JP2013165662A - 細胞培養デバイス - Google Patents

細胞培養デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2013165662A
JP2013165662A JP2012030204A JP2012030204A JP2013165662A JP 2013165662 A JP2013165662 A JP 2013165662A JP 2012030204 A JP2012030204 A JP 2012030204A JP 2012030204 A JP2012030204 A JP 2012030204A JP 2013165662 A JP2013165662 A JP 2013165662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
culture chamber
cell culture
sheet
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012030204A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5731421B2 (ja
Inventor
Yoichi Fujiyama
陽一 藤山
Yoichi Tagawa
陽一 田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
Shimadzu Corp
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2012030204A priority Critical patent/JP5731421B2/ja
Publication of JP2013165662A publication Critical patent/JP2013165662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5731421B2 publication Critical patent/JP5731421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/02Form or structure of the vessel
    • C12M23/12Well or multiwell plates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/14Scaffolds; Matrices

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】細胞培養デバイスの培養室に収容されたゲルの表面の平坦な部分の面積を大きくする。
【解決手段】培養室3aの内壁側面は、ゲル19に濡れない素材であるPTFEシート11で形成された部分と、ゲル19に濡れる素材であるPDMSシート9で形成された部分とを備えている。ゲル19に濡れない素材であるPTFEシート11は、培養室3aの内壁側面において培養室3の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されている。PTFEシート11と培養室3の底面との間の培養室3の内壁側面はゲル19に濡れる素材であるPDMSシート9によって形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の足場となるゲルが収容される培養室を備えた細胞培養デバイスに関する。
細胞培養は、一般的にシャーレ等の容器に細胞及び液体状の培地を収容した状態で行なわれる。しかし、近年、半導体製造分野での微細加工技術の進歩に伴って、医療やバイオテクノロジーの研究分野でも微細加工技術によって製造されたマイクロデバイスの応用が進められている。そして、マイクロデバイスを用いた細胞培養が行われるようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
細胞培養用のマイクロデバイス(細胞培養デバイス)は、平板状基材の内部に培養室と微小流路が形成されて成るものである。その培養室に細胞及び培地が収容されて細胞培養が行なわれる。
ところで、近年、人工臓器の開発に期待が寄せられている。生体の化学工場にたとえられる肝臓は、判明しているだけで500種類以上の代謝反応を行なっているとされる。このような肝臓の機能を人工的な装置で全て補うことは中長期的にみても極めて困難であると考えられている。そこで、生体の肝細胞を利用することが提案されている。このような技術は肝細胞と人工装置の組み合わせであることからハイブリッド型の人工肝臓と呼ばれる。
従来の人工肝臓システムでは、ブタなどから取り出した肝組織を用いて肝機能を補助することを目的としている。
肝臓は生体内では肝実細胞の他に、類洞内皮細胞などが規則正しく配列され、細胞間のシグナル伝達や体液の循環が正常な機能を維持するために重要な役割を果たしていると考えられる。特に、肝実質細胞と類洞内皮細胞は並行して並んでおり、それらの細胞列間は直接接触していない。それらの間にはディッセ腔と呼ばれる細胞外マトリックスがある。
