JP6119039B2 - 基礎構造 - Google Patents

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Description

本発明は、基礎構造に関するものである。
従来、建物として比較的小規模な戸建住宅の基礎としては、べた基礎や布基礎、独立基礎など、地盤上に直接載置される直接基礎が一般的であった。このような直接基礎の場合、その載置される地盤が軟弱地盤であったり地震時に液状化を起こす可能性がある地盤であったりすると、地盤そのものが支持力を失い、基礎及び建物が傾斜したり沈下したりしてしまうことがある。このように基礎を含めた建物全体に傾斜や沈下が生じると、その補修が大掛かりになって補修費用も多大となるため、軟弱地盤や液状化地盤にも対応可能な基礎構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の基礎構造は、建物(構造物)の底版から地盤中に貫入させた支持体(杭部)と、この支持体に設けられた浮力体と、支持体に連結されて支持層に設けられたアンカー体と、を備える。この基礎構造は、地盤が液状化して支持力が低下し、過剰間隙水圧により地下水が上昇した場合でも、この地下水による浮力を浮力体に作用させて支持力を得るとともに、アンカー体によって建物の傾きを防止しようとする技術である。
特許文献2に記載の基礎構造は、建物を支持する基礎と、この基礎の側面を囲んで地盤に貫入された矢板と、基礎の下側かつ矢板で囲まれた領域に設けられる軽量材と、を備える。この基礎構造は、地盤が液状化して支持力が低下した場合に、基礎と矢板を一体的に挙動させることで、基礎及び建物の傾きを抑制し、地下水が上昇した場合にも、軽量材を介して地下水の浮力を基礎に作用させることで、支持力を確保しようとする技術である。
特開平6−240694号公報 特開2008−101379号公報
しかしながら、特許文献1に記載された基礎構造のように、地盤中に浮力体とアンカー体とを構築するためには、その施工が非常に大掛かりになってしまい、コスト増加が避けられず、比較的小規模な戸建住宅への適用が困難である。また、特許文献2に記載された基礎構造のように、基礎を矢板で囲むとともに、その囲まれた領域に軽量材を設けると、地下水が常に滞留することとなって、滞留した地下水が腐敗あるいは劣化することがある。また、地盤が液状化した際の地下水の浮力や、地下水と砂質土とが混濁した流動体の浮力は、力学的に安定したものではないため、浮力体や基礎底面に作用する浮力が一定せず、かつ建物の平面的な位置によっても浮力が異なるために、建物全体の傾きや沈下を効果的に抑制することが困難である。
したがって、本発明は、建物全体の傾きや沈下を抑制するとともに耐震性能を向上させることができる基礎構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の基礎構造は、建物の上部構造と連結される基礎本体と、前記基礎本体と地盤との間に設けられる透水層と、前記透水層から下方の地盤中に貫入して延びる複数の杭体と、を備え、前記杭体は、地盤を掘削した掘削孔に挿入されるとともに長尺管状かつ透水性を有した管部材と、該管部材の内部及び該管部材と掘削孔との間に投入された粒状物と、を備えて構成され、前記管部材は、前記建物の鉛直荷重を支持可能な所定の軸剛性及び強度を有した硬質材で構成されるとともに、該管部材の先端が所定の支持力を有した支持地盤まで延びて設けられ、前記管部材は、分割された複数が鉛直方向に並設されるとともに、互いに屈折可能に接続されていることを特徴とする。
請求項に記載の基礎構造は、請求項1に記載された基礎構造において、前記透水層は、複数の土嚢材を積層して構成され、前記土嚢材は、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の基礎構造は、請求項に記載された基礎構造において、前記複数の土嚢材は、前記杭体の上側に設けられる複数の第一土嚢材と、前記杭体の上側から外れた位置に所定数設けられる第二土嚢材と、を有して構成され、前記第二土嚢材の前記土嚢袋内部に詰められる粒状物は、吸水性及び膨潤性を有した材料から構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の基礎構造は、請求項1〜のいずれか一項に記載された基礎構造において、前記基礎本体は、前記透水層の上側に載置される底版と、該底版の上方に対向して設けられる上部スラブと、該底と該上部スラブとを連結する基礎立上りと、を有して中空状に構成されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、基礎本体と地盤との間に透水層を設け、この透水層から下方の地盤中に延びる複数の杭体を設けるとともに、透水性を有した長尺管状の管部材と、その内部及び管部材と掘削孔との間に投入された充填した粒状物と、によって杭体を構成したことで、地震時に地盤が液状化した場合であっても、液状化による過剰間隙水圧で発生した地下水を杭体及び透水層を介して地上へ排水することができる。