JP5103046B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機及び蒸発器を含む冷媒回路を備えた冷凍サイクル装置、特に、圧縮機の圧縮機モータの運転周波数制御に関するものである。
従来より、冷凍サイクル装置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置としての膨張弁及び蒸発器などを配管により順次環状に接続して所定の冷媒回路を形成すると共に、この冷媒回路内には所定量の冷媒が封入されて構成されている。そして、圧縮機が運転されると、冷媒は圧縮されて高温高圧のガス状態となり、凝縮器に流入する。凝縮器において冷媒は放熱し、凝縮液化した後、膨張弁にて減圧され、蒸発器に供給される。蒸発器内では、減圧された後の液冷媒が蒸発し、そのときに周囲から吸熱することにより冷却作用を発揮する。なお、当該冷凍サイクル装置を備えた装置として特許文献1に示す如き冷却貯蔵庫がある。
特開2002−286347号公報
上述した如き冷却貯蔵庫では、圧縮機のDCモータの運転周波数をインバータ装置によって制御している。具体的には、プルダウン運転では、圧縮機を所定の周波数にて運転し、庫内温度センサにより検出される温度が設定温度に近づくにつれて、インバータ装置により圧縮機の運転周波数を段階的に低下させている。
しかしながら、当該圧縮機の運転周波数制御では、運転周波数を変更する速度は、一定であったため、この冷凍サイクル装置が搭載される貯蔵庫やショーケースのそれぞれに応じた運転周波数制御を実現できないという問題があった。
そのため、被冷却空間の容量が小さい装置に搭載された場合には、運転周波数を変更する速度が速すぎてしまい、ハンチング現象を引き起こす問題があった。他方、被冷却空間の容量が大きい装置に搭載された場合には、運転周波数を変更する速度が遅いため、追従性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、圧縮機の能力の向上を図ることができ、効率的に被冷却空間を冷却することを可能とする冷凍サイクル装置を提供する。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機及び蒸発器を含む冷媒回路から構成されたものであって、蒸発器により冷却される被冷却空間の温度を検出する温度センサと、圧縮機を駆動する圧縮機モータの運転周波数を制御する制御手段と、この制御手段に対して、搭載される機種を設定する設定手段とを備え、制御手段は、被冷却空間の目標温度と温度センサが検出する被冷却空間の温度との偏差に基づいてPID制御により圧縮機モータの運転周波数を制御すると共に、複数の機種に対応して設定された圧縮機モータの運転周波数の変化速度を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された圧縮機モータの運転周波数の変化速度を、設定手段による機種設定の操作に応じて選択することにより、圧縮機モータの運転周波数を変更する速度を設定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機及び蒸発器を含む冷媒回路から構成された冷凍サイクル装置において、蒸発器により冷却される被冷却空間の温度を検出する温度センサと、圧縮機を駆動する圧縮機モータの運転周波数を制御する制御手段と、この制御手段に対して、搭載される機種を設定する設定手段とを備え、制御手段は、被冷却空間の目標温度と温度センサが検出する被冷却空間の温度との偏差に基づいてPID制御により圧縮機モータの運転周波数を制御すると共に、複数の機種に対応して設定された圧縮機モータの運転周波数の変化速度を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された圧縮機モータの運転周波数の変化速度を、設定手段による機種設定の操作に応じて選択することにより、圧縮機モータの運転周波数を変更する速度を設定する手段とを備えることにより、搭載される機種を設定手段で設定操作するのみで、制御手段により当該冷凍サイクル装置が搭載される機種の被冷却空間の容量に応じた圧縮機の能力を発揮させることが可能となる。
