JP2021069344A - 試料容器、蓋付き試料容器、細胞入り容器 - Google Patents

試料容器、蓋付き試料容器、細胞入り容器 Download PDF

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Tomoaki Nakayama
智明 仲山
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Daisuke Takagi
大輔 高木
知行 荒谷
Tomoyuki Araya
知行 荒谷
慎之介 腰塚
Shinnosuke Koshizuka
慎之介 腰塚
敦史 宮岡
Atsushi Miyaoka
敦史 宮岡
龍也 増子
Tatsuya Masuko
龍也 増子
武尊 鈴木
Takeru Suzuki
武尊 鈴木
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Abstract

【課題】液保持部への試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備える試料容器を提供する。【解決手段】複数の液保持部を有する基部材と、前記液保持部に対応する貫通孔が形成された枠部材とを備え、前記枠部材を前記基部材に結合可能、かつ前記枠部材を前記基部材に結合させることで前記液保持部上に前記貫通孔が形成される試料容器。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞等の収容に用いられる試料容器、蓋付き試料容器、細胞入り容器に関する。
近年、in vitroにおける生細胞を用いた毒性または薬効評価を行う器具の需要が高まっている。その理由の一つとして、動物実験の3R(「代替(Replacement)」、「削除(Reduction)」、「改善(Refinement)」)の促進により動物実験を代替する試験方法が必要となっているという背景がある。この課題に対して、in vitroにおける生細胞を用いた実験は実験動物にかかる経費の削減や試験時間の短縮など多くの利点を有している。
現在、創薬の現場のin vitro試験では細胞が入ったウェルプレートを用いたスクリーニングが行われている。より生体に近い機能を発揮するためや、使用する細胞数を節約するために、ウェルプレート内で細胞をパターニングする技術が求められている。
細胞をパターニングする方法の一つとしてインクジェットを用いた細胞及び接着タンパク質のパターニングが既に知られている。しかし、従来のウェルプレートは壁材が高く設計されているので、基材の位置とインクジェットヘッドの位置が遠くなり吐出液滴の着弾バラつきが大きくなってしまう。
ここで、特許文献1には、基部材と、その基部材のウェル群の周囲に設けられる第二のウェルを形成する枠部材とが開示されている。
しかしながら、各ウェルは、細胞培養やアッセイに必要な十分な容量を備えていない。
本発明は、液保持部への試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備える試料容器を提供することを目的とする。
本発明の試料容器は、複数の液保持部を有する基部材と、前記液保持部に対応する貫通孔が形成された枠部材とを備え、前記枠部材を前記基部材に結合可能、かつ前記枠部材を前記基部材に結合させることで前記液保持部上に前記貫通孔が形成されることを特徴とする。
本発明の試料容器によれば、液保持部への試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができる。
基部材と枠部材の正断面図である。 基部材と枠部材との結合が、パッキンを介して実現されている状態を示す正面断面図である。 図3(A)は、パッキンがOリングである場合の、基部材の上側から見た平面図である。図3(B)は、枠部材と基部材とを結合させた状態における図3(A)のI−I断面を示す断面図である。 図4(A)は、パッキンが格子状である場合の、基部材の上側から見た平面図である。図4(B)は、枠部材と基部材とを結合させた状態における図4(A)のII−II断面を示す断面図である。 基部材と枠部材とが、接着層を含む結合部によって互いに結合されている状態を示す正面断面図である。 図6(A)は、枠部材に設けられた接着剤層の表面に添付された表面シートを剥離して、枠部材の接着剤層が設けられている面を基部材に接着させることを示す斜視図である。図6(B)は、基部材に設けられた接着剤層の表面に添付された表面シートを剥離して、枠部材を基部材の接着剤層が設けられている面に接着させることを示す斜視図である。 接着層が、基部材と枠部材とが互いに直接接着された境界部を形成する熱溶着層であることを示す正面断面図である。 結合保持部材が、基部材と枠部材との結合状態を保っている状態を示す正面断面図である。 結合保持部材に突出形成された係合凸部を、基部材及び枠部材の側面に形成された係合凹部に挿入している状態を示す拡大正面断面図である。 円弧板状の枠部材が、結合保持部材により平板状の基部材に保持される前の状態を示す正面断面図である。 円弧板状の押付部材が、結合保持部材により平板上の基部材及び枠部材に保持される前の状態を示す正面断面図である。 基部材に形成された嵌合凸部を、枠部材に形成された嵌合凹部に挿入している状態を示す正面断面図である。 複数の液保持部が基部材と同じ高さ(深さ)であり、液保持部平面を有している状態を示す正面断面図である。 複数の液保持部が基部材の片面から突出し、液保持部頂面を有している状態を示す正面断面図である。 本発明に係る第8実施形態の試料容器を説明する正面断面図である。 本発明に係る第9実施形態の試料容器を説明する斜視図である。 図16の試料容器の枠部材の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で後壁部側を断面視した拡大断面図である。 図16の試料容器の枠部材の上端部に蓋を装着した蓋付き試料容器について、枠部材の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で断面視した断面図である。 変形例の蓋を枠部材の上端部に装着して組み立てた蓋付き試料容器について、枠部材の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で断面視した断面図である。 本発明に係る第10実施形態の試料容器を説明する斜視図である。 図20の試料容器の外壁組立体の開閉部材によって枠部材の挿入口を閉じた状態を示す断面図である。 図20の試料容器の外壁組立体の開閉部材の先端部の枠部材に対する係合が解除されていて、開閉部材が枠部材の挿入口を開放可能となっている状態を示す断面図である。 本発明に係る第11実施形態の試料容器の枠部材の挿入口付近及び開閉部材の先端部付近を示す断面図である。 本発明に係る第12実施形態の試料容器、及びこの試料容器の枠部材の上端部に蓋を装着した蓋付き試料容器を説明する斜視図である。 図24の試料容器の枠部材の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で後壁部側を断面視した拡大断面図である。 本発明に係る第13実施形態の試料容器、及びこの試料容器の枠部材の上端部に蓋を装着した蓋付き試料容器を説明する斜視図である。 図26の試料容器の枠部材の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で後壁部側を断面視した拡大断面図である。 本発明に係る第14実施形態の試料容器を説明する斜視図である。 図29の試料容器の枠部材の位置決め凸部と基部材の位置決め凹部との嵌合状態を示す拡大断面図である。 本発明に係る第15実施形態の試料容器を説明する斜視図である。 枠部材を組み立てるためのシート材の一例を示す平面図(展開平面図)である。 図31のシート材を用いて組み立てた枠部材を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る試料容器について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれる。
また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本明細書において、「枠部材を基部材に結合させる」とは、枠部材と基部材との間で直接的に化学的または物理的結合が形成されていること、あるいは、他の部材を介して、枠部材と基部材との間で間接的に化学的または物理的結合が形成されていることをいう。なお、他の部材は、枠部材と基部材の間に挟持されていてもよく、枠部材と基部材の間に挟持されていなくてもよい。
[第1実施形態]
<<試料容器>>
図1に示されるように、本実施形態の試料容器1は、複数の液保持部21を有する基部材2と、液保持部21に対応する貫通孔31が形成された枠部材3とを備えている。
ここで、「液保持部21に対応する貫通孔31」とは、具体的には、液保持部21の開口部の断面形状と、原則、同じ断面形状を貫通孔31が有していることをいう。断面形状は一定であることが好ましいがこれに限られない。
この試料容器1は、枠部材3を基部材2に結合可能、かつ枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21上に貫通孔31が形成され、液保持部21よりも深さを有するウェルが形成される。
高さの低い基部材2に対して、上方に枠部材3を結合させることにより、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができる。
<基部材及び枠部材>
基部材2及び枠部材3は、それぞれ板状に形成されている。
枠部材3は、その一方の面を、基部材2の液保持部21が開口されている上面22(以下、基部材上面、とも言う)に当接あるいは接近配置して基部材2に重ね合わせるようにして基部材2に結合される。
以下、枠部材3の基部材2の上面22に対面配置される面を、結合側主面32、とも言う。
基部材2及び枠部材3は、細胞への毒性がなければどのような材質であってもよいが、弾性部材、例えば、ゴムや樹脂であることが好ましい。基部材2及び枠部材3の材質としては、例えば、シクロオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)、ポリビニル等の合成樹脂、PDMS(Poly−Dimethylsiloxane)等のシリコン系樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)等の合成ゴム、天然ゴム、ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の金属材料等が挙げられる。
基部材2及び枠部材3には、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基部材2を構成する材料、特に、液保持部21が形成されている部分を構成する材料としては、例えば、基部材2で培養された細胞を顕微鏡等の光学的な手段により観察する場合の利便性の点から、上述した材料のうち、透光性の材料を用いることが好ましい。
液保持部21に貫通孔31を連通させて、ウェル(連通ウェル)を形成する構成であれば、一つの部材に充分な容量のウェルを形成する場合に比べて、液保持部21の深さを小さく(浅く)できる。具体的には、液保持部21の深さは、0mm超17.8mm以下であることが好ましく、0mm超2mm以下であることが好ましい。
液保持部21の深さが小さく設計されていることにより、枠部材3を結合する前の基部材2の液保持部21の液保持部内底面21aの位置とインクジェットヘッドの位置が近くなり、吐出液滴の着弾バラつきを小さくすることができる。その結果、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行うことができる。
枠部材3の高さは、0mm超17.8mm以下であることが好ましく、15.8mm以上17.8mm以下であることが好ましい。枠部材3の高さを上記範囲内とすることにより、ウェルに細胞培養やアッセイに必要な液量を充分保持することができる。
基部材2及び枠部材3の形成には、目的に応じて選択される任意の加工方法を用いることができる。すなわち、例えば、マシニングセンタ等を用いた穿孔加工、レーザー等を用いた光微細加工、エッチング加工、エンボス加工等により形成することができる。また、例えば、射出成形、プレス成形、ステレオリソグラフィー等により、形成することができる。
基部材2及び枠部材3は、細胞が接触するため滅菌されていることが好ましい。
<液保持部>
基部材2は、複数の液保持部21を有しており、枠部材3には、液保持部21に対応する貫通孔31が形成されている。
複数の液保持部21は基部材2の片面から窪み、液保持部内底面21aを有する凹部(有底孔)である。基部材2の全ての液保持部21は、基部材2の上面22に開口させて形成されている。
基部材2の全ての液保持部21は、その軸線が互いに平行になるように、基部材2の上面22から延在形成されている。基部材2の上面22は、基部材2の各液保持部21の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3に複数形成された全ての貫通孔31は、その軸線が互いに平行になるように、それぞれ枠部材3の厚みを貫通して形成されている。枠部材2の結合側主面32は、枠部材3の各貫通孔31の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3は、各貫通孔31が基部材2の液保持部21と同軸に配置されるようにして基部材2に結合できる。枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21に貫通孔31を連通可能である。
なお、枠部材3を基部材2に結合させたときに互いに連通される液保持部21と貫通孔31については、液保持部21の基部材上面22における開口部、及び枠部材3の結合側主面32における開口部、の形状及びサイズが互いに一致するように形成されている。
以下、基部材2に形成されている液保持部21、または枠部材3に形成されている貫通孔31を、単に「ウェル」と称することがある。
ウェルは、基部材2または枠部材3にいくつ形成されていてもよいが、例えば、4ウェル、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェル、1536ウェル等が挙げられる。
ウェルを平面視した際の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形などが挙げられる。

例えば、ウェルを平面視した際の形状が円形である場合、ウェルの内径は0mm超35mm以下であることが好ましく、1.5mm以上35mm以下であることが好ましい。
複数のウェルの配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所望の組織体を形成できるパターン形状に対応するようにしてもよい。
基部材2に形成されている液保持部21の容量は、0μl超16,800μl以下であることが好ましく、0μl超1,900μl以下であることが好ましい。また、枠部材3に形成されている貫通孔31の容量は、0μl超168,000μl以下であることが好ましく、2μl以上16,800μl以下であることが好ましい。
ウェルの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザー加工、フォトリソによる加工、ドリルによる加工、金型によるモールド成形などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工が好ましい。液保持部21及び貫通孔31の形成方法がレーザー加工であると、所望の組織体を形成できるパターン形状を簡易にかつ微細に形成可能な点や、基部材2及び枠部材3に直接接触して加工しないことから生体適合性を得やすい点で有利である。
液保持部内底面21aは、インクジェット法で吐出される細胞懸濁液の液滴の着弾面となる。
図2に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2及び枠部材3のそれぞれに形成されたパッキン嵌合凹部23及び33に嵌合可能なパッキン4をさらに備えている。基部材2のパッキン嵌合凹部23は、基部材上面22から窪んで形成され、枠部材3のパッキン嵌合凹部33は、結合側主面32から窪んで形成されている。この試料容器1は、基部材2と枠部材3との結合が、基部材2及び枠部材3のそれぞれのパッキン嵌合凹部23及び33に嵌合されたパッキン4を介して実現される。
