JP2014141785A - 基礎構造 - Google Patents

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【課題】建物全体の傾きや沈下を抑制するとともに建物への地震動の伝達を抑制して耐震性能を向上させることができる基礎構造を提供する。
【解決手段】基礎構造は、建物1の建物本体(上部構造)2と連結される基礎本体3と、基礎本体3と地盤Gとの間に設けられる透水層4と、透水層4から下方の地盤中に進入して延びる複数の杭体5と、を備え、杭体5は、下方に向かって先細形状の外形を有した中空状の外殻部材51と、外殻部材51の内部に充填された粒状物52と、を備え、外殻部材51には、その内外を連通させる複数の通水孔55が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、基礎構造に関するものである。
従来、建物として比較的小規模な戸建住宅の基礎としては、べた基礎や布基礎、独立基礎など、地盤上に直接載置される直接基礎が一般的であった。このような直接基礎の場合、その載置される地盤が軟弱地盤であったり地震時に液状化を起こす可能性がある地盤であったりすると、地盤そのものが支持力を失い、基礎及び建物が傾斜したり沈下したりしてしまうことがある。このように基礎を含めた建物全体に傾斜や沈下が生じると、その補修が大掛かりになって補修費用も多大となるため、軟弱地盤や液状化地盤にも対応可能な基礎構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の基礎構造は、建物(構造物)の底版から地盤中に貫入させた支持体(杭部)と、この支持体に設けられた浮力体と、支持体に連結されて支持層に設けられたアンカー体と、を備える。この基礎構造は、地盤が液状化して支持力が低下し、過剰間隙水圧により地下水が上昇した場合でも、この地下水による浮力を浮力体に作用させて支持力を得るとともに、アンカー体によって建物の傾きを防止しようとする技術である。
特許文献2に記載の基礎構造は、建物を支持する基礎と、この基礎の側面を囲んで地盤に貫入された矢板と、基礎の下側かつ矢板で囲まれた領域に設けられる軽量材と、を備える。この基礎構造は、地盤が液状化して支持力が低下した場合に、基礎と矢板を一体的に挙動させることで、基礎及び建物の傾きを抑制し、地下水が上昇した場合にも、軽量材を介して地下水の浮力を基礎に作用させることで、支持力を確保しようとする技術である。
特開平6−240694号公報 特開2008−101379号公報
しかしながら、特許文献1に記載された基礎構造のように、地盤中に浮力体とアンカー体とを構築するためには、その施工が非常に大掛かりになってしまい、コスト増加が避けられず、比較的小規模な戸建住宅への適用が困難である。また、特許文献2に記載された基礎構造のように、基礎を矢板で囲むとともに、その囲まれた領域に軽量材を設けると、地下水が常に滞留することとなって、滞留した地下水が腐敗あるいは劣化することがある。また、地盤が液状化した際の地下水の浮力や、地下水と砂質土とが混濁した流動体の浮力は、力学的に安定したものではないため、浮力体や基礎底面に作用する浮力が一定せず、かつ建物の平面的な位置によっても浮力が異なるために、建物全体の傾きや沈下を効果的に抑制することが困難である。
したがって、本発明は、建物全体の傾きや沈下を抑制するとともに建物への地震動の伝達を抑制して耐震性能を向上させることができる基礎構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の基礎構造は、建物の上部構造と連結される基礎本体と、前記基礎本体と地盤との間に設けられる透水層と、前記透水層から下方の地盤中に進入して延びる複数の杭体と、を備え、前記杭体は、下方に向かって先細形状の外形を有した中空状の外殻部材と、該外殻部材の内部に充填された粒状物と、を備え、前記外殻部材には、その内外を連通させる複数の通水孔が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の基礎構造は、請求項1に記載された基礎構造において、前記外殻部材は、下方に向かって先細に形成されかつ上方に向かって開口した円錐状又は角錐状の錐状部と、該錐状部の上部に連続して外側に突出したフランジ部と、を一体に有して形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