JP4148515B2 - 生物活性物質移送シート、その製造方法、それを用いた細胞スクリーニング法 - Google Patents

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本発明は、細胞に対して生理活性作用を有する一種類以上の生物活性物質の機能、または2種類以上の生物活性物質の組み合わせによる効果を特定する為、あるいは細胞を用いた生理活性物質のスクリーニングに用いることのできる生物活性物質移送シート、その製造方法、それを用いた細胞スクリーニング法に関する。
近年、動植物の細胞を種々の条件下において培養する研究、あるいは特定の培養細胞による産生物の研究が活発に行われており、特に人工的には合成が不可能であるか、あるいは合成が極めて困難な物質を特定の細胞活動を利用して製造することが多方面において検討されている。また、細胞の増殖・分化に影響を与える物質を特定し、目的に応じて所望の細胞を増殖、分化させようという研究が行われており、細胞工学や医工学の急速な進歩とともに、細胞を用いた超小型バイオセンサーや人工臓器、更にはニューロコンピューターなどが注目を集め、これらに応用すべく活発な研究活動がなされている。
しかしながら前述のように生体外で細胞を利用するには、細胞を望むように配列させ、その増殖、分化や物質産出を制御することが不可欠であるが、細胞を配列させ、その増殖、分化や物質産生を制御する機構が十分解明されておらず、この様な観点で細胞を制御しながら培養することは極めて困難で、前述のような細胞を利用した研究開発の進展の大きな障壁となっている。
また、薬剤の感受性に対する個人差に起因する問題を考慮したテーラーメード医療の概念は近年広く認知されてきており、そのニーズは高まっているが、これまでは、特に技術的理由のために、生理活性を持つ物質の影響については個々の物質の機能についてのみ研究されることが多く、複数の薬剤の効果の有無や必要量、組み合わせの効果などを簡便に調べる有効な手法が確立されていない。
細胞の配列を制御する試みとしては、USP5108926号公報のように、インクジェットプリンタを用いて細胞接着性蛋白質を塗布してパターンを形成し、この上で細胞を培養した例がある。この方法では、細胞接着性蛋白質が塗布されたパターン上で細胞を培養することはできるが、その増殖・分化や物質産出の制御を行い、細胞をスクリーニングすることはできない。また、「蛋白質・核酸・酵素」、45〜5、727〜734(2000)では、細胞の増殖・分化に影響を与える細胞成長因子を基板上にフォトリソグラフィ技術を用いて固定化し、細胞の増殖・分化に与える影響の検討をしている。しかしながら、細胞成長因子を固定化した基板を細胞のスクリーニング手段として用いておらず、また、フォトリソグラフィ法では、生体内に少量しか存在しないこれら生体物質を浪費し、露光、現像といったプロセスを繰り返さなければならず製造工程が複雑となる。
また、特表2000-512009号公報では、細胞接着性に影響を与える物質を基板上に固定化し、細胞のスクリーニングを行う方法について提案がなされている。ここでは、基板上に設けられた反応性官能基と細胞接着性物質を二価の架橋試薬により固定化している。反応性官能基と細胞接着性物質を結合させる際にフォトリソグラフィを用いており、前述したことと同様の課題が生じるだけでなく、複数の細胞接着性物質を固定化する際には、すでに固定化されている物質と新たに固定化する物質が所望でない位置で二価の架橋試薬で結合されることを回避することは極めて困難で、所望の位置に、細胞接着性物質を配置することは極めて困難である。また、増殖や分化、更には、物質産出に影響する物質を固定化することはなく、細胞を各ウェルに接着性物質により固定化し、培養液により培養される過程で細胞が産生する物質を捉えることで細胞をスクリーニングするものであり、本発明のように細胞の接着性や増殖、分化、生存、未分化状態の維持、細胞死及び物質産出の少なくとも1つに影響する物質をスクリーニングするためのものではない
また、特開2002-355025号公報では複数の細胞スクリーニング物質を、液滴吐出手段でベース上の所望の領域に配置して固定化し、異なる細胞スクリーニング機能を有する複数の領域を有することを特徴とする細胞スクリーニング基板を形成するが開示されている。この発明では細胞スクリーニング物質が培養液中でスクリーニング基板にすべて固定化されているために細胞内に細胞スクリーニング物質が取り込めない場合が多く、細胞内に細胞スクリーニング物質が取り込まれ始めて増殖、分化、生存、未分化状態の維持、細胞死及び物質産出の少なくとも1つに影響する細胞をスクリーニングする場合を除き有効な提案である。
また、特開2002-328124号公報は生物活性物質の高次数の組み合わせをスクリーニングすることを目的としているが、該発明ではあらかじめ基板に付与された生物活性物質の作用についての効果を見るものであり、生体内において細胞外基質に固定化された状態で作用する生物活性物質の効果や、細胞の培養過程において、生物活性物質の逐次的な添加により引き起こされる効果についてスクリーニングすることはできなかった。
また、特開2003-33177号公報は、多種の薬物・毒物などの化学物質を簡便にアッセイするために複数の領域に分割された細胞アレイを作成し、得られた各領域に生物活性物質を付与して同時に多検体のスクリーニングを行うものであるが、該発明では、培養中の細胞に対して、いちいちディスペンス手段を用いて生物活性物質を付与するために、その工程でのコンタミネーションの危険性や、専用の生物活性物質の付与装置を構築する必要があり、簡便に用いることはできなかった。
米国特許第5108926号明細書 特表2000-512009号公報 特開2002-355025号公報 特開2002-328124号公報 特開2003-33177号公報 「蛋白質・核酸・酵素」、45巻、727〜734(2000)
本発明の目的は、上述の従来例の持つ課題を解消せしめ簡便な工程で形成できる細胞スクリーニング基板及びその製造方法を提供し、細胞工学等の研究をさらに発展させ、また細胞を利用した各種デバイスを作製するための基盤となる技術を提供することにある。さらに、本発明の目的は、細胞内に生物活性物質が取り込まれ始めて増殖、分化、生存、未分化状態の維持、細胞死及び物質産出の少なくとも1つに影響する細胞をスクリーニングする場合や生物活性物質の逐次的な添加により引き起こされる効果についてのスクリーニングも有効である方法を提供するものである。