それぞれの細胞列の外側は、肝実質細胞側は胆管、類洞内皮細胞側は血管となっている。肝機能を有する人工肝システムを確立するためには、これらの細胞種の規則正しい配置と細胞外マトリックスの構築が重要である。薬物や栄養物は血管側から供給され、胆管側に排出される。培養した細胞を用いた人工肝システムヘの取り組みもなされているが、安定したシステムは構築できていない。
また、肝細胞の培養そのものが難しく、その上、生体内の肝臓に近い組織を形成することはさらに困難である。このような理由から、長期間にわたって安定な肝機能を維持できる人エシステムは構築できていない。
この問題の対策として、本願発明者らは、EHS−gel(Engelbreth-Holm-Swarm sarcoma-derived matrix)上でネットワーク構造を構築した類洞内皮細胞に肝実質細胞が組み込まれていくことを見いだし(非特許文献1)、生体内に近い構造の肝組織デバイスを提案している。
特開2008−519598号公報
藤山陽一、田川陽一、他5名、「管化内皮細胞培養システムを用いた肝実質細胞との共培養における肝機能の解析」、第30回日本分子生物学会年会予稿集、2007年
しかしながら、細胞培養デバイスの培養室にEHS−gelを塗布すると、ゲルが培養室の内壁側面に引っ張られて凹型のメニスカスが形成され、ゲル表面の平坦な部分が中央部に限られてしまうという問題があった。内皮細胞がネットワーク構造を形成するのはゲルが平坦な部分のみである。したがって、上記問題は培養室の小容量化や肝機能の十分な発現を妨げる。
本発明は、細胞の足場材となるゲルが収容される培養室を備えた細胞培養デバイスにおいて、ゲル表面の平坦な部分の面積を大きくすることを目的とする。
本発明にかかる細胞培養デバイスは、細胞の足場材となるゲルが収容される培養室を備えた細胞培養デバイスであって、上記培養室の内壁側面はゲルに濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分とを備え、上記ゲルに濡れない素材は、上記内壁側面において上記培養室の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されており、上記ゲルに濡れない素材と上記底面との間の上記内壁側面は上記ゲルに濡れる素材によって形成されていることを特徴とする細胞培養デバイスである。
ここで、「ゲルに濡れない素材」とは固体状になる前の流動性をもつ状態のゲルとの接触角が90度以上の素材である。「ゲルに濡れる素材」とは固体状になる前の流動性をもつ状態のゲルとの接触角が90度未満の素材である。
本発明の細胞培養デバイスでは、培養室の内壁側面はゲルに濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分とを備えている。ゲルに濡れない素材は、培養室の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されている。さらに、ゲルに濡れない素材と培養室の底面との間の培養室の内壁側面はゲルに濡れる素材によって形成されている。固体化する前の流動性をもつ状態のゲルが培養室内に注入される際、ゲルの表面が濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分の境界の高さになるように、所定量のゲルが培養室内に注入される。これにより、従来の細胞培養デバイスを用いた場合に比べて、ゲル表面に形成されるメニスカスは小さくなる又は形成されない。
本発明の細胞培養デバイスにおいて、上記ゲルに濡れない素材の例としてPTFE(polytetrafluoroethylene)又はフッ素樹脂が挙げられる。ただし、本発明の細胞培養デバイスにおいて、ゲルに濡れない素材はこれらに限定されない。
また、上記ゲルに濡れない素材は多孔質のものである例を挙げることができる。ただし、本発明の細胞培養デバイスにおいて、ゲルに濡れない素材は多孔質のものに限定されない。
また、上記ゲルに濡れる素材の例としてPDMS(polydimethylsiloxane)又はシリコーンゴムが挙げられる。ただし、本発明の細胞培養デバイスにおいて、ゲルに濡れる素材はこれらに限定されない。
本発明の細胞培養デバイスにおいて、上記培養室は、下層側PDMSシート、PTFEシート、上層側PDMSシートが下層側から順に積層された積層体に対して積層方向に形成された貫通孔と、上記下層側PDMSシートの上記PTFEシートとは反対側の面に配置された底板によって形成された空間を備えており、上記培養室内壁に露出した上記PTFEシートの部分によって上記ゲルに濡れない素材で形成された部分が構成され、上記培養室内壁に露出した上記下層側PDMSシートの部分によって上記ゲルに濡れる素材で形成された部分が構成されている例を挙げることができる。ただし、本発明の細胞培養デバイスにおいて、培養室の構成はこれに限定されない。
本発明の細胞培養デバイスは、培養室の内壁側面に関し、ゲルに濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分とを備えている。ゲルに濡れない素材は、培養室の内壁側面において培養室の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されている。ゲルに濡れない素材と培養室の底面との間の培養室の内壁側面はゲルに濡れる素材によって形成されている。本発明の細胞培養デバイスにおいて、ゲルの表面が濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分の境界の高さになるように、所定量のゲルが培養室内に注入されことにより、従来の細胞培養デバイスを用いた場合に比べて、ゲル表面に形成されるメニスカスは小さくなる又は形成されない。これにより、培養室内に塗布されたゲルの表面の平坦な部分の面積は、従来の細胞培養デバイスを用いた場合に比べて大きくなる。