基部材2及び枠部材3のそれぞれのパッキン嵌合凹部23及び33にパッキン4を嵌合させることにより、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができるとともに、結合部からの液漏れを防ぐことができる。また、細胞を染色する等の操作を行いたい場合に、パッキン嵌合凹部23及び33からパッキン4を外すだけで、基部材2から枠部材3を容易に脱離することができる。
パッキン4は、細胞への毒性がなければどのような材質であってもよいが、弾性部材、例えば、ゴムや樹脂であることが好ましい。パッキン4の材質としては、例えば、二トリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、水酸化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
パッキン4は、基部材2及び枠部材3のそれぞれに形成されたパッキン嵌合凹部23及び33よりもわずかに大きいサイズに設計しておくことが好ましい。パッキン4を縮めてパッキン嵌合凹部23及び33に嵌合させた後、パッキン4が元の大きさに戻ろうとすることで、基部材2と枠部材3との結合を強化することができる。その結果、結合部の液漏れをより効果的に防止することができる。
パッキン4は、液保持部21の周囲に形成されていればどのような形状であってもよいが、例えば、Oリング、格子状等が挙げられる。これらのうち、パッキン4は、Oリングや格子状であることが好ましい。
パッキン嵌合凹部は、基部材2及び枠部材3の両方に形成されていてもよいし、基部材2及び枠部材3の一方のみに形成されていてもよい。
図3(A)は、パッキンがOリングである場合の、基部材2の上側から見た平面図である。図3(B)は、枠部材3と基部材2とを結合させた状態における図3(A)のI−I断面を示す断面図である。
図3(A)に示すように、パッキン4の形状を、液保持部21の内径よりも大きな直径のOリングとしている。また、図3(B)に示すように、パッキン4を、基部材2に形成されたパッキン嵌合凹部23と、枠部材3に形成されたパッキン嵌合凹部33との両方に嵌合させて、枠部材3を基部材2に結合させている。これにより、基部材2と枠部材3との位置ずれを防止するとともに、結合部の液漏れをより効果的に防止することができる。
図4(A)は、パッキンが格子状である場合の、基部材2の上側から見た平面図である。図4(B)は、枠部材3と基部材2とを結合させた状態における図4(A)のII−II断面を示す断面図である。
図4(A)に示すように、パッキン4の形状を、液保持部21の内径よりも目開き寸法が大きな格子を有する格子状としている。また、図4(B)に示すように、基部材2上に配置されたパッキン4を、枠部材3に形成されたパッキン嵌合凹部33に嵌合させて、枠部材3を基部材2に結合させている。これにより、基部材2と枠部材3との位置ずれを防止することができる。
格子状のパッキン4を基部材2上に配置させる方法としては、印刷、型により作製したパッキンの配置等の方法が挙げられる。
[第2実施形態]
図5に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2と枠部材3とが、基部材2と枠部材3との間に設けられた接着層5を含む結合部によって互いに結合されている。
基部材2と枠部材3との間に接着層5が設けられていることにより、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができるとともに、結合部からの液漏れを防ぐことが出来る。
接着層5には、細胞への毒性がなければ、どのような成分が含まれていてもよいが、接着剤が含まれていてもよい。接着層5に接着剤が含まれていることにより、結合部に対して均一に接着剤を塗布することができる。
接着剤には、公知のものを用いることができる。接着剤としては、例えば、ゴム系粘着材、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着材、ポリビニルエーテル系粘着材、ポリウレタン系粘着材、光硬化系接着剤等が挙げられる。 接着剤には、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着層5に含まれる接着剤以外の成分としては、例えば、基部材2と枠部材3の一方または両方を熱溶着させた後の再固化層や、表面処理によって接着性が付与された表層等が挙げられる。
図6(A)及び図6(B)に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2の上面22及び枠部材3の結合側主面32の一方に接着層5を形成する接着剤層51と接着剤層51の表面に剥離可能に貼付された表面シート6とが設けられた構成を採用できる。この試料容器1は、表面シート6を剥離した接着剤層51の表面の基部材2または枠部材3への接着によって、枠部材3が基部材2に結合される。
また、本実施形態の試料容器1は、基部材2の上面22及び枠部材3の結合側主面32の両方に接着層5を形成する接着剤層51と接着剤層51の表面に剥離可能に貼付された表面シート6とが設けられた構成も採用できる。この場合は、表面シート6を剥離した接着剤層51の表面同士の接着によって、枠部材3が基部材2に結合される。
基部材2及び枠部材3の一方または両方に接着層5を形成する接着剤層51と接着剤層51の表面に剥離可能に貼付された表面シート6とが設けられていることにより、使用時に表面シート6を剥離して接着するだけで、容易に枠部材3を基部材2に結合させることができる。
図6(A)は、枠部材3に設けられた接着剤層51の表面に添付された表面シート6を剥離して、枠部材3の接着剤層51が設けられている面を基部材2に接着させることを示す斜視図である。図6(B)は、基部材2に設けられた接着剤層51の表面に添付された表面シート6を剥離して、枠部材3を基部材2の接着剤層51が設けられている面に接着させることを示す斜視図である。
表面シート6は、細胞への毒性がなく、かつ、接着剤層51の表面に剥離可能に添付することができればどのような材質であってもよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂であってもよい。表面シート6の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
接着剤層51には、細胞への毒性がなければ、どのような成分が含まれていてもよいが、接着層5に含まれる接着剤と同様のものが含まれていてもよい。
図7に示されるように、本実施形態の試料容器1は、接着層5が、基部材2と枠部材3とが互いに直接接着された境界部を形成する熱溶着層52である。
接着層5が、基部材2と枠部材3とが互いに直接接着された境界部を形成する熱溶着層52であることにより、接着層5が基部材2または枠部材3に使用されている材料となるため、細胞への毒性の影響を低くすることができる。
図7は、枠部材3の結合側主面32付近を加熱溶融させ、基部材2に熱溶着させて熱溶着層52を形成した場合を示している。しかしながら、試料容器1は、基部材2の上面22付近を加熱溶融させ、枠部材3に熱溶着させて熱溶着層52を形成してもよく、基部材2の上面22付近及び枠部材3の結合側主面32付近の両方を熱溶着させ、互いに貼り合わせて熱溶着層52を形成してもよい。
熱溶着の方法は、基部材2と枠部材3とが互いに直接接着された境界部が形成されればどのような方法であってもよいが、例えば、基部材2と枠部材3の一方または両方の熱溶着させたい箇所に熱を加えるか、またはレーザーを照射すること等が挙げられる。
[第3実施形態]
図8に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2及び枠部材3の外側から基部材2及び枠部材3のそれぞれに係合させて基部材2及び枠部材3を互いに重ね合わせた状態に保持して基部材2と枠部材3との結合状態を保つ結合保持部材7をさらに有する。
結合保持部材7は、主板部71と、主板部71の片面の互いに離間した位置から突出されている第1係合突部72及び第2係合突部73とを有している。結合保持部材7は互いに重ね合わせ状態の基部材2及び枠部材3を、第1係合突部72及び第2係合突部73との間に保持して、基部材2と枠部材3との重ね合わせ状態を維持する。
結合保持部材7は、互いに重ね合わせた基部材2及び枠部材3の面方向両側に配置され、それぞれ基部材2及び枠部材3の面方向端部を一括保持している。基部材2及び枠部材3は、面方向両側の端部がそれぞれ結合保持部材7に一括保持されて、互いに重ね合わせた状態が保たれている。
この実施形態において、枠部材3を結合する前の基部材2は、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行える。また、結合保持部材7が基部材2と枠部材3との結合状態を保つことにより、必要な液量を収容可能な容量を備えることができるとともに、液漏れを防止することができる。また、基部材2と枠部材3との間に接着層5が含まれていないので、細胞を染色する等の操作を行いたい場合に、結合保持部材7を外すだけで容易に基部材2から枠部材3を脱離することができる。
結合保持部材7は、細胞への毒性がなく、かつ、基部材2と枠部材3との結合状態を保つことができるものであればどのようなものであってもよいが、例えば、剛性部材(金属、樹脂)、弾性部材(コ字形の板ばね、手指で弾性変形可能なプラスチック製部材)等が挙げられる。
図9に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2及び枠部材3の側面には結合保持部材7Aに突出形成された係合突部を挿入して係合するための係合凹部が形成されている。結合保持部材7は互いに重ね合わせ状態の基部材2及び枠部材3の側面に沿って配置される主板部71と、基部材2の係合凹部24に挿入される係合突部である第1係合突部72Aと、枠部材3の係合凹部34に挿入される係合突部である第2係合突部73Aとを有している。第1係合突部72A及び第2係合突部73Aは主板部71の片面の互いに離間した位置から突出されている。
基部材2と枠部材3とを重ね合わせた後、例えば、図9に示されるように、最初に結合保持部材7の第1係合突部72Aを係合凹部24に挿入して嵌合(基部材2に係合)し、第2係合突部73Aを係合凹部34に挿入して嵌合(枠部材3に係合)することで、基部材2と枠部材3とを結合させてもよい。
また、基部材2と枠部材3との結合に使用した結合保持部材7Aは、基部材2及び枠部材3から取り外すこともできる。結合保持部材7Aは、金属製の剛体も採用可能であるが、手指で曲げ可能な樹脂製のものも採用できる。手指で曲げ可能な樹脂製の結合保持部材7Aは、図9に仮想線(二点鎖線)で示すように主板部71Aを湾曲変形させて、第1、第2係合突部72A、73Aの係合凹部24、34からの抜き出し、基部材2及び枠部材3からの取り出しを楽に行える。
第1係合突部72及び第2係合突部73は、それぞれ、係合凹部24及び33よりもわずかに大きいサイズに設計しておくことが好ましい。第1係合突部72及び第2係合突部73を縮めて係合凹部24及び33に係合させた後、第1係合突部72及び第2係合突部73が元の大きさに戻ろうとすることで、基部材2と枠部材3との結合を強化させることができる。その結果、結合部の液漏れをより効果的に防止することができる。
図8に示されるように、結合保持部材7の第1係合突部72が基部材2の下側に配置されていると、試料容器1を分析機に載せて分析を行う際に、第1係合突部72が障害となる可能性がある。しかしながら、図9に示されるように、基部材2の側面に、結合保持部材7に突出形成された第1係合突部72を挿入して係合するための係合凹部24が形成されているため、試料容器1を容易に分析機に載せることができる。
また、図8に示されるように、結合保持部材7の第2係合突部73が枠部材3の上側に配置されていると、試料容器1の上側に蓋を設置する際に、第2係合突部73が障害となる可能性がある。しかしながら、図9に示されるように、枠部材3の側面に、結合保持部材7に突出形成された第2係合突部73を挿入して係合するための係合凹部34が形成されているため、試料容器1の上側に容易に蓋を設置することができる。
平板状の基部材2と平板状の枠部材3とを重ね合わせた状態に保持して、結合保持部材7により基部材2と枠部材3との結合状態を保つと、結合保持部材7に近い位置にある基部材2及び枠部材3ほど接面圧力が大きくなるのに対し、結合保持部材7から遠い位置にある基部材2及び枠部材3ほど接面圧力が小さくなる。その結果、接面圧力の不均一化が生じ、結合保持部材7から遠い位置は、結合保持部材7付近に比べてシール性が低い傾向となる。
これに対し、図10に示されるように、本実施形態の試料容器1は、平板状の基部材2と、円弧板状の枠部材3とを有している。枠部材3は、その湾曲の外周側の面を基部材2に当接させて湾曲の周方向両端部が図8と同様の結合保持部材7により基部材2に保持されることで、基部材2に沿う平板状に変形されて基部材2に重ね合わせ状態となる。
このように、結合保持部材7と直接接触する枠部材3をあらかじめ円弧板状としておくことで、枠部材3を結合保持部材7により基部材2に保持して、基部材2に沿う平板状に変形し、基部材2に重ね合わせ状態とした際に、試料容器1の全体にわたって、基部材2及び枠部材3の接面圧力を均一化することができ、結合部からの液漏れを防止することができる。
あるいは、図11に示されるように、本実施形態の試料容器1は、枠部材3の基部材2とは反対側に配置される円弧板状の押付部材8をさらに備えている。押付部材8は、その湾曲の外周側の面を枠部材3の基部材2とは逆側の上面に当接させて湾曲の周方向両端部が図8と同様の結合保持部材7により互いに重ね合わされた基部材2及び枠部材3に保持されることで、枠部材3の上面に沿う平板状に変形されて枠部材3の上面に重ね合わせ状態となる。
このように、結合保持部材7と直接接触する押付部材8をあらかじめ円弧板状としておくことで、押付部材8を結合保持部材7により互いに重ね合わされた基部材2及び枠部材3に保持して、枠部材3の上面に沿う平板状に変形し、枠部材3の上面に重ね合わせ状態とした際に、試料容器1の全体にわたって、基部材2及び枠部材3の接面圧力を均一化することができ、結合部からの液漏れを防止することができる。
押付部材8は、細胞への毒性がなければどのような材質であってもよいが、基部材2及び枠部材3と同様の材質であってもよい。
[第4実施形態]
図12に示されるように、本実施形態の試料容器1は、基部材2の上面22及び枠部材3の結合側主面32のいずれか一方に嵌合突部、他方に嵌合突部が挿入嵌合される嵌合凹部が形成されている。この試料容器1は、嵌合突部を嵌合凹部に嵌合させることにより、基部材2に枠部材3が結合される。
この実施形態では、嵌合突部25を嵌合凹部35に嵌合させて基部材2に枠部材3を結合させることにより、必要な液量を収容可能な容量を備えることができるとともに、基部材2と枠部材3との位置ずれを防止することができる。また、基部材2と枠部材3との間に接着層5が含まれていないので、細胞を染色する等の操作を行いたい場合に、嵌合凹部35から嵌合突部25を外すだけで、基部材2から枠部材3を容易に脱離することができる。
嵌合突部25は、嵌合凹部35よりもわずかに大きいサイズに設計しておくことが好ましい。嵌合突部25を縮めて嵌合凹部35に嵌合させた後、嵌合突部25が元の大きさに戻ろうとすることで、基部材2と枠部材3との結合を強化し、かつ、結合部の液密性を高めることができる。その結果、結合部の液漏れをより効果的に防止することができる。
[第5実施形態]
本実施形態の試料容器1は、基部材2及び枠部材3のいずれか一方に磁石、他方に磁石によって磁気吸着可能な磁性材料または磁石が設けられている。この試料容器1は、磁石の磁気吸着力により枠部材3の基部材2に対する結合が維持される。
磁石の磁気吸着力により枠部材3の基部材2に対する結合が維持されることにより、液保持部内底面21aへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができるとともに、基部材2と枠部材3との位置ずれを防止することができる。また、基部材2と枠部材3との間に接着層5が含まれていないので、細胞を染色する等の操作を行いたい場合に、基部材2から枠部材3を容易に脱離することができる。