本発明には以下の各態様が含まれる。
(1)培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、
該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
前記生物活性物質が、シート媒体上から遊離可能である
ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
(2)培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
前記シート媒体が少なくとも前記保持領域において伸縮性または可撓性を有するフィルムからなる
ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
(3)培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
前記保持領域から、前記生物活性物質の徐放が可能、もしくは徐放性を付与した生物活性物質を遊離できる
ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
(4)前記生物活性物質が、シート媒体上から遊離可能なことを特徴とする上記(2)項に記載の生物活性物質移送シート。
(5)シート媒体が少なくとも前記保持領域において伸縮性または可撓性を有するフィルムからなる上記(1)または(3)項に記載の生物活性物質移送シート。
(6)前記保持領域から、前記生物活性物質の徐放が可能、もしくは徐放性を付与した生物活性物質を遊離できる上記(1)または(2)項に記載の生物活性物質移送シート。
(7)前記保持領域を2以上有する上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
(8)前記生物活性物質の種類または2種以上の生物活性物質の組合せが異なる保持領域の組合せの1以上を有する上記(7)項に記載の生物活性物質移送シート。
(9)前記生物活性物質の密度が異なる保持領域の組合せの1以上を有する上記(7)または(8)項に記載の生物活性物質移送シート。
(10)シート媒体上に凸部が設けられ、該凸部領域に前記生物活性物質が保持されている上記(1)〜(9)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
(11)シート媒体上に生物活性物質を担持する担持層が部分的に又は全面に形成されている上記(1)〜(10)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
(12)各保持領域、あるいは、2つ以上の保持領域から形成される領域群が凸状の壁状構造物により囲まれている上記(1)〜(11)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
(13)上記1〜(12)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シートの製造方法であって、
前記保持領域への生物活性物質の付与に、少なくとも液体吐出手段を用いることを特徴とする生物活性物質移送シートの製造方法。
(14)前記液体吐出手段が、サーマルインクジェット方式による吐出手段である上記(13)項に記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
(15)前記液体吐出手段が、ピエゾインクジェット方式による吐出手段である上記(13)項に記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
(16)前記生物活性物質の固定を外部から固定用のエネルギーを加えて行う工程をさらに含む上記(13)〜(15)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
(17)上記1〜(12)項のいずれかに記載の生物活性物質移送シートを用いた細胞スクリーニング法であって、
培養領域を有する基板に前記生物活性物質移送シートを載置して、該生物活性物質移送シートに設けられた該培養領域に対応する生物活性物質の保持領域で該培養領域を覆う工程と、
前記培養領域に生物活性物質を固定した状態で細胞を培養する工程と、
前記保持領域から生物活性物質を培養液に供給する工程と、
を有することを特徴とする細胞スクリーニング法。
(18)前記培養液中に前記細胞のスクリーニングに必要な物質を補充する工程を有する上記(17)項に記載の細胞スクリーニング法。
(19)前記シート媒体を同一または異なるシート媒体と交換する工程を有する上記(17)または(18)項に記載の細胞スクリーニング方法。
(20)前記細胞の形態変化を観察する工程を更に含む上記(17)〜(19)項のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
(21)評価の際に細胞を染色する上記(20)項に記載の細胞スクリーニング法。
(22)前記細胞内で合成された物質の定量を行う工程を含む上記(17)〜(21)項のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
(23)前記細胞内に取り込まれた物質の定量を行う工程を含む上記(17)〜(21)項のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
(24)前記放射線量測定、蛍光量測定、発光量測定および吸光度測定の少なくとも1種により前記物質の定量を行う工程を含む上記(22)または(23)項に記載の細胞スクリーニング法。
