次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明を適用した実施例のショーケース1の斜視図、図2は図1のショーケース1の縦断側面図を示している。実施例のショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗においてレジカウンタなどの台の上に載置された状態で設置される所謂卓上型オープンショーケースである。当該ショーケース1内に形成される商品を陳列する陳列室11内には、冷却領域、又は、加熱領域、若しくは、冷却領域及び加熱領域の双方を構成可能とすることで、冷/温使用が可能なものとされている。
ショーケース1の前面に開口する断面略コ字状の断熱壁3と、その両側に取り付けられる側板4、4によって本体2が構成されている。この断熱壁3の内側には間隔を存して背面及び天面にそれぞれ背面パネル6、天面パネル7が配設され、これら背面パネル6、天面パネル7と断熱壁3間に背方から上方に渡る背面ダクト9が構成されている。
また、背面パネル6の下端には、前方に延在するデッキパン10が設けられており、これら背面パネル6、天面パネル7及びデッキパン10の内側に陳列室11が構成されている。そして、デッキパン10の下方には背面ダクト9に連通してその一部を構成する下部ダクト14が構成されている。
背面ダクト9の上端は陳列室11の前面開口上縁に位置する上部冷気吐出口16に連通し、下部ダクト14の前端は陳列室11の前面開口下縁に位置すると共に、複数のスリットから成る冷気吸込口17に連通している。また、デッキパン10の下方の下部ダクト14内には冷気循環用送風機19が配設され、陳列室11後方の背面ダクト9内には冷却装置Rの冷凍サイクルを構成する冷却器15が縦設されている。
断熱壁3の下側には機械室25が構成されており、この機械室25内には前記冷却器15と共に冷却装置Rの冷媒回路を構成する圧縮機26と、凝縮器27と、凝縮器用送風機28が設置されると共に、電源や制御基板を収納した図示しない電装箱も配設される。そして、断熱壁3の背方には当該断熱壁3の背面と所定の間隔を存して鋼板製の背面板29が取り付けられており、この背面板29と断熱壁3間には排気用ダクト30が構成されている。
この排気用ダクト30の下端は機械室25の後部に開口して連通すると共に、上端はショーケース1上方に開放している。なお、31は機械室25の前面を開閉自在に閉塞するパネルである。32は機械室25内下部に設けられた蒸発皿であり、図示しないドレンホースを介して冷却器15からのドレン水(露水や除霜水など)が流入し、貯留されるものである。
陳列室11内には棚装置12が複数段、本実施例では上下に4段架設されている。なお、本実施例では最上段の棚装置12を棚装置12A、上から二段目の棚装置12を棚装置12B、上から三段目(下から二段目)の棚装置12を棚装置12C、最下段の棚装置12を棚装置12Dとする。各棚装置12は後端に後方に突出する鉤状の爪を有した左右一対のブラケット20と、このブラケット20上に差し渡して取り付けられた棚板21と、この棚板21の商品載置面の裏側に取り付けられた加温用の電気ヒータ22(図3に示す)とから構成されている。なお、当該電気ヒータ22は、本実施例では棚装置12Aに設けられるものを電気ヒータ22A、棚装置12Bに設けられるものを電気ヒータ22B、棚装置12Cに設けられるものを電気ヒータ22C、棚装置12Dに設けられるものを電気ヒータ22Dとする。
そして、陳列室11内の背面パネル6の前面両側に取り付けられた図示しない棚支柱の係合孔に前記ブラケット20の爪を係脱自在に係合させることにより、各棚装置12は陳列室11内において上下位置(高さ)を変更可能に架設されている。
また、図2において35は、棚ダクト部材である。この棚ダクト部材35内には、棚ダクト36が構成されており、この棚ダクト36の前端は棚ダクト部材35の前端において斜め前下方に開口する棚下冷気吐出口37に連通され、後端は冷気導入口38にて開口している。また、この棚ダクト部材35には冷気導入口38の上側にて前後方向に移動自在に取り付けられたダンパー部材39が設けられている。また、このダンパー部材39の後端には、当該ダンパー部材39が背面ダクト9を閉じたことを検出するためのダンパーセンサ(開閉検出手段)39A、39B、39Cが設けられており、詳細は後述する制御装置Cに接続されている。
一方、本実施例において背面パネル6は、複数の背面パネル部材により構成されており、これら背面パネル部材により移動自在に連通部40が形成されている。そのため、棚ダクト部材35の後端の冷気導入口38をこの連通部40に対応させ、内部の棚ダクト36を背面ダクト9に連通させる。
係る構成において、ダンパー部材39を背面ダクト9側に突出させることによって、連通部40の上側において、背面ダクト9を閉塞することができると共に、棚ダクト36の後端に形成される冷気導入口38は背面ダクト9内と連通しているため、背面ダクト9内の冷気を冷気導入口38を介して棚ダクト36内に導入させ、陳列室11の前面開口部において下方に開口する棚下冷気吐出口37より吐出することが可能となる。
なお、本実施例のショーケース1は、最上段を構成する棚装置12A、上から二段目を構成する棚装置12B、下から二段目を構成する棚装置12Cは、棚ダクト36を有していると共に、ダンパー部材39を備えていることにより、当該ダンパー部材39を操作し、操作された棚装置12の高さで背面ダクト9を閉鎖することが可能となる。
そのため、陳列室11内全体を冷却領域として冷蔵使用する場合には、各棚装置12A、12B、12Cに設けられるダンパー部材39を最も前方に移動させ、背面ダクト9より前に位置させる。この状態で、冷気循環用の送風機19が運転されると、冷却器15と熱交換した冷気は、背面ダクト9内を上昇し、上部冷気吐出口16から吐出される。吐出された冷気は陳列室11の前面開口に冷気エアーカーテンを形成しながら陳列室11内を冷却する。そして、冷気吸込口17から下部ダクト14に吸引され、再び送風機19に吸い込まれる循環を繰り返す。これによって、陳列室11内の全域が冷蔵温度に冷却された冷却領域とされて、全棚装置12上の商品が冷却されることになる。
