JP6121629B2 - 車両のヘッドライト用ライトモジュール、車両のヘッドライト、および車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のヘッドライト用ライトモジュール、車両のヘッドライト、および車両に関する。
従来から、車両のヘッドライト用ライトモジュールとして、発光ダイオード(Light Emitting Diode。以下、LEDという)を備えた直射型のライトモジュールが知られている。LEDを光源とするライトモジュールは、消費電力が少ないという特性を有する。直射型のライトモジュールは、LEDと、LEDの前方に配置され、LEDからの光を屈折させるレンズとを備える。LEDからの光は、リフレクタ等により反射されることなくレンズに入射する。レンズに入射した光は、レンズを通過する際に屈折し、レンズから前方へ向けて投射される。
特許文献1には、LEDと、LEDの前方に配置された凸レンズとを備えた直射型のライトモジュールが記載されている。この直射型のライトモジュールは、プロジェクタ型またはパラボラ型のライトモジュールと共に用いられる。プロジェクタ型またはパラボラ型のライトモジュールにより形成される基本配光パターンと、直射型のライトモジュールにより形成される配光パターンとを合成することにより、ロービーム用の配光パターンが形成される。LEDを備えた直射型のライトモジュールによれば、カットオフラインの近傍に光束を集めることができる。そのため、遠方の視認性を確保しやすい。
特開2007−335301号公報
しかし、特許文献1に開示された直射型のライトモジュールは、ロービームに必要な配光パターンを形成するために、プロジェクタ型またはパラボラ型のライトモジュールと共に用いられる必要がある。そのため、特許文献1に開示された技術では、車両に対して、直射型のライトモジュールと同数のプロジェクタ型またはパラボラ型のライトモジュールを設置する必要がある。ヘッドライトの大型化が避けられなかった。大型のヘッドライトは、車両の大きさ又は種類等によっては、車両へ搭載され難い場合があった。また、車両のデザイン等によっては、大型のヘッドライトの搭載が好ましくない場合があった。このように、車両によっては、大型のヘッドライトの車両への搭載が困難な場合があった。
上記の課題を踏まえ、本発明の目的は、次の通りである。
直射型のライトモジュールは、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられるか否かに関わらず、ヘッドライトに求められる配光パターンを適切に形成できることが好ましい。そのような直射型のライトモジュールによれば、プロジェクト型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールを省略することにより、ヘッドライトの大型化を抑制できる。また、そのような直射型のライトモジュールによれば、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられることにより、配光パターンの設計自由度を高めることができる。これにより、例えば、より広い配光パターンの形成が可能になる。また、車両により適した配光パターンの形成が可能になる。
即ち、本発明の目的は、LEDを光源とする直射型のライトモジュールであって、ヘッドライトに求められる配光パターンを形成することができるライトモジュールを提供することである。本発明の他の目的は、LEDを光源とする直射型のライトモジュールを備えたヘッドライトであって、好ましい配光パターンを形成することのできるヘッドライトを提供することである。
本発明に係る車両のヘッドライト用ライトモジュールは、発光ダイオードと、前記発光ダイオードの前方に設けられ、前記発光ダイオードからの光を透過させるレンズと、を備える。前記レンズは、第1屈折部と、第1拡散部とを有する。前記第1屈折部は、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードの上方に位置し、前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成されている。前記第1拡散部は、前記第1屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードより下方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成されている。
上記ライトモジュールによれば、発光ダイオードからの指向性の高い光のうち、レンズの第1屈折部を透過する光は、高い指向性を保ったまま前方に投射される。発光ダイオードからの指向性の高い光のうち、レンズの第1拡散部を透過する光は、拡散してから前方に投射される。レンズを前方から見たときに、第1屈折部は発光ダイオードの上方に位置する。第1拡散部は発光ダイオードより下方に位置する。そのため、第1屈折部を透過した指向性の高い光は遠くの路面を照らす。第1拡散部を透過して広範囲に拡散した光は近くの路面を照らす。よって、上記ライトモジュールによれば、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。上記ライトモジュールは、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられるか否かに関わらず、ヘッドライトに求められる配光パターンを形成することができる。したがって、上記ライトモジュールによれば、プロジェクト型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールを省略することにより、ヘッドライトの大型化を抑制しつつ、ヘッドライトに求められる配光パターンを形成することができる。また、上記ライトモジュールによれば、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられることにより、配光パターンの設計自由度を高めることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1拡散部は、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードを通る鉛直線上において、前記第1屈折部の下方に位置している。
上記態様によれば、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記レンズは、第2屈折部と、第2拡散部とを有する。前記第2屈折部は、前記レンズの前方から見たときに上下方向において前記第1屈折部と異なる位置に位置し、前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成されている。前記第2拡散部は、前記第2屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに、前記第2屈折部を通る水平線上において前記第2屈折部よりも左右方向の外方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成されている。
車両のヘッドライトでは、車両の左右方向の中央を明るく照らすとともに、車両の左右方向の外方を広範囲に照らしたいというニーズがある。この場合、車両の左右方向の外方は、車両の左右方向の中央よりも暗くてよい。上記態様によれば、第2屈折部を透過した指向性の高い光により、車両の左右方向の中央を照らしながら、第2拡散部を透過して広範囲に拡散した光により、車両の左右方向の外方を照らすことができる。よって、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記レンズは、第3拡散部を有する。前記第3拡散部は、前記第1屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに、前記第1屈折部を通る水平線上において前記第1屈折部よりも車両の左右方向の外方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成されている。
