JP7213440B2 - レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 - Google Patents
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Description
[レーザ溶接装置及びレーザ光スキャナの構成]
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置の構成の模式図を示し、図2は、レーザ光スキャナの概略構成図を示す。図3は、ワークの断面模式図を示す。
図4は、レーザ光の走査パターンを示し、レーザ光LBは、XY平面内、この場合はワーク200の表面でリサージュパターン(以下、リサージュ図形ともいう)を描くように走査される。
Y=b1×sin(mt+φ) ・・・(2)
X=a2×sin(nt) ・・・(3)
Y=b2×sin(mt+φ) ・・・(4)
ここで、
a1:リサージュパターンのうちの走査パターンLS1のX方向の振幅
b1:リサージュパターンのうちの走査パターンLS1のY方向の振幅
a2:リサージュパターンのうちの走査パターンLS2のX方向の振幅
b2:リサージュパターンのうちの走査パターンLS2のY方向の振幅
n:第1ミラー41aの周波数
m:第2ミラー42aの周波数
t:時間
φ:第1ミラー41aまたは第2ミラー42a駆動時の位相差であり、具体的には、第1ミラー41aと第2ミラー42aの回転運動時に設ける角度ずれ量である。
ΔY= b1×m×cos(mt+φ)×Δt ・・・(6)
ΔL= Δt×{(ΔX)2+(ΔY)2}1/2 ・・・(7)
よって、リサージュパターンの描画速度Vは、以下に示す式(8)で表される。
数式(5)~(8)は、数式(1)~(2)をもとにして作成した、LS1に関する数式であるが、同様に、数式(3)~(4)をもとにしてLS2に関する数式を作成することができる。ここでは、その詳細を省略する。
図5は、溶接方向に沿ったレーザ光の走査軌跡を示し、図中に示す複数のリサージュパターンの外形が、溶接ビードの外形に対応している。また、図中に示す複数のリサージュパターンは、レーザ光LBが溶接方向に沿って進行する際の、描画パターンの時間に対する位置変化をそれぞれ示している。図6は、レーザ光の描画位置と出力との関係を示し、図7は、レーザ光照射時の溶接方向に沿ったワークの状態変化を模式的に示す。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接方法は、レーザ光LBをX方向(第1方向)に進行させながら、レーザ光LBを二次元的に走査してワーク200の表面に照射することで、ワーク200を溶接する溶接ステップを備えている。
図8は、本変形例に係るレーザ光の描画位置と出力との関係を示し、図9は、レーザ光照射時の溶接方向に沿ったワークの状態変化を模式的に示す。図10は、レーザ光の出力とキーホールの深さとの関係を示す。なお、説明の便宜上、図8~10及び以降に示す各図面において、実施形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図11Aは、本変形例に係るレーザ光の第1の走査パターンを、図11Bは、第2の走査パターンを、図11Cは、レーザ光の第3の走査パターンをそれぞれ示す。
図12は、本実施形態に係る溶接線に沿ったレーザ光の走査軌跡を示す。図13Aは、溶接開始時のレーザ光の描画位置と出力との関係を示し、図13Bは、溶接終了時のレーザ光の描画位置と出力との関係を示す。
図14A~14Cは、本変形例に係るレーザ光の第1~第3の走査パターンをそれぞれ示す。なお、図14A~14Cにおいて、走査パターン中に描かれる矢印はレーザ光LBの描画方向を示す。
図15は、本実施形態3に係るレーザ光の走査軌跡の概略を示し、図16A~16Gは、第1~第7のスポットパターンをそれぞれ示す。
実施形態1~3及び変形例1~3に示した各構成要素を適宜組み合わせて、新たな実施形態とすることもできる。例えば、実施形態2に示す各走査パターンを描画するにあたって、変形例1に示すようにレーザ光LBの出力Pを制御することも可能である。
20 光ファイバ
30 レーザヘッド
31 筐体
32 コリメーションレンズ
33 反射ミラー
34 集光レンズ
40 レーザ光スキャナ
41 第1ガルバノミラー
41a 第1ミラー
41b 第1回転軸
41c 第1駆動部
42 第2ガルバノミラー
42a 第2ミラー
42b 第2回転軸
42c 第2駆動部
50 コントローラ
60 マニピュレータ
200 ワーク
210 第1板材(母材)
211 亜鉛めっき層(被覆層)
220 第2板材(母材)
221 亜鉛めっき層(被覆層)
301,302 キーホール
311,312 溶融池
320 溶接部
Claims (16)
- レーザ光を溶接方向に進行させながら、前記レーザ光を二次元的に走査してワークの表面に照射することで、前記ワークを溶接する溶接ステップを備え、
前記ワークは、それぞれ板状の部分を含む2つの母材において、前記板状の部分同士が重ね合わされ、少なくとも前記板状の部分の表面に被覆層が形成された構造であり、かつ前記被覆層の沸点は、前記母材の融点よりも低く、
前記溶接ステップでは、
前記ワークの表面で所定のパターンを描くように、
かつ、前記所定のパターンのうち、溶接方向に沿って前記所定のパターンの原点の前方に位置する第1描画パターンは、前記原点の後方に位置する第2描画パターンよりも前記溶接方向と交差する方向に関して広いパターンとなるように前記レーザ光を走査し、
前記第1描画パターンを描画中の前記レーザ光の出力が、前記第2描画パターンを描画中の前記レーザ光の出力よりも低くなるように前記レーザ光の出力を制御し、
前記所定のパターンは、互いに非対称な形状の2つの環状のパターンが前記原点で接して連続したパターンであることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンは、前記溶接方向に延びる∞字状のリサージュパターンであり、
前記溶接ステップでは、前記レーザ光を前記溶接方向に沿って第1周波数を有する正弦波状に振動させるとともに、前記溶接方向と交差する方向に沿って第2周波数を有する正弦波状に振動させることで、前記ワークの表面で前記リサージュパターンを描くように前記レーザ光を走査することを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項2に記載のレーザ溶接方法において、
