JP4645950B2 - ロールシフト圧延機 - Google Patents

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Description

本発明はロールシフト圧延機に関し、更に詳しくは、ワークロールの磨耗が進行しても板クラウンの悪化を抑制できるロールシフト圧延機に関する。
圧延製品の幅方向の断面形状を制御して平坦な形状にするため種々の圧延機が提案されており、その一つにロールシフト圧延機が知られており、例えば下記特許文献1のロールシフト圧延機を図10(A)に示すように、上下1対のワークロール51,51をその軸方向に互いに逆の方向に移動してバックアップロール52,52で支持した状態にして被圧延材2を圧延するようにしている。
このロールシフト圧延機では、被圧延材2の板クラウンの制御効果を増大するため、上下1対のワークロール51,51に互いを補完するような湾曲した輪郭にしたイニシャルクラウンを付けることが行われており、上下1対のワークロール51,51のシフト方向によって、同図(B)に示すような被圧延材2の板クラウンを凹クラウンにしたり、同図(C)に示すような被圧延材2の板クラウンを凸クラウンにしたりする制御を行うようにしている。
このロールシフト圧延機では、ワークロール51,51をシフトすることによって板クラウンを変化することができ制御範囲を向上できるが、実際の圧延の際には、圧延性能を悪くするような種々の要因があり、例えば、ロールシフトによってロール端部での面圧が増大し、その影響によって板クラウンが最適にならないという問題がある。このような圧延性能を悪くする要因としては、更に、ロールに加わる熱影響によるヒートクラウンや、圧延荷重が加わった場合のロールの撓みの影響などがあり、実際の圧延では、圧延条件によってこれらの影響が単独または複合して及ぶため、板クラウンが最適にならないという問題がある。かかる問題を解決するものとして下記特許文献2の従来技術が提案されている。
特許文献2の「ロールシフト用の圧延ロール」では、ロールシフトを行う上下一対のワークロールの形状を、ロールシフトによって板クラウンを変化し得るロール形状と圧延不良現象を予め補償するロール形状とを合成した形状に形成するようにしており、圧延不良現象が加味された板クラウンを変化し得るロール形状によって圧延不良現象の影響を受けること無く最適なロールシフトによる圧延が実現できるようになる。
また、熱間ストリップ圧延においては、圧延機のワークロールは圧延の進行と共に被圧延材の通過部分のみ磨耗が進行し、ロールの表面プロフィルが凹状となって、続いて幅の広い鋼帯を圧延すると正常な断面プロフィルが得られないという問題ある。このため、熱間圧延の圧延順計画は古くよりいわゆるコフィンスケジュール法と呼ばれる方法が採用されてきた。コフィンスケジュールにおいては、ロールの組替後、数本幅の狭い鋼帯から順次拡大して最大幅に移行させ、次いで全体を幅広から幅狭に順次移行させ、先行する被圧延材による磨耗の影響をさけるように圧延順を決定する。この方法によれば、ロールの磨耗による凹状プロフィルの影響はさけられる。しかしながら、圧延順が幅によって厳密に規制されるため、圧延する順序を無関係に行う「スケジュールフリー圧延」ができないという問題がある。そこで、上述したロールシフト圧延機を用いて、圧延コイル1本毎に上下ワークロールを軸方向に相互に逆方向にシフトさせることにより、ロール表面の局部的な磨耗を分散させてスケジュールフリー圧延を達成することが、一部で提案されていた。しかし、この場合には、ロールのシフト機能がロール表面の磨耗分散を行うために用いられるため、本来の断面形状制御ができなくなるという問題があった。かかる問題を解決するものとして、下記特許文献3の従来技術が提案されている。