上記態様によれば、第1屈折部を透過した指向性の高い光により前方を照らしながら、第3拡散部を透過して広範囲に拡散した光により、車両の左右方向の外方を照らすことができる。よって、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記レンズは、屈折領域と、拡散領域とを有している。前記屈折領域は、少なくとも前記第1屈折部を含み、前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成されている。前記拡散領域は、少なくとも前記第1拡散部を含み、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成されている。前記拡散領域は、前記レンズを前方から見たときに略U字状に形成されている。
上記態様によれば、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。よって、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記拡散領域は、第4拡散部を有している。前記第4拡散部は、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードよりも左方または右方であってかつ前記発光ダイオードよりも上方に位置する。
上記態様によれば、車両の左右方向の外方の更に広い範囲を照射することができる。よって、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記拡散領域は、第1領域と第2領域とを有する。前記第1領域は、前記レンズを前方から見たときに、前記発光ダイオードを通る鉛直断面内に位置する。前記第2領域は、前記第1領域よりも左右方向の外方に位置する。前記第2領域の上下方向の長さは、前記第1領域の上下方向の長さよりも長い。
上記態様によれば、車両の左右方向の外方において、より広い範囲を照射することができる。よって、ヘッドライトに求められる配光パターンをより適切に形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記レンズは、前方に向かって凸状の表面と、前記発光ダイオードに対向する裏面とを有する。前記第1拡散部は、前記レンズの前記表面の一部または前記裏面の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。
上記態様によれば、安価かつ簡易に第1拡散部を形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記レンズは、前方に向かって凸状の表面と、前記発光ダイオードに対向する裏面とを有する。前記第1拡散部は、前記レンズの前記表面の一部または前記裏面の一部に、透過する光を拡散させる拡散板を取り付けることにより形成されている。
上記態様によれば、安価かつ簡易に第1拡散部を形成することができる。
本発明に係る車両のヘッドライトは、前記のいずれか一つのライトモジュールを備えたものである。
上記ヘッドライトによれば、好ましい配光パターンを形成することができる。
本発明に係る他の車両のヘッドライトは、発光ダイオードと、レンズと、アウターカバーと、拡散体とを備える。前記レンズは、前記発光ダイオードの前方に配置され、前記発光ダイオードからの光を屈折させて透過させる。前記アウターカバーは、前記レンズの前方に配置され、前記レンズを透過した光を透過させる。前記拡散体は、前記レンズを透過した光の一部を、前記レンズを透過した光の他の一部の下方にて拡散させ、前記アウターカバーの前方に導くように構成されている。
上記ヘッドライトによれば、発光ダイオードからの指向性の高い光は、レンズを透過する際に屈折し、高い指向性を保ったままレンズから投射される。レンズを透過した光の一部は、レンズを透過した光の他の一部の下方において、拡散体により拡散し、拡散光としてアウターカバーの前方に導かれる。前記レンズを透過した光の他の一部は、拡散体によって拡散されずに、アウターカバーの前方へ投射される。そのため、拡散体により拡散されていない光は、遠くの路面を照らし、拡散体により拡散された光は近くの路面を照らす。よって、上記ヘッドライトによれば、LEDを光源とする直射型のライトモジュールを用いて、遠くの路面を明るく照らしながら近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。上記ヘッドライトによれば、好ましい配光パターンを形成することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記拡散体は、前記レンズと前記アウターカバーとの間に配置され、透過する光を拡散させるように構成されている。
上記態様によれば、レンズ自体に加工を施さなくても、発光ダイオードからの指向性の高い光の一部を、拡散させてアウターカバーの前方に投射することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記拡散体は、前記アウターカバーに取り付けられ、透過する光を拡散させるように構成されている。
上記態様によれば、レンズ自体に加工を施さなくても、発光ダイオードからの指向性の高い光の一部を、拡散させてアウターカバーの前方に投射することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記拡散体は、前記アウターカバーの一部にシボ加工を施すことにより形成されている。
上記態様によれば、レンズ自体に加工を施さなくても、かつ、レンズとアウターカバーとの間に拡散板を配置しなくても、発光ダイオードからの指向性の高い光の一部を、拡散させてアウターカバーの前方に投射することができる。
本発明に係る車両は、前記ヘッドライトを備えたものである。
本発明によれば、前述の効果を奏する車両を得ることができる。
本発明によれば、LEDを光源とする直射型のライトモジュールであって、ヘッドライトに求められる配光パターンを形成することができるライトモジュールを提供することができる。また、LEDを光源とする直射型のライトモジュールを備えたヘッドライトであって、好ましい配光パターンを形成することのできるヘッドライトを提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る自動二輪車の正面図である。 図2は、第1実施形態に係るヘッドライトの鉛直断面図である。 図3は、第1実施形態に係るライトモジュールの主要部の鉛直断面図である。 図4は、第1実施形態に係るライトモジュールのレンズを前方から見た図である。 図5(a)は、レンズが屈折領域のみを有するライトモジュールによる配光パターンを模式的に示す図である。図5(b)は、第1実施形態に係るライトモジュールによる配光パターンを模式的に示す図である。 図6は、第2実施形態に係るヘッドライトの鉛直断面図である。 図7は、第2実施形態に係るライトモジュールの主要部の鉛直断面図である。 図8は、第2実施形態の変形例に係るヘッドライトの鉛直断面図である。 図9は、第2実施形態の他の変形例に係るライトモジュールの主要部の鉛直断面図である。 図10は、第3実施形態に係るヘッドライトの鉛直断面図である。
本発明者は、LEDを光源とする直射型のライトモジュールを車両のヘッドライトに利用することについて鋭意検討した結果、以下の知見を得るに至った。LEDから出射される光は指向性が高い。そのため、LEDを光源とする直射型のライトモジュールは、配光の範囲が狭いが、狭い範囲に集中して配光するので十分な明るさを得やすいという特性を有する。そのため、LEDを光源とする直射型のライトモジュールを車両のヘッドライトに利用した場合、遠くの路面まで明るく照らしやすいという利点が得られる。一方、LEDを光源とする直射型のライトモジュールでは、配光の範囲が狭い。そのため、ロービームに求められる近くの路面での配光が得られにくいと考えられていた。
