JP6119911B1 - はんだ合金、はんだボールおよびはんだ継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだ付け不良を防ぐために優れた濡れ性を有し、はんだ付け後におけるはんだ継手の接合強度が高く、接合界面での破壊を抑制し、さらにはEMの発生をも抑制するはんだ合金を提供する。【解決手段】接合時の信頼性とともに接合後の長期的な信頼性をも確保するため、質量%で、Bi:0.1%以上2.0%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.01〜0.20%、Ge:0.006〜0.09%、Co:0.003%以上0.05%未満、残部がSnからなる合金組成を有する。好ましくは、合金組成は、更に、Fe:0.005〜0.015%、P:1%以下を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、高電流密度の電流を通電することができるはんだ合金、はんだボールおよびはんだ継手に関する。
近年、CPU(Central Processing Unit)などのはんだ継手を有する電子デバイスは、小型化、高性能化が要求されている。これにともない、電子デバイスに搭載されている半導体素子の端子当たりの電流密度が増加する傾向にある。将来的には、電流密度が10〜10A/cm程度に達すると言われている。電流密度が増加すると、はんだ継手でエレクトロマイグレーションが発生する。エレクトロマイグレーションが進行すると、はんだ継手が破断する。
エレクトロマイグレーション(以下、適宜、「EM」と称する。)は、以下のような現象である。まず、はんだ継手を構成する原子が電流を生ずる電子と衝突して、運動量が電子から原子に伝達される。運動量が増加した原子は、電子の流れに沿ってはんだ継手のアノード側に移動する。原子がはんだ継手のアノード側に移動すると、空格子がはんだ継手のカソード側に生成する。そのような空格子が徐々に拡大してボイドが生成する。ボイドが成長すると、最終的にはんだ継手が破断する。このように、近年の電流密度の増加よりEMは大きな問題になりつつある。
ところで、従来の鉛フリーはんだ合金としては、Sn−Cuはんだ合金や、Sn−Ag−Cuはんだ合金が広く使用されてきた。これらのはんだ合金は、主成分であるSnの実効電荷数が大きいためにEMが発生しやすい。これらの合金で形成されたはんだ継手は高電流密度の電流を長時間通電すると破断する場合がある。この他にもはんだ継手の破断要因はいくつかあるが、はんだ継手の破断を抑制するために種々の合金が検討されている。
特許文献1は、はんだ合金の引張強度や濡れ性を向上させてはんだ継手の破断を抑制するためにBiを2質量%以上含有する、Sn−Bi−Cu−Ni系はんだ合金を開示する。
特許文献2は、濡れ性を向上させることによって、はんだ接合後にエージング処理が施されても接合強度が低下せず、高い接合強度を維持すると共に信頼性を向上させるため、上記はんだ合金にGeを添加したはんだ合金を開示する。さらに、特許文献2は、金属間化合物層の微細化という効果を発揮するため、Coを0.05%含有する合金組成が開示されている。
特開2014−097532号公報 国際公開第2015/166945号パンフレット
しかし、特許文献1に記載のはんだ合金は、Biを2%以上含有するためにはんだ合金自体の強度が高すぎて、接合界面での破壊が助長される。ここでモバイル製品等は、持ち運び時に製品の落下が不可避であり、その際に接合部へ衝撃などが負荷された場合、接合界面で破壊する。よって、強度試験時においても接合界面で破壊する破壊モード(以下、適宜、「破壊M」と称する。)は避けなければならない。特許文献1では、接合界面での破壊が避けられない。
特許文献2に記載の発明は、エージング処理後におけるはんだ継手の接合強度の向上を目的とするが、EMの発生を抑制することを目的とするのではない。仮にエージング処理後のはんだ継手の信頼性が向上したとしても、EMの原因である金属原子の移動を抑制する手段が施されているとは言い難い。このため、特許文献2に記載のはんだ合金を用いたはんだ継手に高電流密度の電流が通電すると、Geの添加により濡れ性が向上してもEMの発生を十分に抑制できない。