次に、最上段の棚装置12Aから上を加熱領域として温蔵使用とし、棚装置12Aよりも下を冷却領域として冷蔵使用とする場合には、棚装置12Aのダンパー部材39のみを操作し、係る高さで、背面ダクト9を閉鎖する。これにより、背面ダクト9内を上昇する冷気の一部は、背面パネル6に形成された連通部40から下から二段目の棚装置12Cの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。また、残りの一部の冷気は、背面パネル6に形成された連通部40から上から二段目の棚装置12Bの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。更に、残りの冷気は、背面ダクト9を更に上昇し、連通部40から最上段の棚装置12Aの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。
これにより、最上段の棚装置12Aより下方の陳列室11内は、冷気供給により冷却領域とされ冷蔵使用することができる。なお、本実施例では、ダンパー部材39の後端に設けられたダンパーセンサ39Aによりダンパー部材39が閉鎖されていることを検出すると、詳細は後述する如く制御装置Cは最上段の棚装置12Aの電気ヒータ22Aを通電する。これにより、最上段の棚装置12Aより上方の陳列室11内は、冷気供給の停止及び電気ヒータ22Aの通電により加熱領域とされ、温蔵使用することができるようになる。
また、上から二段目の棚装置12Bのダンパー部材39Bを操作し、係る高さで、背面ダクト9を閉鎖した場合には、背面ダクト9内を上昇する冷気の一部は、背面パネル6に形成された連通部40から下から二段目の棚装置12Cの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。また、残りの冷気は、背面パネル6に形成された連通部40から上から二段目の棚装置12Bの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。
これにより、上から二段目の棚装置12Bより下方の陳列室11内は、冷気供給により冷却領域とされ冷蔵使用することができる。また、係る場合においても、ダンパー部材39の後端に設けられたダンパーセンサ39Bによりダンパー部材39が閉鎖されていることを検出すると、詳細は後述する如く制御装置Cは上から二段目の棚装置12Bより上方の棚装置12、即ち、最上段の棚装置12A及び上から二段目の棚装置12Bの電気ヒータ22A、22Bを通電する。これにより、上から二段目の棚装置12Bより上方の陳列室11内は、冷気供給の停止及び電気ヒータ22A、22Bの通電により加熱領域とされ、温蔵使用することができるようになる。なお、係る場合において、上から二段目の棚装置12Bより上方の陳列室11内の空気の対流を効果的に行うため、棚装置12Aのダンパー部材39Aは、閉鎖されていることが望ましい。
同様に、下から二段目の棚装置12Cのダンパー部材39Cを操作し、係る高さで、背面ダクト9を閉鎖した場合には、背面ダクト9内を上昇する冷気は、背面パネル6に形成された連通部40から下から二段目の棚装置12Cの棚ダクト36内に進入し、棚下冷気吐出口37から陳列室11内下部に向けて吐出される。
これにより、下から二段目の棚装置12Cより下方の陳列室11内は、冷気供給により冷却領域とされ冷蔵使用することができる。また、係る場合においても、ダンパー部材39の後端に設けられたダンパーセンサ39Cによりダンパー部材39が閉鎖されていることを検出すると、詳細は後述する如く制御装置Cは下から二段目の棚装置12Cより上方の棚装置12、即ち、最上段の棚装置12A及び上から二段目の棚装置12B、下から二段目の棚装置12Cの電気ヒータ22A、22B、22Cを通電する。これにより、下から二段目の棚装置12Cより上方の陳列室11内は、冷気供給の停止及び電気ヒータ22A、22B、22Cの通電により加熱領域とされ、温蔵使用することができるようになる。なお、係る場合において、下から二段目の棚装置12Cより上方の陳列室11内の空気の対流を効果的に行うため、棚装置12Aのダンパー部材39A、棚装置12Bのダンパー部材39Bは、閉鎖されていることが望ましい。
なお、陳列室11内全体を加熱領域として温蔵使用とする場合には、冷却装置及び送風機19を停止し、全段の棚装置12の電気ヒータ22(22A〜22D)に通電し、各棚装置12上の商品を加温する。
次に、図3を参照して本実施例における制御装置Cについて説明する。制御装置Cは、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、各種設定スイッチや表示部などを備えたコントロールパネル42が接続されている。また、当該制御装置Cの入力側には、圧縮機26のモータ26Mへの通電電流を検出するカレントトランス43や、ダンパーセンサ39A、39B、39C、庫内温度を検出する庫内温度センサ44、各棚装置12の温度を検出する棚センサ45等が接続されている。
ここで、庫内温度センサ44は、例えば、ショーケース1の陳列室11内天井部に設けられており、陳列室11内の温度である庫内温度を検出するものである。棚センサ45は、各棚装置12に設けられて、各棚装置12の温度である棚温度を検出するものである。
他方、制御装置Cの出力側には、圧縮機26の圧縮機モータ26Mと、各棚装置12に設けられる電気ヒータ22(22A〜22D)、冷気循環用送風機19の送風機モータ19M、凝縮器用送風機28の送風機モータ28M等が接続されている。ここで、圧縮機モータ26Mは、インバータ装置48を介して接続されており、これによって、圧縮機モータ26Mの運転周波数を任意に変更可能とされている。また、電気ヒータ22は、ヒータ制御部49を介して接続されており、これによって、各電気ヒータ22A乃至22D毎に、通電量をデューティー制御などによって変更可能とされている。送風機モータ19Mは、チョッパ回路などの駆動回路50を介して接続されており、これによって、送風機モータ19Mの回転数を任意に変更可能とされている。
以上の構成で、ショーケース1の制御動作を説明する。まずはじめに、制御装置Cは、コントロールパネル42による入力設定及び、ダンパーセンサ39A、39B、39Cの出力に基づき、陳列室11内全体を冷却領域として冷蔵使用するのか、全体を加熱領域として温蔵使用するのか、最上段の棚装置12Aより上の陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Aより下の陳列室11内を冷却領域とした冷/温使用とするのか、二段目の棚装置12Bより上の陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Bより下の陳列室11内を冷却領域とした冷/温使用とするのか、下から二段目の棚装置12Cより上の陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Cより下の陳列室11内を冷却領域とした冷/温使用とするのかを判断する。