本発明者は、車両のヘッドライトと、車両に近い路面との距離が短いので、車両に近い路面に対して小さな光度で光を照射しても十分な照度が得られることに着目した。本発明者は、LEDを光源とする直射型のライトモジュールの上記特性と、車両のヘッドライトに求められる上記性質とを考慮し、以下の知見を得た。
ヘッドライトのLEDから投射される指向性の高い光のうち、車両に近い路面を拡散させることにより、十分な照度を確保しながら照射範囲を広げることができる。これにより、遠くの路面まで明るく照らしやすいというLEDの利点を活かしつつ、近くの路面に対して十分な照度を確保しながら広範囲を照らすことが可能となる。このような直射型のライトモジュールは、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられなくても、ヘッドライトに求められる配光パターンを形成できる。このような直射型のライトモジュールは、プロジェクタ型およびマルチリフレクタ型のライトモジュールと異なり、光源の上方または下方にリフレクタを設置する必要がない。従って、上下方向の寸法を小さくすることができる。さらに、このような直射型のライトモジュールは、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられることにより、配光パターンの設計自由度を高めることができる。これにより、例えば、より広い配光パターンの形成が可能になる。また、車両により適した配光パターンの形成が可能になる。
以下に説明する本発明は、本発明者の上記知見に基づいてなされたものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、「車両」の一例としての自動二輪車1の正面図である。「車両」は自動二輪車1に限定されない。「車両」は、例えば、ATV(All Terrain Vehicle)、ROV(Recreational Off-highway Vehicle)、または自動車であってもよい。「車両」は、リーン姿勢で旋回する車両であってもよい。リーン姿勢で旋回する車両は、カーブ走行時にカーブ内側にリーンして旋回するように構成されている。リーン姿勢で旋回する車両としては、特に限定されず、例えば、自動二輪車、自動三輪車等の鞍乗型車両が挙げられる。実施形態の自動二輪車1は、リーン姿勢で旋回する車両の一例である。以下の説明では、特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、自動二輪車1に乗車したライダーから見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ上記ライダーから見た前、後、左、右、上、下を表す。
自動二輪車1は、前輪2と、後輪(図示せず)と、後輪を駆動するパワーユニット(図示せず)とを備える。前輪2は、フロントフォーク3に支持されている。前輪2の上方には、フロントフェンダ4が設けられている。フロントフェンダ4の上方には、フロントカウル5が配置されている。フロントカウル5は、図示しないヘッドパイプの前方に配置されている。
フロントカウル5には、ヘッドライト10が取り付けられている。ただし、ヘッドライト10が取り付けされる部材は特に限定されない。図示は省略するが、ヘッドライト10は、車体フレームに支持されるブラケットに取り付けられていてもよい。ヘッドライト10は、自動二輪車1の前方を照射する前照灯である。ヘッドライト10は、ライトモジュール11とライトモジュール12とを有している。ライトモジュール11および12は、LEDを光源とするライトモジュールである。以下のライトモジュール11および12に関する説明における前、後、左、右、上、下は、後述するLED21の光軸Ax(図2、3参照)を参照して定義される。即ち、ライトモジュール11、12の前後方向は、LED21の光軸Axが延びる方向と合致するように定義される。ライトモジュール11、12の左右方向及び上下方向は、ライトモジュール11、12の前後方向と直交する平面上において互いに直交するように定義される。この時、ライトモジュール11、12の左右方向及び上下方向としては、ライトモジュール11、12に予め定められた左右方向及び上下方向が適用されてもよい。また、ライトモジュール11、12の左右方向及び上下方向は、ライトモジュール11、12が自動二輪車1に設けられる時の自動二輪車1の左右方向及び上下方向を参照して定義されてもよい。なお、ライトモジュール11、12についての説明における「水平」は、ライトモジュール11、12の左右方向と平行な方向である。ライトモジュール11、12についての説明における「鉛直」は、ライトモジュール11、12の上下方向と平行な方向である。本実施形態では、ライトモジュール11、12の前後方向、左右方向及び上下方向は、それぞれ自動二輪車1の前後方向、左右方向及び上下方向と実質的に合致している。従って、以下のライトモジュール11および12に関する説明では、前、後、左、右、上、下は、ライトモジュール11および12が自動二輪車1に搭載された状態での前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。言い換えると、以下のライトモジュール11および12に関する説明では、前、後、左、右、上、下は、自動二輪車1のライダーから見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味する。ただし、後述するレンズ30に関する説明では、レンズ30を前方から見た場合の左、右を用いる場合がある。レンズ30を前方から見た場合の左、右は、自動二輪車1のライダーから見た右、左にそれぞれ対応する。なお、自動二輪車1に設けられるライトモジュール11、12の光軸Axの方向と、自動二輪車1の前後方向とが合致しない場合に、自動二輪車1の前後方向が、ライトモジュール11、12の前後方向と合致するように定義されてもよい。
本実施形態では、ライトモジュール11はライトモジュール12の下方に配置されている。しかし、ライトモジュール11および12の配置は特に限定されない。ライトモジュール11は、ロービーム用のライトモジュールであり、ロービーム照射時に点灯する。ライトモジュール12は、ハイビーム用のライトモジュールであり、ハイビーム照射時に点灯する。自動二輪車1のハンドル6には、ヘッドライト10を操作するための操作スイッチ7が設けられている。
図2に示すように、ヘッドライト10は、ライトモジュール11および12を支持するハウジング13と、光を透過させるアウターカバー14とを有する。ライトモジュール11および12は、ハウジング13に直接支持されていてもよく、他の部材を介して間接的に支持されていてもよい。ハウジング13とアウターカバー14とは組み立てられている。ハウジング13およびアウターカバー14により、ヘッドライト室15が形成されている。ライトモジュール11および12は、ヘッドライト室15内に配置されている。
図3は、ライトモジュール11の主要部の鉛直断面図である。図3は、LED21の光軸Axを通る鉛直断面図である。図3に示すように、ライトモジュール11は、光源としてのLED21と、LED21からの光を透過させるレンズ30とを備えている。なお、図3は断面図であるが、図3では、レンズ30の断面を示すハッチングが省略されている。LED21は、光を前方に照射するように配置されている。レンズ30は、LED21の前方に配置されている。LED21は基板22上に設けられている。基板22の裏側には、複数の放熱フィン23を有するヒートシンク24が固定されている。ただし、基板22を冷却する冷却装置は、ヒートシンク24に限られない。ライトモジュール11は、少なくともLED21および基板22を収容するケーシング25を備えている。ただし、ケーシング25は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。