磁石は、細胞への毒性がなければどのような材質であってもよいが、例えば、ネオジム磁石であることが好ましい。ネオジム磁石は、サイズが小さくても強い磁気吸着力を有しているため、試料容器1のサイズを全体的に縮小させることができる。
以上の実施形態では、複数の液保持部21が基部材2の片面から窪み、液保持部内底面21aを有する凹部(有底孔)である場合を説明したがこれに限られない。
基部材2が有する複数の液保持部21は、液体を保持可能であればどのような形状であってもよい。液保持部21の形状としては、例えば、複数の液保持部21が基部材2の上面22と同じ高さ(深さ)に存在し、液保持部平面21bを有している場合、複数の液保持部21が基部材2の片面から突出し、液保持部頂面21cを有している場合などが挙げられる。
[第6実施形態]
<<試料容器>>
図13に示されるように、本実施形態の試料容器1は、複数の液保持部21を有する基部材2と、液保持部21に対応する貫通孔31が形成された枠部材3とを備えている。 ここで、「液保持部21に対応する貫通孔31」とは、具体的には、液保持部21の形状と、原則、同じ断面形状を貫通孔31が有していることをいう。液保持部21の形状と貫通孔31の断面形状は一定であることが好ましいがこれに限られない。
この試料容器1は、枠部材3を基部材2に結合可能、かつ枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21上に貫通孔31が形成され、液保持部21と貫通孔31とが一体となったウェルが形成される。
基部材2に対して、上方に枠部材3を結合させることにより、液保持部平面21bへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができる。
<基部材及び枠部材>
液保持部21上に貫通孔31を形成して、液保持部21と貫通孔31とが一体となったウェルを形成する構成であれば、一つの部材に充分な容量のウェルを形成する場合とは異なり、液保持部21を基部材2の上面22と同じ高さ(深さ)とすることができる。
複数の液保持部21を基部材2の上面22と同じ高さ(深さ)とすることにより、枠部材3を結合する前の基部材2の液保持部21の液保持部平面21bの位置とインクジェットヘッドの位置が近くなり、吐出液滴の着弾バラつきを小さくすることができる。その結果、液保持部平面21bへの試料の配置を精度良く行うことができる。
<液保持部>
基部材2は、複数の液保持部21を有しており、枠部材3には、液保持部21に対応する貫通孔31が形成されている。
複数の液保持部21は基部材2の上面22と同じ高さ(深さ)であり、液保持部平面21bを有する平面部である。基部材2の全ての液保持部21は、基部材2の上面22に形成されている。
複数の液保持部21が基部材2の片面から窪み、液保持部内底面21aを有する凹部(有底孔)である場合に比べて、複数の液保持部21が基部材2の上面22と同じ高さ(深さ)であり、液保持部平面21bを有している場合は、液保持部21に保持される液量は少なくなる。しかしながら、液保持部平面21bに、液の拡がりを防止する親水化/撥水化処理を施したり、細胞接着性付与処理を施したり、円形溝などを設けたりすることで、一定の液量を保持することが可能となる。
基部材2の全ての液保持部21は、その軸線が互いに平行になるように、基部材2の上面22から延在形成されている。基部材2の上面22は、基部材2の各液保持部21の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3に複数形成された全ての貫通孔31は、その軸線が互いに平行になるように、それぞれ枠部材3の厚みを貫通して形成されている。枠部材2の結合側主面32は、枠部材3の各貫通孔31の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3は、各貫通孔31が基部材2の液保持部21と同軸に配置されるようにして基部材2に結合できる。枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21上に貫通孔31を形成することができる。
なお、液保持部21と貫通孔31については、液保持部21、及び枠部材3の結合側主面32における開口部、の形状及びサイズが互いに一致するように形成されている。
液保持部平面21bは、インクジェット法で吐出される細胞懸濁液の液滴の着弾面となる。
[第7実施形態]
<<試料容器>>
図14に示されるように、本実施形態の試料容器1は、複数の液保持部21を有する基部材2と、液保持部21に対応する貫通孔31が形成された枠部材3とを備えている。 ここで、「液保持部21に対応する貫通孔31」とは、具体的には、液保持部21の突出部の断面形状と、原則、同じ断面形状を貫通孔31が有していることをいう。断面形状は一定であることが好ましいがこれに限られない。
この試料容器1は、枠部材3を基部材2に結合可能、かつ枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21上に貫通孔31が形成され、液保持部21と貫通孔31とが一体となったウェルが形成される。
基部材2に対して、上方に枠部材3を結合させることにより、液保持部頂面21cへの試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができる。
<基部材及び枠部材>
液保持部21上に貫通孔31を形成して、液保持部21と貫通孔31とが一体となったウェルを形成する構成であれば、一つの部材に充分な容量のウェルを形成する場合とは異なり、液保持部21が基部材2の片面から突出した構造とすることができる。具体的には、液保持部21の基部材2の上面22からの高さは、0mm超17.8mm以下であることが好ましく、0mm超2mm以下であることが好ましい。
複数の液保持部21が基部材2の片面から突出した構造とすることにより、枠部材3を結合する前の基部材2の液保持部21の液保持部頂面21cの位置とインクジェットヘッドの位置が近くなり、吐出液滴の着弾バラつきを小さくすることができる。その結果、液保持部頂面21cへの試料の配置を精度良く行うことができる。
<液保持部>
基部材2は、複数の液保持部21を有しており、枠部材3には、液保持部21に対応する貫通孔31が形成されている。
複数の液保持部21は基部材2の片面から突出し、液保持部頂面21cを有する凸部である。基部材2の全ての液保持部21は、基部材2の上面22に形成されている。
複数の液保持部21が基部材2の片面から窪み、液保持部内底面21aを有する凹部(有底孔)である場合に比べて、液保持部21が基部材2の片面から突出し、液保持部頂面21cを有する凸部である場合は、液保持部21に保持される液量は少なくなる。しかしながら、液保持部頂面21cに、液の拡がりを防止する親水化/撥水化処理を施したり、細胞接着性付与処理を施したり、円形溝などを設けたりすることで、一定の液量を保持することが可能となる。
基部材2の全ての液保持部21は、その軸線が互いに平行になるように、基部材2の上面22から延在形成されている。基部材2の上面22は、基部材2の各液保持部21の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3に複数形成された全ての貫通孔31は、その軸線が互いに平行になるように、それぞれ枠部材3の厚みを貫通して形成されている。枠部材2の結合側主面32は、枠部材3の各貫通孔31の軸線に垂直に形成されている。
枠部材3は、各貫通孔31が基部材2の液保持部21と同軸に配置されるようにして基部材2に結合できる。枠部材3を基部材2に結合させることで液保持部21上に貫通孔31を形成することができる。
なお、液保持部21と貫通孔31については、液保持部21、及び枠部材3の結合側主面32における開口部、の形状及びサイズが互いに一致するように形成されている。
液保持部頂面21cは、インクジェット法で吐出される細胞懸濁液の液滴の着弾面となる。
[第8実施形態]
図15は第8実施形態の試料容器20を示す。
図15に示すように、この試料容器20は、第1実施形態の試料容器20からパッキン4が省略され、基部材2と枠部材3とが熱溶着により互いに接着一体化された概略構成となっている。
枠部材3は光透過性材料によって形成されている。枠部材3は光透過性部材である。
基部材2は非光透過性材料によって形成されている。
基部材2は枠部材3に対して接着性を有する熱可塑性樹脂によって形成されている。
枠部材3は基部材2に対して接着性を有する熱可塑性樹脂によって形成されている。但し、枠部材3は必ずしも熱可塑性樹脂製のものを採用する必要は無い。
図15において、基部材2の上面22及び枠部材3の結合側主面32は、パッキン嵌合凹部が省略され、平坦に形成されている。
基部材2の上面22及び枠部材3の結合側主面32は、基部材2及び枠部材3を熱溶着により一体化する際に互いに当接される対峙面の役割を果たす。
この実施形態の試料容器20は、光透過性部材である枠部材3を透過させ基部材2の上面22に照射した光によって基部材2の上面22付近を発熱させて溶融させ、基部材2を枠部材3に熱溶着より接着一体化して形成される。
なお、試料容器20は、基部材2及び枠部材3の少なくとも一方が光透過可能な材料で構成された光透過性部材であり、且つ基部材2及び枠部材3の他方が熱可塑性樹脂によって形成され、基部材2及び枠部材3の他方を基部材2及び枠部材3の一方(光透過性部材)を透過した光の照射により発熱させて基部材2及び枠部材3の一方に熱溶着可能とされていれば良い。基部材2及び枠部材3の一方が熱可塑性材料によって形成されている場合、基部材2及び枠部材3の他方を光照射によって発熱させることで、基部材2及び枠部材3の一方も加熱されて対峙面付近が熱溶融させることが可能となる。
試料容器20は、例えば、基部材2が光透過性部材、枠部材3が熱可塑性部材である構成も採用可能である。
試料容器20は、基部材2及び枠部材3の両方が光透過性部材である構成も採用可能である。この場合、基部材2及び枠部材3の一方または両方の対峙面付近を光吸収材の混入等によって光照射されたときに発熱、熱溶融可能とした構成を好適に採用できる。
上記で説明した実施形態は、各々単独で実施してもよく、あるいはこれらの2種以上を組み合わせて実施してもよい。
<<試料容器の使用方法>>
以下に、本実施形態の試料容器の使用方法の具体例を説明する。
この試料容器は、細胞の培養や、細胞やタンパク質のアッセイ、運搬等に使用できる。運搬等に使用する場合は、枠部材に、その結合側主面とは逆の面(おもて面)における各貫通孔の開口部を覆う蓋を装着して用いる。
この試料容器を細胞の培養、細胞やタンパク質のアッセイに使用する場合は、必要に応じて液保持部内底面(液保持部平面、液保持部頂面)に接着性を付与し、この内底面に細胞、タンパク質等の試料をパターニングして付着させてもよい。液保持部内底面(液保持部平面、液保持部頂面)への接着性付与は、プラズマ処理、細胞接着性材料の塗布等を採用して実現できる。細胞接着性材料としては、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、マトリゲル等が挙げられる。
<細胞>
細胞は、その種類等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、全ての細胞について使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
真核細胞としては、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞が好ましく、細胞が細胞集合体を形成する場合は、細胞と細胞とが互いに接着し、物理化学的な処理を行わなければ単離しない程度の細胞接着性を有する接着性細胞がより好ましい。
接着性細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分化した細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。接着性細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、又はそれらを何代か継代させたものでもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
原核細胞としては、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。
<細胞懸濁液>
まず、細胞懸濁液(以下、「細胞インク」あるいは単に「インク」と称することがある。)を用意する。細胞懸濁液としては、細胞を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞と、細胞を分散させる分散媒とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
分散媒としては、後述する被覆液と同様に、細胞培養用の培地や緩衝液が好ましい。分散媒としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿潤剤、細胞間距離調整材料、分散剤、pH調整剤などが挙げられる。
湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲル状多糖類などが挙げられる。
ゲル状多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸カルシウム、ジェランガム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルギン酸カルシウムが好ましい。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸のカルボキシル基にカルシウムイオンが結合した塩であり、カルシウムイオンは2価であるため、2つのカルボキシル基にまたがるかたちで結合(イオン架橋)して増粘することにより、細胞インクの乾燥を抑制することができる。このときカルシウムイオンは分散媒中に含まれており、乾燥による濃縮で過剰になったカルシウムイオンと結合すると考えられ、浸透圧を調整する役割も期待できる。
細胞間距離調整材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生体適合性を有するものが好ましい。
分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、などが挙げられる。例えば、トリプシン、Accumax、Accutaseなどがあげられる。
pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、HEPES、EDTAなどが挙げられる。
<吐出>
次に、細胞インクの液滴を、本実施形態の基部材の液保持部内に吐出する。
細胞インクの液滴を基体に吐出させる手段としては、インクジェット方式による液滴吐出手段が好ましい。
インクジェット方式による液滴吐出手段としては、例えば、細胞インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いて細胞インクの容積を変化させて液滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いて細胞インクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、細胞インクの容積を変化させて液滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
吐出速度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.1m/s以上10m/s以下が好ましい。吐出速度が0.1m/s以上10m/s以下であると、孔部内の被覆液の最小厚みが少なくとも5μmあれば着弾時の細胞のダメージを低減することができる。
吐出速度を求める方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インク液滴の細胞数を計数するために飛翔中のインク液滴を撮影する場合には、撮影画像のコマの時間間隔とインク液滴の移動距離とにより算出する方法などが挙げられる。