陳列室11内全体を冷却領域として冷蔵使用すると判断した場合には、制御装置Cは、全ての電気ヒータ22A乃至22Dを非通電とすると共に、庫内温度センサ44が検出する陳列室11内の温度である庫内温度に基づき、冷却装置Rの圧縮機26の圧縮機モータ26Mをインバータ装置48により制御し、陳列室11内を冷却設定温度に維持する。
この場合、いずれの電気ヒータ22も通電されていないため、圧縮機モータ26Mは、インバータ装置48により最大運転周波数を例えば80Hzとして通電制御される。また、送風機モータ19Mは、駆動回路50により最大回転数を例えば1500rpmとして通電制御される。
他方、陳列室11内全体を加熱領域として温蔵使用すると判断した場合には、制御装置Cは、冷却装置R及び冷気循環用送風機19の運転を停止すると共に、各棚装置12A乃至12Dにそれぞれ設けられる棚センサ45により検出される棚温度に基づき各棚装置12毎の電気ヒータ22への通電制御を実行する。具体的には、棚センサ45により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を減算した温度以下である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22に通電を行い、棚センサ45により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を加算した温度以上である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22への通電を停止する。これにより、各棚装置12上、更には、陳列室11内を加温設定温度に維持する。
なお、この場合において、冷却装置R及び冷気循環用送風機19が運転されていないため、各電気ヒータ22は、最大通電率を100%、同時通電可能棚数、即ち、同時に通電可能とする電気ヒータ22の数は、本実施例では3つとして通電制御される。
次に、陳列室11内を冷却領域と加熱領域とに区画して冷/温制御する場合について説明する。制御装置Cは、コントロールパネル42による入力設定及び、ダンパーセンサ39A、39B、39Cの出力に基づき、いずれの棚装置12の上側を加熱領域とし、下側を冷却領域として使用するかを判断する。図4及び図7では、下から二段目の棚装置12Cのダンパー部材39により背面ダクト9を閉塞し、当該棚装置12Cより上側の陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Cより下側の陳列室11内を冷却領域として使用する場合について説明する。
まず、制御装置Cは、庫内温度センサ44が検出する陳列室11内の温度である庫内温度に基づきインバータ装置48によって冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの運転周波数を制御し、棚装置12Cの下側の陳列室11内を所定の設定温度に冷却する。
この場合、制御装置Cは、圧縮機モータ26Mの運転周波数に応じて各棚装置12の各電気ヒータ22への通電量を制御する。ここで、図4のフローチャート及び図5の圧縮機モータ26Mの運転周波数に対する電気ヒータ22の通電制御を示すタイミングチャートを参照して具体的な制御について説明する。
図4のフローチャートに示す如くステップS1において、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が所定の高運転周波数(第1の運転周波数)、本実施例では60Hzより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が60Hz(第1の運転周波数)より高い場合には、ステップS2に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は1つとする設定を行った上で、ステップS3に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第1の運転周波数よりも高い場合には、図5に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの各棚装置をそれぞれの電気ヒータ22A、22B、22Cにより加熱する場合であっても、同時通電可能とする棚数は1つであるため、何れか一つの電気ヒータ22が通電されている場合には、他の電気ヒータ22への通電は禁止される。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第1の運転周波数より高い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を一つに制限しているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を30%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
他方、ステップS1において、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が60Hz(第1の運転周波数)より低い場合には、ステップS4に進み、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が第1の運転周波数より低い所定の運転周波数(第2の運転周波数)、本実施例では55Hzより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が55Hz(第2の運転周波数)より高い場合には、ステップS5に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は2つとする設定を行った上で、ステップS3に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第2の運転周波数よりも高い場合には、図5に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの各棚装置をそれぞれの電気ヒータ22A、22B、22Cにより加熱する場合であっても、同時通電可能とする棚数は2つであるため、何れか二つの電気ヒータ22の通電のみが許容され、他の電気ヒータ22への通電は禁止される。なお、この場合であっても、二つの電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第2の運転周波数より高い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を二つに制限しているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を50%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
