JP2002506385A - マルチウェルプレートの容積アダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、マルチウェルプレート、好ましくは、96ウェルプレートのウェルの容積を増加させることができ、そのために、大容積または高倍率希釈を必要とする操作が行われる製品に関するものである。アダプタ(10)は、その容積をこのアダプタが増加させるように設計されたマルチウェルプレートと実施って器に同一のウェル間隔を有する、相互に接続された開放底部ウェル(12)のマトリクスからなる。ウェル(12)は、支持構造体(22)により相互に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】 マルチウェルプレートの容積アダプタ 発明の分野 本発明は、化学的および生物学的アッセイに用いられるマルチウェルプレート に使用するための製品に関し、より詳しくは、工業標準規格のプレートの寸法を 変更せずに、マルチウェルプレートの個々のウェルの容積を増加させる製品に関 するものである。 発明の背景 マルチウェルプレートは、生物学的および化学的実験の分野において重要な器 具である。長年に亘り、研究用マルチウェルプレートが、１ウェルから96ウェル まで、そして最近では、1536ウェル以上までの範囲に亘る配置で製造されている 。マルチウェルプレートのウェルは、典型的に、様々な実験を行うため、組織培 養物を増殖させるため、薬物をスクリーニングするため、または分析および診断 の機能を果たすための反応容器として用いられている。これらプレートの寸法的 および物理的性質は、特定のアッセイの必要条件に依存して異なる。プレートの 設計において考慮すべき事項は、そのプレートが、末端使用者の装置に関して正 確に機能しなければならないということである。標準規格化されたマルチウェル プレートを用いた装置としては、プレート読取り装置、プレート洗浄機、機械式 プレート取扱い装置、自動化ピペットステーション、プレート貯蔵装置、真空マ ニホールドおよび他の操作装置が挙げられる。さらに、これらの装置は、個々の ウェルに光を透過させ、個々のウェル中の比色変化または化学発光を読み取るの に利用される。これらの装置の内のいくつかは、データを記録し、記録されたデ ータを分析し、処理するように自動化されている。この標準規格化の結果として 、プレートの多くの寸法が、許容範囲内に入らなければならない。その重要なパ ラメータとしては、例えば、プレートの幅、長さ、高さ、ウェルの位置、直径、 数が挙げられる。これらの制限のために、プレートのパラメータは、ある場合に は、末端使用者のニーズの全てを満たすものではないかもしれない。例えば、標 準的 なウェルの配置（footprint）および高さを有するプレートは、そのプレート内 のウェルの数に依存する最大ウェル容積を有する。特定のプレートの最大ウェル 容積は、末端使用者の特定の用途にとって十分に大きいものではないかもしれな い。本発明は、マルチウェルプレートの高さを一時的に変化させるやり方で、こ のプレートのウェル容積を増加させる手段を提供することによりこの問題を解決 するものである。 発明の概要 本発明の目的は、マルチウェルプレートのウェルの容積を、そのマルチウェル プレートの工業標準規格寸法を変更させずに一時的に増加させる取外し可能な手 段を提供することにある。本発明の別の目的は、容積アダプタユニットであって 、マルチウェルプレート上または別の容積アダプタ上のいずれかに積み重ねられ る容積アダプタユニットを提供することにある。本発明のさらなる目的は、アダ プタであって、使用者が単に積み重ねられたアダプタの数の関数として所定の用 途のためのウェル容積を形成できるアダプタを作成することにある。本発明のさ らに別の目的は、特定の容積に関して、深いウェルの形式が市販されていないか もしれないマルチウェルプレートのウェル容積を増加させる手段を提供すること にある。 本発明は、マルチウェルプレート内のウェルの容積を一時的に増加させる装置 に関するものである。本発明は、端部が開いた、実質的に底のない壁のマトリク スを有するアダプタプレートを含む。このマトリクスは、このアダプタプレート が、基礎となるマルチウェルプレート上、または実質的に同一の別のアダプタ上 のいずれかに積重可能にはまるようにマルチウェルプレートのウェルの分布と整 合している。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の容積アダプタの平面図である。 図２は、本発明の容積アダプタの側面図である。 図３は、本発明の容積アダプタの斜視図である。 図４は、互いに積重され、さらに標準的な96ウェルプレート上に積重された本 発明の二つの容積アダプタの断面図である。 図５は、連続して積重されたウェルを示す、図４の拡大部分である。 図６は、互いに積重され、さらに標準的な96ウェル基礎フルート上に積重され た本発明の二つの容積アダプタの斜視図である。 好ましい実施の形態の詳細な説明 図１は、本発明の容積アダプタ10の平面図を示している。本発明は、マルチウ ェルプレート、好ましくは、96ウェルプレートのウェルの容積を増加でき、その ため、より大きい容積またはより高い倍率の希釈を必要とする操作を行うことが できる製品に関するものである。