。この温度差計算では、棚センサ42が検出する棚装置4(棚板22)の温度である棚温度と、棚上部センサ44が検出する棚装置4上方の陳列室11内の空気温度である棚上部温度とに基づき、「棚温度−棚上部温度」の計算式で算出される。そして、棚温度が棚上部温度より高い場合はステップS39に進み、後述する温度差警報を判定する。温度差警報判定で警報出力が必要と判断された場合にはステップS40に進み、後述する警報出力を行う。また、温度差警報不要と判定された場合にはステップS46に進み、変更値設定サブルーチンを実行して加温用温度設定値を所定値低下(設定温度ダウン)させる。これによって、棚装置4の異常温度上昇による商品の必要以上の加温を防止する。
一方、棚温度が棚上部温度より低い場合はステップS48に進み、後述する温度差警報を判定する。温度差警報判定で警報出力が必要と判定された場合にはステップS49に進み、後述する警報出力を行う。また、温度警報不要と判定された場合にはステップS50に進み、変更値設定サブルーチンを実行して加温用温度設定値を所定値上昇(設定温度アップ)させる。これによって、より強力に棚装置4の棚板22を加熱し、商品の温度を上昇させる。このようにして、棚上部温度を加味して加温用温度設定値を変更し、外乱の影響を排除して棚装置4上の商品を的確に加温する。
尚、制御装置31は棚上部センサ44が検出する棚上部温度が加温用温度設定値に達した場合、棚センサ42の出力に拘わらず電気ヒータの通電を断つ。これにより、何らかの原因で棚上部温度が先に加温用温度設定値に達した場合に電気ヒータへの通電を断ち、それ以上の無用な加熱を防止することができるようになる。
また、上記実施例では棚上部センサ44に基づいて加温用温度設定値を変更したが、設定スイッチによる切換により、制御装置31は外気温センサ45が検出する外気温度に基づいて加温用温度設定値を変更する。その場合は、図7のフローチャートの棚上部温度の代わりに外気温度の所定時間当たりの平均値で加温用温度設定値を変更し、また、警報出力を行うことになる。このように、外気温センサ45が検出する外気温度に基づき、加温用温度設定値を変更して電気ヒータの通電を制御することによっても、外気温度による影響を排除して棚装置4上の商品を的確に加温することができるようになる。
(4)冷却制御
次に、設定スイッチで冷却制御が設定されている場合、図3のステップS1からステップS5に進み、陳列室11全体を冷却して使用するか、前述の如く冷蔵領域と温蔵領域を構成した冷/温同時使用かを判断する。前記ダンパー部材が背面ダクト9を塞がず、或いは、棚ダクト部材5を外して陳列室11全体を冷却して使用する設定が成されている場合には、制御装置31はステップS6に進んで冷却制御のサブルーチンを実行する。
この冷却制御のサブルーチンでは、制御装置31は庫内センサ41が検出する陳列室11内の温度である庫内温度と冷却用温度設定値に基づき、冷却装置のコンプレッサと送風機19の運転を制御し、陳列室11内を平均として冷却用温度設定値に冷却維持する。
(5)冷/温制御
設定スイッチで冷/温同時使用が設定され、棚ダクト部材5が何れかの棚装置4に取り付けられてダンパー部材が背面ダクト9を塞いでいる場合は、制御装置31はステップS7で冷/温同時使用のサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、棚ダクト部材5が取り付けられた棚装置4より下の陳列室11内は前述した冷却制御が、また、当該棚装置4以上の陳列室11内は前述した加温制御が同一の制御装置31によって実行されることになる。
(6)吸込口温度による冷却用温度設定値の補正
図8は吸込口温度に基づいた冷却用温度設定値の補正に関するフローチャートを示している。制御装置31はステップS51で現在ショーケース1が冷却器15の除霜中か否か判断し、除霜中でない場合にはステップS52に進んで吸込口センサ43が異常か否か判断する。そして、吸込口センサ43が異常の場合はステップS60に進んで吸込口センサ異常の警報出力(前述同様)を行う。吸込口センサ43が異常でない場合には、ステップS53に進んで今度は庫内センサ41が異常か否か判断する。そして、庫内センサ41が異常の場合はステップS61に進んで庫内センサ異常の警報出力(前述同様)を行う。
庫内センサ41が異常でない場合はステップS54で吸込口温度の測定が0回目か否か判断し、0回目であればステップS62に進んで冷却用温度設定値の初期値を読み込み、ステップS63で冷却用温度設定値の変更遅延タイマによる遅延時間(XX分)が経過しているか否か判断し、経過していなければステップS65に進んで遅延タイマをカウントアップする。
