JP6120314B2 - 細胞培養デバイス - Google Patents

細胞培養デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6120314B2
JP6120314B2 JP2013043424A JP2013043424A JP6120314B2 JP 6120314 B2 JP6120314 B2 JP 6120314B2 JP 2013043424 A JP2013043424 A JP 2013043424A JP 2013043424 A JP2013043424 A JP 2013043424A JP 6120314 B2 JP6120314 B2 JP 6120314B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cell culture
holding member
hole
culture device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013043424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014171389A (ja
JP2014171389A5 (ja
Inventor
将一 明地
将一 明地
阿部 浩久
浩久 阿部
田窪 健二
健二 田窪
紀ノ岡 正博
正博 紀ノ岡
美海 金
美海 金
雅和 稲森
雅和 稲森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Osaka University NUC
Original Assignee
Shimadzu Corp
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp, Osaka University NUC filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2013043424A priority Critical patent/JP6120314B2/ja
Publication of JP2014171389A publication Critical patent/JP2014171389A/ja
Publication of JP2014171389A5 publication Critical patent/JP2014171389A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6120314B2 publication Critical patent/JP6120314B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、細胞の培養に適した環境を形成するための培養室を有する細胞培養デバイスに関する。
細胞培養は、一般的にシャーレ等の容器に細胞及び液体状の培地を収容した状態で行われる。しかし、近年、半導体製造分野での微細加工技術(μTAS(micro Total Analysis System))の進歩に伴って医療やバイオテクノロジーの研究分野でも微細加工技術によって製造されたマイクロデバイスの応用が進められており、こうしたマイクロデバイスを用いた細胞培養が行われるようになっている。
細胞を上記のような微細空間で培養することの利点としては、高価な試薬の消費量を低減することができること、熱容量が小さいため温度の均一性に優れ、また温度変化の追従性がよいこと、細胞培養面積が小さいため顕微鏡の観察視野を大きく移動させることなく観察できるように設計することができ、観察用スペースが小さくすむことなどが挙げられる。
例えば、特許文献1には、微細加工により貫通孔や流路を形成したガラス基板又はシリコン基板の上下に、透明ガラス基板をフッ酸溶液又は接着剤で接合したマイクロデバイスが記載されている。このマイクロデバイスは、透明ガラス基板で塞がれた貫通孔(培養室)の容積が1μL以下となるように設計されている。
特許文献2には、酸化又はエッチングにより窪み(培養室)を形成したシリコンディスクの上部を、血清や栄養物質等を透過させることができる透過性/半透過性膜で覆ったマイクロデバイスが記載されている。このマイクロデバイスは、その上下をニッケル板と板状の磁石で挟み、磁力を利用してシリコンディスクとその上部の膜を保持する構造になっている。
培養細胞を医療用途に用いる場合、顕微鏡によって細胞の形態を観察し、正常な細胞と異常な細胞を選別しなければならないことがある。培養室の底面以外に接着し成長した細胞を観察することは困難であるため、培養室の底面に細胞接着処理を施したり、底面以外の内面に細胞非接着処理を施したりすることが、しばしば行われる。
しかし、マイクロデバイスの培養室は、直径数mm程度の微細空間であるため、特許文献2のマイクロデバイスのように、シリコンディスクにエッチングで窪みを形成して培養室としたものでは、底面と側面が繋がっているため、底面だけ、或いは側面だけに表面処理を行ったり、底面と側面に別の表面処理を行ったりすることが困難である。
特許文献1のマイクロデバイスも、培養室の側面、上面、底面を形成する各部材をフッ酸溶液又は接着剤で接合した後では、底面だけ、或いは側面だけに表面処理を行ったり、底面と側面に別の表面処理を行ったりすることが困難である。
特開2006-220566号公報([0029]〜[0034]、図2) 特開平10-276763号公報