本発明の細胞培養デバイスの一実施例の断面図である。 同実施例の平面図である。 同実施例を構成する各部材を分解して示した平面図である。 本実施例の細胞培養デバイスに塗布されたゲルの写真である。 従来の細胞培養デバイスに塗布されたゲルの写真である。 本実施例の細胞培養デバイスで培養された内皮細胞のネットワーク形成状態を示す写真である。 従来の細胞培養デバイスで培養された内皮細胞のネットワーク形成状態を示す写真である。
図1は本発明の細胞培養デバイスの一実施例の断面図である。図2は同実施例の平面図である。図1の断面は図2のA−A位置に対応している。図3は同実施例を構成する各部材を分解して示した平面図である。
細胞培養デバイス1は、大きく分けて本体3とカバー部材5から成る。本体3は、底板7、下層側PDMSシート9、PTFEシート11、上層側PDMSシート13、流路形成用PDMSシート15及び封止用PDMS17を備えている。
底板7は例えばガラス基板で形成されている。底板7の寸法は例えば長さが20mm(ミリメートル)、幅が20mm、厚みが1mmである。底板7は例えば樹脂基板や細胞培養用ディッシュなど、ガラスとは異なる素材で形成されたものであってもよい。底板7は、後述するゲルに濡れる素材で形成されていることが好ましい。ただし、底板7の素材はゲルに濡れない素材であってもよい。
下層側PDMSシート9、上層側PDMSシート13及び流路形成用PDMSシート15はPDMS(東レ・ダウコーニング株式会社製、SILPOT184)で形成されている。PDMSシート9,13,15の寸法は例えば長さが18mm、幅が18mm、厚みが0.5mmである。
PTFEシート11はPTFE(日本ゴア株式会社製、ゴア(登録商標)ハイパーシート(登録商標)ガスケット)で形成されている。PTFEシート11の寸法は例えば長さが18mm、幅が18mm、厚みが約0.5mmである。
カバー部材5は例えばシリコーンゴムで形成されている。カバー部材5の寸法は例えば長さが20mm、幅が20mm、厚みが3mmである。
下層側PDMSシート9、PTFEシート11、上層側PDMSシート13及び流路形成用PDMSシート15は、それらのシート9,11,13,15の周囲に形成された封止用PDMS17によって一体化されている。PDMS17を用いて封止した後の平面寸法は例えば長さが20mm、幅が20mmである。
シート9,11,13,15の中央に、それぞれ直径6mmの貫通孔9a,11a,13a,15aが形成されている。貫通孔9a,11a,13a,15a及び底板7によって培養室3aが形成されている。なお、培養室3aの内壁に露出したPTFEシート11の部分によって、本発明の細胞培養デバイスにおける「ゲルに濡れない素材で形成された部分」が構成されている。また、培養室3aの内壁に露出した下層側PDMSシート9の部分によって、本発明の細胞培養デバイスにおける「ゲルに濡れる素材で形成された部分」が構成されている。
流路形成用PDMSシート15の隅には直径1.5mmの貫通孔15bが形成されている。流路形成用PDMSシート15の下面(上層側PDMSシート13側の面)に深さ0.1mmの凹部15cが形成されている。凹部15cは貫通孔15aの周縁部に設けられた幅1mmのドーナツ状の溝と、その溝と貫通孔15bを連結する幅2mmの溝とで形成されている。
カバー部材5に、貫通孔15bに対応する位置に直径1.5mmの貫通孔5bが形成されている。カバー部材5には、貫通孔5bが設けられた隅と対向する隅に直径1.5mmの貫通孔5aも形成されている。カバー部材5の下面(本体3側の面)に深さ0.1mmの凹部5cが形成されている。凹部5cはカバー部材5の中央部に設けられた直径6mmの凹部と、その凹部と貫通孔5aを連結する幅2mmの溝とで形成されている。
本体3の製造工程の一例について説明する。
貫通孔15a,15bが形成されておらず、凹部15cが形成されている流路形成用PDMSシート15に対して貫通孔15bが形成される。貫通孔15bが形成された流路形成用PDMSシート15と、貫通孔13aが形成されていない上層側PDMSシート13とが貼り合わせられる。その際、シート13,15の接合面にはプラズマ処理が施される。貼り合わせられたシート13,15の中央部に貫通孔13a,15aが形成される。
貫通孔9aが形成されていない下層側PDMSシート9の上に、貫通孔11aが形成されていないPTFEシート11が配置される。このときのPTFEシート11の厚みは0.5mmである。PTFEシート11の上に、シート13,15の積層体が配置される。
シート9,11,13,15の積層体の周囲が封止用PDMS17によって封止される。これにより、シート9,11,13,15が一体化される。このとき、流路形成用PDMSシート15が下層側PDMSシート9側に加圧された状態で封止処理が行なわれることにより、多孔質のPTFEシート11の厚みが減少した状態で、一体化されたシート9,11,13,15及び封止用PDMS17が形成される。すなわち、流路形成用PDMSシート15への加圧の程度を調節することにより、シート9,11,13,15の積層体の厚みを調節できる。なお、封止処理の際に、下層側PDMSシート9が流路形成用PDMSシート15側に加圧されることによっても同じ作用及び効果が得られる。
