JP6121256B2 - 微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法およびシステム - Google Patents

微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法およびシステム Download PDF

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本発明は、微細藻類または代謝生成物の濃度の決定方法およびシステムに関し、特に、微細藻類または代謝生成物の濃度を非破壊的に決定する方法およびシステムに関する。
近年、地球温暖化を抑制するため、温室効果ガスの一つである二酸化炭素の排出量の削減が課題とされている。二酸化炭素を削減する手段として、植物の光合成を利用する方法がある。植物の中でも、特に微細藻類は、陸生植物と比較して高い増殖力を有するため、有望な二酸化炭素の削減手段として注目されている。
例えば、油成分を内部で生成し蓄積する微細藻類を用いて、発電所や工場で二酸化炭素の排出量を抑えながら燃料を合成するプロセスが検討されているほか、微細藻類の光合成を利用した二酸化炭素の固定化が研究されている。
ところで、微細藻類が光合成をする際に生成される代謝生成物の総量と種類は、微細藻類がおかれる環境に大いに依存する。例えば、雰囲気の成分が、二酸化炭素よりも窒素の量が多い場合は二酸化炭素の飢餓状態になり、窒素を優先的に微細藻類の内部に蓄積しようとする。このため、同一種類の微細藻類を用いても、生育環境が異なる場合は、微細藻類とその代謝生成物の割合が異なるため、単純に培養時間で細胞増殖量または代謝生成物量を評価することはできない。
一般的に、微細藻類の細胞増殖量または代謝生成物量を評価するには、微細藻類溶液の一定量をサンプリングし、その中に含まれる微細藻類細胞と代謝生成物を遠心分離機あるいはろ過等で分離して、乾燥や抽出などの工程を経て、その重量を量ることによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−050861号公報
しかしながら、上述した微細藻類が繁殖している水槽から一定量の溶液を抽出する「サンプリング」は、微細藻類が繁殖する生態系を侵食していることに他ならず、繁殖した微細藻類の量を減少させるばかりか、雑菌等の混入により生態系を変化させてしまう恐れがある。また、増殖速度を求めるためには、一定時間ごとに乾燥重量を量りその差をとるのが一般的であるが、上述したサンプリングを行って分離・乾燥または吸光度測定を実行するといった作業を繰り返し行うことは、作業者にとって大きな負担となる。
また、特許文献1には培養液の濁度を測定し、濁度が増加した場合に培養液を交換し連続的に培養を行う方法が記載されているが、濁度を測定する方法では、微細藻類の培養液全体の濃度の増加は把握することができるが、培養液に含まれる代謝生成物の濃度を把握することはできない。
本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、非破壊的に培養液に含まれる微細藻類または代謝生成物の濃度を決定する方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法は、微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する測定用光源の光を微細藻類の溶液に照射する照射ステップと、前記微細藻類の溶液の散乱光の光強度を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した光の光強度に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定する決定ステップとを有する。
前記測定用光源の光は、あらかじめ測定しておいた前記微細藻類または代謝生成物の分光スペクトルに基づき中心波長と波長帯域を決定した光であるようにしてもよい。
前記測定ステップは、前記散乱光を撮像手段により撮影し、撮影した画像の色成分の階調の頻度分布を求め、前記決定ステップは、前記階調の頻度分布に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するようにしてもよい。
前記測定ステップは、前記散乱光を光電気変換手段により電気信号に変換し、前記決定ステップは、前記電気信号に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するようにしてもよい。
また、本発明に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定システムは、微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する光を前記微細藻類の溶液に照射する測定用光源と、前記微細藻類の溶液の散乱光の光強度を測定する測定手段と前記測定手段で測定した光の光強度に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定する決定手段とを有する。