レンズ30は、前方に向けて凸状の凸レンズからなっている。レンズ30は、前方に向かって凸状の表面31と、LED21に対向する裏面32とを有する。ただし、レンズ30の形状は特に限定されない。また、ここでいう凸レンズは、裏面の形状に関わらず、表面が凸状であるレンズをいう。従って、凸レンズの裏面の形状は、特に限定されない。凸レンズの裏面としては、例えば、平坦面、前方に向けて凹状を有する面、後方に向けて凸状を有する面、又はこれらの組合せからなる面が挙げられる。また、凸レンズの表面は、前方に向けて凸状であれば、特に限定されない。レンズ30は、LED21からの光を屈折させて前方に導く屈折領域40と、LED21からの光を拡散させて前方に導く拡散領域50とを有する。拡散領域50の拡散透過性は、屈折領域40の拡散透過性よりも高い。拡散透過性は、巨視的に見て屈折の法則と無関係に多くの方向に光を拡散して透過させる性質をいう。透過する全光量に対する、巨視的に見て屈折の法則と無関係に拡散して透過する光量の割合が高いほど、拡散透過性が高い。一方、透過する全光量に対する、巨視的に見て屈折の法則と無関係に拡散して透過する光量の割合が低いほど、拡散透過性が低い。この場合、透過する全光量のうち、巨視的に見て屈折の法則に従って透過する光量の割合が高い。
拡散透過性に関し、拡散領域50と屈折領域40とは、下式の関係を満たす。
[(巨視的に見て屈折の法則と無関係に拡散して拡散領域50を透過する光量)/(拡散領域50を透過する全光量)]>[(巨視的に見て屈折の法則と無関係に拡散して屈折領域40を透過する光量)/(屈折領域40を透過する全光量)]
本実施形態において、屈折領域40は、実質的に正透過性を有する。正透過性とは、巨視的に見て屈折の法則に従って光を透過させる性質をいう。即ち、屈折領域40は、巨視的に見て実質的に屈折の法則に従って光を屈折させて透過させるように構成されている。屈折領域40は、LED21と前後方向に全体的に又は部分的に重なり合う。
図4は、レンズ30を前方から見た図である。拡散領域50は、レンズ30を前方から見たときに略U字状に形成されている。レンズ30を前方から見たときに、拡散領域50は、LED21より下方において左右方向に延びる部分と、LED21より右方において上下方向に延びる部分と、LED21より左方において上下方向に延びる部分とが連続することにより略U字状を成している。レンズ30を前方から見たときに、拡散領域50は、LED21から間隔を空けてLED21の下方と左方と右方とを囲むことにより略U字状を成している。ただし、拡散領域50の形状は特に限定されない。本実施形態では、拡散領域50は、レンズ30の表面31の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。なお、拡散領域50は、レンズ30の裏面32の一部にシボ加工を施すことにより形成されていてもよい。また、レンズ30の表面31の一部および裏面32の一部にシボ加工を施してもよい。「シボ加工」とは、物理的に細かい凹凸をつけることである。細かい凹凸により、LED21からの光は巨視的に見て屈折の法則と無関係に多方向に屈折される。これにより、LED21からの光は、拡散領域50を透過する際に拡散する。
本実施形態で言う「拡散」とは、LED21からの光を、レンズ30の一方向に行くにつれて屈折率を徐々に変化させることにより、一方向に規則的に広げることではない。本実施形態で言う「拡散」は、LED21からの光を、屈折率を非連続的に変化させることにより、多方向にランダムに広げることである。拡散領域50は、例えば図3に示すように、水平線に対して斜め上向きの光L1と、水平線に対して斜め下向きの光L2とを投射するように形成される。拡散領域50は、レンズ30の光軸を通る断面において、光軸と平行な直線に対し一方に傾いた光と他方に傾いた光とを投射するように形成されていてもよい。
図4に示すように、屈折領域40は、レンズ30を前方から見たときにLED21の上方に位置する第1屈折部41を有する。拡散領域50は、レンズ30を前方から見たときにLED21より下方に位置する第1拡散部51を有する。第1拡散部51は、レンズ30を前方から見たときに、LED21を通る鉛直線V1上において、第1屈折部41の下方に位置している。第1拡散部51の拡散透過性は、第1屈折部41の拡散透過性よりも高い。第1屈折部41は、巨視的に見て実質的に屈折の法則に従って光を屈折させて透過させるように構成されている。
また、屈折領域40は第2屈折部42を有する。第2屈折部42は、レンズ30の前方から見たときに上下方向に第1屈折部41と異なる位置に位置する。レンズ30を前方から見たとき、図4に示すように、第2屈折部42とLED21とは左右方向に並んでいる。レンズ30を前方から見たとき、第2屈折部42の少なくとも一部と、LED21の少なくとも一部とが左右方向に重なる。第2屈折部42は、LED21からの光を屈折させて前方に導くように構成されている。拡散領域50は、第2拡散部52を有する。第2拡散部は、レンズ30を前方から見たときに、第2屈折部42を通る水平線H1上において、第2屈折部42よりもレンズ30の左右方向の外方に位置する。本実施形態において、レンズ30の左右方向は、自動二輪車1の左右方向と合致する。即ち、第2拡散部52は、レンズ30を前方から見たときに、第2屈折部42を通る水平線H1上において、第2屈折部42よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する。なお、自動二輪車1の左右方向の外方とは、自動二輪車1の中心線C(図1参照)から遠ざかる方をいう。自動二輪車1の左右方向の外方は、自動二輪車1の中心線Cよりも左方の領域にあっては左方を意味し、中心線Cよりも右方の領域にあっては右方を意味する。第2拡散部52の拡散透過性は、第2屈折部42の拡散透過性よりも高い。第2屈折部42は、巨視的に見て実質的に屈折の法則に従って光を屈折させて透過させるように構成されている。
また、拡散領域50は、第3拡散部53を有する。第3拡散部53は、レンズ30を前方から見たときに、第1屈折部41を通る水平線H2上において、第1屈折部41よりもレンズ30の左右方向の外方に位置する。第3拡散部53は、レンズ30を前方から見たときに、第1屈折部41を通る水平線H2上において、第1屈折部41よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する。第3拡散部53の拡散透過性は、第1屈折部41の拡散透過性よりも高い。
また、拡散領域50は、第4拡散部54を有する。第4拡散部54は、レンズ30を前方から見たときにLED21よりも左方であってかつLED21よりも上方に位置する。なお、第4拡散部54は、レンズ30を前方から見たときにLED21よりも右方であってかつLED21よりも上方に位置していてもよい。第4拡散部54は、レンズ30を前方から見たときにLED21の左右方向の少なくとも一方であって且つLED21よりも上方に位置していてもよい。第4拡散部54の拡散透過性は、第1屈折部41の拡散透過性よりも高い。
拡散領域50は、レンズ30を前方から見たときに、LED21を通る鉛直線V1上に位置する第1領域R1と、第1領域R1よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する第2領域R2とを有する。第2領域R2の上下方向の長さA2は、第1領域R1の上下方向の長さA1よりも長い。
