JP6112697B2 - クランクシャフト製造装置及びクランクシャフトの製造方法 - Google Patents

クランクシャフト製造装置及びクランクシャフトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クランクシャフト製造装置及びクランクシャフトの製造方法に関し、特にクランクピンやジャーナルの軸部とカウンタウェブとの接続部となる隅R部にレーザビームを照射して焼き入れを施すクランクシャフト製造装置及びクランクシャフトの製造方法に関する。
例えば、自動車に搭載されるエンジン等に用いられるクランクシャフトは、図6(a)に側面図、同図(b)に(a)のA部拡大図を示すように、軸部となるジャーナル2とクランクピン3とがカウンタウェブ4を介して交互に配置され、ジャーナル2の軸線Jとクランクピン3の軸線Pは互いに偏芯しており、ジャーナル2がシリンダブロックに回転自在に支持され、クランクピン3にコネクティングロッドの一端が回転自在に連結される。
カウンタウェブ4との接続部となるジャーナル2の端部に形成される隅角部に強度確保のための丸み、いわゆる隅R部5が形成される。また、カウンタウェブ4との接続部となるクランピン3の隅角部に隅R部6が形成される。このジャーナル2の隅R部5及びクランクピン3の隅R部6にレーザビームを照射して該部に局部的な焼入れを施すことにより、クランクシャフト1の曲げ強度を高める焼入れ方法が開発されている。
レーザビームの照射によるジャーナル2に形成される隅R部5の焼入れ方法は、例えば図6(a)に示すように、ジャーナル2の軸線Jの軸回りにクランクシャフト1を回転し、回転するジャーナル2の隅R部5にレーザビームBを照射する。同様に、クランクピン3の隅R部6の焼入れは、クランクピン3の軸線Pの軸回りにクランクシャフト1を回転し、回転するクランクピン3の隅R部6にレーザビームBを照射する。
ここで、ジャーナル2やクランクピン3の両側には比較的大きな外形を有する板状のカウンタウェブ4が存在することから、レーザビームBは隣接するカウンタウェブ4の干渉を避けてジャーナル2の隅R部5やクランクピン3の隅R部6を照射する必要がある。しかし、隣接するカウンタウェブ4の間隔Lは狭く、ジャーナル2の隅R部5及びクランクピン3の隅R部6に対するレーザビームBの照射角度を十分に確保することができず、特に強度が要求される隅R部5及び隅R部6の外側、即ちカウンタウェブ4に隣接する部分へのレーザビーム照射が十分に得られず、該部の焼入れが十分に達成できないことが懸念される。
この対策として、例えば図7に模式的に示すように、クランクピン3とカウンタウェブ4との接合部であるクランクピン3の隅R部6にレーザビームBを照射する際に、焼入れを施すクランクピン3に隣接した両側のカウンタウェブ4の間に照射用反射鏡7を配置し、クランクピン3の軸線Pの軸回りにクランクシャフト1を回転すると共に、クランクピン3とほぼ直交する方向から照射されるレーザビームBを照射用反射鏡7によって反射させて隅R部6を照射する焼入れ方法がある。
また、特許文献1には、ジャーナルの隅R部にレーザビームにより焼入れを施すにあたり、隣接する両カウンタウェブ間に複数の集光用反射面及び照射用反射面を有する反射筒を配置し、クランクシャフトをジャーナルの軸線回りに回転すると共に、ジャーナルに対して直交する方向から照射したレーザビームを反射筒に導入して複数の集光用反射面によって集光し、照射用反射面によって反射させて隅R部を照射する焼入れ方法が開示されている。
特許第4179009号公報
上記のように焼入れを施すクランクピンに隣接する両側のカウンタウェブの間に照射用反射鏡を配置し、クランクピンとほぼ直交する方向から照射されるレーザビームを照射用反射鏡より反射させて隅R部に照射することで、レーザビームがカウンタウェブに干渉されることなく隅R部に対する照射角度を大きく確保して照射することができる。
しかし、レーザビームや焼入れに伴うクランクシャフトからの熱により照射用反射鏡の劣化を招くと共に、焼入れに伴う油煙やゴミの付着による汚れ等により照射用反射鏡の機能が低下して良好なレーザビームの照射が達成できず隅R部の焼入れ不良を招くことが懸念される。また、照射用反射鏡の機能低下に伴う照射用反射鏡の交換等のメンテナンスが頻繁になり設備コストや生産コストの増大を招くと共に生産性の低下が懸念される。
一方、特許文献1においても、レーザビームや焼入れに伴うクランクシャフトからの熱により集光用反射面及び照射用反射面を有する反射筒の劣化を招くと共に、焼入れに伴う油煙やゴミの付着により反射筒の機能が低下して焼入れ不良を招くことが懸念される。また、反射筒の機能低下に伴う交換等のメンテナンスが頻繁になり設備コストや生産コストの増大を招くと共に生産性の低下が懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、簡単な構成で生産性に優れると共に安定した高品質の焼き入れが得られ、設備コストや生産コストの抑制が得られるクランクシャフト製造装置及びクランクシャフトの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の発明によるクランクシャフト製造装置は、クランクシャフトと第1及び第2のレーザ照射手段とを軸回りに相対回転させながら前記第1及び第2レーザ照射手段による2方向からのレーザビームを前記クランクシャフトの軸部とカウンタウェブとの接続部である隅R部に照射して焼入れを施すクランクシャフト製造装置であって、前記第1及び第2レーザ照射手段のレーザビームは、前記クランクシャフトの回転中心となる軸線を回避する方向へ向かって照射され、前記第1レーザ照射手段は、前記相対回転に伴う前記カウンタウェブにより発生する前記第1レーザ照射手段と前記隅R部との間の遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビーム照射し、前記第2レーザ照射手段は、前記相対回転に伴う前記カウンタウェブにより発生する前記第2レーザ照射手段と前記隅R部との間の遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビーム照射し、前記隅R部に対する前記第2レーザ照射手段の遮蔽範囲は、前記隅R部に対する前記第1レーザ照射手段の遮蔽範囲と異なることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1のクランクシャフト製造装置において、前記第1レーザ照射手段と前記第2レーザ照射手段とは、前記第1レーザ照射手段のレーザビームの前記隅R部に対する焦点位置を中心に、前記クランクシャフトの前記軸部の回転方向に等間隔で配置されることを特徴とする。
これによると、クランクシャフトと第1及び第2のレーザ照射手段とを軸回りに相対回転させながら第1レーザ照射手段からカウンタウェブにより発生する第1レーザ照射手段と隅R部との間の遮蔽範囲を除く隅R部に対してレーザビーム照射し、かつ第2レーザ照射手段からはカウンタウェブにより発生する第2レーザ照射手段と隅R部との間の遮蔽範囲を除く隅R部に対してレーザビーム照射することで、隅R部に対する照射角が維持された状態で第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段によるレーザビーム照射が隅R部の全周に亘って連続して行われて安定した高品質の焼き入れが得られる。
また、第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段から直接レーザビームを隅R部に照射することで、反射鏡等の付帯装置が不要で生産性に優れると共に設備コストやメンテナンスコストの抑制が得られる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクランクシャフト製造装置において、前記第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段によるレーザビーム照射を交互に切り換えることを特徴とする。
これによると、第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段によるレーザビーム照射を交互に切り換えることで、効率的に第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段によるレーザビーム照射が行える。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランクシャフト製造装置において、前記軸部は、クランクピンであることを特徴とする。請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランクシャフト製造装置において、前記軸部は、ジャーナルであることを特徴とする。これら請求項及び請求項は、軸部がクランクピン或いはジャーナルである具体的な例を示す。
上記目的を達成する請求項に記載の発明によるクランクシャフトの製造方法は、軸回りに回転するクランクシャフトの軸部とカウンタウェブとの接続部である隅R部にレーザビームを照射して焼入れを施すクランクシャフト製造方法であって、なる2方向から、前記クランクシャフトの回転中心となる軸線を回避する方向へ向かって、前記回転に伴うカウンタウェブにより発生する遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビームを照射し、前記2方向のうち、一方の方向のレーザビームの前記隅R部に対する前記遮蔽範囲は、他方向のレーザビームの前記隅R部に対する前記遮蔽範囲と異なることを特徴とする。
これによると、クランクシャフトを軸回りに回転しつつカウンタウェブにより発生する遮蔽範囲を除く異なる2方向から隅R部に対してレーザビームを照射することで、隅R部にカウンタウェブに干渉することなくレーザビームが連続して照射され、安定した高品質の焼き入れが得られる。
請求項に記載の発明は、請求項のクランクシャフトの製造包布において、前記異なる2方向からのレーザビームの照射は、交互に切り換えられることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5のクランクシャフトの製造方法において、前記異なる2方向からのレーザビームの照射は、交互に切り換えられることを特徴とする。
これによると、2方向からのレーザの照射を交互に切り換えることで、効率的にレーザビームの照射が行える。
本発明によると、クランクシャフトと第1及び第2のレーザ照射手段とを軸回りに相対回転させながら第1レーザ照射手段からカウンタウェブにより発生する第1レーザ照射手段と隅R部との間の遮蔽範囲を除く隅R部に対してレーザビーム照射し、かつ第2レーザ照射手段からはカウンタウェブにより発生する第2レーザ照射手段と隅R部との間の遮蔽範囲を除く隅R部に対してレーザビーム照射することで、カウンタウェブに干渉されることなくレーザビーム照射が連続して安定した高品質の焼き入れが得られる。また、第1及び第2のレーザ照射手段から直接レーザビームを隅R部に照射することで、反射鏡等の付帯装置が不要で生産性に優れると共に設備コストやメンテナンスコストの抑制が得られる。