図11は特許文献3の「熱間タンデム圧延機」の構成を示す図であり、2基で対になった偶数基のロールシフト式圧延機62a,62bと、これを制御する制御装置66とを備えている。各ロールシフト式圧延機の上下作業ロール63は断面形状制御のための所定のクラウンカーブをそれぞれ有し、かつ、上下作業ロールを軸方向に相互に移動させるロールシフト機構64を備える。制御装置66は、所定の鋼板断面形状を得るために、各圧延機のシフト量を決定するとともに、このシフト位置を中心として、圧延コイル毎に対になった上流側の圧延機の作業ロールを軸方向に一定量移動させてロール表面の摩耗分散を行い、かつ対になった下流側の圧延機の作業ロールを所定の方向に同一距離移動し、これにより摩耗分散のためのシフトによる板断面形状の変化を打ち消す。このため、ロール表面の摩耗分散によるスケジュールフリー圧延と鋼板の断面形状制御の両方を行うことができる。
特開平1−266902号公報 特開平8−192208号公報 特開平10−328707号公報
上述した特許文献1〜3の従来技術では、熱間ストリップ圧延設備における粗圧延機等のように、ロール磨耗が大きい圧延機におけるロール磨耗がもたらす圧延不良現象への対処が不十分であった。すなわち、ロール磨耗が進行したときに、このロール磨耗によるロールの形状変化が要因となって、板クラウンが悪化するという問題があった。特に、熱間ストリップ圧延において、正逆転が可能なリバース圧延機を1台用い、1スタンドでそのロールシフト機能をロール表面の磨耗分散と板クラウン変化制御に使い分けて使用する場合には、ロール磨耗による板クラウンの変動に対処できないという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑み、ワークロール表面の磨耗が進行しても板クラウンの悪化を抑制して最適なロールシフトによる圧延を実現することができ、1スタンドでリバース圧延を行う場合でも、その圧延機のロールシフト機能を、ロール磨耗分散と板クラウン変化制御に容易に使い分けることが可能なロールシフト圧延機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、上下一対のワークロールと、該上下のワークロールを互いに逆の軸方向にシフトするロールシフト機構とを備え、ロールシフトにより被圧延材の断面形状を制御するように構成されたロールシフト圧延機において、前記上下一対のワークロールは、被圧延材の板クラウンを変化し得るようにワークロールの胴長方向に関し1回以上の凹凸を繰り返す形状変化用カーブと、予め定められた圧延スケジュールにおいてワークロールを軸方向に所定量移動させてロール表面の磨耗分散を行った場合に予測されるワークロールの胴長方向に関する磨耗量分布カーブに基づき、このロール表面の磨耗を予め補償するように設定されたロール磨耗補償カーブと、を合成したロール形状を持つ、ことを特徴としている(請求項1)
また、上記本発明のロールシフト圧延機において、好ましくは、前記ロール磨耗補償カーブは、前記磨耗量分布カーブに、0を超え1より小さい所定の比率を乗じるとともにこれを反転させて得られたカーブと同一形状である(請求項2)。
また、上記本発明のロールシフト圧延機において、好ましくは、前記一対のワークロールは、ロールに加わる熱影響を予め補償するように設定されたヒートクラウン補償カーブ、ロールに作用する圧下力によるロール撓みを予め補償するように設定されたロール撓み補償カーブ、及び、ロールシフトによるロール端部での面圧増大を予め補償するように設定されたロール端部面圧補償カーブのうち少なくとも1つのカーブをさらに合成したロール形状を持つ(請求項3)。
上記本発明によれば、ワークロールの形状が、被圧延材の板クラウンの変化用カーブである形状変化用カーブと、予め定められた圧延スケジュールにおいてワークロールを一定量移動させてロール表面の磨耗分散を行った場合に予測されるワークロールの胴長方向に関する磨耗量分布カーブに基づき、このロール表面の磨耗を予め補償するように設定されたロール磨耗補償カーブと、を合成したロール形状を持つので、板クラウンを変化させると同時に、圧延中にロール表面の磨耗が進行しても、この磨耗については予め補償されているから、ロール磨耗による圧延不良現象の影響を少なくすることができる。したがって、本発明によれば、板クラウンの悪化を抑制することができ、これにより、最適なロールシフトによる圧延が実現できる。また、1スタンドでリバース圧延を行う場合でも、その圧延機のロールシフト機能を、ロール磨耗分散と板クラウン変化制御に容易に使い分けることが可能となる。
