JP3878709B2 - 生物試料を培養するための配列、その製法及びそれによる測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに隔離された顕微鏡的次元の生存空間の配列と、このような配列の製造方法と、この配列を利用した調査および測定のための方法とに関する。
【0002】
【従来の技術,発明が解決しようとする課題】
ここに記述する本発明は、単細胞生物、細胞集合体または多細胞微生物の形をとる顕微鏡観察の生物試料の培養に適した平面ディスクに配置された浅いピットの形態をとるマイクロチャンバの設計と使用とに関する。このような「コンパクト細胞培養ディスク」(CCCD)の1つは、同時培養、クローニング、機器観察または肉眼観察、および場合により隔離して閉じ込めた数百から数千の生物試料の保管(インヴィトロまたはポストモルテム)を可能にする。その目標は、一様の培養条件下で前述のような試料セットにおいて顕微鏡的および物理的化学的パラメータの効率的な、精密かつ再現可能の研究を可能にすることである。このために、試料(単細胞、受精卵、胚など)は個別的にそれぞれ1つの隔離された該試料自体のマイクロチャンバに植えつけられることができる。前記マイクロチャンバは、シリコン、石英、ガラス、プラスチックまたはこれらの適切な複合材から作られ底板に確実に取付けられた薄い生化学的に不活性の薄膜中の小孔(典型的な場合は直径500〜5000マイクロメータ)で画定された浅い(典型的な場合では深さ10〜100マイクロメータ)の円筒状のピットから成る。このピットは半透過性被膜(図1)から形成される薄いプラスチック膜で被覆することができる。この方法でCCCDに対し最適かつ一様に呼吸ガス、栄養素、抗生物質、試薬等の制御を保証することが可能になる。この方法により各ピットは、内部環境が被覆薄膜の透過性の性質によって決定される閉鎖した無菌のマイクロチャンバを提供することができる。巨大分子の培地成分はピットが閉じられる前またはその後に被覆膜を通して注入することができる。上述の配列は顕微鏡観察の生物試料の個別的培養および顕微鏡分析または機器分析のために優れた条件を提供する。これに加え、実験用または他の用途のために、物理的、化学的または生物学的薬品に対する暴露を管理することができる。ウィルスおよびバクテリアに対し不透過性の薄膜で被覆されたとき、小室は閉鎖生物系を形成し、事実上無菌の微小実験室として機能する。培養後および実験後、調査した物質は、CCCDから移動することなく、別の分析または保管のために固着または凍結することができる。
【0003】
種々の生物学的専門分野(細胞生物学および分子生物学、微生物学、遺伝学、免疫学、腫瘍学、放射線生物学、薬理学、胎生学など)において、生物学的な微小試料の個別培養、成長特性の研究またはその他の細胞生物学的なパラメータ、細胞クローニングおよびクローン選別および資料整備、記録および保管に対する要請がある(インヴィトロまたはポストモルテム)。この理由から、本発明自体の記載に加え、本明細書の記述は、顕微鏡観察および物理的化学的測定へのCCCDの適合を明らかにする。
【0004】
上述の技術は、基礎生物医学および生物工学研究、およびそれらの継続開発および実地適用、たとえば臨床診断および治療計画、毒物学および胎生衛生学に適用するような工業用遺伝子工学の分野において本発明の効率的使用のために欠くことができない。CCCDはとりわけ単細胞からの娘細胞個体群の製造のために好ましい条件を提供する(細胞クローニング)。一様の培養条件下で、多数の細胞クローンを製造し、かつ一定のサイズで、たとえば1000〜10000細胞を提供することを可能にする。この状況は、特に遺伝子工学研究と腫瘍診断において著しい利益をもたらす。
【0005】
腫瘍診断においては、たとえば典型的な場合では数十万から数百万の腫瘍および支質細胞を含む腫瘍生検は、同一のCCCDにおいて同時に数千の細胞クローンの成長によって適切に代表させることができる。このために、腫瘍から得られた分散単細胞は一つ一つの微小ピットの中で自動的に植え込むことができる。選択肢として、一つは高度に希釈した細胞懸濁液による無作為植え込みに再仕分けすることができる。これは通常1ピットあたり細胞1または0の植え込みを成功に導く技術である。
【0006】
ピットの被覆薄膜は、バクテリア、ウィルスおよびその他の生物汚染因子に対し非透過性にすることができるので、既存のマイクロチャンバは細胞生物学的に無菌実験室として使用することができる。問題はこのカバー薄膜を通して栄養素およびその他の物質を極く限定して交換するときに生ずる。ところが、ここに提案した個々の培養の構造と微小の細胞質量とにより、この交換の問題は除去もしくは抑制することができる。
【0007】
本発明の課題の一つは、ある配列を利用し同時に相互に広範に独立して多数の生物試料を培養し、それと同時に最も簡単な方法で観察できる配列を作ることである。単一クローンの細胞個体群の場合では、特に培養と分析のために好ましい条件を可能にする小室状の微小実験室が構築されなければならない。これにより、たとえば遺伝子に一様性があるとき、数十万または数百万の細胞を含む腫瘍試料からクローン細胞の代表選別について信頼しうる特性化が可能になる長所が提供されなければならない。本発明に基づく課題は、たとえば臨床腫瘍学において、個々の、互いに隔離した、少なくとも約1000クローンのための個別的な場所を構築することにより解決されなければならない。これにより上述の選別の所望の代表のための条件が作られる。この配列は当然ながら培養育種、研究および保管のために少量の細胞個体群から単一細胞まで1つの微小実験室で使用できなければならない。
