JP2004257962A - 生体関連物質の検査用の反応チップと反応容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱抵抗が小さく熱効率のロスが少ない生体関連物質の検査用の反応容器のための反応チップを提供する。
【解決手段】反応チップ110は、生体関連物質を捕捉するプローブを含む固相坦体112と、固相坦体112をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材114と116とを備えている。固相坦体112と支持部材114と116は接着によって一体化されている。支持部材114と116は、それぞれ、固相坦体112を部分的に上下面を共に露出させる四つの円形の開口部122と124を有している。固相坦体112の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される。支持部材114と116は、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する加温体として働き得る。支持部材114と116は、それぞれ、電流供給用の一対の電極126と128を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】反応チップ110は、生体関連物質を捕捉するプローブを含む固相坦体112と、固相坦体112をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材114と116とを備えている。固相坦体112と支持部材114と116は接着によって一体化されている。支持部材114と116は、それぞれ、固相坦体112を部分的に上下面を共に露出させる四つの円形の開口部122と124を有している。固相坦体112の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される。支持部材114と116は、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する加温体として働き得る。支持部材114と116は、それぞれ、電流供給用の一対の電極126と128を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子等の生体関連物質の検査用の反応チップと反応容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトを含む多くの生物やイネをはじめとする多くの植物の遺伝子等の生体関連物質の解析が進められている。
【0003】
遺伝子等の生体関連物質の検査は、これまでは一般に電気泳動法により行なわれていた。電気泳動法では、検査に長い時間を必要とし、一度に行なえる検査の数も少数に限られる。
【0004】
最近では、半導体等にDNAを規則正しく配列したDNAチップあるいはDNAマイクロアレイを用いた新規な検査方法が開発されている。この新規な検査方法では、同時に複数の遺伝子等の生体関連物質を検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この新規な検査方法は、検査に長い時間を必要とし、再現性の良い分析結果を得ることが難しい。
【0006】
本出願人は、特願2001−232501号において、三次元DNAマイクロアレイを用いた、簡便に短時間で遺伝子を検査し得る遺伝子検査装置と遺伝子検出方法を提案している。
【0007】
この遺伝子検査では、反応液は、多孔質のフィルターを坦体とする三次元DNAマイクロアレイ(反応部)によって仕切られた液体収容部に入れられ、ポンプたとえばシリンジポンプによる加圧・減圧によって繰り返し反応部を通過させられる。これにより短時間の内に再現性良く核酸が得られる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、特願2001−395140号において、このような遺伝子等の生体関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器を提案している。
【0009】
その反応容器は、DNAチップ等の反応チップと、反応チップを収容し保持する容器本体とを備えており、反応用器本体は、上方に開放した上側ウェルと、反応チップを挟んで上側ウェルの下方に位置する下側ウェルと、下側ウェルと外部空間を連絡する流路とを有している。反応チップは、検査する生体関連物質を含む反応液の通過を許す多孔質の固相坦体を有しており、固相坦体は、上側ウェルと下側ウェルの間に位置する部分は生体関連物質との反応に供される反応部であり、反応部は生体関連物質を捕捉する複数のプローブを有している。反応容器の上方に開放した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている。
【0010】
このような反応容器は、生体関連物質の検査の際、生体関連物質とプローブとの反応の促進するために適当な温度に加温される。反応容器の加温は、これまで、反応容器の近くに配置されたヒーターやペルチェ素子などによって間接的に行なわれている。
【0011】
しかし、このような間接的な加温は、熱抵抗が大きく、熱効率のロスを招いたり、俊敏な温度変化に追従できず、反応時間のロスを招くことがある。
【0012】
本発明の目的は、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない、生体関連物質の検査用の反応容器を提供することであり、また、そのための反応チップを提供することである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
第一実施形態
図1に示されるように、反応チップ110は、生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体112と、固相坦体112をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材114と116とを備えている。固相坦体112と支持部材114と116は接着によって一体化されている。支持部材114と116は、それぞれ、互いに対応して位置する四つの円形の開口部122と124を有している。互いに対応して位置する開口部122と124は、固相坦体112を部分的に上下面を共に露出させる。一対の支持部材114と116は、固相坦体112を少なくとも部分的に露出させて支持する支持体を構成している。
【0015】
反応チップ110は、例えば、DNA検査のためのDNAチップであるが、特にこれに限定されるものではなく、広く生体関連物質を検査するためのあらゆるチップを含む。
【0016】
固相坦体112の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される反応部を構成している。反応部には複数のスポットが形成されており、それぞれのスポットは特定の生体関連物質を捕捉するためのプローブを有している。固相坦体112は上下に貫通した多数の微細な孔を有しており、プローブはそれらの孔の中に固定されている。
【0017】
支持体は加温体として働き得る。このため、支持部材114と116は、発熱材料であれば特に制限はないが、例えば、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する。本実施形態では、支持部材114と116が共に高融点発熱材料製であるが、それらの一方だけが高融点発熱材料製であってもよい。
【0018】
支持部材114と116用の好適な高融点発熱材料は、例えばタングステンである。しかし、支持部材114と116用の高融点発熱材料は、タングステンに限定されるものではなく、タンタルやニクロム(登録商標)など、他の高融点発熱材料であってもよい。
【0019】