また、ロール磨耗補償カーブを、磨耗量分布カーブに、0を超え1より小さい所定の比率(例えば、0.5前後)を乗じるとともにこれを反転させて得られたカーブと同一形状とすることにより、ロール表面の磨耗を適正範囲で補償することができるため、磨耗の進行による板クラウンの悪化を効果的に抑制することができる。
また、一対のワークロールの形状が、形状変化用カーブとロール磨耗補償カーブに加え、ヒートクラウン補償カーブ、ロール撓み補償カーブ、ロール端部面圧補償カーブのうち少なくとも1つのカーブをさらに合成したロール形状をもつようにすれば、これらの圧延不良現象のいずれかが単独又は複合して生じる圧延条件下でも、これらの圧延不良現象が加味されたロール形状によってその影響を受けることなく最適なロールシフトによる圧延が実現できる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態によるロールシフト圧延機の概略構成を示す図である。このロールシフト圧延機は、上下一対のワークロール12、12と、この上下のワークロール12、12を互いに逆の軸方向にシフトするロールシフト機構(図示せず)と、ロールシフト機構を制御する制御装置14とを備え、さらに上下のワークロール12、12の各々は上下のバックアップロール16、16に支持されており、ロールシフトにより被圧延材2の板クラウンを制御するように構成されている。また、このロールシフト圧延機は、正逆転可能なリバース圧延機であり、厚板圧延設備や熱間ストリップ圧延設備の粗圧延機として1基又は2基並べて配置される。本実施形態では、1基のみ配置した例について説明する。
上下のワークロール12、12は、断面形状制御のための所定のクラウンカーブを有している。制御装置14は、所望の板クラウンを得るために、上下のワークロール12、12のシフト量を決定するとともに、上下のワークロール12、12のロール表面の磨耗分散を行うために、上下のワークロールのシフト量を決定する。ロールシフト機構は、制御装置14からの制御信号に基づき、上下のワークロール12、12を、板クラウン制御の場合で例えばそれぞれ軸方向に+30mm、−30mmシフトさせ、ロール表面の磨耗分散の場合で例えば、被圧延材1本毎に軸方向に±75mmシフトさせる。
次に、本発明の特徴部分である上下のワークロール12、12の形状について説明する。
上下のワークロール12、12は、被圧延材2の板クラウンを変化し得るようにワークロールの胴長方向に関し1回以上の凹凸を繰り返す形状変化用カーブと、ロール表面の磨耗を予め補償するように設定されたロール磨耗補償カーブと、を合成したロール形状を持っている。形状変化用カーブは、板クラウン制御用の基本となるカーブであり、本実施形態に用いる形状変化用カーブは、図2(A)の符号C1で示すような、ワークロールの胴長方向に関し凹凸が一回出現する、いわゆるSカーブである。ロール磨耗補償カーブは、図2(B)の符号C2で示すようなカーブであり、予め定められた圧延スケジュールにおいてワークロールを軸方向に所定量移動させてロール表面の磨耗分散を行った場合に予測されるワークロールの胴長方向に関する磨耗量分布カーブC4に基づいて、決定される。磨耗量分布カーブは、一般に板幅端が通過する部分で磨耗が大きく進行する端部掘り込み形のカーブとなる。本実施形態では、形状変化用カーブC1とロール磨耗補償カーブC2とを合成して、図2(C)に示す合成カーブC3を持つロール形状とする。
ロール表面の磨耗量は、例えば、「R&D神戸製鋼技法」Vol.27、P.31〜33に記載されているように、実績データを基に予測できることが知られている。この文献に記載されている予測計算式は、ロールシフトを行わない場合についてのものであるが、被圧延材の板幅、板厚、本数等の圧延スケジュールと、磨耗分散のためのシフトパターンが予め分かっていれば、ロールシフトによる磨耗分散を行ったときの磨耗量についても同様に計算によって求めることができる。したがって、ロールシフトによる磨耗分散を行ったときのロール胴長方向の各位置について、磨耗量を算出することにより、図2(B)に示すような圧延スケジュール終了時におけるワークロールの胴長方向に関する磨耗量分布カーブC4を得ることができる。