また、クランクシャフトを回転しつつカウンタウェブにより発生する遮蔽範囲を除く異なる2方向から隅R部に対してレーザビームを照射することで、隅R部にカウンタウェブに干渉することなくレーザビームが連続して照射され、安定した高品質の焼き入れが得られる。
クランクシャフトの製造方法の一実施の形態の概要を示す要部構成説明図である。 同じく、構成の概要を示す図1のII矢視図である。 同じく、構成の概要を示す図1のIII矢視図である。 作動説明図である。 カウンタウェブの形状を説明する説明図である。 クランクシャフトの概要を示す説明図であり、(a)はクランクシャフトの側面図、(b)は(a)のA部拡大図である。 従来のクランクシャフトのレーザビームによる焼入れ方法の説明図である。
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図4を参照してクランクシャフトのクランクピンに形成される隅R部に焼入れを施す場合を例に説明する。なお、クランクシャフトの説明の簡素化を図るためクランクシャフトには図7と対応する符号を付することでクランクシャフトの詳細な説明は省略する。
図1はクランクシャフト製造装置の要部構成説明図、図2は図1のII矢視図、図3は図1のIII矢視図、図4は作動説明図である。
焼入れ処理を施すクランクシャフト1は、軸部となるジャーナル2とクランクピン3とがカウンタウェブ4を介して交互に接続され、ジャーナル2の軸線Jに対してクランクピン3の軸線Pが偏芯している。ジャーナル2のカウンタウェブ4との接続部となる隅角部に隅R部5が形成され、クランクピン3のカウンタウェブ4との接続部となる隅角部に隅R部6が形成される。
クランクシャフト製造装置10は、図1乃至図3に示すようにクランクシャフト1を回転駆動する回転駆動手段及び第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12を有し、クランクシャフト1と第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12を軸回りに相対回転させながら、第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12による2方向からのレーザビームを隅R部6に照射する。
クランクピン3の隅R部6の焼入れは、回転駆動手段によってクランクシャフト1をクランクピン3の軸線P回りに回転させて、第1レーザ照射手段11からカウンタウェブ4により発生する第1レーザ照射手段11と隅R部6との間の遮蔽範囲を除く隅R部6に対してレーザビーム照射し、かつ第2レーザ照射手段12からはカウンタウェブ4により発生する第2レーザ照射手段12と隅R部6との間の遮蔽範囲を除く隅R部6に対してレーザビーム照射することで隅R部6に焼入れを施す。なお、説明の便宜上、第1レーザ照射手段11により照射されるレーザビームを第1レーザビーム11b及び第2レーザ照射手段12により照射されるレーザビームを第2レーザビーム12bと称する。
第1レーザ照射手段11による第1レーザビーム11bの隅R部6に対する焦点位置と第2レーザ照射手段12による第2レーザビーム12bの隅R部6に対する焦点位置は同位置或いは極めて近接した位置に設定される。この第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bの焦点位置が隅R部6に対する照射位置aとなる。
第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12は、照射位置aからの離間距離が等しく、かつ図2及び図3に示すように隅R部6に対する第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bの照射角度が等しく設定され、更に、第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12は、第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bの焦点位置、即ち照射位置aを中心に対象にクランクピン3の回転方向Rに等間隔、例えば90°離反して配置される。
このように配置された第1レーザ照射手段11により照射位置aを照射する際に、第1レーザビーム11bが回転するカウンタウェブ4によって第1レーザ照射手段11と隅R部6との間に発生する遮蔽範囲のクランクピン3の回転角範囲と、第2レーザ照射手段12により照射位置aを照射する際に第2レーザビーム12bが回転するカウンタウェブ4によって第2レーザ照射手段12と隅R部6との間に発生する遮蔽される範囲のクランクピン3の回転角範囲とは重複することがなく設定される。