ステップS63で遅延タイマによる遅延時間が経過している場合、制御装置31はステップS64に進んで遅延タイマをクリアし、吸込口センサ43による吸込口温度の測定を開始(n回目)する。次に、ステップS54からはステップS55に進み、吸込口温度の測定時間(所定時間:XX分)が経過したか否か判断し、経過していなければステップS66に進んで吸込口温度計測タイマをカウントアップし、且つ、吸込口温度の平均値を計算する。
ステップS55で吸込口温度の測定時間の所定時間が経過したら、ステップS56に進み、吸込口温度計測タイマをクリアすると共に、ステップS66で計算していた吸込口温度の所定時間当たりに平均値のデータを読み込む。そして、n回目の吸込口温度測定を終了し、n+1回目の温度測定を開始する。
次に、制御装置31はステップS57で温度差計算を行う。この温度差計算では、庫内センサ41が検出する庫内温度と、吸込口センサ43が検出する吸込口温度とに基づき、「吸込口温度−庫内温度」の計算式で算出される。そして、庫内温度が吸込口温度より高い場合はステップS58に進み、後述する温度差警報を判定する。温度差警報判定で警報出力が必要と判断された場合にはステップS68に進み、後述する警報出力を行う。また、温度差警報不要と判定された場合にはステップS59に進み、冷却用温度設定値を所定値上昇(設定温度シフトアップ)させると共に、送風機19の回転数を低下させて送風量を低下させる。吸込口温度が低い場合には陳列室11内が不必要に冷却されていることが考えられ、冷却用温度設定値を上げ、送風機19の回転数を低下させることで冷却能力を低下させる。
一方、庫内温度が吸込口温度より低い場合はステップS67に進み、後述する温度差警報を判定する。温度差警報判定で警報出力が必要と判定された場合にはステップS69に進み、後述する警報出力を行う。また、温度警報不要と判定された場合にはステップS70に進み、庫内温度が所定の上限温度(XX℃)以上か否か判断し、上限温度未満であればステップS71に進み、冷却用温度設定値を所定値低下(設定温度シフトダウン)させると共に、送風機19の回転数を上昇させて送風量を増加させる。吸込口温度が高い場合には冷気エアーカーテンが乱れて外気侵入が増大していることが考えられ、冷却用温度設定値を下げ、送風機19の回転数を増大させることで冷気エアーカーテンの乱れを補正し、冷却能力を確保する。
ステップS70で庫内温度が上限温度以上の場合、ステップS72に進んで急冷モードに移行する。この急冷モードでは、制御装置31は例えば所定時間(XX分)冷却装置のコンプレッサを連続運転し、及び/又は、送風機19を最高回転数として陳列室11内を急速に冷却する。棚装置4に比較的温度の高い商品が補充された場合等には庫内温度が急激に上昇するが、制御装置31は庫内温度が所定の上限温度以上に上昇した場合、係る急冷モードを実行して異常温度上昇を回避する。
尚、上記実施例では庫内温度によって急冷モードに移行したが、設定スイッチによる設定に基づき、制御装置31は庫内温度によらず、ステップS70では棚センサ42が検出する棚温度に基づき、棚温度が所定の上限温度に上昇した場合に急冷モードに移行する。これにより、商品の補充による温度上昇を最初に検出できる棚センサ42を用いて陳列室11内の温度上昇を予知し、迅速に急冷を実行できるようになる。
(7)棚上部温度による冷却用温度設定値の補正
次に、図9は棚上部温度に基づいた冷却用温度設定値の補正に関するフローチャートを示している。制御装置31は設定スイッチによる設定に基づき、上記吸込口温度によらず、或る棚上部センサ44(例えば、最上段の棚装置4に対応する棚上部センサ)が検出する棚上部温度に基づいて冷却用温度設定値の補正、送風機制御並びに警報出力を実行する。図9のステップS81〜ステップS102までの制御は、図8のステップS51〜ステップS72までの制御における吸込口センサ・吸込口温度を棚上部センサ・棚上部温度に置き換えたものであるので、詳細は省略する。
棚上部センサ44が検出する棚上部温度によって冷却用温度設定値の補正などを行えば、実際に商品が存在する棚上方の陳列室内空気温度によって冷気エアーカーテン風量及び陳列室11内への風量の制御を行い、外乱の影響を抑制することができるようになる。また、外乱によって実際に商品が存在する棚上方の陳列室内空気温度が異常となっている場合に、警報出力でこれを報知することができるようになる。
(8)温度差警報判定
次に、図10は前述した温度差警報判定のフローチャートを示している。制御装置31はステップS103で冷却制御中か加温制御中かを判断し(冷/温同時制御では冷蔵領域と温蔵領域のそれぞれで行われる)、加温制御中の場合にはステップS104に進んで棚上部センサ44、棚センサ42により棚上部温度と棚温度を入力し、「棚温度−棚上部温度」の計算式で差を算出する。そして、ステップS105で加温時警報判定を行う。
