JP6119731B2 - 2段式圧延機及びロールシフト方法 - Google Patents

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本発明は、2段式圧延機及びロールシフト方法に関し、特に、各々が軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された2つのワークロールを有する2段式圧延機及びそれを用いたロールシフト方法に適用して有効な技術に関するものである。
圧延機は、上下方向に配置された一対のワークロールに圧下荷重を供給してこの一対のワークロール間を通る被圧延材を圧延するようになっている。この種の圧延機では、圧延時に被圧延材から受ける反力によってワークロールが撓み、被圧延材の幅方向の中央部の厚みがその幅方向の端部の厚さよりも厚くなる、所謂、板クラウンが発生することがある。
この被圧延材の板クラウンを減少させるための一般的な方法としては、
(a)ワークロールをバックアップロールで挟む4段式圧延方法、
(b)予めイニシャルクラウンをワークロールに付与しておくロールクラウン方法、
(c)ワークロールを予め板クラウンとは逆方向に曲げておくベンディング方法、
(d)イニシャルクラウンが付与されたロールをその軸方向(被圧延材の幅方向)に移動させるロールシフト方法、
などが知られている。ロールシフト方法においては、ワークロールを移動させる方式や中間ロールを移動させる方式がある。
更に、ロールシフト方法においては、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された一対のロールを用いる方式も知られている。このロールは、一般にCVCロール(Continuous Variable Crown :連続クラウン可変ロール)と呼称されている。
特許文献1には、一対のワークロールをCVCロールで形成した4段式圧延機が開示されている。更に、同文献には、ワークロールチョックと共にこのワークロールチョックに端部側が支持されたワークロールを軸方向に移動させるロールシフト装置も開示されている。
また、特許文献2には、一対のワークロールをCVCロールで形成した2段式圧延機が開示されている。
特開平2012−152819号公報 特開昭57−91807号公報
ところで、一般に、被圧延材としての冷間圧延鋼板の鋼板処理ラインでは、先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを溶接した後、連続的に調質圧延(スキンパス)が施される。調質圧延では、上流の圧延処理で鋼板に生じた板クラウンを矯正して平坦度修正が行われるが、先行鋼板と後行鋼板とで板クラウンが異なることがあり、連続的に鋼板を処理する場合には鋼板間で異なる板クラウンにも対応可能な圧延機の配備が必要である。
そこで、このような調質圧延では、一対のワークロールをCVCロールで形成した圧延機が有効である。
しかしながら、一対のワークロールをCVCロールで形成した場合には、ワークロールを軸方向に移動させるロールシフト装置が必要となる。ワークロールの軸方向の移動には、ワークロールチョックに端部側が回動自在に支持されたワークロールのみを直接移動させる方式(以下、ワークロール直動方式と呼ぶこともある。)と、ワークロールの端部側を回動自在に支持したワークロールチョックを直接移動させてワークロールを間接的に移動させる方式(チョック直動方式と呼ぶこともある。)とがあるが、このうちの後者のチョック直動方式を4段式圧延機よりも低価格の2段式圧延機に適用した場合には以下の問題が生じる。
2段式圧延機では、ワークロールチョックを圧下してワークロールに圧下荷重を供給する圧下シリンダがワークロールよりも下側に設けられた機種と、ワークロールよりも上側に設けられた機種とがある。また、2段式圧延機では、下側ワークロールチョックと上側ワークロールチョックとの間に、例えばシリンダ機構からなるワークロールバランサが設けられた機種もある。
このような機種の2段式圧延機においては、ワークロールチョックを圧下シリンダで圧下し、一対のワークロールに圧下荷重を供給して一対のワークロール間を通る被圧延材を圧延する圧下状態から、一対のワークロールへの圧下荷重の供給を解除して一対のワークロールを開放する開放状態に移行したとき、圧下シリンダがワークロールよりも下側に設けられた機種では下側ワークロールチョックが圧下シリンダのシリンダロッド先端部に直接接触した状態で支持され、圧下シリンダがワークロールよりも上側に設けられた機種では下側ワークロールチョックがプレッシャーブロック若しくはハウジングに直接接触した状態で支持される。
また、上側ロールチョックと下側ロールチョックとの間にワークロールバランサが設けられた機種では上側ワークロールチョックはワークロールバランサに直接接触した状態で支持される。
すなわち、従来の2段式圧延機では、チョック直動方法でワークロールを移動させる場合、下側及び上側ワークロールチョックが、圧下シリンダ、プレッシャーブロック、ハウジング、ワークロールバランサなどの他の装置構成部材を擦りながら移動する。ワークロールチョックが他の装置構成部材を擦りながら移動するときの摩擦抵抗は大きい。このため、従来の2段式圧延機では、ワークロールチョックと他の装置構成部材との摩擦抵抗の影響でワークロールの移動が緩慢になり、一対のワークロール間のロールギャップを迅速に変更することが困難であった。
そこで、本発明者は、2段式圧延機ではロール交換時に使用するロール交換レールがハウジングに設けられていることに着目し、本発明をなした。
本発明の目的は、一対のワークロール間のロールギャップを迅速に変更することが可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る2段式圧延機は、各々が被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1及び第2のワークロールと、前記第1のワークロールの両端部側を個別に支持する一対の第1のワークロールチョックと、前記第2のワークロールの両端側を個別に支持する一対の第2のワークロールチョックと、前記第1及び第2のワークロールの各々の軸方向に個別に延在する第1及び第2のレールが支持されたハウジングと、前記一対の第1のワークロールチョックの各々に設けられ、かつ前記第1のレール上を移動する第1の移動手段と、前記一対の第2のワークロールチョックの各々に設けられ、かつ前記第2のレール上を移動する第2の移動手段と、前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々が前記第1及び第2の移動手段を介して前記第1及び第2のレールに個別に支持された状態で、前記一対の第1のワークロールチョックと共に第1のワークロールと、前記一対の第2のワークロールチョックと共に第2のワークロールとを各々の軸方向に逆向きに相対移動させるロールシフト装置とを備え、前記第1及び第2のレールを前記第1及び第2のワークロールの配列方向に移動させるレールリフト装置を備えていることを特徴としている。
また、本発明の一態様に係る2段式圧延機において、前記第1及び第2の移動手段は、前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々に回動自在に設けられた車輪であることが好ましい
また、本発明の一態様に係る2段式圧延機において、前記レーリフト装置は、前記第1及び第2のワークロールのそれぞれのロール径に応じて設定されたレール昇降量に基づいて、前記第1及び第2のレールを前記第1及び第2のワークロールの配列方向に移動させることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る2段式圧延機において、前記ローシフト装置は、前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールを10mm/sec以上200mm/sec以下のシフト速度で相対移動させることが好ましい。
