JP6112884B2 - 樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主に容器包装リサイクル法に基づき回収されたプラスチック製の容器包装材料を用いた、溶融時の流動性に優れる樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法に関する。
容器包装リサイクル法の施行により、家庭から出るゴミの約6割(容積比)を占めるプラスチック製の容器包装ゴミを回収し、資源として有効利用することが定められている。プラスチック製の容器包装ゴミは、洗浄、分別及び破砕された後に比重分離されることによりポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの比重が小さいポリオレフィン系樹脂の混合物が分離され、このようにして得られた混合物は「容器包装リサイクル材」とも言われ、新たな成形品の原料として再利用される(特許文献1)。分別工程や比重分離工程において不純物を完全に取り除くことは難しく、したがって容器包装リサイクル材には、通常、ポリオレフィン系樹脂の他にもポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂が少量含まれる。
しかしながら、上述した容器包装リサイクル材の主成分となるポリオレフィン系樹脂の多くは容器包装ゴミに含まれるレジ袋や商品を包むための包装用フィルムなどから得られたものである。レジ袋や包装用フィルムは薄くても丈夫であることが必要とされることから、これらの材料としては高密度ポリエチレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂などの分子量が高いポリオレフィン系樹脂が用いられる。このような分子量が高いポリオレフィン系樹脂は溶融時の流動性が悪く、結果として容器包装リサイクル材の流動性も悪くなる。
また、容器包装リサイクル材を用いてなる成形体の機械的強度が低いため、容器包装リサイクル材は再生資源として利用される率が未だ低い。
そこで、特許文献1では、容器包装リサイクル材を用いてなる成形体の厚みを厚くすることによって、成形体の機械的強度を確保する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、依然として容器包装リサイクル材を薄い成形体の成形に用いることができていない。
また、特許文献2では、容器包装リサイクル材にタルクやガラス繊維などの無機物を添加することによって、得られる成形体の機械的強度を向上させる方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、成形体の機械的強度を十分に確保するために無機物を多量に添加しなければならず、無機物を含む容器包装リサイクル材の流動性の低下、成形体の比重や材料コストの増大を招くという問題がある。
特開2010−209604号公報 特開2004−231873号公報
したがって、本発明の課題は、溶融時に優れた流動性を有し、優れた機械的強度を有する成形体を提供することができ、容器包装リサイクル材の新規な用途を提供することが可能な樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法を提供することである。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部、及びメルトフローレイトが40g/10分以上であるホモポリプロピレン5〜20重量部を含むことを特徴とする。
(原料組成物)
本発明に用いられる原料組成物は、容器包装リサイクル材を用いることにより得られるものである。なかでも、原料組成物は、包装に用いられた合成樹脂フィルムを原料として得られたものであるのが好ましい。包装に用いられた合成樹脂フィルムとしては、レジ袋などの合成樹脂袋、及び合成樹脂からなる包装フィルムなどが挙げられる。容器包装リサイクル材、特に包装に用いられた合成樹脂フィルムを用いることにより得られる原料組成物は流動性が低く、本発明による効果を特に発揮できる。
容器包装リサイクル材を用いてなる原料組成物は、一般的に主成分としてポリオレフィン系樹脂を含む他に、少量の塩素含有樹脂を含む。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などのポリエチレン系樹脂、及びプロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂が挙げられる。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、一種のみが用いられてもよいが、通常は複数種のものが混合して用いられる。
原料組成物におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、原料組成物の全量に対して、通常は50重量%以上であるが、原料組成物の流動性が低くなり、本発明による効果を特に発揮できることから、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95〜99.99重量%である。
また、原料組成物には、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンなどの塩素原子を分子中に含んでいる塩素含有樹脂も含まれる。原料組成物における塩素含有樹脂の含有量は、原料組成物の全量に対して、一般的には0.01〜3.0重量%である。