【0008】
もう1つ別の課題は、この配列を最も簡単な方法で個々の細胞を供給することができ、培養中および成長と細胞性質の観察中に成長条件の一様性に及ぼすすべての望ましくない外部の影響をマイクロチャンバもしくは個々の「ピット」の中で除去することである。
【0009】
さらにもう1つの課題は、本発明に基づいて構築された配列もしくはその中に配列された細胞または生物培養を成長段階中に記録し、もしくは評価する適切な測定方法を構築することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づき設定された課題は、特に請求項1に記載された配列を利用して解決される。
【0011】
本発明に基づき、多数のマイクロチャンバもしくは「ピット」を有し、互いに隔離され、かつたとえば円板状の平坦な受け台上に顕微鏡観察の精度でハニカム状に配列される細胞を培養するための配列が提案される。マイクロチャンバは半透過性内壁もしくは薄膜によって被覆される。すなわち周囲の生物学的な汚染因子に対して密閉されている。小室構造は典型的な場合では、種々の適用目的に選択された組合せにおける平行平面の、薄いプレートおよび/または薄膜のいわゆるサンドイッチ構造である。その際に前記サンドイッチ構造の中心に配置されたプレートもしくは薄膜は、部分的に網目状またはハニカム状に、マイクロチャンバを形成するための穴明けが施されている。それと同時に「サンドイッチ構造」の一部とすることができる受け台は、たとえば薄いシリコン構造、石英構造、ガラスまたはプラスチック構造によって形成されるディスクである。受け台の面積径はそれぞれその上に配置されるマイクロチャンバの数とサイズに応じて典型的な場合では5〜20cmとすることができる。円形の受け台を選択することにより、たとえば顕微鏡または分光器によるマイクロチャンバの分析を利用して走査することができるオーディオ分野またはビデオ分野で使用されているコンパクトディスクに最も良く比較できる配列の実施形態の変形体の可能性が生ずる。
【0012】
たとえばハニカム状に配設されたマイクロチャンバは、典型的な場合で直径約0.5〜5mmに、ただし必ずしも円形ではなく、仕上げることができる。小室の配分、形状およびサイズも決定する小室の幾何学的形状を画定するハニカム構造と、円板状の受け台との間で、好ましい場合には、たとえばアガロース層(Agaroseschicht)のような薄い透明の薄膜または透明のゲルから成る薄層を細胞親和力なしに配置させることができる。当然ながら、前記層を形成するために細胞もしくはその培養に対して広範囲に不活性であり、または他の性質を有するその他の適切な物質も使用することができる。
【0013】
ハニカム構造の各マイクロチャンバの底部もしくは受け台もしくは上述の薄膜またはゲル層の上に載置されて、たとえば中心に形成された「パラジウムインゼル」(Palladiuminsel)のような細胞の培養に適した薄い細胞親和力のある金属層または分子層、またはその他の同じ機能をもつ平面を形成する物質から成る、典型的な場合では同心に形成された細胞親和力のある平面を配設することができる。ハニカム構造自体もしくは小室内壁は、たとえばプラスチック、金属、セラミックスまたは複合材料のような寸法の安定した物質から製造することができる。最後に半透過性膜は好ましくは、たとえばテフロン、ポリカーボネートまたはポリスチロールのような、少なくともほとんど光を透過する物質から成る。
【0014】
本発明に基づく配列のその他の好ましい実施形態の変形体および細胞を培養するための配列の製造方法は、請求項2ないし19にその特徴が記載されている。
【0015】
本発明に基づく配列を製造するための個々の方法手段については、以下に記載する図との関連でより詳しく説明する。本発明に基づく方法の好ましい実施形態の変形体は、従属請求項13ないし17にその特徴が記載されている。
【0016】
本発明もしくは配列は、同様に「コンパクト細胞培養ディスク」(“Compact Cell Culture Disk”または“CCCD”)とも呼ばれるが、少量でも大量でも、すなわち単一細胞から典型的な場合には数千の細胞に至るまで物理学的、化学的または生物学的に最適化された条件下で、個々の細胞もしくは細胞または多細胞構造の顕微鏡的、分子生物学的、生化学的および物理的化学的研究を可能にする。提案された細胞培養配列の中に植え込まれた生物学的物質とともに、個々の培養もしくはその形成の制御、観察および分析を可能にする微小実験室が生じる。その際に環境の制御は個別的にまたは全体的に可能になる。全配列も個々の小室もしくは微小実験室も無菌または非無菌条件下で、短時間でも長時間でも、さらにまた永久保管でも、輸送または、たとえば顕微鏡下でまたは分光器方法による観察目的のために、たとえば光導体、フォトマルチプリケータまたはフォトダイオードの利用により保持することができる。
【0017】