1回の吐出で形成される液滴に含まれる細胞数としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、1個以上2個以下が好ましい。1回の吐出で形成される液滴に含まれる細胞数が1個以上2個以下であると、インクジェットヘッドのノズルに細胞が詰まることによる不吐出が発生しにくくなる。また、細胞数のばらつきが少ないため、各孔部の細胞濃度のばらつきも低減することができる点で有利である。
インクを付着させる範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウェルの底部の全部または一部などが挙げられるが、底部の中央近傍が好ましい。インクを付着させる範囲が底部の中央近傍であると、ウェルの内壁面に細胞が付着しにくくなるため、ウェルに形成する細胞数制御を高精度にすることができる。
<培養液>
続いて、貫通孔が形成された枠部材を、本実施形態に従った方法で基部材に結合し、液保持部上に貫通孔を形成した後、培養液を注入し、細胞を培養する。
培養液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、細胞培養用の培地、緩衝液が含まれていることが好ましい。
培地は、組織体の形成と維持に必要な成分を含み、乾燥を防ぎ浸透圧などの外部環境を整える溶液であり、培地として知られているものであれば適宜選択して使用することができる。細胞を常時培地液内に浸しておく必要がない場合には、細胞インクから培地は適宜除去することができる。
緩衝液は、細胞や目的に合わせpHを調整するためのものであり、公知のものを適宜選択して使用することができる。
[第9実施形態]
図16〜図19に、本発明の第9実施形態に係る試料容器110を示す。
なお、図16〜図19において、上側を上、下側を下として説明する。また、以下、図16〜図19における上下方向を高さ方向とも言う。
図16、図17に示すように、この実施形態の試料容器110(ウェルプレート)は、液保持部121が複数形成された基部材120と、基部材120を脱着可能に保持できる枠状の枠部材130とを有する。図18に示すように、この試料容器110は、基部材120を収容保持した枠部材130の上端部に枠部材130の上部開口部131を塞ぐことができる蓋140が装着された構造の蓋付き試料容器150の組み立てに利用できる。
枠部材130の上端部は、枠状の枠部材130の軸線方向片側の端部を指す。
図16、図17に例示した枠部材130の液保持部121は、具体的には、基部材120の片面(上面122a)から窪み内底面(液保持部内底面)を有する凹部(有底孔。以下、ウェル)である。
基部材120の全てのウェル121は、基部材120の上面122aに開口させて形成されている。
なお、基部材の液保持部は、すでに述べたように、液の拡がりを防止する親水化/撥水化処理を施したり、細胞接着性付与処理を施したり、円形溝などを設けたりすることで、一定の液量を保持することが可能な領域であっても良い。
基部材の液保持部のこれらの具体的構成は、本発明の実施形態に係る種々の枠部材に適用可能である。
図16に示す基部材120は、長方形板状に形成されている。
この基部材120は、ウェル121が複数形成された長方形板状のプレート本体122を有する。ウェル121はプレート本体122の主面から窪む凹部である。ウェル121はプレート本体122の一対の主面の片方の側のみに形成されている。
また、基部材120は、プレート本体122の外周部からプレート本体122のウェル121が開口されている上面122a側に突出されたリブ123を含む。リブ123は、プレート本体122の外周部全周に形成されている。
基部材120の形成材料(材質)は、試料(例えば細胞)への毒性がなければどのような材質であってもよいが、例えば、ゴムや樹脂など、平板形状を維持する程度の剛性を有することが好ましい。また、基部材120の材質としては、例えば、シクロオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)、ポリビニル等の合成樹脂、PDMS(Poly−Dimethylsiloxane)等のシリコン系樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)等の合成ゴム、天然ゴム、ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の金属材料等が挙げられる。
基部材120には、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基部材120を形成する材料、特に、ウェル121が形成されている部分を形成する材料としては、例えば、ウェル121内にて培養された細胞を顕微鏡等の光学的な手段により観察する場合の利便性の点から、上述した材料のうち、透光性の材料を用いることが好ましい。
試料容器110を細胞の培養、細胞やタンパク質のアッセイに使用する場合は、必要に応じて基部材120のウェル121の内底面に接着性を付与し、この内底面に細胞、タンパク質等の試料をパターニングして付着させてもよい。ウェル121内底面への接着性付与は、プラズマ処理、細胞接着性材料の塗布等を採用して実現できる。細胞接着性材料としては、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、マトリゲル等が挙げられる。
図16に示す枠部材130、図18に示す蓋140、図19に示す変形例の蓋140Aは、それぞれ合成樹脂製の一体成形品である。但し、枠部材130及び蓋140、140Aは、複数部材によって組み立てられた組み立て品であっても良い。枠部材130及び蓋140、140Aの形成材料は、合成樹脂以外に、ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の金属材料、等も採用可能である。
枠部材130の形成材料は、基部材120を脱着しても枠部材130の形状を安定維持できる強度を確保可能なものであれば良く、多種多様なものを採用できる。但し、枠部材130の形成材料は、基部材120のウェル121内に保持した試料(例えば細胞)への毒性の確実回避の点では、例えば、基部材120の形成材料として使用可能な合成樹脂、ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の金属材料等を採用することが好ましい。
図16に示す枠部材130は四角枠状に形成されている。
枠部材130は、基部材120が挿入される挿入口132が貫通形成された前壁部133と、前壁部133に垂直に延在する一対の側壁部134と、前壁部133と平行に延在し一対の側壁部134の前壁部133とは逆側の後端部同士を連結する後壁部135とを有する。
一対の側壁部134は、枠部材130の前端の前壁部133と後端の後壁部135との間に前壁部133及び後壁部135に対して垂直に延在する長板状に形成されている。
なお、図16に示す枠部材130は、ANSI SLASマイクロプレート規格(以下、SLAS規格と記載。)に準じた外形寸法(但し、枠部材130の内側領域に臨む面を除く)を有する。
基部材120を内側に保持した枠部材130は、プレートリーダ、PCR装置(PCR;ポリメラーゼ連鎖反応)といった評価系装置の使用、適用が可能である。
以下、枠部材130について、前壁部133側を前、後壁部135側を後、として説明する。
一対の側壁部134は、その長手方向を枠部材130の前後方向に揃えて互いに平行に延在形成されている。
図16に示す枠部材130の前壁部133及び後壁部135は長板状に形成されている。
前壁部133及び後壁部135は、その長手方向を揃えて互いに平行に延在している。
前壁部133及び後壁部135は、枠部材130の前後方向に垂直の方向に延在形成されている。
以下、枠部材130について、前壁部133及び後壁部135の長手方向を、左右方向、とも言う。
枠部材130は前後方向寸法が左右方向寸法よりも長い長方形枠状に形成されている。 図16に示すように、一対の側壁部134は左右方向に垂直に形成されている。
図16に示すように、枠部材130の挿入口132は、前壁部133の長手方向に沿って延在する長孔状に形成されている。
挿入口132は、高さ方向において前壁部133の上端部とは逆の下端部側に形成されている。
図17、図18に示すように、一対の側壁部134及び後壁部135の、枠部材130内側領域に臨む内面134a、135aには、基部材120を枠部材130に対して位置決めするための嵌合溝136a、136bが形成されている。
一対の側壁部134の内面134aの嵌合溝136aは、側壁部134に前後方向(側壁部134長手方向)に延在形成されている。
後壁部135の嵌合溝136bは、後壁部135に枠部材130左右方向(後壁部135長手方向)に延在形成されている。
また、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bは、一対の側壁部134及び後壁部135のそれぞれにおいて、枠部材130の上端部とは逆の下端部側に形成されている。
図16に示すように、一対の側壁部134の内面134aの嵌合溝136aは、前壁部133の挿入口132の延在方向(左右方向)両端部に連通させて形成されている。嵌合溝136aは、高さ方向寸法及び高さ方向の位置を前壁部133の挿入口132の延在方向両端部に一致させて形成されている。側壁部134の嵌合溝136aは、前壁部133の挿入口132の延在方向両端部から連続して側壁部134に枠部材130後側へ向かって延在形成されている。
側壁部134の嵌合溝136aの溝底面は、前壁部133の挿入口132の延在方向両端の内端面132aに連続して形成されている。前壁部133の挿入口132の延在方向両端の内端面132aは側壁部134の嵌合溝136aの溝底面の延長上に位置する。
図16に示すように、後壁部135の内面135aの嵌合溝136bは、後壁部135に左右方向に延在形成されている。後壁部135の嵌合溝136bは、その延在方向両端を、一対の側壁部134の嵌合溝136aと連通させて形成されている。
図17、図18に示すように、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bには、挿入口132から枠部材130内側領域に挿入された基部材120の外周部が挿入嵌合される。
枠部材130は、挿入口132から枠部材130内側領域に挿入された基部材120を嵌合溝136a、136bによって保持することができる。
試料容器110の一対の側壁部134の内面134aの嵌合溝136aは、基部材の外周部が挿脱可能に嵌合される案内部の役割を果たす。
本発明の実施形態に係る試料容器の枠部材は、その内周面に、基部材の外周部が挿脱可能に嵌合される案内部が枠部材に対する基部材の挿脱方向に延在形成されている構成を好適に採用できる。
なお、案内部は、枠部材の内周面から窪む嵌合溝に限定されず、例えば、枠部材の内周面に枠部材に対する基部材の挿脱方向に互いに平行に延在形成された一対の案内リブ間に確保された溝状領域であっても良い。
図16に示すように、基部材120は、枠部材130に対して挿入口132から上面122aが上側(枠部材130上端部側)の向きで枠部材130内側へ挿入される。
前壁部133の挿入口132の延在方向寸法、及び一対の側壁部134の嵌合溝136aの溝底面間同士の離間距離は、基部材120の短手方向寸法と一致されている。
また、前壁部133の挿入口132のその延在方向に垂直の高さ方向寸法は、基部材120外周部のリブ123が存在する部分の厚み寸法と一致されている。
基部材120は、その短手方向を前壁部133の挿入口132の延在方向に一致させて、枠部材130の挿入口132から枠部材130内側へ挿入される。
基部材120は、リブ123がプレート本体122上に位置する向きで、枠部材130の挿入口132から枠部材130内側へ挿入することで、ウェル121に充填した細胞懸濁液、培養液等の液体が挿入口132内周面に接触することを回避できる。
なお、基部材120をリブ123がプレート本体122上に位置する向きで、枠部材の挿入口から枠部材内側へ挿入することは、本実施形態に限定されず他の実施形態でも共通する。
図16に示すように、基部材120は、枠部材130の挿入口132から枠部材130後側へ向かって押し込むことで、一対の側壁部134の嵌合溝136aに案内されながら枠部材130内側へ挿入されていく。また、枠部材130の挿入口132から枠部材130後側へ向かって押し込まれた基部材120は、枠部材130内側への挿入方向前端部が後壁部135の嵌合溝136bに挿入され後壁部135の嵌合溝136bの溝底面に当接する位置まで枠部材130に挿入される。
枠部材130の後壁部135は、基部材120の枠部材130内側への挿入方向前端部が後壁部135の嵌合溝136bの溝底面に当接する位置から枠部材130に対する枠部材130後側への移動を規制するストッパ部材の役割を果たす。
基部材120は、枠部材130内側への挿入方向前端を後壁部135の嵌合溝136bの溝底面に当接させることで、枠部材130に対して前後方向に位置決めされる。
基部材120の枠部材130に対する位置について、一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入された基部材120の枠部材130内側への挿入方向前端部が後壁部135の嵌合溝136bの溝底面に当接する位置を、以下、保持位置、とも言う。
基部材120が枠部材130に対する保持位置に配置されたとき、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bには基部材120のリブ123を含む外周部が嵌合される。その結果、基部材120が枠部材130に保持される。
なお、第9実施形態以外の実施形態についても、基部材の枠部材に対する位置について、一対の側壁部の嵌合溝に挿入された基部材の枠部材内側への挿入方向前端部が後壁部(例えば後壁部の嵌合溝の溝底面)に当接する位置を、以下、保持位置、とも言う。
基部材120は、外周部を、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bの溝底面に当接させて嵌合溝136a、136bに嵌合させることで、枠部材130に対して高さ方向(Z方向)及び高さ方向に垂直の方向(XY方向)に位置決めされる。枠部材130は、外周部を嵌合溝136a、136bに嵌合させた基部材120を高さ方向に垂直の向きで保持できる。
また、基部材120は、外周部を、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bに嵌合させることで、枠部材130に対する位置ずれを押えることができる。
基部材120が枠部材130によって保持位置に保持されたとき、前壁部133の挿入口132には、基部材120の枠部材130内側への挿入方向後端部が、挿入方向後端部に基部材120短手方向に延在形成されたリブ123とともに収容される。
基部材120においてその短手方向に延在形成されたリブ123を含む挿入方向後端部は、基部材120の長手方向中央部が基部材120長手方向に延在するリブ123とともに挿入口132に挿入されているときに比べて、挿入口132内周面に対する挿入口132軸線方向への摺動抵抗を大きく確保できる。
基部材120短手方向に延在するリブ123を含む基部材120の挿入方向後端部は、前壁部133の挿入口132に収容されることで、枠部材130によって保持位置に保持された基部材120の挿入口132から枠部材130外側への移動を抑制する。
枠部材130の上端面及び上端面とは逆側の下端面は、高さ方向に垂直に延在形成されている。
このため、基部材120を保持位置に保持した枠部材130は、下端面を載置台等に形成された水平な載置面に当接させて載置面上に載置したときには、基部材120を水平方向に延在する状態に支持できる。
枠部材130の一対の側壁部134の嵌合溝136aには、基部材120の短手方向両端部が挿入、嵌合される。
図16に示す基部材120の枠部材130内側への挿入方向前端部は、基部材120の長手方向片側の端部である。枠部材130の後壁部135の嵌合溝136bには基部材120の長手方向片側の端部が挿入、嵌合される。
図17は、枠部材130の前後方向中央部を前後方向に垂直の断面で断面視した断面構造を図18に比べて拡大して示した拡大断面図である。
なお、図17は、一対の側壁部134間に挿入された基部材120の断面視構造も示している。