支持部材114と116は、それぞれ、電流供給用の一対の電極126と128を有している。支持部材114と116は、電極126と128を除いて絶縁膜で被覆されている。つまり、支持部材114と116は、電極126と128を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。絶縁材料は、例えば樹脂である。樹脂は、例えば高密度ポリエチレンであるが、これに限定されるものではなく、他の樹脂であってもよい。
【0020】
支持部材114と116は、例えば、タングステンの板に対して切り出し加工等を行なって開口部122と124と電極126と128を形成した後、電極126と128を除いて高密度ポリエチレンでライニングして絶縁膜を形成することにより、作製される。
【0021】
反応チップ110は、図2と図3に示されるように、容器本体140に収容され保持される。容器本体140は反応チップ110と共に生体関連物質の検査用の反応容器100を構成する。
【0022】
容器本体140は、反応チップ110をそれらの間に挟んで保持する上側容器半体142と下側容器半体144とを備えている。上側容器半体142と下側容器半体144は、例えばポリカーボネート製であり、ねじ止めや接着など、適当な手法によって互いに固定され、反応チップ110を保持する。
【0023】
上側容器半体142は、反応チップ110の電極126と128を外部に突出させる切り欠き部148を有している。
【0024】
容器本体140は、検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有している。反応液収容部は、図3において、反応チップ110の上側に位置する上側ウェル152と、反応チップ110の下側に位置する下側ウェル154と、下側ウェル154と外部空間を連絡する流路156とを有している。
【0025】
このため、上側容器半体142は、上側ウェル152を規定するテーパー状の貫通孔を有しており、下側容器半体144は、下側ウェル154を規定する凹部と、流路156を規定する中空部とを有している。中空部は、下側ウェル154を規定する凹部の底面から延び、下側容器半体144の側面158で終端している。
【0026】
反応液収容部は、反応チップ110で仕切られている。より詳しくは、上側ウェル152と下側ウェル154の間には、反応チップ110の反応部すなわちプローブが形成された固相坦体112が位置している。上側ウェル152と下側ウェル154の間に位置する固相坦体112は、反応液収容部に収容された反応液の通過を許す。つまり、反応液収容部に収容された反応液は、反応チップ110の固相坦体112を通過して、上側ウェル152と下側ウェル154の間を行き来し得る。
【0027】
上側ウェル152は、上方に開放しており、上方からの反応チップ110の固相坦体112の光学的観察を可能にしている。
【0028】
下側ウェル154と流路156の容積の合計は、上側ウェル152の容積よりも大きい。従って、下側ウェル154と流路156は、最初に上側ウェル152に入れられる反応液の全量を収容し得る。
【0029】
容器本体140は、好ましくは、上側ウェル152と反応部を液密に保つために上側容器半体142と反応チップ110の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル154と反応部を液密に保つために下側容器半体144と反応チップ110の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0030】
例えば、上側パッキン部材はOリング162で構成され、下側パッキン部材はOリング164で構成される。これに対応して、上側容器半体142は、Oリング162を収容する上側ウェル152の下端を取り囲むリング状の溝166を有している。下側容器半体144は、Oリング164を収容する下側ウェル154の上端を取り囲むリング状の溝168を有している。
【0031】
このような上側容器半体142と反応チップ110の間あるいは下側容器半体144と反応チップ110の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0032】
反応容器100は、好ましくは、さらに、反応チップ110の温度を測定する測温体を有している。測温体は、例えば、図2に示されるように、反応チップ110の近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体172を含む。測温抵抗体172は絶縁膜で被覆されている。つまり、測温抵抗体172はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。
【0033】
測温抵抗体172は、下側容器半体144に設けられており、下側容器半体144は、その上面に設けられた内部電極174を有し、内部電極174は測温抵抗体172と電気的に接続されている。上側容器半体142は、その下面に設けられた内部電極176と、外側に設けられた外部電極178とを有しており、内部電極176と外部電極178は電気的に接続されている。上側容器半体142の内部電極176と下側容器半体144の内部電極174は、上側容器半体142と下側容器半体144とが固定された際に導通される。
【0034】
反応容器100は、生体関連物質の検査に際して、インキュベーターに格納される。
【0035】
インキュベーターに格納された反応容器100は、図示されていないが、流路156がチューブを介してシリンジポンプ等のポンプと連絡される。これにより、反応容器100の反応液収容部内(上側ウェル152と下側ウェル154と流路156)の反応液は、空気層を途中に挟んで、ポンプと流体的に連絡される。
【0036】
ポンプは反応液との間に存在する空気を吸引・吐出し、それに応じて流路156が減圧・加圧される。
【0037】
流路156の減圧に応じて、上側ウェル152内の反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)へ移動する。
【0038】
前述したように下側ウェル154と流路156の合計の容積は、上側ウェル152の容積よりも大きいため、最初に上側ウェル152に入れられた反応液は、その全量が下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)内に収容され得る。
【0039】
また、流路156の加圧に応じて、下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)内の反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、上側ウェル152へ移動する。
【0040】
このように、ポンプの吸引・吐出を繰り返し行なうことにより、反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、上側ウェル152と下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)の間を行き来する。
【0041】
このように反応液に繰り返し反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通過させることにより、遺伝子や核酸等の検査対象物を比較的短時間で検出することができる。
【0042】
検査対象物の検出の際、反応容器100は検査対象物の検出に適した温度に温度制御される。図4は、反応容器100の温度制御系を示している。
【0043】
図4に示されるように、温度制御系は、インキュベーター182に収納された反応容器100内の反応チップ110の支持部材114と116を発熱させるための制御電圧を出力する温度調節器184と、温度調節器184からの制御電圧を増幅して反応チップ110の支持部材114と116に供給するドライブ回路186と、温度調節器184とドライブ回路186に電力を供給する電源回路188と、温度調節器184を制御するPC190と、制御に必要な情報を表示するモニター192とを有している。
【0044】
