JP6112274B2 - 繊維集束剤 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維の集束に使用可能な繊維集束剤に関するものである。
従来、高強度で優れた耐久性の求められる自動車部材や航空機部材等としては、マトリックス樹脂と、繊維材料とを含む繊維強化プラスチックが使用されている。前記マトリックス樹脂としては、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が使用されており、最近では、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のスーパーエンプラといわれる高耐熱性を有する樹脂が多く使用されている。
一方、この繊維強化プラスチックに含まれる炭素繊維やガラス繊維等の繊維材料は、高強度を付与する観点から、繊維集束剤によって概ね数千〜数万程度に集束された繊維束として使用されることが多い。このような繊維集束剤としては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含むガラス繊維集束剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記特許文献1に記載された繊維集束剤は、それを用いて集束された繊維束の巻き取りや製織工程において、繊維束の解れや毛羽立ち、糸切れを引き起こす場合があり、その結果、集束された繊維束の生産性及び最終的に得られる成形品の生産性を著しく低下させる場合があった。
そこで、繊維集束性に優れ、高耐熱性が要求される部位にも使用可能な成形品が得られる繊維集束剤が求められていた。
特開2003−261359号公報
本発明が解決しようとする課題は、繊維集束性及び耐熱性に優れる繊維集束剤を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラス転移温度が−20〜40℃の範囲であるアクリル樹脂(a)が水性媒体中に分散されている樹脂分散体(A)を含有し、アクリル樹脂(a)の平均粒子径が0.5〜5μmの範囲である繊維集束剤が、繊維集束性及び耐熱性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ガラス転移温度が−20〜40℃の範囲であるアクリル樹脂(a)が、水性媒体中に分散されている水性樹脂分散体(A)を含有する繊維集束剤であって、前記アクリル樹脂(a)の平均粒子径が0.5〜5μmの範囲であることを特徴とする繊維集束剤に関する。
本発明の繊維集束剤は繊維集束性及び耐熱性に優れることから、本発明の繊維集束剤を用いて集束した繊維束とマトリックス樹脂とを用いて得られる成形品は、例えば、自動車や航空機の部材、家電製品の部品や風力発電部材をはじめとする様々な用途で使用することができる。
本発明の繊維集束剤は、ガラス転移温度が−20〜40℃の範囲であるアクリル樹脂(a)が、水性媒体中に分散されている水性樹脂分散体(A)を含有する繊維集束剤であって、前記アクリル樹脂(a)の平均粒子径が0.5〜5μmの範囲であるものである。
まず、前記アクリル樹脂(a)について説明する。前記アクリル樹脂(a)は、ガラス転移温度が−20〜40℃の範囲であるが、繊維集束剤の繊維集束性がより向上することから、−10〜30℃の範囲が好ましく、0〜20℃の範囲がより好ましい。
本発明におけるガラス転移温度は、示差走査熱量計「DSC Q−100」(TA Instrument社製)を用い、JIS K7121に準拠した方法で測定したものである。具体的には、真空吸引して完全に溶剤を除去した重合体を、20℃/分の昇温速度で−100℃〜+200℃の範囲で熱量変化を測定し、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度とした。
また、前記アクリル樹脂(a)は、耐熱性がより向上することから、5,000〜150,000の範囲の重量平均分子量を有するものであることが好ましく、10,000〜100,000の範囲の重量平均分子量を有するものであることが特に好ましい。なお、前記重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された値を指す。
前記アクリル樹脂(a)は、例えば、重合性単量体を、有機溶剤中で、重合開始剤存在下、50〜150℃の温度で加熱しラジカル重合することで製造することができる。
前記重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等の(アルコキシ)ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;イタコン酸(無水物)、マレイン酸(無水物)、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル単量体;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの重合性単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