これに対して、特許文献1のマイクロデバイスでは、各部材を接合する前であれば、底面やそれ以外の面に単独で表面処理を施すことができる。しかし、細胞接着処理或いは細胞非接着処理のために、細胞親和性の高い層或いは細胞親和性の低い層を部材表面にコーティングすると、このコーティングが邪魔になってフッ酸溶液で接合することができない。又、接着剤による接合についても、コーティングが邪魔になって各部材の接合力が低下する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、培養室の底面部分とそれ以外の部分が別個の部材からなるものにおいて、各部材に個別の表面処理を行った後でも容易且つ密接に接合することが可能な細胞培養デバイスを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る細胞培養デバイスは、
貫通孔を有する第1基板と、
前記貫通孔の一端を塞ぐように前記第1基板の下面側に配置され第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを磁気吸引力によって接合させる磁力対である第1保持部材及び第2保持部材と
を含み、前記第1保持部材は前記貫通孔を取り囲むように環状に前記第1基板側に配置され、前記第2保持部材は前記第2基板側に配置されていることを特徴とする。
ここで、「磁力対」とは、磁石と、磁石に吸引される強磁性体、又は、磁石と磁石である。
また、本発明に係る細胞培養デバイスは、
貫通孔を有する第1基板と、
前記貫通孔の一端を塞ぐように前記第1基板の一面側に配置され第2基板と、
前記貫通孔の他端を塞ぐように前記第1基板の他面側に配置された第3基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを磁気吸引力によって接合させる磁力対である第1保持部材及び第2保持部材と
を含み、前記第1保持部材は前記貫通孔の中心軸を取り囲むように環状に前記第3基板に配置され、及び前記第2保持部材は前記第2基板側に配置されていることを特徴とする。
上記の細胞培養デバイスでは、第1保持部材と第2保持部材の間(磁力対間)に作用する磁気吸引力により、第1基板と第2基板が密接に接合され、第1基板の貫通孔と第2基板により培養室が形成される。このとき、貫通孔の内面が培養室の側面に、第2基板の表面が培養室の底面となる。従って、側面と底面に対してそれぞれ別個に表面処理を行い易い。
上記構成の細胞培養デバイスにおいて、第1基板の第2基板との接合面には、前記貫通孔の周縁部を除いて凹部が形成されていることが望ましい。さらに、前記凹部は、第1保持部材と第2保持部材の間に形成されていることが望ましい。
この場合、第1保持部材と第2保持部材の間に働く磁気吸引力の大きさは変わらないが、両者の間の第1基板と第2基板の接触面の面積が小さくなるため、該接触面の応力は大きくなる。その結果、第1基板は第2基板により密接に接合される。
第1保持部材は第1基板の内部に完全に埋め込まれていることが望ましい。
この場合、第1保持部材に細胞や培地が付着することがないため、第1保持部材が錆びて接合力が低下するのを防止することができる。
前記第1基板は、ガス透過性を有する樹脂から作製されていることが望ましく、また、親水性であることが望ましい。
また、第1基板の第3基板との接合面には、その一端が前記貫通孔に連通した流路が形成され、第3基板には、前記流路に連通した孔が形成されていてもよい。
この場合、該孔及び流路を介して細胞や培地等を導入したり培地を排出したりすることができるため、細胞を長期間培養することが可能となる。
本発明に係る細胞培養デバイスは、培養室の側面を形成する第1基板と、培養室の底面を形成する第2基板とが、第1保持部材と第2保持部材の間に作用する磁気吸引力により密接に接合される。第1基板と第2基板は別個の部材であるため、それぞれに、細胞非接着処理、細胞接着処理を行った後、両者を磁気吸引力で接合することができ、培養室の局所的な処理が容易に可能となる。
本発明の一実施例に係る細胞培養デバイスの第1基板の上面図(a)、AA'矢視断面図(b)。 同実施例の細胞培養デバイスの上面図(a)、AA'矢視断面図(b)。 本発明の別の実施例に係る細胞培養デバイスの第1基板の上面図(a)、AA'矢視断面図(b)。 同実施例の細胞培養デバイスの上面図(a)、AA'矢視断面図(b)。 本発明のさらに別の実施例に係る本発明に係る細胞培養デバイスの、貫通孔の中心軸を含む断面図。
[第1実施例]
本発明に係る細胞培養デバイスの第1実施例について、図1及び2を参照しつつ詳述する。図1は、本実施例の第1基板の上面図(a)、AA'矢視断面図(b)であり、図2は、該第1基板を含む同実施例の細胞培養デバイスの上面図(a)、AA'矢視断面図(b)である。なお、図1及び2では、説明のため内部構造の一部を透過させて図示している。
第1基板11は、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)(ダウコーニング社製、SILPOT184)から成る直径30mm厚さ4mmの円盤状基板であり、中央には直径2.5mmの貫通孔12が形成されている。PDMSはガス透過性に優れた材料として知られている。ここで、第1基板11において、貫通孔12の中心軸側を基板の中心側、その反対側を外側とし、培養時に細胞培養ディッシュ21と接する側の面を底面、その反対の面を上面とする。第1基板11には、内径6mm外径20mm厚さ1mmの環状のネオジム磁石31(第1保持部材に該当する)が貫通孔12を取り囲むように封入されており、さらに、底面に繋がる開口として環状凹部14が形成されている。