更に、本発明の一態様に係るロールシフト方法は、前述の2段式圧延機を用いたロールシフト方法であって、前記第1及び第2のワークロールに圧下荷重を供給して前記第1及び第2のワークロール間を通る前記被圧延材を圧延する圧下状態から前記第1及び第2のワークロールへの圧下荷重の供給を解除して前記第1及び第2のワークロール間を開放する開放状態に移行し、前記第1及び第2のワークロール間を前記被圧延材の溶接部が通過した後、前記開放状態から再び前記圧下状態に移行する一連の動作のうちの前記開放状態の期間中に、前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々が前記第1及び第2の移動手段を介して前記第1及び第2のレールに個別に支持された状態で、前記一対の第1のワークロールチョックと共に第1のワークロールと、前記一対の第2のワークロールチョックと共に第2のワークロールとを前記ロールシフト装置で各々の軸方向に逆向きに相対移動させて前記第1及び第2のワークロール間のロールギャップを前記被圧延材の板クラウンに応じて変更することを特徴としている。
また、本発明の一態様に係る連続式調質圧延方法は、前述の2段式圧延機を用いて、連続的に鋼板を調質圧延することを特徴としている。
また、本発明の一態様に係る連続式調質圧延方法は、前述のロールシフト方法を用いて、連続的に鋼板を調質圧延することを特徴としている
本発明によれば、一対のワークロール間のロールギャップを迅速に変更することができる。
本発明の一実施形態に係る2段式圧延機の概略構成を示す正面図である。 図1の2段式圧延機の側面図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機の開放状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機の開放状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、上側及び下側ワークロールを新しいものと交換したときの上側及び下側レールの位置を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、ロールギャップの変更タイミングを示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、上側及び下側ワークロールを軸方向に逆向きに相対移動させてロールギャップを変化させた第1の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、上側及び下側ワークロールを軸方向に逆向きに相対移動させてロールギャップを変化させた第2の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、被圧延材を圧延したときの耳伸び及び腹伸びが発生しない領域を一例として示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段式圧延機において、上側及び下側レールの昇降について説明するための図である。 2段式圧延機において、上側及び下側レールを昇降させない場合のロールギャップの変更タイミングを示すタイムチャートである。 2段式圧延機を用いた圧延に際しての溶接点通過時間を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明に係る一実施形態を詳細に説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本実施形態では、本発明に係る2段式圧延機及びそれを用いたロールシフト方法について、図1乃至図12を用いて説明する。
なお、本実施形態では、後述する被圧延材40の進行方向Lに沿う方向をX方向と呼び、同一平面内においてX方向と直交する方向をY方向と呼び、X方向及びY方向に対して直交する方向をZ方向と呼ぶこともある。
また、図1及び図3では、後述する上側及び下側ワークロール2,3の各々のイニシャルロールカーブを強調して図示しているが、実際のイニシャルロールカーブとは異なっている。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る2段式圧延機1は、ハウジング9と、ハウジング9内において上下方向(Z方向)に配設された上側ワークロール2及び下側ワークロール3と、上側ワークロール2の両端部側をそれぞれ個別に回動自在に支持する軸受部としての一対の上側ワークロールチョック4a,4bと、下側ワークロール3の両端部側をそれぞれ個別に回動自在に支持する軸受部としての一対の下側ワークロールチョック5a,5bとを備えている。
また、2段式圧延機1は、後述するハウジング9の底板部9bと一対の下側ワークロールチョック5a,5bとの間に、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々に対応してそれぞれ個別に配設された一対の圧下シリンダ6を備えている。
また、2段式圧延機1は、後述するハウジング9の天板部9aと一対の上側ワークロールチョック4a,4bとの間に、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々に対応してそれぞれ個別に配設された一対のプレッシャーブロック7を備えている。
また、2段式圧延機1は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bと一対の下側ワークロールチョック5a,5bとの各々の間に、それぞれ2つずつ配設された4つのワークロールバランサ8を備えている。この4つのワークロールバランサ8の各々は、例えばシリンダ機構で構成されている。
ここで、上側及び下側ワークロール2,3は、本発明の第1及び第2のワークロールに対応する。また、一対の上側ワークロールチョック4a,4bは、本発明の一対の第1のワークロールチョックに対応し、一対の下側ワークロールチョック5a,5bは、本発明の一対の第2のワークロールチョックに対応する。
ハウジング9は、上下方向(Z方向)において互いに離間して配置された天板部9a及び底板部9bと、この天板部9a及び底板部9bの間に配置され、Y方向において互いに離間して配置された一対の前柱部9c及び一対の後柱部9dとを有している。一対の前柱部9c及び一対の後柱部9dは、X方向において互いに離間して配置されている。また、ハウジング9は、一対の前柱部9c間及び一対の後柱部9d間の各々において、天板部9a側に配置された上側壁板部9eと、底板部9b側に配置された下側壁板部9fとを有している。
一対の圧下シリンダ6において、一方の圧下シリンダ6は、シリンダチューブ6bがハウジング9の底板部9bに取り付けられ、シリンダロッド6aの上端部が一方の下側ワークロールチョック5aの圧下シリンダ6側の面に当接して一方の下側ワークロールチョック5aに圧下荷重を供給する。また、他方の圧下シリンダ6は、シリンダチューブ6bがハウジング9の底板部9bに取り付けられ、シリンダロッド6aの先端部が他方の下側ワ ークロールチョック5bの圧下シリンダ6側の面に当接して他方の下側ワークロールチョック5bに圧下荷重を供給する。
一対のプレッシャーブロック7において、一方のプレッシャーブロック7は、その上面がハウジング9の天板部9aに取り付けられ、その上面とは反対側の下面が一方の上側ワークロールチョック4aのプレッシャーブロック7側の面に当接して一方の上側ワークロールチョック4aに圧下荷重の反力を付与する。また、他方のプレッシャーブロック7は、その上面がハウジング9の天板部9aに取り付けられ、その上面とは反対側の下面が他方の上側ワークロールチョック4bのプレッシャーブロック7側の面に当接して他方の上側ワークロールチョック4bに圧下荷重の反力を付与する。
一方の上側ワークロールチョック4aと一方の下側ワークロールチョック5aとの間に配設された2つのワークロールバランサ8において、一方のワークロールバランサ8はハウジング9の前柱部9c側に配設され、他方のワークロールバランサ8はハウジング9の後柱部9d側に配設されている。この2つのワークロールバランサ8の各々は、各々のシリンダチューブ8bがハウジング9の前柱部9c及び後柱部9dに固定され、各々のシリンダロッド8aの先端部が一方の上側ワークロールチョック4aのワークロールバランサ8側の面に当接している。