本発明にかかる生物活性物質移送シートを用いたスクリーニングによれば、スクリーニングの結果、細胞の増殖・分化、生存および未分化状態の維持、細胞死または、物質産出に必要な因子を特定でき、細胞を効率的に培養するための方法を決定することが可能となる。また、移送シートに担持させる物質を薬にすれば、培養された細胞がどのような薬の組合せや量の場合に最も効果があるかを評価できる。また、種々の疾患に対する人それぞれの診断法を決定することが可能となる。また、移送シートは、液滴吐出手段としてインクジェット法をもちいる事ができるため、多種の生物活性物質を同時に、また液滴数を制御することによって濃度変化をつけたり、数種類の生物活性物質を混ぜ合わせて精度良く細胞培養液に移送できるため、従来は難しかった多元系の細胞の増殖・分化、生存が正確にわかる。また、生物活性物質の逐次的な添加により引き起こされる効果についてのスクリーニングも簡便に可能になり有効な手段である。さらに、本発明にかかる移送シートは、簡単に製造できるため低コストで多量に製造可能である。生物活性物質移送シートとして安定に保存することができ、必要なときに取り出して使用できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の生物活性物質移送シートの一例を説明する。図1(A)に示すように、生物活性物質移送シート1は、ベース(基体)11上に2種類以上の生物活性物質12が所望の位置に密度(濃度)を変えて配置されており、各生物活性物質12はベース11上にパターン化されている。図2においては、2種類以上の生物活性物質12を96個の領域にパターン化(101〜196)した生物活性物質移送シート1である。2種類以上の生物活性物質12をパターン化し、その生物活性物質の領域に対応するそれぞれ個々の領域ごとに区分された培養液に接触させその培養液中に遊離溶解させ、細胞を培養する。従って、培養後、生物活性物質12の組合せによる細胞の接着性や増殖、分化、生存、未分化状態の維持、細胞死及び物質産出の少なくとも1つの違いを見ることができる。液滴吐出手段を用いて生物活性物質移送シートを作成する大きな利点の1つは、1つのパターン領域に任意の割合で生物活性物質を容易に配置することができることである。
本発明において用いることができる細胞としては、原核および真核細胞であればどんなものでも用いることができ、たとえば、細菌細胞、酵母細胞、ニューロン、繊維芽細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、グリア細胞、胎性幹細胞、造血幹細胞、肥満細胞、脂肪細胞、原生動物細胞、神経幹細胞、ならびにT細胞およびB細胞を含む免疫細胞などの細胞全体(例えば、形質転換細胞または非形質転換細胞);細胞塊などを適宜選択して使用できる。
また、本発明の生物活性物質12は、細胞の接着性や、細胞の増殖、分化、生存および未分化状態の維持、細胞死、物質産出、または、遺伝子発現や細胞内シグナル伝達などに影響を与える培養制御用の物質のことをいい、これには、細胞外基質蛋白質や細胞の表面と特異的結合能を有する抗体、サイトカインの他、細胞と結合、あるいは、細胞内に取り込まれ、細胞の増殖、分化、生存および未分化状態の維持、細胞死、物質産出、酵素活性の阻害、細胞内シグナル伝達物質などが含まれる。例えば、細胞外基質蛋白質としては、コラーゲンやエラスチン、フィブロネクチン、ラミニンなどが挙げられる。また、サイトカインの中には、細胞成長因子やホルモンと呼ばれるものが含まれ、細胞成長因子には、神経成長因子(NGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、骨形成因子(BMP)、インシュリン様成長因子(IGF)、腫瘍壊死因子(TNF)などが挙げられる。また、ホルモンとしてはペプチド系のインスリンやカルシトニンン、ステロイド系のアルドステロンやプロゲステロン、アミノ酸誘導体系のエピネフリンやチロキシンなどが挙げられる。また、これ以外の化学物質として、アレルギーを引き起こすアレルゲンなどの物質や、いわゆる内分泌攪乱物質と呼ばれる種々の化学物質が挙げられる。また、抗生物質など細菌の増殖抑制できる物質も含まれる。また、上記物質に結合し、その物質の細胞内での局在を調べることができるような抗体や、その機能を抑制する中和抗体などがあげられる。また、ベース11上には複数の種類の異なる生物活性物質の組合せが異なる領域群が形成されていてもよい。また、ベース11上には複数の種類の異なる生物活性物質の組合せだけでなく生物活性物質12の密度を変化させた領域群が形成されていてもよい。
こうした各領域に対応するそれぞれ個々の領域ごとに区分された培養液に接触させその培養液中に遊離溶解させ、細胞を培養する。図3で一例を示す。前述の96の領域にパターン化した生物活性物質移送シート1を細胞培養液を注入したマイクロプレート(96ウェル)21に移送シート1の96の領域が各ウェル21に重なるように重ね合わせる。張り合わせた状態のものの模式的断面図を図4に示す。
更に、シート1とマイクロプレート2を重ね合わせた状態で振動や回転させることによりシート1に担持させた生物活性物質を細胞培養液中に遊離溶解させる。次にシート1をマイクロプレートから剥離して細胞懸濁液を各ウェルに注入後培養を行う。培養後、生物活性物質12の種類の組み合わせや密度の変化による細胞の接着性や増殖、分化生存、未分化状態の維持、細胞死あるいは物質産出の違いを、より詳細に見ることができる。細胞培養用基板1を用いて細胞を培養する際に、培養を開始する直前の例を挙げたが、本発明では、細胞培養開始後の任意の時期に、図4に示す状態で生物活性物質移送シートを培養液4に接触させて培養液中に生物活性物質を遊離溶解させる。
ベース11は、生物活性物質12を保持できるものであれば材質や形状はいずれでもよい。具体的には、ガラス基板、プラスチックプレート、プラスチックシート、ポリマーフィルム、紙などを好適に用いることができる。さらにベース11は透明であっても、遮光性のものであっても、さらには着色されていてもよい。また、ベース11は、伸縮性もしくは弾力性、更には可撓性のあるフィルムで構成されていてもよい。その場合シリコンゴムなどの合成ゴムや天然ゴム、パラフィン系フィルムが好適に用いられる。移送シートの生物活性物質の領域に細胞培養セルを密着させその培養液に接触させ培養液中に剥離溶解させる場合、伸縮性や弾力性があれば密着性がよいので液漏れがしにくいという利点があるために好ましい。また、伸縮性や可撓性を利用して、培養液4の液面まで裏面側から凸状形体の物で移送シートを押し付けて生物活性物質を培養液中に溶解させることが可能である(図5)。この場合、回転や振動させずに生物活性物質を遊離、溶解できる利点がある。
また、ベース11は、生物活性物質12がパターン化されている個々の領域、または、2つ以上の領域から形成される領域群が窪んでいてもよい。このことにより液滴吐出手段により配置される液滴の配置を容易にすることができ、更に、窪みにより連結されている個々の領域または領域群ごとに対応する培養セル中の培養液を変えて生物活性物質を移送させ細胞を培養することができる。このような窪みを有する基板は、樹脂材料の金型成型や、フォトリソグラフィ技術などを用いたエッチング法などにより作製することができる。