の基礎構造は、請求項1又は2に記載された基礎構造において、前記杭体は、地盤に設けた掘削孔に圧入され、周辺地盤を圧密した状態で設置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の基礎構造は、請求項1〜3のいずれか一項に記載された基礎構造において、前記透水層は、複数の土嚢材を積層して構成され、前記土嚢材は、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の基礎構造は、請求項4に記載された基礎構造において、前記複数の土嚢材は、少なくとも前記基礎本体の外周部に沿って設けられる複数の第一土嚢材と、該第一土嚢材で囲まれた内側に所定数設けられる第二土嚢材と、を有して構成され、前記第二土嚢材の前記土嚢袋内部に詰められる粒状物は、吸水性及び膨潤性を有した材料から構成されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、基礎本体と地盤との間に透水層を設け、この透水層から下方の地盤中に延びる複数の杭体を設けるとともに、通水孔を有した中空状の外殻部材とその内部に充填した粒状物とで杭体を構成したことで、地震時に地盤が液状化した場合であっても、液状化による過剰間隙水圧で発生した地下水を杭体及び透水層を介して地上へ排水することができる。従って、地下水による過大な浮力が基礎本体に作用することを防止して、不均一な浮力による建物の傾きを抑制することができるとともに、地盤中に地下水が滞留することがなく、その腐敗や劣化を防止することができる。さらに、外殻部材の内部に粒状物を詰めて杭体が構築できるので、鉄筋コンクリート製の杭(場所打ち杭やPC杭)あるいは鋼管杭などと比較して、安価かつ容易な施工手順で杭体を構築することができる。
また、外殻部材が先細形状の外形を有するとともに、その内部に粒状物を詰めて杭体が構成されていることから、粒状物間の接触(当接)や摩擦によって建物の鉛直荷重を伝達し、この鉛直荷重を外殻部材の外面から地盤に対して摩擦力及び圧密力として伝達することができる。さらに、地震時に上部構造のロッキングによって杭体に作用する鉛直力も杭体を介して地盤に伝達することができるので、鉛直支持力を確保して基礎本体の不等沈下を抑制して建物の傾きを防止することができる。なお、杭体の外殻部材に詰める粒状物としては、土や砂、砕石等に限らず、ガラス片や樹脂片等であってもよく、化学変化や継時変化が少ない素材であって耐荷重性に優れたものが好ましい。
また、外殻部材が円錐状又は角錐状の錐状部とフランジ部とを一体に有したものであれば、この外殻部材の先細な先端部を下方に向けて地盤に設置してから、その内部に粒状物投入して充填するだけで、容易に杭体を構築することができる。従って、杭体の施工を簡便かつ迅速に行うことができ、施工コストを抑制しかつ工期を短縮することによって、比較的小規模な戸建て住宅等に適用しやすくできる。さらに、錐状部の上部にてフランジ部が外側に突出して設けられているので、このフランジ部の上側に設けた透水層との当接面積を大きくすることができ、排水する地下水の透水性を高めるとともに、基礎本体から伝達される荷重を杭体に伝達しやすくすることができる。
また、杭体が地盤に設けた掘削孔に圧入されるとともに周辺地盤を圧密した状態で設置されていれば、杭体から地盤に対して鉛直荷重をより確実に伝達することができ、鉛直支持力を高めるとともに、杭体の沈み込みによる基礎の沈下を抑制することができる。なお、掘削孔の形状としては、杭体の外形と同様に下方に向かって先細に形成されるとともに、杭体の外形よりも若干小さく形成されたものであることが好ましい。このような掘削孔の形成方法としては、先細となったコーン状の掘削ヘッドを有した掘削機を用い、掘削ヘッドの先端を地盤に押圧貫入させる方法が好ましく、この方法で形成することで、掘削ヘッドの押圧貫入によって地盤を締め固めることができ、これにより杭体の支持力をさらに向上させることができる。
また、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成された複数の土嚢材を積層して透水層が構成されていれば、土嚢材同士の隙間が土砂で埋まったとしても、土嚢袋及び内部の粒状物による透水性が確保でき、地下水をより確実に排水することができる。さらに、粒状体同士のずれや土嚢材同士のずれによって地震動の伝達を抑制することができるので、透水層による免震効果を期待することができる。なお、土嚢袋に詰める粒状物としては、前記杭体の粒状物と同様に、土や砂、砕石等に限らず、ガラス片や樹脂片等であってもよく、化学変化や継時変化が少ない素材であって耐荷重性に優れたものが好ましい。また、杭体に用いる粒状物と土嚢材に用いる粒状物とは、それぞれ同一材料から構成されたものでもよいし、異種の材料から構成されたものでもよい。