アダプタ10は、このアダプタがその容積を増加 させるように設計された前記プレートと実質的に同一のウェル間隔を有する、互 いに接続された開放底部ウェル12のマトリクスからなる。ウェル12は、支持構造 体22により互いに接続されている。好ましい製品は、96ウェルプレートの形式に 適応するけれども、そのアダプタを、いかなる数のウェルを備えたプレートには まるように変更することもできる。例えば、アダプタは、一つのウェルから1536 のウェル、そしてそれより多いウェルをいずれにでも有するプレートに適応する ように製造することもできる。この製品は、好ましくは、ポリエチレンのような 熱可塑性材料から射出成形される。 図２は、側面から見たアダプタ10の図を示している。ウェル12は、開放頂部14 および開放底部16を有している。開放頂部14の内径は、好ましくは開放底部16の 外径よりも大きいので、あるアダプタの一つのウェルの底部が、もう一つのアダ プタの対応するウェルの頂部中にしっかりとはまる。シールテーパー部11が、ウ ェルの下側三分の一の所に位置している。シールテーパー部11は、面取りされた 縁20で終わり、前記ウェルがそれを収容するウェルとシール接触するように案内 するのに役立つ。アダプタ間の界面は、好ましくは締まりばめである。さらに、 底部の外径は、好ましくは、対応するマルチウェルプレートのウェルの内径より 小さい。同様に、締まりばめにより、好ましくは、アダプタとマルチウェルプレ ートとの間にウェル−ウェル係合が形成される。このシールの完全さが、設計に とって重要であるが、締まりばめに限定されるものではない。例えば、ある容積 アダプタの雄片が、それによって、別のアダプタまたはマルチウェルプレートい ずれかの雌片とかみ合う保持機構を用いてもよい。この種類の相互保持ばめの例 が、米国特許第5,285,253号に開示されている。この特許をここに引用する。さ らに、永久的な取付けが望ましい場合には、アダプタをマルチウェルプレートお よび／または他のアダプタに超音波溶接しても差し支えない。 図３は、本発明の容積アダプタの斜視図を示している。開放底部ウェル12のマ トリクスが、支持構造体22により相互に接続されている。 図４−６は、その上に二つの容積アダプタ10_i、10_iiが適合して積重された96 ウェルベースプレート16を示している。図４および５は、断面図を示している。 第一のアダプタ10_iが、マルチウェルプレート16上に積み重なっている。第二の アダプタ10_iiが、この第一のアダプタ10_i上に積み重なっている。マルチウェル プレート16の各々のウェルの容積は、積重されたアダプタ10_i、10_iiのために、 約三倍に増加している。各々の拡張ウェル21は、完全に自立性であり、液密性で ある。フィルタも、部分的底部壁もウェルを分割していないので、ピペットが、 マルチウェルプレート16のウェル18の底部に到達することができる。アダプタは 、所望の容積を得るためにいくつのアダプタも積重できるように設計されている 。容積アダプタ10の各々のウェルの底部にある面取り縁20は、互いに押し付けら れたときに、マルチウェルプレート16の各々のウェル18に、アダプタの各々のウ ェル12をアライメントするのを補助するように含まれていてもよい。互いに適切 に押し付けられたときに、締まりばめシール24が形成される。 アライメントを補助するために、その容積アダプタの中心ウェルの長さが、こ の中心ウェルが最初にかみ合うように残りのウェルよりも長くてもよい。これは 、ウェルの中心対中心の不一致が蓄積したことに関連するアライメント問題を最 小にするのに役立つ。さらに、アダプタの柔軟性の度合いは、好ましくは、その アダプタが、中心間隔の同一ではないアダプタにはまるように曲がることができ るように材料の選択および幾何学形状により設計される。所望の柔軟性のために 、そのアダプタは、好ましくは、ポリエチレンから作成される。ポリスチレンま たはポリプロピレンのような他の材料を用いても差し支えない。 アダプタをマルチウェルプレートに適切にはめるために、そのアダプタを、ア ッセイが行われることになっているそのマルチウェルプレート上でアライメント し、このアダプタを対応するウェル中にしっかりと押し付ける必要がある。次い で、追加の容積アダプタを、所望の容積に達するまで、第一のアダプタ中に押し 込んでも差し支えない。各々のウェルを完全にシールするのに十分な力を提供す るために、機械的圧縮が必要であるかもしれない。これらのアダプタを分解する ために、手または特別な設備を使用することにより、それらアダプタをこじ開け ることができる。このようにして、各々のウェルの容積は、用途により必要とさ れるだけ一時的に増加させることができる。 様々な高さおよび容積のウェルを有するアダプタを製造しても差し支えないこ とに留意されたい。例えば、一つのアダプタが、ウェルの容積を数倍増加させる ウェル延長部を備えていてもよい。 さらに、この容積アダプタは、マルチウェルプレートへの取付けに関して前述 したのと同様な様式でフィルタプレートに取り付けることができるので、フィル タプレートのウェルを拡張し、増大した容積の液体を個々のフィルタを通過させ ることができる。 フィルタユニット、または膜で被覆されたアダプタがいくつか積重されている 場合には、積層濾過系を提供することを目的として、膜または他の多孔質マトリ クスをアダプタのウェルの底部の開口部に亘り張ってもよいことが理解されよう 。 