原料組成物は、上述したポリオレフィン系樹脂及び塩素含有樹脂の他にも、完全に除去することが困難な不可避的不純物が含まれ得る。不可避的不純物としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂、無機物(例えば、金属)が挙げられる。原料組成物における不可避的不純物の含有量は、原料組成物の全量に対して、一般的に0〜5重量%、特に0〜2重量%である。
また、原料組成物として用いられる容器包装リサイクル材は、自治体が回収したプラスチックゴミに分別、洗浄、破砕及び比重分離などの前処理を行った後、さらに造粒工程を行うことによりペレット状、減容品状(破砕品を圧縮し固形化)など所定の形状に成形されていてもよい。
(ホモポリプロピレン)
本発明の樹脂組成物は、メルトフローレイト(MFR)が40g/10分以上であるホモポリプロピレンを含んでいる。
ホモポリプロピレンのMFRは、40g/10分以上に限定される。MFRが40g/10分以上であるホモポリプロピレンを用いることにより、樹脂組成物の溶融時における流動性を十分に向上することができる。一方、ホモポリプロピレンのMFRが高過ぎると、溶融混練時に樹脂組成物中でホモポリプロピレンが相分離して、各成分を均一に分散させることが困難となり、したがって、得られる成形体において機械的強度などの物性値にバラツキが発生する恐れがある。そのため、ホモポリプロピレンのMFRは、40〜100g/10分が好ましく、40〜70g/10分がより好ましい。
なお、本発明において、ホモポリプロピレンのMFRは、JIS K7210に準拠して230℃、荷重21.18Nで測定した値を意味する。
樹脂組成物中におけるホモポリプロピレンの含有量は、原料組成物100重量部に対して、5〜20重量部に限定されるが、10〜20重量部がより好ましい。ホモポリプロピレンの含有量が低過ぎると、樹脂組成物の溶融時における流動性を向上することができない恐れがある。また、ホモポリプロピレンの含有量が高過ぎると、樹脂組成物を用いてなる成形体の機械的強度が低下する恐れがある。
(有機系結晶核剤)
本発明の樹脂組成物は、有機系結晶核剤を含有していることが好ましい。有機系結晶核剤を用いることによって、樹脂組成物を用いてなる成形体の比重を増大させずに機械的強度を向上させることができる。
樹脂組成物中における有機系結晶核剤の含有量は、原料組成物100重量部に対して、0.1〜2重量部が好ましく、0.5〜1.5重量部がより好ましい。有機系結晶核剤の含有量が低過ぎると、樹脂組成物を用いてなる成形体の機械的強度を十分に向上できない恐れがある。有機系結晶核剤の含有量が高過ぎると、樹脂組成物を用いてなる成形体の機械的強度をかえって低下させる恐れがある。
有機系結晶核剤としては、ジベンジリデンソルビトール、及びジメチルベンジリデンソルビトールなどのソルビトール系誘導体;安息香酸ナトリウムなどの安息香酸金属塩;ヒドロキシ−オキソ−テトラ−ブチル−ジベンゾ−ペルヒドロジオキサホスファシンのナトリウム塩などのリン酸エステル金属塩;脂肪酸エステル化合物が挙げられる。なかでも、リン酸エステル金属塩及び脂肪酸エステル化合物が好ましい。これらの有機系結晶核剤は、ホモポリプロピレンとの相溶性に優れ、溶融時の樹脂組成物の流動性を向上できると共に、樹脂組成物を用いてなる成形体の機械的強度も向上できる。なお、有機系結晶核剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
脂肪酸エステル化合物は、脂肪酸とアルコールとのエステル化合物である。脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、及びノナデカン酸などの炭素数が12〜19の直鎖状飽和脂肪酸が好ましく挙げられる。アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールなどの多価アルコールが好ましく挙げられる。
なかでも、脂肪酸エステル化合物としては、脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、グリセリンモノ脂肪酸エステルがより好ましく、グリセリンモノステアレートが特に好ましい。
(無機系充填材)
本発明の樹脂組成物によれば、無機系充填材を含んでいなくても、容器包装リサイクル材を用いてなる成形体の機械的強度を十分に向上させることができる。しかしながら、成形体の機械的強度をさらに向上させるために、樹脂組成物は少量であれば無機系充填材を含んでいてもよい。
無機系充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(カオリン、タルクなど)、ケイ酸(珪藻土、軽質無水ケイ酸、ホワイトカーボンなど)、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維などが挙げられる。なかでも、成形体の機械的強度を向上させるためには、タルクが好ましい。
樹脂組成物中における無機系充填材の含有量は、原料組成物100重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。無機系充填材の含有量が低過ぎると、無機系充填材の添加によって得られる効果が十分ではない恐れがある。また、無機系充填材の含有量が高過ぎると、溶融時の樹脂組成物の流動性を低下させると共に、樹脂組成物を用いてなる成形体の比重や製造コストを増大させる恐れがある。
本発明の樹脂組成物は、溶融時の流動性に優れることから厚さが薄く且つ様々な形状に成形することができる。また、本発明の樹脂組成物は、無機系充填材を含んでいないか、又はその含有量を低減することができるので、成形体の比重や製造コストを増大させずに成形体の機械的強度を向上させることができる。