また、ベース11は、生物活性物質12がパターン化されている個々の領域、または、2つ以上の領域から形成される領域群が壁状構造物により囲まれていてもよい。このことにより、液滴吐出手段により配置される液滴の配置を容易にすることができ、更に、窪みにより連結されている個々の領域または領域群ごとに培養液を変えて細胞を培養することができる。このような基板は、フォトリソグラフィ法などを用いることで微細な壁状構造物の作製が可能である。また、ベース11は、凸部が設けられ、該凸部領域に生物活性物質12が設けられていても良い。その場合、凸部を培養セル中に挿入するだけで培養液4に生物活性物質12を容易に溶解することができる。凸部の形状は金型等でプレス成型して作成することができる。また、生物活性物質がパターン化されていない領域に粘着剤や撥水剤が塗布、もしくは印刷されていてもよい。また、図1(B)で示されるようにベース11上に生物活性物質を担持する担持層14が部分的に又は全面に形成してもよい。
担持層14は生物活性物質が培養セル中の培養液に接触したとき速やかに生物活性物質が遊離溶解することを助ける。従って担持層14は水溶性もしくは水膨潤性の物質が望ましい。また、生物活性物質が安定に保持できるものが好ましい。たとえばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、メタアクリル酸コポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、カルメロース、ポリビニルピロリドン、などの合成高分子や澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、繊維素グリコール酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどの澱粉類、デキストリン、アラビアガム、カラギナン、カンテン、ゼラチントラガント、結晶セルロースなどの天然高分子やブドウ糖、蔗糖、果糖、キシリトールなどの水溶性化合物が好適に用いられる。これら材料は、必要に応じてベース11上の一部あるいは全面に塗布してもよい。担持層14の塗布の方法は、バーコート、ブレードコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などが利用できる。担持層の厚みは、自由に設定できるが1μm〜100μm程度が好ましい。
担持層の構成を選択することで、担持層に付着した生物活性物質の培養液への徐放性を得ることができる。また、この徐放性は、生物活性物質をシートに付与する際に、生物活性物質を含む液体中に徐放性を付与し得る物質(例えば水溶性のスチレン−アクリル樹脂など)を添加しておくことにより得ることも可能である。
このような細胞スクリーニング基板1は以下のようにして作製できる(図1(A)及び(B)参照)。ベース11はまず、必要に応じて前述した処理を行ってもよい。具体的には、ベース11の洗浄を行い、所望でない物質を取り去ったり、紫外線をはじめとする放射線の照射やコロナ放電を行ったりすることなど様々な化学的物理的処理を行うことができる。
このようなベース11上に直接または、ベース11上に生物活性物質を担持する担持層14が部分的に又は全面に形成したシート上に、生物活性物質12を配置する。配置には、液滴吐出手段13を用いる。液滴吐出手段13とは、1滴あたりの体積が100nl以下の液滴より好ましくは1nl以下が吐出可能なもので、マイクロピペット、マイクロディスペンサーや、インクジェット法を用いた吐出装置が挙げられる。吐出装置が安価に作製でき、微少な液滴が吐出できる点でインクジェット法を用いた吐出装置を好適に用いることができる。さらにインクジェット法の中でも、サーマルインクジェット法とピエゾインクジェット法を好適に用いることができ、サーマルインクジェット法による吐出装置は、吐出口の微細加工が容易で、生物活性物質12を高密度に配置することができる。また、ピエゾインクジェット法による吐出装置は、圧電素子の変位により、吐出エネルギーを発生させるので、生物活性物質12に熱的なストレスを付加することがなく、生物活性物質12を安定して吐出できる。
また、生物活性物質12は、液体化するため適切な溶媒に溶解される。溶剤としては、生物活性物質12を安定して溶解させることができるものであればいずれでもよいが、水が好適に用いられる。水の量は30質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれているほうがよい。水としてはイオン交換水(脱イオン水)や生物活性物質12を安定して溶解させるため種々の緩衝液を使用するのが好ましい。
また、必要に応じて水溶性溶剤を用いることができる。水溶性溶剤の量は、1種類あたり50質量%以下、好ましくは30質量%以下の範囲で添加できる。水溶性溶剤は水に溶解するものであればいずれでもよく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、 ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2から6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の低級アルキルエーテルが好ましい。これらの中でもエタノールあるいはイソプロピルアルコール、又は多価アルコールの低級アルキルエーテル類を添加することによって、サーマルジェットタイプの場合には、インクジェットの吐出口内の薄膜抵抗体上でのインクの発泡をより安定に行うことができるため好適に用いることができる。また、本発明にかかる少なくとも生物活性物質12を含む液体には、上記成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つ溶液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、無機塩類、有機塩類等を添加することができる。
例えば、界面活性剤としては生物活性物質12に対して保存安定性等の悪影響を及ぼさないものであればいずれでも用いることができ、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。