これらの重合性単量体の中でも、粒子安定性がより向上することから、(アルコキシ)ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを全重合性単量体中の1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;シクロへキサノン等の脂環族溶剤;ノルマル酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル溶剤;イソブタノール、ノルマルブタノール、イソプロピルアルコール、ソルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の水酸基を有する溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤などを使用することができる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物などが挙げられる。これらの重合体開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、前記重合開始剤は、前記アクリル樹脂(A)の原料となる単量体の合計に対して、0.1〜10質量%の範囲内で使用することが好ましい。
前記水性媒体としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N-メチル−2−ピロリドン等のラクタム等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみを使用することが特に好ましい。
前記アクリル樹脂(a)を水性媒体中に分散して前記水性樹脂分散体(A)を得る方法としては、各種分散方法が使用できるが、粒子安定性がより向上することから、乳化剤を使用して分散させる方法が好ましい。
前記乳化剤を使用して分散させる方法としては、例えば、前記アクリル樹脂(a)、乳化剤、及び水をスタティックミキサー中に供給し、予備乳化混合液を得た後、超音波ホモジナイザーにより乳化分散し、必要に応じて、脱溶剤を行う方法が挙げられる。
また、前記アクリル樹脂(a)と乳化剤との混合物に、水を供給しながら、乳化分散し、必要に応じて、脱溶剤を行う方法等も挙げられる。
前記乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物等のノニオン系乳化剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系乳化剤、4級アンモニウム塩等のカチオン系乳化剤等が挙げられる。これらの中でも、粒子安定性が向上することから、ノニオン系乳化剤が好ましく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物が特に好ましい。これらの乳化剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の繊維集束剤は、前記アクリル樹脂(a)の平均粒子径が0.5〜5μmの範囲であるものであるが、繊維集束性がより向上することから、0.8〜4.5μmの範囲が好ましく、1.2〜4μmの範囲がより好ましい。
本発明における平均粒子径は、レーザ回折式粒子径分布測定(株式会社島津製作所製「WingSALDII」)により得られた値を指す。
本発明の繊維集束剤は、前記水性樹脂分散体(A)を含有するものであるが、得られる成形品の機械的強度が向上することから、シランカップリング剤を含有することが好ましく、その中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを含有することが特に好ましい。なお、これらのシランカップリング剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、本発明の繊維集束剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の結束剤、潤滑剤、帯電防止剤等の成分を添加できる。
本発明の繊維集束剤で処理した繊維は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のマトリックス樹脂の補強剤として用いられ、特にポリアミド系樹脂に好適に使用される。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明する。
[ガラス転移温度の測定]
示差走査熱量計「DSC Q−100」(TA Instrument社製)を用い、JIS K7121に準拠した方法で測定した。真空吸引して完全に溶剤を除去した重合体を、20℃/分の昇温速度で−100℃〜+200℃の範囲で熱量変化を測定し、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度とした。
[重量平均分子量の測定]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[平均粒子径の測定]
測定装置:レーザ回折式粒子径分布測定(株式会社島津製作所製「WingSALDII」)
測定方法:屈折率の設定を以下の通りとして測定した。
ウレタン樹脂:1.7−0.2i
アクリル樹脂:1.6−0.1i
(実施例1:繊維集束剤(1)の製造及び評価)
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルアクリレート50質量部、メチルメタクリレート47質量部、及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル M−230G」)3質量部を仕込み、均一に混合したモノマープレミックス(1)を得た。
別途、温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、アゾ系開始剤(和光純薬株式会社製「V−59」)1質量部及びトルエン15質量部を仕込み、触媒溶液(1)を得た。
次に、温度計、攪拌装置、還流冷却管および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、トルエン85.5質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。続いて、上記で得たモノマープレミックス(1)及び触媒溶液(1)を各々滴下漏斗で3時間かけて並行滴下し、重合を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間保持した後、室温まで冷却し、不揮発分50%のアクリル樹脂(a−1)の溶液を得た。