また、特許文献2は、前述のように、金属間化合物層の微細化のためにCoを含有するはんだ合金を1組成だけ開示する。金属間化合物層の微細化によって金属間化合物の界面に加わる応力が分散して亀裂の発生が抑制され、エージング処理後におけるはんだ継手の接合強度が向上するとも考えられる。しかし、EMは、前述のように、はんだ合金中の原子が移動することによって生じることから、金属間化合物層が微細になったとしても、その他の相から原子が容易に移動することができれば、EMの発生を十分に抑制することができない。
また、特許文献2は金属間化合物層の微細化のためにCoを添加することが開示するが、この「金属間化合物層の微細化」とは接合界面に形成されるCuSn等の金属間化合物層の成長を抑制することであると考えられる。しかし、この「金属間化合物層」の成長が抑制されたとしても、はんだ合金中の原子の移動を抑制することができず、EMの発生を抑制することができない。
このように、特許文献1および2に記載のはんだ合金は、濡れ性の向上や金属間化合物層の微細化によるエージング処理後の接合強度の向上が見込まれるかもしれないが、EMの発生を十分に抑制することができない。電子デバイスの小型化や高性能化に伴うEMの発生を抑制するためには、更なる検討が必要である。
本発明の課題は、はんだ付け不良を防ぐために優れた濡れ性を有し、接合界面での破壊を抑制し、はんだ付け後におけるはんだ継手の接合強度が高く、さらにはEMの発生をも抑制することによって、接合時の信頼性とともに接合後の長期的な信頼性をも確保することができるはんだ合金を提供することである。
本発明者らは、Sn−Bi−Cu−Ni−Ge系はんだ合金が、高い濡れ性および接合強度を有するとともにEMの発生を抑制することができるように、鋭意検討を行った。
本発明者らは、まず、濡れ性および接合強度を向上させるため、CuおよびNiの含有量の適正化を図った。
そして、EMの発生を抑制のためにはSnの移動を抑制する必要があることに着目した。Snの移動を抑制するためには、金属間化合物の微細化のみでは足らず、はんだ合金の組織全体の微細化が必要であることを着想した。
この着想を具現化するため、本発明者らは、Snに固溶するBi含有量およびGe含有量の適正化を図りSnマトリックスに歪みを加えた上で、Coを所定の範囲内で含有させた場合、予想外にも、金属間化合物に加えて主相であるSn相も微細になり、金属原子の移動が十分に抑制され、EMの発生を十分に抑制する知見が得られた。
これに加えて、上記知見がすべて満たされる場合には、はんだ付けにおいて致命的とも言える接合界面破壊が抑制される知見も得られた。
好ましい態様としては、Feを所定量添加することにより電極との接合界面の性状を改質し、カーケンダルボイドの発生を抑制することができる知見が得られた。
別の好ましい態様としては、Pを所定量添加することにより、濡れ性が更に向上し、接合強度が向上する知見が得られた。
これらの知見により得られた本発明は次の通りである。
(1)質量%で、Bi:0.1%以上2.0%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.01〜0.20%、Ge:0.006〜0.09%、Co:0.003%以上0.05%未満、残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とするはんだ合金。
(2)前記合金組成は、更に、質量%で、Fe:0.005〜0.015%を含有する、前記(1)に記載のはんだ合金。
(3)前記合金組成は、更に、質量%で、P:0.1%以下を含有する、前記(1)または(2)に記載のはんだ合金。
(4)5〜100kA/cmの電流密度の電流が通電する継手を有する電子デバイスに用いられる、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだボール。
(6)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のはんだ合金を有するはんだ継手。
図1は、はんだ合金のSEM写真であり、図1(a)は比較例8のはんだ合金のSEM写真であり、図1(b)は実施例3のはんだ合金のSEM写真であり、図1(c)は実施例1のはんだ合金のSEM写真であり、図1(d)は実施例2のはんだ合金のSEM写真である。
本発明を以下により詳しく説明する。本明細書において、はんだ合金組成に関する「%」は、特に指定しない限り「質量%」である。
1. 合金組成
(1) Bi:0.1%以上2.0%未満