従って、地下水による過大な浮力が基礎本体に作用することを防止して、不均一な浮力による建物の傾きを抑制することができるとともに、地盤中に地下水が滞留することがなく、その腐敗や劣化を防止することができる。
また、管部材の内部、及び管部材と掘削孔との間に粒状物が充填されて杭体が構築され、この杭体による鉛直支持力が得られるので、地盤が液状化して沈下した場合であっても、基礎本体の不等沈下を抑制して建物の傾きを防止することができる。なお、杭体の外殻部材に詰める粒状物としては、土や砂、砕石等に限らず、ガラス片や樹脂片等であってもよく、化学変化や継時変化が少ない素材であって耐荷重性に優れたものが好ましい。
また、管部材が軸剛性及び強度を有した硬質材で構成され、この管部材の先端が支持地盤まで延びて設けられていれば、管部材自体の鉛直支持力が得られるので、杭体の鉛直支持力を高めるとともに、基礎本体の沈下を効果的に抑制することができる。なお、所定の支持力を有した支持地盤としては、10以上のN値を有した地盤であることが好ましく、管部材の先端は、その直径の1倍以上の深さまで支持地盤に貫入されていることが好ましい。
また、分割された複数の管部材が鉛直方向に並設されるとともに、互いに屈折可能に接続されていれば、地震によって地盤にせん断変形が生じた場合であっても、このせん断変形に対して管部材の接続部が屈折することによって追従することができ、杭体の損傷を防止することができる。従って、前述のように鉛直支持力を確保しつつ地震時の地盤変位にも追従することができるので、地震によって地盤に沈下が生じた場合であっても建物を支持して傾きを抑制することができる。
また、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成された複数の土嚢材を積層して透水層が構成されていれば、土嚢材同士の隙間が土砂で埋まったとしても、土嚢袋及び内部の粒状物による透水性が確保でき、地下水をより確実に排水することができる。さらに、粒状体同士のずれや土嚢材同士のずれによって地震動の伝達を抑制することができるので、透水層による免震効果を期待することができる。なお、土嚢袋に詰める粒状物としては、前記杭体の粒状物と同様に、土や砂、砕石等に限らず、ガラス片や樹脂片等であってもよく、化学変化や継時変化が少ない素材であって耐荷重性に優れたものが好ましい。また、杭体に用いる粒状物と土嚢材に用いる粒状物とは、それぞれ同一材料から構成されたものでもよいし、異種の材料から構成されたものでもよい。
また、複数の土嚢材のうちの第二土嚢材が吸水性及び膨潤性を有した材料からなる粒状物を有して構成されていれば、第二土嚢材の粒状物が地下水を吸水して膨潤することにより、基礎本体の沈下を一層確実に抑制することができる。一方、杭体の上側に設けられる第一土嚢材としては、硬質な粒状物を詰めて構成されるものであることが好ましく、これにより建物の鉛直荷重を基礎本体から杭体に確実に伝達することができ、鉛直支持力を確保することができる。
さらに、第二土嚢材において膨潤した粒状物が比較的小さな剛性を有した弾性体になることで、透水層の水平方向のせん断剛性を小さくすることができる。従って、地震時に上部構造及び基礎本体が左右に変位した場合に、基礎本体と地盤との間に生じる相対変位を透水層のせん断変形によって吸収することができ、地震時の地盤変位が上部構造に伝達されにくくすることができ、免震効果が得られて建物の耐震性能を向上させることができる。さらに、地盤から伝達される交通振動を遮断することもでき、建物の居住性を向上させることができる。
