JP7016120B2 - 炭素繊維用サイジング剤、該サイジング剤が結合した炭素繊維およびその製造方法、該炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチック - Google Patents
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Description
前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体は、分子内にペルオキシ基およびエチレン性不飽和基を有する単量体であれば、その種類に特に制限はなく使用でき、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体は、共重合体を保管する際の保存安定性の向上と、炭素繊維の表面に結合させる際のラジカル発生効率の向上を両立する観点から、ペルオキシカーボネート基を有するラジカル重合性単量体を用いることが好ましく、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表される単量体を用いることがより好ましい。
前記エポキシ基を有するラジカル重合性単量体は、分子内にエポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する単量体であれば、その種類に特に制限はなく使用でき、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。前記エポキシ基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p-スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテル、p-グリシジルスチレン、3,4-エポキシ-1-ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等が挙げられる。
前記単量体混合物には、前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体および前記エポキシ基を有するラジカル重合性単量体以外のラジカル重合性単量体(以下、その他のラジカル重合性単量体ともいう)を用いることができる。前記その他のラジカル重合性単量体は、分子内にエチレン性不飽和基を有するものであり、かつ得られる共重合体のFedors法にて算出したSP値が9.5~13.5(cal/cm3)1/2であり、活性酸素量が0.25~2.5重量%であり、エポキシ当量が150~3,000g/eq.であり、重量平均分子量が10,000~200,000である範囲を満たす限り、その種類に特に制限なく使用でき、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。ただし、前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体におけるペルオキシ基は、アミノ基の存在下で分解する可能性があるため、前記その他のラジカル重合性単量体としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基を有するラジカル重合性単量体は使用しないことが好ましい。
本発明の共重合体は、Fedors法にて算出したSP値が9.5~13.5(cal/cm3)1/2であり、活性酸素量が0.25~2.5重量%であり、エポキシ当量が150~3,000g/eq.であり、重量平均分子量が10,000~200,000である。
δ(SP値)〔単位:(cal/cm3)1/2〕=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
[ここで、Δei:原子及び原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)、Δvi:モル体積(cm3/mol)である。]
前記共重合体は、少なくとも、前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体および前記エポキシ基を有するラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合して得られる。前記重合の方法は、工業的な生産性の容易さの観点から、ラジカル重合法を用いればよく、前記ラジカル重合法としては、懸濁重合法、溶液重合法、分散重合法、乳化重合法、沈殿重合法、塊状重合法等が挙げられる。
本発明の炭素繊維用サイジング剤は、前記共重合体を含み、さらに、当該サイジング剤の塗装性を向上させる観点から、溶媒を含むことが好ましい。前記溶媒は、共重合体を溶解、分散等できるものであれば、その種類に特に制限はなく使用でき、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。前記溶媒としては、例えば、上述した重合溶媒が挙げられる。
本発明のサイジング剤が結合した炭素繊維は、前記炭素繊維用サイジング剤が炭素繊維に結合したものである。
本発明のサイジング剤が結合した炭素繊維の製造方法は、前記炭素繊維用サイジング剤を前記炭素繊維に塗布して、サイジング剤が塗布された炭素繊維を製造する工程と、得られたサイジング剤が塗布された炭素繊維を加熱処理して、前記サイジング剤と前記炭素繊維を結合させる工程を含む。
本発明の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、少なくとも、前記サイジング剤が結合した炭素繊維およびマトリックス樹脂を含む。
<共重合体の製造>
500mLセパラブルフラスコに、スチレン140g、グリシジルメタクリレート40g、およびt-ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート20gを含む単量体混合物と、2,2-アゾビス(イソブチロニトリル)5.6gと、トルエン200gを加えて混合し、窒素雰囲気下、80℃で8時間攪拌しながら重合を行い、共重合体の溶液を製造した。得られた共重合体の溶液を、メタノールで再沈殿して乾燥することで、白色粉末の共重合体を得た。得られた共重合体について、上述した測定方法に基づいて分析した結果、Mwが56,000、活性酸素量が0.44重量%、エポキシ当量が682g/eq.であった。なお、前記単量体混合物に含まれる単量体の仕込み比率に基づいて算出される共重合体のSP値は、10.3(cal/cm3)1/2であった。
上記で得られた共重合体4gとアセトン196gを混合してサイジング剤を調製した。アセトンを溶媒としてソックスレー抽出を4時間行い、60℃で1時間乾燥することで、元々付着している表面処理剤を除去した炭素繊維フィラメント(T700SC 12000 東レ社製)を、前記サイジング剤に浸漬した後、サイジング剤から引き上げ、60℃で4時間の真空乾燥を実施した。真空乾燥後において、上記の表面処理剤を除去した後の炭素繊維100gに対する共重合体の付着量は、1.04gであった。次いで、真空乾燥後の炭素繊維を、強制対流式加熱炉を用いて、160℃で10分間の加熱処理を行った後、未反応の共重合体を除去するため、得られた加熱処理後の炭素繊維をアセトンを溶媒としてソックスレー抽出を4時間行い、60℃で4時間乾燥し、サイジング剤が結合した炭素繊維を製造した。得られたサイジング剤が結合した炭素繊維において、上記の表面処理剤を除去した後の炭素繊維100gに対するサイジング剤の結合量は、0.045gであった。
密着性(界面せん断強度)の評価はフラグメンテーション法に基づき、式(1)より算出した。結果を表1に示す。
界面せん断強度(MPa)=単繊維の直径(μm)×臨界繊維長における繊維引張強度(MPa)/(2×臨界繊維長(μm))・・・式(1)
単繊維の直径(μm)=2×単繊維とスクリーン間の距離(mm)×ヘリウムネオンレーザー光の波長(μm)÷スクリーン上の回折像間の距離(mm)・・・式(2)
臨界繊維長(μm)=4/3×繊維破断片の長さの平均(μm)・・・式(4)
<共重合体の製造>
各原料の種類とその配合量を表1および表2に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の操作により、共重合体を製造した。得られた各共重合体について、上述の方法に基づき、SP値、活性酸素量、重量平均分子量、およびエポキシ当量を求めた。
上記で得られた各共重合体を用い、実施例1と同様の操作により、サイジング剤を調製し、サイジング剤が結合した炭素繊維を製造した。得られた各サイジング剤が結合した炭素繊維について、密着性(界面せん断強度)の評価をした。結果を表1および表2に示す。
Claims (5)
- ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体およびエポキシ基を有するラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含有し、
前記共重合体は、Fedors法にて算出したSP値が9.5~13.5(cal/cm3)1/2であり、活性酸素量が0.25~2.5重量%であり、エポキシ当量が150~3,000g/eq.であり、重量平均分子量が10,000~200,000である、炭素繊維用サイジング剤。 - 前記ペルオキシ基を有するラジカル重合性単量体が、
一般式(1):
一般式(2):
- 請求項1または2記載の炭素繊維用サイジング剤が炭素繊維に結合した、サイジング剤が結合した炭素繊維。
- 請求項3記載のサイジング剤が結合した炭素繊維およびマトリックス樹脂を含む、炭素繊維強化プラスチック。
- 請求項3記載のサイジング剤が結合した炭素繊維の製造方法であって、前記炭素繊維用サイジング剤を前記炭素繊維に塗布して、サイジング剤が塗布された炭素繊維を製造する工程と、得られたサイジング剤が塗布された炭素繊維を加熱処理して、前記サイジング剤と前記炭素繊維を結合させる工程を含む、サイジング剤が結合した炭素繊維の製造方法。
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