更に、少なくとも回転方向Rにおいてクランクピン3のピンボトム3bからピントップ3aに亘る隅R部6の第1範囲6aはその全範囲に亘って第1レーザ照射手段11による第1レーザビーム11bの連続した照射が可能であり、ピントップ3aからピンボトム3bに亘る隅R部6の第2範囲6bはその全範囲に亘って第2レーザ照射手段12による第2レーザビーム12bの連続した照射が可能であり、ピントップ3a及びピンボトム3bにおける第1範囲6aと第2範囲6bとの連続部分は第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12による照射が共に可能である。即ち、第1レーザ照射手段11は、相対回転に伴うカウンタウェブ4により第1レーザ照射手段11と隅R部6との間に発生する遮蔽範囲を除く隅R部6に対して第1レーザビーム11bを照射し、第2レーザ照射手段12はカウンタウェブ4により第2レーザ照射手段12と隅R部6との間に発生する遮蔽範囲を除く隅R部6に対して第2レーザビーム12bを照射する。
更に、クランクピン3の回転角、具体的には回転するクランク3のピントップ3a及びピンボトム3bが照射位置aに達する毎に第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12の作動を切り換えるコントローラを備える。
次に、図4に示す作動説明図を参照して作動を説明する。
回転駆動手段によってクランクシャフト1をクランクピン3の軸線P回りに回転させる。そして、図4(a)に示すように回転するクランクピン3のピンボトム3bが照射位置aに達すると第1レーザ照射手段11が作動して第1レーザビーム11bによる隅R部6の照射を開始する。これにより第1レーザ照射手段11の第1レーザビーム11bによりピンボトム3bに位置する隅R部6の第1範囲6aが照射され、更にクランクシャフト1が図4(b)、(c)及び(d)のように軸線Pの回りに回転するに従って隅R部6の第1範囲6aがピンボトム3b側からピントップ3a側に亘って連続して照射され、クランクシャフト1が軸線P回りに180°回転して図4(e)に示すようにクランクピン3のピントップ3aが照射位置aに達すると、第1レーザ照射手段11によるレーザビーム11bの照射を停止すると共に第2レーザ照射手段12のレーザビーム12bによる照射を開始する。
これにより、第2レーザ照射手段12の第2レーザビーム12bによりピントップ3aに位置する隅R部6の第2範囲6bが第1範囲6aに連続して照射され、クランクシャフト1が図4(f)、(g)及び(h)のように軸線Pの回りに回転するに従って隅R部6の第2範囲6bがピントップ3a側からピンボトム3b側に亘って連続して照射される。クランクシャフト1が1回転して図4(a)に示すようにピンボトム3bが照射位置aに達すると、第2レーザ照射手段12による第2レーザビーム12bによる照射を停止する一方、第1レーザ照射手段11によるレーザビーム11bによる隅R部6の第1範囲6aの照射を開始する。
これら図4(a)から(h)における第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12によるレービームの照射を予め設定された回数繰り返す。
この第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bにより隅R部6の照射において、図4(a)から(e)に至る第1レーザ照射手段11の第1レーザビーム11bによる隅R部6の第1範囲6aの照射は、その全範囲に亘ってカウンタウェブ4等に影響されることなく良好な照射角を維持して隅R部6の全幅に亘って照射され、図4(e)から(a)に至る第2レーザビーム12bによる隅R部6の第2範囲6bの照射は、その全範囲に亘ってカウンタウェブ4等に遮蔽されることなく良好な照射角を維持して隅R部6の第2範囲6bの全幅に亘って照射する。この際、第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bは、焼入れ部位の表面溶融を伴わない熱量としている。
これにより、クランクピン3の隅R部6に焼き入れによる硬化層が得られる。なお、特に強度が要求されるクランクピン3のピンボトム3b側における隅R部6の範囲を照射するレーザビーム出力を大きくして該部の疲労強度を高めることもできる。
一方、クランクシャフトのカウンタウェブ4の形状を適宜変更することで第1レーザビーム11及び第2レーザビーム12の隅R部6に対する照射角度を確保できる。例えば、図5(a)に模式的に示すようにクランクピン3側から離反するに従って幅を増大させる逆三角形タイプのカウンタウェブ4にあっては、第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bによる照射角度の拡大は得られない。一方、図5(b)に示すように幅を抑制した長方形タイプのカウンタウェブ4にあっては、第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bによる照射角度が拡大する。更に図5(c)に示すようにクランクピン3から離反した第1レーザビーム11b及び第2レーザビーム12bが干渉する部分の幅を小さくしたカウンタウェブ4にあってはより第1レーザビーム11及び第2レーザビーム12による照射角度の大幅な拡大が得られる。