上記の第1基板11は、以下のように作製した。まず、中心から6mm〜24mmの部位まで溝15が形成されるように加工した円盤状鋳型(直径30mm厚さ4mm)にPDMSを注入し硬化させた。この円盤状基板の中央に、貫通孔12(直径2.5mmm)を打ち抜き工具によって形成した。さらに、溝15にネオジム磁石31を挿入した後PDMSを再注入し硬化させた。環状凹部14は、PDMS再注入の際、溝15の容積より少ない量のPDMSを注入することによって形成した。
なお、この作製方法は一例にすぎず、適宜の方法によって第1基板11を作製してよい。例えば、貫通孔12は、鋳型を加工して形成してもよいし、環状凹部14は、円盤状基板の硬化したPDMSを削ることによって形成してもよい。また、第1基板11の素材もPDMSに限定されることはないが、ガス透過性に優れた材料であることが望ましい。
第2基板として、ポリスチレン製の細胞培養ディッシュ21を用いる。
細胞培養ディッシュ21を載せるプレート41(アルミ製又は樹脂製)には、ネオジム磁石31と同じ内径外径で、ネオジム磁石31との間に磁気吸引力が働くように配置された環状のネオジム磁石32(第2保持部材に該当する)が嵌め込まれており、環状のネオジム磁石32の内側のプレート41部分には、少なくとも貫通孔12より大きな、貫通している開口42が形成されている。プレート41とネオジム磁石32は、接着剤によって接合されている。
図2に示すように、細胞培養時に、第1基板11を載せた細胞培養ディッシュ21をプレート41に載せると、第1基板11内のネオジム磁石31とプレート41内のネオジム磁石32との間に磁気吸引力が働き、第1基板11は細胞培養ディッシュ21に密接に接合される。第1基板11の底面には、貫通孔12の周縁部を除いて環状凹部14が形成され、第1基板11と細胞培養ディッシュ21の接触面の面積が小さくされているため、該接触面の応力は、第1基板11の底面全面が細胞培養ディッシュ21と接している場合より大きくなり、第1基板11の周縁部は細胞培養ディッシュ21により強く接合される。環状凹部14は、ネオジム磁石31とネオジム磁石32との間、さらにはその外周側にわたって形成されていることが望ましい。
本実施例では、第1保持部材、第2保持部材として両方にネオジム磁石を用いたが、第1保持部材と第2保持部材は、両者の間に磁気吸引力が働き、細胞培養の間、各部材を接合し続けることができる磁力対であれば特に限定されず、一方が磁石で他方が強磁性体であってもよい。磁石もネオジム磁石に限定されない。より高温で使用可能なより強力な磁石の例として、例えば、サマリウムコバルト磁石が挙げられる。
本実施例に係る細胞培養デバイス70では、第1基板11の貫通孔12が培養室71の側面となり、細胞培養ディッシュ21の表面が培養室71の底面となる。そこで、第1基板11と細胞培養ディッシュ21を滅菌(例えばγ線滅菌またはオートクレーブ滅菌)した後、細胞培養ディッシュ21に細胞接着処理を施し、及び/又は第1基板11に細胞非接着処理を施してから、細胞培養ディッシュ21を挟んで第1基板11内のネオジム磁石31とプレート41内のネオジム磁石32の間に磁気吸引力が働くように、第1基板11とプレート41を組み合わせることによって、本実施例に係る細胞培養デバイス70が完成される。そのため、微少空間である培養室71の局所的処理が容易となる。
また、本実施例に係る細胞培養デバイス70の各部材は磁気吸引力によって接合されているため、組み立て時に多少のずれが生じた場合でも、各部材を分解して組み立てなおすことが容易にできる。
細胞接着処理としては、例えば、正常細胞の培養に必須なタンパク質(コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン等)を部材表面にコーティングする方法などが挙げられる。
細胞非接着処理としては、例えば特許3731921号公報に開示のような、部材表面に親水化処理を施すことでタンパク質の吸着を抑制する方法などが挙げられる。
細胞培養は、細胞培養デバイス70の培養室71に細胞を播種し、培地を第1基板11が覆われるまで入れ、細胞培養デバイス70の上部に蓋(例えば透明な樹脂製又は石英ガラス製)をした後、インキュベータ内に静置して行われる。
ネオジム磁石31は、第1基板11の内部に完全に埋め込まれており、培養室71に導入される細胞や培地等と触れることがないため、細胞や培地等の付着を原因とするネオジム磁石31の磁気吸引力の低下やサビを防止し、各部材の接合力が低下することを防ぐことができる。
本実施例に係る細胞培養デバイス70では、各部材の接合に外部の治具を用いておらず、また、ネオジム磁石31とネオジム磁石32の厚みは充分薄いため、細胞培養デバイス70の厚みは、従来の細胞培養デバイスの厚みと略同じである。従って、従来の細胞培養デバイスで用いられる培養システムや観察システムで培養や観察を行うことができる。
本実施例に係る細胞培養デバイス70では、培養室71の上部が開いているため、この部分から培地交換や位相差顕微鏡での観察が容易に可能である。
