JP6112774B2 - 自動車のドアハンドル構造 - Google Patents
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Description
ドアハンドルの開操作に伴って可動する可動部材がドア本体の支持部に支持されるとともに、前記可動部材とドアラッチとを連係する連係部材が設けられて、前記ドアハンドルの開操作により前記ドアラッチがロック解除するよう構成され、
前記可動部材と前記連係部材の連結端部とは連結具を介して連結し、
自動車の衝突時に、前記ドアラッチのロック解除側への前記連係部材の移動を阻止するストッパ機構が設けられている自動車のドアハンドル構造に関する。
特許文献1の技術では、前記連結具(結合クリップ90)に横方向に張り出す張り出し部(係合部56)を一体に設けてある。さらに、前記慣性力により前記張り出し部の移動軌跡内に入り込んで、ドアラッチのロック解除側(下側)への前記張り出し部の移動を阻止するストッパ(慣性ストッパ部材54)をドア本体に取り付けてある。
本発明の目的は、部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化でき、ドア開放防止機構のストッパを配置するためのスペースを小さくできる自動車のドアハンドル構造を提供する点にある。
ドアハンドルの開操作に伴って可動する可動部材がドア本体の支持部に支持されるとともに、前記可動部材とドアラッチとを連係する連係部材が設けられて、前記ドアハンドルの開操作により前記連係部材が下方向に押し下げられることにより前記ドアラッチがロック解除するよう構成され、
前記可動部材と前記連係部材の連結端部とは連結具を介して連結し、
自動車の衝突時に、前記ドアラッチのロック解除側への前記連係部材の移動を阻止するストッパ機構が設けられている自動車のドアハンドル構造であって、
前記ストッパ機構は、
前記ドアハンドルと、前記ドア本体に固定されたハンドルベースとのいずれか一方に設けられたストッパ受けと、
前記連結具に設けられた支持部に支持され、自動車の衝突時に生じる慣性力により、前記ストッパ受けの受け部に対する非対向位置から対向位置に移動する平板状に形成されたストッパとから成り、
前記ストッパが前記ストッパ受け上面の受け部に受け止められて、前記ドアラッチのロック解除側への前記連係部材の移動が阻止されるように構成されており、
前記ストッパは、上下方向に沿う縦軸芯周りに回転自在に前記連結具の支持部に支持され、前記慣性力により、前記縦軸芯周りに回転しながら前記非対向位置から前記対向位置に移動し、前記可動部材の可動軌跡内に入り込んで前記可動部材とストッパ受けに挟み込まれる点にある。(請求項1)
また、前記慣性力により、ドアハンドルと連結具と連係部材がこの順にドアラッチのロック解除側に移動しようとするが、連結具の支持部にはストッパが支持されているから、連結具等が前記ロック解除側に移動しようとすると、ストッパがストッパ受けの受け部に受け止められる。
従って、ドアラッチのロック解除側への連係部材の移動が阻止される。これにより、自動車の衝突時にドアが意に反して開放することを防止できる。
前記ストッパは連結具に支持されているから、例えば、ドアハンドルとドアラッチとを連係する連係機構とは別個にストッパを設けた構造に比べると、部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化できる。その結果、自動車のドアハンドル構造を軽量化でき、製作コストを低廉化できる。また、前記連係機構の移動エリア内にストッパを配置でき、ストッパを配置するためのスペースを小さくできる。(請求項1)
前記連結具の支持部に支持される回転軸が前記ストッパに一体に形成され、
前記回転軸は前記連結具の支持部に覆われて、前記回転軸と支持部との間への水の浸入が防止されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
前記ストッパは、回転支軸を介して前記連結具の支持部に支持され、
前記上下方向に沿う縦軸芯は前記回転支軸の軸芯であり、
前記回転支軸は前記支持部に固定され、
前記回転支軸の軸本体部と前記ストッパの被支持部とを覆うカバー部が前記回転支軸に設けられて、前記軸本体部と前記ストッパの被支持部との間への水の浸入が防止されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記ストッパは前記回転軸より離れた位置にインサート成形又はアウトサート成形により錘が設けられている合成樹脂製であると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
