以下、本発明について、詳しく説明する。
本発明のネガ型レジスト材料において、(A)成分のベース樹脂は、下記式(1)で示される構造単位を有するオルガノポリシロキサン変性ノボラック樹脂である。
(式中、R
1は側鎖構造がハロゲン原子、アルコキシ基等で置換されたもしくは非置換の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基等の脂肪族1価炭化水素基又はアリール基等の芳香族1価炭化水素基であるオルガノポリシロキサン残基であり、R
2は水素原子又は炭素数1〜4のハロゲン原子、アルコキシ基等で置換されたもしくは非置換のアルキル基である。*は結合手を示す(以下、同じ)。)
この場合、上記式(1)のオルガノポリシロキサン変性ノボラック樹脂を得るための原料の一つであるノボラック樹脂は、アリル基を有するフェノールを原料として用いたノボラック樹脂であり、アリル基を有するフェノールとしては、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、6−メチル−2−アリルフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール等が挙げられ、中でも2−アリルフェノール等を好適に用いることができる。このアリル基を有するフェノールは、ノボラック樹脂を構成する全フェノール類中の1〜40質量%であり、好ましくは2〜25質量%である。
なお、その他のフェノール原料としては、公知のフェノール類を原料とすることができ、例えば、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、6−tert−ブチル−3−メチルフェノールなどのアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−プロポキシフェノールなどのアルコキシフェノール類、o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノールなどのイソプロペニルフェノール類、4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロールなどのポリヒドロキシフェノール類、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン類などを挙げることができる。これらのフェノール類の中で、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノールを原料とすることが特に好ましい。これらのフェノール類に対し、公知の手法を用いることによって、ノボラック樹脂を得ることができる。即ち、アリル基含有フェノール樹脂の合成方法については、公知である重合法を用いることができ、一般には、フェノール類/アルデヒド類の仕込みモル比が1/0.8〜1.0の条件で、酸触媒を分割添加し、反応終了後、水(原料中の水と縮合水)を減圧で除くことにより、目的とする樹脂を得ることができるが、この方法に限定されない。
得られたノボラック樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリヒドロキシスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは2,000〜50,000であり、より好ましくは3,000〜20,000である。
上記のアリル基含有フェノール樹脂をオルガノポリシロキサン変性するには、上記のようにして得られたノボラック樹脂中に含まれる側鎖のアリル基に付加するSiH基を有するオルガノポリシロキサンを用いればよく、好ましくは下記式(2’)で示される構造の化合物を用いることができ、これにより上記式(1)において、R1が下記式(2)で示されるオルガノポリシロキサン変性ノボラック樹脂が得られる。
(式中、X、Y、Zは、それぞれ下記式(3)
で示される基である。R
3〜R
5はそれぞれ独立して炭素数1〜10のハロゲン原子、アルコキシ基等で置換されたもしくは非置換のアルキル基、アリール基等の1価炭化水素基である。R
6、R
7はそれぞれ独立して炭素数1〜10の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、Meはメチル基である。m、nはそれぞれ0以上の整数である。但し、X、Y、Zのうち少なくとも1種は0<m+n≦1,000、好ましくは10≦m+n≦200の整数から選ばれ、残りの2種は0≦m+n≦1,000、好ましくは0≦m+n≦200の整数から選ばれる。*は結合手を示す。)
上記式(2’)で示される化合物として具体的には、下記式(3’)〜(5’)で示されるものが例示され、これら化合物は、そのSiH基がアリル基と反応し、式(1)におけるR
1が下記式(3’)〜(5’)よりSiH基の水素原子が脱離した基となる。
(上記式中、R
xはR
3、R
4、R
5のいずれかを示し、j、k、pはそれぞれm+nであり、R
yは炭素数1〜4の1価炭化水素基、sは0〜5の整数である。)
なお、上記式(2’)、更には式(3’)〜(5’)で示される分子内にヒドロシリル基を一つのみ有するオルガノポリシロキサンは、ノボラック樹脂のアルケニル基の当量をE、ヒドロシリル基の当量をFとした場合、0.05≦F/E≦1.5、特に0.1≦F/E≦1.0で反応させることが好ましい。F/Eが0.05未満だと、十分な可撓性が得られず、1.5を超えると、過剰の未反応のシロキサンが残存するため、保存安定性が低下してしまい、好ましくない。
このアリル基を有するノボラック樹脂と式(2’)で示されるオルガノポリシロキサンとの付加反応(ヒドロシリル化反応)については、有機溶剤中で行われる。この際用いることができる有機溶剤は、両成分を溶解し、均一な溶液となる溶剤であれば、特段制約はないが、例示するなら、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルペンチルケトン等のケトン類を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。その溶剤量については、原料となるノボラック樹脂100質量部に対し、1〜500質量部、好ましくは2〜200質量部である。
そして、両成分を均一に溶解した溶液に、従来公知の付加触媒、例えば、有機過酸化物、紫外線、第三級アミン、ホスフィン、及び白金、パラジウム、ロジウム系の遷移金属系化合物等が使用できる。その中でも好ましくは、塩化白金酸のような白金系触媒を挙げることができる。触媒添加後、通常40〜140℃、好ましくは60〜120℃の反応温度、0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間の反応時間によって、フェノール基の側鎖のアリル基が部分的にオルガノポリシロキサンで変性されたノボラック樹脂を得ることができる。
なお、上記式(1)の構造単位は、全ノボラック樹脂中に1〜40質量%含有することが好ましく、より好ましくは3〜35質量%である。式(1)の構造単位がノボラック樹脂中に1質量%未満であるとシロキサンの効果を得ることができず、40質量%を超えると撥水性が強くなるため、現像性が低下し、好ましくない場合がある。