一体化されたシート9,11,13,15及び封止用PDMS17のシート9,11に対して、貫通孔13a,15aの位置に合わせて貫通孔9a,11aが形成される。下層側PDMSシート9の下面(PTFEシート11とは反対側の面)に底板7が貼り合わされる。これにより、貫通孔9a,11a,13a,15a及び底板7で構成された培養室3aが形成される。
このようにして形成された本体3の上面(流路用PDMSシート15の上層側PDMSシート13とは反対側の面)にカバー部材5が貼り付けられることにより、細胞培養デバイス1が形成される。本体3とカバー部材5は自己吸着によってある程度の液密を保てる。本体3とカバー部材5を固定具により固定すれば、より安定したデバイスを形成できる。
細胞培養デバイス1が使用されるときの動作について説明する。
本体3及びカバー部材5をオートクレーブやアルコール等によって滅菌処理する。カバー部材5を外した状態で培養室3aの底面に細胞の足場材となるゲル19を塗布する。ゲル19としては、例えばEHS−gelを好適に用いることができる。EHS−gelは、EHSマウス肉腫細胞から単離した基底膜調製物であり、ラミニン、IV型コラーゲン及びプロテオグリカンを豊富に含んでいる。このEHS−gelは低温で液状化し、常温で固体状となる。
本体3が冷却した板の上に置かれる。冷却されたEHS−gelがマイクロピペットで14μL(マイクロリットル)によって培養室3aに流し込まれる。培養室3aに収容されたEHS−gelは、冷えて粘性の低いうちに培養室3内に均等になるように拡げられる。ここで、底板7はゲル19(EHS−gel)に濡れる素材で形成されていることが好ましい。底板7がゲル19に濡れない素材で形成されている場合、ゲル19と底板7との間に気泡が形成されることが懸念されるからである。
培養室3aに収容されたゲル19の厚みは均等になれば約0.5mmである。培養室3aの内壁側面において、最下層の下層側PDMSシート9の厚みは0.5mmである。下層側PDMSシート9の上層にはPTFEシート11が配置されている。ゲル19と下層側PDMSシート9の接触角は90度未満である。ゲル19とPTFEシート11の接触角は90以上である。すなわち、培養室3aに収容されたゲル19において、PTFEシート11で形成された培養室3aの内壁側面の部分にはゲル19が濡れないので、メニスカスが形成されない。これにより、培養室3aに収容されたゲル19の表面はほぼ平坦になる。
本体3がインキュベーターの中に移動される。培養室3aに収容されたゲル19は固体化する。
図4は、本実施例の細胞培養デバイスに塗布されたゲルの写真である。図5は、従来技術の細胞培養デバイスに塗布されたゲルの写真である。図4及び図5において、白い部分がゲル表面の平坦な部分を示す。従来技術としては培養室の内壁側面がPDMSのみで形成されたものを用いた。
本実施例(図4)と従来技術(図5)を比較すると、本実施例のほうが従来技術に比べてゲル表面の平坦な部分の面積が大きいことがわかる。従来技術の細胞培養デバイスでは、培養室内に収容されたゲル19に凹状のメニスカスが形成されているからである。
細胞培養デバイス1によって細胞培養を行なう際には、ゲル19が塗布された培養室3aに、カバー部材5を外した状態で培地及び細胞を収容し、その後、カバー部材5を本体3に取り付ける。このとき、カバー部材5を構成するシリコーンゴムの自己吸着性によりカバー部材5が本体3に密着する。なお、培養室3aに収容される細胞は組織片の形で培養室3aに収容してもよいし、個々の細胞に分離させた状態で収容してもよい。
図1中の矢印を参照して細胞培養デバイス1に供給される培地の流れを説明する。
貫通孔5bに培地が供給される。供給された培地は貫通孔15b及び凹部15cを介して培養室3a内に導入される。培養室3aへの培地の導入に伴い、培養室3a内の培地の一部は、凹部5c及び貫通孔5aを介して細胞培養デバイス1の外部へ排出される。
図6は、本実施例の細胞培養デバイスで培養された内皮細胞のネットワーク形成状態を示す写真である。図7は、従来の細胞培養デバイスで培養された内皮細胞のネットワーク形成状態を示す写真である。
従来技術(図7)では、培養室内に収容されたゲル19に凹状のメニスカスが形成されているために、ゲル19表面に平坦な部分が少なく、均一な内皮細胞21のネットワークが形成されていない。
本実施例(図6)では、培養室内に収容されたゲル19のメニスカスが小さいので、従来技術に比べてゲル19表面の平坦な部分が大きく、比較的均一な内皮細胞21のネットワークが形成されている。
以上の実施例は本発明の一例であり、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記細胞培養デバイスを構成する各部材の素材や寸法、配置などは、上記実施例に限らず、種々の変更が可能である。
例えば、PDMSに替えてシリコーンゴムが用いられてもよい。また、PTFEに替えて他のフッ素樹脂が用いられてもよい。