BiはEMの発生を抑制するために必要な元素である。BiはSnに固溶するため、Snマトリックスに歪みを加えてSnの移動を抑制することができる。Bi含有量が0.1%未満であると、Snマトリックスの歪み量が少なくEMの発生を十分に抑制することができない。このため、Bi含有量の下限は0.1%以上であり、好ましくは0.2%以上であり、より好ましくは0.3%以上であり、さらに好ましくは0.6%以上であり、特に好ましくは1.0%以上である。一方、Bi含有量が2.0%以上であると、Biによる強度増加によってはんだ合金が固くなりすぎ、接合界面破壊を助長する場合がある。このため、Bi含有量の上限は2.0%未満であり、好ましくは1.9%以下であり、より好ましくは1.8%以下であり、さらに好ましくは1.7%以下である。
(2) Cu:0.1〜1.0%
Cuは、はんだ継手の接合強度を向上させるために必要な元素である。Cu含有量が0.1%未満であると接合強度が十分に向上しない。このため、Cu含有量の下限は0.1%以上であり、好ましくは0.3%以上であり、より好ましくは0.5%以上である。一方、Cu含有量が1.0%を超えるとはんだ合金の濡れ性が劣化する。また、濡れ性が劣化すると接合面積が減少して電流密度が上昇し、EMの発生を助長することがある。このため、Cu含有量の上限は1.0%以下であり、好ましくは0.9%以下であり、より好ましくは0.8%以下である。
(3) Ni:0.01〜0.20%
Niは、Cuと同様にはんだ継手の接合強度を向上させるために必要な元素である。Ni含有量が0.01%未満であると接合強度が十分に向上しない。このため、Ni含有量の下限は0.01%以上であり、好ましくは0.02%以上であり、より好ましくは0.03%以上である。一方、Ni含有量が0.20%を超えると合金の濡れ性が劣化する。また、Cuと同様にEMの発生を助長することがある。このため、Ni含有量の上限は0.20%以下であり、好ましくは0.15%以下であり、より好ましくは0.10%以下である。
(4) Ge:0.006〜0.09%
Geははんだ合金の濡れ性を向上させるとともにEMの発生を抑制するために必要な元素である。Geは、BiによるSnマトリックスの歪みを助長してSnの移動を阻害することにより、EMの発生を抑制することができる。Ge含有量が0.006%未満であると、これらの効果が十分に発揮されない。Ge含有量の下限は0.006%以上であり、好ましくは0.007%以上であり、より好ましくは0.008%以上である。一方、Ge含有量が0.09%を超えると、濡れ性が悪化する。またこれに伴いシェア強度が劣化し、さらに接合界面破壊が発生する場合がある。Ge含有量の上限は0.09%以下であり、好ましくは0.05%以下であり、より好ましくは0.03%以下であり、さらに好ましくは0.02%以下であり、特に好ましくは0.01%以下である。
(5) Co:0.003%以上0.05%未満
Coははんだ合金の組織の微細化に寄与し、EMの発生を抑制するために必要な元素である。Coは、はんだ合金の凝固時に凝固核として生成し、その周りにSn相を析出させる。この際、はんだ合金中にCoの凝固核が多数生成されるため、各々の周囲に析出するSn相の成長が互いに抑制され、組織全体が微細になる。組織全体が微細になれば、通電時のSnの移動が抑制され、その結果として、EMの発生が抑制されることになる。
Co含有量が0.003%未満であると、このような効果が十分に発揮されない。Co含有量の下限は0.003%以上であり、より好ましくは0.01%以上である。一方、Co含有量が0.05%以上であると、濡れ性が悪化してシェア強度が劣化する場合がある。Co含有量の上限は0.05%未満であり、好ましくは0.047%以下であり、より好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは0.02%以下である。
(6) Fe:0.005〜0.015%
Feは、電極との接合界面を改質し、特に、高温時のボイドの発生を抑制してシェア強度を向上させることができる任意元素である。より詳細には、Feは、電極材料として頻繁に利用されているCuとSnとの相互拡散を抑制し、CuSn金属間化合物の成長を抑制してカーケンダルボイドの発生を低減することができる。このため、Feはシェア強度を向上させることができる。
Fe含有量の下限は0.005%以上であり、好ましくは0.006%以上であり、より好ましくは0.007%である。Fe含有量の上限は0.015%以下であり、好ましくは0.014%以下であり、より好ましくは0.013%であり、特に好ましくは0.010%である。
(7) P:0.1%以下