また、基礎本体が底版と上部スラブと基礎立上りとを有して中空状に構成されていれば、基礎本体の根入れ深さに応じて地下水による浮力を得ることができるので、想定される地盤の沈下量及び地下水位と、基礎本体の根入れ深さとを適宜に設定することによって、基礎本体の過剰な沈下を抑制することができる。また、底版の全面を透水層に載置することで接地圧を小さくし、局部的な地盤沈下の影響を受けにくくすることができ、建物の傾きを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る建物の基礎構造を示す縦断面図である。 前記基礎構造を示す横断面図である。 前記基礎構造を拡大して示す断面図である。 前記基礎構造における杭体の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる基礎構造を、図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態に係る基礎構造は、建物1の上部構造としての建物本体2を支持するものであって、建物1は、戸建住宅やアパート等に利用されるものである。建物本体2は、木造や軽量鉄骨造などの比較的小規模かつ軽量な2〜3階建てであって、図2に示すように、水平二方向であるX,Y方向に沿った矩形の平面形状を有している。建物1は、地盤G上に構築され、この地盤Gを地表GLから鉛直方向であるZ方向下方に掘削し、掘削した根伐り底Bの上側に後述する基礎本体3及び透水層4が構築され、根伐り底Bよりも下方の地盤G中に貫入して杭体5が構築される。
基礎本体3は、建物本体2の外周に沿って設けられる基礎立上り31と、この基礎立上り31の下端部と一体に連結されて水平面内に延びる基礎底版32と、この基礎底版32の上方に対向する基礎スラブ33と、基礎底版32と基礎スラブ33とを連結する平面視十字状の基礎梁34と、を有して構成されている。基礎底版32と基礎スラブ33との間には、設備配管等を配設するための基礎ピットが形成されている。このような基礎本体3の根入れ深さ、即ち地表GLから基礎底版32の下面までの距離は、例えば、1m程度に設定され、基礎底版32の厚さ寸法は、例えば、300mm程度に設定されている。また、地表GLから基礎スラブ33の上面までの立上り寸法は、200〜300mm程度に設定され、基礎立上り31の上端に建物本体2の土台がアンカーボルト及び接合金物を介して連結されている。
透水層4は、複数の土嚢材40を積層して構成されるものであって、これらの土嚢材40は、平面寸法が400mmx400mm程度かつ厚さ寸法が100mm程度のものであり、基礎底版32の下側に四段積みされるとともに、基礎本体3の外側を囲んで地表GL付近まで十二段積みされている。土嚢材40は、図中白抜き(ハッチングなし)で示す第一土嚢材41と、図中ハッチングを付して示す第二土嚢材42と、を備えて構成されている。第一土嚢材41は、透水層4の最下段であり根伐り底Bに敷き詰められるとともに、基礎本体3の外周部に沿った範囲であり基礎立上り31の下側及び周辺と、杭体5の上側及び周辺とに積層されている。第二土嚢材42は、最下段の第一土嚢材41の上に三段積みで積層されるとともに、第一土嚢材41に囲まれた内側であり杭体5の上側及び周辺から外れた範囲に設けられている。
第一土嚢材41は、例えば、ポリエチレン製等の透水性を有した織布で構成された土嚢袋にガラス片やガラス粒等の粒状物を詰めて構成されている。このような第一土嚢材41は、土嚢袋及び粒状物の両方が水を通すことから第一土嚢材41自体が透水性を有するとともに、積層した第一土嚢材41同士に適度な隙間が形成されることから、この隙間によっても透水性が得られるようになっている。また、第一土嚢材41は、基礎立上り31の下側と及び杭体5の上側に積層されることから、建物本体2の鉛直荷重を杭体5及び地盤Gに伝達する荷重支持体として機能するようになっている。
第二土嚢材42は、例えば、ポリエチレン製等の透水性を有した織布で構成された土嚢袋に吸水性及び膨潤性を有した材料からなる粒状物を詰めて構成されている。ここで、吸水性及び膨潤性を有した材料としては、吸水した水を保持する保水性を有するとともに、膨潤することでゲル化して剛性が低下し、弾力及び粘性を有するものであり、各種の高分子物質を含む樹脂材料が利用可能である。このような第二土嚢材42は、土嚢袋が水を通し粒状物が吸水性及び膨潤性を有することから、地下水を吸水した状態で第二土嚢材42が弾力及び粘性を有した弾性体(粘弾性体)となり、透水層4を免震層として機能させるようになっている。
杭体5は、基礎本体3の平面形状に応じた範囲内においてX,Y方向に適宜な間隔で複数本が設けられており、具体的には、X方向に沿って4列、Y方向に沿って3列の計12本が設けられている。この杭体5は、図3に示すように、地盤Gを掘削した掘削孔Dに挿入されるとともに長尺管状の管部材51と、管部材51の内部及び管部材51と掘削孔Dとの間に投入された粒状物52と、を備えて構成されている。管部材51は、コンクリート製のヒューム管Hを縦に三本並べ、互いに屈折可能に接続して構成され、ヒューム管Hの側面には、管部材51の内外を連通させる複数の通水孔53が形成されている。また、粒状物52は、第一土嚢材41の粒状物と同様に、適宜な大きさを有したガラス片やガラス粒等で構成されている。