図17に示すように、一対の側壁部134の一方には、一対の側壁部134間に挿入された基部材120を、他方の側壁部134へ向かって弾性付勢するための押圧片134bが形成されている。
押圧片134bは一対の側壁部134の他方(図17中、符号134Aを付記する)には形成されていない。押圧片134bが形成された側壁部134に、図17中、符号134Bを付記する。 以下、押圧片134bが形成されていない側壁部134を受け側側壁部134A、押圧片134bが形成された側壁部134を押圧側側壁部134Bとも言う。
図17に示すように、押圧側側壁部134Bには、その下端面134cから押圧側側壁部134B内部へ延在するスリット134dが形成されている。図17において、押圧側側壁部134Bのスリット134dは、押圧側側壁部134Bの下端面134cから押圧側側壁部134Bの上端に向かって延在する上下延在部と、上下延在部の上端から押圧側側壁部134Bの枠部材130内側領域に臨む内面134a付近まで延在する奥側延在部とを有する。
スリット134dは、押圧側側壁部134Bの長手方向全長にわたって形成されている。
図17に示すように、押圧側側壁部134Bの押圧片134bは、押圧側側壁部134Bにおいて、スリット134dの奥側延在部から下側、かつスリット134dの上下延在部から押圧側側壁部134Bの内面134a側、に位置する部分である。
図17に示す押圧側側壁部134Bにおける、押圧片134b、及びスリット134dの押圧側側壁部134Bの下端面134cから最も奥側の端(奥端)と押圧側側壁部134Bの内面134aとの間に確保された薄肉部134e、以外の部分を側壁部基部134fとも言う。押圧片134bは薄肉部134eを介して側壁部基部134fにおける薄肉部134eから上側の部分(以下、基部上部、とも言う)と繋がっている。
押圧側側壁部134Bの押圧片134b、スリット134d、薄肉部134e、及び側壁部基部134fは、押圧側側壁部134Bの長手方向全長にわたって延在形成されている。
スリット134dは、押圧側側壁部134Bの長手方向に沿って押圧側側壁部134Bから後壁部135へ延長形成され、後壁部135を貫通して枠部材130後端に開口されている。
なお、スリット134dは、押圧側側壁部134Bから前壁部133側のみに延長形成され、前壁部133を貫通して枠部材130前端に開口された構成、前壁部133及び後壁部135の両方を貫通して枠部材130の前後両端に開口された構成、も採用可能である。
図17に示すように、押圧側側壁部134Bの嵌合溝136aは押圧片134bに形成されている。
押圧片134bは、枠部材130内側からの押圧力が作用していないときには、スリット134dを介して側壁部基部134fから離間した位置に配置されている。
一対の側壁部134の嵌合溝136aに基部材120が挿入されたとき、押圧片134bは、基部材120によって枠部材130内側から押圧側側壁部134Bの内面134aとは逆の外側面側へ押圧される。このとき、押圧片134bは、押圧側側壁部134Bの薄肉部134eの弾性変形により薄肉部134eを中心に回動される結果、薄肉部134eの弾性により基部材120を受け側側壁部134Aへ向かって弾性付勢する。その結果、一対の側壁部134間に挿入された基部材120は、押圧片134bによって受け側側壁部134Aの内面134aに押圧されることで、枠部材130左右方向の位置決め精度を安定確保できる。
試料容器110について、保持位置に配置された基部材120が枠部材130に保持された状態を、以下、組み立て状態、とも言う。
試料容器110を組み立て状態としたとき、基部材120の上側には、高さ方向において枠部材130の基部材120よりも上側に位置する部分137(以下、上部壁部、とも言う)によって取り囲まれた領域130S(空間。以下、上側領域、とも言う)が確保される。
枠部材130の上部壁部137は、枠部材130における、挿入口132及び嵌合溝136a、136bから高さ方向上側の部分である。
組み立て状態の試料容器110の基部材120上に枠部材130の上部壁部137によって囲繞された上側領域Sが確保される構成は、基部材120のウェル121に充填された細胞懸濁液、培養液等の液体Lが蒸発していく過程で、液体Lから蒸発した水分を含む高湿空気Sを基部材120上に滞留させることができる。その結果、基部材120のウェル121内の液体Lの乾燥を抑制でき、液体L中の細胞が乾燥によりダメージを受けてしまうことを軽減することが可能となる。
枠部材130の上側領域130Sは、枠部材130内側に収容された基部材120から枠部材130の上部開口部131まで延在する貫通孔の役割を果たす。
枠部材130内側に収容された基部材120の全ての液保持部121は上側領域130Sに臨んで位置する。上側領域130Sは、枠部材130内側に収容された基部材120の全ての液保持部121に対応する貫通孔である。
枠部材が、上部開口部を有し、枠部材内側に収容された基部材から枠部材の上部開口部まで延在する貫通孔である上側領域が確保される構成である場合、上側領域は枠部材内側に収容された基部材の全ての液保持部に対応する貫通孔の役割を果たす。
図18に示すように、蓋140は、枠部材130の上部開口部131を覆うことが可能な蓋主板部141と、蓋主板部141の外周部から蓋主板部141の片面側に突出されたリブ状の周囲壁部142とを有する。
蓋140の周囲壁部142は、枠部材130の上端部外側に嵌合可能な筒状に形成されている。
図18に示す蓋140は、周囲壁部142を枠部材130の上端部外側に嵌合させ、蓋主板部141を枠部材130の上端面に当接させて、枠部材130に脱着可能に装着される。
蓋140は、組み立て状態の試料容器110の枠部材130の上端部に装着することで、基部材120のウェル121内の液体Lの乾燥抑制に有効に寄与する。
蓋は、枠部材130の上端部に脱着可能で、枠部材130上端部に装着したときに枠部材130内側に保持された基部材120の上面122aに沿って延在配置される蓋主板部を有し、かつ枠部材130の上部開口部を覆うことができるものであれば良く、種々構造のものを採用できる。
図18、図19に示す蓋140、140Aは、枠部材130上端部に装着したときに枠部材130内側に保持された基部材120の上面122aに沿って延在配置される蓋主板部を有し、かつ枠部材130の上部開口部を覆うことができるものであり、本発明に係る種々の実施形態の枠部材の上端部に脱着可能に装着して使用できる。
図19に示す蓋140Aは、枠部材130の上部開口部131を覆うことが可能な蓋主板部143と、蓋主板部143の外周部全周から蓋主板部143の片面側に突出された筒状の内筒部144と、内筒部144の突端全周からその外周側へ突出するフランジ状の外壁当接壁145と、外壁当接壁145の外周部から内筒部144と同じ側に突出された周囲壁部146とを有する。
蓋140Aの周囲壁部146は枠部材130の上端部外側に嵌合可能な筒状に形成されている。
図19に示す蓋140Aは、蓋主板部143及び内筒部144を枠部材130の上部壁部137内側に挿入し、周囲壁部146を枠部材130の上端部外側に嵌合させ、外壁当接壁145を枠部材130の上端面に当接させて、枠部材130に脱着可能に装着される。
この蓋140Aは、組み立て状態の試料容器110の枠部材130の上端部に装着したときに、蓋主板部143を、図18に示す蓋140よりも基部材120のプレート本体122の上面122aから近い場所に配置できる。このため、蓋140Aは、組み立て状態の試料容器110の枠部材130の上端部に装着することで、基部材120のウェル121内の液体Lの乾燥抑制により有効に寄与する。
試料容器110は、ウェル121内に細胞を収容した基部材120を保持した枠部材130の上端部に蓋140、140Aを装着した蓋付き試料容器(細胞入り容器)150、150Aを構成できる。
蓋付き試料容器150、150Aは、細胞の運搬、培養等に好適に用いることができる。
試料容器110は、枠部材130とは別体の基部材120を枠部材130に挿入して枠部材130に位置決め保持可能であり、しかも枠部材130に保持位置の基部材120よりも上側に位置する上部壁部137が確保された構造となっている。
SLAS規格に適合する外形寸法の枠部材130を使用したとき、基部材120は厚み寸法等がSLAS規格よりも小さいものを使用することとなる。しかし、試料容器110は、SLAS規格に適合する外形寸法が確保された枠部材130によってプレートリーダ、PCR装置といった評価系装置への搭載、位置決めが可能であり、評価系装置を用いた評価を適切に行える。
また、試料容器110は、基部材120の外周部を枠部材130の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝136a、136bの溝底面に当接させて嵌合溝136a、136bに嵌合させることで、基部材120を枠部材130に対して高さ方向及び高さ方向に垂直の方向に位置決めできる。このため、試料容器110は、プレートリーダ等の観察系装置に搭載したときに、基部材120のウェル121内に保持した細胞等の試料の観察を再現性良く行える。
なお、試料容器110は、評価性装置、観察系装置に搭載する際には、例えば、組み立て状態とし、かつ蓋を装着していない状態で、装置の載置台に載置する。
蓋は、吸光度測定のため基部材120のウェル121内の試料に照射する測定光や、蛍光観察のためにウェル121内の試料に照射する励起光が透過可能な透明に形成され、吸光度測定や蛍光観察のための励起光照射に影響を与えない蓋主板部を有する構成のもの(以下、主板部透明蓋、とも言う)も採用可能である。
観察系装置には、試料の発光観察、蛍光観察のために、基部材120下側に受光素子を配置した構成のもの(以下、下側受光形観察系装置、とも言う)がある。
吸光度測定のみを行なう観察系装置、発光観察及び蛍光観察の一方または両方のみを行なう下側受光形観察系装置、発光観察及び蛍光観察の一方または両方に加えて吸光度測定も行なう下側受光形観察系装置については、主板部透明蓋を枠部材130上端部に装着して組み立てた細胞入り容器を使用できる。
試料容器110は、ウェル121の深さを従来に比べて小さく(浅く)した基部材120を使用可能である。
また、試料容器110は、基部材120のウェル121への細胞配置を、基部材120を枠部材130から抜き出した状態で行ない、ウェル121への細胞配置を完了した基部材120を枠部材130に挿入して位置決め保持させることができる。
試料容器110は、ウェル121の深さが従来に比べて小さく(浅く)した基部材120を使用することで、枠部材130に挿入前の基部材120のウェル121に、細胞を含んだ微小液滴を飛翔させる細胞配置方式による細胞配置を行なう際の細胞配置、コントロールが容易となる。
この試料容器110は、基部材120のウェル121の深さを(浅く)してウェル121に収容される液量が減少しても、基部材120を枠部材130によって保持位置に保持した状態では枠部材130の上部壁部137によってウェル121内の液体の乾燥を抑制できる。このため、ウェル121内の細胞が乾燥によりダメージを受けてしまうことを軽減できる。
[第10実施形態]
図20に示す試料容器220(第10実施形態)は、第9実施形態の試料容器110の枠部材130について前壁部133を省略した構成の枠部材161に、枠部材161の挿入口62を開閉する開閉部材165が設けられた構成の外壁組立体160を採用したものである。
図20に示す外壁組立体160の枠部材161の挿入口62は、枠部材161の一対の側壁部134の前端部間に確保されている。
なお、第9実施形態以外の本発明に係る実施形態について、第9実施形態の試料容器110と同様の構成部分には共通の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
また、図20〜図22について、上側を上、下側を下、上下方向を高さ方向、として説明する。
図20〜図22に示す外壁組立体160の枠部材161は、一対の側壁部134の前端部の下端部間を橋絡する前端底板163を有している。枠部材161は、一対の側壁部134と、後壁部135と、前端底板163とを有する構成となっている。
前端底板163は高さ方向に垂直に延在する板状に形成されている。
前端底板163の上面は、高さ方向において一対の側壁部134の嵌合溝136aの下端に位置合わせされている。
挿入口162は、一対の側壁部134の前端部間における前端底板163から上側の領域である。
図20〜図22に示すように、開閉部材165は板状に形成されている。
開閉部材165は、一対の側壁部134の前端部に回転軸164を介して左右方向の回転軸線を中心に回転自在に軸支された基端部を有する。また、開閉部材165の基端部とは逆の先端部165aは、前端底板163上面に形成された係止溝163aに入り込ませることが可能な先細りのテーパ状に形成されている。
以下、開閉部材165の先端部165aを係合先端部とも言う。
図21に示すように、開閉部材165の係合先端部165aは、前端底板163上面に形成された係止溝163aに入り込ませることで、前端底板163に係脱可能に係合し、開閉部材165が挿入口162を閉じた状態を維持する。
開閉部材165は、係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませて前端底板163に係合させ、挿入口162を閉じた状態を維持することで、一対の側壁部134間に挿入された基部材120の挿入口162軸線方向における外壁組立体160外側(具体的には枠部材161外側)方向への移動を規制する前後方向ロック機構の役割を果たす。
また、図21に示すように、開閉部材165は、係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませて前端底板163に係合させ、挿入口162を閉じた状態を維持することで、一対の側壁部134間に挿入された基部材120を枠部材161の後壁部135との間に保持する。
図21において、基部材120は、枠部材161の一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入して後壁部135に当接させたときに、後壁部135側とは逆側の端(枠部材161への挿入方向後端)が一対の側壁部134の前端に位置合わせされる長手方向寸法を有するものを採用している。
但し、この実施形態の試料容器220では、枠部材161に対して保持位置に配置されたときに枠部材161への挿入方向後端が枠部材161の前端底板163上に配置される長手方向寸法を有する基部材120を採用し、開閉部材165を一対の側壁部134の前端部に対して、係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませて前端底板163に係合させたときに、保持位置に配置された基部材120を枠部材161の後壁部135との間に保持可能な位置に設けた構成も採用可能である。
前端底板163上面の係止溝163aに入り込ませた開閉部材165の係合先端部165aは、作業者が手指等で開閉部材165を枠部材161の内側領域側から押圧することで係止溝163aから強制的に抜き出すことができる(図22参照)。係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませた開閉部材165は、係合先端部165aを係止溝163aから抜き出すことで前端底板163との係合が解除され、枠部材161に対して回転自在となるため、挿入口162を開放可能となる。
図22に示すように、枠部材161に対して回転自在の開閉部材165は、挿入口162から一対の側壁部134間に挿脱される基部材120に干渉しない位置に配置できる。
なお、試料容器220の変形例として、例えば、枠部材161の前端底板163を省略し、一対の側壁部134のそれぞれの内面134a下端部から前端底板163の左右方向両端部に相当するプレート受け突部を突出させた枠部材を採用する。プレート受け突部上面には係止溝163aが形成されている。また、開閉部材は、図20〜図22の開閉部材165について、その先端部の左右方向の一部から、左右両側のプレート受け突部間に挿入可能な開放用突片を突出させた構成のものを採用する。開放用突片は、開閉部材165の先端部から開放部材165の基端部とは逆側へ突出させる。
開閉部材の開放用突片は、係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませて挿入口162を閉じたときに、枠部材の左右両側のプレート受け突部間に挿入される。したがって、枠部材の左右両側のプレート受け突部間に挿入された開放用突片を試料容器下側に挿入した手指によって枠部材前側へ引き出して開放部材を回転させることで、開閉部材の係合先端部165aをプレート受け突部上面の係止溝163aから抜き出して係合解除し、挿入口162を開放できる。