これにより、圧縮機の大きさの種類が少ない場合であっても、他種類の被冷却空間の容量に応じて被冷却空間を効率的に冷却することが可能となり、汎用性の向上を図ることが可能となる。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明を適用した実施例のショーケース1の斜視図、図2は図1のショーケース1の縦断側面図を示している。実施例のショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗に設置される前面に開口を有するオープンショーケースである。当該ショーケース1内に形成される商品を陳列する陳列室11内には、冷却領域、又は、加熱領域、若しくは、冷却領域及び加熱領域の双方を構成可能とすることで、冷/温使用が可能なものとされている。
ショーケース1の前面に開口する断面略コ字状の断熱壁3と、その両側に取り付けられる側板4、4によって本体2が構成されている。この断熱壁3の内側には間隔を存して背面及び天面にそれぞれ背面パネル6、天面パネル7が配設され、これら背面パネル6、天面パネル7と断熱壁3間に背方から上方に渡る背面ダクト9が構成されている。
また、背面パネル6の下端には、前方に延在するデッキパン10が設けられており、これら背面パネル6、天面パネル7及びデッキパン10の内側に陳列室11が構成されている。そして、デッキパン10の下方には背面ダクト9に連通してその一部を構成する下部ダクト14が構成されている。
背面ダクト9の上端は陳列室11の前面開口上縁に位置する上部冷気吐出口16に連通し、下部ダクト14の前端は陳列室11の前面開口下縁に位置すると共に、複数のスリットから成る冷気吸込口17に連通している。また、デッキパン10の下方の下部ダクト14内には冷気循環用送風機19が配設され、陳列室11後方の背面ダクト9内には後述する圧縮機26や凝縮器27と共に冷凍サイクル装置Rを構成する蒸発器15が縦設されている。
陳列室11内には棚装置12が複数段、本実施例では上下に4段架設されている。各棚装置12は後端に後方に突出する鉤状の爪を有した左右一対のブラケット20と、このブラケット20上に差し渡して取り付けられた棚板21と、この棚板21の商品載置面の裏側に取り付けられた加温用の電気ヒータ22(図4に示す)とから構成されている。
そして、陳列室11内の背面パネル6の前面両側に取り付けられた図示しない棚支柱の係合孔に前記ブラケット20の爪を係脱自在に係合させることにより、各棚装置12は陳列室11内において上下位置(高さ)を変更可能に架設されている。
また、図2において35は、棚ダクト部材であり、この棚ダクト部材35内には、前端において斜め前下方に開口する棚下冷気吐出口37を有する棚ダクト36が構成されている。また、この棚ダクト36内には、背面ダクト9側に進退して当該背面ダクト9内を閉塞可能とするためのダンパー部材39が設けられている。
一方、断熱壁3の下側には機械室25が構成されており、この機械室25内には圧縮機26と、凝縮器27と、凝縮器用送風機28等が設置されると共に、電源や制御基板を収納した図示しない電装箱も配設される。
ここで、図3の冷媒回路図を参照して本実施例における冷凍サイクル装置Rを構成する冷媒回路40について説明する。圧縮機26の吐出側の配管42には、凝縮器27が接続されている。そして、この凝縮器27の出口側には、配管43を介して減圧装置としての膨張弁44が接続されている。この膨張弁44は蒸発器15に接続され、蒸発器15の出口側は圧縮機26に接続されて環状の冷凍サイクルを構成している。
また、断熱壁3の背方には当該断熱壁3の背面と所定の間隔を存して鋼板製の背面板29が取り付けられており、この背面板29と断熱壁3間には排気用ダクト30が構成されている。この排気用ダクト30の下端は機械室25の後部に開口して連通すると共に、上端はショーケース1上方に開放している。そのため、凝縮器用送風機28が運転されることによって、機械室25内に吸引された外気は、凝縮器27を通過して熱交換した後、圧縮機26に吹き付けられて当該圧縮機26を空冷し、排気用ダクト30を介して外部に排出される。
なお、31は機械室25の前面を開閉自在に閉塞するパネルである。32は機械室25内下部に設けられた蒸発皿であり、図示しないドレンホースを介して蒸発器15からのドレン水(露水や除霜水など)が流入し、貯留されるものである。