ヒューム管Hは、例えば、外径が360mmかつ内径が300mmで長さ寸法が2m程度の円筒状に形成され、その下端部に拡径部54が形成され、この拡径部54によって下側のヒューム管Hと嵌合することで、互いに屈折可能に接続されている。また、最下段のヒューム管Hの下端部は、所定の支持力を有した支持層G4に貫入され、その拡径部54が支持層G4中に載置されている。一方、最上段のヒューム管Hの上端部には、拡径された接続部材55が100mm程度の隙間を介して設けられ、この接続部材55の上側に透水層4の第一土嚢材41が積層されている。
以上の杭体5は、ヒューム管Hに通水孔53が形成されて透水性を有した管部材51と粒状物5Bとの両方が水を通すことから杭体5自体が透水性を有し、杭体5の上端部と透水層4とが連続して設けられていることから、杭体5の内部に透過した水が透水層4へ送られ、透水層4を介して地表GLに排水できるように構成されている。また、杭体5は、管部材51の下端が支持層G4に貫入して設けられ、基礎本体3及び透水層4を介して伝達された建物本体2の鉛直荷重を支持層G4に伝達することで、鉛直支持力が得られる。さらに、杭体5は、最下段のヒューム管Hの拡径部54が支持層G4に載置されることから、杭体5の鉛直支持力を高めることができ、表層の軟弱な地盤G1〜G3に沈下が発生したとしても基礎本体3の沈下が抑制されるようになっている。
以上のような基礎構造の施工手順について説明する。先ず、地盤Gを掘削して掘削孔Dを形成するとともに根伐り底Bを露出させる。次に、根伐り底Bにおいて、掘削孔Dにヒューム管Hを挿入して拡径部54を支持層G4に載置し、その位置を保持した状態でヒューム管Hの内部及び外部に粒状物52を投入する。さらに、その上段のヒューム管Hを挿入して拡径部54を下段のヒューム管Hに接続し、その位置を保持した状態でヒューム管Hの内部及び外部に粒状物52を投入し、これを最上段のヒューム管Hまで繰り返し行ったら、最上段のヒューム管Hの上側に接続部材55を設置する。以上のようにヒューム管Hを縦に接続するとともに、その内部及び外部に粒状物52を充填することによって杭体5の構築が完了する。
次に、杭体5の上側及び根伐り底Bの表面に第一土嚢材41を並べて透水層4の最下段を形成し、その上側の適宜な位置に第一土嚢材41及び第二土嚢材42をそれぞれ積層し、透水層4を形成する。この土嚢材40の積層作業は、人手によって行ってもよいし、適宜な装置あるいは重機を用いて行ってもよい。次に、透水層4の上側に基礎本体2を構築することで、基礎構造の施工が完了する。そして、構築した基礎本体2の上に建物本体2を構築して建物1を完成させる。
本実施形態によれば、透水層4と杭体5とが連続して形成され、通水孔53を有したヒューム管Hからなる管部材51と管部材51の外部及び内部に設けられた粒状物52とによって杭体5が構成されているので、地震時に地盤G(G1〜G3)が液状化して地下水が上昇した場合であっても、杭体5内部を通して透水層4へ地下水を送って地表GLに排水することができる。従って、地下水による過大な浮力が基礎本体3に作用することを防止して、不均一な浮力による建物1の傾きを抑制することができるとともに、地盤G中に地下水が滞留することがなく、その腐敗や劣化を防止することができる。
また、管部材51が複数のヒューム管Hを接続して構成され、最下段のヒューム管Hの下端部である拡径部54が支持層G4まで延びて設けられているので、管部材51の軸剛性及び強度よって杭体5の鉛直支持力を高めることができ、基礎本体3の沈下を効果的に抑制することができる。また、複数のヒューム管Hが互いに屈折可能に接続されているので、地震によって地盤Gにせん断変形が生じた場合であっても、このせん断変形に対してヒューム管H同士が屈折することによって追従することができ、杭体5の損傷を防止することができる。従って、杭体5の鉛直支持力を確保しつつ地震時の地盤変位にも追従することができるので、地震によって地盤Gに沈下が生じた場合であっても建物1を支持して傾きを抑制することができる。