前記測定用光源の光は、あらかじめ測定しておいた前記微細藻類または代謝生成物の分光スペクトルに基づき中心波長と波長帯域を決定した光であるようにしてもよい。
前記測定手段は、前記散乱光を撮像手段により撮影し、撮影した画像の色成分の階調の頻度分布を求め、前記決定手段は、前記階調の頻度分布に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するようにしてもよい。
前記測定手段は、前記散乱光を光電気変換手段により電気信号に変換し、前記決定手段は、前記電気信号に基づき前記微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するようにしてもよい。
本発明によれば、微細藻類の溶液の散乱光強度から微細藻類の細胞量または代謝生成物量を決定できるため、サンプリングを行うこと無く、非破壊的に微細藻類または代謝生成物の濃度を決定することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定システムの構成例を示す図面である。 図2は、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法における測定用光源の光を決定する手順を示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態に係る測定対象である微細藻類または代謝生成物の色素の分光スペクトルの測定例である。 図4は、本発明の実施の形態に係る測定対象である微細藻類または代謝生成物の色素の分光スペクトルの他の測定例である。 図5は、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法における濃度決定の手順を示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態に係る微細藻類の溶液を撮影した画像により取得したR成分、G成分およびB成分それぞれの階調の頻度を示すヒストグラムである。 図7は、本発明の実施の形態に係る微細藻類の溶液を撮影した画像により取得したR成分、G成分およびB成分それぞれの階調の頻度を示すヒストグラムである。 図8は、本発明の実施の形態に係る検量線の具体例を示すグラフである。 図9は、本発明の実施の形態に係る濃度決定装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、「藻類」とは、一般に、光合成を行う生物のうち、陸上植物(コケ植物、シダ植物、種子植物)を除いたものの総称であり、このうち顕微鏡で確認できるサイズの小さな藻類を「微細藻類」と呼ぶ。本明細書においては、「微細藻類」は、水等の培地に分散可能な大きさを有する藻類を指すものとする。また、微細藻類が培地中に分散したものを「微細藻類の溶液」と呼ぶ。「代謝生成物」とは、上記微細藻類が光合成も含めた代謝活動を行ったときに生成される物質の総称であり、微細藻類の内部もしくは外部のどちらにも関わらず適用される。
また、微細藻類の溶液(サンプル)は、例えばフラスコなど透明な材料からなる容器に貯留されている。この容器に自然光または照明光を照射しかつ二酸化炭素を含むガスを通気させて、微細藻類に光合成をさせることにより、微細藻類は培養される。本発明の各実施の形態は、そのようにして培養された状態の微細藻類の溶液を対象としている。
図1は、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定システムの構成例を示す図面である。本構成例の微細藻類または代謝生成物の濃度決定システムは、微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長(λ1、λ2、λ3…)と波長帯域を有する光を前記微細藻類の溶液に照射する測定用光源10と、測定対象である微細藻類の溶液20と、測定光源の光が微細藻類の溶液に照射された際の散乱光を撮影する撮像素子30と、撮影された画像情報を処理して光強度を取得し、その光強度に基づき測定対象である微細藻類または代謝生成物の濃度を決定する濃度決定装置40とから構成される。
<測定用光源の光の決定方法>
本発明の実施の形態では、複数の色素成分を含む微細藻類の溶液に測定対象である微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する光を照射し、その散乱光の光強度を測定することにより、測定対象である微細藻類あるいは代謝生成物の濃度を決定する。
図2は、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法における測定用光源の光を決定する手順を示すフローチャートである。まず、測定対象物の微細藻類または代謝生成物を決定する(S1)。次に、測定対象物である微細藻類の溶液を分光光度計等の装置を用いて分光スペクトルを測定する(S2)、そして、測定対象物である微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する光の中心波長と波長帯域を決定する(S3)。