本発明の実施形態に係るロール磨耗補償カーブC2は、上述のようにして得られた磨耗量分布カーブC4に、0を超え1より小さい所定の比率を乗じるとともに、これを磨耗量0の位置(図でロール形状変化0の位置)を基準に反転して得られたカーブと同一形状である。つまり、このロール磨耗補償カーブC2は、ロール表面の磨耗分を補償できるように、ワークロール12のロール径を予め大きく設定したものである。所定の比率は、これが小さすぎるとロール表面の磨耗分の補償が十分でなく板クラウンの改善効果が発揮されない恐れがあり、逆に大きすぎると板クラウンを悪化させる方向に作用する恐れがある。このため、所定の比率は、例えば0.25〜0.5前後に設定するのが良い。
次に、このように構成されたロールシフト圧延機の動作について説明する。このロールシフト圧延機では、ロール交換後、次のロール交換が行われるまでの1スケジュールで約100本の被圧延材2(スラブ)を圧延する。圧延は、被圧延材1本毎に例えば全10パスのリバース圧延を行い、被圧延材2を所定の板厚まで圧延する。本実施形態では、全10パスのうち最初の6パスの圧延の際にロールの磨耗分散を実施し、残りの4パスの圧延の際に板クラウン制御を実施する。なお、被圧延材1本に要するパス数は、上述したパス数に限られず適宜変更することができるし、ロールシフトによるロールの磨耗分散と板クラウン制御の実施パターンも適宜変更しうることは勿論である。
本発明の第1実施形態によるロールシフト圧延機によれば、ワークロール12の形状が、板クラウン制御の基本カーブとなる形状変化用カーブC1に、ロール磨耗補償カーブC2を合成したロール形状(合成カーブC3)を持つので、板クラウンを変化させると同時に、圧延中にロール表面の磨耗が進行しても、この磨耗については予め補償されているから、ロール磨耗による圧延不良現象の影響を少なくすることができる。したがって、本発明によれば、板クラウンの悪化を抑制することができ、これにより、最適なロールシフトによる圧延が実現できる。また、ロール磨耗補償カーブC2は、磨耗量分布カーブC4に、0を超え1より小さい所定の比率を乗じるとともにこれを反転させて得られたカーブと同一形状であるので、ロール表面の磨耗を適正範囲で補償することができ、これにより磨耗の進行による板クラウンの悪化を効果的に抑制することができる。また、1スタンドでリバース圧延を行う場合でも、その圧延機のロールシフト機能を、ロール磨耗分散と板クラウン変化制御に容易に使い分けることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態によるロールシフト圧延機の構成を示す図であり、上下のワークロール12、12と、上下のワークロール12、12を支持するバックアップロール16、16と、上下のワークロール12、12を互いに軸方向にシフトさせるロールシフト機構18と、上下のワークロール12、12に曲げ力を付与するロールベンド機構20と、被圧延材2の板厚に応じてロールシフト量とロールベンドの組み合わせを演算指令する制御装置22とを備えている。このロールシフト圧延機は、ロールシフト機構18と、ロールベンド機構20を併用することにより、被圧延材2に対しロールシフトとロールベンドを同時に行うことができる。また、このロールシフト圧延機は、正逆転可能なリバース圧延機であり、厚板圧延設備や熱間ストリップ圧延設備の粗圧延機として1基又は2基並べて配置される。本実施形態では、1基のみ配置した例について説明する。
第2実施形態における上下ワークロールのロール形状は、基本となる形状変化用カーブが第1実施形態のものと異なる。一方、ロール磨耗補償カーブは第1実施形態で説明したカーブと同一のものを用いる。
第2実施形態で用いられる形状変化用カーブは、図4に示すように、中心部の第1領域31から両方の外側に配置される第5領域35までの5つの領域が連続する9つの形状(1つの第1領域31とそれぞれ2つの第2領域32〜第5領域35の形状)で構成されたロール形状36になるが、ここでは、上ワークロール12の場合について具体的に説明することにする(なお、下ワークロールは上下左右が逆、つまり180度回転されて配置されており、形状自体は同一である。)。