また、生物活性物質12を生物活性物質移送シートから徐放性を付与して遊離させる場合、上記成分のほかに親水性高分子化合物を添加できる。たとえば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、メタアクリル酸コポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルピロリドン、などが徐放性付与に好適に用いられる。上記親水性樹脂は、1〜10質量%の範囲でより好ましくは2〜5質量%の範囲で添加する。
液滴吐出手段13によりベース11上の所望の位置に生物活性物質12を配置した後、オーブン等で乾燥してもよい。
以上のようにして生物活性物質移送シートが作製できる。
また生物活性物質移送シートは、容器に入れ長期に保存することができる。容器には、乾燥剤や脱酸素剤などと一緒に封入すればより好ましく安定に保管できる。
また、簡便にフィルム等でラミネートしても良い。
次に前述した生物活性物質移送シートを利用して細胞をスクリーニングする方法について述べる。
この方法は、次の工程からなる。
生物活性物質移送シートの生物活性物質の領域を各々の領域に対応する複数の培養容器中の培養液に接触させ、培養液中に生物活性物質を移送させる工程、及び細胞を培養する工程からなる。
この方法によると細胞を培養する複数の培養容器に対して一度に生物活性物質を簡便に移送することができる。また複数の同じ又は異なる生物活性物質移送シートを培養の期間に複数回接触させ、生物活性物質を移送させることできる。また、生物活性物質移送シートを交換する際に、培養液を交換し、前の生物活性物質移送シートから供給された生物活性物質を取り除くこともできる。この場合、生物活性物質移送シートを培養中に交換して、同じ生物活性物質を同一培養区画に補給してもよいし、異なるシートに交換して異なる生物活性物質を添加して培養条件の変更を行うこともできる。この変更は必要に応じてた回数で行うことができる。したがって時系列的な生物活性物質の細胞に与える影響を詳細に調べることができる。また、生物活性物質移送シートを用いることで操作が簡単でコンタミネーションや異物による汚染の恐れも少ない。
細胞を培養するための、複数の培養容器としては、好適に市販のマイクロプレートが利用できる。マイクロプレートには、多数のウェルと呼ばれる容器が並べられている。ウェルの数は12個〜2000個程度のものが使用でき、スクリーニングする生物活性物質の条件の数によって適宜選択できる。たとえば96条件までの細胞培養でスクリーニングする場合、市販の96穴(ウェル)のマイクロプレートが好適に使用できる。
また、生物活性物質移送シートは、マイクロプレートのウェルにかぶせるるため、生物活性物質の領域はマイクロプレートのウェルの位置に対応してパターニングされている。図2で示すように生物活性物質移送シートはマイクロプレートにかぶせるように密着させ、あらかじめウェルの中に注入した液体で生物活性物質を溶解及び抽出が行われる。従って生物活性物質移送シートからマイクロプレートの各ウェル内に生物活性物質が移送される。
このような細胞培養容器(ウェル)で細胞を培養することにより、細胞が接着性や増殖・分化、生存、未分化状態の維持、細胞死または物質産出に対し影響を受けながら培養されることとなる。細胞は特に制限されるものはなく、いずれの細胞でも用いることができる。また、一度にスクリーニングする細胞は1種類でもまた2種類以上であってもよい。細胞を培養する前に必要に応じて生物活性物質移送シート及び細胞培養容器に紫外線などを照射したり、アルコール溶液で洗浄することにより殺菌処理してもよい。これにより所望でない微生物などにより培養が阻害されないようにすることができる。
また、細胞培養容器1上で細胞を培養している際、あるいは一定期間の細胞培養後、所望の領域の培養液中に所望の物質を添加してもよい。これにより細胞の増殖・分化、生存、未分化状態の維持、細胞死あるいは物質産生を変化させたり、基板上への接着性を変化させたりすることができる。または、細胞培養後のスクリーニングの際に指示薬など所望の物質を所望の領域に添加してもよい。これにより、スクリーニングを容易に行うことが可能となる。
また、細胞培養容器で細胞を培養している際、あるいは一定期間の細胞培養後、培養細胞群を細胞培養容器内から取りだしてもよい。また、取り外した培養細胞群を人工的に作製した生体組織あるいはその一部として利用することもできる。具体的な方法としては、培養後の細胞培養容器をトリプシン処理することにより、培養された細胞群を取り除くことができる。また、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)のような温度により親水性が変化するポリマーを予め細胞培養容器に塗布し、その上で細胞培養すると、温度を約30℃以下にすれば、培養された細胞群はポリマー表面の水和状態の変化により基板から取り外すことができる。これにより細胞群を生体組織などに利用することができる。
次に前述した細胞培養容器中で細胞を培養し、細胞のスクリーニング法について述べる。
スクリーニング手段としては前述した細胞培養容器1で培養された細胞の形態変化を観察する方法を用いることができる。顕微鏡は、光学顕微鏡はもちろんのこと、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡、蛍光顕微鏡など、細胞の形態が観察可能なものであればいずれでもよい。細胞が培養された細胞スクリーニング基板を前記顕微鏡の観察位置に配置し、顕微鏡観察により細胞の形態を観察する。顕微鏡により細胞形態を観察することのみでスクリーニングが可能であり、簡易な方法で評価を行うことができる。また、評価の際には細胞を染色してもよい。細胞染色を行うことにより、細胞が高密度に増殖した場合や、分化により細胞同士が融合し、多核細胞となった場合などは顕微鏡での観察による評価を容易に行うことができる。
また、形態観察以外にも細胞が培養容器壁面に接着し、または増殖や分化をする過程やその結果、細胞で産出された物質や細胞内に取り込まれた物質を定量し、スクリーニング手段として用いてもよい。ここで、定量対象が直接評価できない場合は、その代替となる物質を定量してもよく、具体的には遺伝子工学の手法を用いて、所望の定量対象となる蛋白質の遺伝子付近に定量可能な蛋白質の遺伝子を組み入れ、その定量可能な蛋白質を定量することで所望の蛋白質を定量してもよい。これら物質を評価することで、基板上に固定化された物質により細胞内でどのような変化が起きているかを詳細に調べることができ、細胞内での情報伝達機構の解明にもつながる。細胞内に取り込まれた物で評価を行う場合は、予め取り込まれるであろう物質に評価可能な指標を設けておくことも可能で比較的容易に定量が可能である。
