JP2012067251A - 樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融時に優れた流動性を有し、優れた機械的強度を有する成形体を提供することができ、容器包装リサイクル材の新規な用途を提供することが可能な樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含むことを特徴とする樹脂組成物。このような樹脂組成物は、成形加工性にも優れることから、本発明の樹脂組成物によれば容器包装リサイクル材を用いているにもかかわらず薄肉であって且つ複雑な形状の成形体を提供することが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に容器包装リサイクル法に基づき回収されたプラスチック製の容器包装材料を用いた、溶融時の流動性に優れる樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法に関する。
容器包装リサイクル法の施行により、家庭から出るゴミの約6割(容積比)を占めるプラスチック製の容器包装ゴミを回収し、資源として有効利用することが定められている。プラスチック製の容器包装ゴミは、洗浄、分別及び破砕された後に比重分離されることによりポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの比重が小さいポリオレフィン系樹脂の混合物が分離され、このようにして得られた混合物は「容器包装リサイクル材」とも言われ、新たな成形品の原料として再利用される(特許文献1)。分別工程や比重分離工程において不純物を完全に取り除くことは難しく、したがって容器包装リサイクル材には、通常、ポリオレフィン系樹脂の他にもポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂が少量含まれる。
特開2006−123412号公報
しかしながら、上述した容器包装リサイクル材の主成分となるポリオレフィン系樹脂の多くは容器包装ゴミに含まれるレジ袋や商品を包むための包装用フィルムなどから得られたものである。レジ袋や包装用フィルムは薄くても丈夫であることが必要とされることから、これらの材料としては高密度ポリエチレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂などの分子量が高いポリオレフィン系樹脂が用いられる。これらの分子量が高いポリオレフィン系樹脂は溶融時の流動性が悪く、結果として容器包装リサイクル材(メルトフローレイト(MFR)0.1〜3.0g/10分程度)の流動性も悪くなり、このような容器包装リサイクル材は射出成形による薄い成形体の製造には適していない問題があった。
そのため、容器包装リサイクル材を用いた成形体の用途としては、駐車場の車止めやブロック、並びに公園や花壇に使用するためのポール、杭、柵、及びベンチ板など、厚さが20mmを超える厚い成形体に限定されていた。また、このような成形体の機械的強度も低い。したがって、容器包装リサイクル材は、再生資源として利用される率が未だ低い。
容器包装リサイクル材の流動性を向上させるために、容器包装リサイクル材に高流動性ポリプロピレン系樹脂(MFR:80〜150g/10分)や高流動性ポリエチレン系樹脂(MFR:100〜170g/10分)を添加する手段も考えられる。しなしながら、これらの高流動性の樹脂によっても容器包装リサイクル材の流動性の向上は十分に図れない。さらに、上記高流動性の樹脂はコストが高く、結果として容器包装リサイクル材の再資源化にかかるコストの上昇を招くため、上記高流動性の樹脂の使用は実用的ではない。
したがって、本発明の課題は、溶融時に優れた流動性を有し、優れた機械的強度を有する成形体を提供することができ、容器包装リサイクル材の新規な用途を提供することが可能な樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法を提供することである。
本発明は、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含むことを特徴とする樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、上記樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体を提供する。
さらに、本発明は、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含む樹脂組成物を190〜230℃で溶融混練した後に金型内に射出して成形することを特徴とする成形体の製造方法を提供する。
本発明の樹脂組成物では、容器包装リサイクル材を用いてなる原料組成物に、所定量の非変性ポリプロピレンワックスを組み合わせて用いることを特徴とする。本発明の樹脂組成物に用いられる原料組成物自体は溶融時の流動性が低いが、この原料組成物に所定量の非変性ポリプロピレンワックスを組み合わせて用いることにより、230℃以下の比較的低い温度であっても高い流動性を発現する樹脂組成物を提供することが可能となることを見出し本発明に至った。このような樹脂組成物は、成形加工性にも優れることから、本発明の樹脂組成物によれば容器包装リサイクル材を用いているにもかかわらず薄肉であって且つ複雑な形状の成形体を提供することが可能となる。