最後に提案されているのは測定もしくは記録、評価および場合により本発明に基づいて画定された配列に植え込まれかつ保管された細胞もしくは細胞培養クローンおよびその他の上述の生物試料に関する情報の記憶のための方法である。これらは、好ましくは自動の電子データ処理(EDV)支援による方法であり、前記方法はマニュアル式およびビジュアル式技術との関連で植込みおよび分析容量ならびに速度を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面に示される本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1(a) は平面図に「コンパクト細胞培養ディスク」(“Compact Cell Culture Disk ”)、ドイツ語では“Kompaktzellkulturscheibe bzw.-platte”の一例を、図1(b) および図1(c) に描写した2つの実施態様の変形体におけるマイクロチャンバとともに示す。このディスク1の構造は、以下の図2に関連して、以下により詳しく説明する。ディスク1の中心領域には、それぞれ1つの外側に封鎖可能の、いわゆるピットを含む本発明に基づいて画定されたマイクロチャンバもしくは微小実験室17または18が配列される。その際に各マイクロチャンバもしくは各ピット内の中心に培養細胞もしくは細胞培養を配置することができる。最後に製造技術上の理由から、ディスク1は周縁部に溝もしくは切欠19を有し、その意義は同様に以下の説明から明らかである。
【0020】
図1(a) に示したマイクロチャンバ17の配列は、一例のみを示すものであり、当然ながら、以下に説明する図10(A)および10(B)から明らかなように、マイクロチャンバ11を任意の他の方法でディスク1に配置することも可能である。
【0021】
図1(a) のディスク1から抜粋により、両方の図1(b) および図1(c) にそれぞれ1つのマイクロチャンバ17を示す。その際に図1(b) によるマイクロチャンバにはない図1(c) のマイクロチャンバには中心に細胞親和力平面18を備えている。さまざまな種類のこのような平面、位置および仕上および種々の位置またはその他の細胞親和力の構造は、自由に浮遊する粒子のように、同様に使用することができる。
【0022】
図2ならびに図3ないし図4との関連で、横断面に、可能な本発明に基づく配列の種々の実施態様の変形体を示す。その際、図2は図式的に前述の配列の構造に指定された成分もしくは個々の要素を示す。配列の構造のために考慮されるのは、図2に示すように、たとえばハニカム状もしくは孔状に貫通して形成された金属、セラミックまたはプラスチック薄膜ならびに半透過性内壁5である。これはたとえばテフロン、ポリスチロールまたはその他の適切な、好ましくは光に対し透明な物質から成ることができる。本来のマイクロチャンバもしくは微小実験室を形成するために、たとえばプラスチック、金属、セラミックまたは複合材料もしくは強化ジュロマ(Duromeren) のような寸法の安定した物質から形成される格子状またはハニカム状のマトリックス6が使用される。しかし前記マトリックスは、たとえば図2に関連符号8で示すように、酸化またはエッチングを利用して処理されたシリコンディスクからも製造することができる。この場合には、酸化またはエッチングされたシリコンマトリックスは好ましくは透明の石英層で配列される。
【0023】
マトリックス6のための受け台として、たとえば、培養される細胞を配列することができる細胞親和力のある平面18が設けられているシリコンディスク7を使用することができる。さらにこの受け台は、たとえばすでに上述の図2に関連符号8をもつディスクのように、酸化およびエッチングを利用して処理されるシリコンディスクの一部とすることができる。しかしこの受け台7は、シリコンの代わりに石英またはガラスからも、またはその他の適切な物質からも製造することができる。好ましくはこのシリコン受け台は、薄いアガロースポリマ層(Agarosepolymerschicht) で被覆され、その上にアガロース層を載置しながら、たとえばパラジウムから成る細胞親和力のあるスポット18が配列されている。パラジウムとは異なりアガロースは細胞親和力をもたない。前述のパラジウムスポットは、特に個々の細胞の培養およびクローンに適している。いわゆるパラジウムインゼル技術についてはここでこれ以上詳しく述べない。なぜならこの技術は個々の細胞を最適に培養するための関連の技術水準で非常に良く知られているからである。ここではその文献箇所のみを指摘しておく:U. Amaldi 、B. Larsson:「腫瘍学におけるハドロン治療」第1回国際ハドロン治療シンポジウム議事録。コモ、イタリア、1993年10月18日−21日エクセルプタメディカ、国際会議シリーズ1077、1994年、エルゼビエ、735頁以下(U. Amaldi, B. Larsson, Hadrontherapy in Oncology, Proceedings of the first international symposium on Hadrontherapy, Como, Italy, 18. - 21. October 1993, Excerpta Medica, International Congress Series 1077, 1994, Elsevier, Seiten 735 ff. )。
【0024】
言うまでもなくこれ以外の類似の方法もこの目的のために使用することができる。それぞれ選択した配列に応じて、そのために磁気ディスク9の使用が考慮されているサンドイッチ構造を磁気的に保持することも可能である。この磁気ディスクは、関連符号9で示したように、平らに形成することができ、さらにまた関連符号10のように、ハニカム状もしくは孔状に貫通することもできる。後者の磁気ディスクは、たとえば該磁気ディスクを通して光学的分析がおこなわれるときに必要である。
【0025】