他方の上側ワークロールチョック4bと他方の下側ワークロールチョック5bとの間に配設された2つのワークロールバランサ8において、一方のワークロールバランサ8はハウジング9の前柱部9c側に配設され、他方のワークロールバランサ8はハウジング9の後柱部9d側に配設されている。この2つのワークロールバランサ8の各々は、各々のシリンダチューブ8bがハウジング9の前柱部9c及び後柱部9dに固定され、各々のシリンダロッド8aの先端部が他方の上側ワークロールチョック4bのワークロールバランサ8側の面に当接している。
一対の上側ワークロールチョック4a,4b及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々は、ハウジング9の前柱部9cと後柱部9dとの間に配設され、前柱部9cの後柱部9d側の面及び後柱部9dの前柱部9c側の面を案内面として上下方向(Z方向)に移動可能となっている。この一対の上側ワークロールチョック4a,4b及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の移動は、圧下シリンダ6やワークロールバランサ8によって行われる。
このように構成された2段式圧延機1は、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々を圧下シリンダ6で圧下し、上側及び下側ワークロール2,3の各々に圧下荷重を供給して上側及び下側ワークロール2,3の間を通りながら図2の進行方向Lの方向(X方向)に進行する被圧延材40を圧延する。
上側ワークロール2及び下側ワークロール3の各々は、被圧延材40の厚さ方向(Z方向)、即ち上下方向に互いに対向して配置されている。この上側及び下側ワークロール2,3の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップ41が変化するイニシャルロールカーブで形成されている。すなわち、本実施形態の2段式圧延機1は、上側ワークロール2及び下側ワークロール3の各々がCVCロールで形成されている。
ここで、上側ワークロール2及び下側ワークロール3の各々は、各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップ41が変化するので、被圧延材40の板クラウンに対応してロールギャップ41を変更することにより、上側及び下側ワークロール2,3のロールクラウンを被圧延材の板クラウンに対応して変更することができる。
本実施形態の2段式圧延機1は、前述の構成に加え、更に、図1及び図2に示すように、上側及び下側ワークロール2,3の各々の軸方向(Y方向)に沿って個別に延在する上側及び下側レール11,12と、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々に設けられ、かつ上側レール11上をその延在方向に沿って移動する第1の移動手段としての車輪15と、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々に設けられ、かつ下側レール12上をその延在方向に沿って移動する第2の移動手段としての車輪16を備えている。
また、本実施形態の2段式圧延機1は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が車輪15を介して上側レール11に支持され、かつ一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が車輪16を介して下側レール12に支持された状態で、一対の上側ワークロールチョック4a,4bと共に上側ワークロール2と、一対の下側ワークロールチョック5a,5bと共に下側ワークロール3とを各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させることが可能なロールシフト装置20を備えている。
また、本実施形態の2段式圧延機1は、上側及び下側レール11,12を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)、即ち上下方向に移動させることが可能なレールリフト装置30を備えている。
ここで、上側及び下側レール11,12は、本発明の第1及び第2のレールに対応する。
上側及び下側レール11,12は、それぞれ2本ずつ設けられている。2本の上側レール11の各々は、後述する上側レールリフトシリンダ31を介して、ハウジング9の一対の前柱部9c間及び一対の後柱部9d間に設けられた上側壁板部9eにそれぞれ個別に支持されている。また、2本の下側レール12の各々は、後述する下側レールリフトシリンダ32を介して、ハウジング9の一対の前柱部9c間及び一対の後柱部9d間に設けられた下側壁板部9fにそれぞれ個別に支持されている。
車輪15は、車輪取付部材17の一端側に回動自在に軸支され、車輪取付部材17の他端側は上側ワークロールチョック4a,4bに固定されている。車輪16は、車輪取付部材18の一端側に回動自在に軸支され、車輪取付部材18の他端側は下側ワークロールチョック5a,5bに固定されている。すなわち、車輪15及び車輪16は、一対の上側及び下側ワークロールチョック4a,4b,5a,5bの各々に回動自在に設けられている。
車輪15及び車輪取付部材17は一対の上側ワークロールチョック4a,4bに対してそれぞれ2組ずつ設けられている。この2組の車輪15及び車輪取付部材17の各々は、X方向において互いに離間して配置され、対応する上側レール11の上方に車輪15が位置するように配置されている。
車輪16及び車輪取付部材18は一対の下側ワークロールチョック5a,5bに対してそれぞれ2組ずつ設けられている。この2組の車輪16及び車輪取付部材18の各々は、X方向において互いに離間して配置され、対応する下側レール12の上方に車輪16が位置するように配置されている。
ロールシフト装置20は、シリンダロッド21aがシリンダチューブ21bに対して伸縮することで一対の上側ワークロールチョック4a,4bと共に上側ワークロール2をその軸方向(Y方向)に移動させる2つの上側ワークロールシフトシリンダ21を備えている。また、ロールシフト装置20は、シリンダロッド22aがシリンダチューブ22bに対して伸縮することで一対の下側ワークロールチョック5a,5bと共に下側ワークロール3をその軸方向(Y方向)に移動させる下側ワークロールシフトシリンダ22を備えている。すなわち、本実施形態のロールシフト装置20は、上側及び下側ワークロール2,3の各々の両端部側を回動自在に支持した一対の上側及び下側ワークロールチョック(4a,4b,5a,5b)を移動させて上側及び下側ワークロール2,3を間接的に移動させるチョック直動方式で構成されている。
2つの上側ワークロールシフトシリンダ21の各々は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bのうちの一方の上側ワークロールチョック4a側(作業者側)に、被圧延材40の進行方向L(X方向)において互いに離間して配置されている(図2参照)。2つの上側ワークロールシフトシリンダ21の各々は、シリンダチューブ21bがハウジング9の前柱部9c及び後柱部9dに固定され、シリンダロッド21aの先端部が各々の連結部材23に固定されている。この連結部材23は、一対の上側ワークロールチョック4a,4b及び上側ワークロール2が上側ワークロールシフトシリンダ21のシリンダロッド21aの伸縮によって上側ワークロール2の軸方向(Y方向)、及び圧下シリンダ6やワークロールバランサ8の各々のシリンダロッド6a,8aの伸縮によって上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)に移動できるように、一端側が上側ワークロールシフトシリンダ21のシリンダロッド21aの先端部に支持され、他端側が一方の上側ワークロールチョック4aに支持されている。