また、複数の土嚢材のうちの第二土嚢材が吸水性及び膨潤性を有した材料からなる粒状物を有して構成されていれば、第二土嚢材の粒状物が地下水を吸水して膨潤することにより、基礎本体の沈下を一層確実に抑制することができる。さらに、膨潤した粒状物が比較的小さな剛性を有した弾性体になることで、透水層の水平方向のせん断剛性を小さくすることができる。従って、地震時に上部構造及び基礎本体が左右に変位した場合に、基礎本体と地盤との間に生じる相対変位を透水層のせん断変形によって吸収することができ、地震時の地盤変位が上部構造に伝達されにくくすることができ、免震効果が得られて建物の耐震性能を向上させることができる。さらに、地盤から伝達される交通振動を遮断することもでき、建物の居住性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る建物の基礎構造を示す縦断面図である。 前記基礎構造を示す横断面図である。 前記基礎構造を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる基礎構造を、図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態に係る基礎構造は、建物1の上部構造としての建物本体2を支持するものであって、建物1は、戸建住宅やアパート等に利用されるものである。建物本体2は、木造や軽量鉄骨造などの比較的小規模かつ軽量な2〜3階建てであって、図2に示すように、水平二方向であるX,Y方向に沿った矩形の平面形状を有している。建物1は、地盤G上に構築され、この地盤Gを地表GLから鉛直方向であるZ方向下方に掘削し、掘削した根伐り底Bの上側に後述する基礎本体3及び透水層4が構築され、根伐り底Bよりも下方の地盤G中に延びて杭体5が構築される。
基礎本体3は、建物本体2の外周に沿って設けられる基礎立上り31と、この基礎立上り31の下端部と一体に連結されて水平面内に延びる基礎底版32と、この基礎底版32の上方に対向する基礎スラブ33と、基礎底版32と基礎スラブ33とを連結する平面視十字状の基礎梁34と、を有して構成されている。基礎底版32と基礎スラブ33との間には、設備配管等を配設するための基礎ピットが形成されている。このような基礎本体3の根入れ深さ、即ち地表GLから基礎底版32の下面までの距離は、例えば、600mm程度に設定され、基礎底版32の厚さ寸法は、例えば、200mm程度に設定されている。また、地表GLから基礎立上り31の上端までの立上り寸法は、300mm程度に設定され、この基礎立上り31の上端に建物本体2の土台がアンカーボルト及び接合金物を介して連結されている。
透水層4は、複数の土嚢材40を積層して構成されるものであって、これらの土嚢材40は、平面寸法が400mmx400mm程度かつ厚さ寸法が100mm程度のものであり、基礎底版32の下側に四段積みされるとともに、基礎本体3の外側を囲んで地表GL付近まで九段積みされている。土嚢材40は、図中白抜き(ハッチングなし)で示す第一土嚢材41と、図中ハッチングを付して示す第二土嚢材42と、を備えて構成されている。第一土嚢材41は、透水層4の最下段であり根伐り底Bに敷き詰められるとともに、基礎本体3の外周部に沿った範囲であり基礎立上り31の下側及び周辺と、基礎梁34の下側とに積層されている。第二土嚢材42は、最下段の第一土嚢材41の上に積層されるとともに、外周部及び基礎梁34下の第一土嚢材41に囲まれた内側に設けられている。
第一土嚢材41は、例えば、ポリエチレン製等の透水性を有した織布で構成された土嚢袋にガラス片やガラス粒等の粒状物を詰めて構成されている。このような第一土嚢材41は、土嚢袋及び粒状物の両方が水を通すことから第一土嚢材41自体が透水性を有するとともに、積層した第一土嚢材41同士に適度な隙間が形成されることから、この隙間によっても透水性が得られるようになっている。また、第一土嚢材41は、基礎立上り31及び基礎梁34の下側であり杭体5の上側に積層されることから、建物本体2の鉛直荷重を杭体5及び地盤Gに伝達する荷重支持体として機能するようになっている。