本実施例に係る細胞培養デバイス70では、プレート41のうち、培養室71の底面の下方(すなわち貫通孔12の下方)に配置されるプレート41部分に開口42が形成されており、この開口42を通してプレート41の下からも細胞を観察できるようになっている。従って、例えばIn Cell Analyzer 2000(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)のような、培養細胞を下方から観察する装置を利用することができる。プレート41の開口42は貫通孔12より大きく形成してされているため、細胞培養デバイス70を磁気吸引力によって組み立てた時、第1基板11の貫通孔12の中心軸とプレート41の開口42の中心軸とが多少ずれてもプレート41の開口42から培養室71の底面全体を観察することが可能である。
[第2実施例]
本発明に係る細胞培養デバイス70の第2実施例について、図3及び4を参照しつつ詳述する。図3は、本実施例の第1基板と第3基板の上面図(a)、AA'矢視断面図(b)であり、図4は、該第1基板と該第3基板とを含む本実施例に係る細胞培養デバイス70の上面図(a)、AA'矢視断面図(b)である。なお、図3及び4では、説明のため内部構造の一部を透過させて図示している。
以下には、第1実施例と異なる点のみを記載する。特に記載がない点は第1実施例と同様である。
本実施例の第1基板11と第3基板51は、PDMSから成る20mm角の基板である。
第1基板11は、厚み1.3mmであり、中央には直径2.5mmの貫通孔12が形成されている。ここで、第1基板11において、貫通孔12の中心軸側を基板の中心側、その反対を外側とし、培養時に細胞培養ディッシュ21と接する側の面を底面、その反対の面を上面とする。第1基板11の上面には、2本の流路(幅0.5mm深さ0.2mm)17a及び17bが形成されており、各流路17a、17bの一端は貫通孔12へ連通している。第1基板11の底面には、貫通孔12を取り囲むように環状凹部14が形成されている。貫通孔12は、培養室の壁面に起因する影によって培養室71内の細胞が観察できないことがないように、観察に用いる顕微鏡のレンズの性能に合わせて、すり鉢状とすることが望ましい。
第3基板51は、厚み3mmであり、内部に内径6mm外径10mm厚さ2mmのネオジム磁石31(第1保持部材に該当する)が封入されている。第3基板51には、ネオジム磁石31より外側の部分に2つの孔(直径1.5mm)52a及び52bが形成されており、本細胞培養デバイス70を組み立てると、この孔52a、52bは、それぞれ、流路17a、17bの他端に連通する。
第1基板11と第3基板51は、例えば真空プラズマなどで表面を活性化させて接合されている。
第1基板11と第3基板51の他の点や細胞培養ディッシュ21、第2保持部材に該当するネオジム磁石32を含むプレート41は、第1実施例と同様である。
図4に示すように、細胞培養時に、接合された第1基板11と第3基板51を載せた細胞培養ディッシュ21をプレート41に載せると、第3基板51内のネオジム磁石31とプレート41内のネオジム磁石32との間に磁気吸引力が働き、第1基板11と細胞培養ディッシュ21は密接に接合される。本実施例においても、第1実施例と同様に、第1基板11の細胞培養ディッシュ21との接触面には、前記貫通孔12の周縁部を除いて環状凹部14が形成されており、両者の接触面が小さくなるため、該接触面の応力は、第1基板11の底面全体が細胞培養ディッシュ21と接している場合より大きくなる。その結果、第1基板11の周縁部は細胞培養ディッシュ21により強く接合される。環状凹部14は、第1基板11が細胞培養ディッシュ21と接触する面の面積を小さくするように、前記貫通孔12を取り囲むように形成されていることが望ましく、ネオジム磁石31とネオジム磁石32との間、さらにはその外周側にわたって形成されていることがより望ましい。
本実施例に係る細胞培養デバイス70においても、培養室71の側面(第1基板11の貫通孔12の内側)と底面(細胞培養ディッシュ21の表面)は別々の部材であるため、第1基板11又は第3基板51と接合した後の第1基板11と細胞培養ディッシュ21に、それぞれ別個に、細胞非接着処理、細胞接着処理を行った後、両者を磁気吸引力で接合することができ、培養室71の局所的な処理が容易に可能となる。
また、本実施例に係る細胞培養デバイス70には、細胞や培地を導入するための孔52a及び流路17aと、培地を排出するための孔52b及び流路17bとが設けられているため、細胞を長期間培養することが可能となる。
[第3実施例]
本発明に係る細胞培養デバイス70の第3実施例について、図5を参照しつつ詳述する。図5は、本実施例に係る細胞培養デバイス70の、貫通孔12の中心軸を含む断面図である。以下には、第1実施例と異なる点のみを記載する。特に記載がない点は第1実施例と同様である。
第1基板11には、ネオジム磁石31の上に、ネオジム磁石31を覆うように、第1ヨーク61が封入されている。第1ヨーク61は、内径がネオジム磁石31と同じで、外径がネオジム磁石31より大きい。第1ヨーク61の外周側の端部は、ネオジム磁石31の厚みと同じ程度、底面側に突出していることが望ましく、この突出した部分61aは、環状凹部14の外周縁より内側にあることがより望ましい。また、第1ヨーク61は、第1基板11に完全に埋め込まれていることが望ましい。
プレート41には、ネオジム磁石32の下に、内径がネオジム磁石32と同じで、外径が第1基板11より大きい第2ヨーク62が包含されている。第2ヨーク62の外周側の端部62aは、ネオジム磁石32の厚みと同じ程度、上面側に突出していることが望ましい。プレート41とネオジム磁石32と第2ヨーク62とは、接着剤によって接合されている。