2つの下側ワークロールシフトシリンダ22は、一対の下側ワークロールチョック5a,5bのうちの一方の下側ワークロールチョック5a側(作業者側)に、被圧延材40の進行方向L(X方向)において互いに離間して配置されている(図2参照)。2つの下側ワークロールシフトシリンダ22の各々は、シリンダチューブ22bがハウジング9の前柱部9c及び後柱部9dに固定され、シリンダロッド22aの先端部が各々の連結部材24に固定されている。この連結部材24は、一対の下側ワークロールチョック5a,5b及び下側ワークロール3が下側ワークロールシフトシリンダ22のシリンダロッド22aの伸縮によって下側ワークロール3の軸方向(Y方向)、及び圧下シリンダ6のシリンダロッド6aの伸縮によって上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)に移動できるように、一端側が下側ワークロールシフトシリンダ22のシリンダロッド22aの先端部に支持され、他端側が一方の下側ワークロールチョック5aに支持されている。
レールリフト装置30は、シリンダロッド31aがシリンダチューブ31bに対して伸縮することで上側レール11を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)、即ち上下方向に移動させる上側レールリフトシリンダ31を備えている。また、レールリフト装置30は、シリンダロッド32aがシリンダチューブ32bに対して伸縮することで下側レール12を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)、即ち上下方向に移動させる下側レールリフトシリンダ32を備えている。
上側レールリフトシリンダ31は、ハウジング9の一対の前柱部9c間及び一対の後柱部9d間のそれぞれの上側壁板部9eに対して2つずつ設けられている。各レールリフトシリンダ31は、シリンダチューブ31bが上側壁板部9eに固定され、シリンダロッド31aの先端部が上側レール11に固定されている。
下側レールリフトシリンダ32は、ハウジング9の前柱部9c間及び後柱部9d間のそれぞれの下側壁板部9fに対して2つずつ設けられている。各レールリフトシリンダ32は、シリンダチューブ32bが下側壁板部9fに固定され、シリンダロッド32aの先端部が下側レール12に固定されている。
このように構成された2段式圧延機1は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bと共に上側ワークロール2と、一対の下側ワークロールチョック5a,5bと共に下側ワークロール3とを、各々の軸方向(Y方向)に逆向きにロールシフト装置20で相対移動させることにより、被圧延材40の板クラウンに対応して上側ワークロール2と下側ワークロール3との間のロールギャップ41、即ちロールクラウンを変更することができるので、先行圧延板の後端と後行圧延板の先端とを溶接した被圧延材40の板クラウンが先行圧延板と後行圧延板とで異なる場合においても板クラウンを矯正することができる。この被圧延材40は、先行圧延板の後端と後行圧延板の先端との間に両者を溶接した溶接部が長手方向(X方向)と直交する幅方向(Y方向)に沿って形成されている。
次に、上側ワークロール2と下側ワークロール3との間のロールギャップ41(ロールクラウン)の変更について、図1乃至図4を用いて説明する。
図1及び図2は、一対の下側ワークロールチョック5a,5bを圧下シリンダ6で圧下し、上側及び下側ワークロール2,3に圧下荷重を供給して上側ワークロール2と下側ワークロール3との間を通る被圧延材40を圧延する圧下状態(圧延状態)を示している。一方、図3及び図4は、一対の下側ワークロールチョック5a,5bへの圧下を解除することで上側及び下側ワークロール2,3への圧下荷重の供給を解除して上側及び下側ワークロール2,3間を開放する開放状態を示している。
図1及び図2に示す圧下状態において、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々は、圧下シリンダ6のシリンダロッド6aの先端部に接触した状態で支持されている。また、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16は、下側レール12上に位置し、この下側レール12から離間した状態で配置されている。
そして、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々においても、ワークロールバランサ8のシリンダロッド8aの先端部及びプレッシャーブロック7に接触した状態で支持されている。また、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15も、上側レール11上に位置し、この上側レール11から離間した状態で配置されている。
図3及び図4に示す開放状態において、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々は、車輪16を介して下側レール12に乗った状態(身を預けた状態)で支持され、圧下シリンダ6のシリンダロッド6aの先端部から離間している。また、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16は、下側レール12に接触し、下側レール12上をその延在方向(Y方向)に沿って走行可能になっている。
そして、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々においても、車輪15を介して上側レール11に乗った状態(身を預けた状態)で支持され、ワークロールバランサ8のシリンダロッド8aの先端部及びプレッシャーブロック7から離間している。また、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15においても、上側レール11に接触し、上側レール11上をその延在方向(Y方向)に沿って走行可能になっている。
図1及び図2に示す圧下状態から図3及び図4に示す開放状態への移行は、圧下シリンダ6及びワークロールバランサ8を各々のシリンダロッド6a,8aの突出量が少なくなるように制御して一対の下側ワークロールチョック5a,5b及び一対の上側ワークロールチョック4a,4bを上下方向(Z方向)において降下させることによって行われる。
上側ワークロール2と下側ワークロール3との間のロールギャップ41の変更は、図3及び図4に示す開放状態で行われる。具体的には、ロールギャップ41の変更は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が各々の車輪15を介して上側レール11に支持され、かつ一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が各々の車輪16を介して支持された状態で、一対の上側ワークロールチョック4a,4bと共に上側ワークロール2と、一対の下側ワークロールチョック5a,5bと共に下側ワークロール3とを、ロールシフト装置20で各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させることによって行われる。
このとき、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々は、圧下シリンダ6のシリンダロッド6aの先端部から離間し、かつ車輪16を介して下側レール12に乗るようにして支持された状態で、車輪16が下側レール12上を回動しながら走行することによって下側ワークロール3と共にその軸方向(Y方向)に移動する。
そして、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々においても、ワークロールバランサ8のシリンダロッド8aの先端部及びプレッシャーブロック7から離間し、かつ車輪16を介して上側レール11に乗るようにして支持された状態で、車輪15が上側レール11上を回動しながら走行することによって上側ワークロール2と共にその軸方向(Y方向)に移動する。
そして、車輪15,16の回動時の摩擦抵抗及び車輪15,16が各々のレール(上側レール11,下側レール12)上を走行する時の摩擦抵抗は、従来の2段圧延機のように、下側及び上側ワークロールチョックが圧下シリンダ、プレッシャーブロック、ハウジング、ワークロールバランサなどの他の装置構成部材を擦りながら移動する時の摩擦抵抗よりも小さくすることができる。