次に、本発明で用いられるネガ型レジスト材料における(B)成分の光酸発生剤としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
スルホニウム塩としては、スルホニウムカチオンとスルホネートの塩が挙げられる。スルホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、ヨードニウムカチオンとスルホネートの塩が挙げられる。ヨードニウムカチオンとしては、例えば、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンが挙げられ、スルホネートとしては、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
スルホニルジアゾメタンとしては、例えば、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニルカルボニルジアゾメタンが挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、例えば、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格と、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、例えば、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、例えば、ピロガロール、フロログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てを、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、例えば、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
スルホン型光酸発生剤の例としては、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤としては、例えば、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキシルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
なお、本発明のネガ型レジスト材料に好ましく用いられる光酸発生剤は、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミドである。
また、上記ネガ型レジスト材料に用いられる、発生する酸の最適なアニオンは異なるが、一般的には揮発性がないもの、極端に拡散性の高くないアニオンが選ばれる。この場合、好適なアニオンは、例えば、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンである。
上記光酸発生剤の添加量としては、感度かつ解像度の観点から、オルガノポリシロキサン変性されたノボラック樹脂(ベース樹脂)100質量部に対して1〜25質量部、好ましくは1〜15質量部である。上記光酸発生剤は単独で又は2種以上混合して用いることができる。なお、酸発生剤が1質量部未満では、十分な感度が得られず、25質量部を超えると発生した酸がコントロールできなくなり、好ましくない場合がある。
更に、露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
次に、本発明で用いられるネガ型レジスト材料における(C)成分の架橋剤としては、ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたアミノ縮合物、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を有するフェノール化合物、及び1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
上記ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたアミノ縮合物としては、例えばホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたメラミン縮合物、又はホルマリン又はホルマリン−アルコールより変性された尿素縮合物が挙げられる。上記ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたメラミン縮合物の調製は、例えば、まず公知の方法に従ってメラミンモノマーをホルマリンでメチロール化して変性、又はこれを更にアルコールでアルコキシ化して変性して、下記一般式(6)で示される変性メラミンが挙げられる。なお、上記アルコールとしては、低級アルコール、例えば炭素数1〜4のアルコールが好ましい。
(式中、R
8は同一でも異なってもよく、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基を含むアルコキシメチル基、又は水素原子であるが、少なくとも1つはメチロール基又は上記アルコキシメチル基である。)
上記R8としては、例えば、メチロール基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、及び水素原子等が挙げられる。上記一般式(6)の変性メラミンとして、具体的にはトリメトキシメチルモノメチロールメラミン、ジメトキシメチルモノメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン等が挙げられる。
次いで、一般式(6)の変性メラミン又はこの多量体(例えば二量体、三量体等のオリゴマー体)を、常法に従って、ホルムアルデヒドと所望の分子量になるまで付加縮合重合させることにより、ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性されたメラミン縮合物が得られる。
また、上記ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性された尿素縮合物の調製は、例えば公知の方法に従って、所望の分子量の尿素縮合物をホルマリンでメチロール化して変性し、又はこれを更にアルコールでアルコキシ化して変性する。
上記ホルマリン又はホルマリン−アルコールにより変性された尿素縮合物の具体例としては、例えば、メトキシメチル化尿素縮合物、エトキシメチル化尿素縮合物、プロポキシメチル化尿素縮合物等が挙げられる。なお、これら変性メラミン縮合物及び変性尿素縮合物の1種又は2種以上を混合して使用することもできる。また、1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチロール基を有するフェノール化合物としては、例えば(2−ヒドロキシ−5−メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール、2,2’,6,6’−テトラメトキシメチルビスフェノールA等が挙げられる。なお、これらフェノール化合物の1種又は2種以上を、架橋剤として使用することができる。
更に、1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂及びその重合物、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの架橋剤の中で特に変性メラミン縮合物及び変性尿素縮合物が、反応を制御しやすく、好適に用いることができる。