また、上記樹脂組成物を用いてなる成形体は、非変性ポリプロピレンワックスを含むことにより機械的強度も向上される上、当該ワックスの添加による曲げ弾性率等の低下も高く抑制される。したがって、本発明によれば、容器包装リサイクル材を、様々な形状に成形することができるだけでなく、優れた機械的強度を有する成形体を提供することができ、容器包装リサイクル材の用途を大幅に広げることが可能となる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、上述の通り比較的低い温度で高い流動性を発現することから、樹脂組成物の溶融混練時や成形加工時に、原料組成物に含まれる塩素含有樹脂が分解して塩素ガスや塩化水素ガスが発生するのを抑制することができ、これにより装置内の金属が腐食するのを抑制したり脱塩素処理工程を省略したりすることも可能となる。
本発明に用いられる原料組成物は、容器包装リサイクル材を用いることにより得られるものである。なかでも、原料組成物は、包装に用いられた合成樹脂フィルムを原料として得られたものであるのが好ましい。包装に用いられた合成樹脂フィルムとしては、レジ袋などの合成樹脂袋、及び合成樹脂からなる包装フィルムなどが挙げられる。容器包装リサイクル材、特に包装に用いられた合成樹脂フィルムを用いることにより得られる原料組成物は流動性が低く、本発明による効果を特に発揮できる。
上記容器包装リサイクル材を用いてなる原料組成物は、一般的に主成分としてポリオレフィン系樹脂を含む他に、少量の塩素含有樹脂を含む。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などのポリエチレン系樹脂、及びプロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂が挙げられる。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、一種のみが用いられてもよいが、通常は複数種のものが混合して用いられる。
なお、ポリエチレン系樹脂とは、エチレン単独重合体、及びエチレンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する共重合体を意味する。また、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレン単独重合体、及びプロピレンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する共重合体を意味する。
上述した通り、包装に用いられた合成樹脂フィルムは、薄くても丈夫であることが必要とされることから、合成樹脂フィルムの原料には分子量が比較的高く、メルトフローレートが低いポリオレフィン系樹脂が用いられる。したがって、容器包装リサイクル材の主成分であるポリオレフィン系樹脂の分子量も高く、具体的には容器包装リサイクル材にポリオレフィン系樹脂として含まれるポリエチレン系樹脂の粘度平均分子量Mvは、通常は10万〜100万、特に10万〜50万であり、また容器包装リサイクル材にポリオレフィン系樹脂として含まれるポリプロピレン系樹脂の粘度平均分子量Mvは、通常は10万〜100万、特に10万〜50万である。
また、容器包装リサイクル材の主成分であるポリオレフィン系樹脂のMFRは、具体的には5.0g/10分以下、特に1.0〜3.0g/10分である。なお、ポリオレフィン系樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠して220℃、荷重2.16kgfで測定した値を意味する。
原料組成物におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、原料組成物の全量に対して、通常は50重量%以上であるが、原料組成物の流動性が低くなり、本発明による効果を特に発揮できることから、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95〜99.99重量%である。
また、原料組成物には、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンなどの塩素原子を分子中に含んでいる塩素含有樹脂も含まれる。原料組成物における塩素含有樹脂の含有量は、原料組成物の全量に対して、一般的には0.01〜3.0重量%である。
原料組成物は、上述したポリオレフィン系樹脂及び塩素含有樹脂の他にも、完全に除去することが困難な不可避的不純物が含まれ得る。不可避的不純物としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂、無機物(例えば、金属)が挙げられる。原料組成物における不可避的不純物の含有量は、原料組成物の全量に対して、一般的に0〜5重量%、特に0〜2重量%である。