したがって、本実施形態の2段式圧延機1においては、従来の2段式圧延機のように下側及び上側ワークロールチョックが他の装置構成部を擦りながら移動する場合と比較して、両端部側が一対の下側ワークロールチョック5a,5bで回動自在に支持された下側ワークロール3、及び両端部側が一対の上側ワークロールチョック4a,4bで回動自在に支持された上側ワークロール2の各々を各々の軸方向(Y方向)に速やかに移動することができるので、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41(ロールクラウン)を迅速に変更することができる。
次に、上側レール11及び下側レール12の移動について、図1乃至図4を用いて説明する。
上側及び下側ワークロール2,3の各々は、圧延時の被圧延材40との摩擦に伴って摩耗するため、所定の圧延時間経過毎に切削処理を施して形状修正を幾度か行った後、新しい物と交換される。この形状修正に伴って上側及び下側ワークロール2,3の各々のロール径D1,D2は小さくなるので、圧下状態における一対の上側ワークロールチョック4a,4b及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の位置が上下方向(Z方向)に変位する。具体的には、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの上下方向(Z方向)の位置は、上側ワークロール2のロール径D1の縮小に伴って降下する。一方、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの上下方向(Z方向)の位置は、下側ワークロール3のロール径D2の縮小に伴って上昇する。
したがって、上側レール11の上下方向の位置は、上側ワークロール2のロール径D1が形状修正に伴って縮小されても、図1及び図2に示す圧下状態において一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15と上側レール11とが接触しないように、上側ワークロール2を新しい物と交換したときのロール径D1を基準にして設定される。また、下側レール12の上下方向(Z方向)の位置も、下側ワークロール3のロール径D2が形状修正に伴って縮小されても、圧下状態において一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16と下側レール12とが接触しないように、下側ワークロール3を新しい物と交換したときのロール径D2を基準にして設定される。このときの上側及び下側レール11,12の位置を図5に示す。
ここで、上側及び下側ワークロール2,3を新しい物と交換したときの各々のロール径D1,D2を基準に上側及び下側レール11,12の各々を図5に示す位置で固定した場合、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15と上側レール11との間隙g1は、上側ワークロール2のロール径D1の縮小に伴って狭くなるので、上側ワークロール2を新しい物に交換した時に最大となる。一方、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16と下側レール12との間隙g2は、下側ワークロール3のロール径D2の縮小に伴って広くなるので、下側ワークロール3のロール径D2が使用限度に到達した時に最大となる。
図1及び図2に示す圧下状態から図3及び図4に示す開放状態への移行は、前述したように、圧下シリンダ6及びワークロールバランサ8を各々のシリンダロッド6a,8aの突出量が少なくなるように制御して一対の下側ワークロールチョック5a,5b及び一対の上側ワークロールチョック4a,4bを降下させることによって行われるが、圧下シリンダ6及びワークロールバランサ8は各々のシリンダロッド6a,8aの突出量の変更速度が被圧延材40の進行速度と比較して極めて遅いため、間隙g1及びg2が広いと、一対の上側ワークロールチョック4a,4b及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が各々の車輪15,16を介して上側レール11及び下側レール12に個別に支持されるまでに長い時間が掛かかってしまう。
そこで、本実施形態の2段式圧延機1は、上側レール11及び下側レール12を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)に移動させるレールリフト装置30を備えているので、上側ワークロール2のロール径D1に応じて一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15と上側レール11との間隙g1が狭くなるように上側レール11の上下方向(Z方向)の位置を変更することができると共に、下側ワークロール3のロール径D2に応じて一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16と下側レール12との間隙g2が狭くなるように下側レール12の上下方向(Z方向)の位置を変更することができる。この結果、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が車輪15を介して上側レール11に支持されるまでの時間を短縮することができると共に、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が車輪16を介して下側レール12に支持されるまでの時間を短縮することができるので、上側及び下側ワークロール2,3の間のロールギャップ41を更に迅速に変更することができる。
ここで、上側レール11及び下側レール12の昇降、即ち上側レール11及び下側レール12の上下方向の位置の変更について、図10を参照して具体的に説明する。
上側ワークロール2及び下側ワークロール3を新しい物と交換したときの各々のロール径D1,D2を基準に上側及び下側レール11,12の各々を図10に示す位置で固定した場合、つまり、圧下シリンダ位置が0mmの場合、下側ワークロール3のロール径をD2、下側ワークロール3の中心から車輪16の下面までの距離をB、車輪16の下面から下側レール12の上面までの距離(車輪16と下側レール12との隙間)をg2、下側ワークロール3の上面から下側レール12の上面までの距離をAとすると、車輪16と下側レール12との隙間g2は、下式で表せる。
g2=(A−B)−φD2/2
そして、レールリフト装置30(図1参照)は、この車輪16と下側レール12との隙間g2を狭くして当該隙間をg2aとするようなレール昇降量(下側レール3の上昇量)L2を下側ワークロール3のロール径D2に応じて設定し、当該レール昇降量L2に基づいて、下側レール12を上方向に移動させる。
また、同様に、上側レール11については、レールリフト装置30は、車輪15と上側レール11との隙間g1を狭くして当該隙間をg1aとするようなレール昇降量(上側レール11の上昇量)L1を上側ワークロール2のロール径D1に応じて設定し、当該レール昇降量L1に基づいて、上側レール11を上方向に移動させる。
このように、レールリフト装置30が、隙間g1、g2を狭くするような上側ワークロール2及び下側ワークロール3のそれぞれのロール径D1、D2に応じて設定されたレール昇降量L1、L2に基づいて、上側ワークロール2及び下側ワークロール3を上側ワークロール2及び下側ワークロール3の配列方向(上下方向)に移動させるので、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が車輪15を介して上側レール11に支持されるまでの時間を短縮することができると共に、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が車輪16を介して下側レール12に支持されるまでの時間を短縮することができるので、上側及び下側ワークロール2,3の間のロールギャップ41を更に迅速に変更することができる。
なお、上側レール11及び下側レール12の各々の上下方向(Z方向)の位置は、上側及び下側ワークロール2,3に所定の圧延時間経過毎に切削処理を施して形状修正を行う時に合わせて変更してもよく、また、ロールギャップ41の変更時に合わせて変更してもよい。