該アクリル樹脂(a−1)の溶液202質量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(数平均分子量約16,000)10.1質量部を含む水溶液140.7質量部とを、(アクリル樹脂(a−1)の溶液/ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物水溶液)=(202質量部/140.7質量部)の流量比でそれぞれの定量ポンプでスタティックミキサー中に供給し予備乳化混合液を得た後、該混合液を超音波ホモジナイザー(ソニックコーポレーション社製「ソノレーターBT型」、0.003inchのオリフィスを使用)に背圧をかけながら120Kgf/cm2の圧力で導入し乳化分散を行った。得られた水分散体を40℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、約6時間かけて脱溶剤した後、冷却し、不揮発分45%、平均粒子径1.5μmの繊維集束剤(1)を得た。アクリル樹脂(a−1)のガラス転移温度は3℃であり、重量平均分子量は30,000であった。
[耐熱性(熱変色性)の評価]
上記で得られた繊維集束剤(1)をA4版のPP基材四隅に枠を付けた基材へ流し、24時間室温乾燥後、150℃で5分間さらに乾燥して、膜厚150μmのフィルムを得た。さらに、このフィルムを200℃で1時間熱処理をした後の外観を分光測色計(コニカミノルタ株式会社製「CM−3500d」)で測定し、Δb値で評価した。Δb値が低いほど熱変色が小さく好ましい。
[繊維集束性の評価]
上記で得られた繊維集束剤(1)2.2質量部(固形分として1質量部)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1質量部、及びイオン交換水97.7質量部を混合した後、13μm径のガラス繊維表面に、繊維質量に対し1%均一に塗布した。この繊維を集束させた後、長さ3mmに切断、乾燥してチョップドストランド(1)を作成した。このチョップドストランド(1)50gと、ポリアミド66樹脂100gとを容積1Lのタンブラーに投入し、10分間混合した後、発生した毛羽を採取してその質量を測定し、下記の基準で評価した。
○:0.15g未満
△:0.15g以上1.5g未満
×:1.5g以上
(実施例2:繊維集束剤(2)の製造及び評価)
まず、実施例(1)と同様にして、温度計、攪拌装置、還流冷却管および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、不揮発分50質量%のアクリル樹脂(a−1)の溶液を得た。
次に、該アクリル樹脂(a−1)の溶液202質量部に、スチレン化フェノール系界面活性剤(第一工業製薬株式会社製「NF−08」)3質量部を加えた後、攪拌しながらイオン交換水132質量部を1時間かけて滴下し、乳化分散を行った。その後、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(数平均分子量約16,000)7.1質量部を含む101.6質量部の水溶液を添加し、これを60℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、約6時間かけて脱溶剤した後、冷却し、不揮発分45質量%、平均粒子径2.5μmの繊維集束剤(2)を得た。
実施例1の繊維集束剤(1)に代えて、繊維集束剤(2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性(熱変色性)及び繊維集束性を評価した。
(比較例1:繊維集束剤(R−1)の製造及び評価)
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(OH価:112)71.1質量部、及びジメチロールプロピオン酸1質量部を仕込み充分撹拌混合した後、イソホロンジイソシアネート27.9質量部を加え、80℃でNCO%が3.9%に到達するまで反応を継続した後、冷却し、ウレタン樹脂(1)を得た。
該ウレタン樹脂(1)と、トリエチルアミン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:14)及びイオン交換水を含む水溶液とを、ウレタン樹脂(1)/(トリエチルアミン/ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:14)/イオン交換水)=100/(0.72/6.0/93.4)質量部の流量比でそれぞれの定量ポンプでスタティックミキサー中に供給し予備乳化混合液を得た後、該混合液を超音波ホモジナイザー(ソニックコーポレーション社製「ソノレーターBT型」、0.003inchのオリフィスを使用)に背圧をかけながら120Kgf/cm2の圧力で導入し乳化分散を行った。得られた水性樹脂と、20質量%無水ピペラジン水溶液19.9質量部とを混合させて鎖伸長反応させた後、イオン交換水で希釈して、不揮発分45質量%、平均粒子径0.6μmの繊維集束剤(R−1)が得られた。
実施例1の繊維集束剤(1)に代えて、繊維集束剤(R−1)を使用した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性(熱変色性)及び繊維集束性を評価した。
(比較例2:繊維集束剤(R−2)の製造及び評価)