次に、図4を参照して本実施例における制御装置(制御手段)Cについて説明する。制御装置Cは、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、時限手段としてのタイマ50、PID演算処理部56、記憶部57を内蔵している。更に、各種設定スイッチや表示部などを備えたコントロールパネル47が接続されている。各種設定スイッチには、詳細は後述する如き当該冷凍サイクル装置Rが搭載される機種を任意に設定するLCDパネル(設定手段)8も含まれる。また、当該制御装置Cの入力側には、庫内温度を検出する庫内温度センサ48、各棚装置12の温度を検出する棚センサ49等が接続されている。
ここで、庫内温度センサ48は、例えば、ショーケース1の陳列室11内天井部に設けられており、陳列室11内の温度である庫内温度を検出するものである。棚センサ49は、各棚装置12に設けられて、各棚装置12の温度である棚温度を検出するものである。
他方、制御装置Cの出力側には、圧縮機26を駆動させる圧縮機モータ26Mと、各棚装置12に設けられる電気ヒータ22、冷気循環用送風機19を駆動させる送風機モータ19M、凝縮器用送風機28を駆動させる送風機モータ28M、膨張弁44等が接続されている。ここで、圧縮機モータ26Mは、インバータ装置41を介して接続されており、これによって、電源の周波数を変化させ、圧縮機モータ26Mの回転速度を変化させることにより圧縮機26における冷媒の圧縮量を変化可能としている。また、電気ヒータ22は、ヒータ制御部51を介して接続されており、これによって、各電気ヒータ22毎に、通電量をデューティー制御などによって変更可能としている。また、冷気循環用送風機19の送風機モータ19Mは、チョッパ回路などの駆動回路52を介して接続されており、これによって、送風機モータ19Mの回転数を任意に変更可能としている。同様に、凝縮器用送風機28の送風機モータ28Mは、チョッパ回路などの駆動回路53を介して接続されており、これによって、送風機モータ28Mの回転数を任意に変更可能としている。
以上の構成で、ショーケース1の制御動作を説明する。まずはじめに、制御装置Cは、コントロールパネル47による入力設定などに基づき、陳列室11内全体を冷却領域として冷蔵使用するのか、全体を加熱領域として温蔵使用するのか、何れかの棚装置12に設けられるダンパー部材39により陳列室11内を冷却領域と加熱領域とに区画した冷/温使用とするのかを判断する。
陳列室11内全体を加熱領域として温蔵使用すると判断した場合には、制御装置Cは、圧縮機モータ26M、凝縮器用送風機28の送風機モータ28M及び冷気循環用送風機19の送風機モータ19Mの運転を停止すると共に、各棚装置12にそれぞれ設けられる棚センサ49により検出される棚温度に基づき各棚装置12毎の電気ヒータ22への通電制御を実行する。具体的には、棚センサ49により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を減算した温度以下である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22に通電を行い、棚センサ49により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を加算した温度以上である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22への通電を停止する。これにより、各棚装置12上、更には、陳列室11内を加温設定温度に維持する。
他方、陳列室11内全体を冷却領域として冷蔵使用すると判断した場合には、制御装置Cは、全ての電気ヒータ22を非通電とすると共に、庫内温度センサ48が検出する陳列室(被冷却空間)11内の温度である庫内温度に基づき、冷却運転を実行する。
即ち、圧縮機26の運転が開始されると、圧縮機26の吐出側の配管42から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器27に流出する。ここで、十分に凝縮液化された冷媒は、制御装置Cにより膨張弁44が開閉制御されることから、当該膨張弁44により減圧された後、蒸発器15に流入する。そして、背面ダクト9内に配設された蒸発器15に流入した冷媒は、蒸発し、周囲から熱を奪って冷却作用を発揮した後、圧縮機26に帰還する。
この蒸発器15と熱交換した冷気は、背面ダクト9と連通する下部ダクト14内に配設された冷気循環用送風機19により上部冷気吐出口16や棚ダクト36の棚下冷気吐出口37を介して吐出され、一部の冷気は陳列室11内を循環して陳列室11内を所定の冷却温度に冷却した後、陳列室11の前面開口下縁に位置する冷気吸込口17を介して下部ダクト14内に帰還する。これにより、陳列室11の前面開口には、冷気によるエアーカーテンが形成され、陳列室11内の冷気漏出や外気侵入を抑制している。