次に、本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法について、図1乃至図6、図11及び図12を用いて説明する。図6には、本実施形態の2段式圧延機1において、圧下状態51から開放状態52に移行し、上側及び下側ワークロール2,3間を被圧延材40の溶接部が通過した後、開放状態52から再び圧下状態53に移行する一連の動作を示している。圧下状態51及び圧下状態53は図1及び図2に示す圧下状態に対応し、開放状態52は図3及び図4に示す開放状態に対応する。
圧延設備の冷間圧延ラインでは、上流の圧延処理で被圧延材に生じた板クラウンを矯正して平坦度修正を行う調質圧延が実施される。この調質圧延では、生産効率を高めるため、先行被圧延材の後端と後行被圧延材の先端とを溶接して連続的に被圧延材を圧延処理している。このような圧延処理では、被圧延材の溶接部が圧延機の一対のワークロール間を通過する際に圧延機に及ぼす衝撃を緩和するため、被圧延材の進行速度を減速すると共に、一対のワークロール間を開放状態(図3及び図4参照)にして溶接部を通過させている。本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法は、被圧延材40の溶接部を通過させるために上側及び下側ワークロール2,3間を開放する開放状態52を利用し、この開放状態52の期間中に、被圧延材40の板クラウンに対応して上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41(ロールクラウン)を変更するものである。
具体的には、本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法は、上側及び下側ワークロール2,3に圧下荷重を供給して上側及び下側ワークロール2,3間を通る被圧延材40を圧延する圧下状態51(図1及び図2に示す圧下状態参照)から、上側及び下側ワークロール2,3への圧下荷重の供給を解除して上側及び下側ワークロール2,3間を開放する開放状態52(図3及び図4に示す開放状態参照)に移行し、上側及び下側ワークロール2,3間を被圧延材40の溶接部が通過した後、開放状態52から再び圧下状態53に移行する一連の動作のうちの開放状態52の期間中に、一対の上側ワークロールチョック4a,4bと共に上側ワークロール2と、一対の下側ワークロールチョック5a,5bと共に下側ワークロール3とを、ロールシフト装置20で各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させて上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41をこれから圧延する被圧延材40の板クラウンに対応して変更する。このロールギャップ41の変更により、上側及び下側ワークロール2,3間のロールクラウンが被圧延材40の板クラウンに対応して変更される。
ここで、上側及び下側ワークロール2,3の軸方向(Y方向)の移動は、前述したように、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が各々の車輪15を介して上側レール11に支持されると共に、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が各々の車輪16を介して下側レール12に支持された状態で行われる。
また、本実施形態の2段式圧延機1は、前述したように、上側レール11及び下側レール12の各々を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)に移動させるレールリフト装置30を備えている。
なお、上側及び下側ワークロール2,3への圧下荷重の供給は、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々を圧下シリンダ6で圧下することによって行われる。また、上側及び下側ワークロール2,3への圧下荷重の解除は、圧下シリンダ6による一対の下側ワークロールチョック5a,5bへの圧下を解除することによって行われる。
このように、本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法は、被圧延材40の溶接部を通過させるための開放状態52(図6参照)を利用し、この開放状態52の期間中に、上側及び下側ワークロール2,3を各々の軸方向に逆向きに相対移動させて上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41を被圧延材40の板クラウンに対応して変更するので、被圧延材40の溶接部を通過させるための開放状態52とは別に新たに開放状態を設けてロールギャップ41を変更する場合と比較して、製造ラインの生産能力を阻害することなく、被圧延材40の板クラウンに対応して上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41を変更することができる。
また、本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法において、上側及び下側ワークロール2,3の軸方向の移動は、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々が各々の車輪15を介して上側レール11に支持され、かつ一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々が各々の車輪16を介して下側レール12に支持された状態で行われるので、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41の変更を迅速に行うことができる。
そして、本実施形態の2段式圧延機1は、上側レール11及び下側レール12の各々を上側及び下側ワークロール2,3の配列方向(Z方向)に移動させるレールリフト装置30を備えているので、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々を各々の車輪15を介して上側レール11及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々を各々の車輪16を介して下側レール12にそれぞれ支持する前に、予め、一対の上側ワークロールチョック4a,4bの各々の車輪15と上側レール11との間隙g1が狭くなるように(隙間をg1aとするように)上側レール11の上下方向の位置、及び一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々の車輪16と下側レール12との間隙g2が狭くなるように(隙間をg2aとするように)下側レール12の上下方向の位置を変更しておくことにより、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41を更に迅速に変更することができる。
ここで、ロールギャップ41の変更に要する時間は、図6に示すように、開放状態52中において、圧下シリンダ位置が0mmのところから車輪15、16がそれぞれ上側レール11、下側レール12に支持されるまで(本実施形態に圧下シリンダ位置が−5mmになるまで)の圧下シリンダ開放時間と、上側ワークロール2及び下側ワークロール3のロールシフトに要するシフト時間と、車輪15、16がそれぞれ上側レール11、下側レール12に支持された状態(本実施形態に圧下シリンダ位置が−5mmの状態)から圧下シリンダ位置が0mmになるまでの圧下シリンダ上昇時間との和で表される。
そして、本実施形態においては、これら圧下シリンダ開放時間と、シフト時間と、圧下シリンダ上昇時間との和で表されたロールギャップ変更時間が、溶接点通過時間よりも短くなるように、上側ワークロール2及び下側ワークロール3の上下方向の移動速度と、上側ワークロール2と車輪15との間の隙間g1aと、下側ワークロール3と車輪16との間のギャップg2aと、上側ワークロール2及び下側ワークロール3のシフト速度とが決定される。このロールギャップ変更時間が、溶接点通過時間よりも短いと、ロールギャップ変更に無駄な時間を使わなくて済み、生産性を向上させることができる。ロールギャップ変更時間が、溶接点通過時間よりも長いと、ラインを一旦止める必要があり、その分だけ生産性が落ちることになる。