Pは、Snの酸化を抑制するとともに濡れ性を改善することができる任意元素である。P含有量が0.1%を超えなければ、はんだ表面におけるはんだ合金の流動性が阻害されることがない。P含有量は0.1%以下であり、好ましくは0.01%以下であり、より好ましくは0.008%以下である。一方、これらの効果を発揮するため、P含有量の下限は好ましくは0.001%以上である。
本発明に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。また、後述するように、本発明では含有しない元素が不可避的不純物として含有されても前述の効果に影響することはない。
3. はんだ継手
本発明に係るはんだ継手は、半導体パッケージにおけるICチップとその基板(インターポーザ)との接続、或いは半導体パッケージとプリント配線板との接続に使用するのに適している。ここで、「はんだ継手」とは電極の接続部をいう。
4.用途など
本発明に係るはんだ合金はプリフォーム、線材、ソルダペースト、はんだボール(「はんだ球」ともいう。)などの形態で使用することができ、はんだボールとして使用することが好ましい。はんだボールとして使用する場合、その直径は1〜1000μmの範囲内が好ましい。
本発明に係るはんだ合金の製造方法は常法に従って行えばよい。
本発明に係るはんだ合金を用いた接合方法は、例えばリフロー法を用いて常法に従って行えばよい。フローソルダリングを行う場合のはんだ合金の溶融温度は概ね液相線温度から20℃程度高い温度でよい。また、本発明に係るはんだ合金を用いて接合する場合には、凝固時の冷却速度を考慮した方がさらに組織を微細にすることができる。例えば2〜3℃/s以上の冷却速度ではんだ継手を冷却する。この他の接合条件は、はんだ合金の合金組成に応じて適宜調整することができる。
本発明に係るはんだ合金は、その原材料として低α線材を使用することにより低α線合金を製造することができる。このような低α線合金は、メモリ周辺のはんだバンプの形成に用いられるとソフトエラーを抑制することが可能となる。
表1に示す合金組成からなるはんだ合金を用いて、はんだ継手を形成した。形成したはんだ継手のシェア強度試験、破壊M、EM試験を評価した。また、はんだ合金の濡れ性の評価も行った。各評価方法は以下のとおりである。
・シェア強度
表1に示すはんだ合金を、基板の厚みが1.2mmであり電極の大きさが直径0.24mmであるPCBのOSP処理が行われたCu電極(以下、単に、「Cu電極」と称する。)と接合してはんだ付けを行った。はんだ付けは、各はんだ合金から作製した直径0.3mmのはんだボールを予め製造しておき、水溶性フラックス(千住金属工業株式会社製:WF−6400)を用いて基板上に水溶性フラックスを塗布してからボールを搭載した。その後、ピーク温度を245℃とし、冷却速度を2℃/sとするリフロープロファイルでリフロー法によりはんだ付けを行い、はんだバンプが形成された試料を得た。
この試料を、せん断強度測定装置(Dage社製:SERIES 4000HS)により、1000mm/secの条件でせん断強度(N)を測定した。せん断強度が、Cu電極では3.5N以上のものを「○」、3.5N未満のものを「×」と判定した。
・破壊M
前記シェア試験後の破断面を実体顕微鏡にて観察した。はんだバンプが接合界面で破壊された場合、破壊Mは×(NG)とし、それ以外の箇所で破壊された場合、破壊Mは〇(OK)とした。
・濡れ性試験
前述のシェア強度試験にて用いたサンプルと同様に直径が0.3mmのはんだボールを用いて、濡れ広がり試験を以下の「1.」、「2.」の順で実施した。使用した基板材質は厚み1.2mmのガラスエポキシ基板(FR−4)である。
1. 0.24mm×16mmのスリット状のCu電極を形成した上記基板を用い、0.24mmφ×厚み0.1mmに千住金属工業株式会社製フラックスWF−6400を印刷し、はんだボールを搭載して、220℃以上の温度域で40秒間保持し、ピーク温度を245℃とする条件でリフローを行った。
2. 実体顕微鏡を用いて、濡れ広がり面積を測定し、0.75mm以上の濡れ広がりを「○」と判定した。0.75mm未満の濡れ広がりを「×」と判定した。
・EM試験
EM試験サンプルには、前述のシェア強度試験にて用いたサンプルと同様に直径0.3mmの表1に示すはんだボールを用い、直径0.24mmのCu電極を有するサイズ13mm×13mmのパッケージ基板上に水溶性フラックスを用いてリフローはんだ付けをし、パッケージを作製した。その後、サイズ30mm×120mm、厚み1.5mmのガラスエポキシ基板(FR−4)にソルダペーストを印刷して、上記で作製したパッケージを搭載して、220℃以上の温度域で40秒間保持し、ピーク温度を245℃とする条件でリフローを行いサンプルを作製した。