ここで、圧縮機26の圧縮機モータ26Mの運転周波数は、制御装置Cの内部に設けられるPID演算処理部56によって庫内温度センサ48により検出された温度(被冷却空間である陳列室11内の温度)Tpと、コントロールパネル47により設定された目標とする冷却設定温度Tsとの偏差eから、比例(P)と、積分(I)と、微分(D)の演算の実行に基づくPID制御が実行される。詳しくは、PID制御演算処理部56は、庫内温度センサ48により検出された温度Tpと、目標とする冷却設定温度Tsとの差eに比例してそれを減らす方向の制御量を算出する比例動作と、偏差eの積分値(冷却設定温度Tsとの偏差eの時間軸方向に積分した値)を減らす方向の制御量を算出する積分動作と、偏差eの変化の傾き(微分値)を減らす方向の制御量を算出する微分動作を行い、これらの制御量を加算した制御量から圧縮機26の圧縮機モータ26Mの運転周波数を決定する。当該演算式を下記に示す。
演算式 Kp×偏差e+Ki×偏差eの積分値+Kd×偏差eの微分値=制御量
当該算出された制御量に基づいてインバータ装置41により圧縮機モータ26Mの運転周波数を制御することにより、陳列室11内の温度を精度良く目標温度に近づけることが可能となる。なお、当該制御において、圧縮機モータ26Mの運転周波数を変化させる速度については、詳細は後述する如き設定に従って、変化させるものとする。
また、陳列室11内を何れかの棚装置12により冷却領域と加熱領域とに区画して冷/温使用とする場合には、制御装置Cは、コントロールパネル47による入力設定などに基づき、いずれの棚装置12の上側を加熱領域とし、下側を冷却領域として使用するかを判断する。
そして、制御装置Cは、庫内温度センサ44が検出する陳列室11内の温度である庫内温度に基づき冷却運転を実行する。当該冷却運転においても、上記と同様に、当該棚装置12の下側の陳列室11内を所定の設定温度に冷却する。
また、制御装置Cは、当該棚装置12及び該棚装置12より上方に位置する棚装置12に設けられる棚センサ49により検出される棚温度に基づき、当該棚装置12毎の電気ヒータ22への通電制御を実行する。これにより、当該棚装置12の上側に位置する陳列室11内を加温設定温度に加熱する。
次に、上述した如き各冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数を変化させる速度の設定制御の詳細について図5のフローチャートを参照して説明する。制御装置Cは、当該冷凍サイクル装置Rが搭載される複数の機種に対応可能とすべく、内蔵される記憶部57に、各機種設定に応じた圧縮機モータ26Mの運転周波数の変化速度(運転周波数を上昇させる速度及び運転周波数を下降させる速度)を記憶している。
本実施例において記憶部57は、不揮発性メモリであるEEPROMにより構成されており、機種設定を10〜50まで有している。なお、機種設定が10に近いほど搭載される圧縮機26の能力に対し被冷却空間の容量が小さい装置に対応した設定であり、機種設定が50に近いほど搭載される圧縮機26の能力に対し被冷却空間の容量が大きい装置に対応した設定であるものとする。また、機種設定は10〜50としているが、二種類以上であれば機種設定の数は限定されない。
そのため、当該冷凍サイクル装置Rをショーケース1に組み込んだ時点や、設置時などにおいて、コントロールパネル47に設けられたLCDパネル8の表示に従って、各種スイッチを操作し、機種設定、本実施例では10〜50の何れかを設定する。
これによって、制御装置Cは、ステップS1において、設定された機種が10であるか否かを判断し、10である場合には、ステップS2に進み、記憶部57に記憶されている機種設定10に対応する設定値、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を上昇させる速度を15秒/Hzに設定する。その後、ステップS3に進み、同様に記憶部57に記憶させている設定値、圧縮機モータ26Mの運転周波数を下降させる速度を20秒/Hzに設定する。そして、ステップS4に進み、以後、当該設定された圧縮機モータ26Mの運転周波数変更速度に基づいて、上述した如き冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実行する。