但し、開閉部材は、係合先端部165aを前端底板163の係止溝163aに入り込ませて挿入口162を閉じたときに、開放用突片が枠部材の下端面から下方に突出しないように形成する。
[第11実施形態]
図23は、第10実施形態の試料容器220について、開閉部材165を変形例の開閉部材166に変更した構成の外壁組立体160Aを有する試料容器230(第11実施形態)を示す。
図23に示す試料容器230の外壁組立体160Aは、図20〜図22に例示した外壁組立体160について、開閉部材を係合爪166bを有する開閉部材166に変更している。また、この外壁組立体160Aでは、前端底板163にかえて、前端底板163から若干後側へずれた位置に形成された前側連結板167を設けた構成の枠部材161Aを採用している。
枠部材161Aの前側連結板167は、一対の側壁部134の前端部における、各側壁部134の前端から若干後側にずれた部分の下端部間を橋絡している。また、前側連結板167は、高さ方向に垂直に延在する板状に形成されている。
枠部材161Aの挿入口162は、一対の側壁部134の前端部間の領域を指す。
図23に示す外壁組立体160Aの開閉部材166は、回転軸164を中心とする回転によって挿入口162を開閉可能な開閉板166aと、開閉板166aから突出された係合爪166bとを有する。開閉板166aは、回転軸164を介して一対の側壁部134の前端部に対して左右方向の回転軸線を中心に回転自在に支持された基端部と、基端部とは逆側に位置する先端部とを有する。開閉板166aは、挿入口162を閉じる位置に配置したときに、片面が枠部材161Aの内側領域に臨む向きとなる。係合爪166bは、開閉板166aの先端部における、開閉板166aを挿入口162を閉じる位置に配置したときに枠部材161Aの内側領域に臨む面の側から突出されている。
なお、枠部材161Aの内側領域は、一対の側壁部134と後壁部135とによって取り囲まれた内側の領域を指す。
図23に示すように、基部材120は、枠部材161Aの一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入して後壁部135に当接させたときに、後壁部135側とは逆側の端が前側連結板167の前端に位置合わせされる長手方向寸法を有するものを採用する。
開閉部材166の係合爪166bは、開閉板166aを挿入口162を閉じる位置に配置したときに前側連結板167の下側に係合されて開閉板166の枠部材161Aに対する回転を規制し、開閉板166aが挿入口162を閉じる位置に配置された状態を維持する。
係合爪166bを前側連結板167に係合させた開閉部材166は、一対の側壁部134間に挿入された基部材120を枠部材161Aの後壁部135との間に保持する。
開閉部材166の係合爪166bは前側連結板167に対して係脱可能である。
係合爪166bを前側連結板167に係合させた開閉部材166は、作業者が手指によって係合爪166bを前側連結板167から強制的に離脱させ係合解除することで、一対の側壁部134に対して回転自在となる。
一対の側壁部134に対して回転自在の開閉部材166は、挿入口162から一対の側壁部134間に挿脱される基部材120に干渉しない位置に配置できる。
図23に示すように、前側連結板167の下面は、枠部材161Aの下端面(側壁部134の下端面134cを含む)よりも上方に位置する。
開閉部材166の係合爪166bは前側連結板167の下面に係合させる。
外壁組立体160Aは枠部材161Aの前側連結板167の下面に係合させた開閉部材166の係合爪166bに、枠部材161Aの下端面から下方へ突出する部分が存在しないように構成されている。このため、外壁組立体160Aは、枠部材161Aの前側連結板167の下面に係合爪166bを係合させた状態であっても、平坦な載置面上にガタ付くことなく載置できる。前側連結板167の下面に係合させた係合爪166bは、外壁組立体160A内側に基部材120を保持した試料容器230をプレートリーダ、PCR装置といった評価系装置等に搭載する際に障害とならない。
図16等に示すように、第9実施形態の試料容器110の枠部材130の挿入口132と、一対の側壁部134の嵌合溝136aと、後壁部135の嵌合溝136bとは、基部材120を保持位置に位置決めして保持する位置決め保持部138を構成する。
第9実施形態の試料容器110の枠部材130は位置決め保持部138をひとつのみ有する。
[第12実施形態]
図24、図25に示すように、試料容器は、第9実施形態の試料容器110について、挿入口132を含む位置決め保持部138が高さ方向複数箇所(図25では2箇所)に形成された枠部材241を採用することも可能である(第12実施形態)。図24に示すように、この実施形態の試料容器240の前壁部133には、高さ方向複数箇所(図24では2箇所)に挿入口132(第1挿入口132A、第2挿入口132B)が開口されている。第1挿入口132A及び第2挿入口132Bは前壁部133の左右方向に延在する長孔状に形成されている。
図25は、図24に示す実施形態の試料容器240の一対の側壁部134の長手方向途中部から後側(後板部135)側を見た構造を示す断面図である。
図25に示すように、試料容器240の枠部材241には、一対の側壁部134の内面134aに形成された嵌合溝136aと、後板部135の内面135aに形成された嵌合溝135aとが構成する嵌合溝ユニット136が高さ方向複数箇所(図25では2箇所)に形成されている。
図24に示す試料容器240は、第9実施形態の試料容器110の枠部材130の高さ方向2箇所に位置決め保持部が形成された枠部材241と、基部材120とを有する。基部材120は第9実施形態の試料容器110に使用可能なものを採用できる。
この試料容器240の枠部材241の一対の側壁部134及び後壁部135には、前壁部133の高さ方向2箇所の挿入口132(第1挿入口132A、第2挿入口132B)に対応させて、それぞれ高さ方向2箇所に嵌合溝136a、136bが形成されている。
図24は、試料容器240の枠部材241の上端部に蓋140を装着して組み立てた蓋付き試料容器240Aも示している。
図24では、図18の蓋140を採用した蓋付き試料容器240Aを例示した。
蓋は、枠部材241の上端部に脱着可能で、枠部材241上端部に装着したときに枠部材241内側に保持された基部材120の上面122aに沿って延在配置される蓋主板部を有し、かつ枠部材241の上部開口部を覆うことができる種々構造のものを採用できる。蓋は例えば図19に例示した蓋140A等も採用できる。但し、蓋は、枠部材241上端部に装着したときに、前壁部133の高さ方向2箇所の挿入口132のうち上側の第2挿入口132Bを含む位置決め保持部138によって保持位置に保持された基部材120と干渉しないものを採用する。
図24の試料容器240について、以下、基部材120を前壁部133の高さ方向2箇所の挿入口132のうち下側の第1挿入口132Aを含む位置決め保持部138によって保持位置に保持した状態を第1組み立て状態、基部材120を前壁部133の上側の第2挿入口132Bを含む位置決め保持部138によって保持位置に保持した状態を第2組み立て状態、とも言う。
また、試料容器240は、第1組み立て状態、第2組み立て状態のいずれでも、枠部材241の上端部に蓋140を装着して組み立て状態の蓋付き試料容器を得ることができる。
図24の試料容器240は、第1組み立て状態としてプレートリーダ等の下側受光形観察系装置に搭載したとき、第2組み立て状態で下側受光形観察系装置に搭載した場合に比べて下側受光形観察系装置の受光素子から基部材120のウェル121下側の透光性のウェル底壁までの距離を短くでき、再現性の良い観察を実現する点で有利である。
また、第2組み立て状態とした試料容器240は、第1組み立て状態とした試料容器240に比べて、枠部材241上端部に装着した蓋140の蓋主板部141から枠部材241内に保持した基部材120までの距離を短くすることができる。
ウェル121内に細胞懸濁液、培養液等を入れた基部材120を用いて第2組み立て状態とした試料容器240の枠部材241上端部に蓋140を装着した蓋付き試料容器(細胞入り容器)は、第1組み立て状態の試料容器240を用いて組み立てた細胞入り容器に比べて、ウェル121内の液体の乾燥抑制、ウェル121内の細胞に乾燥によるダメージを与えることの回避に有利である。
この実施形態の試料容器240は、例えば、第1組み立て状態としてプレートリーダ等の観察系装置に搭載して吸光度測定、発光、蛍光の観察に使用した後、第1挿入口132Aから枠部材241外側へ抜き出した基部材120を第2挿入口132Bから枠部材241内側へ挿入して、第2組み立て状態の試料容器240の枠部材241上端部に蓋140を装着した蓋付き試料容器(細胞入り容器)を組み立て、ウェル121内の細胞の保管、培養、運搬等に使用する、といったことも可能である。
[第13実施形態]
図26は、第9実施形態の試料容器110について、前壁部133に、基部材120が1枚のみ挿入可能な挿入口132にかえて、基部材120が積層状態で複数枚(図26では2枚)挿入可能な高さ寸法の挿入口252を形成した枠部材251を有する試料容器250を示す(第13実施形態)。
図27は、図26に示す試料容器250の枠部材251の一対の側壁部134の長手方向途中部から後側(後板部135)側を見た構造を示す断面図である。
図27に示すように、この試料容器250の枠部材251の一対の側壁部134及び後壁部135には、基部材120が1枚のみ挿入、嵌合される嵌合溝にかえて、複数枚(図27では2枚)の基部材120を積層状態で一括して挿入、嵌合可能な嵌合溝253、254が形成されている。挿入口252と、一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝253、254とは、複数枚の基部材120を積層状態で一括位置決めして保持可能な位置決め保持部255を構成する。試料容器250は、基部材120を挿入口252から枠部材251の嵌合溝253、254に複数枚積層状態で挿入嵌合させ位置決め保持部255に保持することで組み立て状態となる。
この実施形態の試料容器250では、挿入口252から枠部材251の一対の側壁部134及び後壁部135の嵌合溝253、254に挿入した基部材120を複数枚積層状態にすると、基部材120上に位置する別の基部材120が、基部材120上を覆う蓋の役割を果たす。
図26、図27に示すように、基部材120は、その外周部から上面122a側に突出するリブ123がプレート本体122の上側に位置する向きで枠部材130内側に挿入される。このため、基部材120上に配置された別の基部材120は、その下側の基部材120のリブ123によってプレート本体122の上面122aから上側に離間した位置に支持され、プレート本体122の上面122aに接触しない。
積層によって基部材120同士が上下に互いに隣接する構造は、上側の基部材120が下側の基部材120上を覆う蓋の役割を果たし、下側の基部材120のウェル121内の液体の乾燥抑制、ウェル121内の細胞に乾燥によるダメージを与えることの回避に有利である。
積層によって上下に互いに隣接する基部材120のうち上側の基部材120は、下側の基部材120上に位置する。このため、上側の基部材120は、1枚の基部材120のみを枠部材251内側へ挿入して位置決め保持部に支持した場合に比べて、枠部材251の上端部に装着した蓋140の蓋主板部141に接近配置することができる。上側の基部材120は、厚みを大きくすることなく、枠部材251上端部に装着した蓋140の蓋主板部141に接近配置することができる。
このため、ウェル121に細胞を収容した基部材120を用いて組み立て状態とした試料容器250の枠部材251の上端部に蓋140が装着された蓋付き試料容器250A(細胞入り容器)では、互いに積層された2枚の基部材120のうち下側の基部材120のみならず、上側の基部材120についても、ウェル121内の液体の乾燥を抑制でき、ウェル121内の細胞に乾燥によるダメージを与えることを回避できる。
試料容器250は、2枚の基部材120を積層状態で枠部材251の位置決め保持部255に位置決め保持する構成に限定されず、3枚以上の基部材120を積層状態で位置決め保持部255に位置決め保持する構成も採用可能である。
3枚以上の基部材120を積層状態にした場合は、最上段以外の基部材120についてそれぞれの直上の基部材120が蓋の役割を果たす。
この実施形態の試料容器250は、例えば、複数枚の基部材120を積層状態で枠部材251の位置決め保持部255に保持した組み立て状態で、観察系装置等に搭載できる。
また、この実施形態の試料容器250を用いて組み立てた細胞入り容器は、枠部材251内側に挿入した基部材120のウェル121内の液体の乾燥抑制によりウェル121内の細胞にダメージを与えることを回避して、複数の基部材120の一括運搬や細胞培養に好適に利用できる。
[第14実施形態]
図28は、第9実施形態の試料容器110について、枠部材130の前壁部133とは逆の後壁部135に、基部材120が通過可能な後部開口部262を貫通形成した構成の試料容器260(第14実施形態)を示す。
この実施形態の試料容器260の枠部材261は、第9実施形態の試料容器110の枠部材130について、後壁部135に嵌合溝136bにかえて後部開口部262を貫通形成した構成となっている。この試料容器260では、挿入口132から枠部材130内側に挿入した基部材120を後部開口部262から取り出すことができる。
試料容器260の一対の側壁部134の内面134aの嵌合溝136aは、前端を挿入口132に連通させ、後端を後部開口部262に連通させて形成されている。
試料容器260では、挿入口132から枠部材261内側に向かって押し込んだ基部材120は、その外周部が一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入され、各側壁部134の嵌合溝136aに案内させながら後壁部135へ向かって移動させることができる。また、この試料容器260では、外周部が一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入された基部材120を枠部材261後側への移動によって後部開口部262に挿入でき、後部開口部262から枠部材130外側へ排出させることができる。
図28、図29に示すように、枠部材261の挿入口132の内周面、及び後部開口部262の内周面には、基部材120に形成された位置決め凹部124に挿脱可能に嵌合して基部材120を前後方向に位置決めするための位置決め凸部263が突出されている。図28に示す枠部材261の位置決め凸部263は、具体的には、挿入口132及び後部開口部262のそれぞれの上端に位置する面(以下、上底面、とも言う)から突出されている。
図28、図29において、基部材120は、リブ123のうち、基部材120の長手方向両端部に短手方向に延在する部分上に、枠部材261の位置決め凸部263が挿脱可能に嵌合する位置決め凹部124が形成されたものを採用している。
試料容器260では、枠部材261の挿入口132の上底面、及び後部開口部262の上底面のそれぞれの位置決め凸部263が、挿入口132から枠部材261内側に向かって押し込んだ基部材120の長手方向両端部のリブ123上の位置決め凹部124に挿入嵌合することで、基部材120をその長手方向両端部が枠部材261の挿入口132及び後部開口部262に収容された位置(以下、保持位置、とも言う)に保持できる。
基部材120の位置決め凹部124に挿入嵌合される位置決め凸部263は、枠部材261の内側に挿入された基部材120の挿入口132の軸線方向における枠部材261外側方向への移動を規制するための前後方向ロック機構を兼ねる。
基部材120の位置決め凹部124に挿入、嵌合された枠部材261の位置決め凸部263は、基部材120を作業者が手指で枠部材261に対してその前側あるいは後側へ移動させて基部材120の位置決め凹部124から強制的に離脱させ位置決め凹部124との嵌合を解除することができる。