温度調節器184は、電源回路188から24Vの電力供給を受けて動作し、測温抵抗体172からの温度情報をPC190に送る。PC190は設定温度との乖離を把握しながら温度調節器184を制御する。温度調節器184はPC190によって9600bpsの通信レートで制御される。温度調節器184は、定格出力電流が20mAの加温部制御用出力端子を備えている。加温部制御用出力端子は、ドライブ回路186に接続されている。ドライブ回路186は、MOS−FET等により電流回路を構成しており、電源回路188から24Vの電力供給を受けて動作する。ドライブ回路186は、最大2Aまでの電流をドライブすることができ、反応チップ110の支持部材114と116を最大100℃まで温度上昇させることができる。
【0045】
PC190には、反応チップ110の設定温度がキーボードから予め入力される。温度調節器184は、反応チップ110の温度を測温抵抗体172によって常時モニターしており、その情報をPC190に送る。PC190は、その情報に基づいて、反応チップ110の現在温度を求め、それを予め入力された設定温度と共にモニター192に表示する。
【0046】
PC190は、予め入力された設定温度と、反応チップ110の現在温度とに基づいて、温度調節器184を制御する。温度調節器184は加温部制御用出力端子から反応チップ110の現在温度に応じた0〜12Vの範囲内の制御電圧を出力し、ドライブ回路は供給される制御電圧に応じて0〜約24Vの範囲内の電圧を反応チップ110に供給する。
【0047】
反応チップ110の加温の初期においては、温度調節器184は最大の制御量で動作される。反応チップ110の温度が設定温度に近くなると、図5に示されるような反応チップ110の温度が設定温度に対してオーバーシュート・アンダーシュートを避けるために、温度調節器184は制御量を徐々に下げながら設定温度に近づける。
【0048】
温度調節器184は、一度PC190から設定温度の指示を受け、温調開始命令を受けると、PC190から設定温度変更の指示を受けるか温調停止命令を受けるまで、指示された温度で制御量を微調整しながら、反応チップ110が一定温度になるような制御を続ける。
【0049】
本実施形態の反応容器100は、反応チップ110の支持部材114と116が発熱する(つまり加温体として働く)ので、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない。このため、反応容器100は、設定温度への温度追従性が良く、加温体の温度と検体(反応液と固相坦体)の温度がほとんど同じなので高精度の温度制御を行なうことができる。
【0050】
図6は、本発明に従って反応チップが発熱する場合の反応チップの温度曲線と、従来通り間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【0051】
図6から分かるように、本実施形態の反応容器100は、間接的に加熱される反応容器と比べて、反応チップが80℃の設定温度に早く到達している。図6において、本実施形態の温度曲線は、設定温度付近で波状になっている。これは、温度調節器184のヒーター制御がオン・オフ制御であることに起因している。このような温度変動は、オン・オフの制御周期を短くすることにより、あるいは温度調節器をリニア制御方式のものに変更することにより、容易に滑らかにすることができる。また、反応チップが発熱した方がよりサンプルに近い部材が発熱するので、温度の追従性はより高くなる。本実施形態では反応チップの温度設定を80℃としたが、任意の温度に設定することが可能である。
【0052】
第二実施形態
図7に示されるように、反応容器200は、DNAチップ等の反応チップ210と、反応チップ210を収容し保持する容器本体240とを備えている。
【0053】
容器本体240は、反応チップ210をそれらの間に挟んで保持する上側容器半体242と下側容器半体244とを備えている。上側容器半体242と下側容器半体244は、ねじ止めや接着など、適当な手法によって互いに固定され、反応チップ210を保持する。
【0054】
反応チップ210は、図8に示されるように、生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体212と、固相坦体212をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材214と216とを備えている。固相坦体212と支持部材214と216は接着によって一体化されている。支持部材214と216は、ポリカーボネート等の樹脂製で、それぞれ、互いに対応して位置する四つの円形の開口部222と224を有している。互いに対応して位置する開口部222と224は、固相坦体212を部分的に上下面を共に露出させる。一対の支持部材214と216は、固相坦体212を少なくとも部分的に露出させて支持する支持体を構成している。
【0055】
固相坦体212の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される反応部を構成している。反応部には複数のスポットが形成されており、それぞれのスポットは特定の生体関連物質を捕捉するためのプローブを有している。固相坦体212は上下に貫通した多数の微細な孔を有しており、プローブはそれらの孔の中に固定されている。
【0056】
容器本体240は、検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有している。反応液収容部は、図9において、反応チップ210の上側に位置する上側ウェル252と、反応チップ210の下側に位置する下側ウェル254と、下側ウェル254と外部空間を連絡する流路256とを有している。
【0057】
このため、上側容器半体242は、上側ウェル252を規定するテーパー状の貫通孔を有しており、下側容器半体244は、下側ウェル254を規定する凹部と、流路256を規定する中空部とを有している。中空部は、下側ウェル254を規定する凹部の底面から延び、下側容器半体244の側面258で終端している。
【0058】
反応液収容部は、反応チップ210で仕切られている。より詳しくは、上側ウェル252と下側ウェル254の間には、反応チップ210の反応部すなわちプローブが形成された固相坦体212が位置している。上側ウェル252と下側ウェル254の間に位置する固相坦体212は、反応液収容部に収容された反応液の通過を許す。つまり、反応液収容部に収容された反応液は、反応チップ210の固相坦体212を通過して、上側ウェル252と下側ウェル254の間を行き来し得る。
【0059】
上側ウェル252は、上方に開放しており、上方からの反応チップ210の固相坦体212の光学的観察を可能にしている。
【0060】
下側ウェル254と流路256の容積の合計は、上側ウェル252の容積よりも大きい。従って、下側ウェル254と流路256は、最初に上側ウェル252に入れられる反応液の全量を収容し得る。
【0061】
容器本体240は、好ましくは、上側ウェル252と反応部を液密に保つために上側容器半体242と反応チップ210の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル254と反応部を液密に保つために下側容器半体244と反応チップ210の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0062】
例えば、上側パッキン部材はOリング262で構成され、下側パッキン部材はOリング264で構成される。これに対応して、上側容器半体242は、Oリング262を収容する上側ウェル252の下端を取り囲むリング状の溝266を有している。下側容器半体244は、Oリング264を収容する下側ウェル254の上端を取り囲むリング状の溝268を有している。
【0063】
このような上側容器半体242と反応チップ210の間あるいは下側容器半体244と反応チップ210の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0064】