他方、ステップS1において、設定された機種が10ではないと判断した場合には、制御装置Cは、ステップS5において、設定された機種が20であるか否かを判断し、20である場合には、ステップS6に進む。当該ステップS6では、制御装置Cは、記憶部57に記憶されている機種設定20に対応する設定値、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を上昇させる速度を15秒/Hzに設定する。その後、ステップS3に進み、同様に記憶部57に記憶させている設定値、圧縮機モータ26Mの運転周波数を下降させる速度を15秒/Hzに設定する。そして、ステップS4に進み、以後、当該設定された圧縮機モータ26Mの運転周波数変更速度に基づいて、上述した如き冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実行する。
同様に、ステップS5において、設定された機種が20ではないと判断した場合には、制御装置Cは、ステップS8に進み、設定された機種が30であるか否かを判断する。機種設定が30である場合には、ステップS9に進み、制御装置Cは、記憶部57に記憶されている機種設定30に対応する設定値、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を上昇させる速度を10秒/Hzに設定する。その後、ステップS10に進み、同様に記憶部57に記憶させている設定値、圧縮機モータ26Mの運転周波数を下降させる速度を10秒/Hzに設定する。そして、ステップS4に進み、以後、当該設定された圧縮機モータ26Mの運転周波数変更速度に基づいて、上述した如き冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実行する。
同様に、ステップS8において、設定された機種が30ではないと判断した場合には、制御装置Cは、ステップS11に進み、設定された機種が40であるか否かを判断する。機種設定が40である場合には、ステップS12に進み、制御装置Cは、記憶部57に記憶されている機種設定40に対応する設定値、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を上昇させる速度を5秒/Hzに設定する。その後、ステップS13に進み、同様に記憶部57に記憶させている設定値、圧縮機モータ26Mの運転周波数を下降させる速度を10秒/Hzに設定する。そして、ステップS4に進み、以後、当該設定された圧縮機モータ26Mの運転周波数変更速度に基づいて、上述した如き冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実行する。
同様に、ステップS11において、設定された機種が40ではないと判断した場合には、制御装置Cは、ステップS14に進み、設定された機種が50であるか否かを判断する。機種設定が50である場合には、ステップS15に進み、制御装置Cは、記憶部57に記憶されている機種設定50に対応する設定値、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を上昇させる速度を1秒/Hzに設定する。その後、ステップS16に進み、同様に記憶部57に記憶させている設定値、圧縮機モータ26Mの運転周波数を下降させる速度を5秒/Hzに設定する。そして、ステップS4に進み、以後、当該設定された圧縮機モータ26Mの運転周波数変更速度に基づいて、上述した如き冷却運転における圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実行する。
このように、本実施例では、機種設定に応じて圧縮機モータ26Mの運転周波数の上昇速度や下降速度を設定することが可能となるため、機種に応じた圧縮機モータ26Mの運転周波数制御を実現することが可能となる。具体的には、圧縮機26の能力に対し被冷却空間の容量が小さい場合には、例えば機種設定を10とすることにより、制御装置Cによる圧縮機モータ26Mの運転周波数がPID制御される際における運転周波数を上昇させる速度を15秒/Hzとし、下降させる速度を20秒/Hzと設定する。これにより、被冷却空間の容量が比較的小さい場合であっても、ハンチング現象の発生を抑制することができ、精度良く温度制御を実現することが可能となる。