基部材120の位置決め凹部124と枠部材261の位置決め凸部263との嵌合により枠部材261の保持位置に保持された基部材120は、位置決め凹部124と位置決め凸部263との嵌合を解除することで、枠部材261に対してその前側及び後側へ移動自在となり、枠部材261の挿入口132からの抜き出し及び後部開口部262からの抜き出しが可能となる。
図28に示す枠部材261の挿入口132の内周面の位置決め凸部263と、後部開口部262の内周面の枠部材261の挿入口132の内周面の位置決め凸部263とは、試料容器260の左右方向(枠部材261の左右方向と一致)の位置を互いに揃えて形成されている。
基部材120の長手方向両端部の位置決め凹部124は、基部材120を枠部材261の一対の側壁部134の嵌合溝136aに挿入することで、試料容器260左右方向において枠部材261の位置決め凸部263に一致する位置に配置される。
このため、基部材120を枠部材261にその外側から挿入する際、及び保持位置から移動させた基部材120を枠部材261から外側へ抜き出す際には、基部材120の長手方向片側端部の位置決め凹部124に枠部材261の位置決め凸部263が嵌合する。但し、枠部材261の位置決め凸部263の位置決め凹部124への嵌合は作業者が手指で基部材120を枠部材261に対して移動させる力によって解除可能である。このため、基部材120を枠部材261にその外側から挿入する作業、及び基部材120を枠部材261の保持位置から枠部材261外側へ抜き出す作業は支障無く行える。
枠部材261の位置決め凸部263と位置決め凸部263が挿脱可能に嵌合される基部材120の位置決め凹部124とが構成する嵌合位置決め構造は、例えば、枠部材261の挿入口132及び後部開口部262のそれぞれの延在方向端の内端面から突出された位置決め凸部263と、基部材120の長手方向両端部の基部材120短手方向端に位置する側面に形成された位置決め凹部124とで構成しても良い。
嵌合位置決め構造は、枠部材261の側壁部134の内面134aから突出させた位置決め凸部263と、基部材120における長手方向両端部間の部分の基部材120短手方向端に位置する側面に形成された位置決め凹部124とで構成しても良い。
枠部材261における位置決め凸部263の形成位置、及び基部材120における位置決め凹部124の形成位置は、位置決め凸部263と位置決め凹部124との嵌合によって基部材120を枠部材261に対して保持位置に保持可能に設定される。
また、嵌合位置決め構造は、上述した枠部材261における位置決め凸部263の形成位置に位置決め凸部263にかえて形成された位置決め凹部と、基部材120における位置決め凹部124の形成位置に位置決め凹部124にかえて形成された位置決め凸部とによって構成しても良い。
[第15実施形態]
図30に示す試料容器270(第15実施形態)は、第9実施形態の試料容器110の枠部材130について、前壁部133の挿入口132を省略し、一対の側壁部134の片方のみに基部材120を挿入するための挿入口272を形成した構成の枠部材271を有するものである。
以下、枠部材271の一対の側壁部134のうち、挿入口272が形成されている側の側壁部134を第1側壁部341、挿入口272が形成されていない側の側壁部134を第2側壁部1342、とも言う。
第1側壁部1341の挿入口272は、側壁部134の下端部に側壁部134長手方向(枠部材271前後方向)に延在する長孔状に形成されている。この挿入口272には、長方形板状の基部材120の長手方向寸法に相当する延在方向寸法が確保されている。
図30に示すように、この実施形態の試料容器270の枠部材271の前壁部133及び後壁部135の枠部材271内側領域に臨む内面133a、135aの下端部には、枠部材271左右方向に延在する嵌合溝273が形成されている。枠部材271の第2側壁部1342の内面134aの下端部には、前後方向に延在する嵌合溝274が形成されている。
枠部材271は、前壁部133及び後壁部135の内面133a、135aの嵌合溝273と、第2側壁部1342の内面134aの嵌合溝274とが構成する嵌合溝ユニット275を有する。
図30に示すように、挿入口272から枠部材271内側へ挿入した基部材120の長手方向両端部は、前壁部133及び後壁部135の嵌合溝273に挿入される。基部材120は、挿入口272から枠部材271内側への挿入によって、長手方向両端部が前壁部133及び後壁部135の嵌合溝273に案内されながら第2側壁部1342へ向かって移動し、枠部材271への挿入方向前端部を構成する短手方向一端部が第2側壁部1342の嵌合溝274に挿入嵌合される。基部材120は、枠部材271への挿入方向前端部を構成する短手方向一端部が第2側壁部1342(具体的には第2側壁部1342の嵌合溝274の溝底面)に突き当たる所まで、挿入口272から枠部材271内側へ挿入される。
基部材120は、枠部材271への挿入方向前端部が第2側壁部1342の嵌合溝274の溝底面に突き当たったとき、前壁部133及び後壁部135の嵌合溝273及び第2側壁部1342の嵌合溝274のそれぞれの溝底面と基部材120外周面との当接によって枠部材271に対して位置決めされる。基部材120の、各嵌合溝273、274の溝底面との当接によって枠部材271に対して位置決めされる位置を、以下、保持位置、とも言う。
また、基部材120は、各嵌合溝273、274の溝底面との当接によって枠部材271に対して位置決めされたとき、各嵌合溝273、274と基部材120外周部との嵌合によって枠部材271に対する位置決め状態が維持される。
各嵌合溝273、274には、基部材120の外周部のリブ123を含む部分が挿入、嵌合される。
嵌合溝ユニット275は、挿入口272から枠部材271内側に挿入された基部材120を保持位置に位置決め保持する。
基部材120が枠部材271によって保持位置に保持されたとき、枠部材271の第1側壁部1341の挿入口272には、基部材120の枠部材271内側への挿入方向後端部が、挿入方向後端部に基部材120長手方向に延在形成されたリブ123とともに収容される。
基部材120においてその長手方向に延在形成されたリブ123を含む挿入方向後端部は、基部材120の短手方向中央部が基部材120短手方向に延在するリブ123とともに挿入口272に挿入されているときに比べて、挿入口272内周面に対する挿入口272軸線方向への摺動抵抗を大きく確保できる。
基部材120長手方向に延在するリブ123を含む基部材120の挿入方向後端部は、第1側壁部1341の挿入口272に収容されることで、枠部材271によって保持位置に保持された基部材120の挿入口272から枠部材130外側への移動を抑制する。
枠部材271の挿入口272と嵌合溝ユニット275とは、挿入口272から枠部材271内側に挿入された基部材120を保持位置に位置決め保持する位置決め保持部276を構成する。
基部材120の外周部は、嵌合溝ユニット275を構成する各嵌合溝273、274に挿脱可能に挿入、嵌合される。
また、基部材120は枠部材271の挿入口272に対して挿脱可能である。
挿入口272から枠部材271内側に挿入され位置決め保持部276によって保持位置に位置決め保持された基部材120は、作業者が手指等で枠部材271に対して移動させることで挿入口272から枠部材271外側へ抜き出すことができる。
この実施形態の試料容器270は、枠部材271に対して基部材120をその短手方向寸法に相当する移動距離で挿入して、嵌合溝ユニット275の各嵌合溝273、274に嵌合させることで、枠部材271の保持位置に保持させることができる。
この実施形態の試料容器270は、例えば第9実施形態の試料容器110のように、枠部材130に対して基部材120をその長手方向寸法に相当する移動距離で挿入して保持位置に至る構造の試料容器に比べて、保持位置に到達させるまでの枠部材271に対する移動距離を小さくできる。
このため、この実施形態の試料容器270は、枠部材271に対する基部材120の挿入作業の時間短縮が可能であり、細胞や培養液等をウェル121に入れてから枠部材271に挿入して枠部材271に保護した状態にするまでの所要時間を短縮できる。
また、この試料容器270は、枠部材271に対する挿入のための移動距離を短縮できることで、例えば、基部材120が枠部材271への挿入作業途中での斜め押し等で枠部材271に斜めに押し込まれた状態で嵌合してしまい挿入作業が中断して作業時間が長くなる等の不都合を生じにくくすることができる。
<<試料容器の使用方法>>
以下に、本実施形態の試料容器の使用方法の具体例を説明する。
この試料容器は、プレートリーダ等の観察系装置を用いた細胞やタンパク質の観察、PCR装置等の評価系装置を用いた細胞やタンパク質の評価、細胞の培養、細胞やタンパク質のアッセイ、運搬等に使用できる。
運搬等に使用する場合は、枠部材の上端部にその上部開口部を覆う蓋を装着して用いる。
試料容器110を細胞の培養、細胞やタンパク質のアッセイに使用する場合は、必要に応じて基部材120のウェル121の内底面に接着性を付与し、この内底面に細胞、タンパク質等の試料を微小液滴としてインクジェット方式などにより飛翔させて配置する、さらに、パターニングして配置(付着)させてもよい。ウェル121内底面への接着性付与は、プラズマ処理、細胞接着性材料の塗布等を採用して実現できる。細胞接着性材料としては、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、マトリゲル等が挙げられる。
<細胞>
細胞は、その種類等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、全ての細胞について使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
真核細胞としては、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞が好ましく、細胞が細胞集合体を形成する場合は、細胞と細胞とが互いに接着し、物理化学的な処理を行わなければ単離しない程度の細胞接着性を有する接着性細胞がより好ましい。
接着性細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分化した細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。接着性細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、又はそれらを何代か継代させたものでもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
原核細胞としては、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。
<細胞懸濁液>
基部材のウェル内に細胞を入れる手法としては、まず、細胞懸濁液(以下、「細胞インク」あるいは単に「インク」と称することがある。)を用意する。細胞懸濁液としては、細胞を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞と、細胞を分散させる分散媒とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
分散媒としては、後述する被覆液と同様に、細胞培養用の培地や緩衝液が好ましい。分散媒としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿潤剤、細胞間距離調整材料、分散剤、pH調整剤などが挙げられる。
湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲル状多糖類などが挙げられる。
ゲル状多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸カルシウム、ジェランガム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルギン酸カルシウムが好ましい。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸のカルボキシル基にカルシウムイオンが結合した塩であり、カルシウムイオンは2価であるため、2つのカルボキシル基にまたがるかたちで結合(イオン架橋)して増粘することにより、細胞インクの乾燥を抑制することができる。このときカルシウムイオンは分散媒中に含まれており、乾燥による濃縮で過剰になったカルシウムイオンと結合すると考えられ、浸透圧を調整する役割も期待できる。
細胞間距離調整材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生体適合性を有するものが好ましい。
分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、などが挙げられる。例えば、トリプシン、Accumax、Accutaseなどがあげられる。
pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、HEPES、EDTAなどが挙げられる。
<吐出>
次に、細胞インクの微小液滴を、基部材のウェル内に吐出する。
細胞インクの液滴をウェル内に吐出させる手段としては、インクジェット方式による液滴吐出手段が好ましい。
但し、本実施形態の試料容器は、枠部材とは別体の基部材を用いるため、枠部材に挿入していない状態の基部材のウェルに細胞インクの液滴を吐出する。これにより、基部材を枠部材に挿入した場合に比べて、インクジェットヘッドを基部材上面に接近させることができ、インクジェットヘッドからウェル内底面までの細胞インク液滴の飛翔距離を短縮でき、細胞の精密配置のためのコントロールが容易となる。
インクジェット方式による液滴吐出手段としては、例えば、細胞インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いて細胞インクの容積を変化させて液滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いて細胞インクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、細胞インクの容積を変化させて液滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
吐出速度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.1m/s以上10m/s以下が好ましい。吐出速度が0.1m/s以上10m/s以下であると、ウェル内の被覆液の最小厚みが少なくとも5μmあれば着弾時の細胞のダメージを低減することができる。
吐出速度を求める方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インク液滴の細胞数を計数するために飛翔中のインク液滴を撮影する場合には、撮影画像のコマの時間間隔とインク液滴の移動距離とにより算出する方法などが挙げられる。
1回の吐出で形成される液滴に含まれる細胞数としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、1個以上2個以下が好ましい。1回の吐出で形成される液滴に含まれる細胞数が1個以上2個以下であると、インクジェットヘッドのノズルに細胞が詰まることによる不吐出が発生しにくくなる。また、細胞数のばらつきが少ないため、ウェル内の細胞濃度のばらつきも低減することができる点で有利である。
インクを付着させる範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウェルの底部の全部または一部などが挙げられるが、底部の中央近傍が好ましい。インクを付着させる範囲が底部の中央近傍であると、ウェルの内壁面に細胞が付着しにくくなるため、ウェルに形成する細胞数制御を高精度にすることができる。
<培養液>
続いて、ウェル内に培養液を注入し、細胞を培養する。
培養液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、細胞培養用の培地、緩衝液が含まれていることが好ましい。
培地は、組織体の形成と維持に必要な成分を含み、乾燥を防ぎ浸透圧などの外部環境を整える溶液であり、培地として知られているものであれば適宜選択して使用することができる。細胞を常時培地液内に浸しておく必要がない場合には、細胞インクから培地は適宜除去することができる。