他方、ステップS4において、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が55Hz(第2の運転周波数)より低い場合には、ステップS6に進み、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が第2の運転周波数より低い所定の運転周波数(第3の運転周波数)、本実施例では50Hzより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が50Hz(第3の運転周波数)より高い場合には、ステップS7に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は3つとする設定を行った上で、ステップS3に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第2の運転周波数よりも低い場合には、図5に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの電気ヒータ22A、22B、22Cを、同時通電可能とする。なお、この場合であっても、二つ以上の電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第2の運転周波数より低い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を三つとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を75%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
そして、ステップS6において、現在の圧縮機モータ26Mの運転周波数が50Hz(第3の運転周波数)より低い場合には、ステップS8に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、上記ステップS7と同様に各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は3つとする設定を行った上で、ステップS3に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第3の運転周波数よりも低い場合には、図5に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの電気ヒータ22A、22B、22Cを、同時通電可能とする。なお、この場合であっても、二つ以上の電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、この場合、圧縮機モータ26Mの運転周波数が第3の運転周波数より低い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を三つとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を100%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
そして、制御装置Cは、上記同時通電可能棚数、若しくは、各電気ヒータ22への総通電量が制限された上で、各棚装置12A乃至12Cにそれぞれ設けられる棚センサ45により検出される棚温度に基づき、各棚装置12毎の電気ヒータ22への通電制御を実行する。具体的には、棚センサ45により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を減算した温度以下である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22に通電を行い、棚センサ45により検出される棚温度が加温設定温度にディファレンシャル温度を加算した温度以上である場合には、当該棚装置12の電気ヒータ22への通電を停止する。これにより、各棚装置12上、更には、陳列室11内を加温設定温度に維持する。
本実施例では、上述したように圧縮機モータ26Mの運転周波数に応じて同時通電可能棚数が制限されることとなるが、設定温度との差が最も大きい棚装置12の電気ヒータ22を優先して通電するものとする。若しくは、それぞれの電気ヒータ22の通電率を比較し、最も低い通電率である棚装置12の電気ヒータ22を優先して通電するものとする。
これにより、制御装置Cにより、圧縮機モータ26Mの運転周波数に応じて各棚装置12の電気ヒータ22への通電量を制御することにより、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御を優先的に行いつつ、加熱領域の加熱制御を行うことができる。
特に、制御装置Cは、圧縮機モータ26Mの運転周波数が高い場合、各電気ヒータ22への通電量を低減、若しくは、同時通電可能棚数を制限することによって、何れかの電気ヒータ22への通電量を零とすることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減しつつ、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御、及び、各棚装置12の電気ヒータ22による加熱領域の加熱制御を実現することが可能となる。
そのため、ショーケース1全体の省エネ運転を実現することができる。また、ショーケース1全体の最大電力値を低減することができるため、装置自体の定格電流を下げることができ、生産コストの低減を実現することができる。
なお、これ以外にも、制御装置Cは、圧縮機26の圧縮機モータ26Mへの運転電流に応じて各棚装置12の各電気ヒータ22への通電量を制御しても良い。ここで、図6のフローチャート及び図7の圧縮機モータ26Mの運転電流に対する電気ヒータ22の通電制御を示すタイミングチャートを参照して具体的な制御について説明する。