ワークロール12の中心部の第1領域31は、ロール軸方向中心を挾んで両側にほぼ同一領域形成され、軸方向の一方(例えば左方)から他方(例えば右方)に向かって外周面がロール軸方向に対して傾斜するようロール径を変化させて形成してある。
この第1領域31の外側に連続する第2領域32は、第1領域31のロール外周面のロール径の変化と逆転するように変化する領域であり、第1領域31の傾斜する外周面のロール径の大径部(左端)では、凸状に逆転してロール径が小径となるように連続する一方、第1領域21の傾斜する外周面のロール径の小径部(右端)では、凹状に逆転してロール径が大径となるように連続するよう形成される。
さらに、この第2領域32の外側に連続する第3領域33は、ロール径が第1領域31のロール径の変化方向と反対方向に変化する領域であり、軸方向の一方(左方)から他方(右方)に向かって外周面がロール軸方向に対して傾斜するようロール径を変化させる場合の傾斜方向が第1領域31の傾斜方向と逆になるようにして形成してある。したがって、第2領域32の一方(左端)に連続する部分では軸方向左端に向かって小径となるように形成され、第2領域32の他方(右端)に連続する部分では軸方向右端に向かって大径となるように形成される。
この第3領域33の外側に連続する第4領域34は、ロール径の変化が第3領域33の変化方向と同一であるが、その変化勾配が第3領域33に比べて緩く変化する領域であり、第3領域33の一方(左端)に連続する部分では軸方向左端に向かってわずかづつ小径となるように形成され、第3領域33の他方(右端)に連続する部分では軸方向右端に向かってわずかづつ大径となるように形成してある。
第4領域34に連続する最も外側の第5領域35は、ロール径の変化がほとんどない円筒状に形成されたり、あるいは、図5中に破線で示すように、ロール径の変化がふたたび逆転して第1領域31と同一方向に変化するよう形成される領域である。したがって、第4領域34の一方(左端)に連続する部分では円筒状または軸方向左端に向かって大径となるように形成され、第4領域34の他方(右端)に連続する部分では円筒状または軸方向右端に向かって小径となるように形成してある。
このような第1〜第5の5つの領域31〜35の9つの形状で構成された形状変化用カーブによれば、中幅や狭幅の被圧延材に対するロールシフトによる板クラウン変化能力が大きくでき、さらにロールベンディングの併用によりロール撓みが重畳されて被圧延材と接するワークロール表面がなだらかに変化するロール形状として圧延することができる。
そして、このような板クラウン変化用のロール形状を採用した上下1対のワークロール12,12をロール形状が互いに逆方向に変化するように配置してワークロールシフトとワークロールベンディング(WRB)とを組み合わせて圧延すると、図5に示すように、板クラウンを同図(A)に示すフラットクラウンの状態で圧延したり、同図(B)に示す凹クラウンの状態や同図(C)に示す凸クラウンの状態で圧延することができる。
本発明の第2実施形態における上下ワークロール12、12は、この第1〜第5の5つの領域の9つの形状で構成された図6(A)に示す形状変化用カーブC5と、図6(B)に示すロール磨耗補償カーブC2とを合成して、図6(C)に示す合成カーブC6を持つロール形状とする。
このロールシフト圧延機では、ロール交換後、次のロール交換が行われるまでの1スケジュールで約100本の被圧延材(スラブ)を圧延する。圧延は、被圧延材1本毎に例えば全10パスのリバース圧延を行い、被圧延材を所定の板厚まで圧延する。本実施形態では、全10パスのうち最初の6パスの圧延の際にロールの磨耗分散を実施し、残りの4パスの圧延の際に板クラウン制御を実施する。