図3は、本発明の実施の形態に係る測定対象である微細藻類または代謝生成物の色素の分光スペクトル測定例である。本測定例において、微細藻類の溶液に色素Aと色素Bの物質が混合されている場合に、色素Aを持つ物質を測定対象とするには、680nm〜700nmのみに中心波長を持つ赤色LEDを光源として使用する。一方、色素Bを持つ物質を測定対象とするには、460nm〜480nmのみに中心波長をもつ青色LEDを光源として使用すればよい。尚、この場合色素Aの特徴を示す波長帯が近接しているため、色素Aの吸収ができるだけ少なくなるように波長帯域を設定する必要がある。
また、図4は、別の色素の分光スペクトル測定例である。本測定例では、色素Cの分光スペクトルは、370nm付近と800nm付近にスペクトルのピークを有しているが、色素Cを持つ物質を測定対象とする場合は、色素Aに吸収されない780nmから800nmのみに中心波長を持つ光源を選択すればよい。この場合、色素Cの特徴を示す波長帯が色素Aの特徴を示す波長帯から十分離れているため、波長帯域は図3の場合よりも大きい値をとることが可能である。
上記の例で示したように、分光スペクトル等を用いて測定対象物が有する色素の特徴を示す波長帯を測定して、その波長帯に中心波長を有し、かつ他の色素の特徴を示す波長帯の成分が十分に少ない波長帯域を持つ光の光源を適宜選択するようにすれば、所望の測定対象物が有する色素の特徴を示す光の散乱光強度を測定することができる。
<微細藻類等の濃度の決定方法>
図5を用いて、本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法における濃度決定の手順を説明する。
本発明の実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法は、(1)測定対象物の特徴を示す中心波長、波長帯域を有する測定用光源の光を微細藻類の溶液に照射するステップ(S4)と、(2)溶液の散乱光の光強度を測定するステップ(S5)、(3)測定対象物の検量線を選択するステップ(S6)と、(4)検量線と測定した光強度に基づき測定対象物の濃度を決定するステップ(S7)とからなる。
(1)測定用光源の光を微細藻類の溶液に照射するステップ(S4)
測定用光源の光を照射するステップ(S4)は、測定対象物の特徴を示す中心波長、波長帯域を有する測定用光源の光を微細藻類の溶液に照射するステップである。図2を用いて説明したように、測定対象物である微細藻類または代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する光の中心波長と波長帯域を決定し、その光のみを微細藻類の溶液に照射する。例えば、図3で説明したように、色素Aを持つ物質を測定対象とするには、680nm〜700nmのみに中心波長を持つ赤色LEDを光源として使用する。
また、本実施の形態では、光源にLEDを使用した例を説明したが、単一波長を有するレーザー光源であってもよい。
(2)散乱光の光強度を測定するステップ(S5)
特定の波長の光を微細藻類の溶液に照射した場合の散乱光の強度を測定するステップである。本実施の形態では、デジタルカメラ等の撮像素子により微細藻類の溶液の画像を撮影し、光強度を測定する。デジタルカメラを用いた場合は、まず画像の処理領域を抽出する。微細藻類の溶液が写っている画像において、藻類の生長に用いた容器の形状により明らかに撮影条件が異なる部分がある場合は、そこをさけて画像処理領域を抽出する。例えば、容器に曲面があり他の部分と明らかに照明のあたり具合が異なる部分があった場合はそこをさけるように画像処理領域を抽出する。
次に、抽出した領域に含まれる各々の画素についてR、G、Bそれぞれの色成分の階調(0から255の256段階)を求め、画素毎のR、G、Bそれぞれの色成分の階調の頻度分布を求める。ここで、RGBの色情報については画像処理ソフトウェアを使えば得ることができる。測定対象物の濃度が濃い場合は、光の散乱光強度が小さくなり、光の階調は減少し0に近づく。逆に、測定対象物が検出されない場合は、光の散乱強度が大きくなり、光の階調は増加して255に近づく。濃度が異なる測定対象物のヒストグラムの測定例を図6、7に示す。図6、7は、撮影領域内の画素のR、G、Bそれぞれの色成分の階調(0から255の256段階)の頻度分布を測定したヒストグラムであり、図6、7はそれぞれ測定対象物の濃度が濃い場合、薄い場合の測定例である。本図からわかるように光の散乱光の強度と測定対象物の濃度には相関があることがわかる。この相関を利用して、ヒストグラムにおける各階調の頻度を積分することにより抽出した画像領域における光の強度を求め、その強度から測定対象物の濃度を求めることができる。