図6のフローチャートに示す如く、ステップS10において、カレントトランス43により検出される現在の圧縮機モータ26Mの運転電流が所定の高運転電流値(第1の運転電流値)、本実施例では10Aより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が10A(第1の運転電流値)より高い場合には、ステップS11に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は1つとする設定を行った上で、ステップS12に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第1の運転電流値よりも高い場合には、図7に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの各棚装置をそれぞれの電気ヒータ22A、22B、22Cにより加熱する場合であっても、同時通電可能とする棚数は1つであるため、何れか一つの電気ヒータ22が通電されている場合には、他の電気ヒータ22への通電は禁止される。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第1の運転電流値より高い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を一つに制限しているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を30%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
他方、ステップS10において、カレントトランス43により検出される現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が10A(第1の運転電流値)より低い場合には、ステップS13に進み、現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が第1の運転電流値より低い所定の運転電流値(第2の運転電流値)、本実施例では7Aより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が7A(第2の運転電流値)より高い場合には、ステップS14に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は2つとする設定を行った上で、ステップS12に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第2の運転電流値よりも高い場合には、図7に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの各棚装置12をそれぞれの電気ヒータ22A、22B、22Cにより加熱する場合であっても、同時通電可能とする棚数は2つであるため、何れか二つの電気ヒータ22の通電のみが許容され、他の電気ヒータ22への通電は禁止される。なお、この場合であっても、二つの電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第2の運転電流値より高い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を二つに制限しているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を50%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
他方、ステップS13において、カレントトランス43により検出される現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が7A(第2の運転電流値)より低い場合には、ステップS15に進み、現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が第2の運転電流値より低い所定の運転電流値(第3の運転電流値)、本実施例では4Aより高いか否かを判断する。現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が4A(第3の運転電流値)より高い場合には、ステップS16に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は3つとする設定を行った上で、ステップS12に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第2の運転電流値よりも低い場合には、図7に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの電気ヒータ22A、22B、22Cを、同時通電可能とする。なお、この場合であっても、二つ以上の電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第2の運転電流値より低い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を三つとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を75%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
そして、ステップS15において、カレントトランス43により検出される現在の圧縮機モータ26Mの運転電流値が4A(第3の運転電流値)より低い場合には、ステップS17に進み、制御装置Cは、ヒータ制御部49により、上記ステップS16と同様に各棚装置12A、12B、12Cの同時通電可能とする電気ヒータ22の数は3つとする設定を行った上で、ステップS12に進み、各電気ヒータ22A、22B、22Cの通電制御を行う。
そのため、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第3の運転電流値よりも低い場合には、図7に示す如く、棚装置12A、12B、12Cの電気ヒータ22A、22B、22Cを、同時通電可能とする。なお、この場合であっても、二つ以上の電気ヒータ22の同時通電開始は禁止する。これにより、複数の電気ヒータ22に通電が開始されることによって、起電力が一時的に高くなる不都合を回避することが可能となる。