この加温時警報判定で制御装置31は、例えば棚温度が棚上部温度より所定値以上高い場合、及び、所定値以上低い場合、警報要と判定し、差が所定値より小さい場合には警報不要と判定する。警報要の場合、制御装置31はステップS106に進み、警報遅延時間が経過したか判断して経過していなければステップS108で遅延時間タイマをカウントアップする。そして、所定の警報遅延時間が経過したら、ステップS107に進み、遅延時間タイマをクリアして前述した加温制御における温度差警報を出力する。
ステップS103で冷却制御中の場合にはステップS109に進んで吸込口センサ43、庫内センサ41により吸込口温度と庫内温度を入力し、「庫内温度−吸込口温度」の計算式で差を算出する。そして、ステップS111で冷却時警報判定を行う。
この冷却時警報判定で制御装置31は、例えば吸込口温度が庫内温度より所定値以上高い場合、及び、所定値以上低い場合、警報要と判定し、差が所定値より小さい場合には警報不要と判定する。警報要の場合、制御装置31はステップS112に進み、警報遅延時間が経過したか判断して経過していなければステップS115で遅延時間タイマをカウントアップする。そして、所定の警報遅延時間が経過したら、ステップS113に進み、遅延時間タイマをクリアして前述した冷却制御における温度差警報を出力する。
そして、ステップS114に進み、現在冷/温同時制御中か否か判断し、冷/温同時制御中のときはステップS104に進んで温蔵領域に対し、上述したステップS104〜ステップS108の加温時の温度差警報判定を実行する。
本発明を適用したショーケースの側面図である。 図1のショーケースの制御装置のブロック図である。 図2の制御装置のモード判定に関するフローチャートである。 図2の制御装置の加温制御における全段制御のフローチャートである。 図2の制御装置の加温制御における個別制御のフローチャートである。 図2の制御装置の全段・個別の加温制御における加温用温度設定値の変更に関するフローチャートである。 図2の制御装置の加温用温度設定値の補正に関するフローチャートである。 図2の制御装置の吸込口温度による冷却用温度設定値の補正に関するフローチャートである。 図2の制御装置の棚上部温度による冷却用温度設定値の補正に関するフローチャートである。 図2の制御装置の温度差警報判定に関するフローチャートである。
符号の説明
1 ショーケース
3 断熱壁
4 棚装置
5 棚ダクト部材
6 背面パネル
9 背面ダクト
11 陳列室
15 冷却器
16 上部冷気吐出口
19 送風機
22 棚板
27 棚下冷気吐出口
31 制御装置
41 庫内センサ
42 棚センサ
43 吸込口センサ
44 棚上部センサ
45 外気温センサ

Claims (20)

  1. 断熱壁内に陳列室を構成し、該陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、
    前記棚上の商品を加熱するためのヒータと、
    前記棚上方の前記陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、
    該棚上部センサの出力に基づいて前記ヒータの通電を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするショーケース。
  2. 前記制御装置は、加温用温度設定値と前記棚上部センサが検出する棚上部温度に基づいて前記ヒータの通電を制御することを特徴とする請求項1のショーケース。
  3. 前記棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、
    前記制御装置は、加温用温度設定値と前記棚センサが検出する棚温度に基づいて前記ヒータの通電を制御すると共に、前記棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて前記加温用温度設定値を補正することを特徴とする請求項1のショーケース。
  4. 前記制御装置は、前記棚上部センサが検出する棚上部温度の所定時間当たりの平均値に応じて前記加温用温度設定値を補正することを特徴とする請求項3のショーケース。
  5. 前記制御装置は、前記棚センサが検出する棚温度と前記棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする請求項3又は請求項4のショーケース。
  6. 前記制御装置は、前記棚上部センサが検出する棚上部温度が前記加温用温度設定値に達した場合、前記棚センサが検出する棚温度に拘わらず前記ヒータへの通電を断つことを特徴とする請求項3乃至請求項5のショーケース。
  7. 前記棚は前記陳列室内に複数段架設されると共に、前記制御装置は、何れかの棚の前記棚温度、及び/又は、前記棚上部温度に基づいて前記ヒータの通電を制御し、又は、前記警報動作を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項6のショーケース。