なお、拡散領域50の上記形状および寸法は一例である。拡散領域50の形状および寸法は適宜設定することが可能である。また、拡散領域50は必ずしも1つに限られない。複数の拡散領域が分散して形成されていてもよい。第1屈折部41、第2屈折部42、第1拡散部51、第2拡散部52、第3拡散部53、および第4拡散部54は、レンズ30のうちLED21からの光が透過する部分に形成される。しかし、ライトモジュール11において、必ずしもレンズ30の全体が利用されるとは限らない。レンズ30の一部はLED21からの光が透過する透過部分であるが、レンズ30の他の部分はLED21からの光が透過しない非透過部分となる場合がある。図3に示すように、光軸Axを通る鉛直断面において、非透過部分は、透過部分の上縁UEより上方に形成されている。また、非透過部分は、透過部分の下縁LEより下方に形成されている。この場合、非透過部分は、どのように形成されていてもよい。非透過部分は、光が透過する場合には光を屈折させる屈折部であってもよく、光が透過する場合には光を拡散させる拡散部であってもよい。非透過部分にシボ加工が施されていてもよい。このように、レンズ30は、透過部分と非透過部分とを備えていてもよい。その場合、その透過部分に第1屈折部41および第1拡散部51が形成される。その透過部分に更に、第2屈折部42、第2拡散部52、第3拡散部53、および/または第4拡散部54が形成されていてもよい。ライトモジュール11では、図3に示すように、光軸Axを通る鉛直断面において、透過部分の上縁UEに、屈折領域40が位置している。光軸Axは、屈折領域40を通過している。透過部分の下縁LEに、透過領域50が位置している。図3に示すように、光軸Axを通る鉛直断面において、屈折領域40と透過領域50との境界BLは、光軸Axよりも下方に位置する。なお、屈折領域40と透過領域50との境界BLは、必ずしも明確に特定される必要はない。屈折領域40と透過領域50との間で、徐々に拡散透過性が変化していてもよい。
次に、ライトモジュール11が形成する配光パターンについて説明する。図5(b)は、ヘッドライト10の前方に垂直なスクリーンを設置した場合に、ライトモジュール11が上記スクリーン上に形成する配光パターンを模式的に示す図である。図5(a)は、レンズ30にシボ加工を施さない場合に、上記スクリーン上に形成される配光パターンを模式的に示す図である。すなわち、図5(a)は、レンズ30が屈折領域40のみを有する場合の配光パターンを模式的に示す図である。図5(a)および(b)において、各線は照度が等しい点を結んだ線であり、内側の線ほど照度が高いことを表す。なお、図中のH−H線は、ヘッドライト光源の前方に位置するH−V(図示せず)を通る水平線である。
図5(a)に示すように、LED21から出射される光は、高い指向性を有する。そのため、配光の範囲は狭い。しかし、LED21から出射される光は、狭い範囲に集中して配光する。従って、LED21によれば、十分な明るさを得やすい。特に、配光パターンの中央の領域61は非常に明るい。領域61には、いわゆるホットゾーンが形成される。領域61の光により、上記スクリーンがない場合、遠くの路面まで明るく照らすことができる。一方、LED21から出射される光は、高い指向性を有する。そのため、明るい領域と暗い領域との間で明るさの差が大きい。例えば、領域62のうち、線63の上方の領域62aと下方の領域62bとでは、明るさの差が大きい。なお、図5(a)において、領域62bにはハッチングが付されている。図5(a)に示す配光パターンでは、明るい領域62aでは十分な明るさが得られる。しかし、暗い領域62bでは明るさが不足する。領域62aと領域62bとでは明るさの差が大きい。そのため、上記スクリーンがない場合、ヘッドライト10の近くの路面では明るく照らされる部分と暗く照らされる部分とが存在する。これにより、それらの明るさの差が大きくなる。ところが、近くの路面とヘッドライト10との距離が近い。そのため、近くの路面に対して小さな光度で光を照射しても十分な照度が得られる。したがって、近くの路面を照らすこととなる領域62aの光では、光度を抑えることが可能である。一方、遠くの路面に比べて近くの路面に対しては、できるだけ広範囲を照らしたいというニーズが強い。領域62bを十分に照らしたいというニーズがある。
前述の通り、本実施形態に係るライトモジュール11では、レンズ30は拡散領域50を有している。LED21からの指向性の高い光のうち、近くの路面を照らす光は、拡散領域50によって拡散される。その結果、近くの路面を照らす光の指向性が弱められる。そのため、図5(b)に示すように、本実施形態に係るライトモジュール11によれば、近くの路面を照らすために十分な照度を確保しながら、より広い範囲を照らすことができる。例えば、図5(a)において明るい領域62aと暗い領域62bとが混在していた領域62を、図5(b)に示すように、近くの路面を照らすために必要な照度を確保しながら、比較的均等に照らすことができる。そのため、上記スクリーンがない場合、領域62の光により、近くの路面を十分な照度で広範囲に照射することができる。図5(b)に示すように、本実施形態に係るライトモジュール11は、ホットゾーンを形成する明るい領域61を確保できる。さらに、ライトモジュール11は、その領域61の下方、左方、および右方において、近くの路面を照らすのに十分な照度を有する領域を広げることができる。
以上のように、本実施形態に係るライトモジュール11によれば、レンズ30は、図4に示すようにレンズ30を前方から見たときに、LED21の上方に位置する第1屈折部41と、LED21より下方に位置する第1拡散部51とを有する。LED21からの指向性の高い光のうち、第1屈折部41を透過する光は、高い指向性を保ったまま屈折してから前方に投射される。LED21からの指向性の高い光のうち、第1拡散部51を透過する光は、拡散してから前方に投射される。第1屈折部41を透過した指向性の高い光は、遠くの路面を照らす。第1拡散部51を透過して広範囲に拡散された光は、近くの路面を照らす。よって、ライトモジュール11によれば、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。そのため、ライトモジュール11によれば、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いなくても、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。LED21の上方または下方にリフレクタが設置される必要がない。上下方向の寸法が小さい直射型のライトモジュール11のみにより、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。したがって、ヘッドライト10の大型化を抑制しつつ、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。また、ライトモジュール10は、プロジェクタ型またはマルチリフレクタ型のライトモジュールと共に用いられることにより、配光パターンの設計自由度を高めることができる。
また、第1拡散部51は、レンズ30を前方から見たときに、LED21を通る鉛直線V1上において、第1屈折部41の下方に位置している。LED21の上方に位置する第1屈折部41を透過した指向性の高い光によって遠くの路面を照らすことができる。LED21より下方に位置する第1拡散部51によって拡散した光により、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。
図4に示すように、レンズ30は、第2拡散部52を有する。第2拡散部52は、レンズ30を前方から見たときに、第2屈折部42を通る水平線H1上において第2屈折部42よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する。自動二輪車1のヘッドライト10では、自動二輪車1の左右方向の中央を明るく照らしたい一方、自動二輪車1の左右方向の外方を広い範囲で照らしたいというニーズがある。この場合、自動二輪車1の左右方向の外方は、自動二輪車1の左右方向の中央よりも暗くてもよい。本実施形態に係るライトモジュール11によれば、第2屈折部42を透過した指向性の高い光により前方を明るく照らしながら、第2拡散部52によって拡散された光により、自動二輪車1の左右方向の外方の路面を広い範囲にわたって照らすことができる。
