JP2021098777A - 布帛用撥水処理剤 - Google Patents

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【課題】環境への負荷が懸念されるフッ素化合物を含まず、高密度生地に使用した場合においても、洗濯前後において優れた撥水性を発現可能な布帛用撥水処理剤を提供することである。【解決手段】ポリオレフィン樹脂(a1)、及び(無水)マレイン酸を含む不飽和単量体の重合体(a2)を有するポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)と、塩基性化合物(B)と、水性媒体(C)とを含有することを特徴とする布帛用撥水処理剤を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、布帛に撥水性を付与する撥水処理剤に関するものである。
従来、フッ素系撥水剤を繊維製品等に処理することにより、その表面に撥水性が付与された繊維製品が知られている。しかしながら、フッ素化合物は、環境負荷への懸念があり、また、使用時に高温での熱処理を要すること等から、フッ素化合物を含まない処理剤の検討がなされている。
このような中、炭素原子数が6〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び(無水)マレイン酸を必須原料とするアクリル樹脂と、塩基性化合物と、水性媒体とを含有する布帛用撥水処理剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1に記載された撥水処理剤を高密度生地に使用した場合、撥水性が十分に発現しない場合があった。
国際公開第2018/180538号
本発明が解決しようとする課題は、環境への負荷が懸念されるフッ素化合物を含まず、高密度生地に使用した場合においても、洗濯前後において優れた撥水性を発現可能な布帛用撥水処理剤を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリオレフィン複合アクリル樹脂と、塩基性化合物と、水性媒体とを含有する布帛用撥水処理剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂(a1)、及び(無水)マレイン酸を含む不飽和単量体混合物の重合体(a2)を有するポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)と、塩基性化合物(B)と、水性媒体(C)とを含有することを特徴とする布帛用撥水処理剤に関するものである。
本発明の布帛用撥水処理剤は、基材に優れた撥水性を付与できることから、綿、絹、羊毛、麻、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、及びレーヨン等の繊維からなる布帛の撥水処理剤として好適に使用することができる。特に高密度生地の撥水処理剤として好適である。
本発明の布帛用撥水処理剤は、ポリオレフィン樹脂(a1)、及び(無水)マレイン酸を含む不飽和単量体混合物の重合体(a2)を有するポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)と、塩基性化合物(B)と、水性媒体(C)とを含有するものである。
前記ポリオレフィン樹脂(a1)としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超々低密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンとからなる共重合体、プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びその水素添加物等が挙げられる。なお、前記ポリオレフィン樹脂(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリオレフィン樹脂(a1)の融点は、布帛への浸透性がより向上することから、50〜90℃であることが好ましく、60〜85℃であることがより好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂(a1)の重量平均分子量は、撥水性がより向上することから、30,000〜150,000が好ましく、40,000〜100,000のがより好ましい。
本発明における樹脂の平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。
また、前記ポリオレフィン樹脂(a1)は、撥水性がより向上することから、ポリプロピレンであることが好ましい。
前記重合体(a2)は、(無水)マレイン酸及びその他の不飽和単量体を重合して得られるが、不飽和単量体原料中の(無水)マレイン酸は、布帛への浸透性がより向上することから、10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜60質量%の範囲がより好ましく、30〜50質量%の範囲がさらに好ましい。
前記その他の不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、γ―メタクリロキシプロピルトリメトシキシラン、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン等のアクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン化合物;(メタ)アクリル酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸、(無水)イタコン酸、(無水)アコニット酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。なお、これらのその他の単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(無水)マレイン酸」とは、無水マレイン酸とマレイン酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいう。
前記その他の不飽和単量体の使用量は、不飽和単量体原料の合計100質量%から上記の(無水)マレイン酸の比率を除いた残部となる。
前記ポリオレフィン樹脂(a1)と前記重合体(a2)との質量比[(a1)/(a2)]は、布帛への浸透性がより向上することから、10/90〜70/30の範囲が好ましく、20/80〜60/40の範囲がより好ましい。
前記ポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)を得る方法としては、前記ポリオレフィン樹脂(a1)及び溶剤の存在下、前記不飽和単量体混合物(a2)をラジカル重合する方法が簡便であることから好ましい。なお、溶剤はラジカル重合後、脱溶剤工程により、除去することができる。
上記のラジカル重合法は、原料である各単量体を溶剤に溶解し、重合開始剤存在下で重合反応を行う方法である。この際に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化合物;n−ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール化合物;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール化合物;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルターペン等の脂肪族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物などの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物などが挙げられる。これらの重合体開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、前記重合開始剤は、前記アクリル樹脂(A)の原料となる単量体の合計に対して、0.1〜10質量%の範囲内で使用することが好ましい。
前記塩基性化合物(B)としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール等の有機アミン;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイドの四級アンモニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。これらの中でも有機アミンおよびアンモニア(アンモニア水でもよい。)を使用することが好ましい。なお、これらの塩基性化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水性媒体(C)としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみを使用することが特に好ましい。