さらに、容積アダプタは、キュベット片もしくは基礎マルチウェルプレートの 一列または行に対応し、適合してかみ合う相互に接続された開放底部ウェルの小 片として製造してもよいことが理解されよう。ウェルの小片、プレート、または 一つのキュベットいずれかの一つの基礎ウェルと適合してかみ合う、一つの開放 底部ウェルを含む個々のウェル容積アダプタを製造しても差し支えない。 説明を目的として、本発明を詳細に記載してきたけれども、そのような詳細は 、単に説明を目的としたものであり、以下の請求の範囲により定義される本発明 の精神および範囲から逸脱せずに、当業者がそれに変更を行えることが理解され よう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．マルチウェルプレートの容積を増大させる積重可能なアダプタであって、 端部が開放され、実質的に底なしウェルのマトリクスを有するアダプタプレ ートを含み、該開放された端部が、頂部開口部での内径よりも小さい底部開口 部での外径を有し、前記マトリクスが、前記アダプタがマルチウェルプレート または実質的に同一のアダプタ上に積重可能にはまるようにマルチウェルプレ ートのウェルの分布に関して対応してアライメントされていることを特徴とす る積重可能なアダプタ。 ２．前記アダプタプレートが軟質高分子から作成されていることを特徴とする請 求の範囲第１項記載の積重可能なアダプタ。 ３．前記マトリクスが、96個の端部が開放された、実質的に底なしウェルを有す ることを特徴とする請求の範囲第１項記載の積重可能なアダプタ。 ４．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルの側壁が、面取り縁で終わっ ていることを特徴とする請求の範囲第１項記載の積重可能なアダプタ。 ５．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルの各々の容積が、前記マルチ ウェルプレートのウェルの容積と実質的に同一であることを特徴とする請求の 範囲第１項記載の積重可能なアダプタ。 ６．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルの各々の容積が、前記マルチ ウェルプレートのウェルの容積よりも大きいことを特徴とする請求の範囲第１ 項記載の積重可能なアダプタ。 ７．生物学的または化学的アッセイを行うための装置であって、 各々がフィルタ底部および開放頂部を有する複数のフィルタウェルを有する マルチウェルフィルタプレート、および 少なくとも一つの端部が開放された、実質的に底なしウェルを有する第一の 容積アダプタを備え、 該第一の容積アダプタの少なくとも一つのウェルが、前記マルチウェルフィ ルタプレートのウェルの容積が該第一の容積アダプタのウェルにより増加させ られるように該マルチウェルフィルタプレートの対応するウェル中にはめられ ていることを特徴とする装置。 ８．少なくとも一つの端部が開放された、実質的に底なしウェルを有する少なく とも一つの第二の容積アダプタが、前記第一の容積アダプタの少なくとも一つ の対応するウェル中にしっかりとはめられることを特徴とする請求の範囲第７ 項記載の装置。 ９．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルがマトリクスの形態をとるこ とを特徴とする請求の範囲第７項記載の容積アダプタ。 10．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルがウェルの小片の形態をとる ことを特徴とする請求の範囲第７項記載の容積アダプタ。 11．複数の底なしウェルを備えた、生物学的または化学的分析に用いられる複数 のベースのウェルの容積を増大させるためのアダプタであって、該底なしウェ ルが前記ベースのウェルと適合してかみ合えることを特徴とするアダプタ。 12．前記底なしウェルが、テーパー状底部を有することを特徴とする請求の範囲 第11項記載のアダプタ。 13．生物学的または化学的アッセイを行うための装置であって、 各々が底部および開放頂部を有する複数のウェルを有するマルチウェルプレ ート、および 少なくとも一つの端部が開放された、実質的に底なしのウェルを有する第一 の容積アダプタを備え、 該第一の容積アダプタの少なくとも一つのウェルが、前記マルチウェルプレ ートのウェルの容積が該第一の容積アダプタのウェルにより増加させられるよ うに該マルチウェルプレートの対応するウェル中にはめられていることを特徴 とする装置。 14．少なくとも一つの端部が開放された、実質的に底なしウェルを有する少なく とも一つの第二の容積アダプタが、前記第一の容積アダプタの少なくとも一つ の対応するウェル中にしっかりとはめられることを特徴とする請求の範囲第13 項記載の装置。 15．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルがマトリクスの形態をとるこ とを特徴とする請求の範囲第13項記載の容積アダプタ。 16．前記端部が開放された、実質的に底なしウェルがウェルの小片の形態をとる ことを特徴とする請求の範囲第13項記載の容積アダプタ。