サンドイッチ状の、本発明に基づく配列もしくは分析構造の保管、取扱および輸送を確実にするために、たとえば少なくとも片側に観察窓を設けた特殊鋼箱とすることができる容器11を設けることが好ましい。
【0026】
ここで図3に横断面図で配列12を含む容器11を示す。分かり易くするために、配列12は爆発状に展開させて、同様に図3に示す。これにより個々の図2に使用した構成要素が明らかに分かる。その際に構造もしくは配列12は、図1(c) の線分A−Aに沿う断面に相当する。
【0027】
構造もしくは配列12は第一にハニカム状もしくは孔あきシリコンディスクから成り、このシリコンディスクは石英箔もしくは石英板8と組み合わせることができる。シリコンディスク8の孔状開口部は、酸化またはエッチングによりシリコンディスクから得ることができる。石英表面は、好ましくは物質が細胞親和力をもたないアガロースポリマ層で被覆される。図3に基づく構造は、さらにハニカムを覆う膜5ならびに新たにハニカム状に形成されたニッケル薄膜4を含む。その際にハニカム構造は、シリコンディスク8の構造と合同である。本発明に基づく構造もしくは配列を保持するために、石英層にシリコンハニカムに対して反対に磁気ディスク10が配設され、この磁気ディスクが再びこれに対応する開口部を備えたシリコンハニカムと合同に設けられる。金属箔および磁気ディスクの配列により、磁力の結果としてこの配列が保持される。最後に確実に保管するために、たとえば特殊鋼製の容器11の中にこの配列が挿入され、その中に保管される。それと同時に該特殊鋼箱は、片側または両側に窓状の開口部を備えることができ、この開口部は再びシリコンハニカム構造に対して合同である。この窓状の開口部は、配列もしくは構造もしくはその中に配列された細胞もしくは細胞培養が適切な分析機器21もしくは21aによって分析もしくは観察するために利用される。特に一緒にまとめた構造に示したように、細胞親和力のある構造の例として個々の小室は石英表面上のパラジウムインゼル(パラジウム小区画)18の中心にを有する。
【0028】
このパラジウムインゼル上に個々の細胞23を付着させることができ、その上で細胞の培養が開始される。個々の小室は、血清、栄養物質、作用物質などのような種々の液体で混合される。この構造は半透過性内壁5を利用して被覆もしくは密封されるので、培養過程中にその他の物質を小室中に挿入することも可能である。この半透過性内壁は、たとえばテフロン、ポリスチロールまたはその他の適切な透明の物質製とすることができる。
【0029】
図4に、新たに一緒にまとめたものと、爆発的に展開した、もう1つの本発明に基づく配列とを、図式的に横断面図と部分図で示す。さらにこの部分図は、たとえば図1(c) の断面A−Aに相当するが、その際に図4にはこの構造に投与された細胞は示されていない。図4による配列もしくは構造では、シリコンディスク7の上に、たとえばポリカーボネートから成るマトリックス6が載置される。さらにマトリックスは、膜5により覆われ、全体の配列は金属箔と磁気ディスクとにより磁力を利用して保持される。この配列を保管するために新たに容器11が用意されるが、その際に図4による例に、たとえば測定装置21を利用して上から容器11のキャップを通して分析が考慮される。この例では、新たにシリコンディスクがアガロース装置を利用して備えられる場合が好ましい。さらにこのアガロース層の上にパラジウムインゼル18が、これに対応する細胞を挿入するために設けられる。
【0030】
当然ながら図3に記載の構造12においても、図4に記載の構造13においても、個々のマイクロチャンバを形成する際に大幅に異なる寸法を選択することも可能であるが、たとえば、以下の寸法が適切であることが証明されている。
シリコンディスクの直径:約10〜20cm
シリコンディスクの厚さ:0.3〜1mm
アガロース層の厚さ:<10μ
好ましくは円形に仕上げられたマイクロチャンバ11の内径:約0.5〜5mm、好ましくは約0.8〜2mm
個々の小室間のハニカム構造の肉厚:約0.2mm
ハニカム構造の内壁の高さ:約0.1〜2mm
パラジウムインゼルの直径:約0.3mm
たとえばテフロン製のポリマ被覆層もしくは半透過性膜の厚さ:<10μ
図5に、新たにたとえば測定の実施、観察または容器11の底部を通して分析する測定方法のために備えた本発明に基づく配列14のもう1つの可能な実施態様の変形体の横断面図における部分図を図式的に示す。この構造は新たにシリコン石英ディスク8と、金属箔4と、容器11の底部に配設された膜5とから成る。この構造は磁気ディスク9によって覆われ、それと同時に前記磁気ディスクが容器もしくは特殊鋼箱11のキャップを形成する。
【0031】
図3−5に詳しく記述した小室構造を含む本発明により説明されたコンパクト細胞培養配列もしくは構造12ないし14は、特に多数の異なる細胞を含む腫瘍の検査に適している。その際まず初めに腫瘍試料(生検)の細胞堆積が個々の細胞分散されて分けられる。実際に、このような個々の細胞を比較的多数検査する必要のあることが示されている。前述のような試料は一般に約10万〜100万の個々の細胞を含むので、腫瘍生検の顕著な像を得るためには、少なくとも数千の個々の試料を検査することが望ましい。前述のような細胞生検の分離、分散は非常に良く知られている。
【0032】
上述の分散によって得られた個々の細胞は、ここで個々のまだ密封されていないピット17の中に投与される。最後にハニカム構造が半透過性内壁5を利用して外側へ、しかも上述のパラジウムインゼル18の上に密封される。小室17の充填後および密封後、一般に標準化された、低分子成長成分もしくは栄養素が被覆膜を経由して投与される。本発明により説明された配列もしくは構造の長所は、これが多数のコンパクトで、生物学的に滅菌された微小実験室を有することであり、これが以下の可能性を開く。