また、上記実施例では、培養室3aの内壁側面は4層のシート9,11,13,15によって形成されているが、本発明はこれに限定されない。本発明の細胞培養デバイスにおいて、培養室の内壁側面は、ゲルに濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分とを備え、ゲルに濡れない素材は、培養室の内壁側面において培養室の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されており、ゲルに濡れない素材と培養室の底面との間の内壁側面はゲルに濡れる素材によって形成されている構成であれば、どのような構成であってもよい。
また、上記実施例において、流路(溝5c,15c)の構成は種々の変更が可能である。例えば、カバー部材5に形成された溝5cは、流路用PDMSシート15の上面に形成されていてもよいし、流路用PDMSシート15の下面又は上層側PDMSシート13の上面に形成されていてもよい。また、流路用PDMSシート15に形成された溝15cは上層側PDMSシート13の上面に形成されていてもよい。
また、カバー部材5とPDMSシート15の間で貫通孔15aに対応する部分にフィルターを配置するようにしてもよい。これにより、ゲル19による流路の詰まりを軽減することができる。
1 細胞培養デバイス
3a 培養室
7 底板
9 下層側PDMSシート(ゲルに濡れる素材)
11 PTFEシート(ゲルに濡れない素材)
13 上層側PDMSシート
19 ゲル

Claims (5)

  1. 細胞の足場材となるゲルが収容される培養室を備えた細胞培養デバイスにおいて、
    前記培養室の内壁側面はゲルに濡れない素材で形成された部分とゲルに濡れる素材で形成された部分とを備え、
    前記ゲルに濡れない素材は、前記内壁側面において前記培養室の底面から所定の間隔をもって、かつ上方から見て環状に配置されており、
    前記ゲルに濡れない素材と前記底面との間の前記内壁側面は前記ゲルに濡れる素材によって形成されていることを特徴とする細胞培養デバイス。
  2. 前記ゲルに濡れない素材はPTFE又はフッ素樹脂である請求項1に記載の細胞培養デバイス。
  3. 前記ゲルに濡れない素材は多孔質のものである請求項1又は2に記載の細胞培養デバイス。
  4. 前記ゲルに濡れる素材はPDMS又はシリコーンゴムである請求項1から3のいずれか一項に記載の細胞培養デバイス。
  5. 前記培養室は、少なくとも下層側PDMSシート、PTFEシート、上層側PDMSシートが下層側からその順に積層された積層体に対して積層方向に形成された貫通孔と、前記下層側PDMSシートの前記PTFEシートとは反対側の面に配置された底板によって形成された空間を備えており、
    前記培養室内壁に露出した前記PTFEシートの部分によって前記ゲルに濡れない素材で形成された部分が構成され、
    前記培養室内壁に露出した前記下層側PDMSシートの部分によって前記ゲルに濡れる素材で形成された部分が構成されている請求項1に記載の細胞培養デバイス。
JP2012030204A 2012-02-15 2012-02-15 細胞培養デバイス Active JP5731421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012030204A JP5731421B2 (ja) 2012-02-15 2012-02-15 細胞培養デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012030204A JP5731421B2 (ja) 2012-02-15 2012-02-15 細胞培養デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013165662A true JP2013165662A (ja) 2013-08-29
JP5731421B2 JP5731421B2 (ja) 2015-06-10

Family

ID=49176676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012030204A Active JP5731421B2 (ja) 2012-02-15 2012-02-15 細胞培養デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5731421B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015159333A1 (ja) * 2014-04-14 2015-10-22 株式会社島津製作所 細胞培養用デバイス、細胞培養用システム及び細胞培養方法
JP2015216851A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社島津製作所 細胞培養デバイス
KR20200105258A (ko) * 2019-02-28 2020-09-07 인제대학교 산학협력단 뇌 혈관 장벽의 개폐 기능 조절이 가능한 3차원 생체 모사 구조체 및 이를 포함하는 약물 전달 실험 장치
JP2021048778A (ja) * 2019-09-20 2021-04-01 株式会社島津製作所 細胞回収方法および細胞培養装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1043083B1 (en) 2018-11-20 2020-06-03 Bosch Gmbh Robert Multi-layer blanking process and device for the manufacture of metal parts such as rotor and stator lamination sheets for an electric motor