容器本体240は加温体として働き得る。このため、上側容器半体242と下側容器半体244は、発熱部材であれば特に制限はないが、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する。本実施形態では、上側容器半体242と下側容器半体244が共に高融点発熱材料製であるが、それらの一方だけが高融点発熱材料製であってもよい。
【0065】
上側容器半体242と下側容器半体244用の好適な高融点発熱材料は、例えばタングステンである。しかし、上側容器半体242と下側容器半体244用の高融点発熱材料は、タングステンに限定されるものではなく、タンタルやニクロム(登録商標)など、他の高融点発熱材料であってもよい。
【0066】
下側容器半体244は、外部に露出した電流供給用の一対の電極286を有している。また、上側容器半体242は電流供給用の一対の内部電極282を有し、下側容器半体244は、上側容器半体242の電極282に向き合う通電用の一対の内部電極282を有している。上側容器半体242の内部電極282と下側容器半体244の内部電極284は、上側容器半体242と下側容器半体244とが一体化された際に、互いに電気的に接続される。
【0067】
これにより、上側容器半体242は、下側容器半体244の内部電極284を介して、下側容器半体244の電流供給用の一対の電極286と電気的に接続される。下側容器半体244の電極286への電流供給に対して、下側容器半体244が発熱するだけでなく、上側容器半体242も発熱する。
【0068】
上側容器半体242は内部電極282を除いて絶縁膜で被覆されており、下側容器半体244は、内部電極284と電極286を除いて絶縁膜で被覆されている。つまり、上側容器半体242は内部電極282を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有しており、下側容器半体244は内部電極284と電極286を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。絶縁材料は、例えば樹脂である。樹脂は、例えばポリスチレンであるが、これに限定されるものではなく、他の樹脂であってもよい。
【0069】
反応容器200は、反応チップ210の温度を測定する測温体を有している。測温体は、例えば、図7に示されるように、反応チップ210の近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体272を含む。測温抵抗体272は絶縁膜で被覆されている。つまり、測温抵抗体272はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。
【0070】
測温抵抗体272は、上側容器半体242に設けられており、上側容器半体242には、測温抵抗体272と電気的に接続された電極274が設けられている。
【0071】
本実施形態の反応容器200は、容器本体240すなわち上側容器半体242と下側容器半体244が発熱する(つまり加温体として働く)ので、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない。このため、反応容器200は、設定温度への温度追従性が良く、加温体の温度と検体(反応液と固相坦体)の温度がほとんど同じなので高精度の温度制御を行なうことができる。
【0072】
図11は、本発明に従って容器本体が発熱する反応容器の反応チップの温度曲線と、従来通り間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【0073】
図11から分かるように、本実施形態の反応容器200は、間接的に加熱される反応容器と比べて、反応チップが80℃の設定温度に早く到達している。図11において、本実施形態の温度曲線は、設定温度付近で波状になっている。これは、温度調節器184のヒーター制御がオン・オフ制御であることに起因している。このような温度変動は、オン・オフの制御周期を短くすることにより、あるいは温度調節器をリニア制御方式のものに変更することにより、容易に滑らかにすることができる。
【0074】
反応チップが発熱する場合は、温度制御の追従性が高くなり、温度変化を与えて反応させる場合には好ましいが、反面、発熱部材のコストが高くなり好ましくない。第二実施形態のように、反応容器を発熱させて、反応チップの保持部材を例えば、樹脂等のフィルムで構成し、反応チップのみを交換可能に構成すると、従来の反応容器を間接的に加熱するときよりも温度の追従性は向上し、コストアップすることもなく好ましい。
【0075】
図10は、本実施形態の変形例の反応容器200Aを示している。図10において、図7と同じ参照符号で指示された部材は同一の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0076】
本変形例の反応容器200Aは、図8に示された反応チップを収容し保持する反応容器240Aを有しており、反応容器240Aは上側容器半体242Aと下側容器半体244とで構成されている。上側容器半体242Aは、測温体294が反応チップの近くに配置されることを可能にする孔292を有している。
【0077】
これまで、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変形されてよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない、反応容器が提供される。このため、本発明の反応容器は、設定温度への温度追従性が良く、高精度の温度制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による反応チップの分解斜視図である。
【図2】図1に示された反応チップを含む反応容器の分解斜視図である。
【図3】図2に示された反応容器の反応液収容部を示す断面図である。
【図4】図2と図3に示された反応容器の温度制御系を示している。
【図5】温度調節時に現れる不所望なオーバーシュートとアンダーシュートを示している。
【図6】反応チップ自体が発熱する反応チップの温度曲線と、間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【図7】本発明の第二実施形態による反応容器を示している。
【図8】図7に示された反応チップの分解斜視図である。
【図9】図7に示された反応容器の反応液収容部を示す断面図である。
【図10】本発明の第二実施形態の変形例の反応容器を示している。
【図11】容器本体が発熱する反応容器の反応チップの温度曲線と、間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【符号の説明】
100…反応容器、110…反応チップ、112…固相坦体、114,116…支持部材、122,124…開口部、126,128…電極、140…容器本体、142…上側容器半体、144…下側容器半体、152…上側ウェル、154…下側ウェル、156…流路、172…測温抵抗体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子等の生体関連物質の検査用の反応チップと反応容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトを含む多くの生物やイネをはじめとする多くの植物の遺伝子等の生体関連物質の解析が進められている。
【0003】
遺伝子等の生体関連物質の検査は、これまでは一般に電気泳動法により行なわれていた。電気泳動法では、検査に長い時間を必要とし、一度に行なえる検査の数も少数に限られる。
【0004】
最近では、半導体等にDNAを規則正しく配列したDNAチップあるいはDNAマイクロアレイを用いた新規な検査方法が開発されている。この新規な検査方法では、同時に複数の遺伝子等の生体関連物質を検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この新規な検査方法は、検査に長い時間を必要とし、再現性の良い分析結果を得ることが難しい。
【0006】
本出願人は、特願2001−232501号において、三次元DNAマイクロアレイを用いた、簡便に短時間で遺伝子を検査し得る遺伝子検査装置と遺伝子検出方法を提案している。