これら物質の定量には、放射性化合物より放出される放射線量を測定する方法や、蛍光物質で標識された物質から発せられる蛍光量を測定する方法、更には、発光物質から発せられる発光量を測定する方法や色素の吸光度を測定する方法がある。
放射性化合物より放出される放射線量を測定する方法では、水素、炭素、窒素、リン、硫黄などの生体内に多く含まれる元素の放射性同位元素により置換された化合物を用いて、それら化合物から放出される放射線量を測定する方法が非常に感度がよく、しかも、これら物質は化学的な性質は通常の化合物と変わらないので、細胞の代謝活動に影響を与えず、生体内と同様の現象が観察可能である。
また、蛍光物質による標識は比較的容易で、低分子化合物でもあるので細胞の代謝活動に与える影響が少ない。また、抗原抗体反応を用いた定量法によって細胞で産出された物質などを定量する場合、蛍光物質で標識された抗体は種々市販されており、測定感度も高いので、蛍光測定による評価は有効である。
さらに発光物質から発せられる発光量を測定する方法では、発光量は高感度に測定が可能なため、ごくわずかな変化も捕らえることが可能である。スクリーニング物質による接着や増殖、分化、あるいは物質産出に伴って発現される遺伝子が特定されている場合には、その遺伝子付近にホタルルシフェラーゼ遺伝子などを導入しておき、遺伝子発現とともに産出されるホタルルシフェラーゼ量をATPとルシフェリンの添加で生じる発光量により測定する。このことにより、スクリーニング物質による影響を発光量で評価することが可能である。
色素の吸光度を測定する方法では、酵素反応などを併用することにより色素による吸光度の増幅が可能で、微量の物質の定量も可能となる。なお、特に表示していない限りは「%」は質量基準である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明のより一層の深い理解のために示される具体例であって、本発明は、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
実施例1
生物活性物質を組み合わせて細胞培養液に混合するため、以下の方法を用いた。生物活性物質として塩基性繊維芽細胞成長因子(b-FGF)、インスリン様成長因子(IGF-I)、骨形成タンパク質(BMP-2)を用いた。b-FGFは生物食塩水、IGF-Iは10mM 酢酸、BMP-2は4mM 塩酸で希釈し、20μg/mlの濃度の各生物活性物質とグリセリンを5%含む溶液を作成した。インクカートリッジを70% エタノールで洗浄した後、各生物活性物質を含む溶液を充填した。
続いて、予め殺菌灯で滅菌したポリオレフィンシート(NOVIX-II(R) ASAHI TECHNO GLASS製)のベース上に、各生物活性物質をキヤノン製インクジェットプリンターF930で吐出した。印刷面積と印刷回数によって生物活性物質量を調節し、それぞれの印刷領域を重ねあわせることによって、27領域に種類及び濃度の異なる組み合わせをもつ生物活性物質移送シートを作製した。
FBS (Fetal Bovine Serum)を2%含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's minimum essential medium)培地を培養液として96穴の透明マイクロプレート(SUMILON 細胞培養用)に注入した。
上記生物活性物質移送シートの27種の領域を上記96穴透明マイクロプレートの各穴に対応するように被せた。培養液が生物活性物質移送シートに接触するように軽く振って各生物活性物質を培養液に溶解させた。その後マイクロプレートの各ウェルでマウス骨格筋細胞C2C12を5%CO2を含む湿潤空気中で37℃、96時間培養した。
培養後のマイクロプレートを顕微鏡観察するとb-FGF存在領域では細胞が増殖し、IGF-I存在領域では筋分化、BMP-2存在領域では骨分化が濃度依存的に促進されている様子が観察された。
培養後の細胞を10%ホルマリンで15分間、メタノールで15分間処理し、蛍光色素 (TOTO-3R Molecular Probe製)を1000倍に希釈して30分反応させ、DNAを蛍光染色した。700nmでのDNAの蛍光量を測定し、これを増殖の指標とした。また、細胞を凍結破砕した溶液中のクレアチンキナーゼ(CK)、アルカリフォスファターゼ(ALP)の酵素活性値を測定し、溶液中の総タンパク量との比で求めた比活性をそれぞれ筋分化、骨分化の指標とした。
この結果、これら3因子が様々な濃度で複合的に存在する領域では、1因子のみが存在する場合と異なる方向に分化することが確認された。このような生物活性物質移送シートを用いることで、同時に複数の生物活性物質の相互作用を調べることが可能となる。
実施例2
一定期間中に作用させる生物活性物質の種類と濃度によって、細胞への影響がどのように変化するかを調べるため、以下の方法を用いた。
生物活性物質として、繊維芽細胞成長因子-2 (FGF-2)、インスリン様成長因子-I (IGF-I)、骨形成タンパク質-2 (BMP-2)およびトランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)を用いた。実施例1と同様にこれらの生物活性物質溶液を調整し、インクカートリッジに充填した。
ポリオレフィンシート(NOVIX-II(R) ASAHI TECHNO GLASS製)のベース上に担持層と0してポリビニルアルコール(日本合成化学製ゴーセノールGM14L)を乾燥膜厚5μmになるようにバーコートで塗工して担持層付ベースを作成した。続いて、予め殺菌灯で滅菌した上記ベース上に各生物活性物質をインクジェットプリンターで吐出した。この時、濃度を変えたFGF-2とIGF-Iの12領域に種類及び濃度の異なる組み合わせをもつ生物活性物質移送シート(シートA)、もしくはBMP-2とTGF-βの12領域に種類及び濃度の異なる組み合わせをもつ生物活性物質移送シート (シートB)の2種類の生物活性物質移送シートを作製した。