他方、圧縮機26の能力に対し被冷却空間の容量が大きい場合には、例えば機種設定を50とすることにより、制御装置Cによる圧縮機モータ26Mの運転周波数がPID制御される際における運転周波数を上昇させる速度を1秒/Hzとし、下降させる速度を5秒/Hzと設定する。これにより、被冷却空間の容量が比較的大きい場合であっても、庫内温度の変化に対する追従性の向上を図ることができ、精度良く温度制御を実現することが可能となる。
特に、本実施例では、予め、制御装置Cに内蔵されている記憶部57に、機種設定毎に適した圧縮機モータ26Mの運転周波数の変化速度を記憶しているため、機種設定の操作を行うのみで、当該機種に適した圧縮機モータ26Mの運転周波数の変化速度によって、制御することが可能となり、被冷却空間の容量に応じた圧縮機26の能力を発揮させることが可能となる。
これにより、圧縮機26の大きさの種類が少ない場合であっても、他種類の被冷却空間の容量に応じて被冷却空間を効率的に冷却することが可能となり、汎用性の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施例では、機種設定をLCDパネル8により行うことにより、圧縮機モータ26Mの運転周波数を変更する速度を所定の速度に設定可能なものとしているが、これに限定されるものではなく、直接LCDパネル8によって、圧縮機モータ26Mの運転周波数を変更する速度、即ち、運転周波数を上昇させる速度及び下降させる速度を任意に設定可能なものとしても良いものとする。これにより、記憶部57に記憶される設定に限定されることなく、圧縮機モータ26Mの運転周波数を変更する速度を任意に設定可能とすることができ、より一層、機種に応じた制御を実現することが可能となる。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数を変更する速度は、1Hz変更する時間間隔を15秒から1秒の何れかとする設定方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば単位時間(例えば1秒〜15秒など)あたりに変更する周波数(例えば1Hz〜15Hzなど)とする設定方式であっても良いものとする。
また、本実施例では、ショーケース1を例に挙げて説明してるが、これに限定されるものではなく、冷蔵庫やプレハブ冷蔵庫などの冷凍サイクル装置Rを備えた冷熱機器であれば、本発明が有効となる。
本発明を適用したショーケースの斜視図である。 図1のショーケースの縦断側面図である。 冷媒回路図である。 制御装置の電気ブロック図である。 機種設定に基づく圧縮機運転周波数の変更速度設定を示すフローチャートである。
R 冷凍サイクル装置
C 制御装置(制御手段)
1 ショーケース
8 LCDパネル(設定手段)
9 背面ダクト
11 陳列室
14 下部ダクト
15 蒸発器
16 上部冷気吐出口
17 冷気吸込口
19 冷気循環用送風機
26 圧縮機
26M 圧縮機モータ
27 凝縮器
40 冷媒回路
41 インバータ装置
44 膨張弁
48 庫内温度センサ
50 タイマ
56 PID演算処理部
57 記憶部

Claims (1)

  1. 圧縮機、及び、蒸発器を含む冷媒回路から構成された冷凍サイクル装置において、
    前記蒸発器により冷却される被冷却空間の温度を検出する温度センサと、
    前記圧縮機を駆動する圧縮機モータの運転周波数を制御する制御手段と
    該制御手段に対して、搭載される機種を設定する設定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記被冷却空間の目標温度と前記温度センサが検出する前記被冷却空間の温度との偏差に基づいてPID制御により前記圧縮機モータの運転周波数を制御すると共に、
    複数の機種に対応して設定され、機種毎に適した前記圧縮機モータの運転周波数の変化速度を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された前記圧縮機モータの運転周波数の変化速度を、前記設定手段による機種設定の操作に応じて選択することにより、前記圧縮機モータの運転周波数を変更する速度を設定する手段とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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