従って、このように構成された本実施の形態によると、クランクシャフト1と第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12とを軸回りに相対回転させる簡単な構成で、クランクシャフト1と第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12とを軸回りに相対回転させながら、第1レーザ照射手段11からカウンタウェブ4により第1レーザ照射手段11と隅R部6との間に発生する遮蔽範囲を除く隅R部6に対して第1レーザビーム11bを照射し、かつ第2レーザ照射手段12からはカウンタウェブ4により第2レーザ照射手段12と隅R部6との間に発生する遮蔽範囲を除く隅R部6に対して第2レーザビーム12bを照射することで、カウンタウェブ4に干渉されることなく隅R部6に対する照射角を維持して第1レーザ照射手段11からレーザビーム11bと第2レーザ照射手段12から第2レーザビーム12bの照射が連続して実行される。即ち、クランクシャフト1を回転しつつカウンタウェブ4により発生する遮蔽範囲を除く異なる2方向から隅R部6に対して第1レーザビーム11b、第2レーザビーム12bを照射することで、隅R部6にカウンタウェブ4に干渉することなくレーザビームが連続して照射され、安定した高品質の焼き入れが得られる。
また、第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12から直接レーザビーム11b、12bを隅R部6に照射することで、反射鏡等の付帯装置が不要で構成の簡素化が得られ、生産性に優れると共に設備コストやメンテナンスコストの抑制が得られる。
なお、上記実施の形態では、クランクピン3とカウンタウェブ4との接合部となるクランクピン3の端部に形成される隅R部6に焼き入れを施す場合を例に説明したが、ジャーナル2とカウンタウェブ4との接合部となるジャーナル2の端部に形成された隅R部5にレーザビームを照射して隅R部5を焼き入れする際にも同様に行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態ではクランクシャフトを軸回りに回転しつつ、第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12から選択的に隅R部にレーザビームを照射したが、クランクシャフトの回りに第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12を相対的に回転しつつ第1レーザ照射手段11及び第2レーザ照射手段12から選択的に隅R部にレーザビームを照射することもできる。
1 クランクシャフト
2 ジャーナル(軸部)
3 クランクピン(軸部)
4 カウンタウェブ
5 隅R部
6 隅R部
10 クランクシャフト製造装置
11 第1レーザ照射手段
11b 第1レーザビーム
12 第2レーザ照射手段
12b 第2レーザビーム

Claims (7)

  1. クランクシャフトと第1及び第2のレーザ照射手段とを軸回りに相対回転させながら前記第1及び第2レーザ照射手段による2方向からのレーザビームを前記クランクシャフトの軸部とカウンタウェブとの接続部である隅R部に照射して焼入れを施すクランクシャフト製造装置であって、
    前記第1及び第2レーザ照射手段のレーザビームは、前記クランクシャフトの回転中心となる軸線を回避する方向へ向かって照射され、
    前記第1レーザ照射手段は、前記相対回転に伴う前記カウンタウェブにより発生する前記第1レーザ照射手段と前記隅R部との間の遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビーム照射し、
    前記第2レーザ照射手段は、前記相対回転に伴う前記カウンタウェブにより発生する前記第2レーザ照射手段と前記隅R部との間の遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビーム照射し、
    前記隅R部に対する前記第2レーザ照射手段の遮蔽範囲は、前記隅R部に対する前記第1レーザ照射手段の遮蔽範囲と異なることを特徴とするクランクシャフト製造装置。
  2. 前記第1レーザ照射手段と前記第2レーザ照射手段とは、前記第1レーザ照射手段のレーザビームの前記隅R部に対する焦点位置を中心に、前記クランクシャフトの前記軸部の回転方向に等間隔で配置されることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト製造装置。
  3. 前記第1レーザ照射手段及び第2レーザ照射手段によるレーザビーム照射を交互に切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載のクランクシャフト製造装置。
  4. 前記軸部は、クランクピンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランクシャフト製造装置。
  5. 前記軸部は、ジャーナルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランクシャフト製造装置。
  6. 軸回りに回転するクランクシャフトの軸部とカウンタウェブとの接続部である隅R部にレーザビームを照射して焼入れを施すクランクシャフト製造方法であって、
    異なる2方向から、前記クランクシャフトの回転中心となる軸線を回避する方向へ向かって、前記回転に伴うカウンタウェブにより発生する遮蔽範囲を除く前記隅R部に対してレーザビームを照射し、
    前記2方向のうち、一方の方向のレーザビームの前記隅R部に対する前記遮蔽範囲は、他方向のレーザビームの前記隅R部に対する前記遮蔽範囲と異なることを特徴とするクランクシャフト製造方法。
  7. 前記異なる2方向からのレーザビームの照射は、交互に切り換えられることを特徴とする請求項6に記載のクランクシャフトの製造方法。
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