FBSを2%含むDMEMを培養液として、96穴プレートに注入した。実施例1と同様マイクロプレートに、生物活性物質移送シートを張り合わせた後、それぞれの生物活性物質(BMP-2とTGF-β)は生物活性物質移送シートの裏面から棒で押し出し生物活性物質の担持されている領域を液面に接触させて生物活性物質を溶解させた(図5)。それに従って、プレート1にはシートAを用いてFGF-2とIGF-Iを、プレート2にはシートBを用いてBMP-2とTGF-βを溶解させた。その後、各マイクロプレートの各ウェルでマウス骨格筋細胞C2C12を、5%CO2を含む湿潤空気中で48時間培養した。培養開始から48時間後、各ウェルの培養液を吸引し除去した。各ウェルに新しく2%FBS/DMEMを加え、プレート1にはシートBを用いてBMP-2とTGF-βを、プレート2にはシートAを用いてFGF-2とIGF-Iを溶解させ、さらに48時間細胞を培養した。培養後の細胞を凍結破砕した溶液中のCK比活性とALP比活性を測定し、それぞれ筋分化、骨分化の指標とした。
この結果、IGF-Iのみが存在する領域では筋分化が促進され、BMP-2のみが存在する領域では骨分化が促進された。4因子が時系列的に様々な種類や濃度で細胞に作用させると、同時に作用させるときとは異なる方向に分化することが確認された。
このような生物活性物質移送シートを用いることで、ある一定期間中に複数の条件で作用させる物質の種類と濃度を変えることが可能となる。
実施例3
作用させる生物活性物質の期間と濃度によって細胞への影響がどのように変化するかを調べるため、また徐放の効果を調べるため以下の方法を用いた。
生物活性物質として骨形成タンパク質(BMP)-2と繊維芽細胞成長因子(FGF)-2とインスリン様成長因子-I (IGF-I)を用いた。BMP-2とFGF-2は、それぞれグリセリンを5%を加え20μg/mlと含む溶液を作成した。一方インスリン様成長因子-I (IGF-I)は、徐放性を付与するためにスチレンアクリル樹脂のモノエタノールアミン塩(平均分子量8000、酸化250)を3%とグリセリンを5%を加え20μg/mlと含む溶液を作成した。インクカートリッジを70% エタノールで洗浄後、生物活性物質を含む各溶液を充填した。
実施例1と同様に、ポリオレフィンシートのベース上に生物活性物質をインクジェットプリンターで配置し、それぞれ単独で4種類の濃度の異なる生物活性物質移送シートを作製した。FBSを2%含むDMEMを培養液として96穴の透明マイクロプレートに注入した。上記生物活性物質移送シートを上記96穴透明マイクロプレートの各穴に対応するように被せた。培養液が生物活性物質移送シートに接触するように軽く振って各生物活性物質を培養液に溶解及び徐放させた。その後マイクロプレートの各ウェルにマウス骨格筋細胞株C2C12を加えた。培養開始から一定時間後に再び上記移送シートを用いて、実施例1と同様の方法でBMP-2を培養液に溶解させた。その後マイクロプレートの各ウェルにマウス骨格筋細胞株C2C12を加えた。培養開始から一定時間後にFGF-2を配置したシートを用いて、実施例1と同様の方法で培養液に溶解させた。すべての筋細胞を5%CO2を含む湿潤空気中で37℃で計114時間培養した。FGF-2を追加する時間は以下の5通りである。
(1)培養開始直後
(2)培養開始12時間後
(3)培養開始24時間後
(4)培養開始48時間後
(5)培養開始72時間後
培養後の細胞を10%ホルマリンで10分間処理し、BMP-2による骨分化の指標としてアルカリフォスファターゼ(ALP)の酵素活性染色を行った。
この結果、インスリン様成長因子-I (IGF-I)を徐放させながら、FGF-2を作用させるタイミングによって骨分化への影響が変化した。FGF-2を加えなかった場合と上記の条件(3)、(4)、(5)ではALPによって染色された部位が確認されたが、(1)、(2)では染色部位がほとんど見られなかった。このことから、筋細胞を骨細胞へと分化させる際、培養開始24時間以内にFGF-2を加えると骨分化が著しく抑制されることがわかった。このように時間を変えて生物活性物質を加えることのできる生物活性物質移送シートよって、作用期間による変化や徐放の効果を調べることができる。
実施例4
本実施例では、アレルゲンとなりうる物質を生物活性物質移送シートに形成し、培養液に移送し、該培養液中で人から採取した細胞を培養し、細胞から産出される炎症惹起物質であるヒスタミンを定量することで、その人がアレルギー体質を有するかどうかを評価するものである。本実施例でスギ花粉、牛乳、ハウスダスト、ブタクサに対するアレルギー体質であるかどうかを評価する。スギ花粉、ハウスダスト、ブタクサについては、予めホモジナイザーを用いて十分にすりつぶしておいた。そして、各アレルゲンを含む水溶液を遠心分離した後、沈降分を除く溶解成分を得た。続いて各アレルゲン溶解成分の溶液を50%メタノール溶液で希釈し、50μg/mlの濃度として、実施例1記載の方法で、インクジェットプリンターを用いて厚さ20μmのポリエステルフィルムに各アレルゲン成分単独の4つの領域と2種のアレルゲン成分を組み合わせた6つの領域を形成し生物活性物質移送シートを作成した。細胞は、評価対象の人から血液を採取し、密度勾配遠心分離法により、血液成分を分離し、アレルギー反応性細胞を取り出した。
培養液を10%ウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM培地とし、さらに抗ヒスタミン抗体(ウサギ)を添加した培養液を96穴の透明マイクロプレートに注入した。上記生物活性物質移送シートを上記96穴透明マイクロプレートの各穴に対応するように被せた。培養液が生物活性物質移送シートに接触するように軽く振って各生物活性物質を培養液に溶解させた。その後マイクロプレートの各ウェルで上記のアレルギー反応性細胞を5%CO2を含む湿潤空気中で37℃、96時間培養した。培養後の基板を取り出し、リン酸等張緩衝液で洗浄した。メタノールで30分処理、乾燥後、西洋わさびペルオキシダーゼ標識抗ウサギIg抗体を用いて、酵素抗体法によりo-フェニレンジアミンの吸光度変化からヒスタミン量を定量した。その結果、ハウスダスト単独領域からヒスタミンが多量に検出されたことから、この人はハウスダストに対しアレルギー体質であると考えられる。また、スギ花粉、牛乳、ブタクサに単独対しては、陰性であったが、ブタクサ、牛乳の2種のアレルゲンを組み合わせた領域では、ヒスタミンが検出されたので、2つを同時に摂取するとアレルギーを発症する可能性があることがわかった。このように、生物活性物質移送シートを用いることで、簡便に何に対するアレルギーがあるかを診断することが可能である。特に、本実施例のように、複数の組み合わせたアレルゲンに対するアレルギー反応を簡便に調べることができる。