また、拡散領域50は、第3拡散部53を有する。第3拡散部53は、レンズ30を前方から見たときに、第1屈折部41を通る水平線H2上において第1屈折部41よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する。これにより、第3拡散部53によって拡散された光により、自動二輪車1の左右方向の外方の路面を広い範囲にわたって照らすことができる。
図4に示すように、拡散領域50は、レンズ30を前方から見たときに略U字状に形成されている。このことにより、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面および自動二輪車1の左右方向の外方の路面を広い範囲にわたって照らすことができる。
また、拡散領域50は、第4拡散部54を有している。第4拡散部54は、レンズ30を前方から見たときにLED21よりも左方または右方であってかつLED21よりも上方に位置する。このことにより、第4拡散部54によって拡散される光によって、自動二輪車1の左右方向の外方の路面を更に広い範囲にわたって照らすことができる。
また、拡散領域50は、レンズ30を前方から見たときに、LED21を通る鉛直線V1上に位置する第1領域R1と、第1領域R1よりも自動二輪車1の左右方向の外方に位置する第2領域R2とを有する。第2領域R2の上下方向の長さA2は、第1領域R1の上下方向の長さA1よりも長い。これにより、自動二輪車1の左右方向の外方の路面を広い範囲にわたって照らすことができる。
本実施形態ではレンズ30は、図3に示すように、前方に向かって凸状の表面31と、LED21に対向する裏面32とを有する。第1拡散部51は、レンズ30の表面31の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。このことにより、安価かつ簡易に第1拡散部51を形成することができる。
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態に係るヘッドライト10と、第1実施形態に係るヘッドライト10とでは、以下の点が異なる。第2実施形態に係るヘッドライト10は、ライトモジュール11の代わりに、ライトモジュール11Bを備える。第2実施形態に係るヘッドライト10は、ライトモジュール11Bとアウターカバー14との間に、透過する光を拡散させる拡散板55を備えている。拡散板55は、透過する光を拡散させる拡散体の一例である。ただし、拡散体は拡散板55に限定される訳ではない。
図7に示すように、第2実施形態に係るライトモジュール11Bは、第1実施形態に係るライトモジュール11と異なり、シボ加工が施されていないレンズを備える。ライトモジュール11Bのレンズ30は、拡散領域50を備えていない。レンズ30を前方から見たときレンズ30の全体が屈折領域40となっている。ライトモジュール11Bとライトモジュール11とでは、レンズ30が異なっているが、レンズ30以外の要素は同様である。ライトモジュール11Bは、第1実施形態に係るライトモジュール11と同様に、LED21を光源とする直射型のライトモジュールである。ライトモジュール11Bは、LED21の上方または下方に、レンズ30と別体のリフレクタを備えていない。
第2実施形態に係るヘッドライト10のその他の構成は、第1実施形態のヘッドライト10と同様である。第1実施形態のヘッドライト10と同様の部分には同様の符号を付し、その説明は省略する。
拡散板55は、ライトモジュール11Bのレンズ30を透過した光の一部L4を拡散させて前方に導くように形成されている。拡散板55は、ライトモジュール11Bのレンズ30を透過した光の一部L4を、前記光の他の一部L3の下方にて拡散させ、アウターカバー14の前方に導くように形成されている。拡散板55の形状は特に限定されない。拡散板55は、例えば、ヘッドライト10を前方から見たときに、第1実施形態のレンズ30の拡散領域50(図4参照)と同様の形状を有していてもよい。拡散板55(拡散体)の拡散透過性は、レンズ30及びアウターカバー14の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有する。例えば、拡散板55は、ヘッドライト10を前方から見たときにLED21より下方に位置する拡散部を有していてもよく、LED21よりも左方または右方に位置する拡散部を有していてもよい。この場合、拡散部が、レンズ30及びアウターカバー14の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有する。拡散板55は、ヘッドライト10を前方から見たときに略U字状に形成されていてもよい。
また、拡散板55は、光を拡散させずに透過させる透過領域と、透過する光を拡散させる拡散領域とを備えていてもよい。この場合、透過領域、拡散領域は、ヘッドライト10を前方から見たときに、それぞれ第1実施形態に係るレンズ30の屈折領域40、拡散領域50と同様の形状を有していてもよい(図4参照)。この場合、拡散領域は、透過領域、レンズ30及びアウターカバー14の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有する。
また、拡散板55はレンズであってもよい。拡散板55は、ライトモジュール11からの光を屈折させて前方に導く屈折領域と、ライトモジュール11からの光を拡散させて前方に導く拡散領域とを備えていてもよい。この場合、屈折領域及び拡散領域は、ヘッドライト10を前方から見たときに、それぞれ第1実施形態に係るレンズ30の屈折領域40及び拡散領域50と同様の形状を有していてもよい(図4参照)。この場合、拡散領域は、屈折領域、レンズ30及びアウターカバー14の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有する。
本実施形態によれば、ライトモジュール11Bからは、LED21を光源とする指向性の高い光が投射される。ライトモジュール11Bからの光の一部L3は、拡散板55を透過せずにそのまま前方に投射される。この光は、遠くの路面を照射する。一方、ライトモジュール11Bからの光の他の一部L4は、拡散板55を透過するときに拡散され、拡散光L4aとして前方に投射される。この拡散光L4aは、近くの路面を照射する。よって、本実施形態に係るヘッドライト10は、第1実施形態に係るヘッドライト10と同様に、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。従って、LED21を光源とする直射型のライトモジュール11Bによって、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。したがって、ヘッドライト10の大型化を抑制しつつ、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。
本実施形態では、拡散板55は、レンズ30およびアウターカバー14から離間している。しかし、拡散板55は、レンズ30またはアウターカバー14に取り付けられていてもよい。例えば、図8に示すように、拡散板55はアウターカバー14の内面に貼り付けられていてもよい。拡散板55は、透過する光を拡散させる拡散フィルムであってもよい。図示は省略するが、拡散板55はアウターカバー14の外面に貼り付けられていてもよい。図9に示すように、拡散板55は、レンズ30の表面31に貼り付けられていてもよい。図示は省略するが、拡散板55は、レンズ30の裏面32に貼り付けられていてもよい。
(第3実施形態)
図6に示すヘッドライト10では、LED21からの光を拡散させてアウターカバー14の前方に導く拡散体が、レンズ30およびアウターカバー14と別体であり、レンズ30とアウターカバー14との間に配置されている。一方、図10に示すように、第3実施形態に係るヘッドライト10は、拡散体がアウターカバー14に形成されたものである。
本実施形態では、アウターカバー14の一部にシボ加工が施されている。拡散体は、アウターカバー14のうちシボ加工が施された領域14aにより形成されている。以下、この領域を拡散領域14aと称する。拡散領域14aの形状は特に限定されず、例えば、ヘッドライト10を前方から見たときに、第1実施形態のレンズ30の拡散領域50(図4参照)と同様の形状を有していてもよい。拡散領域14aの拡散透過性は、拡散体における拡散領域14a以外の領域が有する拡散透過性よりも高い。