本発明の第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、圧延中にロール表面の磨耗が進行しても、この磨耗については予め補償されているから、ロール磨耗による圧延不良現象の影響を少なくすることができる。したがって、板クラウンの悪化を抑制することができ、これにより、最適なロールシフトによる圧延が実現できる。また、その他、第1実施形態と同様の効果が得られる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態によるロールシフト圧延機の上下のワークロール12の形状は、上述した第1実施形態と第2実施形態における形状変化用カーブC1、C5とロール磨耗補償カーブC2との合成カーブC3、C6に加え、ロールに加わる熱によるロール径膨張を予め補償するように設定されたヒートクラウン補償カーブC7(図7(A)参照)、ロールに作用する圧下力によるロール撓みを予め補償するように設定されたロール撓み補償カーブC8(図7(B)参照)及び、ロールシフトによるロール端部での面圧増大を予め補償するように設定されたロール端部面圧補償カーブC9(図7(C)参照)のうち少なくとも1つのカーブをさらに合成したロール形状を持つ。
まず、圧延不良現象とこれを補償するロール形状について図7を参照して説明する。圧延不良現象の一つに、図7(A)に示すロールヒートクラウンがあり、熱間圧延等の際に被圧延材2から受ける熱によってワークロール12が加熱されるが、この熱はワークロール12の端部では冷却され易く、中央部では冷却され難くいためワークロール12の中央部が外側に膨らむヒートクラウン41が生じる。
このロールヒートクラウンを防止するように補償するためには、同図右側に示すように、ワークロール12の中央部を内側に凹ませて細くしたヒートクラウン補償カーブC7を用いれば良いことになる。
同様にして、圧延不良現象の1つである公称圧延力によるロール撓みがあり、図7(B)に下側の圧延ロールを示すように、圧下力が加わることによって下ワークロール12および下バックアップロール16の中央部が下側に突き出すように撓んで曲がってしまうロール撓み42が生じる。
このロール撓み42を防止するように補償するためには、ワークロール12の撓みを無くすことができるロール形状にすれば良く、例えば下ワークロール12の場合には、中央部が膨らんだロール撓み補償カーブC8を用いれば良いことになる。
さらに、圧延不良現象の1つであるロールシフトによるロール端部での面圧増大があり、図7(C)に下側の圧延ロールを示すように、ロールシフトによってバックアップロール16の中央部に近い部分に下ワークロール12の端部が位置することによって下ワークロール12の端部の面圧が中央部側より大きくなってしまう面圧増大43が生じる。
このロールシフトによる面圧増大43を防止するように補償するためには、ワークロール12の端部の面圧が大きくなっても平坦に圧延できるロール形状にすれば良く、例えば下ワークロール12の場合には、端部が細くなるロール面圧増大補償カーブC9を用いれば良いことになる。
そこで、これらのヒートクラウン補償カーブC7、ロール撓み補償カーブC8、ロール面圧増大補償カーブC9を単独または2つないし3つを複合して得られるロール形状を既に説明したワークロール12の形状変化用カーブC1、C5とロール磨耗補償カーブC2の合成カーブC3、C6に更に合成する。
たとえば、第1実施形態のロールシフト圧延機におけるワークロールを用いて圧延を行うと同時に、公称圧延力によるロール撓み42を補償しようとする場合には、図8(A)に示す第1実施形態のロール形状(合成カーブC3)と、同図(B)に示すロール撓み補償カーブC8を合成して、同図(C)に示す合成カーブC10を持つロール形状とする。
また、第2実施形態のロールシフト圧延機におけるワークロール用いて圧延を行うと同時に、公称圧延力によるロール撓み42を補償しようとする場合には、図9(A)に示す第2実施形態のロール形状(合成カーブC6)と同図(B)に示すロール撓み補償カーブC8を合成して、同図(C)に示す合成カーブC11を持つロール形状とする。
このように、圧延不良現象の公称圧延力によるロール撓み42を補償するロール撓み補償カーブC8を、形状変化用カーブC1、C5とロール磨耗補償カーブC2を合成したロール形状(合成カーブC3、C6)に更に合成しておくことで、自動的に圧延不良現象の公称圧延力によるロール撓み42が補償された状態でロールシフト圧延を行うことができるようになる。