なお、上記架橋剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の添加量については、オルガノポリシロキサン変性されたノボラック樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部で好適に用いることができる。添加量が0.1質量部未満であると本発明の効果を得ることが困難な場合があり、50質量部を超える添加量では、樹脂の反応が進みすぎて、保存安定性が悪化する場合がある。
本発明で用いられる(D)成分の有機溶剤としては、例えば酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3−メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3−エトキシエチルプロピオネート、3−エトキシメチルプロピオネート、3−メトキシメチルプロピオネート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ジアセトンアルコール、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましいものは、ジプロピレングリコールアルキルエーテル、乳酸アルキルエステルである。これらの溶剤は単独でも2種以上混合してもよい。
本発明に用いることができる有機溶剤の添加量は、オルガノポリシロキサン変性されたノボラック樹脂100質量部に対し、20〜2,000質量部、好ましくは40〜200質量部である。
本発明のネガ型レジスト材料は、必要に応じ、塩基性化合物を添加することができる。本発明で用いられるレジスト材料における塩基性化合物は、光酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適する。そして、上記塩基性化合物の添加により、レジスト層中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制し、基板や環境依存性を少なくし、露光条件の余裕度やレジストパターン形状等を向上することができる。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えば、ジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えば、ピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えば、オキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えば、チアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えば、ピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えば、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えば、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えば、キノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシル基を有する含窒素化合物としては、例えば、アミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えば、ニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン等)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として、3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、ヒドロキシル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
更に、下記一般式(7)で示される塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を添加することもできる。
N(X)n(Y)3-n (7)
式(7)中、n=1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(8)〜(10)で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基(−O−)もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。ここでR300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。R303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
上記一般式(7)で表される化合物は、具体的には下記に例示される。トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンを例示できるが、これらに制限されない。
なお、本発明で用いられるレジスト材料における塩基性化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その添加量は、高感度化の観点から、添加する場合には、レジスト材料中の高分子化合物100質量部に対して0.01〜2質量部、特に0.01〜1質量部を混合したものが好適である。
本発明のネガ型レジスト材料は、塗布性を向上するための界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352((株)トーケムプロダクツ製)、メガファックF171,F172,F173(DIC(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−381,S−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106、サーフィノールE1004,KH−10,KH−20,KH−30,KH−40(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341,X−70−092,X−70−093,X−70−1102(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系又はメタクリル酸系ポリフローNo.75,No.95(共栄社化学(株)製)が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。本発明中に用いる界面活性剤の添加量としては、オルガノポリシロキサン変性されたノボラック樹脂100質量部に対して3質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
更に、本発明では、必要に応じて、染料、溶解促進剤、密着向上剤、安定化剤など、公知の添加剤を含むことができる。