また、原料組成物として用いられる容器包装リサイクル材は、自治体が回収したプラスチックゴミに分別、洗浄、破砕及び比重分離などの前処理を行った後、さらに造粒工程を行うことによりペレット状、減容品状(破砕品を圧縮し固形化)など所定の形状に成形されていてもよい。
本発明の樹脂組成物には、非変性ポリプロピレンワックスが用いられる。非変性ポリプロピレンワックスは、プロピレンを重合した粘度平均分子量が5,000〜30,000のポリプロピレンであり、このようなポリプロピレンは一般的にポリプロピレンワックスと言われる。また、非変性ポリプロピレンワックスは、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の酸モノマーで変性されておらず且つ酸化変性もされておらず、したがって末端や主鎖にカルボニル基(>C=O)、カルボキシル基(−COOH)、ヒドロキシル基(−OH)を有していない。
また、非変性ポリプロピレンワックスは、新製品として製造されたものであり、成形品を原料として得られたものではなく、いわゆる未使用のものであり、一度でも容器や包装に成形されることにより使用されたポリオレフィン系樹脂やこれを含む容器包装リサイクル材とは異なるものである。
非変性ポリプロピレンワックスを構成するポリプロピレンの粘度平均分子量は、5,000〜20,000が好ましく、5,000〜10,000がより好ましい。粘度平均分子量が高すぎるポリプロピレンからなる非変性ポリプロピレンワックスは、原料組成物との相溶性が低いだけでなく、樹脂組成物の溶融時の流動性を十分に向上させることができない恐れがある。また、粘度平均分子量が低すぎるポリプロピレンからなる非変性ポリプロピレンワックスは得られた成形体の表面にブリードアウトする恐れがある。
非変性ポリプロピレンワックスとしては、プロピレン単独重合体、プロピレン成分を50重量%以上含有してなるプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、及び1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。プロピレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なかでも、非変性ポリプロピレンワックスとしては、プロピレンとエチレンとの共重合体が好ましく挙げられる。プロピレンとエチレンとの共重合体によれば、樹脂組成物の溶融時の流動性を高く向上させることができる。
なお、本発明において、非変性ポリプロピレンワックスの粘度平均分子量は、JIS K7367−3(1991)に準拠した方法により非変性ポリプロピレンワックスの粘度を測定し、この粘度を用いてユニバーサル法に基づき算出される値をいう。例えば、次の方法を用いて測定することができる。なお、ポリオレフィン系樹脂の粘度平均分子量の測定も同様にして行うことができる。
非変性ポリプロピレンワックスをデカヒドロナフタレン(135℃)に溶解し、濃度(C)6.0g/Lの溶液を調製する。デカヒドロナフタレンの流下時間(t0)が130秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、25℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間(t)を測定する。測定した流下時間(t)を用い、以下の数式により、粘度平均分子量Mvを算出する。
Mv=1.03×10-4×η0.78
a=0.438×ηsp+1
b=100×ηsp/C
ただし、ηsp:極限粘度
ηsp=t/t0−1
C=6.0(g/L)
η=b/a
非変性ポリプロピレンワックスは、原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは3〜10重量部、より好ましくは3〜6重量部用いられる。このような量で非変性ポリプロピレンワックスを用いることにより、機械的強度に優れる成形体を提供することができ、且つ溶融時の流動性にも優れる樹脂組成物を得ることができる。
非変性ポリプロピレンワックスの軟化点は、140〜160℃が好ましく、148〜158℃がより好ましい。非変性ポリプロピレンワックスの軟化点が高過ぎると樹脂組成物の溶融時の流動性を十分に向上させることができない恐れがある。また、非変性ポリプロピレンワックスの軟化点が低過ぎると、樹脂組成物を用いて得られた成形体の表面に上記ワックスがブリードアウトする恐れがある。
なお、非変性ポリプロピレンワックスの軟化点は、JIS K2207に準拠して測定した値とする。