前記第1周波数と前記第2周波数との比は、1:2であることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記第1描画パターンから前記第2描画パターンへの遷移時に、前記レーザ光の出力が連続的に高くなるように制御し、
前記第2描画パターンから前記第1描画パターンへの遷移時に、前記レーザ光の出力が連続的に低くなるように制御することを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記第1描画パターンを描画中に、前記板状の部分の間にある前記被覆層が除去され、
前記第2描画パターンを描画中に、前記被覆層が除去された2つの前記板状の部分同士が溶接されることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記ワークの溶接開始後の第1期間では、前記第2描画パターンを描画するときの前記レーザ光の出力を所定の描画長さにおいて、零とし、
前記ワークの溶接終了前の第2期間では、前記第1描画パターンを描画するときの前記レーザ光の出力を所定の描画長さにおいて、零とすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項6に記載のレーザ溶接方法において、
前記第1期間中に前記レーザ光の出力を零とする所定の描画長さは、前記第2描画パターンの1周期分の長さの約2倍とする一方、前記第2期間中に前記レーザ光の出力を零とする所定の描画長さは、前記第1描画パターンの1周期分の長さと前記第2描画パターンの1周期分の長さとの総和とほぼ同じ程度とすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記レーザ光を前記溶接方向に進行させることで、前記ワークがスポット溶接されることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記被覆層は、亜鉛を主成分とするめっき層であることを特徴とするレーザ溶接方法。 - レーザ光を発生させるレーザ発振器と、
前記レーザ光を受け取ってワークに向けて照射するレーザヘッドと、
前記レーザヘッドの動作及び前記レーザ光の出力を制御するコントローラと、を少なくとも備え、
前記レーザヘッドは、前記レーザ光を第1方向と前記第1方向と交差する第2方向のそれぞれに走査するレーザ光スキャナを有し、
前記ワークが、それぞれ板状の部分を含む2つの母材において、前記板状の部分同士が重ね合わされ、少なくとも前記板状の部分の表面に被覆層が形成された構造であり、かつ前記被覆層の沸点が前記母材の融点よりも低い場合に、
前記コントローラは、前記レーザ光が前記ワークの表面で所定のパターンを描くように、かつ前記所定のパターンのうち、溶接方向に沿って前記所定のパターンの原点の前方に位置する第1描画パターンは、前記原点の後方に位置する第2描画パターンよりも前記溶接方向と交差する方向に関して広いパターンとなるように前記レーザ光スキャナを駆動制御し、
さらに、前記コントローラは、前記第1描画パターンを描画中の前記レーザ光の出力が、前記第2描画パターンを描画中の前記レーザ光の出力よりも低くなるように前記レーザ光の出力を制御し、
前記所定のパターンは、互いに非対称な形状の2つの環状のパターンが前記原点で接して連続したパターンであることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項10に記載のレーザ溶接装置において、
前記所定のパターンは、前記溶接方向に延びる∞字状のリサージュパターンであり、
前記コントローラは、前記レーザ光を前記溶接方向に沿って第1周波数を有する正弦波状に振動させるとともに、前記溶接方向と交差する方向に沿って第2周波数を有する正弦波状に振動させることで、前記ワークの表面で前記リサージュパターンを描くように前記レーザ光スキャナを駆動制御することを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項11に記載のレーザ溶接装置において、
前記第1周波数と前記第2周波数との比は、1:2であることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項10ないし12のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザヘッドが取り付けられたマニピュレータをさらに備え、
前記コントローラは、前記マニピュレータの動作を制御し、
前記マニピュレータは、前記ワークの表面に対して、所定の方向に前記レーザヘッドを移動させることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項10ないし13のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザ発振器と前記レーザヘッドとは光ファイバで接続されており、
前記レーザ光は、前記光ファイバを通って、前記レーザ発振器から前記レーザヘッドに伝送されることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項10ないし14のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザ光スキャナは、前記レーザ光を前記第1方向に走査する第1ガルバノミラーと、前記レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査する第2ガルバノミラーと、で構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項10ないし15のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザヘッドは、焦点位置調整機構をさらに有し、
前記焦点位置調整機構は、前記ワークの表面に交差する方向に沿って、前記レーザ光の焦点位置を変化させるように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
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