(A)及び(B)は生物活性物質移送シートの製造方法の一例である。 生物活性物質移送シートにおける生物活性物質の形成領域の一例である。 生物活性物質移送シートを96穴透明マイクロプレートに張り合わせて生物活性物質を移送する一例を示す図である。 生物活性物質移送シートを96穴透明マイクロプレートに張り合わせた状態を示す断面図である。 生物活性物質移送シートから透明マイクロプレートに生理活性物質を移送する操作を説明するための図である。
符号の説明
1 生物活性物質移送シート
11 ベース
12 生物活性物質
13 液滴吐出手段
14 担持層

Claims (24)

  1. 培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、
    該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
    前記生物活性物質が、シート媒体上から遊離可能である
    ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
  2. 培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
    前記シート媒体が少なくとも前記保持領域において伸縮性または可撓性を有するフィルムからなる
    ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
  3. 培養領域を有する基板上に載置することで該培養領域に生物活性物質を供給するための生物活性物質移送シートであって、シート媒体と、該シート媒体上に設けられた細胞に対して生物活性作用を有する生物活性物質の少なくとも1種の保持領域と、を有し、該保持領域が前記基板の培養領域の覆いとなる位置に設けられており、
    前記保持領域から、前記生物活性物質の徐放が可能、もしくは徐放性を付与した生物活性物質を遊離できる
    ことを特徴とする生物活性物質移送シート。
  4. 前記生物活性物質が、シート媒体上から遊離可能なことを特徴とする請求項に記載の生物活性物質移送シート。
  5. シート媒体が少なくとも前記保持領域において伸縮性または可撓性を有するフィルムからなる請求項1または3に記載の生物活性物質移送シート。
  6. 前記保持領域から、前記生物活性物質の徐放が可能、もしくは徐放性を付与した生物活性物質を遊離できる請求項1または2に記載の生物活性物質移送シート。
  7. 前記保持領域を2以上有する請求項1〜6のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
  8. 前記生物活性物質の種類または2種以上の生物活性物質の組合せが異なる保持領域の組合せの1以上を有する請求項に記載の生物活性物質移送シート。
  9. 前記生物活性物質の密度が異なる保持領域の組合せの1以上を有する請求項7または8に記載の生物活性物質移送シート。
  10. シート媒体上に凸部が設けられ、該凸部領域に前記生物活性物質が保持されている請求項1〜のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
  11. シート媒体上に生物活性物質を担持する担持層が部分的に又は全面に形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
  12. 各保持領域、あるいは、2つ以上の保持領域から形成される領域群が凸状の壁状構造物により囲まれている請求項1〜11のいずれかに記載の生物活性物質移送シート。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の生物活性物質移送シートの製造方法であって、
    前記保持領域への生物活性物質の付与に、少なくとも液体吐出手段を用いることを特徴とする生物活性物質移送シートの製造方法。
  14. 前記液体吐出手段が、サーマルインクジェット方式による吐出手段である請求項13に記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
  15. 前記液体吐出手段が、ピエゾインクジェット方式による吐出手段である請求項13に記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
  16. 前記生物活性物質の固定を外部から固定用のエネルギーを加えて行う工程をさらに含む請求項13〜15のいずれかに記載の生物活性物質移送シートの製造方法。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の生物活性物質移送シートを用いた細胞スクリーニング法であって、
    培養領域を有する基板に前記生物活性物質移送シートを載置して、該生物活性物質移送シートに設けられた該培養領域に対応する生物活性物質の保持領域で該培養領域を覆う工程と、
    前記培養領域に生物活性物質を固定した状態で細胞を培養する工程と、
    前記保持領域から生物活性物質を培養液に供給する工程と、
    を有することを特徴とする細胞スクリーニング法。
  18. 前記培養液中に前記細胞のスクリーニングに必要な物質を補充する工程を有する請求項17に記載の細胞スクリーニング法。
  19. 前記シート媒体を同一または異なるシート媒体と交換する工程を有する請求項17または18に記載の細胞スクリーニング方法。
  20. 前記細胞の形態変化を観察する工程を更に含む請求項17〜19のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
  21. 評価の際に細胞を染色する請求項20に記載の細胞スクリーニング法。
  22. 前記細胞内で合成された物質の定量を行う工程を含む請求項17〜21のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
  23. 前記細胞内に取り込まれた物質の定量を行う工程を含む請求項17〜21のいずれかに記載の細胞スクリーニング法。
  24. 前記放射線量測定、蛍光量測定、発光量測定および吸光度測定の少なくとも1種により前記物質の定量を行う工程を含む請求項22または23に記載の細胞スクリーニング法。
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