したがって、圧延不良現象を補償するロール形状(C7、C8、C9)を単独又は複合して形状変化用カーブC1、C5とロール磨耗補償カーブC2を合成したロール形状(C3、C6)に更に合成しておくことで、補償に用いた単独又は複数の圧延不良現象に対応する圧延不良現象が補償された状態でロールシフト圧延を行うことができるようになる。このため、これらの圧延不良現象のいずれかが単独又は複合して生じる圧延条件下でも、これらの圧延不良現象が加味されたロール形状によってその影響を受けることなく最適なロールシフトによる圧延が実現できる。
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、ワークロールの形状変化用カーブとして、SカーブC1と、第1〜第5の5つの領域を持つカーブC5を用いたが、本発明はこれに限定されず、被圧延材の板クラウンを変化し得るようにワークロールの胴長方向に関し1回以上の凹凸を繰り返すカーブであれば、他のカーブであっても良い。
その他、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1実施形態によるロールシフト圧延機の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態によるロールシフト圧延機のロール形状を説明する図である。 本発明の第2実施形態によるロールシフト圧延機の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態によるロールシフト圧延機のワークロールの形状変化用カーブを説明する図である。 本発明の第2実施形態によるロールシフト圧延機を用いた板クラウン制御を説明する図である。 本発明の第2実施形態によるロールシフト圧延機のロール形状を説明する図である。 圧延不良現象について説明する図である。 本発明の第3実施形態によるロールシフト圧延機のロール形状を説明する図である。 本発明の第3実施形態による他のロールシフト圧延機のロール形状を説明する図である。 特許文献1の従来技術を説明する図である。 特許文献3の従来技術を説明する図である。
符号の説明
2 被圧延材
12 ワークロール
14 制御装置
16 バックアップロール
18 ロールシフト機構
20 ロールベンド機構
22 制御装置
C1、C5 形状変化用カーブ
C2 ロール磨耗補償カーブ
C7 ヒートクラウン補償カーブ
C8 ロール撓み補償カーブ
C9 ロール端部面圧補償カーブ

Claims (3)

  1. 上下一対のワークロールと、該上下のワークロールを互いに逆の軸方向にシフトするロールシフト機構とを備え、ロールシフトにより被圧延材の断面形状を制御するように構成されたロールシフト圧延機において、
    前記上下一対のワークロールは、
    被圧延材の板クラウンを変化し得るようにワークロールの胴長方向に関し1回以上の凹凸を繰り返す形状変化用カーブと、
    予め定められた圧延スケジュールにおいてワークロールを軸方向に所定量移動させてロール表面の磨耗分散を行った場合に予測されるワークロールの胴長方向に関する磨耗量分布カーブに基づき、このロール表面の磨耗を予め補償するように設定されたロール磨耗補償カーブと、を合成したロール形状を持つ、
    ことを特徴とするロールシフト圧延機。
  2. 前記ロール磨耗補償カーブは、前記磨耗量分布カーブに、0を超え1より小さい所定の比率を乗じるとともにこれを反転させて得られたカーブと同一形状である、ことを特徴とする請求項1に記載のロールシフト圧延機。
  3. 前記一対のワークロールは、ロールに加わる熱によるロール径膨張を予め補償するように設定されたヒートクラウン補償カーブ、ロールに作用する圧下力によるロール撓みを予め補償するように設定されたロール撓み補償カーブ、及び、ロールシフトによるロール端部での面圧増大を予め補償するように設定されたロール端部面圧補償カーブのうち少なくとも1つのカーブをさらに合成したロール形状を持つ、ことを特徴とする請求項1に記載のロールシフト圧延機。
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