前記ストッパ受けの上面に設けられた被係合部に係合する係合突起が前記ストッパの下面に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
前記可動部材は、ドア前後方向に沿う軸芯周りに揺動自在に前記ドア本体の支持部に支持された揺動部材であり、
前記揺動部材は、ドア前後方向から見た断面において、車室外側に凸の断面略くの字形に形成され、
前記連結具は、前記揺動部材の上側揺動端部と前記連係部材の連結端部とを連結し、
前記揺動部材の下側揺動端部を車室外側に押圧する押圧部が前記ドアハンドルの裏側に設けられ、
前記ドアハンドルの開操作に伴って、前記ドアハンドルの押圧部が前記下側揺動端部を車室外側に押圧することで、前記上側揺動端部が車室内側の下方に揺動するとともに、前記連係部材が下側に移動して、前記ドアラッチがロック解除すると、次の作用を奏することができる。
上記のように、前記可動部材は、ドア前後方向に沿う軸芯を中心として揺動自在に前記ドア本体の支持部に支持された揺動部材であるから、可動部材の可動機構を簡素化することができる。
部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化でき、ドア開放防止機構のストッパを配置するためのスペースを小さくできる自動車のドアハンドル構造を提供することができた。
図1に、ドア前後方向(車両前後方向)に長いドアハンドル2を後端部の上下方向中央に備えた自動車の右側のリヤドア1を示してある。このリヤドア1では、ドアハンドル2の前端部(ドア前方側Frの端部)からドア前方側Frにアーム9が延びている。そして、アーム9の先端部が縦軸芯を中心として揺動自在にドア本体4のドアパネル4P(アウタパネル)に支持され、これにより、ドアハンドル2が前記縦軸芯を中心として揺動開閉自在に構成されている。
図11に示すように、ドアハンドル2の後端部2Aの裏側に位置するハンドルベース20の前端部20Bは、ハンドルベース20の他の部分(中間部及び後端部)20Aよりも薄肉に形成されている。ドアハンドル2の後端部2Aの裏面は、ハンドルベース20の前端部20Bの表側の面に重なり、ドアハンドル2のドア後方側Rrの端面はハンドルベース20の前記他の部分20Aの前端面にドア前後方向で重なる。前記他の部分20Aの表側の面とドアハンドル2の表側の面とはリヤドア1の厚さ方向(以下、「ドア厚さ方向」と称する)で略同一位置に位置する。
揺動部材11はクランクとも称される。図2(a)〜図2(c),図3(a),図6〜図8,図11に示すように、揺動部材11は、ドア前後方向から見た断面において、車室外側W2(ドア外方側)に凸の縦断面略くの字形に形成され、揺動部材11の屈曲部が前記揺動軸芯O1周りに揺動自在に前記前後一対の支持壁21に支持されている。
ロッド10の上端部はドア前方側Frに屈曲してL字形に形成されている。そして、揺動部材11の上側揺動端部11Aの連結筒部12と、ロッド10のL字形の上端部10A(連結端部に相当)とが、樹脂製のスナップ30(連結具に相当)を介して連結している。
図4(a)〜図4(e),図6〜図9,図11に示すように、操作者(乗員)によるドアハンドル2の開操作に伴って揺動部材11の下側揺動端部11Bを車室内側W1から車室外側W2に押圧する押圧部52がドアハンドル2の後端部2Aの裏側に設けられている。押圧部52が下側揺動端部11Bを車室外側W2に押圧することで、揺動部材11が揺動軸芯O1周りに揺動して、上側揺動端部11Aが車室内側W1の下方に揺動するとともに、ロッド10がドアラッチのロック解除側(下側)に移動する(図4(a)〜図4(c)参照)。これにより前記ドアラッチがロック解除する。
スナップ30は合成樹脂製で、ロッド10の横軸状の上端部分10A1に外嵌する断面円形の上側嵌合部31A(図10,図11参照)を備えた上側連結部31と、ロッド10の縦軸状の上端部分10A2に外嵌する下側嵌合部32A(図8〜図10参照)を備えた下側連結部32とから成る。下側連結部32と上側連結部31は互いに連なっている。
自動車の側面衝突時には、側方から自動車に加わる衝撃でドアラッチのロックを解除させようとする慣性力がドアハンドル2に加わる。そこで、図6〜図11に示すように、自動車の衝突時に、ドアラッチのロック解除側(下側)への揺動部材11の揺動及びロッド10の移動を阻止するストッパ機構が設けられている。
ドアハンドル2の裏側の押圧部52の端部壁52Tと、
スナップ30に支持され、自動車の衝突時に生じる慣性力により、前記端部壁52Tの上端部52T1に対する非対向位置から対向位置に移動するストッパ40とから成る。そして、後述のように、ストッパ40が前記端部壁52Tの上端部52T1に下方から受け止められて、ドアラッチのロック解除側への揺動部材11及びロッド10の移動が阻止される。前記押圧部52の端部壁52Tはストッパ受けに相当し、前記端部壁52Tの上端部52T1はストッパ受けの受け部に相当する。