1.続けて観察および肉眼ならびに機器的に分析することができる個別的に自体密封された小室内での任意の数の個々の培養細胞の移植(数千の試料から)。
2.直立または逆にされた、通常のまたは共焦点のレーザ走査型顕微鏡を利用した最適の光学的条件下での培養と該培養の環境培地の形態学的または分光学的調査
3.緩衝液、栄養素、抗生物質のような標準化された低分子培地成分の添加の可能性。
4.半透過性内壁を通す生物および成長細胞によって引き渡された廃棄生成物の除去
5.再び半透過性内壁を通す呼吸ガスまたはその他のガスによる個々の小室の管理
6.薬剤または毒性の環境因子のような低分子作用物質の連続的または一次的添加
7.被覆膜を通る微量注入を利用した移植時点または任意の時点での各培養に対して個別的な生化学的、および、重要な場合は、微生物学的環境の制御
8.外部暴露を利用した任意の時点での電離または非電離放射線のような非化学的な試験態様の共通のまたは異なる影響
9.共通のまたは異なる温度制御
10.非滅菌環境における保管、輸送、取扱、分析および観察中の培養のための滅菌条件
図3ないし図5に図式的に、細胞が個々の小室の中で調査中にどのように観察もしくは分析することができるかを説明するために、顕微鏡またはその他の光学機器21もしくは21aを示す。この場合では、たとえば健康な細胞が、通常の顕微鏡で簡単に観察できる、いわゆる「単層」を形成するのに対し、いわゆる形質転換細胞(「腫瘍細胞」)は「多層」構造を形成する可能性がある。これは共焦点の顕微鏡を利用してより良く観察もしくは分析することができる。
【0033】
本発明に基づいて画定されたコンパクト細胞培養プレートの形成は、新方式の細胞培養微小室の構造原理と、前記小室の配列とに基づいている。これにより制限され、実規模で設定された、手動式または自動式の、個々の生細胞の隔離、培養、特性化および資料化、小多細胞生物または腫瘍または組織体外培養のような細胞個体群または細胞の構造体系も可能になる。
【0034】
簡単な円板状の要素の上にサンドイッチ状に構成された本発明により記述されたコンパクト細胞培養プレートは、必然的に非常に優れた適用と取扱いの長所を伴っている。一つは該コンパクト細胞培養プレートが比較的小さくかつコンパクトであり、もう一つは該コンパクト細胞培養プレートの上で多数の情報が記憶されており、この情報を最良の精度で最も簡単な方法で分析可能もしくは呼出可能である。このように上述のような細胞培養プレートもしくはディスクは、コンパクトディスクと類比的に分析機器もしくは処理機器に挿入することができ、正確に定められた座標を利用して精密に個々の細胞室を定め分析し、もしくは影響を及ぼすことができる。この方法で多数の微小実験室が比較的速く、任意にまたは体系的に、たとえば段階的に、半径方向に、および方位のディスクの運動で走査することができる。本発明に基づいて請求されたコンパクト細胞培養プレートには多数の適用方法があり、たとえば分子遺伝学または細胞遺伝学、微生物学、腫瘍生物学、毒物学、薬理学および放射線生物学において適用されている。「コンパクト細胞培養ディスク」(略語:CCCD)は、バイオテクノロジー、臨床医学または環境技術において自動化されたルーチンワークの適用に適し、たとえば教育の分野にも適用されている。特に大幅に増加した容量、精度、再現性および滅菌生が、手動式でも電算機制御式でも、いわゆる「細胞クローニング」(“cell cloning”)の実施、すなわち隔離、培養、特性化および個々のクローンの資料化を可能にする。
【0035】
図6および図7に図式的に、2つの可能な測定方法もしくは分析方法を概略で示す。これに基づき培養する細胞もしくは培養された細胞もしくは細胞培養を観察もしくは分析することができる。その際、図6は図式的に横断面において、上方へ測定のために利用できるマイクロチャンバもしくは実験室17による本発明に基づく配列1を示す。個々の細胞スポット23の観察もしくは分析は、この結果、培養過程中にその本来の位置で、たとえば光学的機器21を利用しておこなわれる。その際に当然他の分析機器を使用することができる。この測定方法は任意に繰り返しできるので、培養過程中に好ましく適用可能である。その際、特定の選択または配列の中に考慮された全部の小室17を走査するために、全体のコンパクト細胞培養プレートもしくはディスク1が走査される。
【0036】
これに対し図7に密封された精密測定もしくは物質の懸濁除去のために当初の構造の全被覆が取り除かれ、細胞培養もしくは培養された生物試料は死滅固定された、場合により凍結乾燥または灰化した物質25の形態で生ずる。死滅した物質の測定もしくは分析は、暗示した矢印方向に偶然に起こる光子または中性子の放射を利用しておこなわれる。この測定方法の大きな長所は、一方で該測定方法が最も精度の高い結果を伝え、他方では検査する物質にほぼ平行に放射線が衝突することにより、たとえばシリコンディスクのように、その下にある受け台の中にまったく散乱が生じないでおこなわれることにある。他の粒子放射線もしくはX線の光子または熱中性子を利用した測定は先行技術から非常に良く知られている。
【0037】