【0007】
この遺伝子検査では、反応液は、多孔質のフィルターを坦体とする三次元DNAマイクロアレイ(反応部)によって仕切られた液体収容部に入れられ、ポンプたとえばシリンジポンプによる加圧・減圧によって繰り返し反応部を通過させられる。これにより短時間の内に再現性良く核酸が得られる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、特願2001−395140号において、このような遺伝子等の生体関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器を提案している。
【0009】
その反応容器は、DNAチップ等の反応チップと、反応チップを収容し保持する容器本体とを備えており、反応用器本体は、上方に開放した上側ウェルと、反応チップを挟んで上側ウェルの下方に位置する下側ウェルと、下側ウェルと外部空間を連絡する流路とを有している。反応チップは、検査する生体関連物質を含む反応液の通過を許す多孔質の固相坦体を有しており、固相坦体は、上側ウェルと下側ウェルの間に位置する部分は生体関連物質との反応に供される反応部であり、反応部は生体関連物質を捕捉する複数のプローブを有している。反応容器の上方に開放した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている。
【0010】
このような反応容器は、生体関連物質の検査の際、生体関連物質とプローブとの反応の促進するために適当な温度に加温される。反応容器の加温は、これまで、反応容器の近くに配置されたヒーターやペルチェ素子などによって間接的に行なわれている。
【0011】
しかし、このような間接的な加温は、熱抵抗が大きく、熱効率のロスを招いたり、俊敏な温度変化に追従できず、反応時間のロスを招くことがある。
【0012】
本発明の目的は、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない、生体関連物質の検査用の反応容器を提供することであり、また、そのための反応チップを提供することである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
第一実施形態
図1に示されるように、反応チップ110は、生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体112と、固相坦体112をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材114と116とを備えている。固相坦体112と支持部材114と116は接着によって一体化されている。支持部材114と116は、それぞれ、互いに対応して位置する四つの円形の開口部122と124を有している。互いに対応して位置する開口部122と124は、固相坦体112を部分的に上下面を共に露出させる。一対の支持部材114と116は、固相坦体112を少なくとも部分的に露出させて支持する支持体を構成している。
【0015】
反応チップ110は、例えば、DNA検査のためのDNAチップであるが、特にこれに限定されるものではなく、広く生体関連物質を検査するためのあらゆるチップを含む。
【0016】
固相坦体112の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される反応部を構成している。反応部には複数のスポットが形成されており、それぞれのスポットは特定の生体関連物質を捕捉するためのプローブを有している。固相坦体112は上下に貫通した多数の微細な孔を有しており、プローブはそれらの孔の中に固定されている。
【0017】
支持体は加温体として働き得る。このため、支持部材114と116は、発熱材料であれば特に制限はないが、例えば、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する。本実施形態では、支持部材114と116が共に高融点発熱材料製であるが、それらの一方だけが高融点発熱材料製であってもよい。
【0018】
支持部材114と116用の好適な高融点発熱材料は、例えばタングステンである。しかし、支持部材114と116用の高融点発熱材料は、タングステンに限定されるものではなく、タンタルやニクロム(登録商標)など、他の高融点発熱材料であってもよい。
【0019】
支持部材114と116は、それぞれ、電流供給用の一対の電極126と128を有している。支持部材114と116は、電極126と128を除いて絶縁膜で被覆されている。つまり、支持部材114と116は、電極126と128を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。絶縁材料は、例えば樹脂である。樹脂は、例えば高密度ポリエチレンであるが、これに限定されるものではなく、他の樹脂であってもよい。
【0020】
支持部材114と116は、例えば、タングステンの板に対して切り出し加工等を行なって開口部122と124と電極126と128を形成した後、電極126と128を除いて高密度ポリエチレンでライニングして絶縁膜を形成することにより、作製される。
【0021】
反応チップ110は、図2と図3に示されるように、容器本体140に収容され保持される。容器本体140は反応チップ110と共に生体関連物質の検査用の反応容器100を構成する。
【0022】
容器本体140は、反応チップ110をそれらの間に挟んで保持する上側容器半体142と下側容器半体144とを備えている。上側容器半体142と下側容器半体144は、例えばポリカーボネート製であり、ねじ止めや接着など、適当な手法によって互いに固定され、反応チップ110を保持する。
【0023】
上側容器半体142は、反応チップ110の電極126と128を外部に突出させる切り欠き部148を有している。
【0024】
容器本体140は、検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有している。反応液収容部は、図3において、反応チップ110の上側に位置する上側ウェル152と、反応チップ110の下側に位置する下側ウェル154と、下側ウェル154と外部空間を連絡する流路156とを有している。
【0025】
このため、上側容器半体142は、上側ウェル152を規定するテーパー状の貫通孔を有しており、下側容器半体144は、下側ウェル154を規定する凹部と、流路156を規定する中空部とを有している。中空部は、下側ウェル154を規定する凹部の底面から延び、下側容器半体144の側面158で終端している。
【0026】
反応液収容部は、反応チップ110で仕切られている。より詳しくは、上側ウェル152と下側ウェル154の間には、反応チップ110の反応部すなわちプローブが形成された固相坦体112が位置している。上側ウェル152と下側ウェル154の間に位置する固相坦体112は、反応液収容部に収容された反応液の通過を許す。つまり、反応液収容部に収容された反応液は、反応チップ110の固相坦体112を通過して、上側ウェル152と下側ウェル154の間を行き来し得る。
【0027】
上側ウェル152は、上方に開放しており、上方からの反応チップ110の固相坦体112の光学的観察を可能にしている。
【0028】
下側ウェル154と流路156の容積の合計は、上側ウェル152の容積よりも大きい。従って、下側ウェル154と流路156は、最初に上側ウェル152に入れられる反応液の全量を収容し得る。
【0029】
容器本体140は、好ましくは、上側ウェル152と反応部を液密に保つために上側容器半体142と反応チップ110の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル154と反応部を液密に保つために下側容器半体144と反応チップ110の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0030】