非変性ポリプロピレンワックスは、好ましくは、チーグラー触媒を用いて製造された重量平均分子量が50,000〜150,000の高分子量のポリプロピレンを不活性ガス中、300〜450℃で熱分解させることにより得られる。熱分解により得られた非変性ポリプロピレンワックスによれば、溶融時の流動性に優れ、得られる成形体の機械的強度を向上させることができる樹脂組成物を提供できる。この他にも、非変性ポリプロピレンワックスとしては、メタロセン触媒を用いて製造されたメタロセン系ポリプロピレンワックスなども用いられる。従来では、非変性ポリプロピレンワックスは、一般的には、静電複写用のトナー材料、紙質向上剤、インキ用耐磨耗性向上剤、ホットメルト粘着剤用添加物などとして用いられており、本発明のように樹脂組成物の溶融時の流動性を向上させるためには用いられていない。
上述した非変性ポリプロピレンワックスは、市販品を用いることができ、例えば、三洋化成工業株式会社製の(製品名)ビスコール330−P、ビスコール550−P、ビスコール660−P、三井化学株式会社製の(製品名)三井ハイワックスNP055、三井ハイワックスNP105、三井ハイワックスNP805、ヘキスト社製造の(製品名)ヘキストワックスPP230などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部、及び非変性ポリプロピレンワックス1〜10重量部を混合することにより得られる。混合方法としては、ブレンダー、ミキサー等を用いたドライブレンド、溶融混練、溶剤に溶解して混合する方法などが用いられる。なかでも、原料組成物と非変性ポリプロピレンワックスとを混合した後、190〜230℃で溶融混練することにより樹脂組成物を調製するのが好ましい。このような温度で樹脂組成物と非変性ポリプロピレンワックスとを溶融混練することにより、これらを均一に混合できると共に塩素含有樹脂の分解を高く抑制することができる。
本発明の樹脂組成物は、上述の通り、溶融時の流動性に優れることから厚さが薄く且つ様々な形状に成形することができ、さらには機械的強度にも優れる成形体を提供することができる。したがって、本発明の樹脂組成物によれば、様々な用途に用いられる成形体を製造することができ、容器包装リサイクル材の用途を大幅に広げることができる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる成形体は、厚さを薄くしても、具体的には1〜4mmの厚さとしても、優れた機械的強度を有する。
本発明の成形体の用途としては、例えば、コンテナ、パレットなどの産業用品、医療廃棄物用ペールなどの衛生用品の他、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、及び生活雑貨などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の成形方法としては、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、及び紡糸などの方法が挙げられるが、本発明の樹脂組成物は流動性に優れることから従来の容器包装リサイクル材では適用が困難であった射出成形に用いられるのが好ましい。
本発明の成形体を製造するには、少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部、及び1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含む樹脂組成物を190〜230℃、好ましくは200〜220で溶融混練した後に金型内に射出して成形する方法が好ましく用いられる。
非変性ポリプロピレンワックスを用いることにより、樹脂組成物を190〜230℃と比較的低い温度で均一に溶融混練することができ、溶融混練時に樹脂組成物に含まれる塩素含有樹脂が熱分解して塩素ガスや塩化水素ガスが発生するのを抑制することができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、成形加工時に装置内の金属が腐食するのを抑制したり、脱塩素処理工程を省略したりすることも可能となる。
塩素ガスや塩化水素ガスの発生を抑制する観点から、溶融混練物を射出成形する際、射出成形用金型の温度は、15〜50℃とするのが好ましく、20〜30℃とするのがより好ましい。樹脂組成物の溶融混練には、単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなどの溶融混練機を用いて行えばよい。
溶融混練した樹脂組成物は、射出成形機の金型のキャビティ内に射出充填した後、冷却、固化させることにより、所定の形状を有する成形体に成形することができる。
なお、上記方法に用いられるポリオレフィン系樹脂及び塩素含有樹脂を含む原料組成物、並びに非変性ポリプロピレンワックスについては、上述した通りである。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
容器包装リサイクル材1(メルトフローレート1.7g/10分、組成:ポリエチレン系樹脂55重量%、ポリプロピレン系樹脂43重量%、ポリ塩化ビニル0.3重量%、及び不可避的不純物1.7重量%)100重量部に対して、非変性ポリプロピレンワックス(粘度平均分子量Mv7,000、軟化点 148℃、三井化学株式会社製 (製品名)三井ハイワックスNP055)1重量部を添加し、射出成型機上に設置した混合機にて混合した。これにより得られた樹脂組成物を射出成形機のシリンダー内に供給し、シリンダー温度を220℃として溶融混練し、樹脂組成物を溶融させた状態で成形品の中央部にゲートを有する射出成形機の金型内に充填し、冷却して固化させることにより矩形平板状の射出成形体(厚さ2mm、平面寸法900mm×900mm)を製造した。なお、射出条件は、以下の通りとした。