なお、この場合、圧縮機モータ26Mの運転電流値が第3の運転電流値より低い場合には、同時通電可能とする電気ヒータ22の数を三つとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、各電気ヒータ22への総通電量を100%より低く抑えた通電制御により実現しても良い。
そして、この場合においても、制御装置Cは、上記同時通電可能棚数、若しくは、各電気ヒータ22への総通電量が制限された上で、各棚装置12A乃至12Cにそれぞれ設けられる棚センサ45により検出される棚温度に基づき、上記と同様に各棚装置12毎の電気ヒータ22への通電制御を実行する。これにより、各棚装置12上、更には、陳列室11内を加温設定温度に維持する。
本実施例では、上述したように圧縮機モータ26Mの運転電流値に応じて同時通電可能棚数が制限されることとなるが、設定温度との差が最も大きい棚装置12の電気ヒータ22を優先して通電するものとする。若しくは、それぞれの電気ヒータ22の通電率を比較し、最も低い通電率である棚装置12の電気ヒータ22を優先して通電するものとする。
これにより、制御装置Cにより、圧縮機モータ26Mの運転電流に応じて各棚装置12の電気ヒータ22への通電量を制御することにより、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御を優先的に行いつつ、加熱領域の加熱制御を行うことができる。
特に、制御装置Cは、圧縮機モータ26Mの運転電流が高い場合、各電気ヒータ22への通電量を低減、若しくは、同時通電可能棚数を制限することによって、何れかの電気ヒータ22への通電量を零とすることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減しつつ、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御、及び、各棚装置12の電気ヒータ22による加熱領域の加熱制御を実現することが可能となる。
そのため、ショーケース1全体の省エネ運転を実現することができる。また、ショーケース1全体の最大電力値を低減することができるため、装置自体の定格電流を下げることができ、生産コストの低減を実現することができる。
なお、上記実施例における各制御は、下から二段目の棚装置12Cのダンパー部材39により背面ダクト9を閉塞し、棚装置12Cの上方に位置する陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Cより下方に位置する陳列室11内を冷却領域としているが、これに限定されるものではなく、上から二段目の棚装置12Bのダンパー部材39により背面ダクト9を閉塞し、棚装置12Bの上方に位置する陳列室11内を加熱領域とし、棚装置12Bより下方に位置する陳列室11内を冷却領域とした場合においても同様に圧縮機モータ26Mの運転周波数又は運転電流に応じた各棚装置12の各電気ヒータ22への通電制御を行っても良いものとする。また、最上段の棚装置12Aより上方のみを加熱領域として使用する場合であっても、圧縮機モータ26Mの運転周波数又は運転電流に応じた電気ヒータ22Aへの通電量を制御することによって、同様にショーケース1全体の最大電力値を低減することができる。
また、本実施例では、圧縮機モータ26Mの運転周波数又は運転電流に応じた総電気ヒータ22の通電量制御は、通電する電気ヒータ22の数を変えることによって、実現しているが、これに限定されるものではなく、加熱領域の棚装置12の電気ヒータ22を全て通電しつつ、当該電気ヒータ22への総通電量をヒータ制御部49により、デューティー制御することにより、圧縮機モータ26Mの運転周波数又は運転電流に応じた総電気ヒータ22の通電量制御を実現しても良い。また、これ以外にも、各棚装置12に設けられる電気ヒータ22を複数系統により構成し、通電する系統の数を変更することによって、圧縮機モータ26Mの運転周波数又は運転電流に応じた総電気ヒータ22の通電量制御を実現しても良い。
また、他の実施例として、陳列室11内を冷却領域と加熱領域とに区画して冷/温制御する場合に、陳列室11内における加熱領域の割合、具体的には、加熱領域として使用する棚装置12の棚数に応じて圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を制御しても良い。
具体的には、制御装置Cは、コントロールパネル42による入力設定及び、ダンパーセンサ39A、39B、39Cの出力に基づき、いずれの棚装置12の上側を加熱領域とし、下側を冷却領域として使用するかを判断する。制御装置Cは、加熱領域を構成する棚装置12の各電気ヒータ22を、それぞれの棚センサ45により検出される棚温度に基づき、各棚装置12毎に通電制御を実行する。これにより、各棚装置12上、更には、陳列室11内を加温設定温度に維持する。
他方、制御装置Cは、図8のフローチャートに示す如く加熱領域として使用する棚装置12の棚数に応じて圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を制御する。即ち、ステップS20において、加熱領域を構成する棚装置12の数が0であるか否かを判断する。加熱領域を構成する棚装置12の数が0である場合には、ステップS21に進み、制御装置Cは、インバータ装置48により、冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を80Hz(第1の最高運転周波数)に制限して、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
ステップS20において、加熱領域を構成する棚装置12の数が0でないと判断した場合には、ステップS23に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が1であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12Aが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Aのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Aが検出している場合)には、ステップS24に進み、制御装置Cは、インバータ装置48により、冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を75Hz(第2の最高運転周波数)に制限して、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