EM試験は前記にて作製したサンプルをコンパクト可変スイッチング電源(菊水電子工業株式会社製:PAK−A)に接続し、150℃に保持したシリコンオイルバス中で電流を流す。電流印加中は連続的にサンプルの電気抵抗を測定し、初期抵抗値から20%上昇時を試験終了とし、試験終了までの時間が200時間以上を「○」、200時間未満を「×」と判定した。
評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜18では、いずれの合金組成においても本発明の要件をすべて満たすため、EMの発生が抑制され、濡れ性に優れ、シェア強度が高い結果が得られた。また、破壊Mに関しても、接合界面での破壊は見られなかった。
これに対して、比較例1は、Bi含有量が多く、接合界面での破壊が見られ、破壊Mが「×」であった。比較例2はBi含有量が少ないためEMが劣った。比較例3はCu含有量が多いため濡れ性が劣った。比較例4はCu含有量が少ないため接合強度が劣った。比較例5はNi含有量が多いため濡れ性が劣った。比較例6はNi含有量が少ないためシェア強度が劣った。比較例7はCo含有量が多く濡れ性が劣り、これに伴いシェア強度も劣った。比較例8はCo含有量が少なく合金組織が微細にならず、EMが劣った。比較例9はGe含有量が少ないためEMが劣った。比較例10はGe含有量が多いため濡れ性が悪化し、これにともないシェア強度や破壊Mも「×」であった。
表1中の実施例1〜3と比較例8の組織を観察した。図1は、はんだ合金のSEM写真であり、図1(a)は比較例8のはんだ合金のSEM写真であり、図1(b)は実施例3のはんだ合金のSEM写真であり、図1(c)は実施例1のはんだ合金のSEM写真であり、図1(d)は実施例2のはんだ合金のSEM写真である。
比較例8の写真である図1(a)では、Co含有量が少ないために、金属間化合物相2が微細になっているものも散見されたが粗大なSn相1が存在したため、合金組織が微細になっていないことがわかった。図1(b)、図1(c)、図1(d)では、いずれもCo含有量が本発明の範囲内であるため、金属間化合物12、22、32が微細であるとともに、粒界13、23、33が多く存在することによりSn相11、21、31も微細であり、合金組織全体が十分に微細になっていることがわかった。また、これらの写真から明らかなように、Co含有量が増加するにつれて合金組織が微細になることがわかった。
以上より、Sn−Bi−Cu−Ni−Ge−Co系はんだ合金は、1つの合金組成において、Bi、Cu、Ni、Geを本発明の範囲内に調整した上で、さらに、Co含有量を本発明の範囲内にすることによって、優れた濡れ性、高い接合強度、適正な破壊MおよびEM発生の抑制を同時に満足することができるのである。
本発明に係るはんだ合金は、CPUの他、太陽光発電の電力変換装置や産業用モータの大電流インバータなど、高電圧・大電流を扱う機器にも用いることができる。
1、11、21、31 Sn相
2、12、22、32 金属間化合物相
3、13、23、33 粒界

Claims (6)

  1. 質量%で、Bi:0.1%以上2.0%未満、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.01〜0.20%、Ge:0.006〜0.09%、Co:0.003%以上0.05%未満、残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とするはんだ合金。
  2. 前記合金組成は、更に、質量%で、Fe:0.005〜0.015%を含有する、請求項1に記載のはんだ合金。
  3. 前記合金組成は、更に、質量%で、P:0.1%以下を含有する、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4. 5〜100kA/cmの電流密度の電流が通電する継手を有する電子デバイスに用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のはんだ合金。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだボール。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のはんだ合金を有するはんだ継手。
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