図3、4において説明したように、680nm〜700nmのみに中心波長を持つ赤色LEDを光源として使用した場合、色素Aは光を吸収し色素Bは光を吸収しないので、この画像をデジタルカメラで撮影すると、得られた画像情報からは、色素Aの吸収とRGB情報の頻度の関連データすなわち、色素の吸光度をRGB情報の頻度のデータとして得ることができる。同様に、460nm〜480nmのみに中心波長を持つ青色LEDを光源として使用した場合は、色素Bの吸収とRGB情報の頻度の関連データを得ることができる。色素Cを持つ物質を測定対象とする場合は、780nmから800nmのみに中心波長を持つ光源を選択すればよい。これを利用すれば、測定対象物にn種類の物質が含まれており、これらの物質それぞれが特異なスペクトルのピークを有している場合には、それらが分離できるような、所定の中心波長と波長帯域を有するn種類の波長の光源を用いることにより、n種類の物質それぞれの光の吸収度を表すRGBの頻度データを得ることができるので、測定対象物にn種類の物質が含まれている場合でも、それぞれの物質の濃度を測定することが可能となる。
尚、本実施の形態では、デジタルカメラ等の撮像素子により微細藻類の溶液の画像を撮影し、撮影された画像の色情報により散乱光の光強度を求めたが、フォトダイオード等の光電気変換素子により、直接散乱光の光強度を測定してもよい。その場合は、各画素の色成分のヒストグラムを用いなくても直接光電気変換素子の出力信号から散乱光の光強度情報を電気信号として得ることができる。
(3)測定対象物の検量線を選択するステップ(S6)
本ステップは予め測定対象物毎に測定しておいた検量線を選択するステップである。ステップ(S5)で述べたように光散乱光の強度と測定対象物の濃度には相関があるため、光散乱光の強度と測定対象物の濃度の相関関係を予め求めておけば、測定された光散乱光の強度をその相関関係を示す関係式等に当てはめることにより、測定対象物の濃度を決定することができる。
この光強度と測定対象物の濃度との関係は、濃度が既知の測定対象物のサンプル溶液を複数用意し、それらの容器を撮影した画像から、各画素の色成分の階調の積分値を求め、その値と微細藻類の濃度を用いて、光強度と濃度の関係を表す検量線を作成することができる。
また、濃度が既知のサンプルを用意する代わりに、サンプルの入った容器を撮影した後にその容器内の微細藻類を分離乾燥し、その重量を計測することによって、撮影後に濃度を求めるようにしてもよい。一度測定対象物についての検量線を作成すれば、その後はその検量線を用いて非破壊で微細藻類等の濃度を測定することが可能となる。
なお、溶液を収容する容器は、一般に藻類の生長に必要な太陽光を透過する透明な材料からできた容器を用いるが、例えばフラスコのように、ガラスやアクリル等の透明な材料からできた容器が望ましい。微細藻類の溶液を撮影する際には、撮影環境の変化が画像に影響を及ぼすことがなるべく少なくなるように照明器具の配置や撮影条件をなるべく毎回一定にすることが望ましい。
(4)測定対象物の濃度を決定するステップ(S7)
測定対象物の濃度を決定するステップ(S7)は、照射した光の散乱光の強度を測定するステップ(S5)において測定した光強度と、測定対象物の検量線を選択するステップ(S6)において選択した検量線とに基づいて、測定対象物の濃度を決定する。
図8は、検量線の具体例を示すグラフである。横軸は規格化された各画素のR、G、Bの色成分のヒストグラムの積分値であり、縦軸は規格化された測定対象物の濃度である。本具体例では、4つのサンプル溶液における微細藻類等の濃度を測定して検量線を作成している。本図から明らかなように、散乱光の光強度と測定対象物の濃度は比例関係にあり、測定された光強度をこのグラフあるいはこのグラフを表す関係式に当てはめることにより測定対象物の濃度を決定することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、微細藻類の溶液の画像等から微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するので、微細藻類の溶液をサンプリングする必要がなく、非破壊的に微細藻類または代謝生成物の濃度を決定することができる。
<濃度決定装置の構成及び動作>
本実施の形態に係る濃度測定装置は、デジタルカメラ等によって撮影された微細藻類の培養液の画像から微細藻類または代謝生成物の濃度を決定する装置である。この装置は、CPU(中央処理装置)や記憶装置とからなるコンピュータ・ハードウェア装置と、各種ハードウェア装置を制御するコンピュータ・プログラムとによって構成される。
図9に、本実施の形態に係る濃度決定装置40の機能ブロック図を示す。本実施の形態に係る濃度決定装置40は、デジタルカメラ等の撮像素子30と接続可能なインターフェース部41と、装置の動作を制御する制御部42と、キーボードやマウス、モニタ等から構成される入出力部50と接続されるインターフェース部43と、コンピュータを濃度決定装置として動作させるコンピュータ・プログラムと、インターフェース部41を介して取り込まれた画像の色情報と、予め測定しておいた光強度と微細藻類等の濃度の関係を示す検量線の情報とを記憶する記憶部44と、これらの構成要素間におけるデータおよび制御情報の通り道となるバス45とを備えている。