ライトモジュール11Bは、第2実施形態に係るライトモジュール11Bと同様である。すなわち、ライトモジュール11Bは、LED21を光源とする直射型のライトモジュールであって、レンズ30が拡散領域50を備えていないものである。従って、拡散領域14aの拡散透過性は、レンズ30の拡散透過性よりも高い。
ライトモジュール11Bからは、LED21を光源とする指向性の高い光が投射される。ライトモジュール11Bからの光の一部L3は、アウターカバー14の拡散領域14a以外の領域14bを透過し、そのまま前方に投射される。この光L3は、遠くの路面を照射する。一方、ライトモジュール11Bからの光の他の一部L4は、アウターカバー14の拡散領域14aを透過する際に拡散し、拡散光L4aとして前方に投射される。この拡散光L4aは、近くの路面を照射する。よって、本実施形態に係るヘッドライト10は、遠くの路面を明るく照らしながら、近くの路面を広い範囲にわたって照射することができる。従って、LED21を光源とする直射型のライトモジュール11Bは、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。したがって、ヘッドライト10の大型化を抑制しつつ、ヘッドライト10に求められる配光パターンを形成することができる。
本実施形態では、シボ加工が、アウターカバー14の内面に形成されている。しかし、シボ加工は、アウターカバー14の外面に形成されてもよい。また、アウターカバー14の内面および外面の両方にシボ加工が施されてもよい。シボ加工以外の加工により、アウターカバー14に拡散領域14aが形成されてもよい。
前記実施形態では、ヘッドライト10は、2つのライトモジュール11および12を備えている。しかし、ヘッドライト10におけるライトモジュールの個数は、2つに限られない。ヘッドライト10は、3つ以上のライトモジュールを備えていてもよい。ヘッドライト10は、1つのライトモジュールを備えていてもよい。また、ヘッドライト10は、ロービーム用のライトモジュールを2つ以上備えていてもよい。例えば、ヘッドライト10は、自動二輪車1の中心線(例えば、前方から見て、前輪2の左右方向の中央を通る鉛直線)の左方と右方とに、第1実施形態に係るライトモジュール11を備えていてもよい。自動二輪車1の中心線の左方と右方とに、第2実施形態または第3実施形態に係るライトモジュール11Bおよび拡散板55を備えていてもよい。
第1実施形態では、図4の鉛直線V1は、レンズ30の左右方向の中心線となる。第1実施形態では、自動二輪車1の中心線C(図1参照)と、ライトモジュール11のレンズ30の中心線V1とは一致する。しかし、上記両中心線C、V1は必ずしも一致する必要はない。例えば、自動二輪車1の中心線Cの左方および右方にそれぞれライトモジュール11を配置する場合、各ライトモジュール11のレンズ30の中心線V1は、自動二輪車1の中心線Cと一致しない。左のライトモジュール11は自動二輪車1の中心線Cよりも左方に配置される。右のライトモジュール11は自動二輪車1の中心線Cよりも右方に配置される。その場合、左のライトモジュール11において、レンズ30の第3拡散部53はレンズ30の中心線V1よりも左方に形成されていればよい。右のライトモジュール11において、レンズ30の第3拡散部53はレンズ30の中心線V1よりも右方に形成されていればよい。各ライトモジュール11のレンズ30の拡散領域50は、必ずしも略U字状でなくてもよい。例えば、前方から見て左のライトモジュール11において、レンズ30の拡散領域50は前方から見て略L字状に形成されていてもよい。前方から見て右のライトモジュール11において、レンズ30の拡散領域50は前方から見て略J字状に形成されていてもよい。
第1実施形態では、ライトモジュール11のレンズ30は、第1屈折部41、第2屈折部42、第1拡散部51、第2拡散部52、第3拡散部53、および第4拡散部54を備える。しかし、レンズ30は第1屈折部41および第1拡散部51を備えていれば足りる。第2屈折部42、第2拡散部52、第3拡散部53、および第4拡散部54は、必ずしも必要ではない。拡散領域50は、略U字状に限らず、前方から見て左右方向に横に延びる帯状であってもよい。拡散領域50は、第3拡散部53を備えず、第1拡散部51と、第2拡散部52と、第1拡散部51と第2拡散部52とをつなぐ部分とを備えていてもよい。前述の通り、拡散領域50は、1つの領域で形成されていてもよく、互いに分離した複数の領域を備えていてもよい。拡散領域50の形状は何ら限定されない。
第1拡散部51、第2拡散部52、第3拡散部53及び第4拡散部54の拡散透過性は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。拡散領域50は、少なくとも第1拡散部51を含む。拡散領域50は、第2拡散部52、第3拡散部53及び第4拡散部54の少なくとも1つを含んでいてもよい。拡散領域50に含まれる拡散部は、拡散領域50の一部であり、必ずしも、拡散領域50と区別され得るように構成されている必要はない。また、各拡散部は、必ずしも、互いに区別され得るように構成されている必要はない。第1屈折部41及び第2屈折部42の拡散透過性は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。いずれの拡散部といずれの屈折部との関係においても、拡散部の拡散透過性は、屈折部の拡散透過性よりも高い。屈折領域40は、少なくとも第1屈折部41を含む。屈折領域40は、第2屈折部42を含んでいてもよい。屈折領域40に含まれる屈折部は、屈折領域40の一部であり、屈折領域40と区別され得るように構成されている必要はない。各屈折部は、必ずしも、互いに区別され得るように構成されている必要はない。また、拡散部51〜54及び拡散領域50は、レンズ30の表面31に設けられていてもよく、レンズ30の裏面32に設けられていてもよい。レンズ30の厚さ方向(光軸Axの方向)における拡散部51〜54及び拡散領域50の位置は、特に限定されない。また、各拡散部51〜54に関し、拡散部は、拡散部を透過した光が配光パターンの一部を形成するようにLED21の光を拡散させて前方に導くように構成されている。即ち、拡散領域50は、拡散領域50を透過した光が配光パターンの一部を形成するようにLED21の光を拡散させて前方に導くように構成されている。配光パターンは、路面又はスクリーンでの配光パターンである。
レンズ30を前方から見た時、レンズ30の表面は、屈折領域40と、拡散領域50とのみからなっていてもよい。屈折領域40は、図4に示すように、LED21の光軸Axが通過する。レンズ30を前方から見た時、屈折領域40は、LED21の全体と前後方向に重なり合う。レンズ30を前方から見た時、拡散領域50は、LED21と前後方向に重ならない。レンズ30を前方から見た時、LED21より上方においてLED21と上下方向に重なる部分の全てが、屈折領域40である。レンズ30の前方から見た時、LED21より上方においてLED21と上下方向に重なる部分には、拡散領域50が設けられていない。
拡散領域50は、下記(A)〜(C)に記載の部分を有している。
(A) レンズ30を前方から見た時、拡散領域50の少なくとも一部(例えば、第1拡散部51)は、LED21と上下方向に間隔を空けて、LED21よりも下方に位置し、LED21と上下方向に重なる。
(B) レンズ30を前方から見た時、拡散領域50の少なくとも一部は、LED21と左右方向に間隔を空けて、LED21と左右方向に並ぶ。
(C) 図4に示すように、レンズ30を前方から見た時、拡散領域50の少なくとも一部(例えば、第3拡散部53、第4拡散部54)は、LED21と左右方向に間隔を空けて、LED21の光軸Ax又はLED21の上縁よりも上方に位置する。