ここで、「溶接点通過時間」は、図12において、2段式圧延機1を被圧延材40の溶接部40aが通過する際に、溶接部40aを含む被圧延材40のうちの2段式圧延機1によって圧延されない部分の長さである溶接点不圧部長さLをライン速度Vで除した値である。溶接点不圧部長さLは、予め決定されている被圧延材40のうち製品として使用されない部分の長さである。
本実施形態の場合、上側ワークロール2及び下側ワークロール3の上下方向の移動速度は、2mm/sec以上10mm/sec以下とすることが好ましい。当該移動速度が2mm/secよりも遅いと、前述の溶接部40aが2段式圧延機1を通過するまでに溶接部40aの上側及び下側ワークロール2、3への接触による疵生成を抑制できるまでロールギャップを開くことができない。一方、当該移動速度が10mm/secよりも速いと、油圧能力や2つのシリンダの同調性の観点から実現が難しい。
また、ロールシフト装置20による上側ワークロール2及び下側ワークロール3のシフト速度は、10mm/sec以上200mm/sec以下であることが好ましい。当該シフト速度が10mm/secよりも遅いと、ロールギャップ変更時間が、溶接点通過時間よりも長くなってしまうおそれがある。一方、当該シフト速度が、200mm/secよりも速いと、装置の構成上実現することが難しい。
但し、上側ワークロール2及び下側ワークロール3をロールシフト装置20によってシフトする際には、上側ワークロール2及び下側ワークロール3の停止精度として±1mmが必要なので、停止直前はシフト速度が10mm/secとなることがあり得る。
次に、本実施形態のように、2段式圧延機1において、上側レール11及び下側レール12を昇降させる場合と、2段式圧延機1において、上側レール11及び下側レール12を昇降させない場合のロールギャップ変更時間について、図6及び図11を参照して説明する。
先ず、ロールギャップ変更時間を説明する前に、下側ワークロール3側の車輪16と下側レール12との間の隙間g2及び上側ワークロール2側の車輪15と上側レール11との間の隙間g1について、図10を参照して説明する。
2段式圧延機1において、下側レール12を昇降させない場合には、下側ワークロール3側の車輪16と下側レール12との間の隙間g2は、前述したように、隙間g2=(A−B)−φD2/2によってあらわされる。ここで、下側ワークロール3として最小のロール径φ600mmを有するワークロールを用いる場合には、隙間g2=(A−B)−300mmとなる。(A−B)は、下側ワークロール3の上面から下側レール12の上面までの距離Aから下側ワークロール3の中心から車輪16の下面までの距離Bを減算したものであり、本実施形態の2段式圧延機1においては450mmに設定されている。従って、上側レール11及び下側レール12を昇降させない場合の下側ワークロール3側の車輪16と下側レール12との間の隙間g2は、g2=450mm−300mm=150mmとなる。
また、2段式圧延機1において、上側レール11を昇降させない場合には、上側ワークロール2側の車輪15と上側レール11との間の隙間g1は、同様に、g1=450mm−300mm=150mmとなる。
そして、2段式圧延機1において、本実施形態のように、下側レール12を昇降させる場合には、レールリフト装置30(図1参照)は、車輪16と下側レール12との隙間g2を狭くして当該隙間をg2aとするようなレール昇降量(下側レール3の上昇量)L2を下側ワークロール3のロール径D2に応じて設定し、当該レール昇降量L2に基づいて、下側レール12を上方向に移動させる。具体的には、下側ワークロール3側の車輪16と下側レール12との間の隙間g2aを5mmに設定する。
また、2段式圧延機1において、本実施形態のように、上側レール11を昇降させる場合には、上側ワークロール2側の車輪15と上側レール11との間の隙間g1aは、同様に、g1a=5mmに設定する。
そして、2段式圧延機1において、上側レール11及び下側レール12を昇降させる場合のロールギャップ変更時間は、図6に示すように、次のようになる。
つまり、ロールギャップ変更時間=圧下シリンダ開放時間+シフト時間+圧下シリンダ上昇時間=上側ロール側又は下側ロール側の隙間g1a又はg2a/上側ロール又は下側ロールの上下方向移動速度+シフト時間+上側ロール側又は下側ロール側の隙間g1a又はg2a/上側ロール又は下側ロールの上下方向移動速度
=5mm/2mm/sec+5sec+5mm/2mm/sec
=10sec
一方、2段式圧延機1において、上側レール11及び下側レール12を昇降させない場合のロールギャップ変更時間は、図11に示すように、次のようになる。
ロールギャップ変更時間=圧下シリンダ開放時間+シフト時間+圧下シリンダ上昇時間=上側ロール側又は下側ロール側の隙間g1又はg2/上側ロール又は下側ロールの上下方向移動速度+シフト時間+上側ロール側又は下側ロール側の隙間g1又はg2/上側ロール又は下側ロールの上下方向移動速度
=150m/2mm/sec+5sec+150m/2mm/sec
=155sec
従って、本実施形態のように、2段式圧延機1において、上側レール11及び下側レール12を昇降させた場合の方が上側レール11及び下側レール12を昇降させない場合よりもロールギャップ変更時間が短くなることが理解されよう。
この結果、本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法は、被圧延材40の溶接部40aを通過させるための開放状態52の期間(時間)を短くすることができるので、更に製造ラインの生産能力を阻害することなく、被圧延材40の板クラウンに対応して上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41(ロールクラウン)を変更することができる。本実施形態の2段式圧延機1を用いたロールシフト方法では、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41の変更を約15秒以内で実施することができた。
ここで、図7及び図8には、本実施形態の2段式圧延機1において、上側及び下側ワークロール2,3の各々をその軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させてロールギャップ41を変化させた一例がそれぞれ示されている。図7及び図8において、2aは上側ワークロール2のロールクラウン量であり、3aは下側ワークロール3のロールクラウン量であり、41aは上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ量(ロールクラウン)である。上側及び下側ワークロール2,3の各々の軸方向(Y方向)の中心位置からその軸方向にそれぞれ−800mm、+800mmの位置において、図7の一例では上側及び下側のワークロール2,3間のロールギャップ量41aが約0.1μm程度であり、図8の一例では上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ量41aが約0.35μm程度である。このように、本実施形態の2段式圧延機1は、上側及び下側ワークロール2,3を各々の軸方向(Y方向)に逆向きに相対移動させることにより、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41のロールギャップ量41aが変化する。
また、図9には、本実施形態の2段式圧延機1において、被圧延材40を圧延して板クラウンを矯正したときに耳伸び及び腹伸びが発生しない圧延荷重領域の一例が示されている。
上流の圧延処理で被圧延材40に生じた板クラウンを矯正して平坦度修正を行う場合には、耳伸び(端伸び)及び腹伸び(中の伸び)などの平坦度不具合の発生を抑制する必要がある。耳伸びは、被圧延材40の幅方向(Y方向)の中央部に対して端部の伸びが大きくなって端部で波が生じる現象のことである。また、腹伸びは、この耳伸びとは逆の現象で被圧延材40の幅方向(Y方向)の端部に対して中央部の伸びが大きくなって中央部で波が生じる現象のことである。
耳伸びは、「ロールクラウン」>「板クラウン」の場合に発生する。腹伸びは、「ロールクラウン」<「板クラウン」の場合に発生する。