本発明のレジスト材料を用いたレジストパターン形成方法は、常法であれば特に限定されるものでない。Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG等の基板に加え、Au、Ti、W、Cu、Ni−Fe、Ta、Zn、Co、Pb等の金属基板、有機反射防止膜等の基板上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターブレードコート等の適当な塗布方法により、所望の膜厚になるよう塗布し、ホットプレート上で60〜150℃,1〜10分間、好ましくは80〜120℃,1〜5分間プリベークする。次いで、紫外線、遠紫外線、電子線等から選ばれる光源、好ましくは200〜500nmの露光波長で目的とするパターンを所定のマスクを通じて露光を行う。露光量は1〜1,000mJ/cm2程度、好ましくは10〜800mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。ホットプレート上で60〜150℃,1〜5分間、好ましくは80〜120℃,1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。
更に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜60分間、好ましくは0.5〜10分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法で現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。次いで、金属膜をスパッタリング法、蒸着法等により形成した後、レジストパターンと該パターン上の金属膜を一緒に剥離して、基板上に金属配線を形成すればよい。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
ベース樹脂の合成
[合成例1]
コンデンサー、撹拌機を付けた1Lの四つ口フラスコに、m−クレゾール/p−クレゾール/2−アリルフェノール=36/54/10(質量比)からなる重量平均分子量(GPC)が4,500であるノボラック樹脂50gとシクロペンチルメチルエーテル150gを入れ、更に下記ポリシロキサン34gを添加後、60℃に加熱し、塩化白金酸0.5質量%のイソプロパノール溶液0.08gを加えた。
その後、90℃で4時間の反応を行い、ストリップにて脱溶剤後、固形分を回収した。得られた樹脂の重量平均分子量(GPC)は7,200で、その樹脂の1H−NMRを測定し、目的とする化合物の合成を確認した。オルガノポリシロキサン変性ノボラック樹脂は、ノボラック樹脂中約10質量%であった。
[合成例2]
コンデンサー、撹拌機を付けた1Lの四つ口フラスコに、合成例1と同じノボラック樹脂50gとシクロペンチルメチルエーテル1,500gを入れ、更に下記ポリシロキサン195gを添加後、60℃に加熱し、塩化白金酸0.5質量%のイソプロパノール溶液0.40gを加えた。
その後、90℃で4時間の反応を行い、ストリップにて脱溶剤後、固形分を回収した。得られた樹脂の重量平均分子量(GPC)は9,300で、実施例1と同様に1H−NMRを測定し、目的とする化合物の合成を確認した。
[合成例3]
コンデンサー、撹拌機を付けた1Lの四つ口フラスコに、合成例1と同じノボラック樹脂50gとシクロペンチルメチルエーテル150gを入れ、更に下記ポリシロキサン9.0gを添加後、60℃に加熱し、塩化白金酸0.5質量%のイソプロパノール溶液0.08gを加えた。
その後、90℃で4時間の反応を行い、ストリップにて脱溶剤後、固形分を回収した。得られた樹脂の重量平均分子量(GPC)は5,300で、実施例1と同様に1H−NMRを測定し、目的とする化合物の合成を確認した。
[実施例1〜10]
下記表1の配合比のレジストサンプルを作製した。
なお、酸発生剤及び架橋剤は下記の化合物を使用した。
溶剤:PMA(プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト)
得られた実施例1〜10の高分子化合物に、トリエタノールアミン0.05質量部、界面活性剤X−70−093(信越化学工業(株)製)を0.01質量部になるように添加し、均一になったのを確認後、1μmのガラスフィルターでろ過を行った。得られたろ液は、スピンコーターを用いて約200nmのCuスパッタ層が形成された基板上に30μmの厚みとなる回転数で塗布を行い、プリベーク120℃/120秒後、i線ステッパー((株)ニコン製、NSR−2205i11D)を用いて露光を行い、その後、PEB=100℃/120秒した後、TMAH=2.38質量%の現像液を用いて、50秒間×10回の現像を行った。また、現像後のレジスト膜の厚みを確認し、塗布後の得られた基板上に形成されたレジスト膜上の30μmのラインとスペースの繰り返しパターンについて、電子顕微鏡((株)日立ハイテクフィールディング製、S−4100)を用いて確認し、ラインとスペースの幅が1:1となる最適露光量を算出し、その露光量をEopとした。得られた結果を表2に示す。
残膜率の算出は、以下の式で行った。
残膜率(%)=(現像後レジスト膜厚)/(プリベーク後レジスト膜厚)
なお、それぞれの膜厚は、光干渉式膜厚計で測定を行った。
[比較例1〜6]
次に、m−クレゾール/p−クレゾール/2−アリルフェノール=36/54/10(質量比)からなる重量平均分子量が4,500であるノボラック樹脂(樹脂A)、m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)からなる重量平均分子量が8,000であるノボラック樹脂(樹脂B)、及びm−クレゾール/p−クレゾール=40/60(質量比)からなる重量平均分子量が4,000であるノボラック樹脂(樹脂C)を用いて、下記表3に示す組成で、実施例と同様の手法を用いてEop、残膜率を確認した。その結果を表4に示す。
次いで、全ての実施例と比較例についてのメッキパターン評価として、ドライエッチング装置(日電アネルバ(株)製:DEM−451)を用い、100Wにて30秒間レジストパターン及び基板表面を酸素プラズマにてアッシングし、3質量%硫酸水に30秒間浸漬した。その後、Cuメッキ液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製:ミクロファブCu200)に浸漬し、25℃において60分間定電流を流してCuメッキを行い、厚さ28μmのCuを積層した。次に、電解メッキ後の基板表面を純水にて流水洗浄を行い、窒素ブローを行って基板表面を乾燥させた。その基板表面を光学顕微鏡にて観察し、パターン上にクラックが発生していないか確認した。耐クラック性においては、次に示すレジストパターン上の特にクラックが発生しやすい図1に示すコーナー部分4,500ポイントを観察し、発生したクラックの数をカウントすることにより、その数が4,500ポイント中100ポイント未満であることが耐クラック性に富んでいるものと判断し、評価結果を表5に示す。
なお、図1において、Aが30箇所のクラック確認部分であり、この確認部分は50μm〜10μmのパターン幅についてそれぞれあるから、1ショット分Bの確認箇所は合計で30×5=150箇所である。そして、30ショットCにおいて確認したので、確認箇所は合計で150×30=4,500箇所である。