ここで制御部42は、記憶部44に記憶されたコンピュータ・プログラムによって、記憶部44に取り込まれた画像の色情報に基づいて散乱光の光強度を測定する光強度測定部42aと、この光強度測定部42aで測定された光強度と記憶部44に記憶されている検量線の情報から選択された検量線の情報に基づいて微細藻類等の濃度を決定する濃度決定部42bとを含んでいる。
また、記憶部44には、検量線として測定対象となる微細藻類や代謝生成物毎に光強度と濃度の関係が予め記憶されている。このような関係は、グラフ、表形式で記憶しておいてもよいが、関係を近似した多項式を関数として記憶しておいてもよい。
上述した濃度決定装置40の濃度決定部42bでは、次のようにして濃度を決定する。
デジタルカメラ等の撮像素子を用いた場合は、撮像素子30から得られる画像情報を記憶部44に記憶しておく。次に保存された画像情報から画像の処理領域を抽出し、光強度測定部42aにおいて、抽出した領域に含まれる各々の画素について画素毎のR、G、Bそれぞれの色成分の階調の頻度分布を求め、それらを積分することにより光強度を計算する。
一方、デジタルカメラ等の撮像素子30により画像を撮影するのではなく、フォトダイオード等の光電気変換素子30により、直接光強度を測定する場合は、直接光電気変換素子の電気信号から光強度情報を得る。
次に、濃度決定部42bでは、予め測定しておいた微細藻類等の検量線の情報から、測定対象物の検量線の情報を記憶部44から取得し、光強度測定部42aで測定した光強度と検量線の情報に基づき測定対象物の濃度を決定する。
このようにして得られた微細藻類等の濃度をモニタ(入出力部)50に出力し、表示させる。
以上のように、本実施の形態に係る微細藻類または代謝生成物の濃度決定システムによれば、微細藻類の溶液を容器ごと撮影した画像等から微細藻類または代謝生成物の濃度を決定するので、容器内の溶液(サンプル)の一部をサンプリングすることがなく、サンプリングによる溶液の減少を避けることができる。さらに、容器を開けることなく、非破壊的に微細藻類等の濃度を決定することができるので、雑菌の混入を避けることができ、微細藻類が繁殖する生態系を変化させてしまう恐れがないという極めて優れた効果を奏する。
本発明は、微細藻類または代謝生成物の濃度や増殖速度の測定に利用することができる。
10…測定用光源、20…微細藻類の溶液、30…撮像素子、光電気変換素子、40…濃度決定装置、41、43…インターフェース部、42…制御部、42a…光強度測定部、42b…濃度決定部、44…記憶部、45…バス、50…入出力部。

Claims (4)

  1. 微細藻類または微細藻類が光合成を行ったときに生成される代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する測定用光源の光を微細藻類の溶液に照射する照射ステップと、
    前記微細藻類の溶液の散乱光の光強度を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定した光の光強度に基づき前記微細藻類または前記代謝生成物の濃度を決定する決定ステップと
    を有し、
    前記測定ステップは、前記散乱光を撮像手段により撮影し、撮影した画像の色成分の階調の頻度分布を求め、
    前記決定ステップは、前記階調の頻度分布に基づき前記微細藻類または前記代謝生成物の濃度を決定すること
    を特徴とする微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法。
  2. 前記測定用光源の光は、あらかじめ測定しておいた前記微細藻類または前記代謝生成物の分光スペクトルに基づき中心波長と波長帯域を決定した光であること
    を特徴とする請求項1記載の微細藻類または代謝生成物の濃度決定方法。
  3. 微細藻類または微細藻類が光合成を行ったときに生成される代謝生成物の特徴を示す所定の中心波長と波長帯域を有する光を前記微細藻類の溶液に照射する測定用光源と、
    前記微細藻類の溶液の散乱光の光強度を測定する測定手段と
    前記測定手段で測定した光の光強度に基づき前記微細藻類または前記代謝生成物の濃度を決定する決定手段と
    を有し、
    前記測定手段は、前記散乱光を撮像手段により撮影し、撮影した画像の色成分の階調の頻度分布を求め、
    前記決定手段は、前記階調の頻度分布に基づき前記微細藻類または前記代謝生成物の濃度を決定すること
    を特徴とする微細藻類または代謝生成物の濃度決定システム。
  4. 前記測定用光源の光は、あらかじめ測定しておいた前記微細藻類または前記代謝生成物の分光スペクトルに基づき中心波長と波長帯域を決定した光であること
    を特徴とする請求項記載の微細藻類または代謝生成物の濃度決定システム。
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