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05181068A (ja) * 1991-08-20 1993-07-23 Hoya Corp メニスカス制御用平板
US20050170498A1 (en) * 2004-01-30 2005-08-04 Dolley Paula J. Multiwell plate and method for making multiwell plate using a low cytotoxicity photocurable adhesive
US20070274871A1 (en) * 2006-05-23 2007-11-29 Genetix Limited Well plate
US20090203065A1 (en) * 2008-01-30 2009-08-13 Jennifer Gehman Cell culture article and screening
US20100047845A1 (en) * 2007-02-26 2010-02-25 Stemcell Technologies Inc. Method of reducing curvature in a meniscus of liquid medium
JP2011244713A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Shimadzu Corp 細胞培養デバイス、細胞培養システム、及び細胞培養方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05181068A (ja) * 1991-08-20 1993-07-23 Hoya Corp メニスカス制御用平板
US20050170498A1 (en) * 2004-01-30 2005-08-04 Dolley Paula J. Multiwell plate and method for making multiwell plate using a low cytotoxicity photocurable adhesive
JP2007526767A (ja) * 2004-01-30 2007-09-20 コーニング インコーポレイテッド マルチウェルプレートおよび低細胞毒性光硬化性接着剤を用いたマルチウェルプレートの製造方法
US20070274871A1 (en) * 2006-05-23 2007-11-29 Genetix Limited Well plate
US20100047845A1 (en) * 2007-02-26 2010-02-25 Stemcell Technologies Inc. Method of reducing curvature in a meniscus of liquid medium
US20090203065A1 (en) * 2008-01-30 2009-08-13 Jennifer Gehman Cell culture article and screening
JP2011514145A (ja) * 2008-01-30 2011-05-06 ジェロン・コーポレーション 細胞培養製品およびスクリーニング
JP2011244713A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Shimadzu Corp 細胞培養デバイス、細胞培養システム、及び細胞培養方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015159333A1 (ja) * 2014-04-14 2015-10-22 株式会社島津製作所 細胞培養用デバイス、細胞培養用システム及び細胞培養方法
JPWO2015159333A1 (ja) * 2014-04-14 2017-04-13 株式会社島津製作所 細胞培養用デバイス、細胞培養用システム及び細胞培養方法
US10301586B2 (en) 2014-04-14 2019-05-28 Shimadzu Corporation Cell culturing device, cell culturing system and cell culturing method
JP2015216851A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社島津製作所 細胞培養デバイス
KR20200105258A (ko) * 2019-02-28 2020-09-07 인제대학교 산학협력단 뇌 혈관 장벽의 개폐 기능 조절이 가능한 3차원 생체 모사 구조체 및 이를 포함하는 약물 전달 실험 장치
KR102247512B1 (ko) 2019-02-28 2021-04-30 인제대학교 산학협력단 뇌 혈관 장벽의 개폐 기능 조절이 가능한 3차원 생체 모사 구조체 및 이를 포함하는 약물 전달 실험 장치