前記ストッパ40は合成樹脂製であり、ストッパ本体部44は、縦と横の長さが高さ寸法よりも長い直方体状に形成されている。ストッパ40を合成樹脂製にしたことでストッパ40を軽量化することができる。図6,図10に示すように、車室外側W2でかつドア前方側Frに位置するストッパ本体部44のコーナー部の上面部分が他の上面部分よりも一段低く形成されて、平面視三角形状の段差部49が形成されている。この段差部49は、図4(d)に示すように、ストッパ40が作動した時にストッパ40と揺動部材11とが干渉することを回避するために設けられている。
嵌合溝44Mの外方側(回転軸42から遠い側)の面は回転軸42の軸芯を中心とした横断面円弧形状に形成されている。
図10に示すように、スナップ30の下側連結部32の側壁32Sに、ストッパ40の回転軸42を縦軸芯O2(回転軸42の軸芯、所定の軸芯に相当)周りに回転自在に支持するストッパ支持部37(連結具の支持部に相当)が設けられている。このストッパ支持部37は、回転軸42の上部42Jに嵌合して前記上部42Jを支持する上側支持部47と、回転軸42の軸方向中間部に嵌合して前記軸方向中間部を支持する下側支持部51とから成る。
両周壁部分47S1,47S2の外方側(回転軸42から遠い側)の面は回転軸42の軸芯を中心とした横断面円弧形状に形成されている。
また、車室外側W2の周壁部分47S2は、前記接続部43に間隔を空けて位置するとともに、車室外側W2の周壁部分47S2の先端が前記嵌合溝44Mの内面に当接または近接している。このようにして、前記周壁47Sが回転軸42及び接続部43を覆っている。
リング部51Aは円形リング状に形成され、スプリング受け51Cは、板面が上下方向を向く平板状に形成されている。下側支持部51は合成樹脂製でスナップ30とは別部材で形成されている。
前記下側支持部51を前記スナップ30に下方側から組み付けることによって、前記下側支持部51は前記スナップ30に固定される。
ストッパ40が前記非対向位置から前記対向位置に移動し前記端部壁52Tに受け止められるまでの間、ストッパ40の上面が前記上側揺動端部11Aの下面よりもわずかに下方に位置するように、前記上側揺動端部11Aの下面の形状が形成されている。
また、ストッパ40が作動した時に、ストッパ40が前記端部壁52Tの上端部52T1に受け止められやすい様に、端部壁52Tの上端部52T1に曲面状の斜面部99(図11参照)を追加してある。(なお、この斜面部99については、図11,図12,図13のみに図示している。)
(1) 前記ストッパ40に、アウトサート成形により錘41が設けられているから、ストッパ40の重心の位置を所望の位置に容易に設定することができ、自動車の衝突時の慣性力によりストッパ40を確実に作動させることができる。
(2) ドアハンドル2の押圧部52の端部壁52Tでストッパ40を受け止めるから、例えば、ストッパ40を受け止める専用の部材を設けた場合に比べると、部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化することができる。
(3) ストッパ40を合成樹脂製にしたことでストッパ40を軽量化することができるから、第2コイルスプリングS2の荷重を小さくでき、第2コイルスプリングS2を小型化できる。また、ストッパ40を第2コイルスプリングS2で安定して保持でき、走行時やドア開閉時のストッパ40のがたつきによる異音(ビビリ音)の発生を抑制することができる。
(4) スナップ30の上側支持部47は回転軸42の上部42Jを覆って、回転軸42と上側支持部47との間への水の浸入を防止しているから、回転軸42と上側支持部47の間での水の凍結を回避することができ、冬季でもストッパ40を円滑に回転させることができる。
(5) 前記ストッパ40は前記縦軸芯O2周りに回転運動するから、回転軸42と上側支持部47の間に生じる摺動抵抗が少なくてストッパ40を円滑に回転させることができ、ストッパ40の慣性質量が小さくてもストッパ40を作動させることができ、ストッパ40を軽量化できる。
(6) 回転軸42はストッパ40に一体に形成されているから、部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化でき、組み立て工数を少なくすることができる。
第1の実施形態と異なる構造について説明する。他の構造は第1の実施形態の構造と同一である。