図9において、領域61a及び領域62aは、「ワークロールの撓み量」−「ロールクラウン」=「圧延材の板クラウン」の領域を示している。また、61b及び62bは、耳伸び及び腹伸びが発生しない圧延荷重領域を示している。領域61a及び圧延荷重領域61bは、上側及び下側ワークロール2,3間のロールギャップ41を変化させることによりロールギャップ41(ロールクラウン)が変化する本実施形態の2段式圧延機1でのデータである。一方、領域62a及び圧延荷重領域62bは、フラットロールで上側及び下側ワークロールの各々が形成された通常の2段式圧延機でのデータである。
耳伸び及び腹伸びは、「ワークロールの撓み量」−「ロールクラウン」=「圧延材の板クラウン」の領域61a,62aでは発生しない。したがって、ワークロールの撓み量に追随してロールクラウンが増加するように上側及び下側ワークロール2,3の各々の軸方向の移動を制御することで、耳伸び及び腹伸びが発生しない圧延荷重領域61bを拡大することができる。
フラットロールで上側及び下側ワークロールの各々が形成された通常の2段式圧延機では、耳伸び及び腹伸びが発生しない圧延荷重領域62bは約250〜350トン程度に限られていた。これに対し、本実施形態の2段式圧延機1では、ワークロールの撓み量に追随してロールクラウンを増加することができるので、耳伸び及び腹伸びが発生しない圧延荷重領域62bを約100〜500トン程度に拡大することができる。
なお、従来の2段式圧延機では、ワークロールの交換時に使用するロール交換用レールが設けられていることがある。したがって、上側レール11及び下側レール12としては、ロール交換用レールと兼用してもよく、また、新たに設けてもよい。ロール交換用レールと兼用する場合は、2段式圧延機1の設備コストを低減することができる。
また、前述の実施形態では、第1及び第2の移動手段として車輪15及び車輪16を用いた場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2の移動手段としては摩擦抵抗が小さいものであれば他のものでもよい。
また、前述の実施形態では、一対の下側ワークロールチョック5a,5bの各々を圧下して上側及び下側ワークロール2,3に圧下荷重を供給する圧下シリンダ6が上側及び下側ワークロール2,3よりも下側に設けられ、上側ワークロールチョック4a,4bと下側ワークロールチョック5a,5bとの間にワークロールバランサ8が設けられた2段式圧延機1について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、ワークロールチョックを圧下する圧下シリンダがワークロールよりも上側に設けられた2段式圧延機、そして、上側ワークロールチョックと下側ワークロールチョックとの間にワークロールバランサが設けられていない2段式圧延機に適用することができる。
以上説明したように、本発明に係る2段式圧延機及びロールシフト方法は、一対のワークロール間のロールギャップを迅速に変更することができるという効果を有し、圧延設備内に配備される圧延機及びそれを用いたロールシフト方法に有用である。
1…2段式圧延機、2…上側ワークロール、3…下側ワークロール、4a,4b…上側ワークロールチョック、5a,5b…下側ワークロールチョック、6…圧下シリンダ、6a…シリンダロッド、6b…シリンダチューブ、7…プレッシャーブロック、8…ワークロールバランサ、8a…シリンダロッド、8b…シリンダチューブ、9…ハウジング、9a…天板部、9b…底板部、9c…前柱部、9d…後柱部、9e…上側壁板部、9f…下側壁板部、11…上側レール、12…下側レール、15,16…車輪、17,18…車輪取付部材、20…ロールシフト装置、21…上側ワークロールシフトシリンダ、21a…シリンダロッド、21b…シリンダチューブ、22…下側ワークロールシフトシリンダ、22a…シリンダロッド、22b…シリンダチューブ、23,24…連結部材、30…レールリフト装置、31…上側レールリフトシリンダ、31a…シリンダロッド、31b…シリンダチューブ、32…下側レールリフトシリンダ、32a…シリンダロッド、32b…シリンダチューブ、40…被圧延材、41…ロールギャップ
51,53…圧下状態、52…開放状態、61a,62a…「ワークロールの撓み量」−「ロールクラウン」=「圧延材の板クラウン」の領域、61b,62b…圧延荷重領域

Claims (7)

  1. 各々が被圧延材の厚さ方向に互いに対向して配置され、各々の軸方向に逆向きに相対移動することによって各々の間のロールギャップが変化するイニシャルロールカーブで形成された第1及び第2のワークロールと、
    前記第1のワークロールの両端部側を個別に支持する一対の第1のワークロールチョックと、
    前記第2のワークロールの両端側を個別に支持する一対の第2のワークロールチョックと、
    前記第1及び第2のワークロールの各々の軸方向に個別に延在する第1及び第2のレールが支持されたハウジングと、
    前記一対の第1のワークロールチョックの各々に設けられ、かつ前記第1のレール上を移動する第1の移動手段と、
    前記一対の第2のワークロールチョックの各々に設けられ、かつ前記第2のレール上を移動する第2の移動手段と、
    前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々が前記第1及び第2の移動手段を介して前記第1及び第2のレールに個別に支持された状態で、前記一対の第1のワークロールチョックと共に第1のワークロールと、前記一対の第2のワークロールチョックと共に第2のワークロールとを各々の軸方向に逆向きに相対移動させるロールシフト装置とを備え
    前記第1及び第2のレールを前記第1及び第2のワークロールの配列方向に移動させるレールリフト装置を備えていることを特徴とする2段式圧延機。
  2. 請求項1に記載の2段式圧延機において、
    前記第1及び第2の移動手段は、前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々に回動自在に設けられた車輪であることを特徴とする2段式圧延機。
  3. 請求項1又2に記載の2段式圧延機において、
    前記レーリフト装置は、前記第1及び第2のワークロールのそれぞれのロール径に応じて設定されたレール昇降量に基づいて、前記第1及び第2のレールを前記第1及び第2のワークロールの配列方向に移動させることを特徴とする2段式圧延機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の2段式圧延機において、
    前記ローシフト装置は、前記第1のワークロール及び前記第2のワークロールを10mm/sec以上200mm/sec以下のシフト速度で相対移動させることを特徴とする2段式圧延機。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の2段式圧延機を用いたロールシフト方法であって、
    前記第1及び第2のワークロールに圧下荷重を供給して前記第1及び第2のワークロール間を通る前記被圧延材を圧延する圧下状態から前記第1及び第2のワークロールへの圧下荷重の供給を解除して前記第1及び第2のワークロール間を開放する開放状態に移行し、前記第1及び第2のワークロール間を前記被圧延材の溶接部が通過した後、前記開放状態から再び前記圧下状態に移行する一連の動作のうちの前記開放状態の期間中に、前記一対の第1及び第2のワークロールチョックの各々が前記第1及び第2の移動手段を介して前記第1及び第2のレールに個別に支持された状態で、前記一対の第1のワークロールチョックと共に第1のワークロールと、前記一対の第2のワークロールチョックと共に第2のワークロールとを前記ロールシフト装置で各々の軸方向に逆向きに相対移動させて前記第1及び第2のワークロール間のロールギャップを前記被圧延材の板クラウンに応じて変更することを特徴とするロールシフト方法。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の2段式圧延機を用いて、連続的に鋼板を調質圧延することを特徴とする連続式調質圧延方法。
  7. 請求項に記載のロールシフト方法を用いて、連続的に鋼板を調質圧延することを特徴とする連続式調質圧延方法。
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