また、ステップS23において、加熱領域を構成する棚装置12の数が1でないと判断した場合には、ステップS25に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が2であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12A及び上から二段目の棚装置12Bが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Bのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Bが検出している場合)には、ステップS26に進み、制御装置Cは、インバータ装置48により、冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を70Hz(第3の最高運転周波数)に制限して、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
また、ステップS25において、加熱領域を構成する棚装置12の数が2でないと判断した場合には、ステップS27に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が3であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12A、上から二段目の棚装置12B及び下から二段目の棚装置12Cが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Cのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Cが検出している場合)には、ステップS28に進み、制御装置Cは、インバータ装置48により、冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を65Hz(第4の最高運転周波数)に制限して、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
なお、本実施例では、陳列室11内に、冷却領域と加熱領域とを同時に構成する場合には、加熱領域を構成する棚装置12の数は、3までであるが、例えば、陳列室11内に架設される棚装置12の数が4段以上である場合には、ステップS27からステップS29に進んでも良い。即ち、ステップS27において、加熱領域を構成する棚装置12の数が3でないと判断した場合には、以後同様に、ステップS29に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数がXがであるか否かを判断する。当該棚数がXである場合には、ステップS30に進み、制御装置Cは、インバータ装置48により、冷却装置Rを構成する圧縮機26の圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を第4の最高運転周波数よりも小さいXXHz(第Xの最高運転周波数)に制限して、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
これにより、制御装置Cにより、陳列室11内における加熱領域の割合に応じて圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を変更することにより、加熱領域の加熱制御を優先的に行いつつ、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御を行うことができる。
特に、制御装置Cは、陳列室11内における加熱領域の割合が大きい場合、圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を低下させることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減しつつ、電気ヒータ22による加熱領域の加熱制御、及び、冷却装置Rによる冷却領域の冷却制御を実現することが可能となる。
また、加熱領域の割合が大きくなるに従い、相対的に冷却領域は小さくなるため、圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を低下させた場合であっても、必要となる冷却能力も減少するため、冷却領域が十分に冷却されなくなる不都合も生じない。
そのため、ショーケース1全体の省エネ運転を実現することができる。また、ショーケース1全体の最大電力値を低減することができるため、装置自体の定格電流を下げることができ、生産コストの低減を実現することができる。
なお、陳列室11全体に対する加熱領域の割合は、本実施例では、陳列室11内に架設させる棚装置12の段数に対する加熱領域を構成する棚装置12の段数としている。係る場合には、加熱領域を構成する棚装置12の段数が増加することにより、電気ヒータ22への総通電量が増加する。これに応じて、圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を低下させることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減することが可能となる。
そのため、加熱領域の割合は、加熱領域を構成する棚装置12の段数に限定されるものではなく、各棚装置12への総通電量を所定の通電量として、当該総通電量に応じて圧縮機モータ26Mの最高運転周波数を変化させても、同様の効果を奏することが可能となる。
また、上記制御において、制御装置Cは、陳列室11内における加熱領域の割合、具体的には、加熱領域として使用する棚装置12の棚数に応じて冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を制御しても良い。