図14〜図17に示すように、前記ストッパ40は、ドア本体4に設けられたストッパ受け59Tに受け止められる。このストッパ受け59Tは、ハンドルベース20のドア前方側Frの支持壁21の下部を上部よりも車室内側W1に突出させ、前記下部の車室内側W1の先端部を上方に隆起させて構成されている。ストッパ受け59Tの受け部59T1の受け面59M(上面)は略水平の扁平面に形成されている。また、支持壁21の下部と上部の間には空間S(図14参照)が形成されている。
揺動部材11の上側揺動端部11Aの連結筒部12は、ドア前方側Frへストッパ受け59Tの近くまで延長されている。ストッパ受け59Tと前記上側揺動端部11Aとは、互いにドア前後方向にオフセットして位置する。そして、ストッパ40は、ストッパ受け59Tと前記上側揺動端部11Aとで挟み込まれる。
前記回転支軸60を前記スナップ30に上方側から組み付けることによって、前記回転支軸60は前記スナップ30に固定される。
また、第1の実施形態に第2の実施形態のストッパ支持部の構造を適用してもよい。すなわち、第1実施形態において、前記ストッパ40は、スナップ30やストッパ40とは別部材の回転支軸を介してスナップ30の支持部に支持されていてもよい。
本発明は、自動車のフロントドアのドアハンドル構造にも適用することができる。
4 ドア本体
10 連係部材(ロッド)
10A 連係部材の連結端部(ロッドの上端部)
11 可動部材(揺動部材)
11A 上側揺動端部
11B 下側揺動端部
21 ドア本体の支持部(支持壁)
30 連結具(スナップ)
37,61 連結具の支持部(ストッパ支持部,スナップの支持部)
40 ストッパ
41 錘
42 回転軸
45 係合突起
48 ストッパの被支持部
52 押圧部
52K 被係合部
52T ストッパ受け(ドアハンドルに設けられたストッパ受け(押圧部の端部壁))
52T1 ストッパ受けの受け部(ドアハンドルに設けられたストッパ受けの受け部(押圧部の端部壁の上端部))
59T ストッパ受け(ドア本体に設けられたストッパ受け)
59T1 ストッパ受けの受け部(ドア本体に設けられたストッパ受けの受け部)
60 回転支軸
60H 軸本体部
67 カバー部(蓋状嵌合部)
O1 ドア前後方向に沿う軸芯
O2,O3 軸芯(縦軸芯)
W1 車室内側
W2 車室外側
Claims (5)
- ドアハンドルの開操作に伴って可動する可動部材がドア本体の支持部に支持されるとともに、前記可動部材とドアラッチとを連係する連係部材が設けられて、前記ドアハンドルの開操作により前記連係部材が下方向に押し下げられることにより前記ドアラッチがロック解除するよう構成され、
前記可動部材と前記連係部材の連結端部とは連結具を介して連結し、
自動車の衝突時に、前記ドアラッチのロック解除側への前記連係部材の移動を阻止するストッパ機構が設けられている自動車のドアハンドル構造であって、
前記ストッパ機構は、
前記ドアハンドルと、前記ドア本体に固定されたハンドルベースとのいずれか一方に設けられたストッパ受けと、
前記連結具に設けられた支持部に支持され、自動車の衝突時に生じる慣性力により、前記ストッパ受けの受け部に対する非対向位置から対向位置に移動する平板状に形成されたストッパとから成り、
前記ストッパが前記ストッパ受け上面の受け部に受け止められて、前記ドアラッチのロック解除側への前記連係部材の移動が阻止されるように構成されており、
前記ストッパは、上下方向に沿う縦軸芯周りに回転自在に前記連結具の支持部に支持され、前記慣性力により、前記縦軸芯周りに回転しながら前記非対向位置から前記対向位置に移動し、前記可動部材の可動軌跡内に入り込んで前記可動部材とストッパ受けに挟み込まれる自動車のドアハンドル構造。 - 前記連結具の支持部に支持される回転軸が前記ストッパに一体に形成され、
前記回転軸は前記連結具の支持部に覆われて、前記回転軸と支持部との間への水の浸入が防止されている請求項1記載の自動車のドアハンドル構造。 - 前記ストッパは、回転支軸を介して前記連結具の支持部に支持され、
前記上下方向に沿う縦軸芯は前記回転支軸の軸芯であり、
前記回転支軸は前記支持部に固定され、
前記回転支軸の軸本体部と前記ストッパの被支持部とを覆うカバー部が前記回転支軸に設けられて、前記軸本体部と前記ストッパの被支持部との間への水の浸入が防止されている請求項1記載の自動車のドアハンドル構造。 - 前記ストッパは前記回転軸より離れた位置にインサート成形又はアウトサート成形により錘が設けられている合成樹脂製である請求項2に記載の自動車のドアハンドル構造。
- 前記ストッパ受けの上面に設けられた被係合部に係合する係合突起が前記ストッパの下面に形成されている請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動車のドアハンドル構造。
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