さらに、本発明の樹脂組成物によれば、曲げ弾性率及び曲げ強度などの剛性、引張強度、衝撃強度などの機械的強度に優れる成形体を提供することができる。成形体において剛性及び引張強度と、衝撃強度とは相反する特性を示すため両立させることが難しいが、本発明の樹脂組成物によれば、剛性、引張強度、及び衝撃強度がいずれも優れており、剛性及び引張強度と衝撃強度とが両立された成形体を提供することができる。
したがって、本発明の樹脂組成物によれば、様々な用途に用いられる成形体を製造することができ、容器包装リサイクル材の用途を大幅に広げることができる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる成形体は、厚さを薄くしても、具体的には1〜4mmの厚さとしても、優れた機械的強度を有する。
本発明の成形体の用途としては、例えば、コンテナ、パレットなどの産業用品、医療廃棄物用ペールなどの衛生用品の他、雨水貯留設備用貯水空間形成部材、自動車部品、電気製品部品、電子製品用品、建築設備部材、各種容器、日用品、及び生活雑貨などが挙げられる。
本発明の成形体は、特に、剛性、引張強度、及び衝撃強度などの機械的強度に優れていることから、雨水貯留設備用貯水空間形成部材、自動車部品、電気製品部品、電子製品用品、建築設備部材などの、極めて優れた機械的強度を有していることが必要とされる部材として好ましく用いられる。
雨水貯留設備用貯水空間形成部材の一例としては、例えば、特開2011−52400号公報における雨水貯留浸透槽に用いられる樹脂性構造物(図4に示されている樹脂性構造物31)、特開2011−32695号公報における雨水地中浸透施設に用いられる貯水空間形成部材(図4に示されている貯水空間形成部材50)、及び特開2010−185224号公報における雨水流出抑制施設に用いられる貯水空間形成部材(図4に示されている貯水空間形成部材50)などが挙げられる。自動車部品としては、例えば、ドアトリム、サイドモール、フェンダー、オーバーフェンダー、サイドシルガーニッシュ、バンパースカート、スポイラー、マッドガード、インナーパネル、ピラー、インストルメントパネル、及びバンパーなどが挙げられる。また、建築設備部材としては、足場部材、及びコンクリート型枠部材などが挙げられる。
なかでも、本発明のポリプロピレン系樹脂成形体は、優れた衝撃強度、曲げ強度及び曲げ弾性率を有していることから、雨水貯留設備用貯水空間形成部材として好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物の成形方法としては、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、及び紡糸などの方法が挙げられるが、本発明の樹脂組成物は流動性に優れることから従来の容器包装リサイクル材では適用が困難であった射出成形に用いられるのが好ましい。
本発明の成形体は、上述した樹脂組成物を溶融混練した後に金型内に射出して成形する方法によって製造することができる。すなわち、本発明の成形体の製造方法としては、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部、及びメルトフローレイトが40g/10分以上であるホモポリプロピレン5〜20重量部を含む樹脂組成物を溶融混練した後に金型内に射出して成形する方法を用いることができる。
原料組成物中ではポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などが相溶せずに双方が島状となって存在している。このような原料組成物とメルトフローレイトが40g/10分以上であるホモポリプロピレンとを溶融混練することによって、原料組成物中で島状に存在していたポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂の界面にホモポリプロピレンが流れ込み、樹脂組成物の流動性を向上させることができる。さらに、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂の界面に流れ込んだホモポリプロピレンは、最終的に得られる成形体の機械的強度を向上させることもできる。したがって、本発明の方法によれば、原料組成物として容器包装リサイクル材を用いたとしても、薄く且つ機械的強度に優れている成形体を製造することができる。
本発明の方法において、溶融混練時の樹脂組成物の温度は、190〜230℃が好ましく、200〜220℃がより好ましい。溶融混練時の樹脂組成物の温度が低過ぎると、樹脂組成物中に含まれている各成分を均一に混合できない恐れがある。また、溶融混練時の樹脂組成物の温度が高過ぎると、溶融混練時に樹脂組成物に含まれる塩素含有樹脂が熱分解して塩素ガスや塩化水素ガスが発生する恐れがある。
また、樹脂組成物は、所定量の有機系結晶核剤をさらに含んでいることが好ましく、無機系充填材をさらに含んでいてもよい。なお、上記方法に用いられる原料組成物、ホモポリプロピレン、有機系結晶核剤、及び無機系充填材については、上述した通りである。
樹脂組成物を調製する際に各成分の混合順序は特に制限されない。例えば、原料組成物及びホモポリプロピレンを予め溶融混練することにより混合物(I)を得、この混合物(I)に必要に応じて有機結晶核剤又は無機系充填材を順次添加して溶融混練する方法;ホモポリプロピレン及び有機結晶核剤を予め溶融混練することにより混合物(II)を得た後、この混合物(II)及び原料組成物を溶融混練する方法などが好ましく挙げられる。
溶融混練した樹脂組成物は、射出成形機の金型のキャビティ内に射出充填した後、冷却、固化させることにより、所定の形状を有する成形体に成形することができる。