具体的には、制御装置Cは、コントロールパネル42による入力設定及び、ダンパーセンサ39A、39B、39Cの出力に基づき、いずれの棚装置12の上側を加熱領域とし、下側を冷却領域として使用するかを判断する。そして、制御装置Cは、図9のフローチャートに示す如く、加熱領域として使用する棚装置12の棚数に応じて冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を制御する。即ち、ステップS31において、加熱領域を構成する棚装置12の数が0であるか否かを判断する。加熱領域を構成する棚装置12の数が0である場合には、ステップS32に進み、制御装置Cは、駆動回路50により、冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を1500rpm(第1の回転数)とし、ステップS33において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
ステップS31において、加熱領域を構成する棚装置12の数が0でないと判断した場合には、ステップS34に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が1であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12Aが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Aのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Aが検出している場合)には、ステップS35に進み、制御装置Cは、駆動回路50により、冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を1400rpm(第2の回転数)とし、ステップS33において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
また、ステップS34において、加熱領域を構成する棚装置12の数が1でないと判断した場合には、ステップS36に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が2であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12A及び上から二段目の棚装置12Bが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Bのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Bが検出している場合)には、ステップS37に進み、制御装置Cは、駆動回路50により、冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を1300rpm(第3の回転数)とし、ステップS33において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
また、ステップS36において、加熱領域を構成する棚装置12の数が2でないと判断した場合には、ステップS38に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数が3であるか否かを判断する。本実施例では、最上段の棚装置12A、上から二段目の棚装置12B及び下から二段目の棚装置12Cが加熱領域を構成する棚装置として使用されている場合(棚装置12Cのダンパー部材39により背面ダクト9が閉塞されていることをダンパーセンサ39Cが検出している場合)には、ステップS39に進み、制御装置Cは、駆動回路50により、冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数を1200rpm(第4の回転数)とし、ステップS33において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
なお、本実施例では、陳列室11内に、冷却領域と加熱領域とを同時に構成する場合には、加熱領域を構成する棚装置12の数は、3までであるが、例えば、陳列室11内に架設される棚装置12の数が4段以上である場合には、ステップS38からステップS40に進んでも良い。即ち、ステップS38において、加熱領域を構成する棚装置12の数が3でないと判断した場合には、以後同様に、ステップS40に進み、加熱領域を構成する棚装置12の数がXがであるか否かを判断する。当該棚数がXである場合には、ステップS41に進み、制御装置Cは、駆動回路50により、冷気循環用送風機19のモータ19Mの回転数をXXXXrpm(第Xの回転数)とし、ステップS22において、圧縮機モータ26Mのインバータ制御により陳列室11の冷却領域を所定の設定温度に冷却する。
これにより、制御装置Cは、陳列室11内における加熱領域の割合に応じて冷気循環用送風機モータ19Mの回転数を制御することにより、加熱領域の加熱制御を優先的に行いつつ、冷気循環用送風機19による冷却領域への冷気循環制御を行うことができる。
特に、制御装置Cは、陳列室11内における加熱領域の割合が大きい場合、冷気循環用送風機モータ19Mの回転数を低下させることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減しつつ、電気ヒータ22による加熱領域の加熱制御、及び、冷却装置による冷却領域の冷却制御を実現することが可能となる。
また、加熱領域の割合が大きくなるに従い、相対的に冷却領域は小さくなるため、冷気循環用送風機モータ19Mの回転数を低下させた場合であっても、必要となる冷気循環量も減少するため、冷却領域の冷却能力が低減する問題も生じない。
そのため、無駄な消費電力量を削減することができ、ショーケース1全体の省エネ運転を実現することができる。また、ショーケース1全体の最大電力値を低減することができるため、装置自体の定格電流を下げることができ、生産コストの低減を実現することができる。
なお、この場合においても、陳列室11全体に対する加熱領域の割合は、陳列室11内に架設させる棚装置12の段数に対する加熱領域を構成する棚装置12の段数としている。係る場合には、加熱領域を構成する棚装置12の段数が増加することにより、電気ヒータ22への総通電量が増加する。これに応じて、、冷気循環用送風機モータ19Mの回転数を低下させることにより、ショーケース1全体に同時に通電される電流値を低減することが可能となる。
そのため、加熱領域の割合は、加熱領域を構成する棚装置12の段数に限定されるものではなく、各棚装置12への総通電量を所定の通電量として、当該総通電量に応じて、冷気循環用送風機モータ19Mの回転数を変化させても、同様の効果を奏することが可能となる。