図3ないし図5に部分的に示した、磁力を利用してサンドイッチ状に保持されるマイクロチャンバ構造もしくは配列12ないし14とは異なり、当然ながら、前記配列もしくは構造を通常の方法で接着を利用して製造することも可能である。これは特に、図9に断面で図式的に示したように、その際に発生する磁場が細胞の培養時に妨害すると見なされるときに必要である。すなわち場合により、サンドイッチ構造が磁場を利用して保持される場合に欠点となる可能性があり、このため場合により本発明に基づくコンパクト細胞培養プレートもしくは配列または構造を、図8に図式表示したように、すなわち何らかの磁場がないように製造する必要がある。前述のような本発明に基づくコンパクト細胞培養プレートは、好ましくは以下に説明する処理工程にしたがって製造することができる。
1.マイクロチャンバ17を形成するために設けられた好ましくは円形の小孔を備えた、たとえばポリカーボネート、シリコン、セラミックス、またはテフロンを被膜したニッケルのような比較的堅い物質からのハニカム状の構造もしくはマトリックス6の調達。その際、最小の空間に可能な限り多くのマイクロチャンバ17が形成できるようにするため、好ましくは可能な限り高いパッケージ密度が選択される。
2.前述の格子状またはハニカム状の構造もしくはマトリックスは、薄い、たとえばテフロンまたはポリスチロールからなるポリマ薄膜5(膜)の上に接着される。その際、接着剤としてたとえばシリコン誘導体またはUV硬化性ポリマを使用することができる。ポリマ薄膜は、上述の、任意に調達された、好ましくは個々の小室17の半透過性被覆5を形成する。
3.栄養素液、血清、作用物質等による個々のピット17の充填
4.上へ開放された小室11の中へ個々の細胞13の投与
5.たとえば直径約10cmを有するシリコンウエハもしくはガラスプレートの上に、まず初めに、たとえばアガロースから成る薄いポリマ層が供給される。ハニカム構造と調和してシリコンウエハもしくはアガロース層の上にパラジウムインゼルまたはその他の構造を塗布または投与することができる。
6.このように製造されたシリコンウエハが、上述のハニカム構造の上に取付けられ、その際、好ましくはハニカム構造もシリコンウエハもマーキングもしくは切欠19(図1(c) )を有する。これによりシリコンウエハはハニカム構造の上に合同に取付けられる。ハニカム構造をもつシリコンウエハの接着は、たとえばシリコングリースを利用しておこなわれる。
7.最後にこのような製造された、本発明に基づく配列もしくはコンパクト細胞培養プレートが、図6に記載する位置へ180゜回転され、この結果、シリコンウエハは受け台もしくは架台7として利用される。
【0038】
これに対する選択肢として、接着する代わりに一つはハニカム状の構造をもつプラスチックフィルムと、もう一つはシリコンディスクをもつハニカム状の構造とが上述の磁石を使用する可能性がある。この目的のために、まだ片側が開いている図2に記載するハニカム構造の製造で半透過性壁を形成するポリマフィルムが格子状のニッケル薄膜または特殊鋼薄膜の上に塗布され、これがハニカム小孔と一致して同様に小孔をもつ。さらに再びそれぞれの金属箔およびポリカーボネート‐ハニカム構造の中の側面の切欠19により、個々の小室17がニッケル薄膜または金属箔を通して、たとえば分析目的のために可視化することを保証できる。シリコンディスク7の取付け後、このシリコンディスクの裏面に磁石板9が載置され、この結果、このように形成された配列もしくはコンパクト細胞培養‐サンドイッチ構造が磁力を利用して保持される。最後に新たにこのように形成されたコンパクト細胞培養プレートが180゜回転され、これにより個々の小室17が薄膜内の小孔を通して分析または処理目的のために可視化される。選択肢または磁石薄膜に追加して、ハニカム状の構造をポリマの代わりに、たとえばニッケルまたはその他の磁性材料から製造することも可能である。
【0039】
図10(A)に、いわゆる「コンパクト細胞培養ディスク」のもう1つの例を示す。その際、相対的に狭い周縁部を除き、プレート全体がハニカム状の構造もしくは個々のマイクロチャンバを備えている。この方法に基づいて、たとえば直径10cmのディスクと直径0.8mmのマイクロチャンバの場合で8000以上のマイクロチャンバを配置することが可能になる。
【0040】
図10(B)はさらに本発明に基づく「コンパクト細胞培養ディスク」の実施態様、特に細胞もしくは細胞培養または異なる実験シリーズのその他の生物試料の保管、培養および分析に適している。たとえば、構造33の領域における第1試料の細胞を投与する一方、第2試料の細胞を構造もしくは領域35の個々の小室もしくはピットの中に投与する等々も可能である。この主領域の間にある各中間領域34もしくは44に、基準細胞を投与し、さらにまた培養のために比較的少数のみを必要とする細胞を培養および観察することも可能である。
【0041】
最後に図11は、特に放射線研究と放射線医学に適した本発明により説明した配列の適用を示す。たとえば水を充填したモデル構造31において、図11に示すように、個々の本発明に基づいて製造されたコンパクト細胞培養ディスク1が挿入される。ここで生物学的効果を種々の試料系もしくは種々のコンパクト細胞培養ディスク上の試料の座標関数で検査することが可能である。これはコンパクト細胞培養ディスクを含むモデル構造31が電磁界、X線、光子、中性子または任意のその他の放射線30にさらされることによっておこなわれる。個々のマイクロチャンバ17がそれぞれモデル構造31の座標系のどこに配置されるかに応じて、構造31によってもたらされた波長に対して異なる暴露が生じる。
【0042】