第二土嚢材42は、例えば、ポリエチレン製等の透水性を有した織布で構成された土嚢袋に吸水性及び膨潤性を有した材料からなる粒状物を詰めて構成されている。ここで、吸水性及び膨潤性を有した材料としては、吸水した水を保持する保水性を有するとともに、膨潤することでゲル化して剛性が低下し、弾力及び粘性を有するものであり、各種の高分子物質を含む樹脂材料が利用可能である。このような第二土嚢材42は、土嚢袋が水を通し粒状物が吸水性及び膨潤性を有することから、地下水を吸水した状態で第二土嚢材42が弾力及び粘性を有した弾性体(粘弾性体)となり、透水層4を免震層として機能させるようになっている。
杭体5は、基礎本体3の平面形状に応じた範囲内においてX,Y方向に適宜な間隔で複数本が設けられており、具体的には、X方向に沿って4列、Y方向に沿って3列の計12本が設けられている。この杭体5は、図3に示すように、下方に向かって先細形状の外形を有した中空状の外殻部材51と、この外殻部材51の内部に充填された粒状物52と、を備えて構成されている。外殻部材51は、適宜な弾性を有した樹脂製の一体成形部材であって、下方に向かって先細に形成されかつ上方に向かって開口した円錐状の錐状部53と、錐状部53の上部に連続して外側に突出したフランジ部54と、を有し、錐状部53には、外殻部材51の内外を連通させる複数の通水孔55が形成されている。また、外殻部材51の内側には、透水性を有した不織布56が設けられている。この不織布56は、外殻部材51の内面に沿ったコーン状(円錐状)に成形されるか縫製されて形成され、外殻部材51の内側に圧入されている。外殻部材51としては、例えば、高さ寸法が1m〜1.8m程度であり、フランジ部54の平面寸法が500mm〜800mm角のものが利用できる。粒状物52は、第一土嚢材41の粒状物と同様に、適宜な大きさを有したガラス片やガラス粒等で構成されている。
以上の杭体5は、通水孔55を有した外殻部材51と粒状物52との両方が水を通すことから杭体5自体が透水性を有し、杭体5の上端部と透水層4とが連続して設けられていることから、杭体5内部に透過した水が透水層4へ送られ、透水層4を介して地表GLに排水できるように構成されている。この際、外殻部材51の内面に沿って不織布56が設けられていることから、粒状物52が外殻部材51の外に漏出せず、かつ、地盤Gの砂や泥が外殻部材51の内部に入ることがなく、通水孔55の目詰まりを防止することができ、杭体5の透水性が維持できるようになっている。
また、杭体5は、その先端が表層地盤よりも支持力の高い中間地盤G1に貫入して設けられ、基礎本体3及び透水層4を介して伝達された建物本体2の鉛直荷重を中間地盤G1に伝達することで、鉛直支持力が得られる。さらに、杭体5は、先細形状の外形を有していることから、地盤Gに鉛直荷重を伝達する際に、地盤Gを側方に押し広げて圧密することになり、これにより外殻部材51の外表面と地盤Gとの摩擦力によっても鉛直支持力が得られ、沈下が抑制されるようになっている。
以上のような基礎構造の施工手順について説明する。先ず、地盤Gを掘削して根伐り底Bを露出させ、この根伐り底Bにおいて、杭体5の設置位置に合わせて掘削孔Dを形成する。この掘削孔Dの形成方法としては、先細となったコーン状の掘削ヘッドを有した掘削機を用い、掘削ヘッドの先端を地盤Gに押圧貫入させる方法が好ましく、掘削ヘッドによって周辺地盤Gを圧密しつつ掘削孔Dを形成することで、杭体5の支持力を向上させることができる。次に、形成した掘削孔Dに不織布56を圧入した外殻部材51を挿入し、その内部に粒状物52を投入して充填する。この際、所定量の粒状物52を投入する度に適宜に締固めながら充填することが好ましい。以上のように外殻部材51の上部まで粒状物52を充填することによって杭体5の構築が完了する。
次に、杭体5の上側及び根伐り底Bの表面に第一土嚢材41を並べて透水層4の最下段を形成し、その上側の適宜な位置に第一土嚢材41及び第二土嚢材42をそれぞれ積層し、透水層4を形成する。この土嚢材40の積層作業は、人手によって行ってもよいし、適宜な装置あるいは重機を用いて行ってもよい。次に、透水層4の上側に基礎本体2を構築することで、基礎構造の施工が完了する。そして、構築した基礎本体2の上に建物本体2を構築して建物1を完成させる。