本実施例において、第1ヨーク61、第2ヨーク62の厚み分だけ、第1基板11、プレート41の厚みが適宜変更されている。
本実施例に係る細胞培養デバイス70によれば、ネオジム磁石31からネオジム磁石32への磁力線又はネオジム磁石32からネオジム磁石31への磁力線は、第1ヨーク61と第2ヨーク62によって第1基板11の外周側に集中するように流れが変えられるため、培養室71を通らず、培養細胞に対する磁気吸引力の影響を低減させることができる。
第1ヨーク61、第2ヨーク62としては、SPCCやS45Cなどが挙げられる。しかし、第1ヨーク61、第2ヨーク62の素材・配置は、ネオジム磁石31からネオジム磁石32への磁力線又はネオジム磁石32からネオジム磁石31への磁力線の流れを、培養細胞に影響を及ぼさないようにすることができる素材・配置であればよく、上記の素材・配置に特に限定されない。
以上、本発明を実施するための形態について具体例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。
11…第1基板
12…貫通孔
14…環状凹部
15…溝
17a、17b…流路
21…細胞培養ディッシュ
31、32…ネオジム磁石
41…プレート
42…開口
51…第3基板
52a、52b…孔
61…第1ヨーク
62…第2ヨーク
70…細胞培養デバイス
71…培養室

Claims (9)

  1. 貫通孔を有する第1基板と、
    前記貫通孔の一端を塞ぐように前記第1基板の下面側に配置され第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを磁気吸引力によって接合させる磁力対である第1保持部材及び第2保持部材と
    を含み、前記第1保持部材は前記貫通孔を取り囲むように環状に前記第1基板側に配置され、前記第2保持部材は前記第2基板側に配置されていることを特徴とする細胞培養デバイス。
  2. 貫通孔を有する第1基板と、
    前記貫通孔の一端を塞ぐように前記第1基板の一面側に配置され第2基板と、
    前記貫通孔の他端を塞ぐように前記第1基板の他面側に配置された第3基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを磁気吸引力によって接合させる磁力対である第1保持部材及び第2保持部材と
    を含み、前記第1保持部材は前記貫通孔の中心軸を取り囲むように環状に前記第3基板に配置され、及び前記第2保持部材は前記第2基板側に配置されていることを特徴とする細胞培養デバイス。
  3. 前記第1基板の前記第2基板との接合面には、前記貫通孔の周縁部を除いて凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞培養デバイス。
  4. 前記凹部は、前記第1保持部材と前記第2保持部材の間に位置するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の細胞培養デバイス。
  5. 前記凹部は、前記第1保持部材よりも外側に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の細胞培養デバイス。
  6. 前記第1保持部材は前記第1基板内に完全に包埋されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の細胞培養デバイス。
  7. 前記第1基板は親水性基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養デバイス。
  8. 前記第1基板はガス透過性を有する樹脂から作製されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の細胞培養デバイス。
  9. 第1基板の第3基板との接合面には、その一端が前記貫通孔に連通した流路が形成され、第3基板には、前記流路に連通した孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の細胞培養デバイス。
JP2013043424A 2013-03-05 2013-03-05 細胞培養デバイス Active JP6120314B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013043424A JP6120314B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 細胞培養デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013043424A JP6120314B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 細胞培養デバイス

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014171389A JP2014171389A (ja) 2014-09-22
JP2014171389A5 JP2014171389A5 (ja) 2016-02-12