図1−図11に示した、本発明に基づいて画定された細胞培養配列において、すなわち“Compact Cell Culture Disk”では当然任意の方法で変化させ、修正し、さらに補足することができる例にすぎない。特に上述の寸法の代わりにその他の寸法を使用し、および使用した材料の代わりにその他の適切な材料を使用することも可能である。
【0043】
たとえば、パラジウムの代わりに別の適切な特殊鋼、有機物質または化学的に固定した配位子を選択することも可能である。またポリカーボネートの代わりに別の適切な、好ましくは透明の疎水性ポリマ、金属、半導体または絶縁材料を使用することもできる。また半透過性被覆層としてテフロンまたはポリスチロールの代わりに、一般に全透過性の、半透過性のまたは非透過性の内壁に使用されているようなその他の材料を使用することができる。シリコンウエハの上にアガロースは、特に、アガロースが不活性であり、細胞によってその成長時に抑制されることから使用することが強要されている。しかし当然ながら適切な性質を有するその他の材料をシリコンウエハの被覆のために使用することも可能である。最後にシリコンディスクの代わりに透明のディスクを使用することができる(石英またはその他のガラス)。さらにまた、少ない吸水性を有し、耐熱性であり、寸法安定性があり、および高い衝撃破壊強度を有するたとえばポリカーボネートまたはその他のポリマから成るディスクを使用することができる。種々の複合材料構造は、同様に、たとえば石英窓を設けた備付けの小孔を有するシリコンのハニカム構造のように最新のものがある。
【0044】
また本発明に基づいて画定された配列の可能な適用に関しても、限界は設定されていない。説明した適用方法のほかにも、特に、宇宙飛行において前述のコンパクト細胞構造ディスクを使用することも可能である。たとえば、本発明に基づいて画定されたコンパクト細胞培養ディスク上に配置された細胞もしくは細胞培養を、たとえば無重力、宇宙線等が個々の細胞の培養中に該細胞に及ぼす影響を調査するために宇宙の条件にさらすことも可能である。
【0045】
【発明の効果】
本質的であるのは、種々の材料を選択するとき細胞を培養するための配列を得ることができ、これにより多数のマイクロチャンバを、互いに隔離することができ、好ましくは半透過性内壁によって周囲から密封され、かつ適切な窓開口部を通して観察できることが可能にされることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく円板状の配列の例とその配列からの部分拡大部を示す平面図である。
【図2】本発明に基づく、サンドイッチ状の配列の図式的および拡大図における、種々の典型的な場合で使用された個々の要素もしくは成分の断面図である。
【図3】組立てられ、爆発的に展開した状態における配列の可能な本発明の実施形態の変形体の断面図である。
【図4】組立てられ、爆発的に展開した描写の横断面図における本発明に基づく配列のその他の実施形態の変形体の断面図である。
【図5】新たに組立てられ、爆発的に展開した本発明に基づく配列のその他の実施形態の変形体の断面図である。
【図6】図式的に描写した本発明に基づく配列で可能な本来の位置での測定方法の断面図である。
【図7】図式的に描写した、死滅させた物質および被覆配列による本発明のもう一つの測定方法の断面図である。
【図8】図式的に描写した、本発明に基づく配列の実施形態の変形体の断面図である。
【図9】図式的に描写した、本発明に基づく磁場により保持された配列のもう一つの実施形態の変形体の断面図である。
【図10】図10(A)は本発明に基づく円板状の円形に形成された配列の平面図、図10(B)はコンパクトディスクに類似して形成されたもう一つの実施形態の変形体の平面図である。
【図11】図式的に透視画法で描写した、試料系における座標の関数として抽出された物体における種々の放射線の種類の生物学的効果を調査するための本発明に基づく配列の可能な適用を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク
5 半透過性内壁
6 マトリックス
7 シリコンディスク
8 ディスク
9 磁気ディスク
11 容器
17、18 マイクロチャンバ
19 切欠
Claims (19)
- 平坦な、少なくともほぼ平滑な受け台(7)、規則的なパターンで形成された貫通する多数の小孔を有し多数の分離されたマイクロチャンバ(17)の側壁を規定し前記受け台(7)に載っている格子構造のマトリックス(6)、及び前記マトリックス(6)の上に伸びて同マトリックス(6)に接して前記マイクロチャンバ(17)のカバーを規定して同マイクロチャンバを周囲から分離するための半透過性薄膜(5)を有し、前記マイクロチャンバの各々は、前記受け台(7)、前記マトリックス(6)及び前記薄膜(5)によって形成されたサンドイッチ構造によって閉鎖されていることを特徴とする生物試料を培養するための配列。
- 前記受け台(7)が、薄い平面平行の、光学的に高度かつ一様の品質をもつディスクによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の配列。
- 前記マイクロチャンバ(17)の少なくとも一部が、前記受け台(7)に載置され、かつ、前記受け台に確実に連結されたハニカム状のマトリックス(6)によって形成され、前記受け台(7)に対置された前記マイクロチャンバ(17)の開口部が、半透過性薄膜(5)を利用して覆い可能もしくは密封可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配列。