緩衝液は、細胞や目的に合わせpHを調整するためのものであり、公知のものを適宜選択して使用することができる。
続いて、基部材を枠状の枠部材の内側に挿入して枠部材に保持させて試料容器を組み立て状態とする。
試料容器は、基部材を枠部材の内側に保持した組み立て状態で、プレートリーダ等の観察系装置、PCR装置等の評価系装置、などに搭載して、基部材のウェル内の細胞やタンパク質の観察、評価に供することができる。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、合成樹脂製の一体成形品の枠部材は、複数部材によって組み立てられた組み立て品や、図31、図32の例示のように合成樹脂製の1枚のシート材280(図31参照)の折曲によって組み立てた組み立て品(図32の枠部材281)に変更可能である。
また、開閉部材が取り付けられる枠部材は、合成樹脂製の一体成形品の他、複数部材によって組み立てられた組み立て品や、合成樹脂製の1枚のシート材の折曲によって組み立てた組み立て品も採用可能である。
図31に例示したシート材280は、図32に示す四角枠状(具体的には長方形枠状)の枠部材281の組み立てに使用するものである。
シート材280は、図31に示す展開状態において、互いに平行に延在する長板状の一対の側板部284と、一対の側板部284の長手方向両端部のそれぞれにおいて各側板部284の長手方向端部同士を連結する端部底板287と、一方の端部底板287に折曲部288を介して繋がっている前壁部283と、他方の端部底板287に折曲部288を介して繋がっている後壁部285とを有する。
折曲部288は、シート材280が局所的に薄肉に形成されシート材280に真っ直ぐに延在する領域である。シート材280は折曲部288を折り線として折曲可能である。 各端部底板287と側板部284との間は折曲部288を介して繋がっている。
前壁部285には、基部材120を挿入可能な挿入口282が前壁部285の厚みを貫通して形成されている。
一対の側板部284及び後壁部285には、基部材120の外周部が挿入、嵌合される嵌合溝286が形成されている。一対の側板部284に形成された嵌合溝286は案内部の役割を果たす。
図32に示す枠部材281は、図31に示すシート材280の前壁部283、側板部284及び後壁部285を一対の端部底板287に対して立ち上げるように折曲し、前壁部283、側板部284及び後壁部285の互いに隣接する端部同士を接着剤を用いた接着固定等によって固定したものである。
試料容器の枠部材は、長方形枠状に限定されず、正方形枠状、楕円形枠状、円形枠状等も採用可能である。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]複数の液保持部を有する基部材と、前記液保持部に対応する貫通孔が形成された枠部材とを備え、前記枠部材を前記基部材に結合可能、かつ前記枠部材を前記基部材に結合させることで前記液保持部上に前記貫通孔が形成される試料容器。
[2]前記基部材及び前記枠部材のそれぞれに形成されたパッキン嵌合凹部に嵌合可能なパッキンをさらに備え、前記基部材と前記枠部材との結合が、前記基部材及び前記枠部材のそれぞれの前記パッキン嵌合凹部に嵌合された前記パッキンを介して実現される、[1]に記載の試料容器。
[3]前記基部材と前記枠部材とが、前記基部材と前記枠部材との間に設けられた接着層を含む結合部によって互いに結合されている、[1]または[2]に記載の試料容器。[4]前記接着層が接着剤を含む、[3]に記載の試料容器。
[5]前記基部材及び前記枠部材の一方または両方に前記接着層を形成する接着剤層と前記接着剤層の表面に剥離可能に貼付された表面シートとが設けられ、前記表面シートを剥離した前記接着剤層の表面の前記基部材または前記枠部材への接着、あるいは前記表面シートを剥離した前記接着剤層の表面同士の接着によって、前記枠部材が前記基部材に結合される、[3]または[4]に記載の試料容器。
[6]前記接着層が、前記基部材と前記枠部材とが互いに直接接着された境界部を形成する熱溶着層である、[3]に記載の試料容器。
[7]前記基部材及び前記枠部材の外側から前記基部材及び前記枠部材のそれぞれに係合させて前記基部材及び前記枠部材を互いに重ね合わせた状態に保持して前記基部材と前記枠部材との結合状態を保つ結合保持部材をさらに有する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の試料容器。
[8]前記基部材及び前記枠部材の側面には前記結合保持部材に突出形成された係合突部を挿入して係合するための係合凹部が形成され、前記結合保持部材は互いに重ね合わせ状態の前記基部材及び前記枠部材の側面に沿って配置される主板部と、前記基部材の前記係合凹部に挿入される前記係合突部である第1係合突部と、前記枠部材の前記係合凹部に挿入される前記係合突部である第2係合突部とを有し、前記第1係合突部及び前記第2係合突部は前記主板部の片面の互いに離間した位置から突出されている、[7]に記載の試料容器。
[9]平板状の前記基部材と、円弧板状の前記枠部材とを有し、前記枠部材は、その湾曲の外周側の面を前記基部材に当接させて前記湾曲の周方向両端部が前記結合保持部材により前記基部材に保持されることで、前記基部材に沿う平板状に変形されて前記基部材に重ね合わせ状態となる、[7]または[8]に記載の試料容器。
[10]前記枠部材の前記基部材とは反対側に配置される円弧板状の押付部材をさらに備え、前記押付部材は、その湾曲の外周側の面を前記枠部材の前記基部材とは逆側の上面に当接させて前記湾曲の周方向両端部が前記結合保持部材により互いに重ね合わされた前記基部材及び前記枠部材に保持されることで、前記枠部材の前記上面に沿う平板状に変形されて前記枠部材の上面に重ね合わせ状態となる、[7]または[8]に記載の試料容器。[11]前記基部材及び前記枠部材のいずれか一方に嵌合突部、他方に前記嵌合突部が挿入嵌合される嵌合凹部が形成され、前記嵌合突部を前記嵌合凹部に嵌合させることにより、前記基部材に前記枠部材が結合される、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の試料容器。
[12]前記基部材及び前記枠部材のいずれか一方に磁石、他方に前記磁石によって磁気吸着可能な磁性材料または磁石が設けられ、前記磁石の磁気吸着力により前記枠部材の前記基部材に対する結合が維持される、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の試料容器。
[13]前記基部材と前記枠部材の少なくとも一つが光透過可能な材料で構成されており、前記基部材及び前記枠部材は、前記基部材及び前記枠部材のうち光透過可能な材料で形成されたものである光透過部材の方向から光照射されて互いに当接された対峙面の一方または両方で発熱し接着することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の試料容器。
[14]前記枠部材の内周面には、前記基部材の外周部が挿脱可能に嵌合される案内部が挿脱方向に延在形成されている[1]に記載の試料容器。
[15]前記枠部材に、その内側に前記基部材を挿入するための挿入口が形成されている[14]に記載の試料容器。
[16]前記枠部材に、前記枠部材の内側に挿入された前記基部材の前記挿入口の軸線方向における前記枠部材外側方向への移動を規制するための前後方向ロック機構が設けられている[15]に記載の試料容器。
[17]前記枠部材の前記挿入口とは逆の側に前記基部材が通過可能な後部開口部が貫通形成され、前記挿入口の内周面あるいは前記後部開口部の内周面及び前記凹部部材の一方に位置決め凸部、他方に前記位置決め凸部が挿脱可能に嵌合する位置決め凹部が形成されている[15]または[16]に記載の試料容器。
[18][14]〜[17]のいずれか一項に記載の試料容器と、前記試料容器の前記枠部材の上端部に脱着可能に装着されることで前記枠部材における前記基部材の保持位置よりも上方の上部開口部を覆う蓋とを有する蓋付き試料容器。
[19][18]に記載の蓋付き試料容器の前記枠部材の内側に、前記液保持部に細胞を保持した前記基部材が保持されている細胞入り容器。
本発明の試料容器は、液保持部への試料の配置を精度良く行え、また、必要な液量を収容可能な容量を備えることができる。
1 試料容器
2 基部材
21 液保持部
21a 液保持部内底面
21b 液保持部平面
21c 液保持部頂面
22 対峙面(基部材上面)
23 パッキン嵌合凹部
24 係合凹部
25 嵌合突部
3 枠部材
31 貫通孔
32 対峙面(結合側主面)
33 パッキン嵌合凹部
34 係合凹部
35 嵌合凹部
4 パッキン
5 接着層
51 接着剤層
52 熱溶着層
6 表面シート
7 結合保持部材
71 主板部
72 第1係合突部
73 第2係合突部
8 押付部材
110 試料容器
120 基部材
121 液保持部(ウェル)
122 プレート本体
122a 上面
123 リブ
124 位置決め凹部
130 枠部材
130S 上側領域
131 上部開口部
132 挿入口
132A 第1挿入口
132B 第2挿入口
132a 内端面
133 前壁部
133a (前壁部の)内面
134 側壁部
134A 受け側側壁部
134B 押圧側側壁部
134a (側壁部の)内面
134b 押圧片
134c 下端面
134d スリット
134e 薄肉部
134f 側壁部基部
1341 第1側壁部
1342 第2側壁部
135 後壁部
135a (後壁部の)内面
136 嵌合溝ユニット
136a 案内部(嵌合溝)
136b 嵌合溝
137 上部壁部
138 位置決め保持部
140 蓋
140A 蓋
141 蓋主板部
142 周囲壁部
143 蓋主板部
144 内筒部
145 外壁当接壁
146 周囲壁部
150,150A 蓋付き試料容器
160,160A 外壁組立体
161,161A 枠部材
162 挿入口
163 前端底板
163a 係止溝
164 回転軸
165 開閉部材
165a 係合先端部
166 開閉部材
166a 開閉板
166b 係合爪
167 前側連結板
220,230,240 試料容器
240A 蓋付き試料容器
241 枠部材
250 試料容器
250A 蓋付き試料容器
251 枠部材
252 挿入口
253,254 嵌合溝
255 位置決め保持部
260 試料容器
261 枠部材
262 後部開口部
263 位置決め凸部
270 試料容器
271 枠部材
272 挿入口
273,274 嵌合溝
275 嵌合溝ユニット
276 位置決め保持部
280 シート材
281 枠部材
282 挿入口
283 前壁部
284 側板部
285 後壁部
286 嵌合溝
287 端部底板
288 折曲部
L…液体
S…高湿空気
特許第4576539号公報

Claims (19)

  1. 複数の液保持部を有する基部材と、
    前記液保持部に対応する貫通孔が形成された枠部材と
    を備え、
    前記枠部材を前記基部材に結合可能、かつ前記枠部材を前記基部材に結合させることで前記液保持部上に前記貫通孔が形成される試料容器。
  2. 前記基部材及び前記枠部材のそれぞれに形成されたパッキン嵌合凹部に嵌合可能なパッキンをさらに備え、
    前記基部材と前記枠部材との結合が、前記基部材及び前記枠部材のそれぞれの前記パッキン嵌合凹部に嵌合された前記パッキンを介して実現される、請求項1に記載の試料容器。
  3. 前記基部材と前記枠部材とが、前記基部材と前記枠部材との間に設けられた接着層を含む結合部によって互いに結合されている、請求項1または2に記載の試料容器。
  4. 前記接着層が接着剤を含む、請求項3に記載の試料容器。
  5. 前記基部材及び前記枠部材の一方または両方に前記接着層を形成する接着剤層と前記接着剤層の表面に剥離可能に貼付された表面シートとが設けられ、前記表面シートを剥離した前記接着剤層の表面の前記基部材または前記枠部材への接着、あるいは前記表面シートを剥離した前記接着剤層の表面同士の接着によって、前記枠部材が前記基部材に結合される、請求項3または4に記載の試料容器。
  6. 前記接着層が、前記基部材と前記枠部材とが互いに直接接着された境界部を形成する熱溶着層である、請求項3に記載の試料容器。
  7. 前記基部材及び前記枠部材の外側から前記基部材及び前記枠部材のそれぞれに係合させて前記基部材及び前記枠部材を互いに重ね合わせた状態に保持して前記基部材と前記枠部材との結合状態を保つ結合保持部材をさらに有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の試料容器。
  8. 前記基部材及び前記枠部材の側面には前記結合保持部材に突出形成された係合突部を挿入して係合するための係合凹部が形成され、
    前記結合保持部材は互いに重ね合わせ状態の前記基部材及び前記枠部材の側面に沿って配置される主板部と、前記基部材の前記係合凹部に挿入される前記係合突部である第1係合突部と、前記枠部材の前記係合凹部に挿入される前記係合突部である第2係合突部とを有し、前記第1係合突部及び前記第2係合突部は前記主板部の片面の互いに離間した位置から突出されている、請求項7に記載の試料容器。
  9. 平板状の前記基部材と、円弧板状の前記枠部材とを有し、
    前記枠部材は、その湾曲の外周側の面を前記基部材に当接させて前記湾曲の周方向両端部が前記結合保持部材により前記基部材に保持されることで、前記基部材に沿う平板状に変形されて前記基部材に重ね合わせ状態となる、請求項7または8に記載の試料容器。
  10. 前記枠部材の前記基部材とは反対側に配置される円弧板状の押付部材をさらに備え、 前記押付部材は、その湾曲の外周側の面を前記枠部材の前記基部材とは逆側の上面に当接させて前記湾曲の周方向両端部が前記結合保持部材により互いに重ね合わされた前記基部材及び前記枠部材に保持されることで、前記枠部材の前記上面に沿う平板状に変形されて前記枠部材の上面に重ね合わせ状態となる、請求項7または8に記載の試料容器。
  11. 前記基部材及び前記枠部材のいずれか一方に嵌合突部、他方に前記嵌合突部が挿入嵌合される嵌合凹部が形成され、
    前記嵌合突部を前記嵌合凹部に嵌合させることにより、前記基部材に前記枠部材が結合される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の試料容器。
  12. 前記基部材及び前記枠部材のいずれか一方に磁石、他方に前記磁石によって磁気吸着可能な磁性材料または磁石が設けられ、前記磁石の磁気吸着力により前記枠部材の前記基部材に対する結合が維持される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の試料容器。
  13. 前記基部材と前記枠部材の少なくとも一つが光透過可能な材料で構成されており、前記基部材及び前記枠部材は、前記基部材及び前記枠部材のうち光透過可能な材料で形成されたものである光透過部材の方向から光照射されて互いに当接された対峙面の一方または両方で発熱し接着することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の試料容器。
  14. 前記枠部材の内周面には、前記基部材の外周部が挿脱可能に嵌合される案内部が挿脱方向に延在形成されている請求項1に記載の試料容器。
  15. 前記枠部材に、その内側に前記基部材を挿入するための挿入口が形成されている請求項14に記載の試料容器。
  16. 前記枠部材に、前記枠部材の内側に挿入された前記基部材の前記挿入口の軸線方向における前記枠部材外側方向への移動を規制するための前後方向ロック機構が設けられている請求項15に記載の試料容器。
  17. 前記枠部材の前記挿入口とは逆の側に前記基部材が通過可能な後部開口部が貫通形成され、前記挿入口の内周面あるいは前記後部開口部の内周面及び前記凹部部材の一方に位置決め凸部、他方に前記位置決め凸部が挿脱可能に嵌合する位置決め凹部が形成されている請求項15または16に記載の試料容器。
  18. 請求項14〜17のいずれか一項に記載の試料容器と、前記試料容器の前記枠部材の上端部に脱着可能に装着されることで前記枠部材における前記基部材の保持位置よりも上方の上部開口部を覆う蓋とを有する蓋付き試料容器。
  19. 請求項18に記載の蓋付き試料容器の前記枠部材の内側に、前記液保持部に細胞を保持した前記基部材が保持されている細胞入り容器。
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