例えば、上側パッキン部材はOリング162で構成され、下側パッキン部材はOリング164で構成される。これに対応して、上側容器半体142は、Oリング162を収容する上側ウェル152の下端を取り囲むリング状の溝166を有している。下側容器半体144は、Oリング164を収容する下側ウェル154の上端を取り囲むリング状の溝168を有している。
【0031】
このような上側容器半体142と反応チップ110の間あるいは下側容器半体144と反応チップ110の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0032】
反応容器100は、好ましくは、さらに、反応チップ110の温度を測定する測温体を有している。測温体は、例えば、図2に示されるように、反応チップ110の近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体172を含む。測温抵抗体172は絶縁膜で被覆されている。つまり、測温抵抗体172はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。
【0033】
測温抵抗体172は、下側容器半体144に設けられており、下側容器半体144は、その上面に設けられた内部電極174を有し、内部電極174は測温抵抗体172と電気的に接続されている。上側容器半体142は、その下面に設けられた内部電極176と、外側に設けられた外部電極178とを有しており、内部電極176と外部電極178は電気的に接続されている。上側容器半体142の内部電極176と下側容器半体144の内部電極174は、上側容器半体142と下側容器半体144とが固定された際に導通される。
【0034】
反応容器100は、生体関連物質の検査に際して、インキュベーターに格納される。
【0035】
インキュベーターに格納された反応容器100は、図示されていないが、流路156がチューブを介してシリンジポンプ等のポンプと連絡される。これにより、反応容器100の反応液収容部内(上側ウェル152と下側ウェル154と流路156)の反応液は、空気層を途中に挟んで、ポンプと流体的に連絡される。
【0036】
ポンプは反応液との間に存在する空気を吸引・吐出し、それに応じて流路156が減圧・加圧される。
【0037】
流路156の減圧に応じて、上側ウェル152内の反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)へ移動する。
【0038】
前述したように下側ウェル154と流路156の合計の容積は、上側ウェル152の容積よりも大きいため、最初に上側ウェル152に入れられた反応液は、その全量が下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)内に収容され得る。
【0039】
また、流路156の加圧に応じて、下側空間(下側ウェル154と流路156の空間)内の反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、上側ウェル152へ移動する。
【0040】
このように、ポンプの吸引・吐出を繰り返し行なうことにより、反応液は、反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通って、上側ウェル152と下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)の間を行き来する。
【0041】
このように反応液に繰り返し反応部(プローブが形成された固相坦体112)を通過させることにより、遺伝子や核酸等の検査対象物を比較的短時間で検出することができる。
【0042】
検査対象物の検出の際、反応容器100は検査対象物の検出に適した温度に温度制御される。図4は、反応容器100の温度制御系を示している。
【0043】
図4に示されるように、温度制御系は、インキュベーター182に収納された反応容器100内の反応チップ110の支持部材114と116を発熱させるための制御電圧を出力する温度調節器184と、温度調節器184からの制御電圧を増幅して反応チップ110の支持部材114と116に供給するドライブ回路186と、温度調節器184とドライブ回路186に電力を供給する電源回路188と、温度調節器184を制御するPC190と、制御に必要な情報を表示するモニター192とを有している。
【0044】
温度調節器184は、電源回路188から24Vの電力供給を受けて動作し、測温抵抗体172からの温度情報をPC190に送る。PC190は設定温度との乖離を把握しながら温度調節器184を制御する。温度調節器184はPC190によって9600bpsの通信レートで制御される。温度調節器184は、定格出力電流が20mAの加温部制御用出力端子を備えている。加温部制御用出力端子は、ドライブ回路186に接続されている。ドライブ回路186は、MOS−FET等により電流回路を構成しており、電源回路188から24Vの電力供給を受けて動作する。ドライブ回路186は、最大2Aまでの電流をドライブすることができ、反応チップ110の支持部材114と116を最大100℃まで温度上昇させることができる。
【0045】
PC190には、反応チップ110の設定温度がキーボードから予め入力される。温度調節器184は、反応チップ110の温度を測温抵抗体172によって常時モニターしており、その情報をPC190に送る。PC190は、その情報に基づいて、反応チップ110の現在温度を求め、それを予め入力された設定温度と共にモニター192に表示する。
【0046】
PC190は、予め入力された設定温度と、反応チップ110の現在温度とに基づいて、温度調節器184を制御する。温度調節器184は加温部制御用出力端子から反応チップ110の現在温度に応じた0〜12Vの範囲内の制御電圧を出力し、ドライブ回路は供給される制御電圧に応じて0〜約24Vの範囲内の電圧を反応チップ110に供給する。
【0047】
反応チップ110の加温の初期においては、温度調節器184は最大の制御量で動作される。反応チップ110の温度が設定温度に近くなると、図5に示されるような反応チップ110の温度が設定温度に対してオーバーシュート・アンダーシュートを避けるために、温度調節器184は制御量を徐々に下げながら設定温度に近づける。
【0048】
温度調節器184は、一度PC190から設定温度の指示を受け、温調開始命令を受けると、PC190から設定温度変更の指示を受けるか温調停止命令を受けるまで、指示された温度で制御量を微調整しながら、反応チップ110が一定温度になるような制御を続ける。
【0049】
本実施形態の反応容器100は、反応チップ110の支持部材114と116が発熱する(つまり加温体として働く)ので、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない。このため、反応容器100は、設定温度への温度追従性が良く、加温体の温度と検体(反応液と固相坦体)の温度がほとんど同じなので高精度の温度制御を行なうことができる。
【0050】
図6は、本発明に従って反応チップが発熱する場合の反応チップの温度曲線と、従来通り間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【0051】
図6から分かるように、本実施形態の反応容器100は、間接的に加熱される反応容器と比べて、反応チップが80℃の設定温度に早く到達している。図6において、本実施形態の温度曲線は、設定温度付近で波状になっている。これは、温度調節器184のヒーター制御がオン・オフ制御であることに起因している。このような温度変動は、オン・オフの制御周期を短くすることにより、あるいは温度調節器をリニア制御方式のものに変更することにより、容易に滑らかにすることができる。また、反応チップが発熱した方がよりサンプルに近い部材が発熱するので、温度の追従性はより高くなる。本実施形態では反応チップの温度設定を80℃としたが、任意の温度に設定することが可能である。
【0052】
第二実施形態
図7に示されるように、反応容器200は、DNAチップ等の反応チップ210と、反応チップ210を収容し保持する容器本体240とを備えている。