- 前記マイクロチャンバ(17)が高精度に直径約0.2〜5mmをもつ円形に仕上げられ、前記マイクロチャンバの少なくとも一部がハニカム構造の形態に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配列。
- 前記受け台(7)が、細胞親和力のないゲル層またはポリマ層に覆われ、その上に前記マイクロチャンバ(17)が配置されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配列。
- 前記受け台もしくはゲル層またはポリマ層の上に載置される前記チャンバ底部に、細胞の培養に適した薄層から成る、それぞれ点状または島状に形成されたスポット(18)が配置されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の配列。
- 前記マトリックス(6)が、剛性の、かつ寸法の安定したポリカーボネート、シリコン、金属材料、セラミック材料または複合材料から成ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の配列。
- 前記半透過性薄膜(5)が、選択可能の透過性の性質を有する、ポリマ材料から成ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の配列。
- 前記ポリマ材料が、テフロン、ポリスチロール及びポリカーボネートからなるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の配列。
- 顕微鏡、測定機器もしくは処理機器の保持装置に前記受け台を配設するために、前記受け台(7)が中心に孔(7)を有する円形で、約5〜20cmの直径を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の配列。
- 前記配列もしくは構造が、磁石の配置を利用してサンドイッチ状に保持されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の配列。
- 容器の中に配置された前記配列で測定を実施するために、該配列が、片側または両側に光を透過する開口部を備えた容器(11)の中に配置されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の配列。
- 生物試料を培養するための配列の製造方法であって、生物試料用の開かれた培養空間(17)を与える小孔を有する、格子状のマトリックス構造(6)を形成し、覆い層として働く半透過性薄膜(5)に前記マトリックス構造を取付けおよび連結し、栄養物質、またはその他の液体もしくは溶解または溶解可能の成分、及び細胞(23)もしくは生物試料を、半透過性薄膜によって密封された空間(17)の中に注入し、前記小孔を前記半透過性薄膜(5)に対して反対側を密封するための、受け台として平板(7)を取付けることを特徴とする方法。
- 前記半透過性薄膜(5)がシリコン誘導体またはUV硬化性材料によって前記マトリックス構造(6)に連結されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記受け台(7)が、シリコン、石英またはガラスから製造され、これに続いて細胞親和力のない、アガロース層などの透明のゲル層またはポリマ層によって被覆され、そのあと前記マトリックス構造(6)の前記小孔(11)と幾何学的に一致した点状もしくは島状の細胞親和力のあるスポット(18)を備え、これに続き、前記各スポットが実質的に前記小孔の中心に位置するように受け台が前記マトリックス構造と適合して連結されることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
- 前記受け台および構造が、脂肪状の物質を利用して確実に互いに連結されることを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載の方法。
- 半透過性薄膜(5)が、小孔を設けた金属板上に載置され、前記小孔が幾何学的に前記マトリックス構造(6)の小孔に対応し、前記マトリックス構造(6)および受け台(7)の取付けに続いて、磁石による前記金属板の引張の結果として前記半透過性薄膜、マトリックス構造及び受け台を共に保持するために、前記磁石が前記マトリックス構造に対して反対側に前記受け台の上に取付けられることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の方法。
- 培養された物質を露出および死滅させることができるように、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の配列もしくはチャンバ構造が解体され、光子放射または熱中性子を利用して死滅させた物質の測定が実施されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の配列で測定を実施するための測定方法。
- 培養物質が、生化学的または分子生物学的な調査方法のために露出されるように、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の配列もしくはチャンバ構造が解体されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の配列で測定を実施するための測定方法。
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