本発明の樹脂組成物によれば、原料組成物として容器包装リサイクル材を用いたとしても溶融時に優れた流動性を発揮し、これにより薄く且つ優れた機械的強度を有する成形体を提供することが可能となる。したがって、本発明によれば、容器包装リサイクル材の用途を広げて、再生資源としての利用率を向上させることができる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1〜、比較例1〜
原料組成物1(容器包装リサイクル材1、組成:ポリエチレン系樹脂60重量%、ポリプロピレン系樹脂38重量%、ポリ塩化ビニル0.1重量%、及び不可避的不純物1.9重量%)、ホモポリプロピレン(MFR45g/10分)、有機系結晶核剤としてグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製 製品名「リケマール H−100」)、及びタルク(日本タルク株式会社製 製品名「微粉タルク P−6」)を、それぞれ表1に示した配合量で、射出成形機のシリンダー内で220℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。このプロピレン系樹脂組成物を溶融させた状態で金型のキャビティ内に、射出速度80mm/秒、射出圧力130MPa、射出時間5秒で射出充填した後、冷却して固化させることにより成形体(厚み2mm)を得た。
[実施例10、比較例12
原料組成物2(容器包装リサイクル材2、組成:ポリエチレン系樹脂40重量%、ポリプロピレン系樹脂59重量%、ポリ塩化ビニル0.1重量%、及び不可避的不純物0.9重量%)、ホモポリプロピレン(MFR45g/10分)、リン酸エステル金属塩(ヒドロキシ−オキソ−テトラ−ブチル−ジベンゾ−ペルヒドロジオキサホスファシンのナトリウム塩、アデカ株式会社製 製品名「NA11」)、及びタルク(日本タルク株式会社製 製品名「微粉タルク P−6」)を、それぞれ表2に示した配合量で、射出成形機のシリンダー内で220℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。このプロピレン系樹脂組成物を溶融させた状態で金型のキャビティ内に、射出速度90mm/秒、射出圧力120MPa、射出時間4秒で射出充填した後、冷却して固化させることにより成形体(厚み2mm)を得た。
[評価]
上記で作製した成形体の機械的強度を評価するため、成形体について、曲げ弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度、及び衝撃強度を下記の要領に従って評価した。また、上記で調製した樹脂組成物の流動性を下記の要領に従って評価した。これらの結果を表1及び2に示す。
(曲げ弾性率及び曲げ強度)
成形体から80mm(縦)×10mm(横)の大きさの試験片を切り出し、この試験片について、JIS K7171に準拠して、23℃における曲げ弾性率(MPa)及び曲げ強度(MPa)を測定した。そして、試験片を5個用意し、各試験片の曲げ強度及び曲げ弾性率それぞれ測定し、これらの相加平均値をそれぞれ成形体の曲げ強度及び曲げ弾性率とした。
(引張強度)
成形体を切断することによりJIS K7113に準拠した2号試験片(ダンベル形状試験片)を得、この試験片の引張強度(MPa)をJIS K7113に準拠して測定した。そして、上記と同様の手順に従って、試験片を5個用意し、各試験片の引張強度を測定し、これらの相加平均値を成形体の引張強度とした。
(衝撃強度)
成形体から80mm(縦)×10mm(横)の大きさの試験片を切り出し、この試験片のシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を、JIS K7111に準拠した方法により測定した。
(流動性)
樹脂組成物のメルトフローレイト(MFR[g/10分])を、JIS K7210に
準拠して、230℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
Figure 0006112884
Figure 0006112884

Claims (5)

  1. 少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、ポリ塩化ビニルを含有する塩素含有樹脂0.01〜3.0重量%とを含む原料組成物100重量部、及びメルトフローレイトが40〜100g/10分であるホモポリプロピレン10〜20重量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 有機系結晶核剤を、原料組成物100重量部に対して、0.1〜2重量部含んでいることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
  4. 少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、ポリ塩化ビニルを含有する塩素含有樹脂0.01〜3.0重量%とを含む原料組成物100重量部、及びメルトフローレイトが40g/10分以上であるホモポリプロピレン5〜20重量部を含んでいる樹脂組成物を溶融混練した後に金型内に射出して成形することを特徴とする成形体の製造方法。
  5. 樹脂組成物が、原料組成物100重量部に対して、有機系結晶核剤0.1〜2重量部を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の成形体の製造方法。
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