射出条件
シリンダー温度220℃
金型温度30℃
射出速度50mm/秒
射出圧力100MPa
射出時間4秒
冷却時間20秒
(実施例2〜10及び比較例1〜8)
実施例2〜10及び比較例1〜8では、容器包装リサイクル材の種類、非変性ポリプロピレンワックスの添加量、及び樹脂組成物の溶融混練温度を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、これを射出成形することにより射出成形体を製造した。
なお、表1において容器包装リサイクル材を省略して「容リ材」と記載する。また、表1における容器包装リサイクル材2及び容器包装リサイクル材3の組成は下記の通りである。
容器包装リサイクル材2:メルトフローレート2.2g/10分、ポリエチレン系樹脂65重量%、ポリプロピレン系樹脂32.2重量%、ポリ塩化ビニル1.3重量%、及び不可避的不純物1.5重量%
容器包装リサイクル材3:メルトフローレート2.4g/10分、ポリエチレン系樹脂72.6重量%、ポリプロピレン系樹脂23重量%、ポリ塩化ビニル2.9重量%、及び不可避的不純物1.5重量%
また、比較例3では、樹脂組成物を射出成形する際に塩素臭が感じられ、ポリ塩化ビニルの熱分解により塩素ガスが発生したことが認められた。
(比較例9及び10)
比較例9及び10では、表1に示す通り、非変性ポリプロピレンワックス1重量部に代えて、高流動性ポリプロピレン系樹脂(粘度平均分子量Mv38万、メルトフローレート100g/10分、日本ポリプロ株式会社製 製品名BC10HR)100重量部、及び高流動性ポリエチレン系樹脂(粘度平均分子量Mv33万、メルトフローレート145g/10分、日本ポリプロ株式会社製 製品名ペトロセン353)100重量部をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、これを射出成形することにより射出成形体を製造した。
(評価)
上記で作製した樹脂組成物の流動長、射出成形体の機械的強度及び曲げ弾性率について、以下の手順に従って評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
(流動長)
射出成形機(宇部興産機械株式会社製 製品名MD1400−IV)を用い、シリンダー温度220℃、金型温度30℃、射出速度100mm/s、圧力120MPa、射出時間5秒の条件で、成形品の中央部にゲートを有する900mm(縦)×900mm(横)×2mm(厚さ)の矩形平板状金型内に、上記で作製した樹脂組成物を射出し、ゲートから流動末端までの最長距離(mm)を測定した。流動長の測定は5回行い、その相加平均値を表1に示す。数値が大きいほど流動性に優れる。
(機械的強度)
射出成形体から80mm(縦)×10mm(横)の大きさの試験片を切り出し、この試験片のシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を、JIS K7111に準拠した方法により測定した。
(曲げ弾性率)
射出成形体から80mm(縦)×10mm(横)の大きさの試験片を切り出し、この試験片の曲げ弾性率(MPa)を、JIS K7171に準拠した方法により測定した。
Figure 2012067251

Claims (4)

  1. 少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
  3. 少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部、及び非変性ポリプロピレンワックス1〜10重量部を混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  4. 少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂と、0.01〜3.0重量%の塩素含有樹脂とを含む原料組成物100重量部に対して、1〜10重量部の非変性ポリプロピレンワックスを含む樹脂組成物を190〜230℃で溶融混練した後に金型内に射出して成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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JP2014148583A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sekisui Techno Seikei Kk 樹脂組成物、これを用いてなる成形体及びその製造方法

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