本発明の布帛用撥水処理剤は、前記ポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)、前記塩基性化合物(B)及び、前記水性媒体(C)を含有するものであるが、上記した方法で得られた前記ポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)が前記水性媒体(C)に溶解または分散したものであることが好ましい。
前記ポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)を前記水性媒体(C)に溶解または分散する方法としては、耐水性がより向上することから、前記ポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)の有する酸基を前記塩基性化合物(B)で中和したものと、前記水性媒体(C)とを混合する方法が好ましい。
また、本発明の布帛用撥水処理剤は、必要に応じて、撥水剤、硬化触媒、潤滑剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤等の添加剤、pH調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、分散安定剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、耐熱性付与剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤、補強剤、触媒、抗菌剤、防カビ剤、防錆剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、顔料、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤等を併用することができる。
本発明の布帛用撥水処理剤を用いて処理可能な布帛としては、例えば、綿、絹、羊毛、麻、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン等の繊維からなる布帛が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(実施例1:布帛用撥水処理剤(1)の製造及び評価)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリプロピレン樹脂(出光興産株式会社製「エルモーデュS−400」、融点80℃、重量平均分子量45,000;以下、「ポリプロピレン樹脂(a1−1)」と略記する。)50質量部、酢酸n−ブチル200質量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸32.0質量部、n−ブチルメタクリレート48.0質量部、酢酸n−ブチル110質量部、及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート0.8質量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、117〜123℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%アンモニア水44.4質量部、イオン交換水700質量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤した後、冷却を行い、不揮発分16.3質量%、pH7.6、粘度50mPa・sの水性樹脂組成物(1)を得た。この水性樹脂組成物(1)をイオン交換水にて不揮発分3質量%まで希釈した後、希釈液100質量部に対し、エタノールを3質量部添加し、布帛用撥水処理剤(1)を得た。この布帛用撥水処理剤(1)中のポリオレフィンアクリル複合樹脂(A−1)の重量平均分子量は4.7万であり、設計酸価は約280である。
(実施例2:布帛用撥水処理剤(2)の製造及び評価)
実施例1で使用したポリプロピレン樹脂(a1−1)を、ポリプロピレン樹脂(出光興産株式会社製「エルモーデュS−600」、融点80℃、重量平均分子量70,000;以下、「ポリプロピレン樹脂(a1−2)」と略記する。)に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分16.3質量%、pH7.6、粘度50mPa・sの水性樹脂組成物(2)を得た。この水性樹脂組成物(2)をイオン交換水にて不揮発分3質量%まで希釈した後、希釈液100質量部に対し、エタノールを3質量部添加し、布帛用撥水処理剤(2)を得た。この布帛用撥水処理剤(2)中のポリオレフィンアクリル複合樹脂(A−2)の重量平均分子量は6.2万であり、設計酸価は約280である。
(比較例1:布帛用撥水処理剤(R1)の製造及び評価)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、酢酸n−ブチル95質量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸61.5質量部、ラウリルメタクリレート184.5質量部、酢酸n−ブチル75質量部、及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート3質量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%アンモニア水85.3質量部、イオン交換水1700質量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤した後、冷却を行い、不揮発分18質量%、pH7.6、粘度800mPa・sの水性樹脂組成物(R1)を得た。この水性樹脂組成物(R1)をイオン交換水にて不揮発分3質量%まで希釈した後、希釈液100質量部に対し、エタノールを3質量部添加し、布帛用撥水処理剤(R1)を得た。この布帛用撥水処理剤(R1)中のアクリル変性樹脂(RA−1)の重量平均分子量は5万であった。
[撥水処理基材の作製]
上記で得られた布帛用撥水処理剤をマングル塗工機にて基布(高密度ポリエチレン生地)に乾燥後2g/mの目付け量にて塗工し、120℃で5分間、さらに150℃で5分間乾燥し、撥水処理基材を得た。
[撥水性(耐洗濯性)の評価]
上記で得た撥水処理基材を、JIS L 0844:2005のA−4法に準拠して、洗濯処理を繰り返し30回行った。洗濯処理前後の各撥水処理基材について、JIS L1092のはっ水度試験(スプレー試験)を実施し、下記の基準により、撥水性(耐洗濯性)を評価した。
○:3.2以上
△:1.2以上3.2未満
×:1.2未満
上記の実施例1〜2及び比較例1の組成及び評価結果を表1に示す。
表1及び2に示す。
Figure 2021098777
実施例1及び2の本発明の布帛用撥水処理剤は、優れた撥水性を付与できることが確認された。
一方、比較例1は、ポリオレフィン複合アクリル樹脂の代わりにアクリル樹脂を使用した例であるが、初期及び洗濯後の撥水性が不十分であることが確認された。

Claims (5)

  1. ポリオレフィン樹脂(a1)、及び(無水)マレイン酸を含む不飽和単量体の重合体(a2)を有するポリオレフィン複合アクリル樹脂(A)と、塩基性化合物(B)と、水性媒体(C)とを含有することを特徴とする布帛用撥水処理剤。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂(a1)の融点が50〜90℃である請求項1記載の布帛用撥水処理剤。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂(a1)の重量平均分子量が30,000〜150,000である請求項1又は2記載の布帛用撥水処理剤。
  4. 前記不飽和単量体中の(無水)マレイン酸の質量比率が、10〜70質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の布帛用撥水処理剤。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂(a1)と前記重合体(a2)との質量比[(a1)/(a2)]が、10/90〜70/30の範囲である請求項1〜4のいずれか1項記載の布帛用撥水処理剤。
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