  8. 前記棚は前記陳列室内に複数段架設されると共に、前記制御装置は、各棚の前記棚温度、及び/又は、前記棚上部温度に基づいて当該棚の前記ヒータの通電を制御し、又は、前記警報動作を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項6のショーケース。
  9. 断熱壁内に陳列室を構成し、該陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、
    前記棚上の商品を加熱するためのヒータと、
    外気温度を検出する外気温センサと、
    該外気温センサの出力に基づいて前記ヒータの通電を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするショーケース。
  10. 前記棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、
    前記制御装置は、加温用温度設定値と前記棚センサが検出する棚温度に基づいて前記ヒータの通電を制御すると共に、前記外気温センサが検出する外気温度に応じて前記加温用温度設定値を補正することを特徴とする請求項9のショーケース。
  11. 前記制御装置は、前記外気温センサが検出する外気温度の所定時間当たりの平均値に応じて前記加温用温度設定値を補正することを特徴とする請求項10のショーケース。
  12. 断熱壁内に陳列室を構成し、該陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により前記陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るショーケースにおいて、
    前記陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、
    前記吸込口に吸い込まれる冷気の温度である吸込口温度を検出する吸込口センサと、
    前記庫内センサと前記吸込口センサの出力に基づいて前記庫内温度を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするショーケース。
  13. 前記制御装置は、冷却用温度設定値と前記庫内センサが検出する庫内温度に基づいて前記冷却装置を制御すると共に、前記吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて前記冷却用温度設定値を補正することを特徴とする請求項12のショーケース。
  14. 前記制御装置は、前記吸込口センサが検出する吸込口温度に応じて前記送風機の回転数を制御することを特徴とする請求項12又は請求項13のショーケース。
  15. 前記制御装置は、前記吸込口センサが検出する吸込口温度に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする請求項12乃至請求項14のショーケース。
  16. 前記制御装置は、前記庫内センサが検出する庫内温度と前記吸込口センサが検出する吸込口温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする請求項15のショーケース。
  17. 断熱壁内に陳列室を構成し、該陳列室内に商品陳列用の棚を架設すると共に、冷却装置の冷却器と熱交換した冷気を、送風機により前記陳列室の開口上縁の吐出口から吐出し、開口下縁の吸込口から吸い込んで当該開口に冷気エアーカーテンを形成して成るショーケースにおいて、
    前記陳列室内の空気温度である庫内温度を検出する庫内センサと、
    前記棚上方の前記陳列室内空気温度である棚上部温度を検出する棚上部センサと、
    前記庫内センサと前記棚上部センサの出力に基づいて前記庫内温度を制御する制御装置とを備えたことを特徴とするショーケース。
  18. 前記制御装置は、前記棚上部センサが検出する棚上部温度に応じて前記送風機の回転数を制御することを特徴とする請求項17のショーケース。
  19. 前記制御装置は、前記庫内センサが検出する庫内温度と前記棚上部センサが検出する棚上部温度との差に基づいて所定の警報動作を実行することを特徴とする請求項17又は請求項18のショーケース。
  20. 前記棚の温度である棚温度を検出する棚センサを備え、
    前記制御装置は、前記棚センサが検出する棚温度が所定値以上に上昇した場合、前記陳列室内を急速冷却することを特徴とする請求項12乃至請求項19のショーケース。
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