また、地震時に透水層4がせん断変形することで、基礎本体3と地盤Gとの間に生じる相対変位を透水層4のせん断変形によって吸収することができ、建物1の揺れを抑制させる免震効果を得ることができる。さらに、第二土嚢材42の粒状物が吸水性及び膨潤性を有することから、地下水を吸水した第二土嚢材42が弾力及び粘性を有した弾性体(粘弾性体)となり、透水層4の水平方向のせん断剛性を小さくすることができ、地震動を基礎本体3及び建物本体2に伝達しにくくできる。このような免震効果が得られることで、建物の耐震性能を向上させることができるとともに、地盤Gから伝達される交通振動を遮断することもでき、建物1の居住性を向上させることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、基礎本体3が基礎立上り31と基礎底版32とを有したべた基礎形式のものであったが、基礎本体としては、独立基礎形式や布基礎形式のものでもよい。また、前記実施形態では、透水層4が基礎本体3の全体と地盤Gとの間に設けられていたが、これに限らず、基礎本体の平面内において部分的に設けられていてもよく、その場合には部分的に設けた透水層に杭体が連続して設けられていればよい。また、前記実施形態では、土嚢材40の土嚢袋をポリエチレン製等の織布で構成したが、袋の材質等は特に限定されず、透水性を有したものであればよい。さらに、第一土嚢材41の粒状物に関しても、ガラス片やガラス粒等で構成されるものに限らず、砕石や樹脂製粒状物などの任意の材料を利用することが可能である。これと同様に、杭体5の粒状物52に関しても、砕石や樹脂製粒状物などの任意の材料を利用することが可能である。
また、杭体5の管部材51は、複数のヒューム管Hを接続したものに限らず、1本の筒状部材で構成されてもよいし、この筒状部材が適度な可撓性を有したものであってもよい。さらに、管部材51は、図4に示すように、ヒューム管Hの接続部に挿入される弾性リング56と、ヒューム管Hの内面に沿って挿入される不織布56とを備えて構成されていてもよい。弾性リング56は、ゴム等から円筒状に形成されるとともに、下側のヒューム管Hの上端部外周と上側のヒューム管Hの拡径部54内周との間に圧入され、上下のヒューム管Hが屈折する際の変形に追従することで、ヒューム管Hの破損が防止できるようになっている。不織布56は、透水性を有した素材からなり、ヒューム管Hの内面に沿った長尺筒状に成形されるか縫製されて形成されており、粒状物52が通水孔53からヒューム管Hの外に漏出せず、かつ、地盤Gの砂や泥がヒューム管Hの内部に入ることがなく、通水孔53の目詰まりが防止できるようになっている。
1 建物
2 建物本体(上部構造)
3 基礎本体
4 透水層
5 杭体
31 基礎立上り
32 基礎底版
33 基礎スラブ(上部スラブ)
40 土嚢材
41 第一土嚢材
42 第二土嚢材
51 管部材
52 粒状物
53 通水孔

Claims (4)

  1. 建物の上部構造と連結される基礎本体と、
    前記基礎本体と地盤との間に設けられる透水層と、
    前記透水層から下方の地盤中に貫入して延びる複数の杭体と、を備え、
    前記杭体は、地盤を掘削した掘削孔に挿入されるとともに長尺管状かつ透水性を有した管部材と、該管部材の内部及び該管部材と掘削孔との間に投入された粒状物と、を備えて構成され
    前記管部材は、前記建物の鉛直荷重を支持可能な所定の軸剛性及び強度を有した硬質材で構成されるとともに、該管部材の先端が所定の支持力を有した支持地盤まで延びて設けられ
    前記管部材は、分割された複数が鉛直方向に並設されるとともに、互いに屈折可能に接続されていることを特徴とする基礎構造。
  2. 前記透水層は、複数の土嚢材を積層して構成され、
    前記土嚢材は、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記複数の土嚢材は、前記杭体の上側に設けられる複数の第一土嚢材と、前記杭体の上側から外れた位置に所定数設けられる第二土嚢材と、を有して構成され、
    前記第二土嚢材の前記土嚢袋内部に詰められる粒状物は、吸水性及び膨潤性を有した材料から構成されていることを特徴とする請求項に記載の基礎構造。
  4. 前記基礎本体は、前記透水層の上側に載置される底版と、該底版の上方に対向して設けられる上部スラブと、該底と該上部スラブとを連結する基礎立上りと、を有して中空状に構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の基礎構造。
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