レンズ30を前方から見て、上記(A)〜(C)に記載の部分は連続している。レンズ30を前方から見て、拡散領域50は、上記(A)〜(C)に記載の部分を含むようにレンズ30の外縁、又はレンズ30の透過部分の外縁に沿って連続している。
自動二輪車1が直進する時、ライトモジュール11から出射されて路面に達する光は、拡散領域50を通過する。自動二輪車1がリーン姿勢で旋回する時、レンズ30の右部分又は左部分のうち、カーブ内側に近い部分が、路面に近づく。拡散領域50の少なくとも一部が、LED21と左右方向に間隔を空けて、LED21の光軸Ax又はLED21の上縁よりも上方に位置するので、自動二輪車1がリーン姿勢で旋回している時であっても、ライトモジュール11から出射されて路面に達する光は、拡散領域50を通過する。自動二輪車1が直立走行時であるか又はリーン姿勢であるかに関わらず、ライトモジュール11から出射されて路面に達する光が、拡散領域50を通過する。ライダーから見て、路面からの反射光の変化が小さい。また、自動二輪車1がリーン姿勢で旋回する時、レンズ30の右部分又は左部分のうち、カーブ外側に近い部分が、路面から遠くなる。拡散領域50の少なくとも一部が、LED21と左右方向に間隔を空けて、LED21の光軸Ax又はLED21の上縁よりも上方に位置する。そのため、自動二輪車1がリーン姿勢で旋回している時にカーブ外側を上方へ向けて照らす光のうち、拡散領域50を通過する光の量が多くなる。対向車等から見て、ヘッドライトからの光量が少なく、且つ光量の変化が小さい。グレア(眩惑)の発生を低減できる。このような配光パターンは、拡散領域50により形成される、好ましい配光パターンの一例である。
ライトモジュール11、12は、1つのレンズ30と複数のLED21とを備えていてもよい。1つのレンズ30を前方から見た時、1つのレンズ30と複数のLED21とが前後方向に重なり合っていてもよい。1つのレンズ30の屈折領域40と複数のLED21の少なくとも1つとが前後方向に重なり合っていてもよい。
前記実施形態および変形例は、適宜に組み合わせることが可能である。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 自動二輪車(車両)
10 ヘッドライト
11 ライトモジュール
13 ハウジング
14 アウターカバー
21 発光ダイオード
22 基板
24 ヒートシンク
30 レンズ
40 屈折領域
50 拡散領域

Claims (8)

  1. カーブ走行時にカーブ内側にリーンして旋回するように構成された、リーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記リーン姿勢で旋回する車両は、ライトモジュールを有するヘッドライトを備え、
    前記ライトモジュールは、
    発光ダイオードと、
    前記発光ダイオードの前方に設けられ、前記発光ダイオードからの光を透過させるレンズと
    を備え、
    前記レンズは、
    前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成された屈折領域と、
    前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成された拡散領域とを有し、
    前記屈折領域は、
    前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードの上方に位置し、前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成された第1屈折部を含み
    前記拡散領域は、
    前記第1屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードより下方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成された第1拡散部と、
    前記第1屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに前記第1屈折部を通る水平線上において前記第1屈折部よりも左右方向の外方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成された第3拡散部と
    を含み、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードの光軸又は前記発光ダイオードの上縁よりも上方に位置する上側部分を有しており、
    前記レンズの前記拡散領域は、前記車両がリーン姿勢でカーブを旋回する時に、前記上側部分における前記カーブの内側に近い部分が路面に近づき、前記ライトモジュールから出射されて路面に達する光が前記上側部分における前記カーブの内側に近い部分を通過する一方、前記上側部分における前記カーブの外側に近い部分が路面から遠くなり、前記ライトモジュールが前記カーブの外側を上方へ向けて照らす光が前記上側部分における前記カーブの外側に近い部分を通過するように形成されている
  2. 請求項1に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記第1拡散部は、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードを通る鉛直線上において、前記第1屈折部の下方に位置している。
  3. 請求項1または2に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記屈折領域は、前記レンズの前方から見たときに上下方向において前記第1屈折部と異なる位置に位置し、前記発光ダイオードからの光を屈折させて前方に導くように構成された第2屈折部を含み
    前記拡散領域は、前記第2屈折部の拡散透過性よりも高い拡散透過性を有し、前記レンズを前方から見たときに前記第2屈折部を通る水平線上において前記第2屈折部よりも左右方向の外方に位置し、前記発光ダイオードからの光を拡散させて前方に導くように構成された第2拡散部を含む
  4. 請求項1〜のいずれか1に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    記拡散領域は、前記レンズを前方から見たときに略U字状に形成されている。
  5. 請求項に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記拡散領域は、前記レンズを前方から見たときに前記発光ダイオードよりも左方または右方であってかつ前記発光ダイオードよりも上方に位置する第4拡散部を有している。
  6. 請求項またはに記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記拡散領域は、前記レンズを前方から見たときに、前記発光ダイオードを通る鉛直線上に位置する第1領域と、前記第1領域よりも左右方向の外方に位置する第2領域とを有し、
    前記第2領域の上下方向の長さは、前記第1領域の上下方向の長さよりも長い。
  7. 請求項1〜のいずれか1に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記レンズは、前方に向かって凸状の表面と、前記発光ダイオードに対向する裏面とを有し、
    前記拡散領域は、前記レンズの前記表面の一部または前記裏面の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。
  8. 請求項1〜のいずれか1に記載のリーン姿勢で旋回する車両であって、
    前記レンズは、前方に向かって凸状の表面と、前記発光ダイオードに対向する裏面とを有し、
    前記拡散領域は、前記レンズの前記表面の一部または前記裏面の一部に、透過する光を拡散させる拡散板を取り付けることにより形成されている。
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