JP2021048778A (ja) * 2019-09-20 2021-04-01 株式会社島津製作所 細胞回収方法および細胞培養装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5731421B2 (ja) 2015-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ashammakhi et al. Kidney-on-a-chip: untapped opportunities
Pasman et al. Flat and microstructured polymeric membranes in organs-on-chips
Leclerc et al. Cell culture in 3-dimensional microfluidic structure of PDMS (polydimethylsiloxane)
JP5731421B2 (ja) 細胞培養デバイス
Oliveira et al. Superhydrophobic chips for cell spheroids high-throughput generation and drug screening
Gao et al. Recent developments in microfluidic devices for in vitro cell culture for cell-biology research
Gauvin et al. Microscale technologies and modular approaches for tissue engineering: moving toward the fabrication of complex functional structures
JP5700460B2 (ja) 細胞培養デバイス及び細胞培養方法
US9260688B2 (en) Methods and apparatus for cell culture array
Kobayashi et al. Preparation of stripe-patterned heterogeneous hydrogel sheets using microfluidic devices for high-density coculture of hepatocytes and fibroblasts
JP5686310B2 (ja) 細胞培養デバイス、細胞培養システム、及び細胞培養方法
Li et al. Selective stamp bonding of PDMS microfluidic devices to polymer substrates for biological applications
Zhang et al. Recent Advances in Microfluidic Platforms for Programming Cell‐Based Living Materials
WO2006052223A1 (en) Cell culture device
Abhyankar et al. A reversibly sealed, easy access, modular (SEAM) microfluidic architecture to establish in vitro tissue interfaces
CN102449135A (zh) 用于细胞或组织培养的设备
WO2009099066A1 (ja) バイオデバイス
WO2017175236A1 (en) Microfluidic platform for developing in-vitro co-cultures of mammalian tissues.
Yajima et al. Facile fabrication processes for hydrogel-based microfluidic devices made of natural biopolymers
Hwang et al. Three dimensional multicellular co-cultures and anti-cancer drug assays in rapid prototyped multilevel microfluidic devices
Goral et al. Microfluidic platforms for hepatocyte cell culture: new technologies and applications
Ayuso et al. SU-8 based microdevices to study self-induced chemotaxis in 3D microenvironments
Winkler et al. Sorption of Neuropsychopharmaca in Microfluidic Materials for In Vitro Studies
Cui et al. Pulsed microfluid force-based on-chip modular fabrication for liver lobule-like 3D cellular models
Ota et al. Microtechnology-based three-dimensional spheroid formation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5731421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250