JP6120314B2 true JP6120314B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=51693369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013043424A Active JP6120314B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 細胞培養デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6120314B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6183289B2 (ja) * 2014-05-14 2017-08-23 株式会社島津製作所 細胞培養デバイス
JP2021069344A (ja) * 2019-10-31 2021-05-06 株式会社リコー 試料容器、蓋付き試料容器、細胞入り容器
CN114107194B (zh) * 2021-11-22 2024-01-30 颐华国韵(河南)生物科技有限公司 一种免疫细胞扩增培养方法及装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0853659B1 (de) * 1995-10-06 2000-05-10 Microcloning CCCD AB Kompaktzellkulturscheibe
JP3878709B2 (ja) * 1997-03-31 2007-02-07 ミクロクローニング シーシーシーデー エイビー 生物試料を培養するための配列、その製法及びそれによる測定方法
JP2004000163A (ja) * 2002-03-29 2004-01-08 Shimadzu Corp 細胞の処理に用いるセル
JP4078425B2 (ja) * 2003-11-25 2008-04-23 独立行政法人産業技術総合研究所 試料基板ホルダ及びその利用方法
JP4475525B2 (ja) * 2005-02-10 2010-06-09 国立大学法人京都工芸繊維大学 偏光解消法による生体高分子のスクリーニング方法
JP2009022247A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Toshiba Corp 培養容器及び培養組織回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014171389A (ja) 2014-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10126299B2 (en) Amplification of biological targets via on-chip culture for biosensing
JP6120314B2 (ja) 細胞培養デバイス
Wondraczek et al. Artificial microbial arenas: materials for observing and manipulating microbial consortia
US9085792B2 (en) Methods for inoculating culture media on Petri dishes by means of vibration frequencies
US10988723B1 (en) Modular assemblies and systems for cell cultures and methods thereof
US8114646B2 (en) Method for ultrasonic cell removal
WO2007080600A9 (en) Device for culturing and transporting cells
JP2009513111A (ja) 増殖培地を含むカセット
US10704074B2 (en) Method for detecting organisms in a diluted sample
Beier et al. Cryopreservation with a twist–Towards a sterile, serum-free surface-based vitrification of hESCs
CN103060195A (zh) 一种多细胞共培养的微流控芯片及其制备方法
JP2004000163A (ja) 細胞の処理に用いるセル
JP2014128247A (ja) 細胞培養容器、細胞培養用具、及び細胞培養方法
US10365191B2 (en) Method for treating biological samples, especially food samples
JP4219158B2 (ja) 細胞培養用セル
CN103060196A (zh) 一种新型高效微流控多细胞共培养芯片及其制备方法
JP2013165662A (ja) 細胞培養デバイス
JP6183289B2 (ja) 細胞培養デバイス
WO2018043576A1 (ja) 細胞培養容器
WO2017111054A1 (ja) 培養容器
CN114311725B (zh) 一种水基微液滴无损操作装置与制备方法
JP2014171389A5 (ja)
CN103045476A (zh) 一种研究细胞间作用的微流控芯片及其制备方法
JP2018143210A (ja) 細胞培養容器
JP2005295969A (ja) 細胞分離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6120314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250