本実施形態によれば、透水層4と杭体5とが連続して形成され、通水孔55を有した中空状の外殻部材51とその内部に充填した粒状物52とで杭体5が構成されているので、地震時に地盤Gが液状化して地下水が上昇した場合であっても、杭体5内部を通して透水層4へ地下水を送って地表GLに排水することができる。従って、地下水による過大な浮力が基礎本体3に作用することを防止して、不均一な浮力による建物1の傾きを抑制することができるとともに、地盤G中に地下水が滞留することがなく、その腐敗や劣化を防止することができる。また、外殻部材51の内部に粒状物52を詰めて杭体5が構築されるので、安価かつ容易な施工手順で杭体5を構築することができ、施工コストの抑制と工期短縮とを図ることができる。
また、地震時に透水層4がせん断変形することで、基礎本体3と地盤Gとの間に生じる相対変位を透水層4のせん断変形によって吸収することができ、建物1の揺れを抑制させる免震効果を得ることができる。さらに、第二土嚢材42の粒状物が吸水性及び膨潤性を有することから、地下水を吸水した第二土嚢材42が弾力及び粘性を有した弾性体(粘弾性体)となり、透水層4の水平方向のせん断剛性を小さくすることができ、地震動を基礎本体3及び建物本体2に伝達しにくくできる。このような免震効果が得られることで、建物の耐震性能を向上させることができるとともに、地盤Gから伝達される交通振動を遮断することもでき、建物1の居住性を向上させることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、基礎本体3が基礎立上り31と基礎底版32とを有したべた基礎形式のものであったが、基礎本体としては、独立基礎形式や布基礎形式のものでもよい。また、前記実施形態では、透水層4が基礎本体3の全体と地盤Gとの間に設けられていたが、これに限らず、基礎本体の平面内において部分的に設けられていてもよく、その場合には部分的に設けた透水層に杭体が連続して設けられていればよい。また、前記実施形態では、土嚢材40の土嚢袋をポリエチレン製等の織布で構成したが、袋の材質等は特に限定されず、透水性を有したものであればよい。さらに、第一土嚢材41の粒状物に関しても、ガラス片やガラス粒等で構成されるものに限らず、砕石や樹脂製粒状物などの任意の材料を利用することが可能である。これと同様に、杭体5の粒状物52に関しても、砕石や樹脂製粒状物などの任意の材料を利用することが可能である。また、杭体5の外殻部材51は、円錐状の錐状部53を有したものに限らず、錐状部が角錐状であってもよいし、円錐台状や角錐台状であってもよい。
1 建物
2 建物本体(上部構造)
3 基礎本体
4 透水層
5 杭体
40 土嚢材
41 第一土嚢材
42 第二土嚢材
51 外殻部材
52 粒状物
53 錐状部
54 フランジ部
55 通水孔

Claims (5)

  1. 建物の上部構造と連結される基礎本体と、
    前記基礎本体と地盤との間に設けられる透水層と、
    前記透水層から下方の地盤中に進入して延びる複数の杭体と、を備え、
    前記杭体は、下方に向かって先細形状の外形を有した中空状の外殻部材と、該外殻部材の内部に充填された粒状物と、を備え、前記外殻部材には、その内外を連通させる複数の通水孔が形成されていることを特徴とする基礎構造。
  2. 前記外殻部材は、下方に向かって先細に形成されかつ上方に向かって開口した円錐状又は角錐状の錐状部と、該錐状部の上部に連続して外側に突出したフランジ部と、を一体に有して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記杭体は、地盤に設けた掘削孔に圧入され、周辺地盤を圧密した状態で設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎構造。
  4. 前記透水層は、複数の土嚢材を積層して構成され、
    前記土嚢材は、透水性を有した所定寸法の土嚢袋に粒状物を詰めて構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の基礎構造。
  5. 前記複数の土嚢材は、少なくとも前記基礎本体の外周部に沿って設けられる複数の第一土嚢材と、該第一土嚢材で囲まれた内側に所定数設けられる第二土嚢材と、を有して構成され、
    前記第二土嚢材の前記土嚢袋内部に詰められる粒状物は、吸水性及び膨潤性を有した材料から構成されていることを特徴とする請求項4に記載の基礎構造。
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