【0053】
容器本体240は、反応チップ210をそれらの間に挟んで保持する上側容器半体242と下側容器半体244とを備えている。上側容器半体242と下側容器半体244は、ねじ止めや接着など、適当な手法によって互いに固定され、反応チップ210を保持する。
【0054】
反応チップ210は、図8に示されるように、生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体212と、固相坦体212をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材214と216とを備えている。固相坦体212と支持部材214と216は接着によって一体化されている。支持部材214と216は、ポリカーボネート等の樹脂製で、それぞれ、互いに対応して位置する四つの円形の開口部222と224を有している。互いに対応して位置する開口部222と224は、固相坦体212を部分的に上下面を共に露出させる。一対の支持部材214と216は、固相坦体212を少なくとも部分的に露出させて支持する支持体を構成している。
【0055】
固相坦体212の上下面共に露出している部分は、検査される生体関連物質との反応に供される反応部を構成している。反応部には複数のスポットが形成されており、それぞれのスポットは特定の生体関連物質を捕捉するためのプローブを有している。固相坦体212は上下に貫通した多数の微細な孔を有しており、プローブはそれらの孔の中に固定されている。
【0056】
容器本体240は、検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有している。反応液収容部は、図9において、反応チップ210の上側に位置する上側ウェル252と、反応チップ210の下側に位置する下側ウェル254と、下側ウェル254と外部空間を連絡する流路256とを有している。
【0057】
このため、上側容器半体242は、上側ウェル252を規定するテーパー状の貫通孔を有しており、下側容器半体244は、下側ウェル254を規定する凹部と、流路256を規定する中空部とを有している。中空部は、下側ウェル254を規定する凹部の底面から延び、下側容器半体244の側面258で終端している。
【0058】
反応液収容部は、反応チップ210で仕切られている。より詳しくは、上側ウェル252と下側ウェル254の間には、反応チップ210の反応部すなわちプローブが形成された固相坦体212が位置している。上側ウェル252と下側ウェル254の間に位置する固相坦体212は、反応液収容部に収容された反応液の通過を許す。つまり、反応液収容部に収容された反応液は、反応チップ210の固相坦体212を通過して、上側ウェル252と下側ウェル254の間を行き来し得る。
【0059】
上側ウェル252は、上方に開放しており、上方からの反応チップ210の固相坦体212の光学的観察を可能にしている。
【0060】
下側ウェル254と流路256の容積の合計は、上側ウェル252の容積よりも大きい。従って、下側ウェル254と流路256は、最初に上側ウェル252に入れられる反応液の全量を収容し得る。
【0061】
容器本体240は、好ましくは、上側ウェル252と反応部を液密に保つために上側容器半体242と反応チップ210の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル254と反応部を液密に保つために下側容器半体244と反応チップ210の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0062】
例えば、上側パッキン部材はOリング262で構成され、下側パッキン部材はOリング264で構成される。これに対応して、上側容器半体242は、Oリング262を収容する上側ウェル252の下端を取り囲むリング状の溝266を有している。下側容器半体244は、Oリング264を収容する下側ウェル254の上端を取り囲むリング状の溝268を有している。
【0063】
このような上側容器半体242と反応チップ210の間あるいは下側容器半体244と反応チップ210の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0064】
容器本体240は加温体として働き得る。このため、上側容器半体242と下側容器半体244は、発熱部材であれば特に制限はないが、高融点発熱材料製であり、電流供給に対して発熱する。本実施形態では、上側容器半体242と下側容器半体244が共に高融点発熱材料製であるが、それらの一方だけが高融点発熱材料製であってもよい。
【0065】
上側容器半体242と下側容器半体244用の好適な高融点発熱材料は、例えばタングステンである。しかし、上側容器半体242と下側容器半体244用の高融点発熱材料は、タングステンに限定されるものではなく、タンタルやニクロム(登録商標)など、他の高融点発熱材料であってもよい。
【0066】
下側容器半体244は、外部に露出した電流供給用の一対の電極286を有している。また、上側容器半体242は電流供給用の一対の内部電極282を有し、下側容器半体244は、上側容器半体242の電極282に向き合う通電用の一対の内部電極282を有している。上側容器半体242の内部電極282と下側容器半体244の内部電極284は、上側容器半体242と下側容器半体244とが一体化された際に、互いに電気的に接続される。
【0067】
これにより、上側容器半体242は、下側容器半体244の内部電極284を介して、下側容器半体244の電流供給用の一対の電極286と電気的に接続される。下側容器半体244の電極286への電流供給に対して、下側容器半体244が発熱するだけでなく、上側容器半体242も発熱する。
【0068】
上側容器半体242は内部電極282を除いて絶縁膜で被覆されており、下側容器半体244は、内部電極284と電極286を除いて絶縁膜で被覆されている。つまり、上側容器半体242は内部電極282を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有しており、下側容器半体244は内部電極284と電極286を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。絶縁材料は、例えば樹脂である。樹脂は、例えばポリスチレンであるが、これに限定されるものではなく、他の樹脂であってもよい。
【0069】
反応容器200は、反応チップ210の温度を測定する測温体を有している。測温体は、例えば、図7に示されるように、反応チップ210の近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体272を含む。測温抵抗体272は絶縁膜で被覆されている。つまり、測温抵抗体272はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している。
【0070】
測温抵抗体272は、上側容器半体242に設けられており、上側容器半体242には、測温抵抗体272と電気的に接続された電極274が設けられている。
【0071】
本実施形態の反応容器200は、容器本体240すなわち上側容器半体242と下側容器半体244が発熱する(つまり加温体として働く)ので、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない。このため、反応容器200は、設定温度への温度追従性が良く、加温体の温度と検体(反応液と固相坦体)の温度がほとんど同じなので高精度の温度制御を行なうことができる。
【0072】
図11は、本発明に従って容器本体が発熱する反応容器の反応チップの温度曲線と、従来通り間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【0073】