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、イオン交換水55.9質量部、及び10質量%に希釈したポリオキシエチレンアルキルエーテル(第一工業製薬株式会社製「NL−180」水溶液15質量部を仕込み、均一に混合した。次に、撹拌しながら、n−ブチルアクリレート50質量部、メチルメタクリレート47質量部、及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル M−230G」)3質量部を加えて、乳化分散液(1)を得た。
別途、温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコで、過硫酸アンモウム(キシダ化学株式会社製)1質量部を水15質量部で希釈した触媒水溶液(1)を得た。
次に、攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、イオン交換水45.9質量部仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。続いて、上記で得られた乳化分散液(1)及び触媒水溶液(1)を各々滴下漏斗で3時間かけて並行滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後、さらに温度80℃で3時間保持した後、室温まで冷却して不揮発分45質量%、平均粒子径0.2μmの繊維集束剤(R−2)を得た。得られたアクリル樹脂のガラス転移温度は3℃であった。
実施例1の繊維集束剤(1)に代えて、繊維集束剤(R−2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性(熱変色性)及び繊維集束性を評価した。
(比較例3:繊維集束剤(R−3)の製造及び評価)
温度計、攪拌装置、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルアクリレート20.6質量部、メチルメタクリレート77.5質量部、及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル M−230G」)3質量部を仕込み、均一に混合したモノマープレミックス(2)を得た。
別途、実施例1と同様にして、触媒溶液(1)を得た。
次に、温度計、攪拌装置、還流冷却管および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、トルエン86質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。続いて、上記で得たモノマープレミックス(2)及び触媒溶液(1)を各々滴下漏斗で3時間かけて並行滴下し、重合を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間保持した後、室温まで冷却し、不揮発分50質量%のアクリル樹脂(Ra−1)の溶液を得た。
該アクリル樹脂(RA−1)の溶液と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物(数平均分子量約16,000)10.1質量部を含む水溶液141.5質量部とを、(アクリル樹脂(RA−1)の溶液/ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物水溶液)=(202質量部/141.5質量部)の流量比でそれぞれの定量ポンプでスタティックミキサー中に供給し予備乳化混合液を得た後、該混合液を超音波ホモジナイザー(ソニックコーポレーション社製「ソノレーターBT型」、0.003inchのオリフィスを使用)に背圧をかけながら120Kgf/cm2の圧力で導入し乳化分散を行った。得られた水分散体を40℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、約6時間かけて脱溶剤した後、冷却し、不揮発分45質量%、平均粒子径1.2μmの繊維集束剤(R−3)を得た。アクリル樹脂(Ra−1)のガラス転移温度は50℃であった。
実施例1の繊維集束剤(1)に代えて、繊維集束剤(R−3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、耐熱性(熱変色性)及び繊維集束性を評価した。
上記の実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた繊維集束剤の評価を表1に示す。
Figure 0006112274
本発明の繊維集束剤である実施例1及び2のものは、耐熱性及び繊維集束性に優れることが確認された。
一方、比較例1は、樹脂成分としてウレタン樹脂を用いた例であるが、耐熱性に劣ることが確認された。
比較例2は、平均粒子径が本発明の下限である0.5μmより小さい0.2μmである例であるが、繊維集束性に劣ることが確認された。
比較例3は、アクリル樹脂のガラス転移温度が本発明の上限である40℃より高い50℃である例であるが、繊維集束性に劣ることが確認された。

Claims (2)

  1. ガラス転移温度が−20〜40℃の範囲であるアクリル樹脂(a)が、水性媒体中に分散されている水性樹脂分散体(A)を含有する繊維集束剤であって、前記アクリル樹脂(a)の平均粒子径が0.5〜5μmの範囲であり、前記アクリル樹脂(a)の原料となる全重合性単量体中の(アルコキシ)ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが1〜10質量%の範囲であることを特徴とする繊維集束剤。
  2. 前記樹脂分散体(A)が、前記アクリル樹脂(a)が乳化剤により水性媒体中に分散されているものである請求項1記載の繊維集束剤。
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