図11から分かるように、本実施形態の反応容器200は、間接的に加熱される反応容器と比べて、反応チップが80℃の設定温度に早く到達している。図11において、本実施形態の温度曲線は、設定温度付近で波状になっている。これは、温度調節器184のヒーター制御がオン・オフ制御であることに起因している。このような温度変動は、オン・オフの制御周期を短くすることにより、あるいは温度調節器をリニア制御方式のものに変更することにより、容易に滑らかにすることができる。
【0074】
反応チップが発熱する場合は、温度制御の追従性が高くなり、温度変化を与えて反応させる場合には好ましいが、反面、発熱部材のコストが高くなり好ましくない。第二実施形態のように、反応容器を発熱させて、反応チップの保持部材を例えば、樹脂等のフィルムで構成し、反応チップのみを交換可能に構成すると、従来の反応容器を間接的に加熱するときよりも温度の追従性は向上し、コストアップすることもなく好ましい。
【0075】
図10は、本実施形態の変形例の反応容器200Aを示している。図10において、図7と同じ参照符号で指示された部材は同一の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0076】
本変形例の反応容器200Aは、図8に示された反応チップを収容し保持する反応容器240Aを有しており、反応容器240Aは上側容器半体242Aと下側容器半体244とで構成されている。上側容器半体242Aは、測温体294が反応チップの近くに配置されることを可能にする孔292を有している。
【0077】
これまで、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変形されてよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、熱抵抗が小さく、熱効率のロスが少ない、反応容器が提供される。このため、本発明の反応容器は、設定温度への温度追従性が良く、高精度の温度制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による反応チップの分解斜視図である。
【図2】図1に示された反応チップを含む反応容器の分解斜視図である。
【図3】図2に示された反応容器の反応液収容部を示す断面図である。
【図4】図2と図3に示された反応容器の温度制御系を示している。
【図5】温度調節時に現れる不所望なオーバーシュートとアンダーシュートを示している。
【図6】反応チップ自体が発熱する反応チップの温度曲線と、間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【図7】本発明の第二実施形態による反応容器を示している。
【図8】図7に示された反応チップの分解斜視図である。
【図9】図7に示された反応容器の反応液収容部を示す断面図である。
【図10】本発明の第二実施形態の変形例の反応容器を示している。
【図11】容器本体が発熱する反応容器の反応チップの温度曲線と、間接的に加熱される反応容器の反応チップの温度曲線とを示している。
【符号の説明】
100…反応容器、110…反応チップ、112…固相坦体、114,116…支持部材、122,124…開口部、126,128…電極、140…容器本体、142…上側容器半体、144…下側容器半体、152…上側ウェル、154…下側ウェル、156…流路、172…測温抵抗体。
Claims (17)
- 生体関連物質の検査用の反応チップであり、
生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体と、
固相坦体を少なくとも部分的に露出させて支持する支持体とを備えており、支持体が加温体として働き得る、反応チップ。 - 支持体は、固相坦体をそれらの間に挟んで保持する一対の支持部材で構成されている、請求項1に記載の反応チップ。
- 少なくとも一つの支持部材は発熱部材であり、電流供給に対して発熱する、請求項2に記載の反応チップ。
- 一対の支持部材は共に発熱部材である、請求項3に記載の反応チップ。
- 発熱部材の支持部材は、電流供給用の電極と、電極を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜とを含んでいる、請求項3に記載の反応チップ。
- 生体関連物質の検査用の反応容器であり、
請求項1に記載の反応チップと、
反応チップを収容し保持する容器本体とを備えており、
反応容器は検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有し、反応液収容部は反応チップで仕切られており、反応チップの露出した固相坦体は反応液収容部に収容された反応液がそれを通過するのを許し、反応液収容部は反応チップの上側に位置する上方に開放した上側ウェルを含んでおり、上側ウェルは上方からの反応チップの固相坦体の光学的観察を可能にしている、反応容器。 - 反応容器は、反応チップの温度を測定する測温体を有している、請求項6に記載の反応容器。
- 測温体は、反応チップの近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体を含み、測温抵抗体はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している、請求項7に記載の反応容器。
- 生体関連物質の検査用の反応容器であり、
生体関連物質を捕捉するプローブを含む多孔質の固相坦体とそれを少なくとも部分的に露出させて支持する支持体とを有する反応チップと、
反応チップを収容し保持する容器本体とを備えており、
反応容器は検査される生体関連物質を含む反応液を収容する反応液収容部を有し、反応液収容部は反応チップで仕切られており、反応チップの露出した固相坦体は反応液収容部に収容された反応液がそれを通過するのを許し、反応液収容部は反応チップの上側に位置する上方に開放した上側ウェルを含んでおり、上側ウェルは上方からの反応チップの固相坦体の光学的観察を可能にしており、容器本体が加温体として働き得る、反応容器。 - 容器本体は、反応チップをそれらの間に挟んで保持する一対の容器半体で構成されている、請求項9に記載の反応容器。
- 反応チップが交換可能である、請求項10に記載の反応容器。
- 少なくとも一つの容器半体は発熱部材であり、電流供給に対して発熱する、請求項10に記載の反応容器。
- 一対の容器半体は共に発熱部材である、請求項12に記載の反応容器。
- 発熱部材の容器半体は、電流供給用の電極と、電極を除いてそれ自体を覆っている絶縁材料の膜とを含んでいる、請求項12に記載の反応容器。
- 反応容器は、反応チップの温度を測定する測温体を有している、請求項9に記載の反応容器。
- 測温体は、反応チップの近くに配置された、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体を含み、測温抵抗体はそれ自体を覆っている絶縁材料の膜を有している、請求項15に記載の反応容器。
- 容器本体は、測温体が反応チップの近くに配置されることを可能にする孔を有している、請求項9に記載の反応容器。
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JP2003051250A JP2004257962A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 生体関連物質の検査用の反応チップと反応容器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8491853B2 (en) | 2005-05-19 | 2013-07-23 | Sony Corporation | Substrate and device for bioassay and method for making the substrate |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003051250A patent/JP2004257962A/ja not_active Withdrawn
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